JP3647012B2 - 口紅 - Google Patents
口紅 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3647012B2 JP3647012B2 JP26076698A JP26076698A JP3647012B2 JP 3647012 B2 JP3647012 B2 JP 3647012B2 JP 26076698 A JP26076698 A JP 26076698A JP 26076698 A JP26076698 A JP 26076698A JP 3647012 B2 JP3647012 B2 JP 3647012B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diglyceryl
- acid ester
- lipstick
- color
- ester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、付着性,つや及び発色の改善された口紅に関する。さらに詳しくは、N-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体の1種又は2種以上と、1種又は2種以上のエステルとを含有して成り、鮮やかな発色が得られ、且つ含有色素本来の色の得られる口紅に関する。
【0002】
【従来の技術】
口紅は、油性基剤と着色料より構成される。油性基剤としては、カカオ脂,ヒマシ油,ホホバ油,マカデミアナッツ油,ラノリン等の天然系油類、ワセリン,流動パラフィン等の炭化水素類、合成系の各種脂肪酸エステル油、カルナウバロウ,ミツロウ,キャンデリラロウ,モクロウ,固形パラフィン,マイクロクリスタリンワックス,セレシン等のワックス類が用いられ、特にスティック状の形態をとるものにおいては、ワックス類はこれらの形状を整えるために必要である。
【0003】
一方着色剤としては、化粧料用タール色素の他、酸化チタン,ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄,雲母チタン,着色雲母チタン等の無機顔料が用いられる。また、スティック状口紅の折れ強度を向上させたり、口紅塗膜のにじみを防止する目的で、合成樹脂系の原料が使用されることがある。
【0004】
ところが、用いる油性基剤や樹脂類或いは着色料の種類によっては、発色が悪かったり、色相のシフトにより着色料本来の色が得られないことがしばしば生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、鮮やかな発色が得られ、しかも色相のシフトを抑制して、着色料本来の色の得られる口紅を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため種々検討を行ったところ、N-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体の1種又は2種以上と、1種又は2種以上のエステルとを併用して油性基剤に含有させることにより、鮮やかな発色が得られ、さらに用いた着色料自体の色が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明に係る口紅は、N-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体の1種又は2種以上と、1種又は2種以上のエステルとを油性基剤中に含有し、さらに着色料とを含有して成る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるN-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体は、N-(n-オクチル)-アクリルアミド,N-(2-エチルヘキシル)-アクリルアミド等のN-オクチルアクリルアミドと、アクリル酸のアルキルエステルとを共重合させて得られる。アクリル酸のアルキルエステルは、炭素数1〜12のアルキル基を有するものが用いられ、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸イソプロピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸オクチル,アクリル酸ドデシル等が挙げられる。これらの共重合体は、分子量50,000〜100,000程度の重合度のものが好適に用いられる。本発明には、これら共重合体より1種又は2種以上を選択して用いる。口紅組成物中における含有量としては、総量で0.1〜10重量%とするのが適切であり、0.5〜3.0重量%の範囲とするのが特に好ましい。
【0009】
本発明においてN-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体とともに油性基剤に含有させるエステルとしては、化粧料用油性原料として用いられるものであれば特に限定されず、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸2-オクチルドデシル,2-エチルヘキサン酸セチル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,イソステアリン酸フィトステリル,リンゴ酸ジイソステアリル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオレイン酸プロピレングリコール,グリセリルモノステアリン酸エステル,グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル,トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン,ジグリセリルモノイソステアリン酸エステル,ジグリセリルジイソステアリン酸エステル,ジグリセリルトリイソステアリン酸エステル,ジグリセリル分岐鎖脂肪酸エステルのジカルボン酸縮合物等が例示され、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。なお、イソステアリン酸フィトステリル及び/又はジグリセリル分岐鎖脂肪酸エステルのジカルボン酸縮合物の1種又は2種以上を含有させることが特に好ましい。ジグリセリル分岐鎖脂肪酸エステルのジカルボン酸縮合物としては、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルアジピン酸縮合物,ジグリセリルイソパルミチン酸エステルピメリン酸縮合物,ジグリセリルイソパルミチン酸エステルスベリン酸縮合物,ジグリセリルイソパルミチン酸エステルアゼライン酸縮合物,ジグリセリルイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物,ジグリセリルイソステアリン酸エステルアジピン酸縮合物,ジグリセリルイソステアリン酸エステルピメリン酸縮合物,ジグリセリルイソステアリン酸エステルスベリン酸縮合物,ジグリセリルイソステアリン酸エステルアゼライン酸縮合物,ジグリセリルイソステアリン酸エステルセバシン酸縮合物等が挙げられる。口紅組成物中における含有量としては、エステルの総量で10〜80重量%の範囲とするのが好ましい。
【0010】
本発明においては、通常口紅に用いられる着色料を用いることができる。たとえば、赤色221号,だいだい色203号等のタール系顔料色素、赤色202号,赤色203号,青色1号アルミニウムレーキ等のタール系レーキ顔料色素、赤色218号,赤色223号,だいだい色201号等のタール系染料色素、酸化チタン,ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄等の無機顔料、雲母チタン,着色雲母チタン等のパール顔料等が例示され、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0011】
本発明に係る口紅用組成物は、好ましくはスティック状の形状で提供される。また、油性基剤にはエステル以外の油性成分を含有させることができ、さらに油性基剤や着色料の他、本発明の特徴を損なわない範囲で界面活性剤,保湿剤,紫外線吸収剤,防菌防黴剤,抗酸化剤,香料等の化粧料用成分を含有させることができる。
【0012】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0013】
製法:(8)の一部に(11)〜(16)を加えてローラーで処理し、顔料部とする。(1)〜(7)及び(9),(10)と(8)の残部を混合し、加熱融解した後、前記顔料部と(17),(18)を加えてホモミキサーで均一に分散し、型に流し込んで急冷し、スティック状に成型する。
【0014】
製法:(1)〜(3)を(10)に加え、ローラーで処理して顔料部とする。(4)は(11)に溶解して染料部とする。(13)〜(15)を混合し、80℃で均一に溶解して水相とする。(5)〜(9)及び(12),(16)を混合し、加熱融解した後、顔料部,染料部を加えてホモミキサーで均一に分散する。その後、水相を加えホモミキサーで乳化分散後、(17)を添加混合し、型に流し込んで急冷し、スティック状に成型する。
【0015】
上記本発明の実施例1及び実施例2について、使用試験を行った。その際、実施例1において(1)のN-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体を含有せず、(16)の雲母チタンを5.0重量%に増量した比較例1、(7)〜(9)のエステルをヒマシ油に代替した比較例2、実施例2において(5)のN-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体を含有せず、(6)のセレシンを5.25重量%に増量した比較例3、(9)〜(11)のエステルをヒマシ油に代替した比較例4についても同時に試験を行った。使用試験は、20才〜50才代の女性パネラー20名を1群として用い、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて使用させ、付着性,つや,発色及び、各実施例及び比較例に用いた色素の色と塗布色との相違について官能評価させて行った。
【0016】
官能評価は、各項目について以下に示す評価基準に従って評価させて点数化し、実施例及び比較例の各使用群について20名の平均値を算出して表1に示した。
【0017】
[付着性]
良好 5点
やや良好 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
【0018】
[つや]
ある 5点
ややある 4点
どちらともいえない 3点
ややない 2点
ない 1点
【0019】
[発色]
良好 5点
やや良好 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
【0020】
[各実施例及び比較例に用いた色素の色と塗布色との相違]
ない 5点
ほとんどない 4点
わずかにある 3点
かなりある 2点
顕著である 1点
【0021】
【表1】
【0022】
表1より明らかなように、本発明の実施例1及び実施例2については、良好な付着性,つや及び発色が認められており、それぞれに用いた色素の色と塗布色との相違もほとんど認められておらず、色素本来の発色が得られることが確かめられた。これに対し比較例1〜比較例4については、付着性,つや及び発色に関する評価は平均的なものにとどまっており、各比較例に用いた色素の色と塗布色との相違がかなり認められ、発色に際し、色素の有する色相が変化することが示された。
【0023】
本発明に係る実施例1及び実施例2においては、25℃及び50℃で3カ月間保存した場合、発汗等の状態の変化は認められなかった。また上記使用試験においても、使用時に痛みやチクチク感,ヒリヒリ感,ピリピリ感,温感等の刺激を感じたパネラーは存在せず、口唇に何らかの異常を認めたパネラーも存在しなかった。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、鮮やかな発色が得られ、しかも色相のシフトを抑制して、着色料本来の色の得られる口紅を提供することができた。
Claims (1)
- N-オクチルアクリルアミド・アクリル酸エステル共重合体の1種又は2種以上と、イソステアリン酸フィトステリル及び/又はジグリセリル分岐鎖脂肪酸エステルのジカルボン酸縮合物より選択した1種又は2種以上のエステルとを含有することを特徴とする、含有色素本来の色の得られる口紅。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26076698A JP3647012B2 (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 口紅 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26076698A JP3647012B2 (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 口紅 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000086448A JP2000086448A (ja) | 2000-03-28 |
JP3647012B2 true JP3647012B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=17352440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26076698A Expired - Fee Related JP3647012B2 (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 口紅 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3647012B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011079742A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Kao Corp | 油性口唇化粧料 |
DE102017211853A1 (de) * | 2017-07-11 | 2019-01-17 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Wasserbeständige kosmetische Mittel zur temporären Farbveränderung von keratinhaltigen Materialien I |
WO2023112670A1 (ja) * | 2021-12-13 | 2023-06-22 | 株式会社 資生堂 | 化粧用色材およびそれを用いた化粧料 |
-
1998
- 1998-09-16 JP JP26076698A patent/JP3647012B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000086448A (ja) | 2000-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4699780A (en) | Cosmetic composition | |
TWI414318B (zh) | 高光澤以凝膠為主之唇膏 | |
CN1330288C (zh) | 含有c24-c28支链脂肪酸或脂肪醇的酯的局部用组合物 | |
CN101563059B (zh) | 具有改善的流变性的基于凝胶的唇膏 | |
TWI740887B (zh) | 唇用化妝品組成物 | |
JPH0314804B2 (ja) | ||
JPH11504326A (ja) | 薄膜形成ファンデーション | |
TWI606844B (zh) | Eye cosmetic composition | |
AU6100394A (en) | Novel waterproof cosmetic compositions | |
JP2020505473A (ja) | 永続口唇メイクアップ用トップコート | |
JP4414082B2 (ja) | 油性化粧料 | |
JP5203622B2 (ja) | 油性化粧料 | |
JP6169841B2 (ja) | 半固形化粧料 | |
JP5368043B2 (ja) | 粉末固形化粧料 | |
JP2008247879A (ja) | 頭髪用着色料 | |
JP5784932B2 (ja) | 油性固形化粧料 | |
JP3647012B2 (ja) | 口紅 | |
JP2006241003A (ja) | 油性固形化粧料 | |
KR101953335B1 (ko) | 고체 타입의 유중수형의 색조 화장료 조성물 | |
JP2001348310A (ja) | 油中水型固形メイクアップ化粧料 | |
JP3657066B2 (ja) | 眉毛着色用化粧料 | |
KR100964022B1 (ko) | 마스카라 화장료 조성물 | |
JP3905277B2 (ja) | 油性固形化粧料 | |
JP2019014678A (ja) | 口唇化粧料及びその製造方法 | |
JP3874702B2 (ja) | 口唇用化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040909 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040915 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218 Year of fee payment: 3 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130218 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |