JP3646199B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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    • B60C15/0607Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex comprising several parts, e.g. made of different rubbers

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤは、図4および図5に示すように、ラジアル方向のコード配列よりなる少なくとも1層のカーカスプライ(1)を有し、このカーカスプライ(1)の両端部は、両側のビード部(2)において、ビードコア(3)とその上に配されたゴムフィラー(4)の回りに内側から外側に巻き上げられて係止されている。さらに、この係止部を、スチールまたは有機繊維コードを有するチェーファーと称するビード部補強層(5)を配して補強している。
【0003】
またトレッド部(7)のカーカスプライ(1)の外側には、1もしくは複数層のベルト層(8)を備え、これらカーカス層(1)およびベルト層(8)の外側にサイドウォール、トレッドゴム等のゴム層が付着成形されて一体化されてタイヤが構成される。(9)はトレッド部(7)の外周面に有する主溝である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高内圧充填と高負荷を受けるタイヤの場合、リムフランジで固定されたビードヒール部を中心としたビード部の張り出し変形が生じる。
【0005】
すなわち、前記のビードコア(3)が断面円形のビードワイヤの集合体により構成される場合、高内圧を受けるカーカスプライ(1)の張力がビードコアの内側端をタイヤ径方向から外側にわたって回転させるモーメントを発生させる。
【0006】
これについて、断面6角形のビードコアの断面内の応力分布を、図6のトラス構造に置換えて説明する。
【0007】
ビードコアの内側端(タイヤ内面側端)に作用するタイヤ径方向のカーカスプライ張力によって、ビードコア(3)の上部外周層には圧縮応力が生じ、外周ワイヤ(30)(30)間の点接触でこの力を分散していく。この外周ワイヤ間の接点を梃に生じるモーメントは、ビードコア内側端をせり上がらせるように作用するので、コア内部では引張り応力が主体となり、カーカスプライ張力は分散されず、コア内側端近傍のせり上がったワイヤに集中する応力でビードコアの形崩れを起こす。これに加えて、タイヤの転動による撓みがビード部を外側に向けて変形させながらタイヤの成長が生じる。
【0008】
このため、図5に示すように、ビード部(2)が外側に張り出し、これに伴ってリムフランジ(10)に固定されているビードヒール部(2b)を中心としてビードトウ部(2a)が浮き上がった状態(図5の鎖線)となる。
【0009】
このような、ビード部の張り出し変形は、ビード部内外の歪を増加させ、ビード耐久力の低下を招き、更新性を損い、ビード部外側での表面クラック発生の原因にもなる。またビードトウ部(2a)の浮き上り変形は、リムフランジ(10)とタイヤビード間の接触面積を減少させ、内圧充填時のエアシール性を低下させ、エア充填作業を困難にさせる。
【0010】
特に図5のように、ビード部(2)のゴムフィラー(4)として、比較的軟質の一種のゴムを使用した従来構造のタイヤの場合、充分な剛性が得られないため、前記の問題が顕著なものとなっている。
【0011】
そこで近年、ビード部の剛性向上により変形を抑制し耐久性を向上させる目的で、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの組合せによるゴムフィラー(4)が提案(例えば、特開平2−133208号公報、特開平6−64412号公報)されている。この構造のゴムフィラー(4)は、図7に例示するように硬質ゴムフィラー(4a)がビードコア(3)の上に隣接して配されている。
【0012】
ところで、前記のビード部(2)の張出し変形の力をリムフランジ(10)に効果的に分散させるためには、硬質ゴムフィラー(4a)をリムフランジ(10)の高さ以上に配するのが望ましいが、ビード部(2)がリムに装着された状態においては、タイヤの転動によるビード部変形がリムフランジ(10)より上部で生じるため、前記硬質ゴムフィラー(4a)があまり高い位置にまで存在していると、硬質ゴムフィラー(4a)の動きもそれだけ大きくなる。ゴムの動きによる発熱は硬質ゴムになるほど高くなり、この発熱のために、ゴム強度の劣化が生じ、セパレーション等の故障原因になる。
【0013】
殊に、図7のように硬質ゴムフィラー(4a)の内側端を高く設定した場合、転動で生じる硬質ゴムフィラーの動きが大きくなるために、ビード内部の発熱量が多くなり、ビード耐久力に悪影響を与え、ゴムの劣化を促進するといった問題がある。
【0014】
したがって、硬質ゴムフィラーと、軟質ゴムフィラーとを組合せたゴムフィラーを使用する場合、前記のビード部の張出し変形の力を効果的にリムフランジに分散でき、しかもビード部の柔軟性を損なわず、発熱による劣化できるように、その高さを設定するのが望ましい。
【0015】
しかるに、従来のこの種のゴムフィラーは、前記の張出し変形の防止と発熱防止の両立を図るような配慮がなされていないのが実情で、充分に満足できるものではない。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなしたもので、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの組合せによるゴムフィラーの構造として、ビード部の張り出し変形の力をリムフランジに効果的に分散でき、ビードトウ部の浮き上り抑制に効果があって、しかも硬質ゴムフィラーを配したことによる発熱量の増大を抑え、発熱によるゴム劣化や耐久性低下を防止できるようにしたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、スチールコードよりなる1枚のカーカスプライをビード部においてビードコアおよびその上に配したゴムフィラーの回りに内側から外側に巻き上げて係止してなる重荷重用の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ゴムフイラーは、ビードコアに隣接するゴム硬度85以上の硬質ゴムフィラーと、この硬質ゴムフィラーに連続するゴム硬度65〜75の軟質ゴムフィラーとからなり、タイヤ断面形状において、ビードコア全体を包むビードカバーとカーカストッピングゴムとのタイヤ外面側の界面点を(A)、内面側の界面点を(B)とするとき、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ外面側の界面点(C)が、リムフランジ径の高さ位置より高くかつカーカス巻上げ端(D)より10mm以上低い高さ位置にあり、また前記界面点(B)から硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ内面側の界面点(E)までの距離(Lb)が、前記界面点(A)から前記界面点(C)までの距離(La)の1.5La以下に設定されてなることを特徴とする。
【0018】
前記の構成において、タイヤ外面側の前記界面点(C)およびタイヤ内面側の界面点(E)を上記のように設定したのは、ビード張出し変形の力の分散の効果と、硬質ゴムフイラーの発熱抑制の効果の両立を図るためである。
【0019】
すなわち、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフイラーとのタイヤ外面側の界面点(C)は、ビード部の変形応力を効果的にリムフランジに分散させる上で、リムフランジ径の高さより高く設定するのが好ましいが、その一方、前記界面点(C)が高くなりすぎると、走行成長による張り出し変形で硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの剛性差による境界が、ビード部外観に浮き出るだけでなく、タイヤの転動に伴うタイヤサイド部の変形を阻害し、ころがり抵抗の増加を招き、また硬質ゴムフィラーが発熱し易くなる。
【0020】
したがって、前記のように界面点(C)は、リムフランジ径より高い位置にあってしかもカーカスプライの巻き上げ端(D)より10mm以上低い高さ位置までとするのがよい。
【0021】
また、タイヤ内面側では、カーカスプライの巻き上げ端(D)を通りカーカスラインに直交する直線とタイヤ内面との交点およびそれよりやや上方部分において張り出し変形が最大となるので、前記界面点(E)の位置が高くなればなるほど前記の変形の大きい領域に近づき、転動に伴う前記変形による硬質ゴムフィラーの動きが大きくなり発熱が生じ易くなる。そのため、過度の発熱を防止するために、前記距離(Lb)を1.5La以下、特に好ましくは1.0La以下に設定するのがよい。
【0022】
前記の界面点(C)については、請求項2のように、リムフランジ径の高さ位置より5mm以上高い位置に設定するのが、リムフランジへの応力分散の効果、ころがり抵抗抑制の効果の点から特に好ましい。
【0023】
また前記の硬質ゴムフィラー量の全ゴムフィラー量に対する割合は、30%以下とするのが好ましい。すなわち、硬質ゴムフィラー量の割合が30%を越えると、ビード部の剛性向上の効果はあるが、それだけ発熱が生じ易くなるので、前記のように30%以下に設定するのがよい。
【0024】
【作用】
上記した構成の空気入りラジアルタイヤによれば、ビードコアの上に配されたゴムフィラーが硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの組合せよりなるもので、ビードコアの上に隣接する硬質ゴムフィラーにより適度の剛性を確保して、走行成長によるビート部の張り出し変形およびビードトウ部の浮き上がり変形を抑制できる。
【0025】
特に、前記硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ外面側の界面点(C)を前述のように設定し、リムフランジ径の高さ位置より高く設定したことにより、ビード張出し変形の力を硬質ゴムフィラーを介してリムフランジにより効果的に分散できる。これにより走行成長によるビード部の過度の張り出し変形を抑制でき、またビードトウ部の浮き上がりを軽減できる。
【0026】
しかも、前記のタイヤ外面側の界面点(C)をカーカスプライの巻上げ端(D)より10mm以上低く設定した上で、タイヤ内面側の界面点(E)と界面点(B)の間の距離(Lb)を、前記界面点(A)から前記界面点(C)までの距離(La)の1.5La以下に設定したことにより、硬質ゴムフィラーがビード部内面側の転動に伴う変形の大きい領域から離れた下部位置にあって、硬質ゴムフィラーの動きはそれほど大きくならず、硬質ゴムフィラーによる過度の発熱を抑制できる。また転動によるタイヤサイド部の変形を阻害せず、ころがり抵抗の増加も生じさせない。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0028】
図1〜図3は、それぞれ本発明の実施例にかかるビード部の断面図を示している。
【0029】
(1)はスチールコードをタイヤラジアル方向に配列した1層のプライよりなるカーカスであり、(2)はビード部、(3)はビード部の中心に位置するビードワイヤの集合体よりなるビードコアである。ビードコア(3)の周囲には、コア全体を包むビードカバー(3a)と称するゴム層が設けられている。(4)はビードコアの上に接設されてタイヤ半径方向に伸びる断面略変形三角形状のゴムフィラー、(5)はスチールコードまたは有機繊維コードを有するチェーファーと称するビード部補強層である。図1〜図3は、いずれもビード部補強層(5)が有機繊維コードを有する3枚の補強層からなる場合を示している。(6)はストッリップゴムを示している。
【0030】
前記のゴムフィラー(4)は、ビードコア(3)の上に隣接するゴム硬度(JIS k6301の規定による硬度、以下同じ)が85以上、特に好ましくは硬度90以上のゴム材よりなる硬質ゴムフィラー(4a)と、この硬質ゴムフィラー(4a)に連続するゴム硬度(前記と同硬度)が65〜75の前記より軟質のゴム材よりなる軟質ゴムフィラー(4b)とから構成されている。
【0031】
硬質ゴムフィラー(4a)のゴム硬度が85以下になると、硬質のゴム材を使用することによる剛性保持の効果が小さくなるので、前記のように設定する。また軟質ゴムフィラー(4b)のゴム硬度が前記範囲より高くなると、剛性が高くなり過ぎて発熱の問題が生じ、また前記範囲より低くなると、期待する剛性が得られなくなるので、前記範囲に設定するのがよい。
【0032】
カーカスプライ(1)は、図のように、ゴムフィラー(4)のタイヤ外面側に沿い、かつそのプライ端部がビードコア(3)に対し内側から外側に向って巻上げられて係止されており、(1a)はその巻上げ部分を示し、(D)は巻上げ端を示す。
【0033】
この巻上げ部分(1a)は、ゴムフィラー(4)より上方位置で終端する場合もあるが、図のようにゴムフィラー(4)上端より下方位置で終端するほうが、巻上げ部分(1a)の上端部の影響がタイヤ表面に現われず、より好ましい。この場合、ビードコア(3)の上端(タイヤ径方向外側端)から少なくとも10mm程度の高さを保有するように設定される。すなわち、これより小さくなると、巻上げによる係止効果が十分に得られなくなる。
【0034】
タイヤトレッド部のカーカスプライ(1)の外側には、従来同様に1層もしくは複数層のベルト層が配され、さら必要に応じてベルト補強層が配され、さらにその外側のトレッドゴムによるタイヤ外周面に、タイヤ周方向に複数本の主溝を有するトレッドパターンが形成される。
【0035】
しかして、上記のゴムフィラー(4)を構成する硬質ゴムフィラー(4a)と軟質ゴムフィラー(4b)とは、その両者の界面が次の条件を満足するように設定される。
【0036】
タイヤ断面形状において、ビードコア(3)全体を包むビードカバー(3a)とカーカスプライ(1)のトッピングゴムとのタイヤ外面側の界面点を(A)、タイヤ内面側の界面点を(B)とするとき、硬質ゴムフィラー(4a)と軟質ゴムフイラー(4b)のタイヤ外面側の界面点(C)が、リムフランジ径すなわちリムフランジ(10)の外径(Rd)の径方向の高さ位置よりも高く、かつカーカスプライの巻上げ端(D)より10mm以上低い高さ位置にあるように設定する。応力分散の効果の点から、前記界面点(C)を、リムフランジ径(Rd)の高さ位置から5mm以上高い位置に設定しておくのがよい。
【0037】
また、前記界面点(B)から硬質ゴムフィラー(4a)と軟質ゴムフイラー(4b)とのタイヤ内面側の界面点(E)までの距離(Lb)については、前記界面点(A)から巻上げ端(D)までの距離(La)に対して1.5倍以下〔界面点(B)と一致する場合を含む〕に、好ましくは、タイヤ外面側の界面点(C)より高くならないように1.0La以下に設定される。このように設定することにより、硬質ゴムフィラーの発熱を防止できる。
【0038】
なお、前記内外の界面点(E)(D)を結ぶ界面は、図のように略直線状あるいは僅かに湾曲状をなす場合のほか、断面においてジグザグ状や波状あるいは凹凸状に変形したものであってもよい。
【0039】
また前記の硬質ゴムフィラー(4a)のボリュームはゴムフィラー(4)の全量の30%を越える場合もあるが、発熱防止の効果の点からは30%以下、より好ましくは20%以下に設定しておくのがよい。
【0040】
上記の構成による空気入りラジアルタイヤは、ビードコア(3)の上に隣接して配された硬質ゴムフィラー(4a)により適度のビード部剛性を確保できて、内圧充填および走行成長に伴うビード部の張り出し変形およびヒールトウ部の浮き上り変形を抑制できる。
【0041】
特に前記硬質ゴムフィラー(4a)とこれに連続する軟質ゴムフィラー(4b)とのタイヤ内面側および外面側の界面点(E)および界面点(C)を、前述のように設定し、特に外側の界面点(C)をリムフランジ径(Rd)の高さ位置より高くしたことにより、硬質ゴムフィラー(4a)が受ける変形応力をリムフランジ(10)で支えることができて、該応力をリムフランジ(10)に分散させることができ、そのため走行成長に伴う張り出し変形およびヒールトウ部の浮き上がり変形を抑制できる。
【0042】
その一方、タイヤ内面側では、前記内側の界面点(E)から界面点(B)の距離(Lb)を、外側の距離Laの1.5La以下に設定して、タイヤの転動に伴う変形の大きい部分には硬質ゴムフィラー(4a)が存在せず、しかも、タイヤ外面側では、前記外側の界面点(C)をカーカスプライ(1)の巻き上げ端(D)より10mm以上低い位置に設けているため、硬質ゴムフィラー(4a)の走行時の動きが大きくならず、高発熱の発生を防止できる。またプライ端における応力歪の集中を防止でき、さらにはころがり抵抗の増加も防止できる。
【0043】
上記の効果は、次の比較テストの結果からも明らかである。
【0044】
実施例として、ビード部補強層、ゴムフィラーの硬度および硬質ゴムフィラー量の割合、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの外側の界面点(C)および内側の界面点(E)を、それぞれ下記表1のように設定してなる、図1に示すビード構造のタイヤ(実施例1)と、図2に示すビード構造のタイヤ(実施例2)と、図3に示すビード構造のタイヤ(実施例3)とについて、下記の通り重荷重耐久力テストを実施するとともに、ビード部発熱温度の測定を行ない、さらにエアー充填性テストを実施した。
【0045】
また、比較のために、ゴムフィラーが単一ゴムよりなり、ビード部補強層、ゴムフィラーの硬度を、それぞれ下記表1のように設定した図5に示すビード構造の従来タイヤ(比較例1)と、ゴムフィラー(4)が硬質ゴムフィラー(4a)と軟質ゴムフィラー(4b)との組合せよりなり、そのゴム硬度、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーの外側の界面点(C)および内側の界面点(E)、ビード部補強層を表1のように設定した図7のビード構造のタイヤ(比較例2)および図8のビード構造のタイヤ(比較例3)とについても、同様に重荷重耐久力テストを実施するとともに、ビード部発熱温度の測定を行ない、さらにエアー充填性テストを実施した。
【0046】
ここで、実施例および比較例の各タイヤは、サイズ11R22.5 14PRのタイヤとし、ベルト構造等のビード部を除く他の構造については全て同じ条件とした。
【0047】
重荷重耐久力テストは、タイヤ内圧を900kPa、荷重210%、25km/hにて故障までの走行し、その走行距離を表示した。
【0048】
発熱温度の測定は、前記と同じテスト条件で、5時間走行後、ビード部温度を測定した。測定個所は、カーカスプライの巻上げ端(D)からカーカスラインに直交する線上のカーカスプライの背面〔図中の点(G)〕とした。
【0049】
エアー充填性テストについては、タイヤサイズに応じた規定の荷重・内圧で、88km/hでの連続12時間走行後、22.5/7.50リムにて装着して実施した。その評価を◎○×の3段階で行ない、○を充填性に問題のないものとして、◎はこれより優れているもの、×は充填性の劣るものとして、そのテスト結果を、表1に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0003646199
上記のテスト結果から明らかなように、比較例1の従来タイヤの場合、ビード部張出し変形およびビードトウ部の浮き上がりの問題が大きく、エアー充填性が悪化した。また硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーを組合せたもので、タイヤ内側の界面点(E)の位置を高く設定した比較例2の場合、エアー充填性は改善されたが、硬質ゴムフィラーの挙動による発熱が大きくなり、耐久性が低下した。また比較例3のように硬質ゴムフィラーのタイヤ外面側および内面側の界面点(E)を低く設定したものについては、張出し変形および浮き上り抑制の効果が小さく、エアー充填性に問題があった。
【0051】
これに対し、本発明の実施例1〜3の場合、いずれも走行成長によるビード部の張り出し変形およびビードトウ部の浮き上がり抑制の効果がよく、エアー充填性に優れるとともに、タイヤの転動に伴う変形による硬質ゴムフィラーの動きが少なく、過度の発熱を抑制できるものとなった。
【0052】
【発明の効果】
上記したように本発明の空気入りタイヤによれば、ビード部のゴムフィラーとして、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとを組合せたものにおいて、特に、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの界面を、請求項1の発明のように設定したことにより、ビード部の剛性が適度に高く、走行成長による張り出し変形およびビードトウ部の浮き上がり変形を軽減でき。エアー充填性を改善できる。しかも硬質ゴムフィラーの高さを制限し、特にタイヤ内面側の界面点が一定以上高くならないように設定したので、硬質ゴムフィラーの動きによる過度の発熱を抑制でき、ころがり抵抗の増加も生じさせることがない。
【0053】
特に前記の効果は、内側の界面点(E)を請求項2のように設定したもの、また硬質ゴムフィラーの割合を請求項3のように設定した場合にさらに顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すビード部の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すビード部の断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示すビード部の断面図である。
【図4】一般の空気入りラジアルタイヤの概略を示す断面図である。
【図5】従来タイヤの単一のゴムフィラーを有するビード構造を示す断面図である。
【図6】ビードコアの断面内の応力分布の説明図である。
【図7】硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとを組合せたゴムフィラーを備える従来のビード構造を示す断面図である。
【図8】硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとを組合せたゴムフィラーを備える従来の他のビード構造を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) カーカスプライ
(1a) 巻き上げプライ部分
(2) ビード部
(2a) ビードトウ部
(3) ビードコア
(3a) ビードカバー
(4) ゴムフィラー
(4a) 硬質ゴムフィラー
(4b) 軟質ゴムフィラー
(5) ビード部補強層
(10) リムフランジ
(A) ビードカバーとカーカストッピングゴムとの外側の界面点
(B) ビードカバーとカーカストッピングゴムとの内側の界面点
(C) 硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの外側の界面点
(D) カーカスプライの巻き上げ端
(E) 硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとの内側の界面点

Claims (3)

  1. スチールコードよりなる1枚のカーカスプライをビード部においてビードコアおよびその上に配したゴムフィラーの回りに内側から外側に巻き上げて係止してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ゴムフイラーは、ビードコアに隣接するゴム硬度85以上の硬質ゴムフィラーと、この硬質ゴムフィラーに連続するゴム硬度65〜75の軟質ゴムフィラーとからなり、
    タイヤ断面形状において、ビードコア全体を包むビードカバーとカーカストッピングゴムとのタイヤ外面側の界面点を(A)、内面側の界面点を(B)とするとき、硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ外面側の界面点(C)が、リムフランジ径の高さ位置より高くかつカーカス巻上げ端(D)より10mm以上低い高さ位置にあり、
    また前記界面点(B)から硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ内面側の界面点(E)までの距離(Lb)が、前記界面点(A)から前記界面点(C)までの距離(La)の1.5La以下に設定されてなることを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 硬質ゴムフィラーと軟質ゴムフィラーとのタイヤ外面側の界面点(C)が、リムフランジ径の高さ位置より5mm以上高い位置にある請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 硬質ゴムフィラー量が、全ゴムフィラー量の30%以下である請求項1または2に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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