JP3627802B2 - ディスクチェンジャー装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスクのような情報記録媒体としてのディスクを、ディスク再生装置にローディングするディスクローディング装置において、複数枚収納されたディスクのうち一枚を選択的に該ディスク再生装置に対して受け渡しするディスクチェンジャー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ディスクや光磁気ディスクのような情報記録媒体としてのディスクの普及に伴い、複数のディスクをまとめて容易に取り扱うために、これら複数のディスクを一度に収納し、これらのディスクの中から選択的に再生を行うディスクローディング装置が提案されており、またこのようなディスクローディング装置において、複数枚収納されたディスクのうち一枚を選択的に該ディスク再生装置に対して受け渡しするディスクチェンジャー装置が提案されている。
【0003】
このようなディスクチェンジャー装置の一例として、例えば特開平7−282520号公報に記載されている如く、マガジンケースを必要とせず、しかも再生中にその他のディスクを交換可能なディスク再生装置が提案されている。
【0004】
具体的には、ディスクを載置するためのサブトレイと、サブトレイを一定距離移動可能に保持するメイントレイと、段積み配置された少なくとも3枚のメイントレイを一定距離移動可能に保持する再生装置筐体と、サブトレイとメイントレイを選択的に移動するトレイ移動機構と、再生位置に置かれたディスクを再生する再生機構とから成る構成としている。
【0005】
また、トレイ移動機構は、サブトレイに付設されたラックとメイントレイに付設されたラックとの何れかに噛合する一個のピニオンと、このピニオンを回動するピニオン回動モーターと、ピニオンをピニオンの回転軸に沿って移動させるピニオン移動手段とから成る構成としている。
【0006】
また、ピニオン移動手段はピニオンを回転軸に沿って移動させるピニオン昇降カムを含み、また、再生機構は再生部昇降カムで所定の位置に移動され、これらピニオン昇降カムと再生部昇降カムが一個のカム回動モーターで選択的に回動されるようにした構成としている。
【0007】
より具体的には、このディスク再生装置は、一組のサブトレイ及びメイントレイを備えている。サブトレイは、ディスクを筐体外部のディスク交換位置から再生位置までの間で移動させる。メイントレイは、サブトレイをディスク交換位置から筐体内部の待機位置までの間において移動可能に保持する。
【0008】
また、サブトレイ及びメイントレイの双方にはラックが設けられており、1個のピニオンが何れか一方のラックに噛み合うようになっている。つまり、ピニオン昇降カムを含むピニオン移動手段により、ピニオンがそれ自身の回転軸に沿って昇降することで、何れか一方のラックに噛み合う位置に移動する。ピニオン昇降カムは円筒カムであり、ピニオンの位置に応じた複数のカム面を有している。
【0009】
また、このディスク再生装置は、揺動ギヤ及び再生装置を移動させる再生部昇降カムを備えている。再生部昇降カムは、ターンテーブルや光ピックアップユニットを含む再生部を昇降移動させるための円筒カムであり、再生部の位置に応じた複数のカム面を有している。揺動ギヤは、モーターの回転方向に応じて揺動することにより、ピニオン昇降カム又は再生部昇降カムの何れか一方のカムを回転させる。これにより、1つのモーターで2種類のカムを駆動させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−282520号公報に記載されているような構成では、ピニオンの昇降動作に伴って、ピニオンの歯側面とラック側面とがぶつかり合うことによる動作停止等が発生する恐れがある。これを回避するために、上記構成における実施例では、トレイ移動機構を、サブトレイに付設されたラック或いはメイントレイに付設されたラックの何れかに噛合する一個のピニオンと、このピニオンを回動するピニオン回動モーターと、ピニオンをピニオンの回転軸に沿って移動させるピニオン移動手段とから構成し、ピニオンの昇降動作の際に、ピニオンをごく短い周期で微動回転させるようにしている。
【0011】
ところが、このような構成では、ピニオンを微動回転させるための複雑な回転制御機構が必要となるので、コストの上昇や消費電力の増大を招く。また、ピニオンを微動回転させるのみでは、ピニオンとラックとの衝突を確実に防止することはできないので、歯の破損やそれによる部品の短命化は避けられない。本発明は、以上のような問題点に鑑み、ピニオンの昇降動作に伴って発生する、ピニオンとトレイに設けられたラックとの衝突による動作不具合を、ピニオンの微動回転機構を新たに設けることなく回避し、歯の破損を起こしにくく信頼性の高いギヤ昇降機構を持つディスクチェンジャー装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、その複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いはそのトレイ収納部からディスク再生位置へと移動するトレイ移動手段と、そのディスク再生位置にあるトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段とを備え、重畳して収納された前記複数のトレイに対して、そのトレイに設けられたラックと噛み合うピニオンを前記トレイ移動手段に設け、前記重畳された方向にそのピニオンを昇降移動させる構成において、前記ピニオンの歯の上下両側に第1の斜面を設けるとともに、前記ラックの前記ピニオンに相対する歯の上下両側に第2の斜面を設け、その第1及び第2の斜面が互いに当接案内されることにより、前記ラックと前記ピニオンとの噛み合い位置調整を行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記第1及び第2の斜面は、それぞれテーパ形状を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るディスクチェンジャー装置を含むディスクローディング装置の外観を示す斜視図であり、図2はその内部構造を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態では、略箱状の筐体1を備えている。筐体1の前部には、複数枚のトレイ4が重畳されて収納されるトレイ収納部3が設けられている。トレイ収納部3は、筐体1前部右側面に枠状のトレイ収納部3Rが、また筐体1前部左側面に枠状のトレイ収納部3Lが、それぞれ取り付けられて構成されている。
【0015】
また筐体1の後部には、再生されるディスクが載置されたトレイ4が引き込まれるトレイホルダー12や、その中央前寄りに設けられた略円板状のディスク押さえ13等が組み込まれている。そして、筐体1の前部上方から上部カバー2が螺着され、また筐体1の後部上方から前後にそれぞれ上部カバー2F,2Rが螺着されて構成されている。
【0016】
図3は、本実施形態における筐体及びトレイ収納部の外観を示す正面図である。同図に示すように、トレイ収納部3には、装置内に収納可能なディスクの枚数、即ち重畳されるトレイ4の枚数(ここでは6枚)に応じたトレイガイド部3aが両端に配置されている。つまり、トレイ収納部3R及び3Lの各内壁より内側へと、断面が略L字状をした長板状のトレイガイド部3aが各段に突設している。また各トレイガイド部最上段の上方には、長板状のトレイガイド部3bがトレイ収納部3R及び3Lの各内壁より内側へと突設している。なお、筐体1下面より下方に向かって、脚100が延びている。
【0017】
図4は、本実施形態におけるトレイ収納部及びギヤカバーに関連する部分の構成を示す前部左側面図である。同図に示すように、トレイ収納部3Lには、側面部外側より内側に向かって、即ち装置左右方向にガイド溝3cが各段に形成されている。そして、各段に収納される上記トレイ4にそれぞれ対応したトレイロック部材25が、その下部に設けられた凸部25cと各ガイド溝3cとが係合することにより、装置左右方向に摺動自在に取り付けられている。
【0018】
このトレイロック部材25は、上述したように、トレイ収納部3Lに設けられたガイド溝3cによって動作を案内される。そして、トレイ収納部3Lの側面部外側より、ここに螺着されたロック部材押さえバネ26より各段に延びる板バネ状の作用部26aによって、後部面25bを押圧され、それぞれ内側へと付勢されている。なお、25aはトレイロック部材25の装置内側への挿入量を規制するロック解除部である。詳しくは後述する。
【0019】
図5は、本装置に装着される2種類のディスクを示す平面図である。同図(a)及び(b)には、それぞれ情報記録媒体としてのディスク15及び16を示している。ディスク15は、外径Dで示される大径のディスクであり、その中央に、後述する再生機構ユニットのターンテーブルと嵌合する穴15aを有している。また、ディスク16は、外径dで示される小径のディスクであり、その中央に、再生機構ユニットのターンテーブルと嵌合する穴16aを有している。
【0020】
図6は、その再生機構ユニットの外観を示す斜視図である。同図に示すように、再生機構ユニット14は、略長方形状のベース板14a上に、ターンテーブル61やピックアップ62等が取り付けられた構成である。ターンテーブル61は、ベース板14aの前部にてその下面に取り付けられたスピンドルモーター63から上方へ延びる回転軸63aに嵌合して設けられている。
【0021】
また、ピックアップ62は、その左右よりそれぞれスライド板14b及びスライド軸14cにて摺動自在に支えられており、ベース板14a中央付近から後部の間で、ターンテーブル61上に載置される上記ディスクの径方向に直動する。なお、ベース板14a右部に設けられた14dは、ピックアップ62を駆動する駆動機構である。また、ベース板14aの四隅には、取付穴14eが設けられており、これにより、再生機構ユニット14を例えば防振ゴム等を介して筐体1に取り付ける。この再生機構ユニット14は、上記筐体1後部のトレイホルダー12下方に配置される。
【0022】
ところで、図1に示したように、トレイ4はトレイ収納部3において略平行に複数枚重畳しており、同図の矢印A方向即ち装置の前後方向に摺動自在に取り付けられている。そして、このトレイ4に載置される上記ディスク15或いはディスク16を、筐体1の外部前方から筐体1の後部に配置される上記再生機構ユニット14との間で搬送する。
【0023】
図7は、トレイの構造を示す平面図である。同図に示すように、略長方形状のトレイ4は、その中央付近前方寄りに、図6に示した再生機構ユニット14のターンテーブル61を導入する穴部4eが開けられており、これと同心で内径の異なる円形の凹部4a及び4bを上面に有している。凹部4aは、大径のディスク15が嵌合してこれを収納し得るように形成されており、また凹部4bは、小径のディスク16が嵌合してこれを収納し得るように形成されている。
【0024】
また、穴部4eから後方へ延びるように、上記再生機構ユニット14のピックアップ62を導入する穴部4fが開けられている。さらに、トレイ4は、前後方向に沿った両側縁部の下面側に、ガイド溝4dを有している。ガイド溝4dは、図3に示したトレイ収納部3R,3Lに一体的に設けられるトレイガイド部3aと係合してトレイ4の動作を案内する。
【0025】
トレイ4の左側面には、前後の移動方向のほぼ全長に渡って、ラック4cが形成されている。ラック4cは、装置前部において後述する昇降移動可能な第1トレイ駆動ギヤ8と噛み合い、トレイ4を装置前方の着脱位置T1,装置前部の収納位置T2,及びこれより奥側の駆動切替位置T2’の間で移動させる。さらに、駆動切替位置T2’と装置後部の引き込み位置T3との間において、ラック4cは後述する第2トレイ駆動ギヤ10と噛み合って、トレイ4を移動させる。詳しくは後述する。なお、これより以降の説明においては、便宜上ディスク15のみを用いる。
【0026】
図8は、トレイのラック部及びトレイロック部材の構成を示す図である。同図(a)は平面図、同図(b)は左側面図を示している。また、同図(c)は同図(a)において破線の円で囲まれたB部、即ちトレイロック部材25周辺の詳細図である。同図に示すように、ラック4c前寄りには、凹部であるロック部4mが設けられている。
【0027】
一方、トレイロック部材25の装置内側先端部には、凸部であるロック部25dが設けられている。このロック部25dがロック部4mと係合することにより、トレイ4の装置前後方向の動きがロックされ、トレイ4がトレイ収納部3に保持される。このロック部4mは、ラック4cの上部に設けられており、第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10との噛み合いに支障がないように構成されている。
【0028】
図9は、トレイホルダーの構成を示す斜視図である。同図に示すように、トレイホルダー12の左側前部には、断面が略コの字状のギヤ保持部12aが一体的に設けられており、後述する第2トレイ駆動ギヤ10を、装置上下方向に動作を規制しながら保持している。また、トレイホルダー12の左右両側面及び後面には、昇降動作ガイド用ボス12bがそれぞれ上下2箇所ずつ設けられており、これらは図2に示した筐体1の後部左右内側両面及び内側後面に上下に渡って設けられた、断面が略コの字状のガイド溝1aにそれぞれ嵌入されている。これにより、トレイホルダー12は装置上下方向に対して摺動自在に配置されている。
【0029】
トレイホルダー12には、その中央前寄りに略円板状のディスク押さえ13が、上面より下方に向けて取り付けられている。そして、トレイホルダー12とディスク押さえ13のみの場合と、これにディスク15が載置されたトレイ4が組み合わされた場合の双方において、これらの重心位置付近から意図的にオフセットした位置に、上記ボス12bが設けられている。これにより、ボス12bとガイド溝1aとの隙間によるトレイホルダー12の傾きを常に一定の方向に保ち、ガタツキのない安定した動作を可能としている。
【0030】
また、トレイホルダー12の左右両側面には、トレイホルダー12の昇降動作を行うためのラック12cが上下に渡って設けられている。これは、後述する第1トレイ昇降ギヤ11と組み合わされた第2トレイ昇降ギヤ18と噛み合っており、これにより駆動力が伝達される。そして、トレイホルダー12前部には、左右方向に橋渡しされているトレイ押さえ部12j上に、ディスク脱落防止部材と係合してこの動作を案内するための、左右方向にスリット状に開けられたガイド穴12dが左右2箇所に設けられている。
【0031】
さらに、トレイホルダー12の底面左右には、図3で示したトレイ収納部3に設けられたトレイガイド部3aと対応するように、トレイガイド部12eが前後に渡って数箇所ずつ設けられている。トレイホルダー12がトレイ収納部3における選択されたトレイ位置へと昇降移動して、そのトレイ4の対向位置へと達したとき、トレイガイド部12eはそのトレイ4が収納されている段におけるトレイガイド部3aと略直線上の位置関係となり、そのトレイ4の収納位置T2から引き込み位置T3への移動、即ちトレイ収納部3からトレイホルダー12への移動を案内する。
【0032】
また、トレイホルダー12の前面左側には、トレイホルダー昇降動作規制のために、正面から見て略L字状のリブ12fが設けられている。そして、トレイホルダー12の後部左右には、上面より前方へ向かって斜め下方に延びるディスクずれ防止部12gが一体的に設けられている。このディスクずれ防止部12gは、トレイ4が引き込み位置T3に達したときに、図7で示したトレイ4の後部上面左右に前後方向に設けられた溝4gへと導入される。
【0033】
また、筐体1の正面から見て左側後方には、中間伝達部材である中間ギヤ50が、筐体1に回転自在に取り付けられている。これは、図9で示したように、トレイホルダー12の前方に位置し、上下に延びる略円柱状の軸形状をしている。そして、上部にはトレイ選択手段駆動カム20のギヤ部と噛み合うギヤ部50aを有しており、下部には他の中間ギヤと噛み合うギヤ部50bを有している。また、中央部には舌片状のロック部材50cが一体的に側方へ突設している。
【0034】
待機状態では上記中間ギヤ50のロック部材50cとトレイホルダー12のリブ12fが係合する位置関係となっている。また、通常の動作においてトレイホルダー12が昇降する場合には、中間ギヤ50は駆動力を伝達するために回転しており、リブ12fとロック部材50cが当接しないように設定されている。
【0035】
次に、駆動力伝達機構の構成を示す。本装置前部の前記トレイ収納部3下方には、駆動源となるモーターより上記トレイ4或いはトレイホルダー12へと駆動力を伝達する、駆動力伝達機構各部が筐体1に配設されている。まず、筐体1つまり本装置の正面から見て右端には、本装置の駆動源である、それぞれ略円柱状をしたモーター31及びモーター30が前後に位置して取り付けられている(不図示)。
【0036】
モーター30は、トレイホルダー12並びに第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10の昇降動作を行い、またモーター31は、第1トレイ駆動ギヤ8及び第2トレイ駆動ギヤ10を駆動して、トレイ4を着脱位置T1と引き込み位置T3との間で移動させる。モーター30の回転駆動力は、図示しない中間ギヤを介して筐体1前部中央付近に回転自在に取り付けられた、トレイ選択手段駆動カム20(不図示)に伝達される。
【0037】
トレイ選択手段駆動カム20の側面にはギヤ部が設けてあり、第2トレイ駆動ギヤ10及びトレイホルダー12を昇降移動させるための中間ギヤと噛み合っており、また、第1トレイ駆動ギヤ8及び後述するギヤカバー7を昇降移動させる昇降カム5へと駆動力を伝達する中間ギヤと噛み合っている。
【0038】
一方、モーター31の回転駆動力は、筐体1に回転自在に取り付けられた中間伝達部材である図示しない中間ギヤを介して、筐体1前部中央のトレイ選択手段駆動カム20下部で同軸上に回転自在に取り付けられた、トレイ駆動カム21(不図示)に伝達される。トレイ駆動カム21の側面には、第1トレイ駆動ギヤ8を駆動する中間ギヤ6へと駆動力を伝達するギヤ部、及び第2トレイ駆動ギヤ10を駆動する中間ギヤ9へと駆動力を伝達するギヤ部が設けられている。
【0039】
図10は、昇降カム及びその周辺部分の構成を示す斜視図である。同図に示すように、上記昇降カム5は、略円柱状をして縦方向に設けられており、その下端には図示しない中間ギヤと噛み合うギヤ部5aが設けられている。また、側面周囲には螺旋状にカム溝5bが形成されている。これは、数段に水平に設けられた平行部分5b1が斜面5b2によって連続的に繋がれた円筒カムとして構成されている。平行部分5b1は、第1トレイ駆動ギヤ8の昇降動作における所定の各位置、即ち収納された各トレイ4及び再生(待機)位置に対応するように設けられている。
【0040】
カム溝5bには、下記ギヤカバー7より突設する凸部7aが嵌入され、昇降カム5がその中心軸5c周りに回転することによって、ギヤカバー7及びこれにより保持された第1トレイ駆動ギヤ8を昇降させ、所定の各段まで移動させる。なお、以上の構成の筐体1に対する取り付け位置関係は、図1,図2,及び図4に示している。但し、図4では昇降カム5の図示は省略している。
【0041】
ギヤカバー7は、第1トレイ駆動ギヤ8を保持する略半円柱状のギヤ保持部7eを有している。ギヤ保持部7eの上面及び下面には、後述する第1トレイ駆動ギヤ8の回転軸となる中間ギヤ6の長軸6aとの径方向の接触を避けるため、U字状切り欠き部7fが設けてある。また、ギヤ保持部7eに隣接して、ガイド軸27が嵌入される略円筒状のガイド7bが縦方向に設けられており、これによりギヤカバー7はガイド軸27に案内され、装置上下方向に摺動自在に保持された状態で、ガイド軸27と共にトレイ収納部3Lに取り付けられる。
【0042】
また、ギヤカバー7において、ガイド7bに隣接して上記凸部7aが側方に突設している。さらに、凸部7aに隣接して、上下略対称で山形にカットされた斜面7cが設けられており、ギヤカバー7の昇降動作に伴って、上述のトレイロック部材25におけるロック解除部25aと係合し、トレイ4のロック解除動作を行う。なお、斜面7cは頂部7dを持つ。また、図10では上述したトレイロック部材25とロック部材押さえバネ26との配置関係を示している。
【0043】
トレイ選択手段駆動カム20の駆動力は、装置側面の図示しない中間ギヤを介して第1トレイ昇降ギヤ11へと伝達される。第1トレイ昇降ギヤ11と連結された、第2トレイ昇降ギヤ18の外周ギヤ部は、トレイホルダー12の左側面に設けられたラック12cと噛み合っており、トレイホルダー12の昇降動作を行う。
【0044】
また、別の中間ギヤが軸部材で前記中間ギヤと連結されている(不図示)。この、前記中間ギヤと同期した別の中間ギヤの駆動力を、最終的にトレイホルダー12の右側面に設けられたラック12cへと伝達するため、トレイ昇降ギヤ機構が装置右側面即ち筐体1後部の右側面にも設けられている。これは、上記第1トレイ昇降ギヤ11,第2トレイ昇降ギヤ18及びその関連部分と同様の構成であり、且つ左右対称としたものであるので、説明は省略する。
【0045】
図11は、上述した第1トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図である。同図(a)は第1トレイ駆動ギヤ8の平面図、同図(b)は中間ギヤ6の平面図を示している。また、同図(c)はこれらの分解斜視図である。同図に示した部分の装置上の配置関係は、主として図1,図2,図4,及び図10に示してある。
【0046】
中間ギヤ6は、トレイ収納部3Lに回転自在に取り付けられる中間伝達部材であって、図11に示すように、長軸部6aと、その外周に長手方向に設けられた溝部6b,6c、及び長軸部6aの下端に設けられたギヤ部6dを有している。溝部6b及び6cは、断面形状が略U字状或いは略V字状をなし、長軸部6aの略対角上に位置している。また、溝部6b及び6cの断面形状は異なっている。
【0047】
一方、第1トレイ駆動ギヤ8は、中央に穴部8aを有しており、穴部8a内周の略対角位置には、上記溝部6b及び6cにそれぞれ嵌入する、略U字状或いは略V字状の凸部8b及び8cが内側へ突設している。また、第1トレイ駆動ギヤ8外周には、歯巾の広い歯を持つギヤ部8dと、歯巾の狭い歯を持つギヤ部8eとが交互に配置されている。そして、第1トレイ駆動ギヤ8は、その凸部8b及び8cが中間ギヤ6の溝部6b及び6cと係合することにより、回転方向に規制を受けつつ中間ギヤ6の長軸部6aの長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0048】
そして、中間ギヤ6のギヤ部6dは、図示しない中間ギヤと噛み合っており、トレイ駆動カム21からの駆動力は、このような中間ギヤを介して中間ギヤ6へと回転伝達される。さらに、上述した回転規制の作用によって、中間ギヤ6の回転は第1トレイ駆動ギヤ8へと伝達される。
【0049】
第1トレイ駆動ギヤ8は、上記ギヤカバー7の略半円柱状のギヤ保持部7eに覆われるように保持されて、トレイ収納部3Lに取り付けられており、昇降カム5の回転に伴うギヤカバー7の昇降動作に従って、中間ギヤ6の長軸部6aに案内され、所定のトレイ位置へと昇降移動する。第1トレイ駆動ギヤ8の上記ギヤ部は、上述したトレイ4の左側面に形成されたラック4cと噛み合い、トレイ4を装置前方の着脱位置T1,装置前部の収納位置T2,及びこれより奥側の駆動切替位置T2’の間で移動させる。
【0050】
図12は、上述した第2トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図である。同図(a)は第2トレイ駆動ギヤ10の平面図、同図(b)は中間ギヤ9の平面図を示している。また、同図(c)はこれらの分解斜視図である。同図に示した部分の装置上の配置関係は、主として図1及び図2に示してある。
【0051】
中間ギヤ9は、筐体1に回転自在に取り付けられる中間伝達部材であって、図12に示すように、長軸部9aと、その外周に長手方向に設けられた溝部9b,9c、及び長軸部9aの下端に設けられたギヤ部9dを有している。溝部9b及び9cは、断面形状が略U字状或いは略V字状をなし、長軸部9aの略対角上に位置している。また、溝部9b及び9cの断面形状は異なっている。
【0052】
一方、第2トレイ駆動ギヤ10は、中央に穴部10aを有しており、穴部10a内周の略対角位置には、上記溝部9b及び9cにそれぞれ嵌入する、略U字状或いは略V字状の凸部10b及び10cが内側へ突設している。また、第2トレイ駆動ギヤ10外周には、歯巾の広い歯を持つギヤ部10dと、歯巾の狭い歯を持つギヤ部10eとが交互に配置されている。そして、第2トレイ駆動ギヤ10は、その凸部10b及び10cが中間ギヤ9の溝部9b及び9cと係合することにより、回転方向に規制を受けつつ中間ギヤ9の長軸部9aの長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0053】
そして、中間ギヤ9のギヤ部9dは、図示しない中間ギヤと噛み合っており、トレイ駆動カム21からの駆動力は、このような中間ギヤを介して中間ギヤ9へと回転伝達される。さらに、上述した回転規制の作用によって、中間ギヤ9の回転は第2トレイ駆動ギヤ10へと伝達される。
【0054】
第2トレイ駆動ギヤ10は、上記トレイホルダー12に一体的に設けられたギヤ保持部12aに挟持されており、トレイホルダー12の昇降動作に従って、中間ギヤ9の長軸部9aに案内され、所定のトレイ位置へと昇降移動する。第2トレイ駆動ギヤ10の上記ギヤ部は、上述したトレイ4の左側面に形成されたラック4cと噛み合い、トレイ4を駆動切替位置T2’と装置後部の引き込み位置T3との間で移動させる。
【0055】
ところで、第2トレイ駆動ギヤ10は、同図に示したように、歯巾の異なる歯が1歯ずつ交互に配置されるように構成されており、また図8に示したラック4c後端部の歯4nは、第2トレイ駆動ギヤ10の、歯巾の広い歯と噛み合うように構成されている。このような構成とすることによって、これらの歯の噛み合い開始時に、歯同士が接触して破損する等の不具合を回避することができる。また、歯4nはラック4c前端部にも設けられており、第1トレイ駆動ギヤ8との噛み合い開始時においても、これらの歯同士の接触,破損を回避することができる。
【0056】
図13は、本装置におけるトレイの移動を模式的に示す基本動作図である。同図では、装置の左側面を示している。本実施形態では、装置内に収納可能なディスク枚数を6枚として、6枚のトレイ4を備えた装置について説明する。各トレイ4は、以降の説明における便宜上、収納位置が最下段となるものをNo.1とし、最上段のNo.6まで順に番号を与えておく。
【0057】
同図に示すように、トレイ4はここに載置された上記ディスク15を着脱位置T1,収納位置T2,引き込み位置T3,及び再生位置T4に搬送するように構成されている。まず、着脱位置T1は、筐体1の前方外部でディスク15のトレイ4への着脱を行う位置である。次に、収納位置T2は、トレイ4が装置前部に位置する上記トレイ収納部3に収納される位置であり、上記トレイロック部材25に保持される位置である。なお、このトレイ収納部の下部に配置されたPは上述した駆動力伝達機構である。
【0058】
そして、引き込み位置T3は、筐体1内の収納位置T2よりも更に奥側で、トレイ4がトレイホルダー12に引き込まれ、昇降可能となる位置である。最後に、再生位置T4は、筐体1奥側の引き込み位置T3の下部に位置する上記再生機構ユニット14に、ディスク15を再生可能な状態に搬送完了させた位置である。
【0059】
さて、図13(a)には待機状態が示されている。待機状態は、No.1〜No.6の全トレイ4が収納位置T2にあり、第1トレイ駆動ギヤ8は、収納されている各トレイ4のラック4cと噛み合わないトレイ収納部3下部に位置し、また第2トレイ駆動ギヤ10とトレイホルダー12は、下限位置となる待機位置にある状態である。
【0060】
待機状態より、例えばNo.4のトレイ4に対してディスク15の着脱を行う場合、まず、同図(b)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12が、選択されたNo.4のトレイ4の位置へと上昇する。次に、同図(c)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8によってNo.4のトレイ4を駆動し、着脱位置T1へと移動させる。
【0061】
続いて、No.4のトレイ4を再生する場合には、まず、同図(d)に示すように、第1トレイ駆動ギヤ8によってNo.4のトレイ4を駆動し、収納位置T2を経て装置内奥側の駆動切替位置T2’へと移動させる。このT2’は、トレイ4の駆動源が第1トレイ駆動ギヤ8から第2トレイ駆動ギヤ10へと切り換えられる位置である。
【0062】
次に、同図(e)に示すように、第2トレイ駆動ギヤ10によってNo.4のトレイ4を駆動し、トレイホルダー12内の引き込み位置T3へと移動させる。さらに、同図(f)に示すように、T3へと引き込まれたNo.4のトレイ4は、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12と共に、再生位置T4へと下降する。以上が本装置における基本動作の概要であり、動作するトレイ4はNo.1からNo.6まで任意に選択することができる。
【0063】
また、図14〜図16は、トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図である。それぞれ(a)は左側面、(b)は正面を示している。さて、図示しないトレイ選択決定手段によって再生するディスクが決定されたとき、選択されたトレイ4を収納位置T2からトレイホルダー内の引き込み位置T3へと移動させるため、上述の第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12を、選択されたトレイ位置まで上昇移動する。
【0064】
このとき、トレイ選択決定手段によるディスク選択に従って、トレイ選択手段駆動用のモーター30が駆動され、モーター30の駆動力は中間ギヤ各段を介することで、減速されながら筐体1に配置されたトレイ選択手段駆動カム20のギヤ部20aと噛み合って、当該カム20を回転駆動する。
【0065】
ここで、図14に示すように、本ディスクローディング装置は、通常、全てのトレイ4が収納位置T2に収納され、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12が最下位置となる待機状態で待機している。上述したように、ギヤカバー7と、それに伴う第1トレイ駆動ギヤ8の昇降移動は、トレイ選択手段駆動カム20側面のギヤ部と中間ギヤとが噛み合い、中間ギヤを介して昇降カム5が回転駆動されることによって行われる。
【0066】
また、トレイホルダー12と、それに伴う第2トレイ駆動ギヤ10の昇降移動は、トレイ選択手段駆動カム20側面のギヤ部と中間ギヤとの噛み合いにより、第2トレイ昇降ギヤ18が駆動されることによって行われる。上記の昇降動作は、トレイ選択手段駆動カム20が回転することで、同時に行われる。
【0067】
なお、図14及び図15に示したように、第1トレイ駆動ギヤ8に伴いギヤカバー7(ここでは不図示)が上昇移動することによって、ギヤカバー7に設けられた斜面7cの上側が、No.1のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aと当接する。ギヤカバー7が更に上昇して行くと、トレイロック部材25は斜面7cの上側に沿って、ロック部材押さえバネ26の付勢力に抗しながら、トレイ収納部3Lのガイド溝3cに案内されて、装置側面外側へと移動し始める。
【0068】
また、ギヤカバー7によって保持されている第1トレイ駆動ギヤ8は、No.1のトレイ4側面に設けられたラック4cと噛み合う。即ち、第1トレイ駆動ギヤ8とNo.1のトレイ4のラック4cが噛み合い始める時点において、No.1のトレイ4はトレイロック部材25によって保持されており、噛み合わせを円滑に行えるようにしている。さらに、図15に示したNo.1のトレイ4の位置において、ロック解除部25aは斜面7cの頂部7dへと達し、図8に示したように、トレイロック部材25はラック4cのロック部4mより離れ、No.1のトレイ4のロック解除が行われる。
【0069】
以上のように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、No.1のトレイ4の位置へと上昇し、No.1のトレイ4がトレイホルダー12へと引き込み可能な状態となる。選択されたトレイ4がNo.1のトレイ4以外であった場合、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、引き続きNo.2のトレイ4の位置へと上昇移動することとなる。
【0070】
また、図15及び図16に示したように、第1トレイ駆動ギヤ8に伴いギヤカバー7(ここでは不図示)が上昇移動することによって、No.1のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aは、ギヤカバー7の斜面7cの頂部7dより下側に沿うように、ロック部材押さえバネ26の付勢力に従って装置側面内側へと移動し、No.1のトレイ4を収納位置T2にて保持する。
【0071】
また、ギヤカバー7に設けられた斜面7cの上側が、No.2のトレイ4に対応するトレイロック部材25のロック解除部25aと当接する。ギヤカバー7が更に上昇して行くと、トレイロック部材25は斜面7cの上側に沿って、ロック部材押さえバネ26の付勢力に抗しながら、トレイ収納部3Lのガイド溝3cに案内されて、装置側面外側へと移動し始める。
【0072】
また、ギヤカバー7によって保持されている第1トレイ駆動ギヤ8は、No.2のトレイ4側面に設けられたラック4cと噛み合う。即ち、第1トレイ駆動ギヤ8とNo.2のトレイ4のラック4cが噛み合い始める時点において、No.2のトレイ4はトレイロック部材25によって保持されており、噛み合わせの切り換えを円滑に行えるようにしている。さらに、図16に示したNo.2のトレイ4の位置において、ロック解除部25aは斜面7cの頂部7dへと達し、図8に示したように、トレイロック部材25はラック4cのロック部4mより離れ、No.2のトレイ4のロック解除が行われる。
【0073】
以上のように、第1トレイ駆動ギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12は、No.2のトレイ4の位置へと上昇し、No.2のトレイ4がトレイホルダー12へと引き込み可能な状態となる。これらの動作を繰り返し、選択されたトレイ位置へと第1トレイギヤ8,第2トレイ駆動ギヤ10,及びトレイホルダー12を上昇させる。また、選択されたトレイ位置よりディスク再生位置への下降動作は、上述した動作とは逆の手順を行うこと、即ちトレイ選択手段駆動カム20を逆回転駆動することによって実現することができる。
【0074】
ところで、重畳して収納されたトレイ4に設けられたラック4cに対し、ラック4cと噛み合う第1トレイ駆動ギヤ8が垂直方向に昇降移動するとき、トレイ4と第1トレイ駆動ギヤ8は、双方のガタツキによる微少移動のために噛み合うことができず、第1トレイ駆動ギヤ8歯部の上面と、ラック4c歯部の下面とがぶつかり合って、動作に支障を来すことが考えられる。以下、このような問題について、ギヤ上昇時を例に挙げて説明する。なお、ギヤ下降時については、同様のため説明を省略する。
【0075】
従来、このような問題を回避するために、例えばギヤに対して上方向に、バネによる付勢力を与えながら、ギヤを回転させるように構成していた。そして、ギヤとラックが噛み合い可能な位置、即ち歯の上下面同士が接触しない位置までギヤが回転した時点で、ギヤが付勢力によって上昇し、ラックに対して所定の高さにて噛み合う構成としていた。
【0076】
しかし、このような構成では、ギヤに対する付勢力を発生させるために、バネ部品の追加が必要となり、部品点数の増大やギヤの回転制御の複雑化を招く。また、ギヤを確実に所定の位置で噛み合わせることができず、ズレが生じる恐れがある。そこで、本実施形態では、ラック4cの一部とトレイ駆動ギヤ8の歯形状を、特別の形状に構成している。
【0077】
図17は、このようなラック及びトレイ駆動ギヤの構成を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)はラックの側面図を示している。ラック4cのギヤとの噛み合い部分には、歯形状の異なる歯4iと歯4jが隣り合って配置されており、同図(b)に示すように、上下方向に沿った中心線cに関して左右対称となるように、2歯ずつが設けられている。そして、歯4iには上下対称に斜面4kが設けられ、歯4jには上下対称に斜面4lが設けられている。また、各斜面は中心線cに関して対称なテーパ形状となっている。
【0078】
一方、ラックに対してピニオンの働きをするトレイ駆動ギヤ8は、同図(a)に示すように、歯巾の広い歯8dと歯巾の狭い歯8eとが交互に配されている。歯8d及び8eには、それぞれ上下対称に斜面8d1及び8e1が形成されており、これらの斜面はそれぞれ歯の厚み中心に関して対称な山形のテーパ形状を成す。また、ラック4cとトレイ駆動ギヤ8は、基本的に歯4iと歯4iの間に歯8eが噛み合うように予め設定されている。
【0079】
今、トレイ駆動ギヤ8が、ラック4cに対して上昇移動するとき、まず、歯巾の広い歯8dの上部がラック4cに達する。このとき、ラック4cの位置がトレイ駆動ギヤ8に対して、図中の矢印方向即ちトレイ4の動作方向に、そのガタツキ範囲内で相対的にずれていたとすると、歯8d上部の斜面8d1は、歯4i下部の斜面4k或いは歯4j下部の斜面4lに当接する。
【0080】
8d1と4k及び4lは、それぞれ斜面となっていることにより互いに案内され、トレイ駆動ギヤ8の上昇移動に対する抵抗を小さくすることができ、トレイ駆動ギヤ8の上昇が停止して動作に支障を来すようなことを回避できる。また、トレイ駆動ギヤ8が斜面である4k及び4lに沿って上昇するため、ラック4cの相対位置ズレは、トレイ駆動ギヤ8の上昇に伴って、トレイ4がそのガタツキ範囲内で移動することによって解消される。これにより、トレイ駆動ギヤ8の歯8eを、ラック4c上の歯4iと歯4iの間に導入することができる。
【0081】
以上のような構成とすることで、本実施形態では、バネ付勢等の機構追加を行うことなく、ラックとトレイ駆動ギヤの噛み合いを確実にするようなトレイ駆動ギヤの昇降移動を実現し、安定したトレイの駆動を行うことが可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピニオンの昇降動作に伴って発生する、ピニオンとトレイに設けられたラックとの衝突による動作不具合を回避し、歯の破損を起こしにくく信頼性の高いギヤ昇降機構を持つディスクチェンジャー装置を提供することができる。
【0083】
具体的には、ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、その複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いはそのトレイ収納部からディスク再生位置へと移動するトレイ移動手段と、そのディスク再生位置にあるトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段とを備え、重畳して収納された前記複数のトレイに対して、そのトレイに設けられたラックと噛み合うピニオンを前記トレイ移動手段に設け、前記重畳された方向にそのピニオンを昇降移動させる構成において、前記ピニオンの歯の上下両側に第1の斜面を設けるとともに、前記ラックの前記ピニオンに相対する歯の上下両側に第2の斜面を設け、その第1及び第2の斜面が互いに当接案内されることにより、前記ラックと前記ピニオンとの噛み合い位置調整を行う構成とする。
【0084】
これにより、前記ラック及び前記ピニオン間のガタツキによる噛み合い位置ズレを調整しながら、前記ピニオンを昇降移動させることができる。従って、前記トレイ移動手段の昇降動作時において、特別の機構を追加することなく、ギヤ破損等動作上の不具合を回避するとともに、前記トレイ移動手段によるトレイ駆動を安定させ、確実なものとすることができる。
【0085】
また、前記第1及び第2の斜面は、それぞれテーパ形状を有する構成とする。これにより、第1及び第2の斜面同士の当接案内がよりスムーズとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスクチェンジャー装置を含むディスクローディング装置の外観を示す斜視図。
【図2】ディスクローディング装置の内部構造を示す斜視図。
【図3】本実施形態における筐体及びトレイ収納部の外観を示す正面図。
【図4】本実施形態におけるトレイ収納部及びギヤカバーに関連する部分の構成を示す前部左側面図。
【図5】本装置に装着される2種類のディスクを示す平面図。
【図6】再生機構ユニットの外観を示す斜視図。
【図7】トレイの構造を示す平面図。
【図8】トレイのラック部及びトレイロック部材の構成を示す図。
【図9】トレイホルダーの構成を示す斜視図。
【図10】昇降カム及びその周辺部分の構成を示す斜視図。
【図11】第1トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図。
【図12】第2トレイ駆動ギヤに関連する部分の構成を示す図。
【図13】本装置におけるトレイの移動を模式的に示す基本動作図。
【図14】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図15】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図16】トレイ選択手段駆動カムに関連する部分の模式的な状態遷移図。
【図17】ラック及びトレイ駆動ギヤの構成を示す図。
【符号の説明】
1 筐体
2 上部カバー
3 トレイ収納部
4 トレイ
5 昇降カム
6 中間ギヤ
7 ギヤカバー
8 第1トレイ駆動ギヤ
9 中間ギヤ
10 第2トレイ駆動ギヤ
11 第1トレイ昇降ギヤ
12 トレイホルダー
13 ディスク押さえ
14 再生機構ユニット
15,16 ディスク
18 第2トレイ昇降ギヤ

Claims (2)

  1. ディスクがそれぞれ載置可能な複数のトレイと、該複数のトレイを重畳して収納するトレイ収納部と、前記複数のトレイのうち選択されたトレイを前記トレイ収納部からディスクの着脱を行う位置へと移動し、或いは該トレイ収納部からディスク再生位置へと移動するトレイ移動手段と、該ディスク再生位置にあるトレイに載置されたディスクを再生するディスク再生手段とを備え、
    重畳して収納された前記複数のトレイに対して、該トレイに設けられたラックと噛み合うピニオンを前記トレイ移動手段に設け、前記重畳された方向に該ピニオンを昇降移動させるディスクチェンジャー装置において、
    前記ピニオンの歯の上下両側に第1の斜面を設けるとともに、前記ラックの前記ピニオンに相対する歯の上下両側に第2の斜面を設け、該第1及び第2の斜面が互いに当接案内されることにより、前記ラックと前記ピニオンとの噛み合い位置調整を行うことを特徴とするディスクチェンジャー装置。
  2. 前記第1及び第2の斜面は、それぞれテーパ形状を有することを特徴とする請求項1に記載のディスクチェンジャー装置。
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