JP3646917B2 - 多色発光表示パネルの駆動装置 - Google Patents

多色発光表示パネルの駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子等の容量性発光素子を用いた多色発光表示パネルの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示装置の大型化に伴い、薄型の表示装置が要求され、各種の薄型表示装置が実用化されている。有機エレクトロルミネッセンス素子の複数をマトリクス状に配列して構成されるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置は、かかる薄型表示装置の1つとして着目されている。
【0003】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、図1に示すように、透明電極101が形成されたガラス板などの透明基板100上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層102、及び金属電極103が積層されたものである。透明電極101の陽極にプラス、金属電極103の陰極にマイナスの電圧を加え、すなわち、透明電極及び金属電極間に直流を印加することにより、有機機能層102が発光する。良好な発光特性を期待することのできる有機化合物を有機機能層に使用することによって、エレクトロルミネッセンスディスプレイが実用に耐えうるものになっている。
【0004】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単にEL素子という)は、電気的には、図2のような等価回路にて表すことができる。図から分かるように、EL素子は、容量成分Cと、該容量成分に並列に結合するダイオード特性の成分Eとによる構成に置き換えることができる。よって、EL素子は、容量性の発光素子であると考えられる。EL素子は、直流の発光駆動電圧が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積され、続いて当該素子固有の障壁電圧または発光閾値電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)から発光層を担う有機機能層に電流が流れ始め、この電流に比例した強度で発光する。
【0005】
かかるEL素子の電圧V−電流I−輝度Lの特性は、図3に示すように、ダイオードの特性に類似しており、発光閾値電圧Vth以下の電圧では電流Iは極めて小さく、発光閾値電圧Vth以上の電圧になると電流Iは急激に増加する。また、電流Iと輝度Lはほぼ比例する。このようなEL素子は、発光閾値電圧Vthを超える駆動電圧をEL素子に印加すれば当該駆動電圧に応じた電流に比例した発光輝度を呈し、印加される駆動電圧が発光閾値電圧Vth以下であれば駆動電流が流れず発光輝度もゼロに等しいままである。
【0006】
かかるEL素子の複数を用いた発光表示パネルの駆動方法としては、単純マトリクス駆動方式が知られている。図4に多色発光表示パネルの単純マトリクス駆動方式の駆動装置の一例の構造を示す。発光表示パネルにおいては、n個の陰極線(金属電極)B1〜Bnが横方向に、m個の陽極線(透明電極)A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBが縦方向に平行に設けられ、各々の交差した部分(計n×m個)にEL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1〜EmR,n,EmG,n,EmB,nが形成されている。EL素子E1R,1〜EmR,nが赤色発光をなし、EL素子E1G,1〜EmG,nが緑色発光をなし、EL素子E1B,1〜EmB,nが青色発光をなす。各陰極線において連続する赤色、緑色、青色の3原色各々の3つのEL素子(例えば、E1R,1,E1G,1,E1B,1)で1画素を形成する。EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1〜EmR,n,EmG,n,EmB,nは、格子状に配列され、垂直方向に沿う陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBと水平方向に沿う陰極線B1 〜Bnとの交差位置に対応して一端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陽極線側)が陽極線に接続され、他端(上記の等価回路のダイオード成分Eの陰極線側)が陰極線に接続されている。陰極線は陰極線走査回路1に接続され、陽極線は陽極線ドライブ回路2及び陽極線リセット回路3に接続されている。
【0007】
陰極線走査回路1は、各陰極線の電位を個別に定める陰極線B1 〜Bnに対応する走査スイッチ51 〜5nを有し、各々が、逆バイアス電圧となる正電位Vcc及びアース電位(0V)のうちのいずれか一方の電位を、対応する陰極線に中継供給する。
陽極線ドライブ回路2は、各陽極線を通じて駆動電流をEL素子個々に供給する陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBに対応した電流源21R,21G,21B〜2mR,2mG,2mB(例えば定電流源)及びドライブスイッチ61R,61G,61B〜6mR,6mG,6mBを有し、ドライブスイッチが電流を個々に陽極線に流すオンオフ制御するように構成される。駆動源は定電圧源等の電圧源を用いることも可能であるが、上述した電流−輝度特性が温度変化に対して安定しているのに対し電圧−輝度特性が温度変化に対して不安定であること等の理由により、電流源(供給電流量が所望の値となるように制御される電源回路)を用いるのが一般的である。電流源21R,21G,21B〜2mR,2mG,2mBの供給電流量は、EL素子が所望の瞬時輝度で発光する状態(以下、この状態を定常発光状態と称する。)を維持するために必要な電流量とされる。また、EL素子が発光状態にある時は、上述したEL素子の容量成分Cには供給電流量に応じた電荷が充電されているため、EL素子の両端電圧は瞬時輝度に対応した規定値Ve(以下、これを発光規定電圧と称する。)となる。
【0008】
陽極線リセット回路3は、陽極線毎に設けられたシャントスイッチ71R,71G,71B〜7mR,7mG,7mBを有し、該シャントスイッチが選択されることによって陽極線をアース電位に設定する。
陰極線走査回路1、陽極線ドライブ回路2及び陽極線リセット回路3は発光制御回路4に接続される。
【0009】
発光制御回路4は、図示せぬ画像データ発生系から供給された画像データに応じて当該画像データが担う画像を表示させるべく陰極線走査回路1、陽極線ドライブ回路2及び陽極線リセット回路3を制御する。発光制御回路4は、陰極線走査回路1に対して、走査線選択制御信号を発生し、陰極線B1 〜Bnのうちの画像データの水平走査期間に対応する1の陰極線を選択してアース電位に設定し、その他の陰極線は正電位Vccが印加されるように走査スイッチ51 〜5n を切り換える制御を行う。正電位Vccは、ドライブされている陽極線と走査選択がされていない陰極線との交点に接続されたEL素子がクロストーク発光することを防止するために、陰極線に接続される定電圧源によって印加されるものであり、正電位Vcc=Veと設定されている。走査スイッチ51 〜5n が水平走査期間毎に順次アース電位に切り換えられるので、アース電位に設定された陰極線は、その陰極線に接続されたEL素子を発光可能とする走査線として機能することとなる。
【0010】
陽極線ドライブ回路2は、かかる走査線に対して発光制御を行う。発光制御回路4は、画像データが示す画素カラー情報に従って当該走査線に接続されているEL素子のいずれをどのタイミングでどの程度の時間に亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号(駆動パルス)を発生し、陽極線ドライブ回路2に供給する。陽極線ドライブ回路2は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ61R,61G,61B〜6mR,6mG,6mBのいずれかをオンとし、陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBを通じて該当EL素子への駆動電流の供給をなす。これにより、駆動電流の供給されたEL素子は、当該画素カラー情報に応じた発光をなすこととなる。1画素分のEL素子各々の発光輝度、すなわち発光期間内の発光時間によって任意のカラーが得られる。
【0011】
陽極線リセット回路3のリセット動作は、発光制御回路4からのリセット制御信号に応じて行われる。陽極線リセット回路3は、リセット制御信号が示すリセット対象の陽極線に対応するシャントスイッチ71R,71G,71B〜7mR,7mG,7mBのいずれかをオンしそれ以外はオフとする。
本願と同一の出願人による特開平9−232074号公報には、単純マトリクス表示パネルにおける、走査線を切り換える直前に格子状に配された各EL素子の蓄積電荷を放出させるリセット動作を行う駆動法(以下、リセット駆動法と呼ぶ)が開示されている。このリセット駆動法は、走査線を切り換えた際のEL素子の発光立上りを早めるものである。この単純マトリクス表示パネルのリセット駆動法について図4〜図6を参照して説明する。
【0012】
なお、以下に述べる図4〜図6に示す動作は、陰極線B1 を走査してEL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1を光らせた後、陰極線B2 に走査を移してEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2を光らせる場合を例に挙げたものである。また、説明を分かり易くするために、光っているEL素子はダイオード記号にて示され、光っていない発光素子はコンデンサ記号にて示される。また、陰極線B1 〜Bn に印加される正電位Vcc は、EL素子の発光規定電圧Veに等しい電位とされている。
【0013】
先ず、図4においては、走査スイッチ51のみが0(V)のアース電位側に切り換えられ、陰極線B1 が走査されている。他の陰極線B2 〜Bn には、走査スイッチ52 〜5n により正電位Vccが印加されている。同時に、陽極線A1R,A1G,A1Bには、ドライブスイッチ61R,61G,61Bによって電流源21R,21G,21Bが接続されている。また、他の陽極線A2R,A2G,A2B 〜AmR,AmG,AmBには、シャントスイッチ72R,72G,72B 〜7mR,7mG,7mBによって0(V)のアース電位側に切り換えらている。よって、図4の場合、EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1のみが順方向に電圧が印加され、電流源21R,21G,21Bから矢印のように駆動電流が流れ込み、EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1のみが発光することとなる。この状態においては、ハッチングして示される非発光のEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2〜EmR,n,EmG,n,EmB,nは、それぞれ図示の如き極性に充電されることとなる。
【0014】
この図4の発光状態から、次のEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2の発光をなす状態に走査を移行する直前に、以下のようなリセット制御が行われる。すなわち、図5に示すように全てのドライブスイッチ61R,61G,61B〜6mR,6mG,6mBが開放されると共に、全ての走査スイッチ51 〜5n と全てのシャントスイッチ71R,71G,71B〜7mR,7mG,7mBとが0(V)のアース電位側に切り換えられ、陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBと陰極線B1 〜Bnとが一旦0(V)のアース電位側に等しくされてオールリセットが掛けられる。このオールリセットが行われると、陽極線と陰極線の全てが0(V)の同電位となるので、各EL素子に充電されていた電荷は放電し、全てのEL素子の充電電荷が瞬時のうちに無くなる。
【0015】
このようにして全てのEL素子の充電電荷をゼロにした後、今度は図6に示すように、陰極線B2 に対応する走査スイッチ52 のみを0(V)側に切り換え、陰極線B2 の走査を行う。これと同時に、ドライブスイッチ62R,62G,62Bを閉じて電流源22R,22G,22Bを対応の陽極線A2R,A2G,A2Bに接続せしめるとともに、シャントスイッチ71R,71G,71B ,73R,73G,73B 〜7mR,7mG,7mBをオンとし、陽極線A1R,A1G,A1B ,A3R,A3G,A3B 〜AmR,AmG,AmBに0(V)を与える。よって、図6の場合、EL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2のみに順方向に電圧が印加され、電流源22R,22G,22Bから矢印のように駆動電流が流れ込み、EL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2のみが発光することとなる。
【0016】
このように、上記リセット駆動法の発光制御は、陰極線B1 〜Bn のうちのいずれかをアクティブにする期間である走査モードと、これに後続するリセットモードとの繰り返しである。かかる走査モードとリセットモードは、画像データの1水平走査期間(1H)毎に行われる。仮にリセット制御をせずに、図4の状態から図6の状態に直接移行したとすると、例えば、電流源22R,22G,22Bから供給される駆動電流は、EL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2に流れ込むだけではなく、EL素子E2R,3〜E2R,n,E2G,3〜E2G,n,E2B,3〜E2B,nに充電された逆方向電荷(図4に図示)のキャンセルにも費やされるため、EL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2を発光状態にする(EL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2の両端電圧を発光規定電圧Veにする)には時間を要することとなる。
【0017】
しかしながら、上述したリセット制御を行うと、陰極線B2の走査に切り換わった瞬間において、陽極線A2R,A2G,A2Bの電位は約Vccとなるため、次に発光させるべきEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2には、電流源22R,22G,22Bだけではなく陰極線B1、B3〜Bnに接続された定電圧源からの複数のルートからも充電電流が図6に示すように流れ込み、この充電電流によって寄生容量(上記の容量成分C)が充電されて発光規定電圧Veまで達し発光状態に移行できる。その後、陰極線B2の走査期間内においては上述したように電流源から供給される電流量はEL素子が発光規定電圧Veでの発光状態を維持できるだけの電流量とされているので、電流源22R,22G,22Bから供給される電流はEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2のみに流れ込み、すべてが発光に費やされ、図6に示した発光状態を持続する。
【0018】
以上述べたように、リセット駆動法によれば、次の走査線の発光制御に移行する前に、陰極線と陽極線の全てが一旦アース電位である0(V)又は正電位Vcc の同電位に接続されてリセットされるので、次の走査線に切り換えられた際に、発光規定電圧Veまでの充電を速くし、切り換えられた走査線上の発光すべきEL素子の発光の立上りを早くすることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、赤色、緑色、青色用のEL素子においては、発光材料を含む素子構造が各々異なっているので、輝度I−電圧V特性も互いに異なっている場合がほとんどである。よって、1画素を形成するEL素子が全て発光してその画素の表示が白となるときに各EL素子の両端に印加される電圧も互いに異なるので、発光規定電圧Veは赤色、緑色、青色用のEL素子毎に異なることが普通である。それ故、上記したようにリセット制御によって赤色、緑色、青色用のEL素子各々には逆バイアス電圧Vccが印加され、リセット制御後に次の走査の陰極線が選択されると、選択された陰極線上の発光されるべきEL素子各々の両端電圧が赤色、緑色、青色毎の発光規定電圧Veに達するまでに時間差が生じ、発光規定電圧Veでの発光が同時に開始されないので、色ずれが生じるという問題点があった。
【0020】
そこで、本発明の目的は、発光色が互いに異なる容量性発光素子各々の発光の立ち上がり特性の改善を図ることができる多色発光表示パネルの駆動装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の多色発光表示パネルの駆動装置は、互いに交差する複数のドライブ線及び複数の走査線と、ドライブ線及び走査線による複数の交差位置各々にて走査線及びドライブ線間に接続された極性を有し発光色の違いで複数種類に分けられる複数の容量性発光素子とからなり、同一のドライブ線上には同種類の容量性発光素子が配置された多色発光表示パネルの駆動装置であって、入力画像データの走査タイミングに応じて複数の走査線のうちから1の走査線を選択する走査期間とそれに続くリセット期間とを繰り返し設定し、走査期間に入力画像データに応じて1の走査線上の発光させるべき容量性発光素子に対応する現駆動ドライブ線を指定する制御手段と、走査期間に1の走査線に第1電位を印加しかつ1の走査線以外の走査線に第1電位より高い第2電位を印加し、リセット期間に第1電位を全ての走査線に印加する走査手段と、走査期間に発光閾値電圧以上の正電圧を発光させるべき容量性発光素子に順方向に印加するために現駆動ドライブ線に駆動電流を供給し、リセット期間にはその次の走査期間に発光させるべき容量性発光素子に発光閾値電圧以下のオフセット電圧を印加するために次期駆動ドライブ線に第3電位を供給するドライブ手段と、操作入力に応じて発光色各々の輝度の段階を示す輝度データを出力する操作入力手段と、輝度データに応じて発光色各々に対応した種類の容量性発光素子の駆動電流及び両端電圧の各レベルを予め定められたデータに基づいて設定する設定手段と、設定手段によって設定されたレベルに駆動電流を調整する第1調整手段と、現在の第2電位と設定手段によって容量性発光素子の種類に対応させて設定された両端電圧とのレベル差を第3電位として各々設定する算出手段と、容量性発光素子の種類毎に算出手段によって算出された第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内にあるか否かを各々判別する判別手段と、容量性発光素子の種類毎に算出手段によって算出された第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内にある場合にはそのレベルに第3電位を調整し、算出された第3電位のレベルのうちの少なくとも1が所定の許容範囲内にない場合には発光色毎に第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内になるように第2電位及び第3電位の各レベルを調整する第2調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
かかる本発明によれば、色合い調整入力手段の操作によって得られた輝度データに応じて駆動電流を調整しかつ第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内になるように第2電位及び第3電位の各レベルを調整するので、色合い調整等の発光輝度の調整を行った場合でも走査期間に発光色が異なる各々の容量性発光素子の両端電圧が所望の電圧に達するまでに変化する電圧を等しくすることができる故、発光色が互いに異なる容量性発光素子各々の発光の立ち上がり特性を良好なものにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図7は本発明を容量性発光素子としてEL素子を用いた多色発光表示パネルに適用したディスプレイ装置の概略的な構成を示している。このディスプレイ装置は、容量性発光表示パネル11と、発光制御回路12と、陰極線走査回路13と、陽極線ドライブ回路14とを有する。
【0024】
発光表示パネル11は、図8に示すように図4〜図6に示したものと同様に構成されている。すなわち、ドライブ線の陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmB及び走査線の陰極線B1〜Bnの複数の交差位置にマトリクス状に配置され、複数のEL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1〜EmG,n,EmR,n,EmB,nは、陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmB及び陰極線B1〜Bnの複数の交差位置各々にて陽極線と陰極線との間に接続されている。EL素子E1R,1〜EmR,nが赤色発光をなし、EL素子E1G,1〜EmG,nが緑色発光をなし、EL素子E1B,1〜EmB,nが青色発光をなす。各陰極線において連続する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つのEL素子(例えば、E1R,1,E1G,1,E1B,1)で1画素を形成する。
【0025】
表示パネル11の陰極線B1 〜Bnには陰極線走査回路13が接続され、陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBには陽極線ドライブ回路14が接続されている。陰極線走査回路13は陰極線B1〜Bn各々に対応して備えられた走査スイッチ151〜15n及び可変電圧源211〜21nを有している。走査スイッチ151〜15n各々は対応する陰極線に対してアース電位及び可変電圧源211〜21nからの逆バイアス電位Vccのいずれか一方の電位を供給する。可変電圧源211〜21nは上記した逆バイアス電位Vccを得るために電圧を発生するものであり、発光制御回路12によってその発生電圧Vccのレベルは制御される。可変電圧源211〜21nの正側端子が走査スイッチ151〜15nの一方の固定接点に接続され、負側端子はアース接続されている。走査スイッチ151 〜15nが発光制御回路12からの制御によって水平走査期間毎に順次アース電位に切り換えられるので、アース電位に設定された陰極線B1 〜Bnは、その陰極線に接続された素子を発光可能とする走査線として機能することとなる。
【0026】
陽極線ドライブ回路14は陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmB各々に対応して備えられたドライブスイッチ161R,161G,161B〜16mR,16mG,16mB、可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mB及び可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBを有している。ドライブスイッチ161R〜16mR各々は対応する陽極線に対して可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBからの電流、可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBからの電位及びアース電位のいずれか1を供給する。可変電圧源181R〜18mRはオフセット電圧VRを出力し、可変電圧源181G〜18mGはオフセット電圧VGを出力し、可変電圧源181B〜18mBはオフセット電圧VBを出力する。可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mB各々の電流値及び可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mB各々の電圧値は発光制御回路12によって制御される。
【0027】
発光制御回路12は、画像データが示す画素カラー情報に従って走査線に接続されているEL素子のどれをどのタイミングでどの程度の時間に亘って発光させるかについてを示すドライブ制御信号(駆動パルス)を発生し、陽極線ドライブ回路14に供給する。陽極線ドライブ回路14は、このドライブ制御信号に応じて、ドライブスイッチ161R,161G,161B〜16mR,16mG,16mBのうちの発光対応するものを電流源側に切り換え制御し、陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBのうちの対応する陽極線(現駆動ドライブ線)を通じて画素情報に応じた該当素子への駆動電流IR,IG,IBの供給をなし、それ以外の陽極線に対してはドライブスイッチを介したアース電位の供給をなす。
【0028】
発光制御回路12にはデータ入力部19及びメモリ20が接続されている。データ入力部19は発光表示パネル11の赤色、緑色及び青色の輝度を調整するために操作可能にされており、赤色、緑色及び青色各々に対応した調整レバー(図示せず)のユーザによる操作位置に応じた色合い情報、すなわち、赤色、緑色及び青色各々の輝度データを発光制御回路12に出力する。メモリ20には後述するデータテーブル等の制御データが予め書き込まれている。
【0029】
発光制御回路12による発光表示パネル11の発光制御動作を図9のフローチャートに基づいて説明する。
発光制御回路12は、供給される画素データの1水平走査期間毎に発光制御ルーチンを実行する。発光制御ルーチンにおいては、先ず、1水平走査期間分の画素データを取り込み(ステップS1)、取り込んだ1水平走査期間分の画素データが示す画素情報に応じて走査選択制御信号及びドライブ制御信号を発生する(ステップS2)。
【0030】
走査選択制御信号は陰極線走査回路13に供給される。陰極線走査回路13は走査選択制御信号が示す今回の水平走査期間に対応する陰極線B1 〜Bnのうちの1の陰極線をアース電位に設定するためにその1の陰極線に対応する走査スイッチ(151 〜15nのうちの1の走査スイッチ15S、なお、Sは1〜nのうちの1)をアース側に切り換える。その他の陰極線には逆バイアス電位として正電位Vccを印加するために走査スイッチ(151 〜15nのうちの1の走査スイッチ15i以外の全て)をアース側に切り換える。
【0031】
ドライブ制御信号は陽極線ドライブ回路14に供給される。陽極線ドライブ回路14はドライブ制御信号が示す今回の水平走査期間内で陽極線A1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmBのうちの発光駆動すべき画素の素子を含む陽極線に対応するドライブスイッチ(161R,161G,161B〜16mR,16mG,16mBのうちのいずれかのドライブスイッチ)を電流源(171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBのうちの対応するもの)側に切り換える。その他の陽極線はアース側に切り換えられる。これにより、例えば、ドライブスイッチ161R,161G,161Bが電流源171R,171G,171B側に切り換えられた場合には電流源171Rからドライブスイッチ161R、陽極線A1R、素子E1R,S、陰極線BS、走査スイッチ15S、そしてアースへと駆動電流IRが流れ、電流源171Gからドライブスイッチ161G、陽極線A1G、素子E1G,S、陰極線BS、走査スイッチ15S、そしてアースへと駆動電流IGが流れ、電流源171Bからドライブスイッチ161B、陽極線A1B、素子E1B,S、陰極線BS、走査スイッチ15S、そしてアースへと駆動電流IBが流れる。駆動電流IR,IG,IBの供給されたEL素子E1R,S,E1G,S,E1B,Sは、当該画素情報に応じた発光をなすこととなる。EL素子E1R,S,E1G,S,E1B,S各々の発光時間が画素カラー情報に応じて個別に設定されることによりEL素子E1R,S,E1G,S,E1B,Sからなる画素が所望の色で表示される。
【0032】
発光制御回路12は、ステップS2の実行後、所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS3)。所定の時間は予め定められた水平走査期間に対応して設定されている。所定の時間が経過した場合には発光制御回路12はリセット信号を生成する(ステップS4)。リセット信号は陰極線走査回路13及び陽極線ドライブ回路14に供給される。陰極線走査回路13はリセット信号に応じて全ての走査スイッチ151 〜15nの可動接点をアース側固定接点に切り換える。リセット信号は次の走査期間に発光駆動されるべきEL素子に対応する陽極線(次期駆動ドライブ線)の指定を示す。陽極線ドライブ回路14はリセット信号に応じて次の走査期間に発光駆動されるべきEL素子に対応する陽極線に接続されたドライブスイッチの可動接点をオフセット電圧側固定接点に切り換える。これにより次の走査期間に発光駆動されるべきEL素子にはオフセット電圧が印加される。すなわち、次の走査期間に発光駆動されるべき赤色発光用のEL素子にはオフセット電圧VRが印加され、緑色発光用のEL素子にはオフセット電圧VGが印加され、青色発光用のEL素子にはオフセット電圧VBが印加される。これにより、次の走査期間に発光駆動されるべきEL素子各々の容量成分は充電されることになる。
【0033】
発光制御回路12はステップS4の実行を終了すると、発光制御ルーチンを終了し、次の水平走査期間が開始されるまで待機することになる。この次の水平走査期間が開始されるまで間においてもステップS4によるリセット動作が継続される。次の水平走査期間が開始されると、上記のステップS1〜S4の動作が繰り返される。
【0034】
かかる発光制御回路12の発光制御動作によって陰極線B1 を走査して1画素分のEL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1を光らせた後、陰極線B2 に走査を移して1画素分のEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2を光らせる場合について図11〜図13を参照しつつ説明する。また、図11〜図13においては図3及び図5の場合と同様に説明を分かり易くするために、発光している素子は発光ダイオード記号にて示され、非発光の発光素子はコンデンサ記号にて示される。
【0035】
先ず、図10は、走査スイッチ151のみが0(V)のアース電位側に切り換えられ、陰極線B1 が走査選択されている走査期間において、発光すべき素子E1R,1,E1G,1,E1B,1が定常発光状態で発光する動作状態を示している。他の陰極線B2 〜Bn には、走査スイッチ152 〜15n により正電位Vccが印加されている。同時に、陽極線A1R,A1G,A1Bには、ドライブスイッチ161R,161G,161Bによって可変電流源171R,171G,171Bが接続されている。また、他の陽極線A2R,A2G,A2B 〜AmR,AmG,AmBには、ドライブスイッチ162R,162G,162B 〜16mR,16mG,16mBによって0(V)のアース電位側に切り換えらている。よって、図10の場合、EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1のみが順方向に電圧が印加され、可変電流源171R,171G,171Bから矢印のように駆動電流IR,IG,IBが流れ込み、EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1のみが発光することとなる。
【0036】
この状態においては、ハッチングして示される非発光のEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2〜EmR,n,EmG,n,EmB,n各々の両端子間には電圧Vccが印加され、それらの容量成分は図示の如き順方向とは逆極性にて充電されることとなる。また、非発光のEL素子E1R,2,E1G,2,E1B,2〜E1R,n,E1G,n,E1B,nのうちのEL素子E1R,2〜E1R,nが接続される陽極線A1Rの電位はVeRであり、EL素子E1R,2〜E1R,nの陰極B2〜Bnには電位Vccが印加される。従って、EL素子E1R,2〜E1R,nには順方向に電圧VeR−Vccが印加され、その容量成分が充電されることとなる。EL素子E1G,2〜E1G,nが接続される陽極線A1Gの電位はVeGであり、EL素子E1G,2〜E1G,nの陰極B2〜Bnには電位Vccが印加される。従って、EL素子E1G,2〜E1G,nには電圧VeG−Vcc=0が印加され、その容量成分は充電されない。EL素子E1B,2〜E1B,nが接続される陽極線A1Bの電位はVeBであり、EL素子E1B,2〜E1B,nの陰極B2〜Bnには電位Vccが印加される。従って、EL素子E1B,2〜E1B,nには逆方向に電圧Vcc−VeBが印加され、その容量成分が充電されることとなる。
【0037】
この図10の発光状態から、次のEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2の発光をなす状態に走査を移行する直前に、上記したステップS4によるリセット制御が行われるリセット期間となる。すなわち、図11に示すようにEL素子E2R,2,E2G,2,E2B,2に対応するドライブスイッチ162R,162G,162B以外のドライブスイッチ161R,161G,161B及び163R,163G,163B〜16mR,16mG,16mBがアース電位側に切り換えられると共に、全ての走査スイッチ151 〜15n がアース電位側に切り換え、陽極線A1R,A1G,A1B及びA3R,A3G,A3B〜AmR,AmG,AmBと陰極線B1 〜Bn とが一旦0(V)のアース電位側に等しくされる。これにより、EL素子E1R,1〜E1R,n、E1G,1〜E1G,n、E1B,1〜E1B,n及びE3R,1,E3G,1,E3B,1〜EmR,n,EmG,n,EmB,nのリセットが掛けられ、それらEL素子の陽極と陰極との間が0(V)の同電位となるので、それら各EL素子に充電されていた電荷は放電し、それら全てのEL素子の充電電荷が瞬時のうちに放電されて無くなる。EL素子E1G,2〜E1G,nについても陽極と陰極との間が0(V)の同電位となるが、EL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1の発光時にはそれらは充電されておらず、蓄電電荷がないので、放電されることはない。
【0038】
リセット制御によってドライブスイッチ162R,162G,162Bは可変電流源182R,182G,182B側に切り換えられる。よって、可変電流源182Rの正電位VRがドライブスイッチ162R、そして陽極線A2Rを介して赤色発光用のEL素子E2R,1〜E2R,nの陽極各々に印加され、可変電流源182Gの正電位VGがドライブスイッチ162G、そして陽極線A2Gを介して緑色発光用のEL素子E2G,1〜E2G,n各々の陽極に印加され、可変電流源182Bの正電位VBがドライブスイッチ162B、そして陽極線A2Bを介して青色発光用のEL素子E2B,1〜E2B,nの陽極に印加される。EL素子E2R,1,E2G,1,E2B,1〜E2R,n,E2G,n,E2B,n各々の陰極は対応する走査スイッチ151〜15nを介してアース電位にされているので、赤色発光用のEL素子E2R,1〜E2R,nの陽極と陰極との間にはオフセット電圧VRが印加され、緑色発光用のEL素子E2G,1〜E2G,nの陽極と陰極との間にはオフセット電圧VGが印加され、青色発光用のEL素子E2B,1〜E2B,nの陽極と陰極との間にはオフセット電圧VBが印加される。ここで、オフセット電圧VR,VG,VBの初期値ではVR>0(V),VG=0(V),VB<0(V)ならば、図10に示したように、赤色発光用のEL素子E2R,1〜E2R,nの容量成分は順方向の極性にて充電され、緑色発光用のEL素子E2G,1〜E2G,nの容量成分は充電されず、青色発光用のEL素子E2B,1〜E2B,nの容量成分は順方向とは逆極性にて充電される。
【0039】
このようにして全てのEL素子E1R,1,E1G,1,E1B,1〜E1R,n,E1G,n,E1B,n及びE3R,1,E3G,1,E3B,1〜EmR,n,EmG,n,EmB,nの蓄電電荷をゼロにし、EL素子E2R,1,E2G,1,E2B,1〜E2R,n,E2G,n,E2B,n各々の両端電圧をオフセット電圧VR,VG,VBに等しくさせた後、今度は次の走査期間となり図12に示すように、陰極線B2 に対応する走査スイッチ152のみがアース電位側に切り換えられ、陰極線B2 の走査選択が行われる。これと同時に、ドライブスイッチ162R,162G,162Bが可変電流源側に切り換えられ、可変電流源172R,172G,172Bを対応の陽極線A2R,A2G,A2Bに接続せしめる。
【0040】
このように走査スイッチ及びドライブスイッチが切換えられた瞬間、すなわち、走査スイッチ及びドライブスイッチが 図12に示されるように切換えられ、各EL素子の寄生容量の充電状態は図11の状態のままである瞬間においては、陽極線A2Rの電位は約Vcc+VR(正確には、(n−1)・(Vcc+VR)/nである。)となるので、発光されるEL素子E2R,2の両端電圧は瞬時に約Vcc+VRになろうとする。よって、EL素子E2R,2には、可変電流源172R→ドライブスイッチ 162R→陽極線A2R→EL素子E2R,2→走査スイッチ152のルートのほかにも、走査スイッチ151→陰極線B1→EL素子E2R,1→陽極線A2R→EL素子E2R,2→走査スイッチ152のルート、走査スイッチ153→陰極線B3→EL素子E2R,3→陽極線A2R→EL素子E2R,2→走査スイッチ152のルート、……、走査スイッチ15n→陰極線Bn→EL素子E2R,n→陽極線A2R→EL素子E2R,2→走査スイッチ152のルート、の複数のルートからの充電電流が流れ込み、瞬時に急速充電される。この結果、EL素子E2R,2は、瞬時に定常発光状態となる。その後、B2の走査期間の間は、可変電流源172R→ドライブスイッチ162R→陽極線A2R→EL素子E2R,2→走査スイッチ152のルートから流れ込む駆動電流によって、定常発光状態を持続する。
【0041】
同様に、EL素子E2G,2は、走査スイッチ及びドライブスイッチが切換えられた瞬間においてその両端電圧が約Vcc(正確には、(n−1)・Vcc/nである。)になろうとするので、EL素子E2G,2には、可変電流源172G→ドライブスイッチ162G→陽極線A2G→EL素子E2G,2→走査スイッチ152のルートのほかにも、走査スイッチ151→陰極線B1→EL素子E2G,1→陽極線A2G→EL素子E2G,2→走査スイッチ152のルート、走査スイッチ153→陰極線B3→EL素子E2G,3→陽極線A2G→EL素子E2G,2→走査スイッチ152のルート、……、走査スイッチ15n→陰極線Bn→EL素子E2G,n→陽極線A2G→EL素子E2G,2→走査スイッチ152のルート、の複数のルートからの充電電流が流れ込み、瞬時に定常発光状態となる。その後B2の走査期間の間は、可変電流源172G→ドライブスイッチ162G→陽極線A2G→EL素子E2G,2→走査スイッチ152のルートから流れ込む駆動電流によって、定常発光状態を持続する。
【0042】
また同様に、EL素子E2B,2は、走査スイッチ及びドライブスイッチが切換えられた瞬間においてその両端電圧が約Vcc+VB(正確には、(n−1)・(Vcc+VB)/nである。)になろうとするので、EL素子E2B,2には、可変電流源172B→ドライブスイッチ162B→陽極線A2B→EL素子E2B,2→走査スイッチ152のルートのほかにも、走査スイッチ151→陰極線B1→EL素子E2B,1→陽極線A2B→EL素子E2B,2→走査スイッチ152のルート、走査スイッチ153→陰極線B3→EL素子E2B,3→陽極線A2B→EL素子E2B,2→走査スイッチ152のルート、……、走査スイッチ15n→陰極線Bn→EL素子E2B,n→陽極線A2B→EL素子E2B,2→走査スイッチ152のルート、の複数のルートからの充電電流が流れ込み、瞬時に定常発光となる。その後B2の走査期間の間は、可変電流源172B→ドライブスイッチ162B→陽極線A2B→EL素子E2B,2→走査スイッチ152のルートから流れ込む駆動電流によって、定常発光状態を持続する。
【0043】
このように、発光する各EL素子E2R,2、E2G,2、E2B,2は、走査の切換とほぼ同時に発光規定電圧VeR、VeG、VeBに到達し定常発光状態となるので、各EL素子E2R,2、E2G,2、E2B,2からなる画素は色ずれのない所望の色が表示されることになる。
次に、発光制御回路12による初期設定動作を図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
発光制御回路12は初期設定のために初期設定ルーチンを処理する。初期設定ルーチンにおいては、図13に示すように、走査期間内の全てに亘って駆動電流を供給する指令を発生し(ステップS31)、その指令に応じて発光表示パネル11の表示色が白色となるようにデータ入力部19の調整をユーザに行わせ、そのときのデータ入力部19から赤色、緑色及び青色毎の輝度データを読み取り(ステップS32)、その読み取り輝度データに応じて駆動電流IR,IG,IBを求め(ステップS33)、駆動電流IR,IG,IBに対応する赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBを設定する(ステップS34)。メモリ20には輝度データに対応する駆動電流IR,IG,IB及び両端電圧VeR,VeG,VeBのデータテーブルが赤色、緑色及び青色毎に形成されているので、そのデータテーブルを用いて駆動電流IR,IG,IB及び両端電圧VeR,VeG,VeBが設定される。
【0045】
発光制御回路12はステップS34にて設定した両端電圧VeR,VeG,VeBに応じて逆バイアス電圧Vccを設定する(ステップS35)。このステップS35では、両端電圧VeR,VeG,VeBの各電圧レベルを比較して2番目に高い電圧を逆バイアス電圧Vccとして設定する。両端電圧VeR,VeG,VeBの大小関係が例えば、VeR>VeG>VeBであるならば、VeGの電圧レベルが逆バイアス電圧Vccとして設定される。また、ステップS35では、両端電圧VeR,VeG,VeBの各電圧レベルを比較して最も高い電圧と最も低い電圧との中間電圧を逆バイアス電圧Vccとして設定しても良い。両端電圧VeR,VeG,VeBの大小関係が例えば、VeR>VeG>VeBであるならば、(VeR+VeB)/2の電圧レベルが逆バイアス電圧Vccとして設定される。
【0046】
発光制御回路12はステップS35の実行後、オフセット電圧VR,VG,VBを算出する(ステップS36)。オフセット電圧VR,VG,VBはVR=VeR−Vcc,VG=VeG−Vcc,VB=VeB−Vccの如く算出される。ステップS35の前者の逆バイアス電圧Vccの設定方法を用いた場合には両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの最も高い両端電圧に対応するオフセット電圧は正となり、次に高い両端電圧に対応するオフセット電圧は0(V)となり、最も低い両端電圧に対応するオフセット電圧は負となる。
【0047】
発光制御回路12はステップS36の実行後、駆動電流IR,IG,IB、逆バイアス電圧Vcc及びオフセット電圧VR,VG,VBをメモリ20に書き込んで記憶させる(ステップS37)。
かかる初期設定動作においては、ステップS34にて両端電圧VeR,VeG,VeBが例えば、VeR=22(V),VeG=20(V),VeB=18(V)と設定されたならば、ステップS35では両端電圧VeR,VeG,VeBの各電圧レベルを比較して2番目に高い電圧VeG=20(V)が逆バイアス電圧Vccとして設定される。よって、ステップS36ではオフセット電圧VR,VG,VBがVR=2(V),VG=0(V),VB=−2(V)と設定される。
【0048】
なお、オフセット電圧の許容範囲は赤色、緑色及び青色毎に個別に設定されている。例えば、赤色の許容範囲VLLR〜VHLRは−5(V)〜3(V)、緑色の許容範囲VLLG〜VHLGは−5(V)〜2(V)、青色の許容範囲VLLB〜VHLBは−5(V)〜1(V)である。
発光制御回路12は初期設定動作が終了すると、データ入力部19をユーザが操作することにより明るさ調整ルーチン又は色合い調整ルーチンのいずれかを処理する。
【0049】
発光制御回路12はデータ入力部19の明るさ調整レバー(図示せず)をユーザが操作したときにそのときの輝度データに応じて明るさ調整ルーチンを実行する。データ入力部19の明るさ調整レバーは表示画面全体の輝度を調整するための操作子であり、これをユーザが操作することによりデータ入力部19から出力される赤色、緑色及び青色各々の輝度データが同一輝度分だけ変化する。
【0050】
明るさ調整ルーチンにおいて発光制御回路12は、図14に示すように先ず、色合いデータ入力部19から出力された赤色、緑色及び青色各々の輝度データを読み取り(ステップS41)、赤色、緑色及び青色各々の輝度データに対応する駆動電流IR,IG,IBをデータテーブル検索して設定し(ステップS42)、更に、駆動電流IR,IG,IBに対応する赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBをデータテーブル検索して設定する(ステップS43)。ステップS42及びS43の動作はステップS33及びS34と同一である。なお、ステップS42及びS43で用いてるデータテーブルは図15に示すように赤色、緑色及び青色毎に輝度データ(32段階の輝度)に対応する駆動電流のデータIr0〜Ir31,Ig0〜Ig31,Ib0〜Ib31及び両端電圧のデータVer0〜Ver31,Veg0〜Veg31,Veb0〜Veb31が定められている。
【0051】
発光制御回路12は、メモリ20に記憶された逆バイアス電圧Vccを読み出し(ステップS44)、ステップS43の両端電圧VeR,VeG,VeBと読み出した逆バイアス電圧Vccとを用いてオフセット電圧VR,VG,VBを算出する(ステップS45)。すなわち、オフセット電圧はVR=VeR−Vcc,VG=VeG−Vcc,VB=VeB−Vccのように算出される。
【0052】
発光制御回路12は、算出した各オフセット電圧VR,VG,VBが所定の許容範囲内の電圧であるか否かを判別する(ステップS46)。オフセット電圧はクロストーク発光しないように設定する必要があるので、赤色の許容範囲VLLR〜VHLR、緑色の許容範囲VLLG〜VHLG、青色の許容範囲VLLB〜VHLBに各々制限されている。各オフセット電圧VR,VG,VBが対応する所定の許容範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLB内にあるならば、設定した駆動電流IR,IG,IBになるように可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBを制御し(ステップS47)、また可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBの出力電圧を設定したオフセット電圧VR,VG,VBになるように制御する(ステップS48)。
【0053】
ステップS46において、オフセット電圧VR,VG,VBのいずれかが対応する所定の許容範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLB内にないならば、各オフセット電圧VR,VG,VBが対応する所定の電圧範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLB内の電圧になるように逆バイアス電圧Vcc及び各オフセット電圧VR,VG,VBを再設定する(ステップS49)。このステップS49による逆バイアス電圧Vccの再設定は上記のステップS35の場合と同様の方法で行われ、各オフセット電圧VR,VG,VBの再設定はステップS36の場合と同様の方法で行われる。
【0054】
発光制御回路12はステップS49の実行後、可変電圧源211〜21nの出力電圧を設定した逆バイアス電圧Vccになるように制御し(ステップS50)、ステップS47に進んで設定した駆動電流IR,IG,IBになるように可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBを制御し、その後、ステップS48に進んで可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBの出力電圧を設定したオフセット電圧VR,VG,VBになるように制御する。
【0055】
ステップS48の実行後は、設定した逆バイアス電圧Vcc、オフセット電圧VR,VG,VB及び駆動電流IR,IG,IBをメモリ20に記憶させる(ステップS51)。
データ入力部19の明るさ調整レバーの操作によってステップS43において例えば、赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBがVeR=30(V),VeG=29(V),VeB=26(V)と設定され、ステップS45にてこれらの両端電圧VeR,VeG,VeB各々と逆バイアス電圧Vcc=20(V)との差がオフセット電圧VR,VG,VBとして算出されると、VR=10(V),VG=9(V),VB=6(V)となる。上記したように赤色の許容範囲VLLR〜VHLRは−5(V)〜3(V)、緑色の許容範囲VLLG〜VHLGは−5(V)〜2(V)、青色の許容範囲VLLB〜VHLBは−5(V)〜1(V)であるならば、ステップS45で算出されたオフセット電圧はいずれも許容範囲外である。よって、ステップS49にて各オフセット電圧VR,VG,VB及び逆バイアス電圧Vccの再設定が行われ、両端電圧VeR,VeG,VeBの各電圧レベルを比較して2番目に高い電圧VeG=29(V)が逆バイアス電圧Vccとして再設定される。各オフセット電圧VR,VG,VBはVR=1(V),VG=0(V),VB=−3(V)と再設定される。
【0056】
発光制御回路12は、データ入力部19の色合い調整レバーをユーザが操作したときにそのときの輝度データに応じて色合い調整ルーチンを実行する。この色合い調整ルーチンにおいては、図16に示すように先ず、データ入力部19から出力された赤色、緑色及び青色各々の輝度データを読み取り(ステップS61)、赤色、緑色及び青色各々の輝度データに対応する駆動電流IR,IG,IBをデータテーブル検索して設定し(ステップS62)、更に、駆動電流IR,IG,IBに対応する赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBをデータテーブル検索して設定する(ステップS63)。ステップS62及びS63の動作はステップS33及びS34と同一である。
【0057】
発光制御回路12は、メモリ20に記憶された逆バイアス電圧Vccを読み出し(ステップS64)、ステップS63の両端電圧VeR,VeG,VeBと読み出した逆バイアス電圧Vccとを用いてオフセット電圧VR,VG,VBを算出する(ステップS65)。すなわち、オフセット電圧はVR=VeR−Vcc,VG=VeG−Vcc,VB=VeB−Vccのように算出される。
【0058】
発光制御回路12は、算出した各オフセット電圧VR,VG,VBが所定の許容範囲内の電圧であるか否かを判別する(ステップS66)。オフセット電圧はクロストーク発光しないように設定する必要があるので、赤色の許容範囲VLLR〜VHLR、緑色の許容範囲VLLG〜VHLG、青色の許容範囲VLLB〜VHLBに各々制限されている。各オフセット電圧VR,VG,VBが対応する所定の許容範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLB内にあるならば、メモリ20に記憶された両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い両端電圧が変化したか否かを判別する(ステップS67)。すなわち、メモリ20に記憶されている前回の両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い電圧となっていた色用のEL素子の両端電圧が今回のステップS63の両端電圧VeR,VeG,VeBの設定で異なる電圧に変化したか否かが判別される。前回の両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い電圧となっていた色用のEL素子の両端電圧が変化していないならば、その色用のEL素子の両端電圧は今回も2番目に高い電圧であるか否かを判別する(ステップS68)。すなわち、前回の両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い電圧と、今回の両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い電圧とが同一色のEL素子の両端電圧であるか否かが判別される。
【0059】
ステップS68の判別結果、前回2番目に高い電圧となった色用のEL素子の両端電圧が今回も2番目に高い電圧であるならば、設定した駆動電流IR,IG,IBになるように可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBを制御し(ステップS69)、また可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBの出力電圧を設定したオフセット電圧VR,VG,VBになるように制御する(ステップS70)。
【0060】
ステップS66の判別結果、各オフセット電圧VR,VG,VBが所定の許容範囲内の電圧ではない場合、ステップS67の判別結果、前回の両端電圧VeR,VeG,VeBのうちの2番目に高い電圧となっていた色用のEL素子の両端電圧が変化した場合、又はステップS68の判別結果、前回2番目に高い電圧となった色用のEL素子の両端電圧が今回は2番目に高い電圧ではない場合には、各オフセット電圧VR,VG,VBが対応する所定の電圧範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLB内の電圧になるように逆バイアス電圧Vcc及び各オフセット電圧VR,VG,VBを再設定する(ステップS71)。このステップS71による逆バイアス電圧Vccの再設定は上記のステップS35の場合と同様の方法で行われ、各オフセット電圧VR,VG,VBの再設定はステップS36の場合と同様の方法で行われる。
【0061】
発光制御回路12はステップS71の実行後、可変電圧源211〜21nの出力電圧を設定した逆バイアス電圧Vccになるように制御し(ステップS72)、ステップS69に進んで設定した駆動電流IR,IG,IBになるように可変電流源171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mBを制御し、その後、ステップS70に進んで可変電圧源181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mBの出力電圧を設定したオフセット電圧VR,VG,VBになるように制御する。
【0062】
ステップS70の実行後は、設定した逆バイアス電圧Vcc、オフセット電圧VR,VG,VB及び駆動電流IR,IG,IBをメモリ20に記憶させる(ステップS73)。
データ入力部19の色合い調整レバーの操作によってステップS63において例えば、赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBがVeR=23(V),VeG=20(V),VeB=21(V)と設定され、ステップS65にてこれらの両端電圧VeR,VeG,VeB各々と逆バイアス電圧Vcc=20(V)との差がオフセット電圧VR,VG,VBとして算出されると、VR=3(V),VG=0(V),VB=1(V)となる。上記したように赤色の許容範囲VLLR〜VHLRは−5(V)〜3(V)、緑色の許容範囲VLLG〜VHLGは−5(V)〜2(V)、青色の許容範囲VLLB〜VHLBは−5(V)〜1(V)であるならば、ステップS65で算出されたオフセット電圧はいずれも許容範囲内である。前回の両端電圧VeR,VeG,VeBがVeR=22(V),VeG=20(V),VeB=18(V)であったならば、前回の2番目に高い電圧は緑色用のEL素子の両端電圧であるVeGである。ところが、今回の2番目に高い電圧は青色用のEL素子の両端電圧であるVeBである。よって、ステップS61にて各オフセット電圧VR,VG,VB及び逆バイアス電圧Vccの再設定が行われ、両端電圧VeR,VeG,VeBの各電圧レベルを比較して2番目に高い電圧VeB=21(V)が逆バイアス電圧Vccとして再設定される。各オフセット電圧VR,VG,VBはVR=2(V),VG=−1(V),VB=0(V)と再設定される。
【0063】
上記したオフセット電圧VR,VG,VB各々の所定の許容範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLBは適宜設定される。VHLR,VHLG,VHLBの上限値は発光閾値電圧VthR,VthG,VthBであり、オフセット電圧が発光閾値電圧を越えると、リセット期間中に微発光したり、走査されていない陰極線上のEL素子がクロストーク発光する可能性がある。VLLR,VLLG,VLLBの下限値には特に制限がない。ただし、電力効率を考慮した場合には適当な範囲に設定することが望ましい。すなわち、走査されていない陰極線と駆動されている陽極線との交差部分に位置するEL素子の寄生容量には、オフセット電圧に対応して発光に寄与しない無効な電荷が充電されるので、この電荷量を少なくするためには適当な範囲で下限値を設定した方が良い。
【0064】
赤色、緑色及び青色各々の所定の許容範囲VLLR〜VHLR,VLLG〜VHLG,VLLB〜VHLBを満たす逆バイアス電圧Vccを設定することができない場合には、両端電圧VeR,VeG,VeBが最大の色用のEL素子の発光閾値電圧を越えない限界値に逆バイアス電圧Vccを設定することが行われる。
上記した発光表示パネルの各EL素子は長時間発光させると劣化してV−I特性が変化する。例えば、合計の発光時間が短い場合には図17に示すようにV−I特性であるが、合計の発光時間が長くなると、図18に示すようにEL素子の両端電圧Vの同一値に対する電流Iが全体的に低下し、電流Iに比例する輝度Lも低下する。そこで、合計の発光時間を計測し、発光時間に応じてV−I特性を適宜測定してデータテーブルを補償することが考えられる。測定では所定の電流値間隔でEL素子に電流を流してそのときの両端電圧を検出し、補償するための係数を算出すれば良い。
【0065】
上記した実施例においては、駆動電流IR,IG,IBに対応する赤色、緑色及び青色発光用のEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBをデータテーブル検索して設定しているが、駆動電流−両端電圧特性を示す関数式を赤色、緑色及び青色毎に記憶しておき、その関数式を用いてEL素子の両端電圧VeR,VeG,VeBを算出しても良い。
【0066】
また、発光すべきEL素子に駆動電流を電流源から供給しているが、EL素子に順方向に発光閾値電圧より若干高い電圧が印加されるように電圧源から電位を現駆動ドライブ線に与えるようにしても良い。
【0067】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、走査期間に発光色が異なる各々の容量性発光素子の両端電圧が所望の電圧に達するまでに変化する電圧を等しくすることができる故、発光色が互いに異なる容量性発光素子各々の発光の立ち上がり特性を改善することができ、色合い調整等の発光輝度の調整を行った場合でも色ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機エレクトロルミネッセンス素子の断面を示す図である。
【図2】有機エレクトロルミネッセンス素子の等価回路を示す図である。
【図3】有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧−電流−発光輝度特性を概略的に示す図である。
【図4】従来の駆動装置の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図5】従来の駆動装置の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図6】従来の駆動装置の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明を適用したディスプレイ装置の概略的構成を示すブロック図である。
【図8】図7の装置中の陰極線走査回路、陽極線ドライブ回路及び発光表示パネルの構成を具体的に示す図である。
【図9】発光制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】走査期間の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図11】リセット期間の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図12】次の走査期間の発光制御動作を説明するためのブロック図である。
【図13】初期設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】明るさ調整ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】データテーブルを示す図である。
【図16】色合い調整ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】合計発光時間が短い場合のEL素子の電圧V−電流I特性を示す図である。
【図18】合計発光時間が長い場合のEL素子の電圧V−電流I特性を示す図である。
【符号の説明】
1,13 陰極線走査回路
2,14 陽極線ドライブ回路
1R,21G,21B〜2mR,2mG,2mB、171R,171G,171B〜17mR,17mG,17mB 電流源
4,12 発光制御回路
1 〜5n、151 〜15n 走査スイッチ
1R,61G,61B〜6mR,6mG,6mB、161R,161G,161B〜16mR,16mG,16mB ドライブスイッチ
181R,181G,181B〜18mR,18mG,18mB、211 〜21n 可変電圧源
11 発光表示パネル
1R,A1G,A1B〜AmR,AmG,AmB 陽極線
1 〜Bn 陰極線
1R,1,E1G,1,E1B,1〜EmR,n,EmG,n,EmB,n 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (5)

  1. 互いに交差する複数のドライブ線及び複数の走査線と、前記ドライブ線及び前記走査線による複数の交差位置各々にて前記走査線及び前記ドライブ線間に接続された極性を有し発光色の違いで複数種類に分けられる複数の容量性発光素子とからなり、同一の前記ドライブ線上には同種類の前記容量性発光素子が配置された多色発光表示パネルの駆動装置であって、
    入力画像データの走査タイミングに応じて前記複数の走査線のうちから1の走査線を選択する走査期間とそれに続くリセット期間とを繰り返し設定し、前記走査期間に前記入力画像データに応じて前記1の走査線上の発光させるべき容量性発光素子に対応する現駆動ドライブ線を指定する制御手段と、
    前記走査期間に前記1の走査線に第1電位を印加しかつ前記1の走査線以外の走査線に前記第1電位より高い第2電位を印加し、前記リセット期間に前記第1電位を全ての走査線に印加する走査手段と、
    前記走査期間に発光閾値電圧以上の正電圧を前記発光させるべき容量性発光素子に順方向に印加するために前記現駆動ドライブ線に駆動電流を供給し、前記リセット期間にはその次の走査期間に発光させるべき容量性発光素子に前記発光閾値電圧以下のオフセット電圧を印加するために次期駆動ドライブ線に第3電位を供給するドライブ手段と、
    操作入力に応じて発光色各々の輝度の段階を示す輝度データを出力する操作入力手段と、
    前記輝度データに応じて発光色各々に対応した種類の前記容量性発光素子の前記駆動電流及び両端電圧の各レベルを予め定められたデータに基づいて設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定されたレベルに前記駆動電流を調整する第1調整手段と、
    現在の前記第2電位と前記設定手段によって前記容量性発光素子の種類に対応させて設定された前記両端電圧とのレベル差を前記第3電位として各々設定する算出手段と、
    前記容量性発光素子の種類毎に前記算出手段によって算出された前記第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内にあるか否かを各々判別する判別手段と、
    前記容量性発光素子の種類毎に前記算出手段によって算出された前記第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内にある場合にはそのレベルに前記第3電位を調整し、算出された前記第3電位のレベルのうちの少なくとも1が所定の許容範囲内にない場合には発光色毎に前記第3電位のレベル各々が所定の許容範囲内になるように前記第2電位及び前記第3電位の各レベルを調整する第2調整手段と、を備えたことを特徴とする多色発光表示パネルの駆動装置。
  2. 前記第2調整手段は、算出された前記第3電位のレベルのうちの少なくとも1が所定の許容範囲内にない場合には前記設定手段によって前記容量性発光素子の種類毎に設定された前記両端電圧のうちの2番目に高い電圧レベルを前記第2電位のレベルとして設定することを特徴とする請求項1記載の多色発光表示パネルの駆動装置。
  3. 前記第2調整手段は、算出された前記第3電位のレベルのうちの少なくとも1が所定の許容範囲内にない場合には前記設定手段によって前記容量性発光素子の種類毎に設定された前記両端電圧のうちの最も高い電圧レベルと最も低い電圧レベルとの中間レベルを前記第2電位のレベルとして設定することを特徴とする請求項1記載の多色発光表示パネルの駆動装置。
  4. 前記所定の許容範囲の上限は前記発光閾値電圧であることを特徴とする請求項1記載の多色発光表示パネルの駆動装置。
  5. 前記容量性発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1記載の多色発光表示パネルの駆動装置。
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