JP3645875B2 - 四輪自走式防除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果樹、野菜、葉タバコ等の防除を行う四輪自走式防除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の防除機は、後部に操作ハンドルが、前部には噴霧ブームが取り付けられる車体フレームと、このフレームの前後左右に備えられる4本の駆動輪と、同フレームの前半部側に搭載されて前記駆動輪に動力を伝達する走行用エンジンと、このエンジンと共にフレームの前半部側に搭載されて該エンジンからの動力により駆動せしめて前記噴霧ブームから薬液を噴霧させる噴霧機と、この噴霧機にホース等より接続されて前記フレームの後半部側に搭載される薬液タンクとを備え、例えば1本の畝を跨いだ状態で自走させながら噴霧ブームから当該畝及び左右両隣の畝にて育成されている野菜等に薬液を噴霧する防除作業が行なわれるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、四輪駆動は平坦な場所での走行に加えて、登りや下り等における走行においても有効ではあるが、畝から次(隣)の畝に移動する際の畝の出口や入口における旋回半径(角度)がどうしても大きくなり易い。
そのために、畝の出口や入口において前進と後進を数回繰り返す等の切り替え操作を行わなければ次の畝に移ることができないでいるのが現状で、防除作業の遅延を招くものであった。
【0004】
また、前進や後退を繰り返すことで、畝の出口や入口を車輪で踏み付けて荒らしてしまったり、育成されている野菜等を傷める等の恐れがあった。
【0005】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、登りや下り走行において有効な四輪自走式での走行を可能としながら、畝の出口や入口における旋回時には前部二輪、後部一輪とする三輪への切り替えにより、隣の畝等に小回り旋回により簡単に移ることができ、しかも、切り替え操作が頗る簡単に行なうことができる四輪自走式防除機を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、後部に操作ハンドルが、前部に噴霧ブームが取り付けられる車体フレームの前後左右に駆動輪を備え、該駆動輪に動力を伝達する走行用エンジンと前記噴霧ブームに薬液を送る噴霧機とがフレームの前半部側に搭載され、且つ、フレームの後半部側には薬液タンクが載置されてなる四輪自走式防除機において、
操作ハンドルを備える車体フレームの後部位置に、該フレームと共に後部駆動輪を持ち上げて、前部駆動輪との三輪による旋回を可能とする旋回用自在輪が切替え支持機構を介して地面に対して接離自在に具備されてなり、
更に、上記切替え支持機構が、旋回用自在輪を下端に固着支持すると共に車体フレームの後部に軸着せしめて該軸着部を支点に前後起倒動自在に備えられる操作レバーと、この操作レバーに軸着により備えられて、該操作レバーを起こして旋回用自在輪を地面に接地させた状態において該操作レバーを車体フレームに係脱自在にロック保持する保持レバーとで構成されていることにある。
【0007】
斯かる構成により、四輪駆動から三輪、三輪から四輪駆動への切り替えが、軸着部を支点に操作レバーを前後に起倒させる操作により行なわれる。そして、操作レバーを起こして旋回用自在輪を地面に接地させた三輪自走状態の保持が、車体フレームに対する保持レバーの係脱自在なロックにより行なわれる。これにより、畝の出口や入口における旋回時には前輪と旋回用自在輪との三輪自走による小回り旋回が可能となり、噴霧を行なう次の畝入口に速やか移動することができる。
【0008】
また、上記切替え支持機構を構成する操作レバーは、上端に掴持ノブを有する斜め杆部と、この斜め杆部の下端から前方水平状に適宜の長さにて連設させる水平杆部とから側面視略L字状に形成され、該水平杆部の解放端を車体フレーム上に軸着し、該軸着部を支点に前後に起倒し得るように成し、且つ、該軸着部の前方部位における車体フレーム上から長さ方向略上方部位にわたり軸着部を支点に操作レバーを倒す方向に付勢する引張りバネ材が斜めに弾装され、下端部に旋回用自在輪を備える。
そして、保持レバーは、適宜の長さを有し、下端に車体フレームの後部面より後方に突出する係止凸部に係脱自在に係止させる係止爪を備え、該係止爪の上方部位が前記操作レバーの下端側部に軸着されると共に、この軸着部の上方部位には該軸着部を支点に前記係止爪を係止凸部方向に付勢する突っ張りバネ材が操作レバーとの間に弾装されてなることにある。
【0009】
斯かる構成により、四輪駆動から三輪に、三輪から四輪駆動へ切り替えが、軸着部を支点とする操作レバーの前後の起倒操作により行なわれる。つまり、てこの原理を利用した操作レバーの前後の起倒操作と軸着部を支点に保持レバーを左右に動かす操作により行なわれる。
そして、操作レバーが前方へ倒れる動きが引張りバネ材により行なわれ、且つ、車体フレームの後端係止部に対する保持レバーの下端係止爪に係止ロックが突っ張りバネ材により自動的に行われる。
【0010】
また、上記前部駆動輪と後部駆動輪用の前後の車軸に両駆動輪がピン止めにより装着され、該両駆動輪のホイルリング部にはピンを挿通させる周方向の長孔が開口されていて、この長孔の開口範囲において両駆動輪が夫々の車軸に対して周方向に遊動し得るように構成することにより、前述した三輪による旋回時に、左右の前部駆動輪の回転に長孔の範囲でのタイミング的な回転ズレが生じて、小回り旋回を円滑に進行させるようにしたことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明四輪自走式防除機の実施形態の一例を示し、1は後部に操作ハンドル2を、前部に噴霧ブーム3が取り付けられる車体フレーム、4,5はフレームの前後左右に備える4本の駆動輪、6は該駆動輪に動力を伝達する走行用エンジン、7は前記噴霧ブームに薬液を送る噴霧機、8は薬液タンクであり、例えば1本の畝を跨いだ状態で自走させながら噴霧ブーム3から当該畝及び左右両隣の畝にて育成されている野菜等に薬液を噴霧する防除作業が行なわれるように構成してある。
そして、後部駆動輪(以後、後輪)5を備える車体フレーム1の後部には当該フレーム1後部側と共に後輪5を持ち上げる旋回用自在輪9が切替え支持機構10を介して具備されており、この旋回用自在輪9と前部駆動輪(以後、前輪)4との三輪による小回り旋回を可能に構成してある。
【0012】
車体フレーム1は、金属平板等を用いて前後方向に縦長状に形成され、その長さ方向前半部側における略中程位置と後半部側における最後部位置に、前輪4と後輪5を取り付ける前輪車軸11と後輪車軸12とがベアリング等の軸支部材(図示せず)を介して夫々横架されている。
そして、この前輪車軸11と後輪車軸12とに個々に固着されている前後のスプロケット13,14にわたり連繋チェーン15が巻装され、且つ、前輪車軸4の駆動用ミッション16とエンジン6の出力軸6-1とが後述するベルト23を介して連繋されており、エンジン6からの動力が前輪4、後輪5に伝達されて四輪駆動にて自走するように構成してある。
【0013】
また、図6に示したように、前輪車軸11と後輪車軸12とに前輪4、後輪5のホイルリング部4-1,5-1がピン17止めにより装着されるようにしてあり、両ホイルリング部4-1,5-1にはピン17を貫通突出状に挿通させる周方向の長孔18が開口されていて、この長孔18の範囲で前輪4、後輪5が前輪車軸11と後輪車軸12に対して周方向に遊動し得るようにしてある。
【0014】
また、車体フレーム1の前半部側における前輪4より前側位置にはミッション取付部19が形成され、前輪4より車体フレーム1の後半部側にはタンク載置部20が形成されており、このタンク載置部20に薬液タンク8が係脱自在に搭載され、ミッション取付部19上にエンジン6がボルトナット等により定着搭載され、このエンジン6の上には受け台21等を介して噴霧機7が載置されるようにしてある。
【0015】
この様に、車体フレーム1上の前半部側、特に前輪4の前側位置に駆動用ミッション16、エンジン6、噴霧機7が三段重ね状態にて搭載され、前輪4より後側の後半部側に薬液タンク8が載置されていることで、車体の重量バランスを前部が重く、後部を軽くできて直進走行性は勿論、畝の出口や入口での旋回性能(操作性)をも安定する。つまり、車体フレーム1の後部側と共に後輪5を持ち上げ、前輪4と旋回用自在輪9との三輪による旋回操作が手軽に且つ円滑に行なわれる。
【0016】
尚、駆動用ミッション16は、前進3段、後退1段の変速段数を備え、入力軸にエンジン6の出力軸6-1に固着されるダブルプーリー22の一方にベルト23を介して連繋されるプーリー24が、不図示の出力軸には前輪車軸11に固着されるスプロケット25にチェーン26を介して連繋されるスプロケットが夫々固着されている。
【0017】
そして、噴霧機7の入力軸27には前述したダブルプーリー22の他方にベルト28を介して連繋されるプーリー29が固着され、エンジン6からの動力により噴霧機7が作動し、ホースで連絡する薬液タンク8から同じくホースで連絡する噴霧ブーム3に薬液が送り込まれ、該噴霧ブーム3に設けられている複数の噴霧ノズルより噴霧されるようにしてある。
【0018】
旋回用自在輪9を地面Lに対して接離自在に具備する切換え支持機構10は、旋回用自在輪9を具備する操作レバー10-1と、旋回用自在輪9を地面Lに接地させて車体フレーム1の後部側を後輪5と共に持ち上げた旋回状態において操作レバー10-1を係脱自在に係止保持する保持レバー10-2とで構成されている。
【0019】
操作レバー10-1は、車体フレーム1との軸着部P1を支点に前後に傾動させることで、旋回用自在輪9を地面Lに接地させて車体フレーム1の後部側を後輪5と共に持ち上げる旋回状態にしたり(図参照)、旋回用自在輪9を地面Lから離間させて後輪5を地面Lに接地させて前輪4とによる四輪駆動による直進自走状態する等の切り替えを行なう。
この操作レバー10-1は、適宜の長さを有する傾斜杆部30と、この傾斜杆部30の下端から前方に向けて略鈍角に折り曲げ連設させた水平杆部とから側面視略L字状に形成されている。図では傾斜杆部30の下端に溶着等により固着される側面視が略L字状の下端部材31を備え、この下端部材31の水平部31-1の開放端部を車体フレーム1に軸着連結させることにより、該軸着部P1を支点に前後起倒動自在と成し、そして、垂直部31-2の開放端(下端)には旋回用自在輪9を溶着等の適宜の固着手段により支持させるようにしてある。
【0020】
また、下端部材31の垂直部31-2から傾斜杆部30に渉って垂直な補強杆部32が溶着等に固着され、この補強杆部32から前記軸着部P1の前方における車体フレーム1にわたり引張りバネ材33に備えられており、軸着部P1を支点に操作レバー10-1を前方に倒す。
つまり、保持レバー10-2による操作レバー10-1のロック状態が解除されることで、軸着部P1を支点に操作レバー10-1がバネ材33により前方へ倒され、尚且つ、旋回用自在輪9を地面Lから離間させた四輪駆動による直進自走状態が保たれるようにしてある。
【0021】
図中34は、車体フレーム1の前記軸着部P11の後方位置と後端面とに設けられているレバー押え具であり、操作レバー10-1を起こした際に下端部材31が挟持され、軸着部P1を支点に操作レバー10-1が左右にガタつかない(振れない)ようにしてある。35は、傾斜杆部30の上端に設けられている掴みノブであり、作業者はこのノブ35を掴んで操作レバー10-1を前後に起倒操作し得るようにしてある。
【0022】
保持レバー10-2は、軸着部P1を支点に操作レバー10-1を後方(手前)に起こして旋回用自在輪9を地面Lに接地させた旋回状態において操作レバー10-1を当該姿勢に係脱自在にロック保持する役目を成す。
この保持レバー10-2は、適宜の長さを有する垂直杆部36と、この垂直杆部36の下端から下方に連設させた屈曲部材37とを備え、この屈曲部材37の下端部に車体フレーム1の後端面により後方に突出する係止部38に係脱自在に係止させる係止爪39を備え、この下端側を操作レバー10-1の下端部材31の垂直部31-2に軸着連結し、この軸着部P2を支点に左右に動かす。図では右側に動かすことで、係止爪39が係止部38に係止せしめて操作レバー10-1を保持するロック状態が解除されるようにしてある。
【0023】
また、軸着部P2の上方部位における操作レバー10-1の補強杆部32との間には突っ張りバネ材40が備えられており、軸着部P2を支点に係止爪39を有する保持レバー10-2の下端側を操作レバー10-1が付勢するようにしてある。
つまり、係止爪39の係止部38に対する係止状態が突っ張りバネ材40により弾発的に保持されるようにしてある。
【0024】
そして、係止爪39の下端には右上がりテーパを備え、操作レバー10-1を起こす操作を行なうことで、係止爪39が突っ張りバネ材40により係止部38に対して自動的に係止されるようにしてある。
図中41は、保持レバー10-2の垂直杆部36の上端に設けられている掴みノブであり、作業者はこのノブ41を掴んで保持レバー10-2を左側に動かして係止部38に対する係止爪39のロック状態を解除し得るようにしてある。
【0025】
次に、以上の如く構成された本実施例詳述の四輪自走式防除機の使用例を簡単に説明する。
畝に沿って直進自走する場合には図1に示すように、操作レバー10-1を前方に倒して旋回用自在輪9を持ち上げ、後輪5を地面Lに接地させた状態とすることで、前輪4、後輪5による四輪駆動による自走状態となる。
【0026】
四輪駆動による直進自走により薬液の噴霧が終了した畝から噴霧を行なう次(隣)の畝に移動する際の畝の出口や入口において、前方に倒れている操作レバー10-1を引張りバネ材33に抗して手前に引くように起こす。操作レバー10-1が軸着部P1を支点に動き始めると、旋回用自在輪9が地面Lに接地した時点から車体フレーム1の後部側と共に後輪5が徐々に持ち上げられる(図2の状態)。
この時、軸着部P1を支点として操作レバー10-1に作用するてこの原理と前部側に比べて重量が軽い車体フレーム1の後部側は簡単に持ち上がる。
そして、操作レバー10-1の動きが止まる直前において保持レバー10-2の下端係止爪39が車体フレーム1の後端係止部38に対して突っ張りバネ材40に抗して係止部38に沿って一旦開き、該バネ材40により自動的に係止せしめて操作レバー10-1の動きが止まった時点で当該係止状態が突っ張りバネ材40により保持される。
これにより、前輪4と旋回用自在輪9とによる三輪への切り替えが完了し、三輪自走による小回り旋回が可能となる(図6の状態)。
【0027】
そして、三輪自走による旋回が終了し、次の畝に移動した時点で、保持レバー10-2を突っ張りバネ材40に抗して右方向に動かし、係止部38に対する係止爪39の係止ロック状態が解除されることで、操作レバー10-1は引張りバネ材33により前方に倒され、旋回用自在輪9が地面Lから離間せしめて後輪5が地面Lに接地せしめた図1に示す四輪駆動による自走状態に戻される。
【0028】
而して、本実施例詳述の四輪自走式防除機によれば、畝の出口や入口における旋回時には前輪4と旋回用自在輪9との三輪、そして、長孔18を有する前輪4のホイルリング部4-1が前輪車軸11に対して長孔18の範囲で周方向に遊動するピン17止めにより、左右の前輪4の回転に長孔18の開口範囲でのタイミング的な回転ズレが生じて、小回り旋回を円滑に進行させる小回り旋回が可能となる。
つまり、旋回半径を小さくすることができるので、噴霧が完了した畝の出口から噴霧を行なう次の畝の入口に小回り旋回により速やか移ることができる。ひいては、防除作業を円滑に行なうことができる。
【0029】
また、四輪駆動から三輪、三輪から四輪駆動への切り替えが、軸着部P1を支点に操作レバー10-1を前後に起倒させる操作と軸着部P2を支点に保持レバー10-2を左右に動かす操作により行なわれ、しかも、操作レバー10-1が前方へ倒れる動きが引張りバネ材33により行なわれ、且つ、車体フレーム1の後端係止部38に対する保持レバー10-2の下端係止爪39に係止ロックが突っ張りバネ材40により自動的に行われる。
【0030】
尚、前述の実施例詳述においては旋回用自在輪9の切換え支持機構10として操作レバー10-1と保持レバー10-2とで構成したが、例えば下端に旋回用自在輪9を備えた螺子杆やその他の昇降杆を車体フレーム1の後端部に螺子筒その他の筒体を介して昇降動自在に備え、螺子杆やその他の昇降杆を昇降させることで、旋回用自在輪9を地面Lに対して接離可能とするも良く、任意である。
その他の昇降杆とは中空又は中実状の円筒部材が挙げられ、その他の筒体としては円筒棒材が摺動自在に嵌挿される円筒筒体が挙げられ、この円筒筒体の上下間隔をおいて例えば上下に連なる鍵状の係止窓を設け、一方、円筒棒材には該係止窓から外部に突出させる操作杆を設けて、この操作杆を上部係止窓と下部係止窓に入れ替え係止させる操作により、円筒棒材を昇降動させると共に上昇限、下降限においてロック保持させることで下端の旋回用自在輪9を地面Lから離間、そして地面Lに接地させる接離可能とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の四輪自走式防除機は叙上の如く構成してなることから下記の作用効果を奏する。
請求項1記載の構成により、四輪駆動から三輪、三輪から四輪駆動への切り替えが、軸着部 P1 を支点に前後に起倒させる操作レバーの操作により行なわれ、しかも、操作レバーを起こして旋回用自在輪を地面に接地させた三輪自走状態の保持が、保持レバーによる車体フレームへの係脱自在なロックにより行なわれる。
また、車体フレームの前半部側に走行用エンジンと噴霧機とを搭載させて、車体の重量バランスを、前部側を重く、後部側を軽くしていることで、操作ハンドルを起し、旋回用自在輪を地面に設置させて後部駆動輪と共に車体フレームの後部側を持ち上げるに際して、簡単に且つ手軽に行なうことができる。
従って、畝の出口や入口における旋回時には前輪と旋回用自在輪との三輪自走による小回り旋回が可能となることで、噴霧を行なう次の畝入口に速やか移動することができる。よって、従来のように前進、後進を数回繰り返すと言った面倒で労力を有する切り替え操作を必要とせずに各畝に楽に移ることができるので、防除作業を円滑に行なうことができる。
【0032】
また、請求項2記載の構成により、請求項1記載の作用に加えて、四輪駆動から三輪、三輪から四輪駆動へ切り替える際の軸着部 P1 を支点とする操作レバーの前後起倒が、てこの原理を利用した操作により行なわれ、しかも、軸着部 P1 を支点に操作レバーが前方へ倒れる動きが引張りバネ材により行なわれ、且つ、車体フレームの後端係止部に対する保持レバーの下端係止爪の係脱自在な係止ロックが突っ張りバネ材により自動的に行なわれる。つまり、操作レバーを起こして旋回用自在輪を地面に接地させた三輪自走状態の車体フレームに対するロック保持が、突っ張りバネ材により自動的に行なわれる。
従って、女性の方でも楽に使うことができる操作性と旋回性に富んだ四輪自走式防除機を提供することができる。
【0033】
また、請求項3記載の構成により、請求項1又は2記載の作用に加えて、三輪自走による旋回時に、左右の前輪の回転に長孔の範囲でのタイミング的な回転ズレが生じて、小回り旋回を円滑に進行させることができることで、旋回操作をより一層速やか且つ楽に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明四輪自走式防除機の実施形態の一例を示した概略側面図
【図2】 三輪による自走状態に切り替えた同側面図
【図3】 同背面図
【図4】 要部を拡大して示す同側面図
【図5】 図4のV−V線横断平面図
【図6】 三輪による旋回状態を示す概略平面図
【符号の説明】
1:車体フレーム 2:操作ハンドル
3:噴霧ブーム 4:前輪
4-1:前輪ホイルリング部 5:後輪
5-1:後輪ホイルリング部 6:エンジン
7:噴霧機 8:薬液タンク
9:旋回用自在輪 10:切替え支持機構
10-1:操作レバー 10-2:保持レバー
11:前輪車軸 12:後輪車軸
17:ピン 18:長孔
33:引張りバネ材 40:突っ張りバネ材

Claims (3)

  1. 後部に操作ハンドルが、前部に噴霧ブームが取り付けられる車体フレームの前後左右に駆動輪を備え、該駆動輪に動力を伝達する走行用エンジンと前記噴霧ブームに薬液を送る噴霧機とがフレームの前半部側に搭載され、且つ、フレームの後半部側には薬液タンクが載置されてなる四輪自走式防除機において、
    車体フレームの後部位置に、該フレームと共に後部駆動輪を持ち上げて、前部駆動輪との三輪による旋回を可能とする旋回用自在輪が、切替え支持機構を介して地面に対して接離自在に具備されてなり、
    更に、上記切替え支持機構が、旋回用自在輪を下端に固着支持すると共に車体フレームの後部に軸着せしめて同軸着部を支点に前後起倒動自在に備えられる操作レバーと、
    この操作レバーに軸着により備えられて、該操作レバーを起こして旋回用自在輪を地面に接地させた三輪自走状態において、該操作レバーを車体フレームに係脱自在にロック保持する保持レバーとで構成されていることを特徴とする四輪自走式防除機。
  2. 請求項1記載の切替え支持機構を構成する操作レバーは、適宜の長さを有し、その長さ方向略中途部位において前方に略水平状に突設させた水平部の解放端を車体フレーム上に軸着し、該軸着部を支点に前後に起倒し得るように成し、且つ、該軸着部の前方部位における車体フレーム上から長さ方向略上方部位にわたり軸着部を支点に操作レバーを倒す方向に付勢する引張りバネ材が斜めに弾装され、下端部に旋回用自在輪を備え、
    保持レバーは、適宜の長さを有し、下端に車体フレームの後部面より後方に突出する係止凸部に係脱自在に係止させる係止爪を備え、該係止爪の上方部位が上記操作レバーの下端側部に軸着されると共に、この軸着部の上方部位には該軸着部を支点に前記係止爪を係止凸部方向に付勢する突っ張りバネ材が操作レバーとの間に弾装されていることを特徴とする四輪自走式防除機。
  3. 請求項1又は2記載において、前部駆動輪と後部駆動輪用の前後の車軸に両駆動輪がピン止めにより装着され、該両駆動輪のホイルリング部にはピンを挿通させる周方向の長孔が開口されていて、この長孔の開口範囲において両駆動輪が夫々の車軸に対して周方向に遊動し得るように構成されていることを特徴とする四輪自走式防除機。
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