JP3646124B2 - オートフォーカス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルカメラやビデオカメラ等に内蔵して使用されるオートフォーカス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オートフォーカス装置においては、画像データ内の一部の領域(一般的には画面中央付近の領域)を指定するオートフォーカスブロック(以降、AFブロックと称する)の範囲内で光学的物理量を算出し、これをオートフォーカス評価値(以降、AF評価値と称する)とすることによって、デジタルカメラやビデオカメラのレンズの繰り出し位置を合焦状態に合わせる。
【0003】
具体的には、レンズ繰り出し位置を前後させつつ、その時々のAFブロック内の1つの光学的物理量たるコントラストを計算して、これをAF評価値とするコントラストAF方式がよく採用されている。そして、コントラストが最大となったときを合焦状態と捉え、そのときのレンズ繰り出し位置に再調整することでオートフォーカス機能を実現している。なお、コントラストの計算法については例えば、隣接画素ごとに輝度の差をとり、その差をAFブロック全体で積分する方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、図13は、被写体2(ここでは「人」)をAFブロック1内に収め、被写体2に合焦して撮影する場合の画像例を示す図である。
【0005】
このとき、レンズ繰り出し位置に対するAF評価値の変化は、図15のグラフ31で示される。そして、グラフ31のうち、そのピークを示す点Pが合焦状態のレンズ繰り出し位置と判断される。
【0006】
ところが、デジタルカメラやビデオカメラのユーザーの手ぶれが原因で、グラフ31の点Pが合焦状態とみなされない場合が生じ得る。図14は、そのような場合の画像例を示す図である。図14においては、AFブロック1内から被写体2が外れてしまっている。
【0007】
このように、手ぶれが原因でAFブロック1から被写体2が外れてしまうと、AF評価値とレンズ繰り出し位置との関係にも影響を及ぼしてしまう。すなわち、図15において、レンズ繰り出し位置に対するAF評価値の変化が、グラフ31ではなく例えばグラフ32のようになる。グラフ32では、点Qより右側の領域においてAF評価値が下降し、AF評価値のピークの位置が点Pではなく点Qに移動している。このため、合焦状態のレンズ繰り出し位置は点Pではなく点Qにあると誤判断され、合焦状態から外れてしまう。
【0008】
そこで、この発明の課題は、手ぶれが生じても、合焦させたい被写体がAFブロックから外れてしまうことを防止可能なオートフォーカス装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像データ内の一部の領域を指定するオートフォーカスブロックの範囲内で光学的物理量を算出し、前記画像データの合焦の度合いを判断するオートフォーカス制御手段と、手ぶれの発生を検出するとともに、手ぶれ量及び手ぶれ方向を検出する手ぶれ発生判断手段と、を備え、前記オートフォーカス制御手段は、前記手ぶれ発生判断手段が手ぶれの発生を検出したときに、前記オートフオーカスブロックを、前記手ぶれ方向と同じ方向に前記手ぶれ量が大きいほど変更前に比べてより大きくして配置することを特徴とするオートフォーカス装置である。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のオートフォーカス装置であって、前記オートフォーカス制御手段が、前記手ぶれ量の情報および前記手ぶれ方向の情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記オートフォーカスブロックの位置を補正することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
本実施の形態は、手ぶれの発生を予測したときに、AFブロックの大きさを変更し、被写体がAFブロックから外れにくくしたオートフォーカス装置である。これにより、合焦させたい被写体がAFブロックから外れてしまうことを防止可能なオートフォーカス装置を実現できる。
【0019】
具体的には、図13および図14のような四角形のAFブロック1を、図1に示すような、変更前に比べて大きな四角形のAFブロック3に変更する。
【0020】
このようにすれば、被写体の撮影時にたとえユーザーが手ぶれを起こしたとしても、図2に示すようにAFブロック3から被写体2が外れにくい。この場合、AF評価値とレンズ繰り出し位置との関係は、図15内のグラフ31のままであり、AF評価値のピークの位置が点Pからずれにくくなる。
【0021】
図3は、本実施の形態に係るオートフォーカス装置を含む装置例として、デジタルカメラの構成を示すブロック図である。図3に示すように、デジタルカメラは、カメラ本体部200および撮像部300から構成される。
【0022】
撮像部300においては、ズームモータM1、オートフォーカスモータM2、絞りモータM3が、カメラ本体部200に設けられたズームモータ駆動回路215、フォーカスモータ駆動回路214、絞りモータ駆動回路216によってそれぞれ駆動される。また、各駆動回路214〜216は、カメラ本体部200の全体制御部270から与えられる制御信号に基づいて、各モータM1〜M3を駆動する。
【0023】
撮像部300のCCD303は、ズームレンズ301によって結像された被写体の光像を、R(赤)、G(緑)、B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0024】
タイミングジェネレータ314は、カメラ本体部200のタイミング制御回路202から送信される基準クロックに基づきCCD303の駆動制御信号を生成する。タイミングジェネレータ314は、例えば、積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0025】
信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズの低減を行い、AGC回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0026】
次に、カメラ本体部200のブロックについて説明する。
【0027】
カメラ本体部200内において、A/D変換器205は、画像の各画素の信号を例えば12ビットのデジタル信号に変換(A/D変換)するものである。A/D変換器205は、タイミング制御回路202から入力されるA/D変換用の基準クロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
【0028】
タイミング制御回路202は、タイミングジェネレータ314、A/D変換器205に対する基準クロックを生成するように構成されている。タイミング制御回路202は、全体制御部270によって制御される。
【0029】
A/D変換器205によって変換されたデジタル信号は、画像処理部240及び全体制御部270にそれぞれ入力される。画像処理部240に入力されるデジタル信号は、画像処理部240において各種画像処理が施され、撮影画像としてメモリカード91へ記憶されたり、ライブビュー表示画像として利用される。一方、全体制御部270に入力されるデジタル信号は、全体制御部270が被写体からの入射光の輝度、色バランス、コントラスト等を演算するために利用される。
【0030】
画像メモリ209は、画像処理部240から出力される画像のデータを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303がn行m列の画素を有している場合、n×m画素分のデータの記憶容量を有し、各画素のデータが対応するアドレスに記憶される。
【0031】
VRAM(ビデオRAM)210は、LCD10に再生表示される画像のバッファメモリである。VRAM210は、LCD10の画素数に対応した画像データを格納することが可能な記憶容量を有している。
【0032】
フラッシュ制御回路217は、内蔵フラッシュ5の発光を制御する回路であり、全体制御部270からの発光開始信号に基づいて内蔵フラッシュ5を、所定時間発光させる。
【0033】
カードインターフェイス212は、カードスロット17を介してメモリカード91への画像の書き込みおよび読み出しを行うためのインターフェイスである。
【0034】
操作部250は、各種スイッチ、ボタンを包括するものであり、ユーザによって操作入力される情報は、操作部250を介して全体制御部270に伝達される。
【0035】
全体制御部270は、マイクロコンピュータからなり、撮影機能及び再生機能を集中制御するものである。全体制御部270は、その本体部となるCPU271と、上述した撮像部300内およびカメラ本体部200内の各部材の駆動を有機的に制御するためのプログラムが記憶されたROM273と、演算作業を行うための作業領域となるRAM272を備えている。なお、メモリカード91等の記録媒体に記録されているプログラムをカードインターフェイス212を介して読み出し、ROM273に格納することができるようになっている。
【0036】
さて、図4は、全体制御部270における機能を示すブロック図である。図4において、コントラスト演算部263、距離演算部264およびオートフォーカス(AF)制御部265は、全体制御部270のROM273に格納されたプログラムによって実現される機能を表した機能ブロックである。そして、コントラスト演算部263およびAF制御部265が一体となって、本実施の形態におけるオートフォーカス装置の機能を実現する。
【0037】
本実施の形態のオートフォーカス制御においても、コントラストAF方式が採用されている。すなわち、A/D変換器205からの信号のコントラストをコントラスト演算部263により評価し、コントラストがもっとも高くなるようにAF制御部265がフォーカスモータ駆動回路214に信号を与え、フォーカスレンズ311の位置を駆動させる。
【0038】
なお、主被写体までの撮影距離は、AF制御部265からフォーカスレンズ311の合焦位置の情報を取得した距離演算部264によって算出される。
【0039】
さて、本実施の形態においては、上述したように、手ぶれの発生を予測したときにAFブロックを変更前に比べて大きくする。
【0040】
AFブロックは、AF制御部265において生成される。なお、撮像画面上へのAFブロック画像の重ね合わせは、画像処理部240にて行われるが、AFブロック内のコントラストの演算は、コントラスト演算部263にて行われる。
【0041】
よって、AF制御部265が、手ぶれの発生を予測し、AFブロックを図13および図14のような小さな四角形のAFブロック1から、図1に示すような大きな四角形のAFブロック3に変更すればよい。このような手ぶれの発生予測と、AFブロックの大きさの変更とは、全体制御部270のプログラムを変更するだけで容易に行える。
【0042】
ここで、手ぶれの発生を予測する方法について説明する。
【0043】
撮像レンズの焦点距離が長ければ長いほど、被写体と撮像レンズとの距離も長くなる。被写体と撮像レンズとの距離が長い場合と短い場合とを比較した場合、手ぶれ量が同じであれば、その手ぶれが画像に及ぼす影響は前者の方が大きい。距離が長い分、手ぶれによるカメラの回転量や移動量が増幅されて画面上に現れてしまうからである。
【0044】
すなわち、撮像レンズの焦点距離が長ければ長いほど、手ぶれの発生の可能性が高いと予測できる。よって、撮像レンズの焦点距離の値が所定の値(何mmなど)以上であるときには手ぶれが発生すると予測するよう、AF制御部265のプログラムを変更しておけばよい。なお、焦点距離の情報は、ユーザによって設定されたズームレンズ301のズーミング倍率をズームモータ駆動回路215からAF制御部265が取得することによって算出される。この焦点距離の情報は、距離演算部264に送信するために従来、算出されていたが、本願では手ぶれ発生の予測にもこの情報を用いる。
【0045】
また、コントラスト演算部263は、AF制御部265が画像データの合焦の度合いを判断するオートフォーカス演算用のために、所定の時間間隔で画像データをA/D変換部205から取り込んで、AF制御部265にその演算結果を受け渡している。この画像データの取り込みの時間間隔(AF演算用撮影間隔)が大きいと、次のデータ取り込みまでの間に、手ぶれによって撮像画像の内容が大きく変化している可能性が高い。
【0046】
すなわち、合焦の度合いを判断するためのAF演算用撮影間隔が長ければ長いほど、手ぶれの発生の可能性が高いと予測できる。よって、AF演算用撮影間隔が所定の値(次のフレームを取得するまでコンマ何秒など)以上であるときには手ぶれが発生すると予測するよう、AF制御部265のプログラムを変更しておけばよい。なお、AF演算用撮影間隔の情報は、コントラスト演算部263からAF制御部265が取得する。
【0047】
以上をまとめると、AF制御部265は、撮像レンズの焦点距離、および、AF演算用撮影間隔の情報に基づいて、手ぶれの発生を予測する手ぶれ発生判断手段である。そして、それとともに、手ぶれの発生を予測したときにはAFブロックの大きさを変更するオートフォーカス制御手段でもある。
【0048】
また、AFブロック内でコントラストを算出し、AF制御部265にその演算結果を与えて合焦の度合いの判断に寄与していることから、コントラスト演算部263もオートフォーカス制御手段を構成しているといえる。
【0049】
よって、例えば被写体の撮影時に手ぶれが生じても、AFブロックの大きさの変更によって合焦させたい被写体がAFブロックから外れにくくなり、ユーザーの希望する被写体をオートフォーカスすることができる。
【0050】
また、手ぶれ発生判断手段たるAF制御部265において、撮像レンズの焦点距離、および、AF演算用撮影間隔の情報に基づいて、手ぶれの発生を予測することで、ジャイロ等の手ぶれ検出装置を設けることなく、安価に手ぶれの発生を予測することができる。
【0051】
また、AF制御部265は、焦点距離の値が所定値以上であるとき、および、AF演算用撮影間隔の値が所定値以上であるときに手ぶれが発生すると予測する。よって、それら所定値を適切に設定することで、容易に手ぶれの発生を予測することができる。
【0052】
図5は、上記の処理のフローをまとめて示したフローチャートである。まず、AF制御部265は、レンズ焦点距離の情報をズームモータ駆動回路215から取り込む(ステップST1a)。次に、AF制御部265は、AF演算用撮影間隔の情報をコントラスト演算部263から取り込む(ステップST2a)。
【0053】
そして、AF制御部265は、レンズ焦点距離の値が所定値以上であるかどうか、および、AF演算用撮影間隔の値が所定値以上であるかどうか、を判断し(ステップST3a)、ともに所定値以上であれば、手ぶれ可能性ありと判断して、図1に示したような手ぶれ対策用のAFブロックのサイズを採用する(ステップST5a)。一方、そうでない場合は、手ぶれ可能性なしと判断して、図13および図14のような標準のAFブロックのサイズを採用する(ステップST4a)。
【0054】
なお、撮像レンズの焦点距離、および、AF演算用撮影間隔の情報のいずれをも、手ぶれ発生の予測に用いてもよいし、あるいは、いずれか一方のみを手ぶれ発生の予測に用いてもよい。
【0055】
なお、AFブロックの大きさについては、変更後の大きさが、変更前に比べ大きくなっておればよい。そうすれば、被写体がオートフォーカスブロックから外れにくい。
【0056】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1の変形例である。すなわち本実施の形態は、実施の形態1において手ぶれ発生の予測をAF制御部265により行っていたのを、その代わりにジャイロや加速度センサ等の手ぶれ検出装置を採用して、手ぶれ検出装置によって手ぶれ発生の判断を行うようにしたオートフォーカス装置である。また、本実施の形態では、手ぶれ量が一定量以上のときに、手ぶれ量が大きすぎる旨の警告をユーザーに出力するようにもしている。
【0057】
図6は、本実施の形態に係るオートフォーカス装置を含むデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図6に示すように、このデジタルカメラは、図3のデジタルカメラの構成に加えて、手ぶれ検出部280および警告部290をさらに備えている。
【0058】
また図7は、図4と同様、本実施の形態における全体制御部270の機能を示すブロック図である。図7において図4と異なるのは、AF制御部265が手ぶれ検出部280および警告部290と信号をやり取りする点である。
【0059】
手ぶれ検出部280は、デジタルカメラに加わる速度要素(並進速度や角速度など)の値または加速度要素(並進加速度や角加速度など)の値を検出することにより手ぶれを検出する手ぶれ検出装置であって、具体的には上述のジャイロや加速度センサ等である。この手ぶれ検出部280が、本実施の形態における手ぶれ発生判断手段である。
【0060】
なお、手ぶれの検出は例えば、手ぶれ検出部280に所定値以上の速度要素または加速度要素が加わったときに、「手ぶれあり」の信号を手ぶれ検出部280がAF制御部265に出力することで行われる。また、手ぶれ検出部280からは、加わった速度や加速度の情報も、手ぶれ量の情報としてAF制御部265に伝えられる。
【0061】
また、警告部290は、例えばブザーなどの警告音を鳴らす発音装置であったり、あるいは、警告表示を画像にスーパーインポーズしてLCD10に表示させる画像処理装置などである。AF制御部265は、手ぶれ検出部280から送信された手ぶれ量の情報に基づいて、手ぶれ量が所定の値を超えるかどうか判断し、所定値を超える場合には、手ぶれ量が大きすぎる旨の警告を出力するよう警告部290を制御する。その制御信号を受けた警告部290は、上述のような警告音や警告表示を発する。
【0062】
上記のように、手ぶれ検出部280が、速度要素または加速度要素を検出することにより手ぶれを検出する手ぶれ検出装置であれば、確実に手ぶれの発生を検出することができる。
【0063】
また、手ぶれ量が所定の値を超える場合に、警告部280が、手ぶれ量が大きすぎる旨の警告を出力すれば、ユーザーに手ぶれを抑制するよう促すことができる。
【0064】
なお、その他の構成は実施の形態1に係るオートフォーカス装置と同様のため、説明を省略する。
【0065】
図8は、本実施の形態における処理のフローをまとめて示したフローチャートである。まず、AF制御部265は、手ぶれ量の情報を手ぶれ検出部280から取り込む(ステップST1b)。
【0066】
そして、AF制御部265は、手ぶれ量の値が所定値以上であるかどうかを判断し(ステップST2b)、所定値以上であれば、手ぶれありと判断する。そして、手ぶれ量が一定値以内にあるか(所定の値を超えるか)どうか判断し(ステップST4b)、一定値以内にない場合には、警告部290に警告音や警告表示を発するよう指示を与える(ステップST5b)。その後は再びステップST1bに戻って、AF制御部265は手ぶれ量の情報を手ぶれ検出部280から取り込む。
【0067】
手ぶれ量が一定値以内にある場合には、図1に示したような手ぶれ対策用のAFブロックのサイズを採用する(ステップST6b)。また、ステップST2bで手ぶれなしと判断された場合は、図13および図14のような標準のAFブロックのサイズを採用する(ステップST3b)。
【0068】
なお、警告部290については、実施の形態1に係るオートフォーカス装置に適用することも可能である。その場合、AF制御部265は、手ぶれ量の情報を手ぶれ検出部280以外の何処かの機能ブロックから取得する必要があるが、例えば、コントラスト演算部263がコントラスト演算用に取り込んだ画像データを解析して手ぶれ量の情報を取得するようにすればよい。
【0069】
すなわち、コントラスト演算部263が、例えばある画像データと次フレームの画像データとを比較して画像データの変化を認識し、両画像間でパターンマッチングを行うことにより動きベクトルを作成して、速度や加速度を検出するようにすればよい。
【0070】
そうすれば、手ぶれ検出部280を有しない構成の実施の形態1に係るオートフォーカス装置においても、手ぶれ量の情報を作成して手ぶれが大きすぎる旨の警告を行うことが可能となる。
【0071】
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態2の変形例である。すなわち本実施の形態は、手ぶれ量だけでなく手ぶれの方向も手ぶれ検出部280で検出し、手ぶれ量および手ぶれ方向に応じてAFブロックの大きさおよび配置を変更するオートフォーカス装置である。また、本実施の形態では、手ぶれ量が一定量以上のときに、手ぶれ量が大きすぎる旨の警告をユーザーに出力しつつAFブロックの位置の補正まで行うようにもしている。
【0072】
本実施の形態に係るオートフォーカス装置を含むデジタルカメラの構成は、実施の形態2の場合と同様のため、説明を省略する。
【0073】
次に、本実施の形態に係るオートフォーカス装置の動作について説明する。本実施の形態においては、手ぶれ検出部280で手ぶれ量だけでなく手ぶれの方向をも検出する。
【0074】
ジャイロや加速度センサ等の手ぶれ検出装置は、本来、速度や加速度の大きさの情報だけでなく、その方向の情報についても取得している。本実施の形態においては、その速度や加速度の方向の情報を、手ぶれ方向の情報として手ぶれ検出部280がAF制御部265にさらに出力する。
【0075】
AF制御部265においては、手ぶれ対策用のAFブロックの配置を例えば複数種類、ROM273やRAM272に用意しておく。すなわち、例えば図9〜図11のAFブロック14a〜14cに示すように、手ぶれの方向に応じてAFブロックの配置を、ROM273やRAM272に記憶された複数種類のAFブロックから選択して変更する。ここでは、手ぶれ方向と同じ方向に伸びるようAFブロックを配置する。これにより、手ぶれの状態に応じて、より適切なAFブロックの配置に変更することができる。
【0076】
図9は、例として手ぶれ方向が画面に対して垂直であった場合を示しており(矢印は手ぶれの方向を示す)、この場合、垂直方向に伸びるAFブロック3aが選択されている。また、図10は、例として手ぶれ方向が画面の右上から左下に伸びる方向に平行であった場合を示しており、この場合、手ぶれ方向と同方向に伸びるAFブロック3bが選択されている。また、図11は、図10の場合とは逆に、手ぶれ方向が画面の左上から右下に伸びる方向に平行であった場合を示しており、この場合、手ぶれ方向と同方向に伸びるAFブロック3cが選択されている。
【0077】
なお、上記説明においては、ROM273やRAM272に用意された複数種類のAFブロックの配置から一つを選択する場合を示したが、その他にも例えば、検出された手ぶれ方向に応じて、AF制御部265がリアルタイムにAFブロックの配置を生成するようにしてもよい。
【0078】
また、手ぶれ量に応じてAFブロックの大きさを変更するようにしてもよい。例えば図1においては、手ぶれ量が大きいほどAFブロック3から被写体2が外れやすい。この場合、手ぶれ量が大きいほど、AFブロック3の大きさを変更前に比べてより大きく(より縦長あるいは横長に)するようにすればよい。そうすれば、手ぶれの状態に応じて、より適切なAFブロックの大きさに変更することができる。
【0079】
上記のような手ぶれ量および手ぶれ方向に応じたAFブロックの形状変更は、全体制御部270のプログラムを変更するだけで容易に行える。
【0080】
また、上記のような手ぶれ量および手ぶれ方向に応じたAFブロックの大きさおよび配置の変更は、実施の形態2に係るオートフォーカス装置に対してだけでなく、実施の形態1に係るオートフォーカス装置に対しても適用することが可能である。
【0081】
その場合は、実施の形態2の終盤で述べたように、コントラスト演算部263に動きベクトルを作成させ、手ぶれの方向も動きベクトルから検出しておけばよい。そして、その手ぶれの方向の情報もコントラスト演算部263からAF制御部265に与えられるようにし、AF制御部265において上記のような手ぶれ量および手ぶれ方向に応じたAFブロックの大きさおよび配置の変更処理を行えばよい。
【0082】
また、本実施の形態では、手ぶれ量が一定量以上のときに、手ぶれ量が大きすぎる旨の警告をユーザーに出力しつつAFブロックの位置の補正まで行う。
【0083】
手ぶれ検出部280またはコントラスト演算部263から手ぶれ量および手ぶれ方向の情報を得た場合、AF制御部265は、その手ぶれ量および手ぶれ方向の情報を利用して、AFブロックの位置を補正することが可能である。すなわち、手ぶれの方向とその移動量とに基づいて、AFブロックの位置を手ぶれと反対の方向に手ぶれの移動量と同じ分だけ移動させれば、同じ被写体をAFブロック内に収めたままとすることができる。つまり、被写体がAFブロックから外れることをより防止しやすい。
【0084】
上記のような手ぶれ量および手ぶれ方向に応じたAFブロックの位置補正は、全体制御部270のプログラムを変更するだけで容易に行える。
【0085】
図12は、本実施の形態における処理のフローをまとめて示したフローチャートである。ステップST1b〜ST4bまでのフローは図8の場合と同じである。
【0086】
本実施の形態の場合は、ステップST4bで手ぶれ量が一定値以内にない場合には、警告部290に警告音や警告表示を発するよう指示を与える(ステップST5b)とともに、AFブロック位置の補正をも行う(ステップST8b)。そして、その後は再びステップST1bに戻って、AF制御部265は手ぶれ量の情報を手ぶれ検出部280から取り込む。
【0087】
また、手ぶれ量が一定値以内にある場合には、手ぶれ検出部280またはコントラスト演算部263において手ぶれ方向が算出され(ステップST7b)、その情報および手ぶれ量の情報に基づいて、AF制御部265は、図9〜図11に示したような、手ぶれの状態に適したサイズおよび配置のAFブロックを採用する(ステップST6b)。
【0088】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、オートフォーカス制御手段は、被写体の撮影時に手ぶれが生じても、手ぶれ方向と手ぶれ量とから手ぶれの状態を検出し、オートフオーカスブロックの配置並びに大きさを変更することによって、合焦させたい被写体をオートフォーカスブロックから外れにくくすることができ、ユーザーの希望する被写体をオートフォーカスすることができる。
【0090】
請求項に記載の発明によれば、オートフォーカス制御手段は、手ぶれ量の情報および前記手ぶれ方向の情報のうち少なくとも一方に基づいて、オートフォーカスブロックの位置を補正する。よって、被写体がオートフォーカスブロックから外れにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】手ぶれの発生が予測されたときの、AFブロックの変更後の大きさを示す図である。
【図2】変更後のAFブロックから被写体が外れにくいことを説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るオートフォーカス装置を含むデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図4】図3のデジタルカメラの全体制御部270における機能を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るオートフォーカス装置の処理を示したフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2および3に係るオートフォーカス装置を含むデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図7】図6のデジタルカメラの全体制御部270における機能を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るオートフォーカス装置の処理を示したフローチャートである。
【図9】手ぶれの発生が検出されたときの、AFブロックの変更後の配置の他の例を示す図である。
【図10】手ぶれの発生が検出されたときの、AFブロックの変更後の配置の他の例を示す図である。
【図11】手ぶれの発生が検出されたときの、AFブロックの変更後の配置の他の例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係るオートフォーカス装置の処理を示したフローチャートである。
【図13】被写体をAFブロック内に収め、合焦して撮影する場合の画像例を示す図である。
【図14】デジタルカメラやビデオカメラのユーザーの手ぶれが原因で、合焦状態から外れてしまう場合の画像例を示す図である。
【図15】レンズ繰り出し位置に対するAF評価値の変化を示す図である。
【符号の説明】
1,3,3a〜3c AFブロック
2 被写体
270 全体制御部
271 CPU
272 RAM
273 ROM
263 コントラスト演算部
265 AF制御部
280 手ぶれ検出部
290 警告部

Claims (2)

  1. 画像データ内の一部の領域を指定するオートフォーカスブロックの範囲内で光学的物理量を算出し、前記画像データの合焦の度合いを判断するオートフォーカス制御手段と、
    手ぶれの発生を検出するとともに、手ぶれ量及び手ぶれ方向を検出する手ぶれ発生判断手段と、を備え、
    前記オートフォーカス制御手段は、前記手ぶれ発生判断手段が手ぶれの発生を検出したときに、前記オートフオーカスブロックを、前記手ぶれ方向と同じ方向に前記手ぶれ量が大きいほど変更前に比べてより大きくして配置する
    ことを特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 請求項1に記載のオートフォーカス装置であって、
    前記オートフォーカス制御手段が、前記手ぶれ量の情報および前記手ぶれ方向の情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記オートフォーカスブロックの位置を補正する
    ことを特徴とするオートフォーカス装置。
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