JP3645531B2 - 電源装置用発振器とこれを用いた電源装置 - Google Patents

電源装置用発振器とこれを用いた電源装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置の発振器に係り、特に高い周波数の発振パルスを得るための発振器に関し、一つの発振器でPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)と、PFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)と、PAM(Pulse Amplitude Modulation:パルス振幅変調)とのパルスを発生するに好適な電源装置用の発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のスイッチング電源用の発振器には、三角波発振手段とアナログコンパレータとを使用した発振器が特開平2−136064号公報に開示されている。また、特開平10−14217号公報には負荷電流の大小を検出して、軽負荷時はPFM制御、重負荷時はPWM制御に切換える発振器が開示されている。さらに、MAXIM社の電源用集積回路MAX1718(MAXIM社製品名)では、2つのワンショットマルチバイブレータを用いた発振器がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平2−136064号公報ではアナログコンパレータを使用するため、1MHz以上の高周波での動作が難しい。また、前記特開平10−14217号公報もアナログコンパレータを使用するため高周波化に不向きで、待機時から重負荷までの広い範囲で効率アップが図れない。前記MAXIM社の電源用集積回路MAX1718(MAXIM社製品名)では発振周波数設定用に2つのコンデンサと2つの発振器とで構成している。そのため、待機時から重負荷までシリーズレギュレータ制御,PAM制御,PFM制御,PWM制御と制御方法を切換えるマルチモードのスイッチング電源では、対応する制御方法と同数の発振器が必要になり、回路が複雑になり、LSIのレイアウト面積が大きく不利になる。また、複数の発振器を備えると、発振器間の干渉が問題になる。
【0004】
本発明の目的は、高周波の発振器に係わり、特にPWM,PFM,PAMに必要な各種制御パルスを1つの発振器で実現することにある。さらには、本発明の発振器をマルチモード対応のスイッチング電源に適用して待機時から重負荷の広範囲に亘って高効率を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の問題を解決するために、高周波動作やマルチモードに対応する発振器はディジタル動作で、かつ複数の制御パルスを一つの発振器で発生することが望ましい。
【0006】
本発明の電源装置の発振器は、PWM,PFM,PAMの各種パルスをそれぞれの電流パターンに対応した制御関数を作成し発生する電圧/電流変換器(V/I変換器と略す。)構成の制御関数発生回路と、該制御関数発生回路の出力電流によって得られる発振周波数のオンパルス幅とオフパルス幅をそれぞれ独立に設定できるCMOSディジタル回路構成の電流制御の可変発振器とを備える。
【0007】
本発明の発振器は、PWMやPFM(PAMはPFMの一部と考える)のパルスに対応した電流パターンを制御関数として発生し、この制御関数で可変発振器を制御し、所望のPWMやPFMのパルスを選択的に出力する。
【0008】
本発明の発振器では、可変発振器にはCMOSディジタル回路を、制御関数発生回路には差動回路のV/I変換器を使用できるので、発振器の高周波動作を達成できる。また、本発明の発振器は、1つの可変発振器でPWMやPFMに対応した発振周波数のオンパルス幅とオフパルス幅を選択的に発生するので、待機時から重負荷までの広い範囲で高い変換効率を達成するマルチモード対応のスイッチング電源に適用できる。さらに、複数の発振器を使用しないので、発振器間の干渉がない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳しく説明する。なお、以下の各図で同じ符号は同じ構成要素を示す。また、以下の実施例では、電力半導体素子として絶縁ゲート型半導体素子のパワーMOSFETの場合を説明するが、IGBTに置き換えてもよい。
【0010】
(実施例1)
図1に本実施例の発振器の動作原理回路を示す。図1で、制御入力端子に制御入力電圧Vcを、基準入力端子に基準入力電圧Vrを入力する。制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrとを制御関数発生回路200に入力し、制御関数発生回路200の2つの出力は可変発振器100に接続する。可変発振器100に入力する制御関数発生回路200の2つの出力は電流源110と120とに接続する。さらに、電流源110の出力はスイッチ101とスイッチ102とを介してグランドに接続し、電流源120の出力はスイッチ103とスイッチ104とを介してグランドに接続し、スイッチ101とスイッチ102との中点には、コンデンサ105の一方の端とフリップフロップ106のリセット入力(R)とが接続し、スイッチ103とスイッチ104との中点には、コンデンサ105の他方の端とフリップフロップ106のセット入力(S)とが接続する。そして、フリップフロップ106の2つの出力である(QB)と(Q)とはそれぞれ第1の出力端子と第2の出力端子とに接続する。
【0011】
次に図1の回路の動作を説明する。制御関数発生回路200は制御入力電圧Vcと、基準入力端子に入力した基準入力電圧Vrとの大小関係に応じて、例えばPWM制御の場合には図1の(A)の部分の(a)に示す制御関数を、PFM制御の場合には図1の(A)の部分の(b)に示す制御関数を発生する。制御関数発生回路200が出力する2つの電流In,Ipは、次の可変発振器100の電流源110,120の電流In,Ipになる。
【0012】
まず、スイッチ102とスイッチ103とが“閉”、スイッチ101とスイッチ104とが“開”の場合を説明する。電流源120の電流Ipがコンデンサ105に注入され、スイッチ103とスイッチ104との接続点の電位が上昇する。この上昇した電圧がフリップフロップ106のセット入力(S)のしきい値を越えるとフリップフロップ106がセットされ、その2つの出力(Q)と(QB)の電位が反転する。その結果、スイッチ101とスイッチ104とが“閉”、スイッチ102とスイッチ103とが“開”になり、今度は電流源110の電流Inがコンデンサ105に流入し、スイッチ101とスイッチ102との接続点の電位が上昇する。この上昇した電圧がフリップフロップ106のリセット入力(R)のしきい値を越えるとフリップフロップ106はリセットされ、その2つの出力(Q)と(QB)との電位を反転する。この繰返しで所望のオンパルス幅tonとオフパルス幅toffを有するパルスが、可変発振器100の第1の出力端子からVo1として出る。
【0013】
ここで、Vo1のオンパルス幅tonとオフパルス幅toffとは、電流源110,120の電流値In,Ipと、コンデンサ105の容量Cと、フリップフロップ106の入力(S),(R)のしきい値電圧をVLTとから、(数1)式、(数2)式で表される。
【0014】
ton=C/In・VLT …(数1)
toff=C/Ip・VLT …(数2)
(数1)式,(数2)式に示すように、オンパルス幅tonとオフパルス幅toffとが、定電流源110,120の電流値In,Ipに反比例し、オンパルス幅tonとオフパルス幅toffは図1の(B)の部分に示す関係になる。これらを発振周波数で書き直すと、図1の(C)の部分の特性になる。
【0015】
PWMでは制御入力電圧Vcの大小によらずに周波数が一定で、オンパルス幅とオフパルス幅との割合、すなわちデューティ比が変わるパルスが得られる。また、PFMでは、制御入力電圧Vcが基準入力電圧Vrより小さい場合には、オンパルス幅を最小の一定パルス幅に設定してオフパルス幅のみが変化して周波数を変えるパルスが、制御入力電圧Vcが基準入力電圧Vrより大きい場合には、オフパルス幅を最小のパルス幅に設定してオンパルス幅のみが変化して周波数を変えパルスが、さらに、制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrとが等しい場合には、オンパルス幅とオフパルス幅とが等しくかつ最小のパルス幅になり、発振周波数が最大のパルスになる。
【0016】
次に図2を用いて、本実施例のPWMパルス発振器を具体的に説明する。図2で、可変発振器100は、PMOSを用いた電流源MOS110,120と、
CMOSインバータ構成のスイッチ101,102と、別のCMOSインバータ構成のスイッチ103,104と、これら2つのCMOSインバータの出力の間に接続したコンデンサ105と、CMOSインバータ131〜134と、ANDゲート135と、CMOSインバータ136〜139と、2つのNORゲート140,141とを備えたフリップフロップ106とで構成する。
【0017】
制御関数発生回路200は、NMOSの差動対MOS201,202と、差動対MOS201と202のソース間に接続した抵抗204と、2つの電流源205,206のMOSと、PMOSによるダイオード接続の負荷MOS207,208とで構成する。負荷MOS207,208は可変発振器100の電流源MOS110,120とカレントミラーで構成している。一方の差動対MOS201のゲートは制御入力端子に接続し、もう一方の差動対MOS202のゲートが基準電圧設定回路300の抵抗301と抵抗302の直列回路の中点に接続する。さらに、電流源MOS205,206はダイオード接続のNMOS407とカレントミラーで構成し、NMOS407には抵抗401,403とNMOS402,403と、PMOS405,406の折返しカレントミラーとから成るバイアス回路400が接続する。
【0018】
図2の動作を説明する。制御関数発生回路200は差動回路構成のV/I変換器なので、電流源MOS205と206とに設定した電流の総和を、制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrの大小関係とから負荷MOS207と208とで分配し、図2の(A)の部分に示す制御電流In,Ipと制御入力電圧Vcとの関係になる。負荷MOS207と208の制御電流In,Ipは、可変発振器100の電流源MOS120,110にも同様に発生する。
【0019】
この制御電流In,Ipによって可変発振器100が、前記(数1)式,(数2)式に示すパルス幅で発振する。その動作は、まず、第1の出力端子が「Low」で、第2の出力端子が「High」の場合、スイッチ103が「on」、スイッチ104が「off」に、スイッチ101が「off」、スイッチ102が「on」になる。この時、電流源120の電流Ipがスイッチ103,コンデンサ105,スイッチ102を経由して流れるので、コンデンサ105のスイッチ103と104の交点側の電位が上昇する。この上昇電圧がCMOSインバータ136のしきい値電圧VLTを越えると、CMOSインバータ136の出力が反転し、その出力反転情報はCMOSインバータ137〜139を介して「High」が確定する。この「High」信号がNORゲート140,141から成るフリップフロップに入力されると、第2の出力端子の電圧Vo2は「Low」に反転し、第1の出力端子の電圧Vo1が「High」になる。
【0020】
次に、この信号を受けてスイッチ103が「off」、スイッチ104が「on」に、スイッチ101が「on」、スイッチ102が「off」になるので、今度は、電流源MOS110の電流Inがスイッチ101,コンデンサ105,スイッチ104を経由して流れ、コンデンサ105とスイッチ101と102の交点側の電位が上昇する。この上昇電圧がCMOSインバータ131のしきい値電圧VLTを越えると、CMOSインバータ131の出力が反転し、その出力反転情報はCMOSインバータ132〜134を介して「High」が確定する。この「High」信号はANDゲート135を介してフリップフロップのNORゲート140に入力され、第1の出力端子電圧Vo1が「Low」に反転し、第2の出力端子の電圧Vo2が「High」になる。以上の動作を繰返して可変発振器100が発振動作を継続する。
【0021】
前述の電流源MOS205,206の電流設定は、バイアス回路400で設定する。電流設定値Isetは、MOS402のゲート・ソース間電圧をVGS,抵抗403の値をRsetとすると、Iset=VGS/Rsetで求まる。
PWMの場合、最大発振周波数はオンパルス幅tonとオフパルス幅toffが等しいときと考えられる。従って、最大発振周波数は(数1)式のInにIsetの値を代入して求めたオンパルス幅の2倍の逆数となる。このようにしてIsetとコンデンサ105のCの値を決定し所望の最大周波数を設定する。
【0022】
また、コンデンサ105をLSIチップ上で実現する場合には、必要なコンデンサの容量の1/2の容量のコンデンサを2個配置し、オンチップコンデンサの寄生容量の及ぼす影響をパルス幅ton,toff発生時に同じようにするため、この2つのコンデンサの端子を互い違いに接続する。
【0023】
また、制御関数発生回路200では、抵抗204の抵抗値が大きいほどV/I変換傾斜が緩やかになる傾向があるので差動回路のV/I変換器の入力動作範囲が広がり、制御入力電圧設定の安定性が増す。制御入力電圧Vcは、電源出力のフィードバック電圧を誤差増幅器を介して用いるが、電源出力のフィードバック電圧であってもよい。この場合、基準入力電圧Vrは通常の電源電圧VCCの分圧電圧、例えば、電源電圧VCCの2分の1ではなく、バンドギャップリファレンスの基準電圧を用いることもできる。この場合には、電源の帰還ループの極性を負帰還制御になるように変更する。
【0024】
上記のように、本実施例では、可変発振器100にCMOSデジタル回路を用い、制御関数発生回路200には差動回路構成のV/I変換器を使用し、しかも回路を電流動作にしているので高周波動作ができる。
【0025】
(実施例2)
図3に本実施例のPWMパルス発振器を示す。本実施例はPWMパルス発振器がリミッタ700を備え、デューティ比を制限することが実施例1と異なる。本実施例では、リミッタ700を備えているので、パルスのデューティ比が100%になることを防いだり、最小オンパルス幅を所定の値に設定できる。
【0026】
図3のリミッタ700は、701〜706のMOSで構成する。本実施例の制御入力電圧と制御電流との関係を図3の(A),(B)の部分に示す。本実施例では、基準電圧Vrを抵抗301,303で分圧した上限リミット値を、MOS701,706を経由して制御入力端子に加える。また、下限リミット値は、基準電圧Vcを抵抗304,302で分圧し、MOS703,705を経由して制御入力端子に加える。これらのリミット値は抵抗の分圧比を変えて任意に設定できる。また、上限リミット値,下限リミット値の何れか1つのみを設定してもよい。
【0027】
(実施例3)
本実施例のPWMパルス発振器を図4に示す。本実施例が実施例1の図2と異なる点は、可変発振器100の電流源MOS120の電流供給を、PMOS入力形差動回路を用いたV/I変換器の負荷MOS218の電流からMOS219のカレントミラーで折り返し、MOS220と電流源MOS120のカレントミラーで与えたことである。
【0028】
PMOS入力形差動回路は、PMOSの差動対MOS211,212と、差動対MOS211,212のソース間に接続した抵抗214と、2つの定電流源215,216と、NMOSによるダイオード接続の負荷MOS217,218とで構成され、負荷MOS218は可変発振器100の電流源120とはカレントミラー構成となっている。定電流源215,216はバイアス回路400のMOS405とカレントミラー構成になっている。このように構成しても、図2の(A),(B)と同様の特性、図4の(A),(B)が得られる。
【0029】
(実施例4)
本実施例のPWMパルス発振器を図5に示す。本実施例は実施例3にソフトスタート回路800を加えた。ソフトスタート回路800は、コンデンサ811と電流源MOS809とスイッチMOS810と差動回路構成のV/I変換器とを備える。
【0030】
本実施例では電源装置の起動時に、UVL(Under Voltage Lockout)信号のタイミングを使って、電流源MOS205,206の電流を徐々に増加させ、最終的にIsetに設定する。このため、UVL信号のタイミングでMOS810をオフにすることによって、コンデンサ811は電流源MOS809で定電流充電され、その端子電圧が上昇する。このようにして電圧が上昇するので、V/I変換器のMOS802の電流が0〜Isetへとゆっくり増加する。この電流に追従して、電流Inが変化するので、前記(数1)に示したオンパルス幅tonが0から徐々に広がりソフトスタートする。
【0031】
本実施例で、ソフトスタートのタイミング以前に発振器を動作させないようにするためには、可変発振器100のCMOSインバータ139をNANDゲートに代え、その1つの入力にUVL信号の反転信号を加えればよい。ソフトスタートの時間は電流源MOS809の電流と、コンデンサ811の容量との積に比例する。高周波動作の電源ではコンデンサの容量を小さくでき、ソフトスタート回路をコンデンサも含めてIC基板の上に容易に形成できる。
【0032】
(実施例5)
本実施例のPFMパルス発振器を図6に示す。本実施例は、制御関数発生回路200のNMOS入力型差動回路のV/I変換器のMOS201にソースとドレインを共通接続したMOS203を、PMOS入力型差動回路のV/I変換器のMOS211にソースとドレインを共通接続したMOS213を設け、MOS203と213のゲートに基準入力電圧Vrを加える。
【0033】
制御入力電圧Vcがゼロから増加して基準入力電圧Vrに等しくなるまで、
MOS201に流れる電流はゼロであり、MOS203と204はゲートに同じ基準入力電圧が加わるので負荷MOS207と208の電流は常にIsetに等しく、この電圧範囲では負荷MOS207と208の電流は一定の電流Inになる。
【0034】
一方、MOS211に流れる電流はMOS212,213の電流より大きく、Isetの2倍になり、制御入力電圧Vcが基準入力電圧Vrに近づくにつれ徐々に小さくIsetになるため、逆相の不可MOS218に流れる電流IpはIsetに増加していく。制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrが等しくなると、MOS201〜203,211〜213のゲート電圧が等しくなるため、MOS208と218の電流が等しくなり、In=Ip=Isetになる。
【0035】
さらに、制御入力電圧Vcが基準入力電圧Vrを越えると、前述のInとIpの関係が逆になり、MOS211に流れる電流がゼロとなり、負荷MOS218に一定の電流Ipが流れる。一方、MOS201に流れる電流はMOS202,203に流れる電流より小さく、その電流は制御入力電圧Vcが基準入力電圧Vrより大きくなるにつれて徐々に大きくなるため、逆相の負荷MOS208に流れる電流Inは減少していく。この特性は図6の(A)に示す特性であり、上述の可変発振器と同様の動作により、第1の出力端子から出力するパルスのオンパルス幅tonとオフパルス幅toffは図6の(B)示すようになる。
【0036】
(実施例6)
図7に本実施例を示す。本実施例のPFMパルス発振器は、オンパルス幅tonが常時一定でオフパルス幅toffが制御入力電圧Vcに反比例する。
【0037】
図7では、図4の実施例3でMOS201,202,211のゲートを基準入力端子に、MOS212を制御入力端子に接続したものであって、前述の制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrに対するオンパルス幅tonとオフパルス幅toffの関係は図7の(B)に示す関係がある。これは、制御関数発生回路200が図7の(A)に示す制御電流In,Ipを発生し、この制御電流を可変発振器100に加え、図7の(C)に示す発振周波数foscを得る。
【0038】
(実施例7)
図8は、本実施例のPAMパルス発振器である。本実施例では、発振器はPFMパルスの最小周波数に設定し、図8の(A),(B)に示すように発振器を制御入力電圧Vcに無関係な一定周波数で常に発振させる。
【0039】
本実施例では、MOS201,202,211の各ゲートに基準入力電圧Vrを加え、MOS212のゲートに第2の基準入力電圧Vrhを加える。そして、基準電圧Vrと第2の基準入力電圧Vrhとの関係をVrh>Vrにする。これによって、常にオンパルス幅tonよりオフパルス幅toffが大きな一定周期のパルス、すなわちPFMパルスでの最小周波数パルスを発生し、このパルスでCMOSインバータ515と516とを駆動する。
【0040】
一方、PAMのパルス振幅の制御は、上アームのPチャネルパワーMOSFET2を駆動するCMOSインバータ515の下側電位、すなわち制御電圧Vdcを可変して行う。そのために電流発生用にMOS501,502,505〜508と、抵抗504とからなる差動回路のV/I変換器を追加して、MOS501のゲートに制御入力電圧Vcを、MOS502のゲートに基準入力電圧Vrを加え、さらに電流源MOS505,506はMOS407とカレントミラーを構成する。制御入力電圧Vcと基準入力電圧Vrの大小関係で得られる負荷MOS508の電流はMOS511とのカレントミラーで折返して、負荷MOS508の電流が抵抗512に流れる際の電圧降下、すなわちIRドロップで制御電圧VGを発生し、MOS513とコンデンサ514の並列回路を介してCMOSインバータ515の下側電位Vdcに与える。最終的に図8の(D)に示すような制御入力電圧Vcと制御電圧Vdcの関係を得て、CMOSインバータ515の出力パルスの振幅制御を行う。
【0041】
(実施例8)
図9に、本実施例を示す。本実施例はシリーズレギュレータ制御動作に関する。図9の同期整流方式スイッチング電源の上アームのPチャネルパワーMOSFET2と下アームのNチャネルパワーMOSFET8bとインダクタ4と平滑コンデンサ5とから成る出力段の回路構成でシリーズレギュレータ制御動作させる場合を説明する。図9で、下アームのNチャネルパワーMOSFET8bを常時オフにしておき、上アームのPチャネルパワーMOSFET2のゲートの電圧を連続制御動作で可変する。本実施例では、実施例7の図8と同様の動作で発生した負荷MOS508の電流と抵抗512とによるIRドロップを制御電圧VGとして上アームのPチャネルパワーMOSFET2のゲートの電圧を制御し、シリーズレギュレータ制御動作を行う。ここで、制御入力電圧Vcに対する制御電圧の関係を図9の(E)に示す。
【0042】
(実施例9)
本実施例を図10と図11とに示す。本実施例は、図4〜図9で説明したPWMパルス発振器,PFMパルス発振器,PAMパルス発振器,シリーズレギュレータ制御を1つにしたマルチモード対応の発振器である。
【0043】
図10は、制御入力端子に入力する制御入力電圧Vc,基準入力電圧Vr,第2の基準入力電圧Vrh,電源電圧VCC,グランド端子GNDの接地電圧をスイッチSW1〜SW8で切換えてマルチモード対応の発振器を実現している。換言すると、制御関数発生回路200のコア回路部分は変えずに、PWMパルス,PFMパルス,PAMパルスの各制御関数をスイッチの切換えだけで作成し、この制御関数を用いて1つの可変発振器で所望の各種パルスを得ている。すなわち、PWMパルス発振器とする場合は図10のスイッチSW1〜SW8を接点a側に、PFMパルス発振器の場合はスイッチSW1〜SW8を接点b側に、PFMパルス発振器の場合はスイッチSW1〜SW8を接点c側に、PAMパルス発振器の場合はスイッチSW1〜SW8を接点d側に、シリーズレギュレータ制御の場合はスイッチSW1〜SW8を接点e側に接続する。
【0044】
制御関数発生回路200で、200aは2つの負入力と1つの正入力を備えたNMOS入力型の差動回路のV/I変換器、制御関数発生回路200の200bは、2つの負入力と1つの正入力を有するPMOS入力型の差動回路のV/I変換器であって、500aは通常のNMOS入力型の差動回路のV/I変換器である。ここで、前記200aのNMOS入力型の差動回路のV/I変換器と、200bのPMOS入力型の差動回路のV/I変換器が前記制御関数発生回路200のコア回路部分に相当する。
【0045】
図11は、上アーム素子にPチャネルパワーMOSFET2,下アーム素子に環流ダイオード3を配置して、図10のSW8を不要にした他は、図10と同様である。
【0046】
本実施例のマルチモード発振器は、制御関数発生回路200を差動回路のV/I変換器,可変発振器100をディジタル回路で構成し、電流動作であるので、高速動作、すなわち数M〜数十MHzの高周波発振ができる。高い周波数の発振器には、スイッチング電源の出力フィルタのコイルLや、コンデンサCの小さなものを使用できるので、電源装置,電源システムを小型化にできる。
【0047】
また、マルチモード対応の発振器は1つの発振器で総てのモードに対応できるので、発振用のコンデンサが1つで済み、かつ制御関数の発生もスイッチの切換えだけで済むので、発振器のチップ面積に占める割合を小さくできる。さらに、マルチモードに対して1つの発振器であるので、発振器間の干渉がなく、回路動作が安定する。なお、本発振器はマルチモード対応で述べているが、1つの動作モード(例えば、PWM)のみで電源を動作させることもできる。
【0048】
(実施例10)
本実施例を図12に示す。本実施例は実施例9とは発振器の回路構成と動作は同じであるが、上アーム素子のNMOSを駆動するPAMと、シリーズレギュレータ制御の駆動回路とが異なる。
【0049】
本実施例では、V/I変換器500aの正の入力側に制御入力電圧Vcを加え、負の入力側に基準入力電圧Vrを加え、抵抗512,MOS513,コンデンサ514,MOS517,スイッチSW7を上アームのNチャネルパワーMOSFET8aのソース側に接続する。なお、上アーム素子にPチャネルパワーMOSFETを用いても良く、その際は当然、駆動回路の構成が変わる。
【0050】
本実施例の発振器も実施例9と同様に、数M〜数十MHzの高周波発振が可能であり、スイッチング電源の出力フィルタのL,Cに小さなものが使用できるので、電源回路,システムの小型化が図れる。また、マルチモード対応の発振器として1つの発振器で総てのモードに対応できるので、発振用のコンデンサが1つで、かつ制御関数の発生もスイッチの切換えだけで済み、発振器のチップ面積に占める割合を小さくでき、発振器間の干渉がなく、回路動作が安定する。
【0051】
(実施例11)
図13に本実施例のマルチモード対応スイッチング電源のブロック図を示す。図13で、1は直流電源、2はPチャネルパワーMOSFET、3は環流ダイオード、4はインダクタ、5は平滑コンデンサ、6は負荷、7は出力フィードバック回路、9はスイッチング制御回路、10a,10bは一定値出力手段、11は増幅器、12a,12bは切換スイッチ、13は乗算器、14は駆動回路、51は負荷電流検出器、52は制御特性制御回路、71は基準電圧、72は減算器、73は誤差増幅器、91は三角波発生手段、92は比較器、93はリミッタである。
【0052】
直流電源1は、バッテリをエネルギー源として直流電圧を発生する。PチャネルパワーMOSFET2は、スイッチング動作または抵抗器として機能して直流電源1から出力された直流電圧を降下させる。環流ダイオード3とインダクタ4と平滑コンデンサ5は、PチャネルパワーMOSFET2が出力する電圧を平滑する。出力フィードバック回路7は、出力する直流電圧、すなわち負荷6に印加する直流電圧と基準電圧71とを比較して誤差電圧信号を出力する。スイッチング制御回路9は、誤差電圧信号に応じてPチャネルパワーMOSFET2をPWM制御するためのパルス列信号を発生する。一定値出力手段10a,10bと増幅器11とは、PAM制御およびシリーズレギュレータ制御のための波高値制御信号を出力する。制御特性制御回路52は、負荷状態に応じてPWM制御と、PAMスイッチ制御と、シリーズレギュレータ制御とを選択的に切換える。
【0053】
このような制御機能を実現するために、直流電源1の正極は、PチャネルパワーMOSFET2のソースに接続する。PチャネルパワーMOSFET2のドレインは、インダクタ4の一方の端子と環流ダイオード3のカソードとに接続する。インダクタ4の他方の端子は、平滑コンデンサ5の正極に接続する。平滑コンデンサ5の負極と環流ダイオード3のアノードと直流電源1の負極とは共通に接続し、平滑コンデンサ5の両端に負荷6を接続する。
【0054】
平滑コンデンサ5の正極の電圧、すなわち負荷6の電圧は、出力フィードバック回路7の内部の減算器72のマイナス入力端子に入力する。基準電圧71は、減算器72のプラス入力端子に入力する。減算器72の出力は、誤差増幅器73に入力し、この誤差増幅器73の出力は、出力フィードバック回路7の誤差信号出力として前記スイッチング制御回路9の内部にあるリミッタ93の入力すると共に増幅器11に入力する。
【0055】
リミッタ93の出力と三角波発生手段91の出力は、比較器92の入力端子に入力する。比較器92の出力は、スイッチング制御回路9の外部にある切換スイッチ12aのA接点に入力する。この切換スイッチ12aのB接点には、一定値出力手段10aの出力を接続する。増幅器11の出力は、切換スイッチ12bのA接点に入力する。切換スイッチ12bのB接点には、一定値出力手段10bの出力を接続する。切換スイッチ12aの出力と切換スイッチ12bの出力とを、乗算器13に入力する。乗算器13の出力は、駆動回路14に入力する。駆動回路14の出力は、PチャネルパワーMOSFET2のゲートとソースにそれぞれ入力する。
【0056】
制御特性制御回路52は、負荷電流検出器51から負荷電流検出信号を入力して負荷状態を判別し、判別結果に従って切換スイッチ12a,12bの接点を切換え制御する。
【0057】
図13の一点鎖線で囲んだ部分に、本発明の実施例9,実施例10のマルチモード対応の発振器を配置した。ここで、PAM,シリーズレギュレータ制御では、上アームのPチャネルパワーMOSFET2の駆動回路まで図示し、図10では下アームMOS8bは環流ダイオード3に置き換える。
【0058】
所望のモードへの切換えは制御特性制御回路52の負荷状態判別信号で、スイッチSW1〜SW8を切換える。また、図10,図12の制御入力端子には誤差増幅器7の出力を加える。PWM,PFM,PAMパルスを出力する、例えば第1の出力端子は図9の駆動回路14を経由して上アームのPチャネルパワーMOSFET2を駆動する。
【0059】
本実施例のマルチモード電源は、待機時から重負荷までの広範囲に亘って効率の高いモードに移行しながら動作できるので、スイッチング電源の効率を高めることができる。
【0060】
(実施例12)
図14に本実施例のマルチモード対応スイッチング電源のブロック図を示す。図13に示す実施例11と同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。本実施例では、中間負荷領域を、中間高負荷領域と中間低負荷領域の2つの領域に区分し、中間高負荷領域ではPFM制御で電圧制御し、中間低負荷領域ではPAMスイッチ制御で電圧制御する。
【0061】
図14において、8a,8bはNチャネルパワーMOSFET、12cは切換スイッチ、15a,15bは駆動回路、16はNOT回路、94はリミッタである。そして、制御特性制御回路52は、負荷状態に応じてPWM制御と、PFM制御と、PAMスイッチ制御と、シリーズレギュレータ制御とを、選択的に実行するように、切換スイッチ12a,12b,12cの接点接続状態を制御する。
【0062】
NチャネルパワーMOSFET8aのドレインは直流電源1の正極に接続し、ソースはNチャネルパワーMOSFET8bのドレインとインダクタ4とに接続する。駆動回路15aの出力は、NチャネルパワーMOSFET8aのゲートとソースとに接続する。また、NチャネルパワーMOSFET8bのソースを、直流電源1の負極と平滑コンデンサ5の負極に接続する。駆動回路15bの出力は、NチャネルパワーMOSFET8bのゲートとソースとに接続する。
【0063】
出力フィードバック回路7が出力する誤差電圧信号は、リミッタ94を経由して三角波出力手段91に入力する。三角波出力手段91は、出力する三角波の周波数を入力電圧に応じて変化させる。比較器92の出力は、NOT回路16を介して切換スイッチ12cのB接点に入力する。切換スイッチ12cのA接点は、直流電源1の負極に接続する。また、負荷6からの指令信号線を出力フィードバック回路7に接続する。
【0064】
図14の一点鎖線で囲んだ部分に、本発明の実施例9,実施例10のマルチモード対応の発振器を配置した。ここで、PAM,シリーズレギュレータ制御では、上アームのPチャネルパワーMOSFET2の駆動回路まで図示し、図10では下アームのNチャネルパワーMOSFET8bは環流ダイオード3に置き換える。
【0065】
所望のモードへの切換えは制御特性制御回路52の負荷状態判別信号で、スイッチSW1〜SW8を切換える。また、図10,図12の制御入力端子には誤差増幅器7の出力を加える。PWM,PFM,PAMパルスを出力する、例えば第1の出力端子は図14の駆動回路15a,15bを経由してNチャネルパワーMOSFET8a,8bを駆動する。
【0066】
本実施例のマルチモード電源は、待機時から重負荷までの広範囲に亘って効率の高いモードに移行しながら動作できるので、スイッチング電源の効率を高めることができる。
【0067】
(実施例13)
本実施例を図15を用いて説明する。本実施例は、図13,図14の負荷電流検出器51と制御特性制御回路52から負荷状態を判別する方法が実施例11と異なる。図15が図11と異なる点は、負荷状態をインダクタ4に流れる電流で検出し、その電流の大きさによりモードを切換えるスイッチSW1〜SW7を制御して最適なモードで電源を動作させることである。このため、インダクタ4に流れる電流をPチャネルパワーMOSFET2の電流で検出するため、PチャネルパワーMOSFET2に並列に、PチャネルパワーMOSFET2のn分の1の電流を検出するMOS2a〜2cを設け、電流検出用の抵抗600a〜600cをそれぞれMOS2a〜2cのソースと電源端子との間に接続し、これらのMOS2a〜2cに流れる電流と抵抗600a〜600cでの降下電圧と、抵抗610と定電流源620によって発生した基準電圧とをそれぞれヒステリシスコンパレータCMPA〜CMPCで比較し、それらの比較結果を順序回路630を介してPWM,PFM,PAM、シリーズレギュレータ制御動作に対応したa,b,c,d,eの情報に分類する。この情報a〜eでスイッチSW1〜SW7の接点を図15の各スイッチに示したa〜eに切換えて効率が最も高くなるモードに制御する。なお、図15では、抵抗600a〜600cの両端にはそれぞれCRフィルタ601aと602a,601bと602b,601cと602c配置して、先の降下電圧を平滑化して動作の安定化を図る。
【0068】
本実施例では、負荷状態を検出して選択的にモードを切換えているが、この切換えをデジタル制御で行うこともできる。この場合、モード切換えスイッチの制御だけでなく、発振周波数や、ソフトスタート時間などの設定も同時に制御できる。さらに、デジタル制御はCPUから指令信号を出して制御しても良い。
【0069】
(実施例14)
図16に本実施例を示す。本実施例では図16のインダクタ4に流れる電流をNチャネルパワーMOSFET8aで検出するために、NチャネルパワーMOSFET8aのソース電位をMOS650,651を介してMOS8fに加える。これによって、NチャネルパワーMOSFET8aと、MOS8fのソース電位は同電位となり、NチャネルパワーMOSFET8aとMOS8fはカレントミラーを構成し、MOS8fでNチャネルパワーMOSFET8aに流れる電流のn分の1を取り出す。取り出した電流によって、MOS652,653の折返しカレントミラーを介して抵抗600cで降下電圧が得られ、同様に抵抗600b,600aにもそれぞれ降下電圧が得られる。以下、実施例13と同様にして、得られた情報a〜eでスイッチSW1〜SW8の接点を切換えて効率が最も高くなるモードに制御する。
【0070】
本実施例を携帯電話の電源に適用する場合を以下に示す。携帯電話の電源では、待機時から重負荷までの負荷電流の範囲は100μA〜200mAと3桁程度の負荷電流検出レンジが必要になる。一例として、制御モードと負荷電流ILの範囲とを示すと下記のようになる。
【0071】
Figure 0003645531
本実施例の電源の電流検出回路では、このように何桁もの範囲で変わる電流に応じて、抵抗600a〜600cの値の桁を変えて重み付けして設定するので、ヒステリシスコンパレータCMPA〜CMPCの入力電圧を負荷電流に無関係に、常に同レベルの電圧で比較できる。本実施例の負荷電流のヒステリシスを含む切換えタイミングと制御モードとスイッチSW1〜SW8の切換えは図17に示す関係である。
【0072】
本実施例では、負荷状態を検出して選択的にモードを切換えているが、この切換えをデジタル制御で行うこともできる。この場合、モード切換えスイッチの制御だけでなく、発振周波数や、ソフトスタート時間などの設定も同時に制御できる。さらに、デジタル制御はCPUから指令信号を出して制御しても良い。
【0073】
本実施例の発振器は、携帯用電源に適用できるばかりでなく、VRM(VoltageRegulator Module),Brick電源,汎用の電源制御用ICにも適用できる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、制御関数発生回路が差動回路のV/I変換器で、可変発振器がディジタル回路の電流動作型の発振器構成なので、高速動作、すなわち数M〜数十MHzの高周波発振が実現である。この高周波発振器は、スイッチング電源の出力フィルタのL,Cに小型のものが使用できるので、電源回路や電源を用いたシステムの小型化が図れる。
【0075】
また、本発明のマルチモード対応の発振器は1つの発振器で総てのモードに対応できるので、発振用のコンデンサが1つで、かつ制御関数の発生もスイッチの切換えだけで済み、発振器のチップ面積に占める割合が小さくできる。
【0076】
さらに、マルチモードに対して1つの発振器は、従来の複数の発振器を用いる方法に比べて、発振器間の干渉の問題が発生せず回路の安定動作が期待できる。
【0077】
本発明のスイッチング電源は、負荷電流の状態に応じてPWM,PFM,PAM,シリーズレギュレータ制御を選択的に切換え、待機時から重負荷までの広範囲に亘ってスイッチング電源の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の発振器の動作原理回路図である。
【図2】実施例1のPWMパルス発振器の回路図である。
【図3】実施例2のPWNパルス発振器の回路図である。
【図4】実施例3のPWMパルス発振器の回路図である。
【図5】実施例4のソフトスタート回路を備えた発振器の回路図である。
【図6】実施例5のPFMパルス発振器の回路図である。
【図7】実施例6のPFMパルス発振器の回路図である。
【図8】実施例7のPAMパルス発振器の回路図である。
【図9】実施例8のシリーズレギュレータ制御の回路図である。
【図10】実施例9のマルチモード対応発振器の回路図である。
【図11】実施例9のマルチモード対応発振器の別の回路図である。
【図12】実施例10のマルチモード対応発振器の回路図である。
【図13】実施例11のマルチモード対応発振器を備えたスイッチング電源の回路図である。
【図14】実施例12のマルチモード対応発振器を備えたスイッチング電源の回路図である。
【図15】実施例13のマルチモード対応発振器の回路図である。
【図16】実施例14のマルチモード対応発振器の回路図である。
【図17】実施例14のマルチモード対応発振器のモード切換えの説明図である。
【符号の説明】
1…直流電源、2…PチャネルパワーMOSFET、3…環流ダイオード、4…インダクタ、5…平滑コンデンサ、6…負荷、8a,8b,8c…NチャネルパワーMOSFET、100…可変発振器、106…フリップフロップ、200…制御関数発生回路、200a,200b,500a…V/I変換器、300…基準電圧設定回路、400…バイアス回路、630…順序回路、800…ソフトスタート回路。

Claims (14)

  1. 入力した直流を電力半導体素子でスイッチングして負荷に電力を供給する電源装置に用いる電源装置用発振器において、
    オンパルス幅の制御電流とオフパルス幅の制御電流とを入力して、出力パルスのオンパルス幅とオフパルス幅とをそれぞれ独立に制御する1つの可変発振器と、前記電源装置の負荷状態に基づく制御入力電圧を、予め定めた電圧/電流パターンで前記オンパルス幅と前記オフパルス幅との各制御電流に変換する制御関数発生回路とを備えることを特徴とする電源装置用発振器。
  2. 請求項1において、前記可変発振器が、前記制御電流で制御される2つの電流源と、該2つの電流源の電流で動作する2つのCMOSインバータと、該2つのCMOSインバータの出力の間に接続した発振用コンデンサと、該コンデンサの両端がフリップフロップの2つの入力に接続し、該フリップフロップの2つの出力を前記CMOSインバータの入力に交差接続したことを特徴とする電源装置用発振器。
  3. 請求項2において、前記可変発振器が前記発振用コンデンサを接続した前記2つのCMOSインバータの各出力端と、前記フリップフロップの2つの入力端との間に、それぞれ偶数段のCMOSインバータと、フリップフロップの両方の入力が同時に入らないように禁止するANDゲートを接続したことを特徴とする電源装置用発振器。
  4. 請求項1または請求項2の何れかにおいて、前記制御関数発生回路が、差動回路と抵抗とを備えた電圧/電流変換器を備え、
    PWMパルスに対応する電流パターンの制御関数を発生する場合に、前記差動回路の負の入力端に制御電圧を加え、正の入力端に基準電圧を加えることを特徴とする電源装置用発振器。
  5. 請求項1または請求項2の何れかにおいて、前記制御関数発生回路が、NMOS入力型の差動回路と抵抗とを備えた第1の電圧/電流変換器と、PMOS入力型の差動回路と抵抗とを備えた第2の電圧電流変換器とを備え、
    PWMパルスに対応する電流パターンの制御関数を発生する場合に、前記第1の電圧/電流変換器と第2の電圧/電流変換器との両方の差動回路の負の入力端に制御電圧を加え、前記両方の差動回路の正の入力端に基準電圧を加えることを特徴とする電源装置用発振器。
  6. 請求項1または請求項2の何れかにおいて、前記制御関数発生回路が、NMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第1の電圧/電流変換器と、PMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第2の電圧/電流変換器とを備え、
    PFMパルスに対応する電流パターンの制御関数を発生する場合に、前記第1の電圧/電流変換器と第2の電圧/電流変換器との両方の差動回路の1つの負の入力端に制御電圧を加え、前記両方の差動回路の別の負の入力端と正の入力端とに基準電圧を加えることを特徴とする電源装置用発振器。
  7. 請求項1または請求項2の何れかにおいて、前記制御関数発生回路が、NMOS入力型の差動回路と抵抗とを有する第1の電圧/電流変換器と、PMOS入力型の差動回路と抵抗とを有する第2の電圧/電流変換器とを備え、
    PFMパルスに対応する電流パターンの制御関数を発生する場合に、前記第2の電圧/電流変換器の差動回路の正の入力端に制御電圧を加え、該正の入力端以外の第1および第2の電圧/電流変換器の差動回路の入力端に基準電圧を加えることを特徴とする電源装置用発振器。
  8. 請求項7において、前記制御関数発生回路が、PAMパルスに対応する電流パターンの制御関数を発生する場合に、前記制御電圧に代えて、前記基準電圧より大きな第2の基準電圧を加えることを特徴とする電源装置用発振器。
  9. 請求項1または請求項2の何れかにおいて、前記制御関数発生回路が、NMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第1の電圧/電流変換器と、PMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第2の電圧/電流変換器とを備え、
    前記制御関数発生回路で、PWMパルスPFMパルスPAMパルスの各パルスに対応する電流パターンの制御関数を発生させる場合に、前記第1の電圧/電流変換器および第2の電圧/電流変換器のそれぞれの差動回路の正の入力端と負の入力端とに、制御電圧と、基準入力電圧と、該基準入力電圧より大きな値の第2の基準電圧とを加え、前記各パルスに対応する電流パターンの制御関数を発生させることを特徴とする電源装置用発振器。
  10. 直流をスイッチングする電力半導体素子と、該電力半導体素子を駆動する駆動回路と、該駆動回路に駆動パルスを供給する駆動信号発振手段とを具備した電源装置において、
    前記駆動信号発振手段が出力パルスのオンパルス幅とオフパルス幅を制御電流によってそれぞれ独立に制御する1つの可変発振器と、負荷電流の大小に基づく制御入力電圧を、予め定めた電圧/電流パターンで制御電流に変換する制御関数発生回路とを備え、
    前記可変発振器が、前記制御電流で制御される2つの電流源と、該2つの電流源の電流で動作する2つのCMOSインバータと、該2つのCMOSインバータの出力の間に接続した発振用コンデンサと、該コンデンサの両端がフリップフロップの2つの入力に接続し、該フリップフロップの2つの出力を前記CMOSインバータの入力に交差接続し、
    前記制御関数発生回路が、NMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第1の電圧/電流変換器と、PMOS入力型の2つの負の入力端を備えた差動回路と抵抗とを有する第2の電圧/電流変換器とを備え、
    前記制御関数発生回路で、PWMパルスPFMパルスPAMパルスの各パルスに対応する電流パターンの制御関数を発生させる場合に、前記第1の電圧/電流変換器および第2の電圧/電流変換器のそれぞれの差動回路の正の入力端と負の入力端とに、制御電圧と、基準入力電圧と、該基準入力電圧より大きな値の第2の基準電圧とを加え、前記各パルスに対応する電流パターンの制御関数を発生させることを特徴とする電源装置。
  11. 請求項10において、前記電源装置が負荷電流増加従って、前記PAMパルスPFMパルスPWMパルスの順で各パルスに対応する電流パターンの制御関数を発生することを特徴とする電源装置。
  12. 請求項11において、前記電源装置の前記制御関数発生回路がさらにシリーズレギュレータ制御モードを備え、負荷電流が増加するに従って、前記シリーズレギュレータ制御モードPAMパルスPFMパルスPWMパルスの順に対応する電流パターンの制御関数を発生することを特徴とする電源装置。
  13. 請求項10から請求項12の何れかにおいて、前記電源装置が降圧コンバータであることを特徴とする電源装置。
  14. 請求項10から請求項13の何れかにおいて、前記電力半導体素子が絶縁ゲート型電力半導体素子であることを特徴とする電源装置。
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