JP3645772B2 - 農作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業部による作業精度を向上できる農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の農作業機としては、例えば、農作物に対して作業を行う作業部の近傍位置に車輪、或いは整地ローラ等を設け、この車輪により作業部の作業位置の安定化を図る構造の農作業機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の農作業機のように作業部の近傍位置に車輪を設けた構成では、圃場の状況によっては、車輪が地中へ深く食い込むため、地中内の石等の障害物の影響を受け、その結果、作業部の作業位置が不安定となり、作業部による作業精度が悪くなるおそれがある問題を有している。
【0004】
なお、車輪が地中へ深く食い込まないように、車輪の径寸法を大きくすることが考えられるが、この場合、機体が大型化したり、或いは、径寸法の大きい車輪の設置スペースを確保するために作業部との離間距離を長く設定せざる得ず、作業部の作業位置が不安定となったりするおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、機体の大型化を防止しつつ、作業部の作業位置の安定化を適切に図ることができ、作業部による作業精度を向上できる農作業機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、圃場の地表面上を進行する機体と、この機体に設けられ、農作物に対して作業を行う作業部と、前記機体の前側下部における前記作業部の近傍位置にこの機体を支持するように設けられ、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行する作業位置安定用クローラ部と、前記機体の後側下部の左右両側に設けられた後輪部とを具備し、前記作業部は、前低後高状の前記機体の前側下部に位置した状態で地中を走行しつつ葉菜類の根部を切断する根部切断装置と、この根部切断装置にて根部が切断された葉菜類を前記機体の前側下部から後側上部に向けて搬送する搬送装置とを備え、前記作業位置安定用クローラ部は、前記機体の前側下部における前記根部切断装置の後方の近傍位置に位置し、かつ、前記搬送装置の搬送始端側の下方位置に位置しているものである。
【0007】
そして、この構成では、作業部の近傍位置に位置して機体を支持する作業位置安定用クローラ部が、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、地表面から受ける反力が比較的広範囲に分散されることにより、地中への食い込みが抑制され、地中内の石等の障害物の影響を受けにくくなるため、機体の大型化を防止しつつ、作業部の作業位置の安定化を図れる。また、作業位置安定用クローラ部と作業部との離間距離が短い構成に容易に設計可能である。さらに、根部切断装置の後方の近傍位置に位置しかつ搬送装置の搬送始端側の下方位置に位置する作業位置安定用クローラ部が、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、機体の大型化の防止により前低後高状の機体のコンパクト性を維持でき、しかも、根部切断装置の作業位置の安定化を適切に図ることができ、葉菜類の根部の切断精度を向上できる。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、作業位置安定用クローラ部は、互いに離間対向した状態で位置し、機体の左右水平方向に沿った回転中心軸線を中心として回転する複数の回転体と、これらの複数の回転体間に巻き掛けられ、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行可能な平面状の作用面部を有する無限軌道帯体とを備えているものである。
【0009】
そして、この構成では、複数の回転体間に巻き掛けられた無限軌道帯体の平面状の作用面部が、各回転体の回転により、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、地表面から受ける反力を比較的広範囲に確実に分散可能であり、作業部の作業位置の安定化を効果的に図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農作業機の実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0011】
図1ないし図6は、ハウス栽培等における圃場に作付けされた複条の農作物としての葉菜類Aを複条、例えば四条同時に収穫する歩行型の農作業機としての葉菜類収穫機を示す図である。
【0012】
これら図1ないし図6において、1は前低後高状の機体で、この機体1は、作業者による運転操作部2の操作により、圃場の地表面3上を所定方向に向って進行可能とされており、前側下部には機体1の前後方向に長手方向を有する上下方向に略扁平状の複数の作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cが機体1の幅方向に互いに間隔を介して並設されている。これらの複数の作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cのうち、作業位置安定用クローラ部5aが機体1の左側縁部に位置し、作業位置安定用クローラ部5bが機体1の幅方向の中央部に位置し、作業位置安定用クローラ部5cが機体1の右側縁部に位置している。なお、作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cの各々は、同期的に駆動走行する。
【0013】
一方、機体1の後側下部の左右両側には、比較的径寸法の大きい車輪等にて構成された左右一対の後輪部6a,6bが設けられており、この後輪部6a,6bとクローラ部5a,5b,5cとで機体1を駆動走行させる走行部4が構成されている。なお、機体1の左右の幅寸法は、進行方向前側が後側より少し広くなっている。
【0014】
また、この機体1は、葉菜類Aの根部A2を複条同時に切断する根部切断装置7が前側下部に設けられているとともに、この根部切断装置7にて根部A2を切断された葉菜類Aを搬送始端側から搬送終端側に向けて複条同時に搬送する左右一対の搬送装置8a,8bが前側下部から後側上部にわたって設けられている。さらに、この機体1の前端部には、葉菜類Aの垂れた状態の葉部A1を徐々に起して分草するとともに葉菜類Aを前記搬送装置8a,8bの搬送始端側に複条同時に案内する案内装置9が設けられており、後端部に前記搬送装置8a,8bの搬送終端側から搬出される葉菜類Aを収容する一つの収容部10が設けられている。
【0015】
そして、これらの根部切断装置7、搬送装置8a,8b、案内装置9等にて作業部10aが構成されており、この作業部10aは機体1のフレーム13を介して前記走行部4にて支持されている。
【0016】
ここで、機体1の走行部4の作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cの各々は、機体1の前側下部における根部切断装置7および案内装置9の後方の近傍位置に位置するとともに、搬送装置8a,8bの搬送始端部の下方位置に位置している。
【0017】
そして、各クローラ部5a,5b,5cは、図3および図4に示すように、互いに離間対向して位置した状態で、機体1の左右水平方向に沿った回転中心軸線を中心として回転する複数、例えば五つの第1ないし第5の回転体12a,12b,12c,12d,12eを備えている。そして、前記各クローラ部5a,5b,5cのそれぞれの第1の回転体12a,12a,12aは、駆動ローラ等にて形成され、機体1の左右水平方向に軸方向を有する共通の駆動軸35にこの駆動軸35とともに同期的に駆動回転するように取り付けられており、他の第2ないし第5の回転体12b,12c,12d,12eより高い位置に位置している。
【0018】
また、第2ないし第5の回転体12b,12c,12d,12eの各々は、図示しない支軸に回転自在に取り付けられた従動ローラ等にて構成され、それぞれが同じ高さ位置に位置し、機体1の前後方向に互いに等間隔を介して平行に並んでいる。
【0019】
そして、これらの五つの第1ないし第5の回転体12a,12b,12c,12d,12e間には、無端形状の無限軌道帯体14が走行可能に巻き掛けられている。この無限軌道帯体14の下側部分に、圃場の地表面3と所定の接地圧をもって面で接触した状態でこの地表面3に沿って走行可能な平面状の作用面部14aが形成されている。なお、無限軌道帯体14は、展開状態で細長帯状をなす例えばゴム製の可撓性の一枚のシート部材にて形成したもの、或いは、金属製の複数の板状部材片を互いに連結して形成したもの等、いかなる構成のものでもよい。
【0020】
前記根部切断装置7は、図1ないし図5に示すように、地表面3下の土中を走行して葉菜類Aの根部A2を切断する平面視略く字形状の左右一対の根切り刃11a,11bを備え、これらの根切り刃11a,11bの各々は、機体1のフレーム13に取り付けられた刃保持部15a,15bにて略水平状に支持され、機体1の左右方向に並んで位置し、機体1の前後方向に振動可能となっている。なお、根切り刃11a,11bの左右両端側に、図2に示されるように複数、例えば四つの切断部16a,16b,16c,16dが形成されている。
【0021】
そして、これらの刃保持部15a,15bの各々は、根切り刃11a,11bを振動させる振動手段18、根切り刃11a,11bの土中の深さ位置を調節する深さ位置調節手段19等にて構成されている。
【0022】
この振動手段18は、図3および図5に示すように、フレーム13に取り付けられた互いに離間対向した一対の細長矩形板状の取付枠21を有し、これらの両取付枠21間には、機体1の左右水平方向に軸方向を有する第1の支軸22および第2の支軸23が機体1の前後に互いに離間対向して平行に架け渡されている。この第1の支軸22は、軸方向の両端近傍に中間部材24の一側が連結固定され、これらの中間部材24の他側には共通の軸部材25が架け渡され、この軸部材25の軸方向の両端近傍には第1の揺れ部材26の上部が回動可能に連結されている。また、第2の支軸23は、軸方向の両端近傍に第2の揺れ部材27の上部が回動可能に連結されており、これら第1の揺れ部材26および第2の揺れ部材27の下部にて共通の振動アーム体30が保持されている。
【0023】
この振動アーム体30は、先端側に向って下方向に傾斜状に位置し、先端下部に前記根切り刃11a,11bの中央部が固着されている。また、この振動アーム体30の基端部には、機体1の左右水平方向に軸方向を有する回転体である押圧ローラ31が回転可能に設けられているとともに、ばね連結部32が上方に向って突設されている。また、このばね連結部32には付勢体としてのコイルばね33の一端部が連結されており、このコイルばね33の他端部が、前記両取付枠21の端縁を連結した連結部分21aに突出形成されたばね連結部34に連結されている。
【0024】
そして、振動アーム体30の押圧ローラ31は、コイルばね33の付勢力により駆動軸35に取り付けられた楕円板形状の回転体である刃用板カム36に押し付けられ、駆動軸35の駆動回転に基づくこれら押圧ローラ31および刃用板カム36の回転により根切り刃11a,11bが振動アーム体30とともに振動する。
【0025】
一方、前記深さ位置調節手段19は、図3および図5に示すように、前記第1の支軸22の軸方向の中央近傍に一側が連結固定された中間部材41を有し、これらの中間部材41の他側には共通の軸部材42が架け渡され、この共通の軸部材42の軸方向の中央部に略筒状の連結部材43の一端部が回動可能に連結されている。
【0026】
この連結部材43の他端面は開口しており、他端内周面には雌ねじ部44が形成されている。また、この連結部材43の雌ねじ部44には、タンブラ等の支持部材45にて回動可能に支持された回動杆体46の一端部に形成した雄ねじ部47が螺合されている。この回動杆体46の他端部には、継手部材48を介して深さ調節ハンドル50が取り付けられている。
【0027】
そして、作業者が深さ調節ハンドル50を回すと、回動杆体46の回動に従って連結部材43がこの回動杆体46の軸方向に移動し、その結果、振動アーム体30の傾斜角度が変化し、根切り刃11a,11bの深さ位置が変位する。
【0028】
前記案内装置9は、図2および図4に示すように、複数、例えば四つの案内部51a,51b,51c,51dにて構成され、案内部51a,51b,51c,51dの各々は、案内始端側が下方向に傾斜した細長筒状の左右一対の回転案内体52a,52bを備えているとともに、これらの両回転案内体52a,52bの下方位置に位置する小回転案内体53a,53bを備えている。この小回転案内体53a,53bは、回転案内体52a,52bと同様、案内始端側が下方向に傾斜しているが、この傾斜角度は回転案内体52a,52bの傾斜角度に比べて小さく設定され、小さい葉部A1に適切に対応できるようになっている。
【0029】
また、これらの回転案内体52a,52bの各々および小回転案内体53a,53bの各々は、案内終端側が葉菜類A側に向う方向に傾斜、すなわち、案内終端側が互いに接近する方向に傾斜している。なお、小回転案内体53a,53bの葉菜類A側に向う傾斜角度は、図3に示すように回転案内体52a,52bの傾斜角度に比べて大きく設定され、小さい葉部A1に適切に対応できるようになっている。なお、回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bは、機体1の前後方向に振動可能となっている。
【0030】
そして、これらの四つの案内部51a,51b,51c,51dの回転案内体52a,52bのうち、案内部51aの進行方向右側の回転案内体52b、案内部51bの進行方向左側の回転案内体52a、案内部51cの進行方向右側の回転案内体52b、および、案内部51dの進行方向左側の回転案内体52aは、前記振動アーム体30の先端部に取り付けられた弾性支持体55にて支持されている。
【0031】
すなわち、これらの回転案内体52a,52bは、弾性支持体55にて支持された取付部材56に回転自在に取り付けられており、振動アーム体30の振動、つまり根切り刃11a,11bの振動に従って振動可能となっている。また、これらの回転案内体52a,52bは、深さ調節ハンドル50にて、根切り刃11a,11bの深さ位置の調節とともに、高さ位置を調節可能である。
【0032】
なお、弾性支持体55は、機体1の進行方向に長手方向を有する細長形状の板ばね等にて形成され、長手方向の一端側が略180度折り曲げられて、この折り曲げらた部分の下面に前記取付部材56が固定されている。また、対応する小回転案内体53a,53bについても、同様に、前記振動アーム体30の先端部に取り付けられた弾性支持体55にて支持され、振動可能でかつ深さ調節ハンドル50で高さ位置調節可能である。
【0033】
また、前記四つの案内部51a,51b,51c,51dの回転案内体52a,52bのうち、案内部51aの進行方向左側の回転案内体52a、案内部51bの進行方向右側の回転案内体52b、案内部51cの進行方向左側の回転案内体52a、および、案内部51dの進行方向右側の回転案内体52bは、フレーム13に取り付けた案内体振動部60の先端部に取り付けられた弾性支持体55にて支持されている。
【0034】
すなわち、これらの回転案内体52a,52bおよび対応する小回転案内体53a,53bは、弾性支持体55にて支持された取付部材56に回転自在に取り付けられており、案内体振動部60の振動に従って振動可能となっている。また、これらの回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bは、例えば弾性支持体55の取替え等にて高さ位置を調節する。なお、機体1の左右両端の案内部51a,51dの取付部材56には、回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bに対向して同一構造の回転体52c,52cおよび小回転体53c,53cが回転自在に取り付けられている。
【0035】
また、案内体振動部60は、図3および図6に示すように、フレーム13に取り付けられた互いに離間対向した一対の細長矩形板状の取付枠61を有し、この取付枠61の進行方向前側には機体1の左右水平方向に軸方向を有する支軸62が取り付けられ、これらの支軸62には第1の揺れ部材63の上部が回動可能に連結されている。また、取付枠61の進行方向後側には機体1の左右水平方向に軸方向を有する支軸64が取り付けられ、これらの支軸64には第2の揺れ部材65の上部が回動可能に連結されており、これら第1の揺れ部材63および第2の揺れ部材65の下部にて共通の案内体用振動アーム体70が保持されている。
【0036】
この案内体用振動アーム体70は、先端側に向って下方向に傾斜状に位置し、先端上部に対応する前記弾性支持体55が取り付けられている。また、この案内体用振動アーム体70の基端部には、機体1の左右水平方向に軸方向を有する二つの回転体である押圧ローラ71が回転可能に設けられているとともに、二つのばね連結部72が上方に向って突設されている。また、これらのばね連結部72には二つの付勢体としてのコイルばね73の一端部が連結されており、これらのコイルばね73の他端部が、前記両取付枠61の端縁を連結した連結部分61aに突出形成した二つのばね連結部74に連結されている。
【0037】
そして、案内体用振動アーム体70の押圧ローラ71は、コイルばね73の付勢力により前記駆動軸35に取り付けられた楕円板形状の回転体である刃用板カム76に押し付けられ、駆動軸35の駆動回転に基づくこれら押圧ローラ71および刃用板カム76の回転により回転案内体52a,52bおよび対応する小回転案内体53a,53bが案内体用振動アーム体70とともに振動する。
【0038】
また、四つの案内部51a,51b,51c,51dの回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bは、共通の駆動軸35の駆動回転により同期的に振動するとともに、機体1の進行に基づいて葉菜類Aの垂れた葉部A1の下方に入り込み、この葉部A1の下面に接触して葉菜類Aから力を受けて回転する。この回転方向は葉菜類A側の部分が上から下へ向う方向である。そして、回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bは、振動しつつ回転することで、対応する大きさの葉部A1を傷めることなくほぐすようにして葉菜類Aの垂れた状態の葉部A1を徐々に起しつつ分草し、この分草した葉菜類Aを前記搬送装置8a,8bの搬送始端側に案内する。
【0039】
前記搬送装置8a,8bは、葉菜類Aを搬送始端側から搬送終端側に向けて搬送するとともに、搬送終端側での葉菜類Aの条数が搬送始端側での葉菜類Aの条数より少なくなる、例えば条数が半減するように搬送途中で葉菜類Aを合流させるもので、かつ、搬送途中で葉菜類Aを立ち姿勢からやや横倒れした姿勢を経て横倒れに近い姿勢へと段階的に姿勢変更させるものである。
【0040】
そして、これらの搬送装置8a,8bの各々は、図1および図4に示すように、葉菜類Aを前低後高の傾斜方向である斜め上方に搬送する第1の搬送部81と、この第1の搬送部81の搬送終端側の下方位置に搬送始端側が位置しこの第1の搬送部81からの葉菜類Aを搬送面上に載置させて水平に搬送する第2の搬送部82とを備えている。
【0041】
ここで、機体1の進行方向右側に位置する搬送装置8bの第1の搬送部81は、互いに平行状に位置する複数列、例えば二列の搬送経路間隙85,86に沿って葉菜類Aを複条同時に搬送する葉菜類用コンベヤである複条搬送手段87、一列の搬送経路間隙88に沿って葉菜類Aを搬送する葉菜類用コンベヤである単条搬送手段89、複条搬送手段87と単条搬送手段89との間に位置して複条搬送手段87の複数列の搬送経路間隙85,86の各々の搬送終端から単条搬送手段89の一列の搬送経路間隙88の搬送始端へと葉菜類Aを中継搬送する中継搬送手段90等にて構成されている。
【0042】
この複条搬送手段87は、搬送始端側が下方向に傾斜した状態で機体1の前側に配設されており、この搬送始端に前記案内装置9から葉菜類Aが導入され、この導入された葉菜類Aを立ち姿勢のまま姿勢変更することなく斜め上方に搬送するものである。
【0043】
そして、この複条搬送手段87は、機体1の前後方向に細長形状の搬送経路間隙85,86を介して互いに離間対向した状態での走行により、葉菜類Aを締付け挟持することなく載置状態で搬送する例えば二対をなす無端形状の可撓性を有する例えばゴム製の対向搬送ベルト91を有している。
【0044】
これらの対向搬送ベルト91の各々は、図7および図8に示すように、互いに離間対向した状態で位置し上下方向に軸方向を有する回転体である駆動プーリ体93a,93bおよび従動プーリ94に走行可能に巻き掛けられている。なお、駆動プーリ体93a,93bおよび従動プーリ94のそれぞれの軸方向は互いに平行で、所定の傾斜面に対して直交する方向に一致している。また、駆動プーリ体93a,93bには一つの支軸に複数のプーリが取り付けられている。
【0045】
この対向搬送ベルト91の表面には、葉菜類Aに当接してこの葉菜類Aの搬送経路間隙85,86からの落下を防止する複数の弾性変形可能な当接突部95が一体に突出形成されており、これらの当接突部95の各々は走行方向に互いに所定間隔をおいた状態で全周にわたって並んで位置している。
【0046】
また、これらの当接突部95の各々は、可撓性を有する例えばゴム製の略細長矩形状のシート片部材の長手方向の両端部が幅狭平帯状のベルト基部91aの表面に接続されて円弧状、例えば半円形状に形成されている。なお、当接突部95の半径は、駆動プーリ体93aおよび従動プーリ94のそれぞれの半径と略等しい寸法に設定されている。
【0047】
そして、これらの当接突部95の各々は、搬送経路間隙85,86の搬送始端位置および搬送終端位置では、弾性変形して扁平状になり、ベルト基部91aの表面からの突出量が減少する。すなわち、ベルト基部91aが駆動プーリ体93a,93bおよび従動プーリ94の外周面に沿って円弧状になると、当接突部95のベルト基部91aとの接続部分近傍が略直角になるまで大きく折れ曲り、当接突部95の接続部分近傍以外の部分が平面に近い形状になる。
【0048】
なお、各当接突部95は、搬送始端位置および搬送終端位置の通過後には、もとの半円形状に復帰する。また、離間対向する対向搬送ベルト91の当接突部95の位置関係は、図7に示すように、葉菜類Aの葉部A1の損傷をより効果的に防止するために、細長形状の搬送経路間隙85,86の全長にわたって略同一幅空間が保たれるように、交互位置に設定されている。なお、図示しないが、対向する対向搬送ベルト91の当接突部95同士が互いに向き合う同一位置に位置するように設定してもよい。
【0049】
前記単条搬送手段89は、搬送始端側が下方向に傾斜した状態で機体1の後側に配設されており、この搬送始端に前記中継搬送手段90から葉菜類Aが導入され、この導入された葉菜類Aを図12に示すように立ち姿勢からやや横倒れした姿勢に徐々に姿勢変更させながら斜め上方に搬送するものである。
【0050】
そして、この単条搬送手段89は、機体1の前後方向に細長形状の搬送経路間隙88を介して互いに離間対向した状態での走行により、葉菜類Aを締付け挟持することなく載置状態で搬送する例えば一対をなす無端形状の可撓性を有する例えばゴム製の対向搬送ベルト101a,101bを有している。
【0051】
これらの対向搬送ベルト101a,101bは、図1、図8および図12に示すように、上下方向に軸方向を有する回転体である駆動プーリ体93a、従動プーリ104およびガイドプーリ105に走行可能に巻き掛けられている。
【0052】
そして、これらの駆動プーリ体93a、従動プーリ104およびガイドプーリ105のそれぞれの軸方向は互いに平行でなく、図12に示されるように従動プーリ104の軸方向がガイドプーリ105の軸方向および駆動プーリ体93aの軸方向に対して機体1の幅方向中央側に向って所定の角度だけ傾斜している。このため、対向搬送ベルト101a,101bは、その傾斜角度に応じて捩じられた状態で巻き掛けられている。
【0053】
また、機体1の幅方向中央寄りに位置する一方の対向搬送ベルト101aは、葉菜類Aが機体1の幅方向中央側に向って適切に倒れるように、他方の対向搬送ベルト101bと比べて搬送終端部が機体1の前側位置に位置するとともに下方位置に位置している。なお、この対向搬送ベルト101aの搬送終端部は、前記第2の搬送部82の搬送始端部の上方位置に位置している。
【0054】
また、これらの対向搬送ベルト101a,101bの表面には、前記複条搬送手段87の対向搬送ベルト91と同じように、葉菜類Aの搬送経路間隙88からの落下を防止する複数の弾性変形可能な当接突部106が突出形成されている。
【0055】
前記中継搬送手段90は、一端側が複数列の搬送経路間隙85,86の各々の搬送終端部に連通しかつ他端側が一列の搬送経路間隙88の搬送始端部に連通した中継搬送経路間隙88aを有し、この中継搬送経路間隙88aに沿って葉菜類Aを立ち姿勢のまま姿勢変更することなく斜め上方に搬送するものである。なお、中継搬送経路間隙88a、搬送経路間隙85,86のそれぞれの幅寸法は、葉菜類Aの大きさに応じて適宜に設定されている。
【0056】
そして、この中継搬送手段90は、機体1の前後方向に対して所定方向に少し傾斜した方向に長手方向を有する細長形状の中継搬送経路間隙88aの一側方にのみ位置する無端形状の可撓性を有する中継搬送ベルト111a,111bを有し、この中継搬送ベルト111a,111bは例えば断面略円形状のゴム材料等にて形成されている。
【0057】
これらの中継搬送ベルト111a,111bの各々は、図8および図9に示すように、上下方向に軸方向を有する回転体である駆動プーリ体93bおよび従動プーリ112,113に走行可能に巻き掛けられている。なお、駆動プーリ体93bおよび従動プーリ112,113のそれぞれの軸方向は互いに平行で、所定の傾斜面に対して直交する方向に一致している。さらに、中継搬送ベルト111a,111bがそれぞれ有する一方の従動プーリ112と駆動プーリ体93bとの間には、主として動力伝達用の断面円形の丸ベルト114が走行可能に巻き掛けられている。
【0058】
そして、この丸ベルト114の動力伝達に基づいて、中継搬送手段90の一方の中継搬送ベルト111aと前記対向搬送ベルト101aの一部とが、中継搬送経路間隙88aを介して互いに離間対向した状態で走行し、葉菜類Aを締付け挟持することなく搬送する。また同時に、他方の中継搬送ベルト111bと前記対向搬送ベルト101bの一部とが、中継搬送経路間隙88aを介して互いに離間対向した状態で走行し、葉菜類Aを締付け挟持することなく搬送する。そして、この中継搬送経路間隙88aの合流部分にて葉菜類Aがまとめられ、中継搬送手段90に二条で搬入された葉菜類Aが半数の一条となって搬出される。
【0059】
なお、前記複条搬送手段87の対向搬送ベルト91、前記単条搬送手段89の対向搬送ベルト101a,101b、前記中継搬送手段90の中継搬送ベルト111a,111bおよび丸ベルト114の各々は、所定の一部分を除いてカバー体115にて覆われている。
【0060】
また、機体1の進行方向右側に位置する搬送装置8bの第2の搬送部82は、図1および図13に示すように、機体1の前後水平方向に長手方向を有する左右一対の細長形状のコンベヤフレーム121a,121bを機体1の後側に有し、これらの両コンベヤフレーム121a,121bは、互いに離間対向した状態で異なる高さ位置に位置している。すなわち、機体1の幅方向中央に位置する一方のコンベヤフレーム121aは、機体1の幅方向一端に位置する他方のコンベヤフレーム121bより、高い高さ位置に位置している。
【0061】
また、これらの両コンベヤフレーム121a,121bの長手方向の両端部間には、機体1の左右方向に軸方向を有する回転体である駆動ローラ122および従動ローラ123が回転可能に傾斜状に架け渡され、これらの両駆動ローラ122および従動ローラ123間に無端形状の幅広搬送ベルト125が幅方向の一端から他端に向って下方に傾斜した状態で走行可能に巻き掛けられている。
【0062】
そして、この幅広搬送ベルト125は、走行時に、前記第1の搬送部81の搬送終端側、すなわち、前記単条搬送手段89の搬送終端部から自重で落下する葉菜類Aを上側部分の搬送面125aで受け取り、この受け取った葉菜類Aを横倒れに近い姿勢を保持したまま、機体1の水平後方に搬送する。葉菜類Aは、単条搬送手段89からの落下時に、やや横倒れした姿勢から横倒れに近い姿勢に姿勢変更する。
【0063】
なお、上記構成の搬送装置8bと機体1の進行方向左側に位置する搬送装置8aとは、互いに左右対称となっており、搬送装置8aも、前記搬送装置8bと同様の構成を備えている。そして、これらの両搬送装置8a,8bは、図1に示されるように、各々の幅広搬送ベルト125,125から搬出される葉菜類Aが横倒れの姿勢で横方向に隣合う葉菜類A,A同士が重なり合わない状態で前記収容部10内に収容されるように、所定の間隔をおいた状態で機体1の左右方向に並設されている。
【0064】
前記収容部10は、図4および図13に示すように、上面を開口した例えば一つの収容コンテナ126を備え、この収容コンテナ126はフレーム13のコンテナ載置部13a上に着脱自在に取り付けられている。なお、このコンテナ載置台13aは昇降可能な構成でもよく、収容コンテナ126を傾斜状にできるように揺動可能な構成としてもよい。
【0065】
一方、図4において、131は電力源で、この電力源131にはモータ等の例えば一つの駆動源132が接続されている。そして、この駆動源132からの駆動力は、チェーン伝動機構或いはベルト伝動機構等の伝動手段133を介して、前記駆動軸35に伝達されるとともに、搬送装置用駆動軸134,135等を経て前記駆動プーリ体93a,93bおよび駆動ローラ122に伝達されるようになっている。なお、これらの搬送装置用駆動軸134,135は、前記左右一対の搬送装置8a,8bに共通のものであるので、これらの両搬送装置8a,8bの駆動プーリ体93a,93bおよび駆動ローラ122は同期的に駆動回転する。また、この駆動源132からの駆動力は、図4に示すように、チェーン伝動機構或いはベルト伝動機構等の伝動手段136を介してクローラ部5a,5b,5cに伝達されるとともに、後輪部6a,6bにも伝達されるようになっている。
【0066】
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0067】
機体1の駆動源132からの駆動力で、根部切断装置7の根切り刃11a,11bが振動するとともに、案内装置9の回転案内体52a,52bおよび小回転案内体53a,53bが振動し、かつ、両搬送装置8a,8bの第1の搬送部81における複条搬送手段87の対向搬送ベルト91、単条搬送手段89の対向搬送ベルト101a,101b、中継搬送手段90の中継搬送ベルト111a,111bおよび丸ベルト114が走行するとともに、第2の搬送部82の幅広搬送ベルト125が走行している状態の下、作業者が運転操作部2の操作により、機体1をクローラ部5a,5b,5cおよび後輪部6a,6bの駆動により進行させる。
【0068】
この機体1の進行により、案内装置9の案内部51a,51b,51c,51dが、図10に示すように、圃場に作付けされた複条の葉菜類Aの垂れた状態の葉部A1を徐々に起して分草するとともに、葉菜類Aを搬送装置8a,8bの搬送始端側に複条同時に案内する。
【0069】
この案内途中において、根部切断装置7の根切り刃11a,11bの切断部16a,16b,16c,16dが、作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cにて姿勢保持された状態で、葉菜類Aの根部A2を複条同時に切断する。
【0070】
そして、この根部切断装置7にて根部A2を切断された葉菜類Aは、左右一対の搬送装置8a,8bにて機体1の後側上部まで複条同時に搬送され、その後、収容部10の収容コンテナ126内に整列状に収容されて収穫される。
【0071】
この搬送装置8a,8bによる搬送途中において、葉菜類Aが合流することで搬送終端側での葉菜類Aの条数が搬送始端側での葉菜類Aの条数より少なくなり、四条の葉菜類Aが二条の葉菜類Aとなる。
【0072】
また、図11に示す搬送装置8a,8bの搬送始端で立ち姿勢にあった葉菜類Aが、搬送途中で図12および図13に示すように立ち姿勢からやや横倒れした姿勢を経て横倒れに近い姿勢へと段階的に姿勢変更し、収容部10の収容コンテナ126内では横倒れの姿勢で上下に積まれた状態で収容される。なお、葉菜類Aの大きさによっては、多少重なり合うことがあるが、隣合う葉菜類A同士が大きく重なり合うことはない。
【0073】
そして、作業者が、機体1の向きを適宜に変え、圃場全体にわたって機体1を走行させることで、複条同時収穫により作業効率良く葉菜類Aの収穫作業を完了する。
【0074】
このようにして、上記実施の形態によれば、作業部10aの近傍位置に位置して機体1を支持する作業位置安定用クローラ部5a,5b,5cのそれぞれの無限軌道帯体14の作用面部14aが、圃場の地表面3と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、機体1の重量に基づく地表面3から受ける反力が比較的広範囲に分散されることにより、土押しが少なくなり、地中への食い込み量が抑制され、圃場の土中内の石等の障害物から悪影響を受けにくくなる。
【0075】
したがって、従来の車輪等を用いた構成に比べて、機体1の大型化の防止により前低後高状の機体1のコンパクト性を確実に維持でき、しかも、根部切断装置7および案内装置9の作業位置の安定化を適切に図ることができる。
【0076】
よって、例えば、根部切断装置7に近接させて配置した略扁平状のクローラ部5a,5b,5cにより、根部切断装置7の土中の深さ位置を一定に保持できるので、この根部切断装置7の根切り刃11a,11bによって葉菜類Aの根部A2を所定位置で精度よく切断できる。また、案内装置9にて葉菜類Aを損傷することなく円滑に案内できる。
【0077】
また、搬送装置8a,8bが、根部切断装置7にて根部A2を切断された葉菜類Aを搬送始端側から搬送終端側に向けて搬送するとともに、搬送終端側での葉菜類Aの条数が搬送始端側での葉菜類Aの条数より少なくなるように搬送途中で葉菜類Aを合流させるので、複条同時収穫により作業効率を向上しつつ、搬送始端側での葉菜類Aの条数を搬送終端側でも維持する構成に比べて、搬送方向下流での葉菜類Aの取扱いを容易にでき、かつ、小型化を図ることができる。
【0078】
特に、前低後高状の機体1の後側上部を小型化することで、機体の重量バランスが良好で、左右に揺れにくい構造となっており、葉菜類Aの葉部A1の損傷を防止できる。
【0079】
また、左右一対の搬送装置8a,8bから搬出される葉菜類Aが、横倒れの姿勢で横方向に隣合う葉菜類A同士が上下にほとんど重なり合わない状態で、収容コンテナ126内に順次収容されるので、収容効率を高めることができるばかりでなく、葉菜類Aが絡み合うことなく収容でき、後の調製作業等を簡単にできる。すなわち、後工程において、いらない葉を取り除く作業、長い根を切る作業、定量を計って袋詰めする作業等を効率良く行うことができる。
【0080】
さらに、左右一対の搬送装置8a,8bからの葉菜類Aは、隣合う葉菜類A同士の葉部A1が向き合うように収容コンテナ126内に収容されるので、根部A2に付着した土が葉部A1に付着してしまうことがない。
【0081】
また、搬送装置8a,8bの複条搬送手段87が複数列の搬送経路間隙85,86に沿ってこの搬送経路間隙85,86内に葉菜類Aの一部を位置させた状態で葉菜類Aを載置状態で複条同時に搬送し、中継搬送手段90が複数列の搬送経路間隙85,86の各々から一列の搬送経路間隙88へと葉菜類Aを中継搬送し、単条搬送手段89が一列の搬送経路間隙88に沿ってこの搬送経路間隙88内に葉菜類Aの一部を位置させた状態で葉菜類Aを載置状態で搬送するので、簡単な構成であるにもかかわらず、搬送方向下流での葉菜類の取扱いを確実に容易にでき、かつ、小型化を図ることができる。
【0082】
さらに、搬送装置8a,8bの第1の搬送部81における複条搬送手段87の対向搬送ベルト91、単条搬送手段89の対向搬送ベルト101a,101bが、互いに離間対向した状態で走行し、葉菜類Aを締付け挟持することなく載置状態で搬送するので、葉菜類Aの葉部A1の損傷を防止しつつ、葉菜類Aを適切に搬送できる。
【0083】
また、搬送装置8a,8bが、互いに異なる構造の第1の搬送部81および第2の搬送部82を用いて、搬送途中で葉菜類Aを立ち姿勢からやや横倒れした姿勢を経て横倒れに近い姿勢へと段階的に姿勢変更させるので、葉菜類Aの葉部A1は、無理な力を受けることがなく、損傷することがない。
【0084】
さらに、搬送装置8a,8bの第1の搬送部81の対向搬送ベルト91、101a,101bが、搬送経路間隙85,86,88を介して互いに離間対向した状態で走行し、葉菜類Aを締付け挟持することなく載置状態で搬送するとともに、第2の搬送部82の幅広搬送ベルト125が、幅方向の一端から他端に向って下方に傾斜した状態で走行し葉菜類Aを搬送面125a上に載置させて搬送するので、葉菜類Aの葉部A1の損傷を効果的に防止しつつ、葉菜類Aを適切に搬送できる。
【0085】
また、搬送装置8a,8bの第2の搬送部82を傾斜状に配設することにより、水平状に配設した構成に比べて機体1の後側の幅方向を小さくでき、前低後高状の機体1の後側上部を小型化でき、よって、機体の重量バランスが良好にできる。また、第2の搬送部82を設けたため、第1の搬送部81から葉菜類Aを収容部10内に直接落下させる構成に比べて、葉菜類Aの損傷を小さくできる。
【0086】
さらに、搬送装置8a,8bの第1の搬送部81の対向搬送ベルト101a,101bの当接突部95,106によって葉菜類Aの搬送経路間隙85,86,88,88aからの落下防止を図りつつ、対向搬送ベルト101a,101bが所定方向への走行により葉菜類Aを締付け挟持することなく載置状態で徐々に姿勢変更しつつ搬送するので、搬送途中で葉菜類Aの葉部A1に無理な力が作用することがなく、葉菜類Aの葉部A1の損傷を防止できる。
【0087】
また、この当接突部95,106は、対向搬送ベルト91、101a,101bの走行により搬送終端位置に到達したときに、弾性変形に基づいて対向搬送ベルト91、101a,101bの表面からの突出量が減少するので、葉菜類Aを持ち回ることがなく、葉菜類Aの葉部A1の葉離れを良くでき、葉菜類Aをスムーズに搬出できる。
【0088】
さらに、葉菜類Aの垂れた状態の葉部A1を起しながら葉菜類Aを搬送装置8a,8bの搬送始端側に案内する案内装置9が、弾性支持体55を介在して機体1に支持されているので、圃場の地表面3の凹凸による機体1の振動等に基づいてこの板ばね等の弾性支持体55が弾性変形するため、案内装置9から葉菜類Aの葉部A1に無理な力が作用することがなく、葉菜類Aの損傷を防止できる。
【0089】
また、圃場の地表面3の凹凸により、機体1の前部が多少上下動しても、案内装置9の案内始端部は、弾性支持体55により地表面3に密着しているため、垂れて寝転んだ葉部A1の下方に確実に入り込め、その葉部A1を適切に掬い上げることができる。
【0090】
お、上記実施の形態では、歩行型の葉菜類収穫機である構成として説明したが、図示しないが、例えば操縦席を備えた乗用型の構成でもよい
【0091】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、作業部の近傍位置に位置して機体を支持する作業位置安定用クローラ部が、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、地表面から受ける反力が比較的広範囲に分散されることにより、地中への食い込みが抑制され、地中内の石等の障害物の影響を受けにくくなるため、機体の大型化を防止しつつ、作業部の作業位置の安定化を適切に図ることができ、作業部による作業精度を向上できる。また、作業位置安定用クローラ部と作業部との離間距離が短い構成に容易に設計でき、作業部の作業位置の安定化を確実に図ることができる。さらに、根部切断装置の後方の近傍位置に位置しかつ搬送装置の搬送始端側の下方位置に位置する作業位置安定用クローラ部が、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、機体の大型化の防止により前低後高状の機体のコンパクト性を維持でき、しかも、根部切断装置の作業位置の安定化を適切に図ることができ、葉菜類の根部の切断精度を向上できる。
【0092】
請求項2記載の発明によれば、複数の回転体間に巻き掛けられた無限軌道帯体の平面状の作用面部が、各回転体の回転により、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行するので、地表面から受ける反力を比較的広範囲に確実に分散でき、作業部の作業位置の安定化を効果的に図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の農作業機の実施の形態を示す平面図である。
【図2】 同上農作業機の一部を省略した平面図である。
【図3】 同上農作業機の一部を拡大した平面図である。
【図4】 同上農作業機の側面図である。
【図5】 同上農作業機の一部を拡大した側面図である。
【図6】 同上農作業機の一部を拡大した側面図である。
【図7】 同上農作業機の作業部の搬送装置の対向搬送ベルトの平面図である。
【図8】 同上作業部の搬送装置の合流部の平面図である。
【図9】 同上作業部の搬送装置の図8における矢印の方向に見た側面図である。
【図10】 同上作業部の案内装置で案内中の葉菜類を示す図である。
【図11】 同上作業部の搬送装置の複条搬送手段で搬送中の葉菜類を示す図である。
【図12】 同上作業部の搬送装置の単条搬送手段で搬送中の葉菜類を示す図である。
【図13】 同上作業部の搬送装置の第2の搬送部にて搬送中の葉菜類を示す図である。
【符号の説明】
1 機体
5a,5b,5c 作業位置安定用クローラ部
7 根部切断装置
8a,8b 搬送装置
10a,180 作業部
12a,12b,12c,12d,12e 回転体
14 無限軌道帯体
14a 作用面部

Claims (2)

  1. 圃場の地表面上を進行する機体と、
    この機体に設けられ、農作物に対して作業を行う作業部と、
    前記機体の前側下部における前記作業部の近傍位置にこの機体を支持するように設けられ、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行する作業位置安定用クローラ部と
    前記機体の後側下部の左右両側に設けられた後輪部とを具備し、
    前記作業部は、
    前低後高状の前記機体の前側下部に位置した状態で地中を走行しつつ葉菜類の根部を切断する根部切断装置と、
    この根部切断装置にて根部が切断された葉菜類を前記機体の前側下部から後側上部に向けて搬送する搬送装置とを備え、
    前記作業位置安定用クローラ部は、前記機体の前側下部における前記根部切断装置の後方の近傍位置に位置し、かつ、前記搬送装置の搬送始端側の下方位置に位置している
    ことを特徴とする農作業機。
  2. 作業位置安定用クローラ部は、
    互いに離間対向した状態で位置し、機体の左右水平方向に沿った回転中心軸線を中心として回転する複数の回転体と、
    これらの複数の回転体間に巻き掛けられ、圃場の地表面と面で接触した状態でこの地表面に沿って走行可能な平面状の作用面部を有する無限軌道帯体とを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
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