JP3644896B2 - ディスクローディング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスクのような情報記録媒体としてのディスクを、ディスク再生装置にローディングするディスクローディング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ディスクや光磁気ディスクのような情報記録媒体としてのディスクの普及に伴い、複数のディスクをまとめて容易に取り扱うために、これら複数のディスクを一度に収納し、これらのディスクの中から選択的に再生を行うディスクローディング装置が提案されている。
【0003】
このようなディスクローディング装置においては、或るディスクを再生又は記録中に、再生又は記録に関わらない他のディスクを出し入れし、或いは交換できることが、利便性の上で重要となる。即ち、再生又は記録に関わらないディスクを出し入れし、或いは交換するために、ディスクの再生又は記録を中断したり、終了まで待ったりすることを必要としないディスクローディング装置が求められてきている。ところが、この種のディスクローディング装置は、複数のディスクを収納するため、大型化する傾向にある。
【0004】
そこで、以上のような従来からの要求を満たし、また不都合を解消することができるディスクローディング装置として、例えば特開平7−282520号公報に記載されている如く、マガジンケースを必要とせず、しかも再生中にその他のディスクを交換可能なディスク再生装置が提案されている。
【0005】
具体的には、ディスクを載置するためのサブトレイと、サブトレイを一定距離移動可能に保持するメイントレイと、段積み配置された少なくとも3枚のメイントレイを一定距離移動可能に保持する再生装置筐体と、サブトレイとメイントレイを選択的に移動するトレイ移動機構と、再生位置に置かれたディスクを再生する再生機構とから成る構成としている。
【0006】
また、トレイ移動機構は、サブトレイに付設されたラックとメイントレイに付設されたラックとの何れかに噛合する一個のピニオンと、このピニオンを回動するピニオン回動モーターと、ピニオンをピニオンの回転軸に沿って移動させるピニオン移動手段とから成る構成としている。
【0007】
また、ピニオン移動手段はピニオンを回転軸に沿って移動させるピニオン昇降カムを含み、また、再生機構は再生部昇降カムで所定の位置に移動され、これらピニオン昇降カムと再生部昇降カムが一個のカム回動モーターで選択的に回動されるようにした構成としている。
【0008】
より具体的には、このディスク再生装置は、一組のサブトレイ及びメイントレイを備えている。サブトレイは、ディスクを筐体外部のディスク交換位置から再生位置までの間で移動させる。メイントレイは、サブトレイをディスク交換位置から筐体内部の待機位置までの間において移動可能に保持する。
【0009】
また、サブトレイ及びメイントレイの双方にはラックが設けられており、1個のピニオンが何れか一方のラックに噛み合うようになっている。つまり、ピニオン昇降カムを含むピニオン移動手段により、ピニオンがそれ自身の回転軸に沿って昇降することで、何れか一方のラックに噛み合う位置に移動する。ピニオン昇降カムは円筒カムであり、ピニオンの位置に応じた複数のカム面を有している。
【0010】
また、このディスク再生装置は、揺動ギヤ及び再生装置を移動させる再生部昇降カムを備えている。再生部昇降カムは、ターンテーブルや光ピックアップユニットを含む再生部を昇降移動させるための円筒カムであり、再生部の位置に応じた複数のカム面を有している。揺動ギヤは、モーターの回転方向に応じて揺動することにより、ピニオン昇降カム又は再生部昇降カムの何れか一方のカムを回転させる。これにより、1つのモーターで2種類のカムを駆動させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−282520号公報に記載されているような構成では、装置筐体外部のディスク交換位置から筐体内部の再生位置間におけるディスクの移動にあたって、メイントレイ及びサブトレイの駆動を必要としており、部品点数も多く機構も複雑化して、結局は装置全体の大型化を招くとともに、製造コストの上昇につながる。
【0012】
また、再生機構が筐体内において移動することによって、再生性能にバラツキが生じやすく、また移動のための機構が必要となるため、これによる部品点数の増加やそれに伴うコストの上昇につながる。本発明は、以上のような問題点に鑑み、トレイ駆動機構の構成が簡素であり、また装置全体がコンパクトであって、しかも信頼性の高いディスクローディング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、その複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いはそのトレイ収納部から装置内奥部側へと移動する第1のトレイ移動手段と、装置内奥部に設けられ、前記トレイ収納部に対向して昇降移動可能なトレイホルダーと、前記トレイを装置内奥部側から前記トレイホルダーへと移動する第2のトレイ移動手段と、前記トレイを選択するトレイ選択決定手段と、そのトレイ選択決定手段によって選択された前記トレイ収納部におけるトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させる第1のトレイ選択手段と、前記トレイ選択決定手段によって選択された前記トレイの対向位置に、前記第2のトレイ移動手段及び前記トレイホルダーを昇降移動させる第2のトレイ選択手段と、前記トレイホルダーが下降する先に設けられ、そのトレイホルダー上のトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段と、を備え、前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段を、一つの駆動手段により駆動し、前記駆動手段は、第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第1のギヤと、その第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第2のギヤと、より成る第1の駆動源と、前記第1のギヤよりの駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤと、その第2のギヤよりの駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、を備えて成ることを特徴とする。
【0016】
また、第1の回転体の側部に、前記第1のトレイ選択手段を駆動する第1のギヤ及び第3のギヤと、前記第2のトレイ選択手段を駆動する第2のギヤとを備え、前記第1のギヤ及び第2のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段及び第2のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記ディスク再生手段へと移動し、その選択されたトレイがそのディスク再生手段に位置するときに、前記第3のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動することを特徴とする。
【0017】
また、前記第3のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第3の中間ギヤと、前記第2のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、前記第1のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤとを備え、前記第1のギヤは、前記第1の中間ギヤと噛み合う複数の歯から成る歯部と欠歯部とが連続して設けられているギヤ群と、前記第1の中間ギヤと接しないギヤ離間部とから成り、前記第1のギヤが前記ギヤ離間部として作用し、前記第2の中間ギヤが前記連続した欠歯部と接触状態を維持することで前記トレイホルダーを前記ディスク再生手段の位置に保持して、前記第3のギヤにより前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段を駆動することにより、前記トレイ選択決定手段によって前記新たに選択されたトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させることを特徴とする。
【0018】
また、前記第1の中間ギヤ及び第2の中間ギヤ及び第3の中間ギヤは、それぞれ前記連続した欠歯部との接触状態を維持する歯部において、歯先を延長してその連続した欠歯部に沿う形状としたことを特徴とする。
【0019】
また、前記第1のトレイ移動手段は、第2の駆動源と噛み合う第4の中間ギヤと、その第4の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第1の中間伝達部材とを備え、前記第2のトレイ移動手段は、前記第2の駆動源と噛み合う第5の中間ギヤと、その第5の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第2の中間伝達部材とを備え、前記第4の中間ギヤの駆動により前記トレイが装置内奥部側の所定位置に移動されたときに、そのトレイと前記第1の中間伝達部材との連結を解除するとともに、そのトレイと前記第2の中間伝達部材とを連結し、前記第5の中間ギヤの駆動により前記トレイが前記トレイホルダー内に移動された後に、前記第2のトレイ選択手段によりそのトレイが昇降移動するときに、前記第2の中間伝達部材の移動を案内することを特徴とする。
【0020】
また、前記第2の中間伝達部材は、前記第5の中間ギヤと噛み合う第6の中間ギヤと、その第6の中間ギヤのギヤ軸に嵌入されて前記トレイに設けられたラックに噛み合う第4のギヤとを備え、前記第4のギヤは、前記第6の中間ギヤのギヤ軸に対して回転方向に規制され、且つそのギヤ軸の長手方向に対して摺動自在に配されることを特徴とする。
【0021】
また、前記第2の駆動源は、第2の回転体の側部に設けられて第7の中間ギヤと噛み合う第7のギヤと、その第2の回転体の側部に設けられて前記第5の中間ギヤと噛み合う第6のギヤと、その第2の回転体の側部に設けられて前記第5の中間ギヤと噛み合って前記第7の中間ギヤを介して前記第1のトレイ移動手段を駆動する第5のギヤとを備え、前記第5のギヤ及び第6のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記トレイホルダーへと移動し、その選択されたトレイが前記ディスク再生手段に位置するときに、前記第7のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動することを特徴とする。
【0022】
また、前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々は、保持面部を有する保持層と、端部のみ歯厚の大きいギヤ群を有する第1のギヤ層と、端部のみが欠歯であって前記第1のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第2のギヤ層とより成り、前記第4の中間ギヤ及び第5の中間ギヤ及び第7の中間ギヤは、それぞれ前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々における、前記保持層の保持面部に沿う被保持面部を有する被保持層と、前記第1のギヤ層のギヤ群に噛み合うギヤ群を有する第3のギヤ層と、前記第2のギヤ層のギヤ群に噛み合って前記第3のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第4のギヤ層とより成ることを特徴とする。
【0023】
また、前記第1及び第2のトレイ選択手段を駆動する第1の駆動源と、前記第1及び第2のトレイ移動手段を駆動する第2の駆動源とを、前記トレイ収納部の下部に配置することを特徴とする。
【0024】
また、前記第2のトレイ選択手段は、前記トレイホルダーに設けられたラックと噛み合って第1の駆動源よりの駆動力を伝達する、第8のギヤを有することを特徴とする。
【0025】
また、前記第8のギヤと同軸に組み合わされ且つバネにより連結されることにより前記第1の駆動源よりの駆動力をその第8のギヤに伝達する第9のギヤを備え、前記トレイホルダーが前記ディスク再生手段へと下降した後、更に駆動力が加わったときに前記第9のギヤが前記バネによる付勢力に抗して回転することを特徴とする。
【0026】
また、前記第8のギヤと第9のギヤとの間の、前記バネによる付勢方向への当接位置を調整する調整部材を設けたことを特徴とする。
【0027】
また、前記第2のトレイ選択手段を駆動する中間ギヤにロック部材を設け、前記トレイホルダーに支持部材を設けて、そのトレイホルダーが前記ディスク再生手段に位置するとき、前記ロック部材が前記支持部材と係合するようにしたことを特徴とする。
【0028】
また、前記トレイホルダーに、装置筐体のガイド溝に沿うことによりそのトレイホルダーの昇降移動をガイドするボスを設け、そのボスは前記トレイホルダーの重心位置及びディスクを載置した前記トレイとそのトレイホルダーとを含んだ重心位置より、オフセットした位置に配置されていることを特徴とする。
【0029】
また、前記トレイに設けたラック及び凹部と、そのラックと噛み合う第10のギヤと、前記凹部に挿入されて前記トレイをロックするロックレバーと、前記第10のギヤを保持する保持部及び前記ロックレバーを作動する作動部を有し、昇降移動可能なギヤカバーと、を備え、前記トレイ収納部に重畳された前記各トレイは、前記ギヤカバーが昇降移動して前記第10のギヤが前記ラックと噛み合うときに、前記作動部により前記ロックレバーが前記凹部から抜き去られ、そのトレイのロックが解除されることを特徴とする。
【0030】
また、前記トレイに、そのトレイに載置されたディスクを支持するディスク支持部材を設け、そのトレイが前記ディスク再生手段へと移動したときに、前記ディスク支持部材が装置筐体に設けられた支持解除部材と係合し、前記ディスクの支持を解除することを特徴とする。
【0031】
また、装置筐体と前記トレイホルダーとの間に、そのトレイホルダーの昇降移動に伴って回動し、前記トレイに載置されたディスクの脱落を防止するディスク脱落防止部材を設けたことを特徴とする。
【0032】
また、前記トレイ収納部に、前記トレイの移動をガイドするトレイガイド部を各段に設け、その各トレイガイド部は、その下段のトレイに載置されたディスクを、そのトレイとの間で挟持することを特徴とする。
【0033】
また、前記トレイホルダーは、ディスクを載置した前記トレイを収容したときにそのトレイからそのディスクがずれることを防止するディスクずれ防止部材を有することを特徴とする。
【0034】
また、装置筐体上部にディスク解離部を設け、前記トレイホルダーに、ディスクの再生中にそのディスクを保持するディスク押さえ部材を備え、前記トレイホルダーが最上部まで上昇移動したときに、前記ディスク押さえ部材に固着した前記ディスクの上面に、前記ディスク解離部が当接することにより、そのディスク押さえ部材からそのディスクを解離させることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るディスクローディング装置の外観を示す斜視図であり、図2はその内部構造を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態のディスクローディング装置は、略箱状の筐体1を備えている。筐体1の前部には、複数枚のトレイ4が重畳されて収納されるトレイ収納部3が設けられている。トレイ収納部3は、筐体1前部右側面に枠状のトレイ収納部3Rが、また筐体1前部左側面に枠状のトレイ収納部3Lが、それぞれ取り付けられて構成されている。
【0036】
また筐体1の後部には、再生されるディスクが載置されたトレイ4が引き込まれるトレイホルダー12や、その中央前寄りに設けられた略円板状のディスク押さえ13等が組み込まれている。そして、筐体1の前部上方から上部カバー2が螺着され、また筐体1の後部上方から前後にそれぞれ上部カバー2F,2Rが螺着されて構成されている。
【0037】
図3は、本実施形態のディスクローディング装置における筐体及びトレイ収納部の外観を示す正面図である。同図に示すように、トレイ収納部3には、装置内に収納可能なディスクの枚数、即ち重畳されるトレイ4の枚数(ここでは6枚)に応じたトレイガイド部3aが両端に配置されている。つまり、トレイ収納部3R及び3Lの各内壁より内側へと、断面が略L字状をした長板状のトレイガイド部3aが各段に突設している。また各トレイガイド部最上段の上方には、長板状のトレイガイド部3bがトレイ収納部3R及び3Lの各内壁より内側へと突設している。なお、筐体1下面より下方に向かって、脚100が延びている。
【0038】
図4は、本実施形態のディスクローディング装置におけるトレイ収納部及びギヤカバーに関連する部分の構成を示す前部左側面図である。同図に示すように、トレイ収納部3Lには、側面部外側より内側に向かって、即ち装置左右方向にガイド溝3cが各段に形成されている。そして、各段に収納される上記トレイ4にそれぞれ対応したトレイロック部材25が、その下部に設けられた凸部25cと各ガイド溝3cとが係合することにより、装置左右方向に摺動自在に取り付けられている。
【0039】
このトレイロック部材25は、上述したように、トレイ収納部3Lに設けられたガイド溝3cによって動作を案内される。そして、トレイ収納部3Lの側面部外側より、ここに螺着されたロック部材押さえバネ26より各段に延びる板バネ状の作用部26aによって、後部面25bを押圧され、それぞれ内側へと付勢されている。なお、25aはトレイロック部材25の装置内側への挿入量を規制するロック解除部である。詳しくは後述する。
【0040】
図5は、本実施形態のディスクローディング装置に装着される2種類のディスクを示す平面図である。同図(a)及び(b)には、それぞれ情報記録媒体としてのディスク15及び16を示している。ディスク15は、外径Dで示される大径のディスクであり、その中央に、後述する再生機構ユニットのターンテーブルと嵌合する穴15aを有している。また、ディスク16は、外径dで示される小径のディスクであり、その中央に、後述する再生機構ユニットのターンテーブルと嵌合する穴16aを有している。
【0041】
図6は、その再生機構ユニットの外観を示す斜視図である。同図に示すように、再生機構ユニット14は、略長方形状のベース板14a上に、ターンテーブル61やピックアップ62等が取り付けられた構成である。ターンテーブル61は、ベース板14aの前部にてその下面に取り付けられたスピンドルモーター63から上方へ延びる回転軸63aに嵌合して設けられている。
【0042】
また、ピックアップ62は、その左右よりそれぞれスライド板14b及びスライド軸14cにて摺動自在に支えられており、ベース板14a中央付近から後部の間で、ターンテーブル61上に載置される上記ディスクの径方向に直動する。なお、ベース板14a右部に設けられた14dは、ピックアップ62を駆動する駆動機構である。また、ベース板14aの四隅には、取付穴14eが設けられており、これにより、再生機構ユニット14を例えば防振ゴム等を介して筐体1に取り付ける。この再生機構ユニット14は、上記筐体1後部のトレイホルダー12下方に配置される。
【0043】
ところで、図1に示したように、トレイ4はトレイ収納部3において略平行に複数枚重畳しており、同図の矢印A方向即ち装置の前後方向に摺動自在に取り付けられている。そして、このトレイ4に載置される上記ディスク15或いはディスク16を、筐体1の外部前方から筐体1の後部に配置される上記再生機構ユニット14との間で搬送する。
【0044】
図7は、トレイの構造を示す平面図である。同図に示すように、略長方形状のトレイ4は、その中央付近前方寄りに、図6に示した再生機構ユニット14のターンテーブル61を導入する穴部4eが開けられており、これと同心で内径の異なる円形の凹部4a及び4bを上面に有している。凹部4aは、大径のディスク15が嵌合してこれを収納し得るように形成されており、また凹部4bは、小径のディスク16が嵌合してこれを収納し得るように形成されている。
【0045】
また、穴部4eから後方へ延びるように、上記再生機構ユニット14のピックアップ62を導入する穴部4fが開けられている。さらに、トレイ4は、前後方向に沿った両側縁部の下面側に、ガイド溝4dを有している。ガイド溝4dは、図3に示したトレイ収納部3R,3Lに一体的に設けられるトレイガイド部3aと係合してトレイ4の動作を案内する。
【0046】
トレイ4の左側面には、前後の移動方向のほぼ全長に渡って、ラック4cが形成されている。ラック4cは、装置前部において後述する昇降移動可能な第1トレイ駆動ギヤ8と噛み合い、トレイ4を装置前方の着脱位置T1,装置前部の収納位置T2,及びこれより奥側の駆動切替位置T2’の間で移動させる。さらに、駆動切替位置T2’と装置後部の引き込み位置T3との間において、ラック4cは後述する第2トレイ駆動ギヤ10と噛み合って、トレイ4を移動させる。詳しくは後述する。
【0047】
なお、これより以降の説明においては、ディスク15或いはディスク16の何れかに特化した特徴を述べる場合を除いて、便宜上ディスク15のみを用いる。
【0048】
図8は、トレイのラック部及びトレイロック部材の構成を示す図である。同図(a)は平面図、同図(b)は左側面図を示している。また、同図(c)は同図(a)において破線の円で囲まれたB部、即ちトレイロック部材25周辺の詳細図である。同図に示すように、ラック4c前寄りには、凹部であるロック部4mが設けられている。
【0049】
一方、トレイロック部材25の装置内側先端部には、凸部であるロック部25dが設けられている。このロック部25dがロック部4mと係合することにより、トレイ4の装置前後方向の動きがロックされ、トレイ4がトレイ収納部3に保持される。このロック部4mは、ラック4cの上部に設けられており、第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10との噛み合いに支障がないように構成されている。
【0050】
図9は、トレイホルダーの構成を示す斜視図である。同図に示すように、トレイホルダー12の左側前部には、断面が略コの字状のギヤ保持部12aが一体的に設けられており、後述する第2トレイ駆動ギヤ10を、装置上下方向に動作を規制しながら保持している。また、トレイホルダー12の左右両側面及び後面には、昇降動作ガイド用ボス12bがそれぞれ上下2箇所ずつ設けられており、これらは図2に示した筐体1の後部左右内側両面及び内側後面に上下に渡って設けられた、断面が略コの字状のガイド溝1aにそれぞれ嵌入されている。これにより、トレイホルダー12は装置上下方向に対して摺動自在に配置されている。
【0051】
トレイホルダー12には、その中央前寄りに略円板状のディスク押さえ13が、上面より下方に向けて取り付けられている。そして、トレイホルダー12とディスク押さえ13のみの場合と、これにディスク15が載置されたトレイ4が組み合わされた場合の双方において、これらの重心位置付近から意図的にオフセットした位置に、上記ボス12bが設けられている。これにより、ボス12bとガイド溝1aとの隙間によるトレイホルダー12の傾きを常に一定の方向に保ち、ガタツキのない安定した動作を可能としている。
【0052】
また、トレイホルダー12の左右両側面には、トレイホルダー12の昇降動作を行うためのラック12cが上下に渡って設けられている。これは、後述する第1トレイ昇降ギヤ11と組み合わされた第2トレイ昇降ギヤ18と噛み合っており、これにより駆動力が伝達される。そして、トレイホルダー12前部には、左右方向に橋渡しされているトレイ押さえ部12j上に、後述するディスク脱落防止部材24と係合してこの動作を案内するための、左右方向にスリット状に開けられたガイド穴12dが左右2箇所に設けられている。
【0053】
さらに、トレイホルダー12の底面左右には、図3で示したトレイ収納部3に設けられたトレイガイド部3aと対応するように、トレイガイド部12eが前後に渡って数箇所ずつ設けられている。トレイホルダー12がトレイ収納部3における選択されたトレイ位置へと昇降移動して、そのトレイ4の対向位置へと達したとき、トレイガイド部12eはそのトレイ4が収納されている段におけるトレイガイド部3aと略直線上の位置関係となり、そのトレイ4の収納位置T2から引き込み位置T3への移動、即ちトレイ収納部3からトレイホルダー12への移動を案内する。
【0054】
また、トレイホルダー12の前面左側には、後述するトレイホルダー昇降動作規制のために、正面から見て略L字状のリブ12fが設けられている。そして、トレイホルダー12の後部左右には、上面より前方へ向かって斜め下方に延びるディスクずれ防止部12gが一体的に設けられている。このディスクずれ防止部12gは、トレイ4が引き込み位置T3に達したときに、図7で示したトレイ4の後部上面左右に前後方向に設けられた溝4gへと導入される。
【0055】
また、トレイホルダー12の上面には、ディスク押さえ13の後方左右に穴部12hが設けられており、図1に示した上部カバー2Rより下方に延びるディスク解離部2bが、この穴部12hに導入される。詳しくは後述する。
【0056】
図10は、駆動力伝達機構の構成を示す平面図である。本実施形態のディスクローディング装置前部の前記トレイ収納部3下方には、同図に示すように、駆動源となるモーターより上記トレイ4或いはトレイホルダー12へと駆動力を伝達する、駆動力伝達機構各部が筐体1に配設されている。まず、筐体1つまり本ディスクローディング装置の正面(図の右側)から見て右端には、本ディスクローディング装置の駆動源である、それぞれ略円柱状をしたモーター31及びモーター30が前後に位置して取り付けられている。
【0057】
モーター30は、トレイホルダー12並びに第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10の昇降動作を行い、またモーター31は、第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10を駆動して、トレイ4を着脱位置T1と引き込み位置T3との間で移動させる。
【0058】
モーター30の回転駆動力は、筐体1に回転自在に取り付けられた中間伝達部材である中間ギヤ32,33,34,及び35での各ギヤ部の噛み合いにより順次伝達され、筐体1前部中央付近に回転自在に取り付けられた大径のトレイ選択手段駆動カム20に達する。具体的には、まずモーター30中心の回転軸s0に取り付けられたピニオンギヤ30aより、中間ギヤ32の大歯車32bへと回転駆動力が伝達され、次に大歯車32bと同心に設けられた小歯車32aより、中間ギヤ33の大歯車33bへと伝達される。
【0059】
そして大歯車33bと同心に設けられた小歯車33aより、中間ギヤ34の大歯車34bへと伝達され、更に大歯車34bと同心に設けられた小歯車34aより、中間ギヤ35のギヤ部35aへと伝達される。最後に、ギヤ部35aからトレイ選択手段駆動カム20の側面周囲に設けられたギヤ部20aへと回転駆動力が伝達される。このように、中間ギヤ32,33,及び34は、それぞれ大歯車と小歯車を有しており、これによりモーター30の回転を各ギヤにおいて減速するとともに、トレイ選択手段駆動カム20以降の後述する各部を駆動するのに十分な回転トルクを得ている。
【0060】
一方、モーター31の回転駆動力は、筐体1に回転自在に取り付けられた中間伝達部材である中間ギヤ36,37,及び38での各ギヤ部の噛み合いにより順次伝達され、筐体1前部中央のトレイ選択手段駆動カム20下部で同軸上に回転自在に取り付けられた、後述する大径のトレイ駆動カム21(ここでは不図示)に達する。具体的には、まずモーター31中心の回転軸s1に取り付けられたピニオンギヤ31aより、中間ギヤ36の大歯車36bへと回転駆動力が伝達され、次に大歯車36bと同心に設けられた小歯車36aより、中間ギヤ37の大歯車37bへと伝達される。
【0061】
そして大歯車37bと同心に設けられた小歯車37aより、中間ギヤ38外周に設けられたギヤ部38aへと伝達される。最後に、ギヤ部38aからトレイ駆動カム21の側面周囲に設けられたギヤ部21aへと回転駆動力が伝達される。このように、中間ギヤ36及び37は、それぞれ大歯車と小歯車を有しており、これによりモーター31の回転を各ギヤにおいて減速するとともに、トレイ駆動カム21以降の後述する各部を駆動するのに十分な回転トルクを得ている。
【0062】
次に、筐体1の正面から見て左側後方には、中間伝達部材である中間ギヤ50が、筐体1に回転自在に取り付けられている。これは、図9で示したように、トレイホルダー12の前方に位置し、上下に延びる略円柱状の軸形状をしている。そして、上部にはトレイ選択手段駆動カム20の後述するギヤ部20bと噛み合うギヤ部50aを有しており、下部には後述する中間ギヤ51と噛み合うギヤ部50bを有している。また、中央部には舌片状のロック部材50cが一体的に側方へ突設している。
【0063】
トレイ選択手段駆動カム20からの駆動力は、中間ギヤ50を経て、筐体1に回転自在に取り付けられた中間伝達部材である中間ギヤ51及び52での各ギヤ部の噛み合いにより順次伝達され、中間ギヤ53に達する。具体的には、まずトレイ選択手段駆動カム20のギヤ部20bより、中間ギヤ50のギヤ部50aへと駆動力が伝達され、次にギヤ部50aと同心に設けられたギヤ部50bより、中間ギヤ51外周に設けられたギヤ部51aへと伝達される。そしてギヤ部51aより、中間ギヤ52外周に設けられたギヤ部52bへと伝達される。この中間ギヤ52上部のギヤ部52aは、かさ歯車となっている。
【0064】
一方、中間ギヤ53は、筐体1後部でトレイホルダー12前部下方に、筐体1全幅に渡って左右方向に設けられた軸部材54の左端に嵌入されている。また軸部材54の右端に中間ギヤ55が嵌入されている。そして中間ギヤ53,55が軸部材54と一体回転する構成となっている。中間ギヤ53は、略円筒状で右部にギヤ部53bを有しており、左部にギヤ部53aを有している。またギヤ部53bは、かさ歯車となっている。なお、中間ギヤ55は外周にギヤ部55aを有している。
【0065】
ここでは中間ギヤ52のギヤ部52aと中間ギヤ53のギヤ部53bとが噛み合っており、これにより縦方向の回転軸が横方向へと変換され、駆動力が伝達される仕組みである。また、中間ギヤ53のギヤ部53aは、図1或いは図2に示したように、筐体1後部左側面の第1トレイ昇降ギヤ11外周に設けられているギヤ部11aと噛み合っており、これにより中間ギヤ52よりの駆動力を、第1トレイ昇降ギヤ11へと伝達するように構成されている。詳しくは後述する。
【0066】
図11は、トレイ選択手段駆動カムの構成を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は側面ギヤ部の展開図である。同図では、トレイ選択手段駆動カム20の中心Oから見た或る方位(ここでは例えば図10の状態で装置正面に向かって右方向)を0゜とし、側面を360゜まで展開している。そして、各ギヤ部の噛み合い状態を示している。
【0067】
同図に示すように、トレイ選択手段駆動カム20の側面周囲には、最上段に上記ギヤ部20aが設けられている。そして、トレイ選択手段駆動カム20の側面でギヤ部20aの下側には、中間ギヤ50と噛み合うギヤ部20bが設けてある。ギヤ部20bは、上記中間ギヤ50のギヤ部50aと噛み合う複数の歯からなる歯部20b1と、歯部20b1のピッチ円直径を外径とする円弧状の欠歯部20b2とが、連続して設けられているギヤ群として構成されている。
【0068】
また、トレイ選択手段駆動カム20の側面でギヤ部20bの下側には、中間ギヤ41と噛み合うギヤ部20cが設けてある。ギヤ部20cは、中間ギヤ41のギヤ部41aと噛み合う複数の歯からなる歯部20c1と、歯部20c1のピッチ円直径を外径とする円弧状の欠歯部20c2とが、連続して設けられているギヤ群と、ギヤ部41aとは接触しないギヤ離間部20c3とから構成されている。
【0069】
中間ギヤ41は、図10に示したように、筐体1の正面から見て左端前方に回転自在に取り付けられており、第1トレイ駆動ギヤ8及び後述するギヤカバー7を昇降移動させる昇降カム5へと駆動力を伝達する働きをしている。また中間ギヤ41から順次隣り合って中間ギヤ42及び昇降カム5が回転自在に取り付けられている。中間ギヤ41には、上記ギヤ部41aと同心でギヤ部41bが設けられている。
【0070】
また中間ギヤ42は、ギヤ部42aが中間ギヤ41のギヤ部41bと噛み合い、ギヤ部42aと同心で設けられたギヤ部42bが後述する略円柱状の昇降カム5下端に設けられたギヤ部5aと噛み合うように配置されている。これにより、中間ギヤ41の駆動力が昇降カム5に伝達される。さらにギヤ部42aがトレイ選択手段駆動カム20に設けられたギヤ部20dにも噛み合うように配置されている。
【0071】
図11に示すように、上記ギヤ部20dは、トレイ選択手段駆動カム20の側面でギヤ部20cの下側に設けられており、中間ギヤ42のギヤ部42aと噛み合う複数の歯からなる歯部20d1と、歯部20d1のピッチ円直径を外径とする円弧状の欠歯部20d2とが、連続して設けられているギヤ群と、ギヤ部42aとは接触しないギヤ離間部20d3とから構成されている。
【0072】
ここで、ギヤ部42aが歯部20d1と噛み合い、トレイ選択手段駆動カム20からの駆動力が中間ギヤ42へと伝達される状態において、ギヤ部20cはギヤ離間部20c3として作用し、中間ギヤ41への駆動規制を解除する。逆に、ギヤ部41aが歯部20c1と噛み合い、トレイ選択手段駆動カム20からの駆動力が中間ギヤ41へと伝達される状態において、ギヤ部20dはギヤ離間部20d3として作用し、中間ギヤ42への駆動規制を解除する。このように、2つの中間ギヤ41及び42がトレイ選択手段駆動カム20によって同時に駆動されることがないように、ギヤ部20c及び20dは予め設定されている。
【0073】
図12は、昇降カム及びその周辺部分の構成を示す斜視図である。同図に示すように、上記昇降カム5は、略円柱状をして縦方向に設けられており、その下端には中間ギヤ42と噛み合うギヤ部5aが設けられている。また、側面周囲には螺旋状にカム溝5bが形成されている。これは、数段に水平に設けられた平行部分5b1が斜面5b2によって連続的に繋がれた円筒カムとして構成されている。平行部分5b1は、第1トレイ駆動ギヤ8の昇降動作における所定の各位置、即ち収納された各トレイ4及び再生(待機)位置に対応するように設けられている。
【0074】
カム溝5bには、下記ギヤカバー7より突設する凸部7aが嵌入され、昇降カム5がその中心軸5c周りに回転することによって、ギヤカバー7及びこれにより保持された第1トレイ駆動ギヤ8を昇降させ、所定の各段まで移動させる。なお、以上の構成の筐体1に対する取り付け位置関係は、図1,図2,及び図4に示している。但し、図4では昇降カム5の図示は省略している。
【0075】
ギヤカバー7は、第1トレイ駆動ギヤ8を保持する略半円柱状のギヤ保持部7eを有している。ギヤ保持部7eの上面及び下面には、後述する第1トレイ駆動ギヤ8の回転軸となる中間ギヤ6の長軸6aとの径方向の接触を避けるため、U字状切り欠き部7fが設けてある。また、ギヤ保持部7eに隣接して、ガイド軸27が嵌入される略円筒状のガイド7bが縦方向に設けられており、これによりギヤカバー7はガイド軸27に案内され、装置上下方向に摺動自在に保持された状態で、ガイド軸27と共にトレイ収納部3Lに取り付けられる。
【0076】
また、ギヤカバー7において、ガイド7bに隣接して上記凸部7aが側方に突設している。さらに、凸部7aに隣接して、上下略対称で山形にカットされた斜面7cが設けられており、ギヤカバー7の昇降動作に伴って、上述のトレイロック部材25におけるロック解除部25aと係合し、トレイ4のロック解除動作を行う。なお、斜面7cは頂部7dを持つ。また、図12では上述したトレイロック部材25とロック部材押さえバネ26との配置関係を示している。
【0077】
図13は、装置左側に設けられたトレイ昇降ギヤ機構の構成を示す分解斜視図であり、図14は側面図である。これらの図に示すように、略円板状の第1トレイ昇降ギヤ11は、同じく略円盤状の第2トレイ昇降ギヤ18と同心で重ね合わされており、これらの間にトレイホルダー高さ調整用の調整プレート17を挟み込んでいて、また互いに引っ張りコイルバネ19により連結されている。
【0078】
第2トレイ昇降ギヤ18の中心部には、図1,図2で示した筐体1後部左側面に設けられた回転軸16に回転自在に取り付けられるように、円筒形のボス18cが設けられている。ボス18cの外径部分に対しては、調整プレート17の中心穴17c、さらには第1トレイ昇降ギヤ11の中心穴11cが、回転自在に挿入される。
【0079】
また、第2トレイ昇降ギヤ18の周辺部付近3箇所には、略L字状のガイド部18dが設けられており、第1トレイ昇降ギヤ11の周辺部付近3箇所に設けられたガイド部11dとそれぞれ係合している。これにより、第1トレイ昇降ギヤ11と第2トレイ昇降ギヤ18とが解離することを防止している。
【0080】
そして、第1トレイ昇降ギヤ11に設けられた穴部11bから、第2トレイ昇降ギヤ18に設けられた略L字状のバネ掛け部18bに渡って、引っ張りコイルバネ19が取り付けられている。これにより、第1トレイ昇降ギヤ11は、図14において、第2トレイ昇降ギヤ18に対して時計回りの方向に回転付勢されている。
【0081】
さらに、第2トレイ昇降ギヤ18外周のギヤ部18aは、上述したように、トレイホルダー12の左側面に設けられたラック12cと噛み合っており、これにより、トレイホルダー12の昇降動作を行う駆動力が伝達される。一方、第1トレイ昇降ギヤ11外周のギヤ部11aは、上述したように、中間ギヤ53のギヤ部53aと噛み合っており、これにより上記中間ギヤ52よりの駆動力が、第1トレイ昇降ギヤ11へと伝達される。
【0082】
以上のような構成によって、中間ギヤ53の駆動力は、トレイホルダー12へと伝達される。なお、昇降動作時における、第1トレイ昇降ギヤ11,調整プレート17,第2トレイ昇降ギヤ18,及び引っ張りコイルバネ19の、それぞれの間での駆動力伝達については、後に詳述する。
【0083】
また、中間ギヤ55は、図10で示したように、軸部材54で中間ギヤ53と連結されている。この、中間ギヤ53と同期した中間ギヤ55の駆動力を、そのギヤ部55aから最終的にトレイホルダー12の右側面に設けられたラック12cへと伝達するため、トレイ昇降ギヤ機構が装置右側面即ち筐体1後部の右側面にも設けられている。これは、上記第1トレイ昇降ギヤ11,調整プレート17,第2トレイ昇降ギヤ18及びその関連部分と同様の構成であり、且つ左右対称としたものであるので、説明は省略する。
【0084】
ところで、図10で示したように、筐体1の正面から見て左側後方には、中間伝達部材である中間ギヤ56及び57が、筐体1に回転自在に取り付けられている。そして、トレイ駆動カム21の駆動力は、中間ギヤ56及び57を介して中間ギヤ9へと伝達される。また、筐体1の正面から見て左側前方には、中間伝達部材である中間ギヤ43及び44が、筐体1に回転自在に取り付けられている。そして、トレイ駆動カム21の駆動力は、中間ギヤ43及び44を介して中間ギヤ6へと伝達される。詳しくは後述する。
【0085】
図15は、トレイ駆動カムの構成を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は側面ギヤ部の展開図である。同図では、トレイ駆動カム21の中心Oから見た或る方位(ここでは例えば図10の状態で装置正面に向かって右方向)を0゜とし、側面を360゜まで展開している。そして、各ギヤ部の噛み合い状態を示している。
【0086】
同図に示すように、トレイ駆動カム21の側面周囲には、最下段に上記中間ギヤ38と噛み合うギヤ部21aが設けられている。そして、トレイ駆動カム21の側面でギヤ部21aの上側には、中間ギヤ56のギヤ部56a及び56bと噛み合うギヤ部21d及び21cが設けてある。ギヤ部21d及び21cは、ギヤ部56a及びギヤ部56bと噛み合う同位相の歯部21d1及び21c1と、噛み合わないギヤ離間部21d2及び21c2とによって構成されている。そして、ギヤ部21dはギヤ部21cよりも両側に1歯分多く、且つ両端の2歯分を1つの歯として結合した形状となっている。
【0087】
ギヤ部56aと56bとは同位相の歯形状であるが、ギヤ部21cの歯巾と対応する歯巾の狭い歯、即ちギヤ部56b側のみの歯と、ギヤ部21cよりギヤ部21dに至る範囲に対応する歯巾の広い歯、即ちギヤ部56a側とギヤ部56b側の両方に渡る歯とが、交互に配置されている。これにより、ギヤ部56aはギヤ部56bの歯を1歯おきに持つことになり、上記ギヤ部21dの歯部21d1両端に位置する2歯分の歯厚の歯と噛み合うことができる。
【0088】
また、トレイ駆動カム21の側面でギヤ部21aと21cとの間には、回転保持部21bが設けられている。回転保持部21bは、外径の大きい保持部21b1と、外径の小さい離間部21b2とから構成されている。なお、本実施形態では、保持部21b1はギヤ部21cのギヤ離間部21c2と同径としている。そして、ギヤ56には、回転保持部21bと接する被保持部56cが設けられている。被保持部56cは、回転保持部21bの保持部21b1に沿う円弧状の面を、複数組み合わせて略正多角形状となるように構成されている。
【0089】
トレイ駆動カム21の側面でギヤ部21dの上側には、中間ギヤ43のギヤ部43a及び43bと噛み合うギヤ部21e及び21fが設けてある。ギヤ部21e及び21fは、ギヤ部43a及び43bと噛み合う同位相の歯部21e1及び21f1と、噛み合わないギヤ離間部21e2及び21f2とによって構成されている。そして、ギヤ部21eはその片側端部においてギヤ部21fよりも1歯分多く、且つその端部の2歯分を1つの歯として結合した形状となっている。さらにギヤ部21eは、ギヤ離間部21e2の途中に、2歯分を結合して1つの歯とした1歯のみから成るギヤ部21e’を有する。
【0090】
ギヤ部43aと43bとは同位相の歯形状であるが、ギヤ部21fの歯巾と対応する歯巾の狭い歯、即ちギヤ部43b側のみの歯と、ギヤ部21fよりギヤ部21eに至る範囲に対応する歯巾の広い歯、即ちギヤ部43a側とギヤ部43b側の両方に渡る歯とが、交互に配置されている。これにより、ギヤ部43aはギヤ部43bの歯を1歯おきに持つことになり、上記ギヤ部21eの歯部21e1端部に位置する2歯分の歯厚の歯と噛み合うことができる。
【0091】
また、トレイ駆動カム21の側面でギヤ部21fの上方には、回転保持部21iが設けられている。回転保持部21iは、外径の大きい保持部21i1と、外径の小さい離間部21i2とから構成されている。そして、ギヤ43には、回転保持部21iと接する被保持部43cが設けられている。被保持部43cは、回転保持部21iの保持部21i1に沿う円弧状の面を、複数組み合わせて略正多角形状となるように構成されている。
【0092】
トレイ駆動カム21の側面でギヤ部21fと回転保持部21iとの間には、中間ギヤ44のギヤ部44a及び44bと噛み合うギヤ部21g及び21hが設けてある。ギヤ部21g及び21hは、ギヤ部44a及びギヤ部44bと噛み合う同位相の歯部21g1及び21h1と、噛み合わないギヤ離間部21g2及び21h2とによって構成されている。そして、ギヤ部21gはその片側端部においてギヤ部21hよりも1歯分多く、且つその端部の2歯分を1つの歯として結合した形状となっている。
【0093】
ギヤ部44aと44bとは同位相の歯形状であるが、ギヤ部21hの歯巾と対応する歯巾の狭い歯、即ちギヤ部44b側のみの歯と、ギヤ部21hよりギヤ部21gに至る範囲に対応する歯巾の広い歯、即ちギヤ部44a側とギヤ部44b側の両方に渡る歯とが、交互に配置されている。これにより、ギヤ部44aはギヤ部44bの歯を1歯おきに持つことになり、上記ギヤ部21gの歯部21g1端部に位置する2歯分の歯厚の歯と噛み合うことができる。
【0094】
また、トレイ駆動カム21の側面で回転保持部21iの上側には、回転保持部21jが設けられている。回転保持部21jは、外径の大きい保持部21j1と、外径の小さい離間部21j2とから構成されている。そして、ギヤ44には、回転保持部21jと接する被保持部44cが設けられている。被保持部44cは、回転保持部21jの保持部21j1に沿う円弧状の面を、複数組み合わせて略正多角形状となるように構成されている。
【0095】
ここで、中間ギヤ43のギヤ部43dは、中間ギヤ44のギヤ部44dと噛み合っている。そして、ギヤ部43a及び43bが歯部21e1及び21f1と噛み合い、トレイ駆動カム21からの駆動力が中間ギヤ43へと伝達される状態において、ギヤ部21g及び21hはギヤ離間部21g2及び21h2として作用し、且つ、被保持部43c及び44cは離間部21i2及び21j2の位置となる。
【0096】
逆に、ギヤ部44a及び44bが歯部21g1及び21h1と噛み合い、トレイ駆動カム21からの駆動力が中間ギヤ44へと伝達される状態において、ギヤ部21e及び21fはギヤ離間部21e2及び21f2として作用し、且つ、被保持部43c及び44cは離間部21i2及び21j2の位置となる。このように、2つの中間ギヤ43及び44がトレイ駆動カム21によって同時に駆動されることがないように、ギヤ部21e,21f,21g,及び21hは予め設定されている。
【0097】
図16は、上述した第1トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図である。同図(a)は第1トレイ駆動ギヤ8の平面図、同図(b)は中間ギヤ6の平面図を示している。また、同図(c)はこれらの分解斜視図である。同図に示した部分の装置上の配置関係は、主として図1,図2,図4,及び図10に示してある。
【0098】
中間ギヤ6は、トレイ収納部3Lに回転自在に取り付けられる中間伝達部材であって、図16に示すように、長軸部6aと、その外周に長手方向に設けられた溝部6b,6c、及び長軸部6aの下端に設けられたギヤ部6dを有している。溝部6b及び6cは、断面形状が略U字状或いは略V字状をなし、長軸部6aの略対角上に位置している。また、溝部6b及び6cの断面形状は異なっている。
【0099】
一方、第1トレイ駆動ギヤ8は、中央に穴部8aを有しており、穴部8a内周の略対角位置には、上記溝部6b及び6cにそれぞれ嵌入する、略U字状或いは略V字状の凸部8b及び8cが内側へ突設している。また、第1トレイ駆動ギヤ8外周には、歯巾の広い歯を持つギヤ部8dと、歯巾の狭い歯を持つギヤ部8eとが交互に配置されている。そして、第1トレイ駆動ギヤ8は、その凸部8b及び8cが中間ギヤ6の溝部6b及び6cと係合することにより、回転方向に規制を受けつつ中間ギヤ6の長軸部6aの長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0100】
そして、中間ギヤ6のギヤ部6dは、中間ギヤ44のギヤ部44dと噛み合っており、トレイ駆動カム21からの駆動力は、中間ギヤ43或いは44を介して中間ギヤ6へと回転伝達される。さらに、上述した回転規制の作用によって、中間ギヤ6の回転は第1トレイ駆動ギヤ8へと伝達される。
【0101】
第1トレイ駆動ギヤ8は、上記ギヤカバー7の略半円柱状のギヤ保持部7eに覆われるように保持されて、トレイ収納部3Lに取り付けられており、昇降カム5の回転に伴うギヤカバー7の昇降動作に従って、中間ギヤ6の長軸部6aに案内され、所定のトレイ位置へと昇降移動する。第1トレイ駆動ギヤ8の上記ギヤ部は、上述したトレイ4の左側面に形成されたラック4cと噛み合い、トレイ4を装置前方の着脱位置T1,装置前部の収納位置T2,及びこれより奥側の駆動切替位置T2’の間で移動させる。
【0102】
図17は、上述した第2トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図である。同図(a)は第2トレイ駆動ギヤ10の平面図、同図(b)は中間ギヤ9の平面図を示している。また、同図(c)はこれらの分解斜視図である。同図に示した部分の装置上の配置関係は、主として図1,図2,及び図10に示してある。
【0103】
中間ギヤ9は、筐体1に回転自在に取り付けられる中間伝達部材であって、図17に示すように、長軸部9aと、その外周に長手方向に設けられた溝部9b,9c、及び長軸部9aの下端に設けられたギヤ部9dを有している。溝部9b及び9cは、断面形状が略U字状或いは略V字状をなし、長軸部9aの略対角上に位置している。また、溝部9b及び9cの断面形状は異なっている。
【0104】
一方、第2トレイ駆動ギヤ10は、中央に穴部10aを有しており、穴部10a内周の略対角位置には、上記溝部9b及び9cにそれぞれ嵌入する、略U字状或いは略V字状の凸部10b及び10cが内側へ突設している。また、第2トレイ駆動ギヤ10外周には、歯巾の広い歯を持つギヤ部10dと、歯巾の狭い歯を持つギヤ部10eとが交互に配置されている。そして、第2トレイ駆動ギヤ10は、その凸部10b及び10cが中間ギヤ9の溝部9b及び9cと係合することにより、回転方向に規制を受けつつ中間ギヤ9の長軸部9aの長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0105】
そして、中間ギヤ9のギヤ部9dは、中間ギヤ57のギヤ部57dと噛み合っており、トレイ駆動カム21からの駆動力は、中間ギヤ56及び57を介して中間ギヤ9へと回転伝達される。さらに、上述した回転規制の作用によって、中間ギヤ9の回転は第2トレイ駆動ギヤ10へと伝達される。
【0106】
第2トレイ駆動ギヤ10は、上記トレイホルダー12に一体的に設けられたギヤ保持部12aに挟持されており、トレイホルダー12の昇降動作に従って、中間ギヤ9の長軸部9aに案内され、所定のトレイ位置へと昇降移動する。第2トレイ駆動ギヤ10の上記ギヤ部は、上述したトレイ4の左側面に形成されたラック4cと噛み合い、トレイ4を駆動切替位置T2’と装置後部の引き込み位置T3との間で移動させる。
【0107】
図18は、本実施形態のディスクローディング装置におけるトレイの移動を模式的に示す基本動作図である。同図では、装置の左側面を示している。本実施形態では、装置内に収納可能なディスク枚数を6枚として、6枚のトレイ4を備えたディスクローディング装置について説明する。各トレイ4は、以降の説明における便宜上、収納位置が最下段となるものをNo.1とし、最上段のNo.6まで順に番号を与えておく。
【0108】
また、以下の表1に、本ディスクローディング装置の基本動作を示す。同表(a)〜(h)の各行は、図18(a)〜(h)の状態にそれぞれ対応している。なお同表では、対応するトレイ選択手段駆動カムの回転位置、並びにトレイ駆動カムの回転位置も併せて記されている。これらについては後に詳述する。
【0109】
【表1】
Figure 0003644896
【0110】
図18及び表1に示すように、トレイ4はここに載置された上記ディスク15を着脱位置T1,収納位置T2,引き込み位置T3,及び再生位置T4に搬送するように構成されている。まず、着脱位置T1は、筐体1の前方外部でディスク15のトレイ4への着脱を行う位置である。次に、収納位置T2は、トレイ4が装置前部に位置する上記トレイ収納部3に収納される位置であり、上記トレイロック部材25に保持される位置である。なお、このトレイ収納部の下部に配置されたPは、図10に示した駆動力伝達機構である。
【0111】
そして、引き込み位置T3は、筐体1内の収納位置T2よりも更に奥側で、トレイ4がトレイホルダー12に引き込まれ、昇降可能となる位置である。最後に、再生位置T4は、筐体1奥側の引き込み位置T3の下部に位置する上記再生機構ユニット14に、ディスク15を再生可能な状態に搬送完了させた位置である。
【0112】
また、全てのディスク15が収納位置T2にあり、トレイホルダー12が下降して待機状態にあるとき、そのトレイホルダー12の位置は、図18(a)に示すように、再生位置T4よりも下がった待機位置T4’となる。この位置は、後述するように、トレイ4を保持するため、トレイ4,トレイホルダー12,及び筐体1の当たり位置関係を考慮したものである。
【0113】
さて、図18(a)及び表1(a)には、待機状態が示されている。待機状態は、No.1〜No.6の全トレイ4が収納位置T2にあり、第1トレイ駆動ギヤ8は、収納されている各トレイ4のラック4cと噛み合わないトレイ収納部3下部に位置し、また第2トレイ駆動ギヤ10とトレイホルダー12は、下限位置となる待機位置にある状態である。
【0114】
待機状態より、例えばNo.4のトレイ4に対してディスク15の着脱を行う場合、まず、図18(b)及び表1(b)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12が、選択されたNo.4のトレイ4の位置へと上昇する。次に、図18(c)及び表1(c)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8によってNo.4のトレイ4を駆動し、着脱位置T1へと移動させる。
【0115】
続いて、No.4のトレイ4を再生する場合には、まず、図18(d)及び表1(d)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8によってNo.4のトレイ4を駆動し、収納位置T2を経て装置内奥側の駆動切替位置T2’へと移動させる。このT2’は、トレイ4の駆動源が第1トレイ駆動ギヤ8から第2トレイ駆動ギヤ10へと切り換えられる位置である。
【0116】
次に、図18(e)及び表1(e)に示すように、第2トレイ駆動ギヤ10によってNo.4のトレイ4を駆動し、トレイホルダー12内の引き込み位置T3へと移動させる。さらに、図18(f)及び表1(f)に示すように、T3へと引き込まれたNo.4のトレイ4は、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12と共に、再生位置T4へと下降する。
【0117】
ここで、No.4のトレイ4上のディスク15を再生中に、他のディスク15の着脱を行うために、No.6のトレイ4が新たに選択された場合を考える。この場合、図18(g)及び表1(g)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8のみが、新たに選択されたNo.6のトレイ4の位置へと上昇する。そして、図18(h)及び表1(h)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8がNo.6のトレイ4を駆動し、着脱位置T1へと移動させる。
【0118】
以上が本ディスクローディング装置における基本動作の概要であり、動作するトレイ4はNo.1からNo.6まで任意に選択することができる。以下、待機状態より、ディスクの選択,再生、再生中における別ディスクの交換、という流れに沿って、本ディスクローディング装置の動作を詳しく説明する。
【0119】
図19は、トレイ選択手段駆動カムの構成を示す図である。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は回転位置を示す平面図である。同図(b)に示すように、トレイ選択手段駆動カム20は、中心の周りに略13等分した位置に回転位置を有している。そして、黒丸印の位置により回転位置を示す。ちなみに、同図は待機状態におけるPm7の位置を示している。
【0120】
また、以下の表2に、トレイ選択手段駆動カムの回転位置とトレイ駆動ギヤ位置との関係を示す。
【表2】
Figure 0003644896
【0121】
そして、図20は、トレイ駆動カムの構成を示す図である。同図(a)は回転位置を示す平面図であり、同図(b)は側面図である。同図(b)に示すように、トレイ駆動カム21は、中心の周りに数カ所で不等分した位置に回転位置を有している。そして、黒丸印の位置により回転位置を示す。ちなみに、同図は待機状態におけるPt2の位置を示している。
【0122】
さらに、図21〜図25は、トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図である。それぞれ(a)は平面、(b)は正面、(c)は左側面、(d)は(a)におけるC部詳細を示している。但し、図25のみC部詳細はギヤ部20d近傍とギヤ部20c近傍をそれぞれ(d),(e)に示している。
【0123】
また、図26は、状態保持機能を備えるギヤの構成を示す平面図である。同図(a)は中間ギヤ50周囲のギヤ部50aと、トレイ選択手段駆動カム20側面のギヤ部20bとの接触部分を示している。また、(b)〜(d)は各歯形状を示している。本実施形態では、同図に示すように、中間ギヤ50におけるギヤ部50aの歯車形状を、歯丈の低い歯50eの両側に歯丈の高い歯50dを配して、ギヤ部20bの欠歯部20b2に沿う構成としている。
【0124】
同図(c)に示す歯50dは、同図(b)に示す基本となる歯形状の先端部分を延長し、更にギヤ部20bの欠歯部20b2に沿うように、片側に斜面50d1を設けている。同図(d)に示す歯50eは、基本となる歯形状の先端側部分を、ピッチ円pに沿って切り落とした形状としている。これにより、ギヤ部50aとギヤ部20bの欠歯部20b2とが安定的に接触状態を維持し、中間ギヤ50が不要に回転してトレイホルダー12や第2トレイ駆動ギヤ10が昇降動作してしまうことを防止できる。
【0125】
また、中間ギヤ50におけるものと同様の形状を、中間ギヤ41のギヤ部41a、及び中間ギヤ42のギヤ部42aにも設けることで、それぞれ、トレイ選択手段駆動カム20のギヤ部20cにおける欠歯部20c2、及びギヤ部20dにおける欠歯部20d2と、接触状態を維持できるように構成している。これにより、昇降カム5が不要に回転してギヤカバー7及び第1トレイ駆動ギヤ8が昇降動作してしまうことを防止できる。
【0126】
図27は、このような状態保持機能を備えるギヤの動作に関する状態遷移図である。同図は、トレイ選択手段駆動カム20の矢印方向の回転による、(a)に示す待機状態におけるPm7の位置から、(h)に示すPm5の位置までの状態遷移を示している。詳しくは後述する。
【0127】
ここで、図21に示すように、本ディスクローディング装置は、通常、全てのトレイ4が収納位置T2に収納され、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12が最下位置となる待機状態で待機している。このとき、図27では(a)の状態となっている。ここでは各図に示すように、ギヤ部50aは、ギヤ部20bの欠歯部20b2と接触しており、トレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10を待機位置に保持している。同様に、ギヤ部42aはギヤ部20dの欠歯部20d2と接触しており、ギヤカバー7及び第1トレイ駆動ギヤ8を待機位置に保持している。
【0128】
さて、図示しないトレイ選択決定手段によって再生するディスクが決定されたとき、選択されたトレイ4を収納位置T2からトレイホルダー内の引き込み位置T3へと移動させるため、上述の第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12を、選択されたトレイ位置まで上昇移動する。
【0129】
このとき、トレイ選択決定手段によるディスク選択に従って、トレイ選択手段駆動用のモーター30が駆動され、モーター30の駆動力はピニオンギヤ30aから中間ギヤ32,33,及び34の各段を介することで、減速されながら中間ギヤ35に伝達される。中間ギヤ35は、筐体1に配置されたトレイ選択手段駆動カム20のギヤ部20aと噛み合って、当該カム20を回転駆動する。
【0130】
上述したように、ギヤカバー7と、それに伴う第1トレイ駆動ギヤ8の昇降移動は、トレイ選択手段駆動カム20側面のギヤ部20cと中間ギヤ41とが噛み合い、中間ギヤ42を介して昇降カム5が回転駆動されることによって行われる。このとき、ギヤ部20dはギヤ離間部20d3として作用しており、中間ギヤ42とギヤ部20dとは噛み合っていない。また、トレイホルダー12と、それに伴う第2トレイ駆動ギヤ10の昇降移動は、トレイ選択手段駆動カム20側面のギヤ部20bと中間ギヤ50との噛み合いにより、第2トレイ昇降ギヤ18が駆動されることによって行われる。
【0131】
上記の昇降動作は、図19(b)において、トレイ選択手段駆動カム20の黒丸印がPm7の位置からPm1の位置までの間で矢印で示すように回転することで、同時に行われる。ここで、選択されたトレイ位置への上昇移動に際し、トレイ選択手段駆動カム20は、まず、Pm7よりPm6の位置へと回転し、これにより、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12がNo.1のトレイ4の位置へと上昇移動を行う。
【0132】
トレイ選択手段駆動カム20が、Pm7の位置よりPm6の位置へと回転すると、ギヤ部20bの歯部20b1とギヤ部50aとが噛み合い、図27(b)の状態から、(c),(d)を経て(e)の状態へと中間ギヤ50は2/3回転だけ回転駆動される。図27(e)はPm6の回転位置であって、これは図23に示すように、トレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10が、No.1のトレイ4の位置へと上昇した位置である。
【0133】
即ち、待機位置よりNo.1のトレイ4の位置までの移動が、中間ギヤ50の2/3回転に対応するように、中間ギヤ51,52,53,及び55と、第1トレイ昇降ギヤ11,第2トレイ昇降ギヤ18等が設定されている。また図27(e)の位置において、ギヤ部50aとギヤ部20bの欠歯部20b2とは再び接触状態となり、上記No.1のトレイ4の位置にトレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10を保持する。
【0134】
一方、図21から図23に示した、トレイ選択手段駆動カム20のPm7の位置よりPm6の位置への回転において、図22に示すように、中間ギヤ42のギヤ部42aとギヤ部20dの欠歯部20d2とが接触状態を維持しつつ、中間ギヤ41のギヤ部41aとギヤ部20cの欠歯部20c2とが接触状態となる。続いて、ギヤ部20dはギヤ離間部20d3が作用する状態へと移行し、昇降カム5は、中間ギヤ41のギヤ部41aとギヤ部20cの欠歯部20c2との接触において保持されている状態となる。
【0135】
さらに、トレイ選択手段駆動カム20が同図(a)における時計方向に回転すると、ギヤ部20cとギヤ部41aとの噛み合い、ギヤ部41bとギヤ部42aとの噛み合い、及びギヤ部42bとギヤ部5aとの噛み合いによって、昇降カム5が回転する。この昇降カム5の回転によって、ギヤカバー7がNo.1のトレイ4の位置へと上昇し、それに伴い第1トレイ駆動ギヤ8も上昇するように、昇降カム5は予め設定されている。
【0136】
そして、Pm6の位置において、ギヤ部41aとギヤ部20cの欠歯部20c2とは再び接触状態となり、No.1のトレイ4の位置にギヤカバー7及び第1トレイ駆動ギヤ8を保持する。上述のように、図23に示したPm6の位置において、ギヤ部50aはギヤ部20bの欠歯部20b2と接触しており、トレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10をNo.1のトレイ4の位置に保持している。同様に、ギヤ部41aはギヤ部20cの欠歯部20c2と接触しており、ギヤカバー7及び第1トレイ駆動ギヤ8をNo.1のトレイ4の位置に保持している。
【0137】
なお、図21から図23に示したように、第1トレイ駆動ギヤ8に伴いギヤカバー7(ここでは不図示)が上昇移動することによって、ギヤカバー7に設けられた斜面7cの上側が、No.1のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aと当接する。ギヤカバー7が更に上昇して行くと、トレイロック部材25は斜面7cの上側に沿って、ロック部材押さえバネ26の付勢力に抗しながら、トレイ収納部3Lのガイド溝3cに案内されて、装置側面外側へと移動し始める。
【0138】
また、ギヤカバー7によって保持されている第1トレイ駆動ギヤ8は、No.1のトレイ4側面に設けられたラック4cと噛み合う。即ち、第1トレイ駆動ギヤ8とNo.1のトレイ4のラック4cが噛み合い始める時点において、No.1のトレイ4はトレイロック部材25によって保持されており、噛み合わせを円滑に行えるようにしている。さらに、図23に示したNo.1のトレイ4の位置において、ロック解除部25aは斜面7cの頂部7dへと達し、図8に示したように、トレイロック部材25はラック4cのロック部4mより離れ、No.1のトレイ4のロック解除が行われる。
【0139】
以上のように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、No.1のトレイ4の位置へと上昇し、No.1のトレイ4がトレイホルダー12へと引き込み可能な状態となる。選択されたトレイ4がNo.1のトレイ4以外であった場合、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、引き続きNo.2のトレイ4の位置へと上昇移動することとなる。
【0140】
そして、No.1のトレイ4の位置よりNo.2のトレイ4の位置への移動は、トレイ選択手段駆動カム20がPm6の位置よりPm5の位置へと回転駆動されることによって行われる。トレイ選択手段駆動カム20が、Pm6の位置よりPm5の位置へと回転すると、ギヤ部20bとギヤ部50aとが噛み合い、図27(e)の状態から、(f),(g)を経て(h)の状態へと中間ギヤ50は1/3回転だけ回転駆動される。図27(h)はPm5の回転位置であって、これは図24に示すように、トレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10が、No.2のトレイ4の位置へと上昇した位置である。
【0141】
即ち、重畳して収納されたトレイ4において、隣接する1段分の移動が、中間ギヤ50の1/3回転に対応するように、中間ギヤ51,52,53,及び55と、第1トレイ昇降ギヤ11,第2トレイ昇降ギヤ18等が設定されている。また図27(h)の位置において、ギヤ部50aとギヤ部20bの欠歯部20b2とは再び接触状態となり、上記No.2のトレイ4の位置にトレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10を保持する。
【0142】
一方、上述したトレイ選択手段駆動カム20のPm6の位置からPm5の位置への回転によって、ギヤ部20cとギヤ部41aが噛み合い、中間ギヤ42を介して昇降カム5が回転する。この昇降カム5の回転によって、ギヤカバー7はNo.2のトレイ4の位置へと上昇し、それに伴い第1トレイ駆動ギヤ8も上昇するように、昇降カム5は予め設定されている。そして、Pm5の位置において、ギヤ部41aとギヤ部20cの欠歯部20c2とは再び接触状態となり、No.2のトレイ4の位置にギヤカバー7及び第1トレイ駆動ギヤ8を保持する。
【0143】
なお、図23及び図24に示したように、第1トレイ駆動ギヤ8に伴いギヤカバー7(ここでは不図示)が上昇移動することによって、No.1のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aは、ギヤカバー7の斜面7cの頂部7dより下側に沿うように、ロック部材押さえバネ26の付勢力に従って装置側面内側へと移動し、No.1のトレイ4を収納位置T2にて保持する。
【0144】
また、ギヤカバー7に設けられた斜面7cの上側が、No.2のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aと当接する。ギヤカバー7が更に上昇して行くと、トレイロック部材25は斜面7cの上側に沿って、ロック部材押さえバネ26の付勢力に抗しながら、トレイ収納部3Lのガイド溝3cに案内されて、装置側面外側へと移動し始める。
【0145】
また、ギヤカバー7によって保持されている第1トレイ駆動ギヤ8は、No.2のトレイ4側面に設けられたラック4cと噛み合う。即ち、第1トレイ駆動ギヤ8とNo.2のトレイ4のラック4cが噛み合い始める時点において、No.2のトレイ4はトレイロック部材25によって保持されており、噛み合わせの切り換えを円滑に行えるようにしている。さらに、図24に示したNo.2のトレイ4の位置において、ロック解除部25aは斜面7cの頂部7dへと達し、図8に示したように、トレイロック部材25はラック4cのロック部4mより離れ、No.2のトレイ4のロック解除が行われる。
【0146】
以上のように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、No.2のトレイ4の位置へと上昇し、No.2のトレイ4がトレイホルダー12へと引き込み可能な状態となる。この動作は、或るトレイ位置にて保持されている第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12を、隣接する1段上のトレイ位置へと移動させるものであって、No.2のトレイ4の位置よりNo.3のトレイ4の位置、或いはNo.5のトレイ4の位置よりNo.6のトレイ4の位置への移動も同様の動作によって行われる。
【0147】
即ち、選択されたトレイ4がNo.2のトレイ4よりも上部のトレイであった場合、No.2のトレイ4の位置より、1段分の上昇動作を繰り返し行うことによって、目的のトレイ位置へと第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12を移動させることができる。
【0148】
また、これら第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12の所定の各トレイ位置への移動は、上述した待機位置よりNo.1のトレイ4の位置への移動も含めて、トレイ選択手段駆動カム20の回転駆動によって行われ、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12の上昇位置は、トレイ選択手段駆動カム20の回転角度によって決められるので、トレイ選択手段駆動カム20の図示しない角度検出スイッチによって、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12の位置を検出し、モーター30の回転駆動を制御することができる。
【0149】
さらに、上述したように、トレイホルダー12は、動作中の傾きが一定の方向になるように設定されており、各トレイ位置へと移動する際、トレイホルダー12の姿勢がガタツキによりその時々で変化することを防止し、安定したトレイ4の出し入れを可能としている。
【0150】
以下、中間ギヤ53からトレイホルダー12への駆動力の伝達について、詳細に説明する。まず、トレイホルダーを上昇させる場合について述べる。図13に示したように、中間ギヤ53の回転駆動は、ギヤ部53aからギヤ部11aによって第1トレイ昇降ギヤ11に伝達され、これは図14中の時計方向へと回転する。時計方向への回転の場合には、第1トレイ昇降ギヤ11の周辺近傍に一箇所設けられた凸部11eが、調整プレート17の下端に設けられた舌片状の調整部17aに当接し、回転動作を調整プレート17へと伝達する。
【0151】
第2トレイ昇降ギヤ18は、バネ掛け部18bとガイド部18dとが一体的に形成されている支持部18eを有する。当該支持部18eは、調整プレート17上端に設けられた切り欠き部17dに嵌入されるように構成されている。調整プレート17の回転駆動は、図14に示す切り欠き部17dの左側内側面と、支持部18eの左側外側面との当接によって、第2トレイ昇降ギヤ18へと伝達される。
【0152】
また、第2トレイ昇降ギヤ18の外周に設けられたギヤ部18aと、トレイホルダー12側面に設けられたラック12cとが噛み合っており、第2トレイ昇降ギヤ18に伝達された時計方向の回転によって、ラック12c即ちトレイホルダー12が上昇移動する。
【0153】
第1トレイ昇降ギヤ11と第2トレイ昇降ギヤ18の相対角度は、第1トレイ昇降ギヤの凸部11eと調整プレート17の調整部17aとが当接する位置によって決定される。これは、調整プレート17本体と調整部17aとの間に設けられた調整用間隙17bの幅を、調整部17aを折り曲げて変化させることによって調整することができる。これにより、装置組立後において、トレイ収納位置に対してトレイホルダーの上昇高さを微調整する等、トレイホルダーの高さ調整を簡単な方法で行うことが可能となっている。
【0154】
次に、トレイホルダーを下降させる場合について述べる。図13に示したように、中間ギヤ53の回転駆動は、ギヤ部53aからギヤ部11aによって第1トレイ昇降ギヤ11に伝達され、これは図14中の反時計方向へと回転する。反時計方向への回転の場合には、第1トレイ昇降ギヤ11の穴部11bと第2トレイ昇降ギヤ18に設けられたバネ掛け部18bとの間に取り付けられた、引っ張りコイルバネ19を介して、回転動作が伝達される。
【0155】
また、第2トレイ昇降ギヤ18の外周に設けられたギヤ部18aと、トレイホルダー12側面に設けられたラック12cとが噛み合っており、第2トレイ昇降ギヤ18に伝達された反時計方向の回転によって、ラック12c即ちトレイホルダー12が下降移動する。トレイホルダー12が下降し、再生位置T4に達した時、トレイホルダー12内のトレイ4は、上記引っ張りコイルバネ19の引っ張り力によって、筐体1に押し付けられる。これにより、装置外部よりの外乱振動を受けても、トレイ4が振動して再生中のディスクと接触するのを防止することができる。
【0156】
上述したような各トレイ昇降ギヤの働きによって、トレイホルダー12の昇降動作が行われる。本実施形態では、このようなトレイ昇降ギヤを筐体1の右側面にも配置することによって、中間ギヤ53と同期して回転する中間ギヤ55から、トレイホルダー12の右側面に設けられたラック12cへと駆動力を伝達し、昇降動作をより安定させ確実な動作が行える構成としている。
【0157】
なお、本ディスクローディング装置を内蔵する製品の出荷等により、本ディスクローディング装置の輸送を行う際には、本ディスクローディング装置が待機状態となっていることを想定しているが、こうした装置輸送時において落下等の衝撃が装置に加わった場合には、トレイホルダー12が上方へと持ち上げられ、トレイホルダー12を待機位置に保持している各ギヤに過大な負荷が加わり、各ギヤ等の破損を起こすことが考えられる。
【0158】
このため、図9に示したように、待機状態では上記中間ギヤ50のロック部材50cとトレイホルダー12のリブ12fが係合する位置関係となっており、トレイホルダー12が突発的な衝撃によって持ち上げられようとした時、リブ12fにロック部材50cが当接するので、トレイホルダー12の動きを規制することができる。
【0159】
これにより、各ギヤに対して過大な負荷が発生するのを防ぐことができるため、ギヤ破損等のような装置の動作に支障を来す故障を回避することができる。また、通常の動作においてトレイホルダー12が昇降する場合には、中間ギヤ50は駆動力を伝達するために回転しており、リブ12fとロック部材50cが当接しないように設定されている。
【0160】
ところで、図28はトレイホルダー及びディスク脱落防止部材の構成を示す図であり、同図(a)が正面図、同図(b)が主要部の分解斜視図である。同図に示すように、上部カバー2Fには装置に水平な前後方向を軸とする、中央付近及び左側の計2ヶ所の穴部2cが設けられている。そして、各々の穴部に対して、長板状の各ディスク脱落防止部材24の上端に設けられた軸部24aが回動自在に嵌入されている。
【0161】
一方、各ディスク脱落防止部材24の下端に設けられた軸部24bは、対応するトレイホルダー12に設けられた左右のガイド穴12dにそれぞれ摺動自在に取り付けられている。ここでは、2つのディスク脱落防止部材24の間隔は、小径であるディスク16の直径より狭くなるように設定してある。各ディスク脱落防止部材24は、トレイホルダー12の昇降動作に従って、互いに一定間隔を保ちながら、各軸部24a周りに回動する。
【0162】
これにより、ディスクが載置され収納位置にあるトレイ4に対し、例えばその上部に位置するトレイ4が再生位置へと移動して、ディスク上面方向の規制がなくなった場合でも、装置の傾きや衝撃などによって、収納位置にあるディスクが装置内奥側の再生機構ユニット部分へと脱落したりすることを防止できる。なお、同図(a)に示す上部カバー2F下面より下方に延びるピン状の2aは、ディスク押さえ13に固着したディスクを解離するためのディスク解離部である。詳しくは後述する。
【0163】
以上説明したようにして、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、図示しないトレイ選択決定手段によって選択されたトレイ位置まで上昇移動する。次に、収納位置より再生位置へのトレイ4の移動について説明する。
【0164】
図29〜図38は、トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図である。それぞれ(a)はトレイ駆動カム21下部及びその関係各部の平面、(b)はトレイ駆動カム21上部及びその関係各部の平面、(c)は第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイ4等の平面を示している。そして、(d)は(a)におけるE部詳細、(e)は(b)におけるF部詳細、(f)は(c)におけるG部詳細或いはH部詳細をそれぞれ示している。
【0165】
さて、トレイホルダー12が、収納位置T2に収納されている、選択されたトレイ4の対向位置へと上昇したことを、図示しないトレイ位置検出スイッチによって検出すると、図10等で示した、トレイ選択手段駆動用のモーター30が停止するとともに、トレイ駆動用のモーター31が駆動される。モーター31の駆動力は、ピニオンギヤ31aから中間ギヤ36及び37を介して、減速されながら中間ギヤ38に伝達される。中間ギヤ38は、筐体1に回動自在に配置されたトレイ駆動カム21のギヤ21aと噛み合って、当該カム21を回転駆動する。
【0166】
図20に示すように、トレイ駆動カム21には、ギヤ部21c〜21hが設けられている。ギヤ部21g及びギヤ部21hは、中間ギヤ44を介して上記中間ギヤ6を駆動する。また、ギヤ21e及びギヤ21fは、中間ギヤ43と噛み合い、中間ギヤ44を介して中間ギヤ6を駆動する。トレイ4が収納位置T2にある時、トレイ駆動カム21は、同図に示すような黒丸印がPt2の位置にある状態となっている。
【0167】
このようなPt2の位置におけるトレイ駆動カム21及びその関係各部は、図29に示す状態となっている。ここではトレイ駆動カム21の側面に設けられた回転保持部21iの保持部21i1と、中間ギヤ43に設けられた被保持部43cとが接触し、中間ギヤ44及び中間ギヤ6を介して第1トレイ駆動ギヤ8が回転しないように保持しているとともに、トレイ駆動カム21の側面に設けられた回転保持部21bの保持部21b1と、中間ギヤ56に設けられた被保持部56cとが接触し、中間ギヤ57及び中間ギヤ9を介して第2トレイ駆動ギヤ10が回転しないように保持している。これにより、上述したような重畳して収納された各トレイ4に対する、第1トレイ駆動ギヤ8の昇降動作を確実なものとしている。
【0168】
選択されたトレイ4をトレイホルダー12へと引き込む場合、トレイ駆動カム21は、図20に示すPt2の位置よりPt2’の位置を経てPt3の位置へと矢印で示すように回転駆動される。トレイ駆動カム21がPt2の位置よりPt2’の位置へと回転すると、まず、図30に示すように、回転保持部21iが離間部21i2として作用し、被保持部43cとの接触が解かれて回転可能な状態となる。
【0169】
次に、ギヤ部21e’とギヤ部43aとが噛み合い、中間ギヤ44及び中間ギヤ6を介して、第1トレイ駆動ギヤ8が反時計方向に駆動される。ここで、第1トレイ駆動ギヤ8とトレイ4の側面に設けられたラック4cとが噛み合っているため、トレイ4は収納位置T2より駆動切替位置T2’へと移動し始める。このとき、回転保持部21bは離間部21b2として作用し、中間ギヤ56は回転可能な状態となっている。
【0170】
さらに、トレイ駆動カム21の回転が進んだ状態では、図31に示すように、ギヤ部21e’とギヤ部43aとの噛み合いが離れるとともに、回転保持部21iの保持部21i1と被保持部43cとが当接し、第1トレイ駆動ギヤ8を更に回転させ、トレイ4を装置奥側へと移動させる。このとき、中間ギヤ56は引き続き回転規制されない状態であり、トレイ4の移動に伴って、ラック4c後端部の歯4nと第2トレイ駆動ギヤ10とが噛み合い始める。
【0171】
ところで、第2トレイ駆動ギヤ10は、図17に示したように、中間ギヤ56におけるギヤ部56a及び56bと同様にして、歯巾の異なる歯が1歯ずつ交互に配置されるように構成されており、また上記ラック4c後端部の歯4nは、第2トレイ駆動ギヤ10の、歯巾の広い歯と噛み合うように構成されている。このような構成とすることによって、これらの歯の噛み合い開始時に、歯同士が接触して破損する等の不具合を回避することができる。また、歯4nはラック4c前端部にも設けられており、第1トレイ駆動ギヤ8との噛み合い開始時においても、これらの歯同士の接触,破損を回避することができる。
【0172】
図32は、トレイ駆動カム21がPt2’の位置へと達した状態、即ちトレイ4が駆動切替位置T2’となる状態を示している。ここでは回転保持部21iの保持部21i1と被保持部43cとが接触することによって、中間ギヤ44及び中間ギヤ6を介して第1トレイ駆動ギヤ8が回転しないように保持されている。また、回転保持部21bの保持部21b1と被保持部56cとが接触することによって、中間ギヤ57及び中間ギヤ9を介して第2トレイ駆動ギヤ10が回転しないように保持されている。
【0173】
図33は、トレイ駆動カム21がPt2’の位置よりPt3の位置へと時計方向に回転している途中の状態を示している。ここでは回転保持部21iは離間部21i2として作用し、被保持部43cとの接触が解かれて、中間ギヤ44及び中間ギヤ6を介した第1トレイ駆動ギヤ8は、回転可能な状態となる。次に、中間ギヤ56のギヤ部56aと、トレイ駆動カム21側面に設けられたギヤ部21dとが噛み合って、トレイ4の駆動が第1トレイ駆動ギヤ8から第2トレイ駆動ギヤ10へと移行する。そして、これによりトレイ4が装置内奥部のトレイホルダー12へと移動する。
【0174】
ここで、ギヤ部21dの歯部21d1端部の歯形状は、上述したように、2歯分を結合して作られた大きな歯であるが、これは、ギヤ部56bに対して1歯おきになるように構成されたギヤ部56aと噛み合うものであり、その噛み合い開始時において、これらの歯同士の接触による破損等の不具合を回避するものである。
【0175】
図34は、更にトレイ駆動カム21の回転が進み、Pt3の位置へと達した状態、即ち選択されたトレイ4が引き込み位置T3へと達した状態を示している。ここでは中間ギヤ43は引き続き回転規制されない状態であるが、回転保持部21jの保持部21j1が中間ギヤ44の被保持部44cと接触することによって、中間ギヤ6及び第1トレイ駆動ギヤ8が回転しないように保持されている。
【0176】
そして、ギヤ部21d及び21cはそれぞれギヤ部56a及び56bとの噛み合いによる回転を終えており、回転保持部21bの保持部21b1が被保持部56cと接触することによって、中間ギヤ57及び中間ギヤ9を介した第2トレイ駆動ギヤ10が、回転しないように保持されている。以上のような動作によって、選択されたトレイ4は、収納位置T2より引き込み位置T3へと移動する。
【0177】
また、選択されたトレイ4に対してディスク交換を行う場合は、トレイ4は収納位置T2より着脱位置T1へと移動するが、これはトレイ駆動カム21がPt2の位置よりPt1の位置へと回転することによって行われる。図35は、トレイ駆動カム21がPt2の位置よりPt1の位置へと回転している途中の状態を示している。ここでは回転保持部21iは離間部21i2として作用し、被保持部43cとの接触が解かれて規制のない状態となり、中間ギヤ43のギヤ部43aと、トレイ駆動カム21側面に設けられたギヤ部21eとが噛み合って、トレイ4を着脱位置T1方向へと移動させる。
【0178】
ここで、ギヤ部21e端部の歯形状は、上述したように、2歯分を結合して作られた大きな歯であるが、これは、ギヤ部43bに対して1歯おきになるように構成されたギヤ部43aと噛み合うものであり、その噛み合い開始時において、これらの歯同士の接触による破損等の不具合を回避するものである。
【0179】
更にトレイ駆動カム21の回転が進むと、ギヤ部21e及び21fはそれぞれギヤ部43a及び43bと噛み合って、中間ギヤ44,中間ギヤ6,及び第1トレイ駆動ギヤ8を介してトレイ4が駆動される。そして、図36に示すように、トレイ駆動カム21がPt1の位置へと達した時点で、トレイ4は着脱位置T1となる。この間、回転保持部21bは被保持部56cと接触状態を維持し、中間ギヤ57及び中間ギヤ9を介した第2トレイ駆動ギヤ10は回転しないように保持されている。
【0180】
トレイ4が着脱位置T1にある状態で、筐体1外部においてディスク交換が行われた後、上記と逆の手順によって、トレイ駆動カム21はPt1の位置よりPt2の位置へと回転し、トレイ4は収納位置T2へと戻される。
【0181】
ところで、トレイ4は、着脱位置T1と引き込み位置T3との間の移動において、図3に示したトレイ収納部3R及び3Lに一体的に設けられたトレイガイド部3a、及び図9に示したトレイホルダー12に一体的に設けられたトレイガイド部12eが、図7に示したトレイ4下面側に設けられたガイド溝4dと係合することによって案内されている。
【0182】
本実施形態では、トレイ収納部3Rに設けられたトレイガイド部3a及び3bと、トレイ収納部3Lに設けられたトレイガイド部3a及び3bとの間の距離l(図3参照)は、ディスク15の直径Dよりも短く設定されている。これにより、ディスク15がトレイ4に載置された状態で収納位置にある時、トレイ載置面とその上段側に隣接するトレイガイド部3a若しくは3bとによって挟持されることとなり、ディスク載置用の凹部4aの範囲から外れて移動したり、トレイ4から脱落すること等を防止できる。
【0183】
また図39に、トレイホルダーにおけるディスクずれ防止機構に関する図を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)はa−a断面図、同図(c)はb−b断面図である。同図に示すように、トレイホルダー12には、ディスクずれ防止部12g及び12lがそれぞれ一体的に設けられている。トレイ4が引き込み位置T3にある状態において、ディスクずれ防止部12lは、トレイ4上の凹部4a外周に位置し、ディスクずれ防止部12gは、トレイ4の上面に設けられた溝4gへと導入される。
【0184】
これにより、トレイ4上のディスク15或いは16が、凹部4a或いは4bから外れて装置内奥側へと移動した時、ディスク15或いは16は、ディスクずれ防止部12lによって規制され、ディスクずれ防止部12gへと乗り上げる。ディスクずれ防止部12gに乗り上げたディスクは、同図(c)に示すように、自重によってトレイ4上のディスク載置部へと戻る。ここではディスク16の例を図示している。
【0185】
また、選択されたトレイ4及びこれが引き込まれたトレイホルダー12を、引き込み位置T3より再生位置T4へと移動するには、上述した第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12の上昇動作と逆の手順を行う。即ち、図23から図24にかけて、及び図27(f)から(h)にかけて示したように、トレイ選択手段駆動カム20をPm6の位置よりPm5の位置へと回転させることにより、No.1のトレイ4の位置よりNo.2のトレイ4の位置への1段分の上昇動作が行われるが、これと逆の手順により1段分の下降動作を行うことができる。
【0186】
このような1段分の下降動作と同様の動作を、選択されているトレイ位置に応じて必要回数繰り返すことにより、Pm1の位置よりPm5の位置までの間に対応する、No.6のトレイ4の位置よりNo.2のトレイ4の位置までの間における任意の位置より、Pm6の位置即ちNo.1のトレイ4の位置まで、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12下降させることができる。
【0187】
また、Pm6の位置(No.1のトレイ4の位置)よりPm7の位置(再生位置)への移動は、同様にして、図21から図23にかけて、及び図27(a)から(f)にかけて示した、トレイ選択手段駆動カム20のPm7の位置よりPm6の位置への回転による、再生位置よりNo.1のトレイ4の位置への上昇動作と、逆の手順により行うことができる。
【0188】
そして、トレイホルダー12が再生位置T4に下降する時、トレイ4に設けられた穴部4e及び4fに、図6で示した再生機構ユニット14のターンテーブル61とピックアップ62が各々導入される。この場合、まず、ディスク15がターンテーブル61上に載置され、ピックアップ62とディスク15が情報の読み取り可能な距離に保持される。
【0189】
図40は、再生位置T4におけるトレイ保持機構に関する部分の構成を示す左側面図である。同図に示すように、ここでは筐体1の底面より上方に突出するトレイ支持部1cが、これに対応してトレイホルダー12に設けられた穴部12iを貫通して、トレイ4の下面に当接する。これにより、トレイ4は下降を停止する。
【0190】
さらに、トレイホルダー12が下限まで移動する過程で、ディスク押さえ13がトレイ4に載置されたディスク15上へと下降し、これによりディスク押さえ13と上記ターンテーブル61とがディスク15を挟持する。そして、トレイホルダー12の上部に設けられたトレイ押さえ部12j及び12kが、トレイ4の上面に当接した時点で、トレイホルダー12は動作を停止する。
【0191】
この時点で、トレイ選択手段駆動カム20はPm7の位置には達しておらず、そのまま回転し続ける。トレイホルダー12の停止に伴い、第2トレイ昇降ギヤ18は回転を停止するが、トレイ選択手段駆動カム20の駆動力によって、第1トレイ昇降ギヤ11は、引っ張りコイルバネ19に抗して回転を継続する(図13,図14参照)。その後、トレイ選択手段駆動カム20がPm7の位置へと達したことが、図示しない角度検出スイッチによって検出された時点で、モーター30の回転は停止し、トレイホルダー12の再生位置への移動が完了する。
【0192】
図41〜図43は、トレイホルダーの位置関係を示す左側面図である。図41は再生位置状態、図42は待機位置状態を示している。再生位置状態は、トレイ4が搭載された状態であり、待機位置状態は、トレイ4が搭載されない状態である。また、図43はNo.1のトレイ4の位置状態である。図41に示すように、再生位置状態とは、トレイホルダー12がその内部のトレイ4を、筐体1のトレイ支持部1cに、引っ張りコイルバネ19の引っ張り力にて押し付けた状態である。即ち、図42の待機位置状態に示すように、トレイホルダー12が押し付けられるべきトレイ4を搭載していない場合は、トレイ4を搭載している場合の再生位置より、バネの引っ張り力を作用させている距離分、下方向に位置することとなる。
【0193】
従って、上述した、トレイホルダー12の上部に設けられたトレイ押さえ部12j及び12kが、トレイ4の上面に当接し、トレイホルダー12が動作を停止した時点で、図41に示すように、トレイホルダー12のボス12bと筐体1の当接部1dとの間には、隙間IIが生じた状態となる。
【0194】
さらに、上述した、トレイ選択手段駆動カム20がPm7の位置へと達し、トレイホルダー12の再生位置への移動が完了した時点では、同図に示した、第1トレイ昇降ギヤ11と第2トレイ昇降ギヤ18の回転角度の差によって生じる、調整プレート17と第1トレイ昇降ギヤ11との成す角度、即ち調整部17aと凸部11eとの開き角度Iは、図42に示した、待機位置状態における開き角度I'よりも大きくなっている。
【0195】
このような構成とすることで、上述したように、再生位置においてトレイホルダー12内のトレイ4は、引っ張りコイルバネ19の付勢力によって、筐体1側に押し付けられることとなり、装置外部よりの外乱振動を受けても、トレイ4が振動して再生中のディスクと接触するのを防止することができる。以上のようにして、収納位置T2より再生位置T4へのディスク及びトレイ4の移動が行われる。
【0196】
なお、本実施形態によるディスクローディング装置を、例えばCD用からDVD用等へと、規格の異なるディスクを再生するために用いる場合、上記ピックアップ62をその規格に適合するものに変更する必要がある。このとき、ピックアップが変更前より大きくなると、トレイ4におけるピックアップを導入用の穴部4fも大きくする必要が生じ、ここからのディスク脱落による動作不具合や、装置の故障が懸念されることとなる。このような場合、トレイ4にディスク支持部材を取り付ける構成としても良い。
【0197】
図44は、トレイ4にこのようなディスク支持部材を備えた場合の構成を示す分解斜視図である。同図(a)はトレイ4の構成を示し、同図(b)は再生機構ユニット周辺の構成を示している。同図において、トレイ104の左後部下面側には、略三角板形状のディスク支持部材22が取り付けられている。ディスク支持部材22は、軸22bでトレイ104に対して矢印方向に回動自在に配置され、先端22c側が穴部104fの下面側に導出されている。そして、軸22b周りのねじりコイルバネ23によって、平面視時計方向即ちディスクを支持する方向へと回転付勢されている。
【0198】
一方、筐体1後部には、再生機構ユニット14左後端角部付近に、これも略三角板形状の支持解除部1bが上方に突設しており、またトレイ104にはこの支持解除部1bが導入されるスリット状の穴部104hが開けられている。穴部104h下側には、ディスク支持部材22の先端22cと反対側に設けられた回転入力部22aが、ねじりコイルバネ23の回転付勢力によって導出されている。
【0199】
以上のような構成において、トレイ104が図示しないトレイホルダーと共に、再生位置へと下降するとき、支持解除部1bの斜面1b1は、ディスク支持部材22の回転入力部22aと当接する。更にトレイ104が下降すると、支持解除部1bは穴部104hに導入されながら、斜面1b1が回転入力部22aに摺動しつつこれを押し、ディスク支持部材22をねじりコイルバネ23の回転付勢力に抗して、平面視反時計方向に回動させる。
【0200】
トレイ104及びトレイホルダー12が再生位置に達した時、ディスク支持部材22は、穴部104fの範囲外への回動を完了し、ピックアップ62の動作を阻害しないように、穴部104fを開口する。これにより、トレイの昇降動作を行うだけでディスクの支持或いは支持の解除を行う機構が、簡単な構成で実現できる。
【0201】
次に、ディスク再生中における別ディスクの交換について説明する。或るディスクが再生位置T4にあって再生状態のとき、別のトレイに搭載されているディスクの交換を行う場合、新たに選択されたそのトレイを収納位置T2と着脱位置T1との間で移動させることとなる。
【0202】
図示しないトレイ選択決定手段によって、ディスクの交換を行うトレイ4が新たに決定されると、トレイ選択手段駆動カム20がモーター30によって、図19(b)に示したPm7の位置からPm13の位置までの間で回転駆動される。Pm7の位置である再生若しくは待機状態における、トレイ選択手段駆動カム20に関連する各部の位置関係は、上述の如く図21に示したとおりである。ここでは中間ギヤ42のギヤ部42aと、ギヤ部20dの欠歯部20d2とが接触状態を維持しながら、昇降カム5を保持し、中間ギヤ50のギヤ部50aと、ギヤ部20bの欠歯部20b2とが接触状態を維持しながら、トレイホルダー12を再生位置に保持している。
【0203】
第1トレイ駆動ギヤ8を、新たに選択されたトレイ4の位置へと上昇移動させる動作として、まず、上記再生状態より、図25に示したNo.1のトレイ4の位置への移動について説明する。トレイ選択手段駆動カム20は、モーター30の回転によって、図19(b)に示したPm7の位置より、Pm8の位置へと反時計方向に駆動される。この間において、中間ギヤ50のギヤ部50aとギヤ部20bの欠歯部20b2とが引き続き接触状態を維持し、第2トレイ駆動ギヤ10及びトレイホルダー12を再生位置に保持し続ける。
【0204】
中間ギヤ42のギヤ部42aは、トレイ選択手段駆動カム20の側面に設けられたギヤ部20dの歯部20d1と噛み合い、これにより中間ギヤ42は1/3回転だけ駆動される。中間ギヤ42からの駆動力は、昇降カム5のギヤ部5aへと伝達され、昇降カム5の回転によって、ギヤカバー7とそれに伴う第1トレイ駆動ギヤ8とを上昇移動させる。このとき、ギヤ部20cはギヤ離間部20c3として作用する状態となっており、中間ギヤ41は規制されない状態となっている。
【0205】
中間ギヤ42の1/3回転によって、ギヤカバー7がNo.1のトレイ4の位置へと上昇移動するように、中間ギヤ42及び昇降カム5が設定されている。このPm8の位置において、中間ギヤ42のギヤ部42aとギヤ部20dの欠歯部20d2とは再び接触状態を維持し、第1トレイ駆動ギヤ8及びギヤカバー7をNo.1のトレイ4の位置に保持している。
【0206】
なお、ギヤカバー7の上昇移動に伴うトレイロック部材25の動作については、上記図21〜図23で説明した内容と同様である。以上のようにして、第2トレイ駆動ギヤ10及びトレイホルダー12を再生位置に保持したまま、第1トレイ駆動ギヤ8をNo.1のトレイ4の位置へと移動させる。この上昇動作は、No.1のトレイ4の位置よりNo.2のトレイ4の位置まで、或いはNo.5のトレイ4の位置よりNo.6のトレイ4の位置まで等、1段分の第1トレイ駆動ギヤ8の上昇移動と同様の動作である。
【0207】
従って、新たに選択されたトレイ4の位置へと、上述の動作を必要回数行うことで、No.1のトレイ4の位置よりNo.6のトレイ4の位置まで、即ちPm8の位置よりPm13の位置までの間で、トレイ選択手段駆動カム20を回転駆動させ、第1トレイ駆動ギヤ8を所定の位置まで上昇移動させる。
【0208】
第1トレイ駆動ギヤ8の上昇位置は、トレイ選択手段駆動カム20の回転位置によって決定されるため、上述したPm1の位置よりPm7の位置までの間における回転駆動と同様に、Pm7の位置よりPm13の位置までの間でのトレイ選択手段駆動カム20の回転位置を検出することによって確認できる。第1トレイ駆動ギヤ8が新たに選択されたトレイ4の位置まで上昇したことが、トレイ選択手段駆動カム20の図示しない角度検出スイッチによって検出されると、モーター30は回転を停止し、モーター31の駆動によるトレイ4の排出動作へと移行する。
【0209】
なお、このような、ディスク再生中における別ディスクの交換においては、中間ギヤ50が回転しないこと、即ちトレイホルダー12が移動せず再生位置に保持されることは、ディスクの安定した再生を行う上で重要となる。本実施形態では、図26に示したように、中間ギヤ50におけるギヤ部50aの歯車形状を、歯丈の低い歯50eの両側に歯丈の高い歯50dを配して、ギヤ部20bの欠歯部20b2に沿う構成としている。
【0210】
同図(c)に示す歯50dは、同図(b)に示す基本となる歯形状の先端部分を延長し、更にギヤ部20bの欠歯部20b2に沿うように、片側に斜面50d1を設けている。同図(d)に示す歯50eは、基本となる歯形状の先端側部分を、ピッチ円pに沿って切り落とした形状としている。これにより、ギヤ部50aとギヤ部20bの欠歯部20b2とが安定的に接触状態を維持し、トレイホルダー12を再生位置に保持することができる。
【0211】
続いて、上述したように、再生中のディスク及びトレイ4が、収納位置T2より引き込み位置T3へと移動された時点において、トレイ駆動カム21の回転位置は、図20(a)に示したPt3の位置となっている。そして、図34に示されたこの状態より、新たに選択されたトレイ4を着脱位置T1へと移動させる動作は、上述したトレイ選択手段駆動カム20の駆動動作後、トレイ駆動カム21のPt3の位置よりPt4の位置へと、時計方向の回転によって行われる。
【0212】
トレイ駆動カム21が、Pt3の位置よりPt4の位置方向へと回転すると、図34及び図37に示すように、回転保持部21jは離間部21j2が作用する状態となり、被保持部44cとの接触が解かれて、中間ギヤ6を介した第1トレイ駆動ギヤ8は、回転可能な状態となる。そして、中間ギヤ44のギヤ部44aと、トレイ駆動カム21側面に設けられたギヤ部21gとが噛み合って、新たに選択されたトレイ4を着脱位置T1方向へと移動させ始める。
【0213】
ここで、ギヤ部21gの歯部21g1端部の歯形状は、上述したように、2歯分を結合して作られた大きな歯であるが、これは、ギヤ部44bに対して1歯おきになるように構成されたギヤ部44aと噛み合うものであり、その噛み合い開始時において、これらの歯同士の接触による破損等の不具合を回避するものである。
【0214】
更にトレイ駆動カム21の回転が進むと、ギヤ部21g及びギヤ部21hはギヤ部44a及びギヤ部44bと噛み合い、中間ギヤ6及び第1トレイ駆動ギヤ8を介して、新たに選択されたトレイ4が駆動される。そして、トレイ駆動カム21の回転がPt4の位置へと達した時点で、新たに選択されたトレイ4は、図38に示す着脱位置T1となる。この間、回転保持部21bは被保持部56cと接触状態を維持し、回転位置を保持している。
【0215】
着脱位置T1の状態で、筐体1外部においてディスク交換を行った後、上記と逆の手順によって、トレイ駆動カム21はPt4の位置よりPt3の位置へと回転し、トレイ4は収納位置T2へと戻される。さらに、これらのディスク交換動作が終了した後、トレイ選択手段駆動カム20がPm7の位置へと戻され、これにより、第1トレイ駆動ギヤ8は待機位置T4’へと下降する。
【0216】
なお、第1トレイ駆動ギヤ8の位置については、トレイ収納後にそのまま選択された位置にて待機するよう動作設定を行っても良いが、本実施形態では、便宜上標準状態である下限位置へと下降して待機することとした。以上の動作によって、ディスク再生中における別ディスクの交換を行う。
【0217】
次に、再生位置T4にあるディスクの、収納位置T2への移動について説明する。再生中のディスクを再生位置T4より収納位置T2へと移動させる動作については、上述した、T2よりT4へと移動させる動作を逆の手順で行うことによって実現できるが、本実施形態では、再生位置にあるトレイ4がどの番号であるかにかかわらず、トレイ4及びトレイホルダー12を一度最上部まで上昇させた後に、収納位置T2へと移動させるものとして説明する。
【0218】
第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12の上昇動作は、モーター30の回転駆動によって、トレイ選択手段駆動カム20がPm7の位置よりPm1の位置まで回転することで行われる。トレイ選択手段駆動カム20の駆動力は、中間ギヤ41,42を介して昇降カム5へと伝達され、昇降カム5の回転によるギヤカバー7の上昇に伴って、第1トレイ駆動ギヤ8は上昇移動する。
【0219】
同時に、トレイ選択手段駆動カム20の駆動力は、各中間ギヤ50,51,52,53,及び55を介して装置両側に設けられた第2トレイ昇降ギヤ18へと伝達され、トレイホルダー12及び第2トレイ駆動ギヤ10を上昇移動させる。その他、駆動力の伝達に関する詳細は、上述したとおりである。
【0220】
トレイ選択手段駆動カム20は、まず、Pm1の位置まで回転し、これにより、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、上限位置即ち最上部のNo.6のトレイ4の位置まで上昇する。ここで、図45は、ディスク解離機構に関連する部分の構成を示す左側面図である。
【0221】
同図及び図28(a)に示すように、上部カバー2Fには、その下面より下方に延びるディスク解離部2aが設けられ、また上部カバー2Rには、同様にしてその下面より下方に延びるディスク解離部2bが設けられている。また、図9に示すように、トレイホルダー12の上面には、ディスク押さえ13の後方左右に、ディスク解離部2bが導入される穴部12hが設けられている。
【0222】
トレイホルダー12が最上部まで上昇したとき、図45(b)に示すように、ディスク解離部2a及び2bの下端部は、ディスク押さえ13の下面より下側に達し、且つ、通常時には図45(a)に示すように、トレイ4に載置されたディスク15に接触しないよう、ディスク15の上面より上側となるように設定されている。
【0223】
ディスク15の上面に粘着力を有する異物が付着した場合等は、再生位置においてディスク押さえ13にディスク15が固着することが知られている。このような場合、上述したような構成とすることで、トレイホルダー12が最上部まで上昇したときに、ディスク押さえ13に固着したディスク15を、ディスク解離部2a,2bにより押圧し、確実に解離することができる。
【0224】
続いて、トレイ4を収納位置T2へと移動させる。本実施形態では、トレイホルダー12を上述したように最上部まで上昇させた後、所定のトレイ位置よりも下の位置まで下降させるようにしている。即ち、トレイホルダー12に引き込まれているトレイ4が、収納される位置が例えば下から4番目となるNo.4のトレイ4の位置である場合、トレイ4及びトレイホルダー12が下から3番目のトレイ位置まで下降するように制御する。
【0225】
これは、上述したように、トレイホルダー12が下降する場合、第1トレイ昇降ギヤ11と第2トレイ昇降ギヤ18とを連結する引っ張りコイルバネ19の付勢力によって、トレイホルダー12が駆動されていることによる。即ち、トレイホルダー12の下降時に、引っ張りコイルバネ19の引っ張り力よりも大きな摺動負荷が発生した場合、第1トレイ昇降ギヤ11が所定位置まで回転していても、第2トレイ昇降ギヤ18は同期して回転することができず、トレイホルダー12が所定の位置に達しないことが起こりうる。
【0226】
そこで、本実施形態では、引っ張りコイルバネ19の最大伸張ストロークが、図14に示した、第1トレイ昇降ギヤ11に設けられた当接部11fと、第2トレイ昇降ギヤ18に設けられた支持部18eの側面との成す角によって決まることを考慮して、この角度と同等以上の回転動作によるトレイホルダー12の余分な下降動作を、予め与えることとしている。この後、トレイホルダー12を改めて上昇させることで、第1トレイ昇降ギヤ11と第2トレイ昇降ギヤ18が所定の位置関係に戻るので、確実にトレイホルダー12を所定の位置まで移動させることができる。
【0227】
続いて、トレイ4及びディスク15の、トレイホルダー12内の引き込み位置T3より収納位置T2への移動は、上述した収納位置T2より引き込み位置T3への移動と逆の手順によって行われる。即ち、モーター31の回転駆動によって、トレイ駆動カム21がPt3位置よりPt2位置へと回転し、各中間伝達部材を介して第2トレイ駆動ギヤ10へと駆動力が伝達される。そして、第2トレイ駆動ギヤ10と、トレイ4側面部のラック4cとの噛み合いによって、トレイ4及びディスク15は、引き込み位置T3より駆動切替位置T2’へと移動する。
【0228】
さらに、第2トレイ駆動ギヤ10が回転規制されない状態となった後に、トレイ駆動カム21の駆動力が、各中間伝達部材を介して、第1トレイ駆動ギヤ8へと伝達される。第1トレイ駆動ギヤ8は、この時点においてラック4cと噛み合っているので、トレイ4及びディスク15は、第1トレイ駆動ギヤ8によって収納位置T2へと移動する。トレイ駆動カム21の回転位置がPt2の位置へと達した時、トレイ4及びディスク15の、収納位置T2への移動は完了する。
【0229】
以上のように、本実施形態に係るディスクローディング装置では、各動作を行う駆動源を、トレイ選択手段駆動カム20及びトレイ駆動カム21の2つのカムに集約させている。また、トレイ選択手段駆動カム20及びトレイ駆動カム21と、周辺の各駆動力伝達ギヤの一部は、図10及び図18に示したように、駆動力伝達機構として、トレイ収納部に対して装置下部に配置している。これは、トレイ収納部とディスク再生装置との間の高低差から生じる空間に、このような駆動力伝達機構を配置するものであり、これにより、装置全体の小型化を図っている。
【0230】
また、トレイの枚数を、装置内に収納可能なディスクの枚数と同じにすることで、部品点数を削減するとともに動作を簡素化し、装置全体の小型化及びコスト削減を可能としている。そして、再生機構ユニットを装置内に固定するように構成しており、安定した再生機構を得ている。さらに、トレイ昇降ギヤを装置側面に配置すること等により、さらなる小型化を図っている。
【0231】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トレイ駆動機構の構成が簡素であり、また装置全体がコンパクトであって、しかも信頼性の高いディスクローディング装置を提供することができる。
【0232】
具体的には、ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、その複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いはそのトレイ収納部から装置内奥部側へと移動する第1のトレイ移動手段と、装置内奥部に設けられ、前記トレイ収納部に対向して昇降移動可能なトレイホルダーと、前記トレイを装置内奥部側から前記トレイホルダーへと移動する第2のトレイ移動手段と、前記トレイを選択するトレイ選択決定手段と、そのトレイ選択決定手段によって選択された前記トレイ収納部におけるトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させる第1のトレイ選択手段と、前記トレイ選択決定手段によって選択された前記トレイの対向位置に、前記第2のトレイ移動手段及び前記トレイホルダーを昇降移動させる第2のトレイ選択手段と、前記トレイホルダーが下降する先に設けられ、そのトレイホルダー上のトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段と、を備えた構成とする。
【0233】
これにより、筐体外部においてディスクの着脱を可能にする着脱位置と、複数のディスクを収納する収納位置と、この収納位置より更に筐体奥部でディスクを再生する再生位置との間におけるディスクの移動は、ディスクが載置可能なトレイの移動によって行われ、例えばメイントレイとサブトレイのような用途の異なる別形態のトレイを設けることなく、収納可能なディスクの枚数に対応した枚数のトレイのみで構成することができる。
【0234】
そして、装置内に固定されたディスク再生手段へと、トレイを選択的に移動させる構成とすることで、収納されている複数のディスクが同じ条件で再生可能となる。従って、トレイ移動に関する部品及び駆動手段を簡素化することができ、それに伴いコストの低減を図ることができる。さらに、ディスク再生手段が移動する従来の構成に比べて、再生性能を安定に保つことができる。
【0235】
また、前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段を、一つの駆動手段により駆動する構成とする。これにより、選択されたトレイ位置と再生位置との間で移動する前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段との駆動の同期をとることが容易となる。また、駆動手段を共有することにより、部品及び構造の単純化、またこれに伴うコストの低減並びに装置の小型化を図ることができる。
【0236】
また、前記駆動手段は、第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第1のギヤと、その第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第2のギヤと、より成る第1の駆動源と、前記第1のギヤよりの駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤと、その第2のギヤよりの駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、を備えて成る構成とする。
【0237】
これにより、1つの回転体の駆動のみによって前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段との駆動の同期をとることができる。しかも、収納された各トレイ位置に合わせて間欠的な移動を行うことによって、選択されたトレイ位置に対して確実な昇降動作を行うことができる。
【0238】
また、第1の回転体の側部に、前記第1のトレイ選択手段を駆動する第1のギヤ及び第3のギヤと、前記第2のトレイ選択手段を駆動する第2のギヤとを備え、前記第1のギヤ及び第2のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段及び第2のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記ディスク再生手段へと移動し、その選択されたトレイがそのディスク再生手段に位置するときに、前記第3のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動する構成とする。
【0239】
これにより、1つの回転体の駆動によって前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段との駆動を同期的且つ確実に行うことができる。また、前記第3のギヤを設けることで、回転体の回転方向を一定に保ったまま、前記第1トレイ選択手段のみを駆動可能とし、ディスクの再生中に新たに選択された別のトレイに対して、ディスクの着脱が可能となる。従って、ディスク再生中に別ディスクの着脱が可能である構成においても、部品及び構造の単純化、またこれに伴うコストの低減、さらにはローディング動作制御の簡素化並びにローディング装置の小型化を図ることができる。
【0240】
また、前記第3のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第3の中間ギヤと、前記第2のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、前記第1のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤとを備え、前記第1のギヤは、前記第1の中間ギヤと噛み合う複数の歯から成る歯部と欠歯部とが連続して設けられているギヤ群と、前記第1の中間ギヤと接しないギヤ離間部とから成り、前記第1のギヤが前記ギヤ離間部として作用し、前記第2の中間ギヤが前記連続した欠歯部と接触状態を維持することで前記トレイホルダーを前記ディスク再生手段の位置に保持して、前記第3のギヤにより前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段を駆動することにより、前記トレイ選択決定手段によって前記新たに選択されたトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させる構成とする。
【0241】
これにより、ディスク再生中に新たに選択された別ディスクの着脱を行う場合、位置保持部材を個別に設けることなく前記トレイホルダーを再生位置に保持することが可能となり、簡潔な構成で且つ確実な動作を行える駆動機構を実現することができる。
【0242】
また、前記第1の中間ギヤ及び第2の中間ギヤ及び第3の中間ギヤは、それぞれ前記連続した欠歯部との接触状態を維持する歯部において、歯先を延長してその連続した欠歯部に沿う形状とした構成とする。これにより、前記トレイホルダーの保持をより確実で安定したものとすることができる。
【0243】
また、前記第1のトレイ移動手段は、第2の駆動源と噛み合う第4の中間ギヤと、その第4の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第1の中間伝達部材とを備え、前記第2のトレイ移動手段は、前記第2の駆動源と噛み合う第5の中間ギヤと、その第5の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第2の中間伝達部材とを備え、前記第4の中間ギヤの駆動により前記トレイが装置内奥部側の所定位置に移動されたときに、そのトレイと前記第1の中間伝達部材との連結を解除するとともに、そのトレイと前記第2の中間伝達部材とを連結し、前記第5の中間ギヤの駆動により前記トレイが前記トレイホルダー内に移動された後に、前記第2のトレイ選択手段によりそのトレイが昇降移動するときに、前記第2の中間伝達部材の移動を案内する構成とする。
【0244】
これにより、前記第1のトレイ移動手段及び第2のトレイ移動手段は、1つの駆動源により駆動することができる。従って、駆動源を1つにすることによる部品及び構造の単純化、及びこれに伴うコストの低減を図ることができるとともに、前記第2の中間伝達部材の移動を案内する構成とすることにより、安定した前記トレイの昇降動作を行うことができる。
【0245】
また、前記第2の中間伝達部材は、前記第5の中間ギヤと噛み合う第6の中間ギヤと、その第6の中間ギヤのギヤ軸に嵌入されて前記トレイに設けられたラックに噛み合う第4のギヤとを備え、前記第4のギヤは、前記第6の中間ギヤのギヤ軸に対して回転方向に規制され、且つそのギヤ軸の長手方向に対して摺動自在に配される構成とする。
【0246】
これにより、別途手段を設けることなく前記第4のギヤの移動を案内することができる。また、前記第6の中間ギヤのギヤ軸に、前記第4のギヤを回転方向に規制する溝部を設け、これを複数ヶ所の形状の異なる溝部とすることで、前記第6の中間ギヤに対して前記第4のギヤを組み込む方向を容易に認識することができる。従って、案内手段の構成を簡素化してコストの低減を図ることができるとともに、前記第6の中間ギヤに対して前記第4のギヤを組み込むときに、異方向挿入等の作業不良を防ぐことができる。
【0247】
また、前記第2の駆動源は、第2の回転体の側部に設けられて第7の中間ギヤと噛み合う第7のギヤと、その第2の回転体の側部に設けられて前記第の中間ギヤと噛み合う第6のギヤと、その第2の回転体の側部に設けられて前記第の中間ギヤと噛み合って前記第7の中間ギヤを介して前記第1のトレイ移動手段を駆動する第5のギヤとを備え、前記第5のギヤ及び第6のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記トレイホルダーへと移動し、その選択されたトレイが前記ディスク再生手段に位置するときに、前記第7のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動する構成とする。
【0248】
これにより、1つの回転体の駆動のみによって前記第1のトレイ移動手段及び第2のトレイ移動手段を同期させて駆動することができる。また、前記第7のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、或るディスクの再生中に新たに選択された別のトレイに対して、ディスクが着脱可能となる。
【0249】
また、前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々は、保持面部を有する保持層と、端部のみ歯厚の大きいギヤ群を有する第1のギヤ層と、端部のみが欠歯であって前記第1のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第2のギヤ層とより成り、前記第4の中間ギヤ及び第5の中間ギヤ及び第7の中間ギヤは、それぞれ前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々における、前記保持層の保持面部に沿う被保持面部を有する被保持層と、前記第1のギヤ層のギヤ群に噛み合うギヤ群を有する第3のギヤ層と、前記第2のギヤ層のギヤ群に噛み合って前記第3のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第4のギヤ層とより成る構成とする。
【0250】
これにより、前記各中間ギヤは、位置保持,非保持や、駆動源のギヤ部へのギヤ噛み合わせ、及びギヤ駆動などの動作を実現し、また、これらの各状態間の遷移を円滑に行うことができる。
【0251】
また、前記第1及び第2のトレイ選択手段を駆動する第1の駆動源と、前記第1及び第2のトレイ移動手段を駆動する第2の駆動源とを、前記トレイ収納部の下部に配置する構成とする。これにより、前記トレイ収納部と前記ディスク再生手段の高低差から生じる空間に、前記各トレイ移動手段及び各トレイ選択手段の駆動源を配置し、装置全体を小型化することができる。
【0252】
また、前記第2のトレイ選択手段は、前記トレイホルダーに設けられたラックと噛み合って第1の駆動源よりの駆動力を伝達する、第8のギヤを有する構成とする。これにより、装置の横幅が小さくなり、装置の小型化が可能となる。
【0253】
また、前記第8のギヤと同軸に組み合わされ且つバネにより連結されることにより前記第1の駆動源よりの駆動力をその第8のギヤに伝達する第9のギヤを備え、前記トレイホルダーが前記ディスク再生手段へと下降した後、更に駆動力が加わったときに前記第9のギヤが前記バネによる付勢力に抗して回転する構成とする。これにより、前記トレイホルダーが再生位置まで下降したことを検出してから前記第2のトレイ選択手段の駆動を停止するまでの間に時間差が生じても、前記第9のギヤがバネによる付勢力に抗することによって、中間伝達部材等にロックを生じさせることなく、安定した動作が可能となる。
【0254】
また、前記第8のギヤと第9のギヤとの間の、前記バネによる付勢方向への当接位置を調整する調整部材を設けた構成とする。これにより、前記第9のギヤの回転角を調整することなく、前記第9のギヤと第8のギヤとの、回転角の差を調整するだけで、容易に前記トレイ収納部に対する前記トレイホルダーの高さを調整することができる。
【0255】
また、前記第2のトレイ選択手段を駆動する中間ギヤにロック部材を設け、前記トレイホルダーに支持部材を設けて、そのトレイホルダーが前記ディスク再生手段に位置するとき、前記ロック部材が前記支持部材と係合するようにした構成とする。これにより、装置に衝撃が加わった場合に、前記トレイホルダーを再生位置に保持することが可能となり、中間伝達部材等の破損を防ぐことができる。
【0256】
また、前記トレイホルダーに、装置筐体のガイド溝に沿うことによりそのトレイホルダーの昇降移動をガイドするボスを設け、そのボスは前記トレイホルダーの重心位置及びディスクを載置した前記トレイとそのトレイホルダーとを含んだ重心位置より、オフセットした位置に配置されている構成とする。これにより、前記トレイホルダーは、昇降移動中に一定の姿勢を保つので、選択されたトレイ位置に対して、安定して位置合わせを行うことができる。
【0257】
また、前記トレイに設けたラック及び凹部と、そのラックと噛み合う第10のギヤと、前記凹部に挿入されて前記トレイをロックするロックレバーと、前記第10のギヤを保持する保持部及び前記ロックレバーを作動する作動部を有し、昇降移動可能なギヤカバーと、を備え、前記トレイ収納部に重畳された前記各トレイは、前記ギヤカバーが昇降移動して前記第10のギヤが前記ラックと噛み合うときに、前記作動部により前記ロックレバーが前記凹部から抜き去られ、そのトレイのロックが解除される構成とする。これにより、前記トレイの位置保持と、前記トレイと前記第10のギヤの噛み合わせ状態との切り換えを円滑に行うことができる。
【0258】
また、前記トレイに、そのトレイに載置されたディスクを支持するディスク支持部材を設け、そのトレイが前記ディスク再生手段へと移動したときに、前記ディスク支持部材が装置筐体に設けられた支持解除部材と係合し、前記ディスクの支持を解除する構成とする。これにより、ディスクの着脱位置から収納位置、さらには再生位置との間で、小径ディスク等、トレイの穴部に対して脱落しやすいディスクを支持することが可能となる。従って、ディスクの脱落による装置の誤動作、特に装置内部におけるディスクの脱落による、装置の破損等を防止することができる。
【0259】
また、装置筐体と前記トレイホルダーとの間に、そのトレイホルダーの昇降移動に伴って回動し、前記トレイに載置されたディスクの脱落を防止するディスク脱落防止部材を設けた構成とする。これにより、前記第2トレイ移動手段による前記トレイ収納部と前記トレイホルダーとの間でのトレイの移動を妨げることなく、収納位置にてトレイに載置されているディスクが、装置に加わる振動や衝撃によって装置内奥部のディスク再生手段側に脱落することを防止することができる。従って、ディスクが装置内奥部のディスク再生手段側へ脱落することによる、装置の誤動作や破損を防止し、安定した動作を実現することができる。
【0260】
また、前記トレイ収納部に、前記トレイの移動をガイドするトレイガイド部を各段に設け、その各トレイガイド部は、その下段のトレイに載置されたディスクを、そのトレイとの間で挟持する構成とする。これにより、収納位置にてトレイに載置されているディスクは、トレイ上の所定のディスク載置位置内に規制される。従って、別途ディスク位置規制機構を設けることなく、装置に振動や衝撃が加わった場合にも、装置の誤動作や破損を防止することができ、簡素な構成で安定した動作を実現することができる。
【0261】
また、前記トレイホルダーは、ディスクを載置した前記トレイを収容したときにそのトレイからそのディスクがずれることを防止するディスクずれ防止部材を有する構成とする。これにより、収納位置と再生位置との間での前記トレイ移動中に装置に振動や衝撃が加わっても、ディスクをトレイ上のディスク載置位置に保持することができる。従って、装置に振動や衝撃が加わった場合にも、ディスクのズレや脱落による装置の誤動作や破損を防止することができ、簡素な構成で安定した動作を実現することができる。
【0262】
また、装置筐体上部にディスク解離部を設け、前記トレイホルダーに、ディスクの再生中にそのディスクを保持するディスク押さえ部材を備え、前記トレイホルダーが最上部まで上昇移動したときに、前記ディスク押さえ部材に固着した前記ディスクの上面に、前記ディスク解離部が当接することにより、そのディスク押さえ部材からそのディスクを解離させる構成とする。これにより、別途ディスク解離部材を設けることなく、前記トレイホルダーの上昇移動のみによって、ディスク押さえ部材に固着したディスクを解離させることができる。従って、ディスク解離機構を簡素化し、コストの低減を図るとともに、確実なディスク解離動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスクローディング装置の外観を示す斜視図。
【図2】本実施形態のディスクローディング装置の内部構造を示す斜視図。
【図3】本実施形態のディスクローディング装置における筐体及びトレイ収納部の外観を示す正面図。
【図4】本実施形態のディスクローディング装置におけるトレイ収納部及びギヤカバーに関連する部分の構成を示す前部左側面図。
【図5】本実施形態のディスクローディング装置に装着される2種類のディスクを示す平面図。
【図6】再生機構ユニットの外観を示す斜視図。
【図7】トレイの構造を示す平面図。
【図8】トレイのラック部及びトレイロック部材の構成を示す図。
【図9】トレイホルダーの構成を示す斜視図。
【図10】駆動力伝達機構の構成を示す平面図。
【図11】トレイ選択手段駆動カムの構成を示す図。
【図12】昇降カム及びその周辺部分の構成を示す斜視図。
【図13】装置左側に設けられたトレイ昇降ギヤ機構の構成を示す分解斜視図。
【図14】装置左側に設けられたトレイ昇降ギヤ機構の構成を示す側面図。
【図15】トレイ駆動カムの構成を示す図。
【図16】第1トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図。
【図17】第2トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図。
【図18】本実施形態のディスクローディング装置におけるトレイの移動を模式的に示す基本動作図。
【図19】トレイ選択手段駆動カムの構成を示す図。
【図20】トレイ駆動カムの構成を示す図。
【図21】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図22】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図23】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図24】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図25】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図26】状態保持機能を備えるギヤの構成を示す平面図。
【図27】状態保持機能を備えるギヤの動作に関する状態遷移図。
【図28】トレイホルダー及びディスク脱落防止部材の構成を示す図。
【図29】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図30】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図31】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図32】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図33】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図34】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図35】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図36】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図37】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図38】トレイ駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図39】トレイホルダーにおけるディスクずれ防止機構に関する図。
【図40】再生位置におけるトレイ保持機構に関する部分の構成を示す左側面図。
【図41】トレイホルダーの位置関係を示す左側面図(再生位置状態)。
【図42】トレイホルダーの位置関係を示す左側面図(待機位置状態)。
【図43】トレイホルダーの位置関係を示す左側面図(No.1のトレイの位置状態)。である。
【図44】トレイにディスク支持部材を備えた場合の構成を示す分解斜視図。
【図45】ディスク解離機構に関連する部分の構成を示す左側面図。
【符号の説明】
1 筐体
2 上部カバー
3 トレイ収納部
4 トレイ
5 昇降カム
6 中間ギヤ
7 ギヤカバー
8 第1トレイ駆動ギヤ
9 中間ギヤ
10 第2トレイ駆動ギヤ
11 第1トレイ昇降ギヤ
12 トレイホルダー
13 ディスク押さえ
14 再生機構ユニット
15,16 ディスク
17 調整プレート
18 第2トレイ昇降ギヤ
19 引っ張りコイルバネ
20 トレイ選択手段駆動カム
21 トレイ駆動カム
22 ディスク支持部材
23 ねじりコイルバネ
24 ディスク脱落防止部材
25 トレイロック部材
26 ロック部材押さえバネ
27 ガイド軸
30,31 モーター
32,33,34,35 中間ギヤ
36,37,38 中間ギヤ
41,42,43,44 中間ギヤ
50,51,52,53,55 中間ギヤ
54 軸部材
56,57 中間ギヤ
61 ターンテーブル
62 ピックアップ
63 スピンドルモーター

Claims (20)

  1. ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、
    該複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、
    前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いは該トレイ収納部から装置内奥部側へと移動する第1のトレイ移動手段と、
    装置内奥部に設けられ、前記トレイ収納部に対向して昇降移動可能なトレイホルダーと、
    前記トレイを装置内奥部側から前記トレイホルダーへと移動する第2のトレイ移動手段と、
    前記トレイを選択するトレイ選択決定手段と、
    該トレイ選択決定手段によって選択された前記トレイ収納部におけるトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させる第1のトレイ選択手段と、
    前記トレイ選択決定手段によって選択された前記トレイの対向位置に、前記第2のトレイ移動手段及び前記トレイホルダーを昇降移動させる第2のトレイ選択手段と、
    前記トレイホルダーが下降する先に設けられ、該トレイホルダー上のトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段と、
    を備え、
    前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段を、一つの駆動手段により駆動し、
    前記駆動手段は、
    第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第1のギヤと、該第1の回転体の側部に複数の歯から成る歯部と欠歯部とが間欠的に設けられた第2のギヤと、より成る第1の駆動源と、
    前記第1のギヤよりの駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤと、
    該第2のギヤよりの駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、
    を備えて成ることを特徴とするディスクローディング装置。
  2. 第1の回転体の側部に、前記第1のトレイ選択手段を駆動する第1のギヤ及び第3のギヤと、前記第2のトレイ選択手段を駆動する第2のギヤとを備え、
    前記第1のギヤ及び第2のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段及び第2のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段及び第2のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記ディスク再生手段へと移動し、
    該選択されたトレイが該ディスク再生手段に位置するときに、前記第3のギヤにより駆動される前記第1のトレイ選択手段と、前記第1のトレイ移動手段とにより、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  3. 前記第3のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第1のトレイ選択手段に伝達する第3の中間ギヤと、前記第2のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第2のトレイ選択手段に伝達する第2の中間ギヤと、前記第1のギヤと噛み合ってその駆動力を前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段に伝達する第1の中間ギヤとを備え、
    前記第1のギヤは、前記第1の中間ギヤと噛み合う複数の歯から成る歯部と欠歯部とが連続して設けられているギヤ群と、前記第1の中間ギヤと接しないギヤ離間部とから成り、
    前記第1のギヤが前記ギヤ離間部として作用し、前記第2の中間ギヤが前記連続した欠歯部と接触状態を維持することで前記トレイホルダーを前記ディスク再生手段の位置に保持して、前記第3のギヤにより前記第3の中間ギヤを介して前記第1のトレイ選択手段を駆動することにより、前記トレイ選択決定手段によって前記新たに選択されたトレイの位置に、前記第1のトレイ移動手段を昇降移動させることを特徴とする請求項に記載のディスクローディング装置。
  4. 前記第1の中間ギヤ及び第2の中間ギヤ及び第3の中間ギヤは、それぞれ前記連続した欠歯部との接触状態を維持する歯部において、歯先を延長して該連続した欠歯部に沿う形状としたことを特徴とする請求項に記載のディスクローディング装置。
  5. 前記第1のトレイ移動手段は、第2の駆動源と噛み合う第4の中間ギヤと、該第4の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第1の中間伝達部材とを備え、前記第2のトレイ移動手段は、前記第2の駆動源と噛み合う第5の中間ギヤと、該第5の中間ギヤよりの駆動力を前記トレイに伝達する第2の中間伝達部材とを備え、
    前記第4の中間ギヤの駆動により前記トレイが装置内奥部側の所定位置に移動されたときに、該トレイと前記第1の中間伝達部材との連結を解除するとともに、該トレイと前記第2の中間伝達部材とを連結し、
    前記第5の中間ギヤの駆動により前記トレイが前記トレイホルダー内に移動された後に、前記第2のトレイ選択手段により該トレイが昇降移動するときに、前記第2の中間伝達部材の移動を案内することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  6. 前記第2の中間伝達部材は、前記第5の中間ギヤと噛み合う第6の中間ギヤと、該第6の中間ギヤのギヤ軸に嵌入されて前記トレイに設けられたラックに噛み合う第4のギヤとを備え、
    前記第4のギヤは、前記第6の中間ギヤのギヤ軸に対して回転方向に規制され、且つ該ギヤ軸の長手方向に対して摺動自在に配されることを特徴とする請求項に記載のディスクローディング装置。
  7. 前記第2の駆動源は、第2の回転体の側部に設けられて第7の中間ギヤと噛み合う第7のギヤと、該第2の回転体の側部に設けられて前記第の中間ギヤと噛み合う第6のギヤと、該第2の回転体の側部に設けられて前記第の中間ギヤと噛み合って前記第7の中間ギヤを介して前記第1のトレイ移動手段を駆動する第5のギヤとを備え、
    前記第5のギヤ及び第6のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって選択されたトレイを前記トレイ収納部より前記トレイホルダーへと移動し、
    該選択されたトレイが前記ディスク再生手段に位置するときに、前記第7のギヤにより前記第1のトレイ移動手段を駆動し、前記トレイ選択決定手段によって新たに選択されたトレイをディスクの着脱を行う位置へと移動することを特徴とする請求項に記載のディスクローディング装置。
  8. 前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々は、保持面部を有する保持層と、端部のみ歯厚の大きいギヤ群を有する第1のギヤ層と、端部のみが欠歯であって前記第1のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第2のギヤ層とより成り、
    前記第4の中間ギヤ及び第5の中間ギヤ及び第7の中間ギヤは、それぞれ前記第5のギヤ及び第6のギヤ及び第7のギヤ各々における、前記保持層の保持面部に沿う被保持面部を有する被保持層と、前記第1のギヤ層のギヤ群に噛み合うギヤ群を有する第3のギヤ層と、前記第2のギヤ層のギヤ群に噛み合って前記第3のギヤ層のギヤ群と同位相のギヤ群を有する第4のギヤ層とより成ることを特徴とする請求項に記載のディスクローディング装置。
  9. 前記第1及び第2のトレイ選択手段を駆動する第1の駆動源と、前記第1及び第2のトレイ移動手段を駆動する第2の駆動源とを、前記トレイ収納部の下部に配置することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  10. 前記第2のトレイ選択手段は、前記トレイホルダーに設けられたラックと噛み合って第1の駆動源よりの駆動力を伝達する、第8のギヤを有することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  11. 前記第8のギヤと同軸に組み合わされ且つバネにより連結されることにより前記第1の駆動源よりの駆動力を該第8のギヤに伝達する第9のギヤを備え、前記トレイホルダーが前記ディスク再生手段へと下降した後、更に駆動力が加わったときに前記第9のギヤが前記バネによる付勢力に抗して回転することを特徴とする請求項10に記載のディスクローディング装置。
  12. 前記第8のギヤと第9のギヤとの間の、前記バネによる付勢方向への当接位置を調整する調整部材を設けたことを特徴とする請求項11に記載のディスクローディング装置。
  13. 前記第2のトレイ選択手段を駆動する中間ギヤにロック部材を設け、前記トレイホルダーに支持部材を設けて、該トレイホルダーが前記ディスク再生手段に位置するとき、前記ロック部材が前記支持部材と係合するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  14. 前記トレイホルダーに、装置筐体のガイド溝に沿うことにより該トレイホルダーの昇降移動をガイドするボスを設け、該ボスは前記トレイホルダーの重心位置及びディスクを載置した前記トレイと該トレイホルダーとを含んだ重心位置より、オフセットした位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  15. 前記トレイに設けたラック及び凹部と、
    該ラックと噛み合う第10のギヤと、
    前記凹部に挿入されて前記トレイをロックするロックレバーと、
    前記第10のギヤを保持する保持部及び前記ロックレバーを作動する作動部を有し、昇降移動可能なギヤカバーと、
    を備え、
    前記トレイ収納部に重畳された前記各トレイは、前記ギヤカバーが昇降移動して前記第10のギヤが前記ラックと噛み合うときに、前記作動部により前記ロックレバーが前記凹部から抜き去られ、該トレイのロックが解除されることを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  16. 前記トレイに、該トレイに載置されたディスクを支持するディスク支持部材を設け、該トレイが前記ディスク再生手段へと移動したときに、前記ディスク支持部材が装置筐体に設けられた支持解除部材と係合し、前記ディスクの支持を解除することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  17. 装置筐体と前記トレイホルダーとの間に、該トレイホルダーの昇降移動に伴って回動し、前記トレイに載置されたディスクの脱落を防止するディスク脱落防止部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  18. 前記トレイ収納部に、前記トレイの移動をガイドするトレイガイド部を各段に設け、該各トレイガイド部は、その下段のトレイに載置されたディスクを、該トレイとの間で挟持することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  19. 前記トレイホルダーは、ディスクを載置した前記トレイを収容したときに該トレイから該ディスクがずれることを防止するディスクずれ防止部材を有することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
  20. 装置筐体上部にディスク解離部を設け、前記トレイホルダーに、ディスクの再生中に該ディスクを保持するディスク押さえ部材を備え、前記トレイホルダーが最上部まで上昇移動したときに、前記ディスク押さえ部材に固着した前記ディスクの上面に、前記ディスク解離部が当接することにより、該ディスク押さえ部材から該ディスクを解離させることを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
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