JP3645878B2 - スピニングリール - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、スピニングリール、特に、ベールを糸巻取り姿勢及び糸解放姿勢にするためのベール支持部材を備えたスピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にスピニングリールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、釣糸が巻かれるスプールとを有している。ロータは、回転軸を挟むように対向して配置された第1アーム部及び第2アーム部と、各アーム部の先端に揺動自在に装着されたベール支持部材と、両ベール支持部材間に設けられたベールとを有している。このベールは、両ベール支持部材とともに揺動し糸開放姿勢と糸巻取り姿勢とをとり得る。また、一方のベール支持部材の先端には、釣糸を案内するラインローラが設けられている。
【0003】
このようなスピニングリールでは、キャスティング時にはベールが糸開放姿勢に倒される。そして、キャスティング後に釣糸を巻き取る場合には、ベールを糸巻取り姿勢側に戻す。ベールが糸巻き取り姿勢の状態でハンドルを回すと、釣糸は、ベールの取付け端に位置するラインローラに案内されてスプール外周に巻き取られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようなスピニングリールでは、ベール支持部材は各アーム部の外周側に装着されている。このような構成では、ロータの回転時に、アームに装着されたベール支持部材が釣竿を持つ手に接触しないように、ロータと釣竿との間に大きなスペースが必要である。しかし、ロータを釣竿から離して配置すると、ハンドル位置と釣竿との間の距離が大きくなり、ハンドル操作時に釣竿に作用するモーメントが大きくなる。また、ラインローラが装着された側のベール支持部材の回転半径が大きいと回転時のバランスが取りにくい。さらに、キャスティング時にベール支持部材を糸開放姿勢側に倒すと、ベール支持部材に釣糸が絡みやすい状態となる。
【0005】
そこで、実開平4−12864号公報等に示されるように、ラインローラの設けられた第1ベール支持部材をアーム部の内周側に装着することが行われている。しかし、このような構成においても、ベールを糸開放姿勢側に倒した場合、ラインローラが外周側に突出し、糸絡みを充分に避けることができない。
【0006】
本発明の目的は、ベール支持部材の先端に糸案内部が設けられたスピニングリールにおいて、キャスティング時の糸絡みを少なくし、かつ回転時のアンバランスを抑えることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、糸絡みを少なくでき、かつリール全体を小型化できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールは、釣竿に装着されるものであり、リール本体とロータとスプールとを備えている。リール本体は、ハンドルを有し、釣竿に装着可能である。ロータは、リール本体の前部に回転自在に支持され、ハンドルによって回転させられる。スプールは、ロータの前方に配置され、外周に釣糸が巻かれる。そして、前記ロータは、ロータ回転軸を挟むように対向して配置された第1アーム部及び第2アーム部と、第1アーム部の内周側に揺動自在に装着され糸案内部を有する第1ベール支持部材と、第2アーム部に揺動自在に装着され第1ベール支持部材の揺動中心より前方に揺動中心を有する第2ベール支持部材と、第1ベール支持部材から第2ベール支持部材にわたって設けられ糸巻取り姿勢と糸解放姿勢とをとり得るベールとを有している。
【0009】
また、第1及び第2ベール支持部材の揺動中心を結ぶ揺動軸芯は、回転軸芯から糸解放姿勢のベール側にオフセットされているとともに、第1及び第2アーム部のうちの少なくとも第1アーム部のリール本体側の端部は、揺動軸芯から糸巻取り姿勢のベール側にオフセットされている。さらに、第1及び第2ベール支持部材は共通の揺動軸を有しており、各ベール支持部材の揺動面は揺動軸に対して直交している。
【0010】
このスピニングリールでは、ハンドルを回転することによってロータが回転させられ、このロータのアーム部先端に装着された糸案内部及びベール等によって案内された釣糸がスプールに巻き付けられる。ここで、糸案内部が設けられた第1ベール支持部材は、第1アーム部の内周側に装着され、しかも第2ベール支持部材の揺動中心よりも後方に揺動中心を有している。
【0011】
ここでは、ロータ回転時に第1ベール支持部材が釣竿を持つ手に接触しにくくなり、リールを釣竿に近づけることが可能になる。また、第1ベール支持部材の重心に第2ベール支持部材の重心が近づき、軸方向のギャップが小さくなる。このため、回転軸に作用するモーメントが小さくなり、回転時の振動を抑えられる。
【0012】
また、両ベール支持部材の揺動中心を結ぶ揺動軸は、回転軸芯から糸解放姿勢のベール側にオフセットされているので、ベールに起因する回転時のアンバランスを抑えられる。さらに、少なくとも第1アーム部のリール本体側の端部が、揺動軸芯から糸巻取り姿勢のベール側にオフセットされているので、ベールを糸開放姿勢側に倒した際に第1ベール支持部材が第1アーム部に干渉しにくくなる。また、ベール支持部材及び糸案内部等に起因する回転時のアンバランスを抑えられる。
【0013】
さらにまた、第1及び第2ベール支持部材は共通の揺動軸を有しており、各ベール支持部材の揺動面は揺動軸に対して直交しているので、ベールを糸開放姿勢側に倒したときに糸案内部等がより内周側に位置することとなり、釣糸が絡みにくくなる。また、揺動軸が回転軸芯に対して傾いているにもかかわらず、ベール支持部材の揺動がスムーズに行える。さらに、リールと釣竿との間の距離を小さくでき、リール全体を小型化できる。
【0014】
発明2に係るスピニングリールは、発明1に記載のスピニングリールにおいて、前記第2ベール支持部材は第2アーム部の外周側に装着されている。
【0015】
ここでは、第2ベール支持部材が第2アーム部の外周側に装着されているので、特に糸案内部に起因する回転時のアンバランスを抑えられる
【0016】
に係るスピニングリールは、発明1又は2に記載のスピニングリールにおいて、前記第1アーム部及び第2アーム部の外周側にはカバーが装着されている。
【0017】
ここでは、カバーにより突起等を覆って釣糸の絡み等を防止でき、かつアーム部を保護できる。このため、アーム部が傷つきにくい。
【0018】
発明に係るスピニングリールは、発明に記載のスピニングリールにおいて、前記カバーは表面が前後方向にかつ円周方向に滑らかに連続する形状である。このため釣糸の引っ掛かりを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
図1〜図3に示す本発明の一実施例によるスピニングリールは、ハンドル1を備えたリール本体2と、リール本体2の前部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置され釣糸を巻き取るスプール4とを備えている。
【0020】
リール本体2はボディ2aを有しており、その上部にはスピニングリールを釣竿に取りつけるための取付け部2bが形成されている。ボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、スプール4を回転軸芯Xに沿って前後方向に移動させてスプール4に釣糸を均一に巻き取るためのレベルワインド機構6とが設けられている。
【0021】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定された軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通してスプール4側に延びている。そして、その先端にはねじ部が形成されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受13,14を介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0022】
レベルワインド機構6は、スプール4の中心部に固定されたスプール軸20を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。レベルワインド機構6は、スプール軸20の下方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダー22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。螺軸21は、スプール軸20と平行に配置されており、ボディ2aに回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の溝21aが形成されている。スライダー22にはスプール軸20の後端が固定されている。また、中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
【0023】
〔スライダーの構造〕
スライダー22は、図4及び図5に示すように、スライダー本体25と、スライダー本体25内に収納された係合部材26を有している。
【0024】
スライダー本体25は、スプール軸20と平行に配置された2本のガイド軸28,29に摺動自在に装着されている。スライダー本体25は、2本のガイド軸28,29によって案内されるので、摺動時の傾きが防止される。このため、スライダー本体25を、従来のスライダー本体のように螺軸全周を覆うような形状とする必要がない。このため本実施例のスライダー本体25は、螺軸21の一側面側にのみ対向するような形状となっており、他側面側への張り出しが少なくなっている。このため、リール本体を小さくすることが可能である。
【0025】
また、スライダー本体25には螺軸21と直交するように横方向の孔25aが形成されており、この孔25aに係合部材26が摺動自在に挿入されている。係合部材26の先端には、螺軸21の溝21aに噛み合う係合部26aが形成されている。スライダー本体25の孔25aの一端には、蓋部材24が固定されている。
【0026】
〔ロータの構成〕
ロータ3は、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1アーム部31及び第2アーム部32とを有している。円筒部30と両アーム部31,32とは一体成形されている。
【0027】
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。ボス33aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸20が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の先端ねじ部に螺合している。ナット34の内周部には、スプール軸20を回転自在に支持する軸受35が配置されている。
【0028】
第1アーム部31の先端の内周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に取り付けられている。第1ベール支持部材40の先端には、釣糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。また、第2アーム部32の先端の外周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。この第2ベール支持部材42は、たとえば他の部分より比重の大きい材質で構成し、第1ベール支持部材40及びラインローラ41に起因する回転時のアンバランスを解消するためのバランサとして機能させることも可能である。第1ベール支持部材40先端のラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には、ベール43が設けられている。このように、第1ベール支持部材40を第1アーム部31の内周側に装着することにより、第1ベール支持部材40の回転半径が小さくなり、釣竿を持つ手に当たりにくくなる。したがって、スプールと釣竿とを近づけることができ、全体として小型化が可能となる。さらに、同様の理由により、回転半径が小さくなり、回転時のアンバランスを抑えやすくなる。
【0029】
また、各アーム部31,32の外周側には、カバー44,45が取り付けられている。このカバー44,45の表面は、前後方向にかつ円周方向に滑らかに連続する形状となっており、このため、釣糸の引っ掛かりを防止できる。
【0030】
ここで、両ベール支持部材40,42は、一本の揺動軸Mを中心に揺動自在である。そして、揺動軸Mと第1アーム部31の第1ベール支持部材取り付け面とが交差する点を揺動中心C1とし、揺動軸Mと第2アーム部32の第2ベール支持部材取り付け面とが交差する点を揺動中心C2とした場合、揺動中心C2は揺動中心C1に比較して前方側に位置している。すなわち、揺動軸Mは回転軸芯Xに対して傾いている。また、各ベール支持部材40,42は、それらの揺動面が揺動軸Mに対して直交するように配置されている。
【0031】
また、図6及び図7に示すように、第1アーム部31は、リール本体側の後部が回転軸芯Xよりも糸巻取り姿勢のベール側に偏位している。そして、軸方向中央部から前方側にかけては、逆側(糸解放姿勢のベール側)に傾斜している。このように、後部が糸巻取り姿勢のベール側に偏位していることによって、図6の一点鎖線で示すように、ベール43を糸解放姿勢側に倒した際に、ベール43と第1アーム部31との干渉が少なくなる。また、第1ベール支持部材40及びラインローラ等に起因する回転時のアンバランスを抑えることができる。一方、第2アーム部32は、図7に示すように、全体がほぼ直線状に延びている。さらに、第1及び第2ベール支持部材40,42の揺動中心は、回転軸芯Xから糸解放姿勢のベール側にDだけ偏位している。これにより、ベール43に起因する回転時のアンバランスを抑えられる。
【0032】
〔逆転防止機構の構成〕
ロータ3の円筒部30の内部には、スプール4の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、図8及び図9に示すように、リール本体2に固定された枠体51と、枠体51内に収納されたローラ型のワンウェイクラッチ52と、ワンウェイクラッチ52を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構53とを有している。
【0033】
ワンウェイクラッチ52は、枠体51に相対回転不能に装着された外輪55と、ピニオンギア12の前方筒部外周に固定された内輪56と、複数のローラ57と、複数のローラ57を保持するリテーナ58とを有している。複数のローラ57は外輪55と内輪56との間に配置され、両輪の間にくい込む作動位置と両輪の間で遊転する非作動位置とをとり得る。リテーナ58は、ほぼ円筒状の部材であり、枠体51内に収納され、所定の角度範囲で回転することが可能である。また、リテーナ58には円周方向に等角度間隔で複数の収納用切欠き58aが形成されており、この切欠き58aのそれぞれに、ローラ57が所定の角度範囲で円周方向に移動自在に、すなわち前述の作動位置と非作動位置との間で移動自在に収納されている。なお、ローラ57が作動位置にあるクラッチオン状態では、外輪55と内輪56とは一方向にのみ相対回転が不能であり、ローラ57が非作動位置にあるクラッチオフ状態では、外輪55と内輪56とは相対回転自在である。また、各切欠き58a内には、ローラ57を作動位置側に付勢する波板状の板ばね59が配置されている。
【0034】
操作機構53は、枠体51内に配置されたほぼ円板状の操作板60と、回動部材61と、回動部材61を回動させるための操作ロッド62と、回動部材61と操作ロッド62との間に配置された緩衝機構としてのねじりコイルばね63と、操作ロッド62の後端に連結された操作レバー64(図1参照)とを有している。
【0035】
操作板60の一部には係止孔60aが形成されており、この係止孔60aに、回動部材61の側面に形成された係止用突起61aが係止している。また、操作板60には複数の孔60bが円周方向に等角度間隔で形成されており、これらの孔60bにリテーナ58の後端面に形成された突起58bが挿入されている。このため、回動部材61が回動すると、操作板60を介してリテーナ58が回動し、ローラ57を作動位置と非作動位置との間で移動させることが可能である。回動部材61の後端面に形成された係合部61bと、操作ロッド62の前端面に形成された係合部62aとは係合可能であるが、所定の角度範囲では互いに相対回転が可能である。ねじりコイルばね63の一端は回動部材に固定され、他端は操作ロッド62の前端面に固定されている。したがって、操作ロッド62の操作力は、その回転モーメントがねじりコイルばね63を介して回動部材61に伝達される。
【0036】
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1アーム部31と第2アーム部32との間に配置されており、スプール軸20の先端にドラグ機構70を介して装着されている。スプール4は、外周の釣糸が巻かれる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端に固定されたフランジ板4cとを有している。フランジ板4cは、ステンレス製の板材で形成されており、ねじによって糸巻胴部4aに装着されている。このとき、フランジ板4cは若干湾曲しており、その湾曲によるばね性を利用して、糸巻胴部4aの前端とフランジ板4cとの間に隙間が形成されないように取り付けられている。このため、釣糸がこれらの間に侵入することはない。
【0037】
ドラグ機構70は、スプール4の内部前端面に押し付けられる押し付け部材71と、ドラグ力を調整するための調整つまみ72と、押し付け部材71と調整つまみ72との間に配置された押圧ばね73,74と、押し付け部材71とスプール4との間に配置された複数のクラッチ板75とを有している。このような構成では、調整つまみ72の締め付け量を調整することにより、押し付け部材71のスプール4に対する押圧力を調整でき、ドラグ力を調整可能である。
【0038】
〔リールの操作及び動作〕
キャスティング時には、ベール43を糸開放姿勢側に倒す。これにより、第1及び第2ベール支持部材40,42は揺動軸Mを中心として同方向に回転する。このとき、第1ベール支持部材40は第1アーム部31の内周側に配置され、かつ揺動軸Mが回転軸芯Xに対して図1に示すように傾いているので、第1ベール支持部材40及びその先端のラインローラ41は糸巻取り姿勢時の位置よりもさらに内周側に移動する。このため、キャスティング時に繰り出された釣糸が第1ベール支持部材40やラインローラ41に絡みにくくなる。また、揺動軸Mは回転軸芯Xに対して傾いているが、両ベール支持部材40,42は1本の揺動軸Mを中心に回転し、かつそれぞれの回転面は揺動軸Mに対して垂直である。このため、回転時にはこじることなくスムーズに回転させることができる。
【0039】
釣糸巻取り時には、ベール43を糸巻取り姿勢側に倒す。この状態でハンドル1を回転させると、この回転力はハンドル軸及びフェースギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア前部12aを介してロータ3に伝達される。
【0040】
一方、ピニオンギア12に噛み合うギア23によって螺軸21が回転し、この螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸28,29に案内されて前後方向に移動する。このため、スプール軸20及びスプール4が回転軸芯Xに沿って前後方向に往復動し、ベール45及びラインローラ41によってスプール4に案内された釣糸は、スプール4の外周に前後方向に均一に巻き取られる。
【0041】
また、スライダ22は2本のガイド軸28,29に案内されて往復動するので、回転したりあるいは傾いたりすることなくスムーズに往復動する。このため、スライダ本体25は螺軸21の全周を覆う必要がなく、係合部材26と逆側のスペースを小さくできる。このため、リール本体2の後方部分については、横方向に突出を少なくできる。
【0042】
〔ロータ回転時のアンバランスについて〕
ロータ3の回転時には、ベール43等の部材に起因して回転時のアンバランスが生じやすい。このため本実施例では、ベール支持部材40,42、ラインローラ41及びベール43によるアンバランスを解消するために、両アーム部31,32の後端部を糸巻取り姿勢のベール側に偏位させて配置し、さらに各ベール支持部材40,42を、その揺動軸が回転軸芯Xに対して糸開放姿勢のベール側に偏位するように配置している。さらに、ラインローラ41に起因するアンバランスは、第2ベール支持部材42を第1ベール支持部材40よりも前方側に配置することにより抑えられる。また、この第2ベール支持部材を他の部材に比較して比重の高い重量物で構成することにより、バランサとして機能させることが可能である。
【0043】
〔逆転防止機構の操作及び動作〕
キャスティング時等においては、ロータ3が逆転しないように、操作レバー64によりローラ57を作動位置に移動させる。すなわち、図10(a)に示すように、操作レバー64を一方に回動することにより、操作ロッド62を同方向に回動させる。この力は、操作ロッド62の係合部62aを介して回動部材61に直接伝達され、さらに操作板60を介してリテーナ58に伝達される。これにより、リテーナ58が回動し、リテーナ58に保持されたローラ57が、作動位置に移動可能な状態となる。このような状態でロータ3が正方向(釣糸巻取り方向)に回転すると、ローラ57は外輪55と内輪56との間で遊転する。このため、ロータ3の正方向の回転が妨げられることはない。一方、ロータ3が逆方向(釣糸繰り出し方向)に回転すると、ローラ57は外輪55と内輪56との間にくい込み、両者は相対回転不能な状態となる。ここで、外輪55は、枠体51を介してリール本体2に固定されているので、内輪56の回転、すなわちロータ3の一方向(釣糸が繰り出される方向)への回転が禁止される。
【0044】
操作レバー64を前記とは逆方向に回動すると(図10(b)に示す状態)、前記と同様の動作によってローラ57が非作動位置に移動させられる。この状態では、ローラ57は、外輪55と内輪56との間にくい込むことはできない。したがって、外輪55に対して内輪56が正逆両方向に回転可能となり、ロータ3の釣糸繰り出し方向への回転が可能となる。
【0045】
ここで、ローラ57が両輪55,56の間にくい込んだ状態では、ローラ57を両輪55,56の間から引き出して非作動位置に移動させるためには大きな力が必要になる。この状態で操作ロッド62等によって直接ローラ57を移動させようとすると、操作ロッド62等が損傷するおそれがある。そこで、この実施例では、操作ロッド62と回動部材61との間に緩衝機構としてのねじりコイルばね63を設けている。この場合には、ローラ57が作動位置にくい込み、負荷が作用した状態で操作レバー64が操作されると、操作レバー64の回動力は一旦ねじりコイルばね63に蓄えられる(この状態を図10(c)に示している)。そして、作動位置のローラ57に作用していた負荷が解除されると、ねじりコイルばね63に蓄えられていた回動力が回動部材61等を介してローラ57に伝達される。
【0046】
このように、操作機構53に、緩衝機構としてのねじりコイルばね63を設けることによって、操作レバー64、操作ロッド62等の損傷が避けられる。
【0047】
また、回動部材61から操作板60を介してリテーナ58を回動させているので、回動部材61でリテーナ58を直接回動させる場合に比較して、リテーナ58の傾きを抑えることができる。
【0048】
〔他の実施例〕
(a)前記実施例では、第2ベール支持部材42を第2アーム部32の外周側に配置したが、この第2ベール支持部材42を第1ベール支持部材40と同様にアーム部の内周側に配置してもよい。
【0049】
(b)操作ロッド62と回動部材61との間にねじりコイルばね63を配置したが、他の弾性部材等を配置して緩衝するようにしてもよい。
【0050】
(c)回動部材61とリテーナ58との間の操作板60は省略してもよい。
【0051】
(d)前記実施例では、操作ロッド62と回動部材61との間に緩衝機構としてのねじりコイルばね63を設けたが、緩衝機構を設けずに、操作ロッド62と回動部材61との間で回動力を直接伝達するようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施例では、逆転防止機構を解除するとき、すなわちオン状態からオフ状態への移行するときにのみ緩衝機構が機能するようにしたが、逆転防止機構をオン状態からオフ状態に移行するとき、及び逆にオフ状態からオン状態に移行するときの両方で機能するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように発明1に係るスピニングリールでは、糸案内部が設けられた第1ベール支持部材が第1アーム部の内周側に装着され、しかも第2ベール支持部材の揺動中心よりも後方に揺動中心を有しているので、ロータ回転時に第1ベール支持部材が釣竿に接触しにくくなり、リールを釣竿に近づけることが可能になる。また、第1ベール支持部材に作用する遠心力と第2ベール支持部材に作用する遠心力との間の軸方向のギャップが小さくなり、回転軸に作用するモーメントが小さくなる。このため、回転時の振動を抑えられる。
【0054】
また、両ベール支持部材の揺動軸が糸解放姿勢のベール側にオフセットされているので、ベールに起因する回転時のアンバランスを抑えることができる。さらに、少なくとも第1アーム部のリール本体側の端部が、揺動軸芯から糸巻取り姿勢のベール側にオフセットされているので、ベールを糸開放姿勢側に倒した際に第1ベール支持部材が第1アーム部に干渉しにくくなる。また、ベール支持部材及び糸案内部等に起因する回転時のアンバランスを抑えられる。
【0055】
さらに、両ベール支持部材は共通の揺動軸を有し、各ベール支持部材の揺動面は揺動軸に対して直交しているので、ベールを糸開放姿勢側に倒したときに糸案内部等がより内周側に位置し、釣糸が絡みにくくなる。また、ベール支持部材をスムーズに揺動させることができる。さらに、リールと釣竿との間の距離を小さくでき、リール全体を小型化できる。
【0056】
発明2に係るスピニングリールでは、第2ベール支持部材が第2アーム部の外周側に装着されているので、特に糸案内部に起因する回転時のアンバランスを抑えられる
【0057】
に係るスピニングリールでは、両アーム部の外周側にカバーが装着されているので、カバーによりアーム部外周の突起等が覆われ、釣糸の絡みを防止できる。
【0058】
発明に係るスピニングリールでは、カバーは、表面が前後方向かつ円周方向に滑らかに連続する形状であるので、釣糸の引っ掛かりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるスピニングリールの断面正面図。
【図2】前記スピニングリールの釣竿取り付け部を示す図。
【図3】前記スピニングリールの断面平面図。
【図4】前記スピニングリールの断面背面図。
【図5】スライダの一部断面構成図。
【図6】ロータの一側面図。
【図7】ロータの他側面図。
【図8】逆転防止機構の断面構成図。
【図9】逆転防止機構の分解斜視図。
【図10】逆転防止機構の動作説明図。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
31 第1アーム部
32 第2アーム部
40 第1ベール支持部材
41 ラインローラ
42 第2ベール支持部材
43 ベール
44,45 カバー

Claims (4)

  1. 釣竿に装着されるスピニングリールであって、
    ハンドルを有し、前記釣竿に装着可能なリール本体と、
    前記リール本体の前部に回転自在に支持され、前記ハンドルによって回転させられるロータと、
    前記ロータの前方に配置され、外周に釣糸が巻かれるスプールとを備え、
    前記ロータは、
    ロータ回転軸を挟むように対向して配置された第1アーム部及び第2アーム部と、
    前記第1アーム部の内周側に揺動自在に装着され糸案内部を有する第1ベール支持部材と、
    前記第2アーム部に揺動自在に装着され、前記第1ベール支持部材の揺動中心より前方に揺動中心を有する第2ベール支持部材と、
    前記第1ベール支持部材から第2ベール支持部材にわたって設けられ糸巻取り姿勢と糸解放姿勢とをとり得るベールとを有し、
    前記第1及び第2ベール支持部材の揺動中心を結ぶ揺動軸芯は前記回転軸から前記糸解放姿勢のベール側にオフセットされているとともに、前記第1及び第2アーム部のうちの少なくとも第1アーム部のリール本体側の端部は前記揺動軸芯から前記糸巻取り姿勢のベール側にオフセットされており、
    前記第1及び第2ベール支持部材は共通の揺動軸を有しており、各ベール支持部材の揺動面は前記揺動軸に対して直交している、
    スピニングリール。
  2. 前記第2ベール支持部材は前記第2アーム部の外周側に装着されている、請求項1に記載のスピニングリール。
  3. 前記第1アーム部及び第2アーム部の外周側にはカバーが装着されている、請求項1又は2に記載のスピニングリール。
  4. 前記カバーは、表面が前後方向にかつ円周方向に滑らかに連続する形状である、請求項に記載のスピニングリール。
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