JP3644559B2 - 計器用指針 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は計器用指針に係り、特に、自動車等の車両の計器の文字板部分に配設れ、この文字板の目盛等を指示する自発光式の計器用指針に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、車両速度やエンジン回転数等の計測値を表示するアナログ式計器の指針として、光源からの光を内部に導いて自身を光輝させる発光タイプのものがある。
【0003】
図3は従来から用いられている一般的な発光タイプの指針の概略構成例を示す底面図で、図3中において引用符号1Bで示す指針は、指針本体3Aとキャップ5Aを備えている。
【0004】
前記キャップ5Aは、光の透過を不能とする例えば黒色等の着色樹脂からなり、円形の天板51Aと、この天板51Aの周縁から該天板51Aの中心軸方向に延出する環状の周壁部53Aとによって、一端が開放された略円柱状に形成されている。
【0005】
前記指針本体3Aは、光の透過が可能な透明樹脂により形成されており、前記キャップ5Aで覆われる扁平な取付部31Aと、この取付部31Aに連設され文字板(図示せず)上の指示箇所を指示する指示部33Aとを有している。
【0006】
前記取付部31Aは、前記キャップ5の周壁部53の周方向に180゜位相をずらした内周箇所に接する円弧状の縁部を両端に有しており、取付部31Aの裏面31Aaで天板51Aの中心上に位置する取付部31A箇所には、指針本体3Aを回転駆動する不図示の内機の指針軸を圧入するための通孔31Adを有する円筒状の指針袴31Abが突設されている。
【0007】
前記指示部33Aは、前記取付部31に連設された基部33Aaと、この基部33Aaに連設された先部33Acとを有している。
【0008】
前記基部33Aaの裏面33Abは、取付部31Aの裏面31Aaと同一平面上に延在していて、この基部33Aaから前記指針袴31Abの径方向に突出する先部33Acを光輝させるための光が入射される光入射面に形成されており、指針袴31Aの軸方向である指示部33Aの高さ方向において裏面33Abと対向する基部33Aaの表面(図示せず)は、前記指針袴31Abの径方向においてこの指針袴31Abから離れるにつれて裏面33Abから遠ざかる向きに傾斜した光反射面に形成されている。
また、前記先部33Acは、基部33Aaの表面に連なる表面(図示せず)側よりも、これに対向する裏面33Ae側の方が、先部33Acの延在方向Bと直交するこの先部33Acの幅方向Cにおける寸法が小さい断面略逆台形状を呈している。
さらに、先部33Acは全体として、前記指示部33Aの高さ方向と先部33Acの幅方向Cとにおける寸法が、先端に向かうにつれて次第に小さくなる先細り状に形成されている。
【0009】
尚、前記指示部33Aの先部33Acの裏面33Aeと基部33Aaの裏面33Abの間には、先部33Acの裏面33Aeの方が基部33Aaの裏面33Abよりも先部33Acの表面側に近くなるように、前記指示部33Aの高さ方向に段差が付けられている。
また、図3中33Agは、指示部33Aの裏面33Aeにホットスタンプ等により形成された白色や橙色、赤色等の遮光用着色層、33Ah,33Ajは指示部33Aの先部33Acの幅方向Cにおける各側面をそれぞれ示す。
【0010】
そして、前記キャップ5Aの周壁部53Aには、前記指針本体3Aの指示部33Aの先部33Acを挿通するための切欠55Aが形成されている。
【0011】
このように構成された前記指針1Bは、前記取付部31Aと指示部33Aの基部33Aaをキャップ5Aで覆って周壁部53Aの内側に配置し、バランサ7を天板51Aと取付部31Aの間のキャップ5A内部分に位置させると共に、指針袴31Abをキャップ5Aの略中心軸上に位置させて、指示部33Aの基部33Aa寄りの先部33Ac部分を、キャップ5Aの切欠55Aに嵌合して、先部33Acの先端側をキャップ5Aの径方向外方に延出させた上で、不図示の文字板の裏側から通孔を挿通して文字板の表側に延出した前記不図示の内機の指針軸の先端を、指針袴31Abの通孔31Adに圧入することで組み付けられる。
【0012】
そして、前記指針軸に圧入された指針1Aは、不図示の文字板の裏側に配設された導光板(図示せず)を介して不図示の光源から導かれた光を、この導光板の反射面により指針1A側に反射させて、基部33Aaの光入射面である裏面33Abから基部33Aaの内部に入射させ、この入射光を、基部33Aaの光反射面である表面において先部33Ac側に反射させて、この表面で反射された光により先部33Acが内部から照明されて光輝するように構成されている。
【0013】
ところで、一般に導光板の反射面は、指針1Bがどの回転位置にあっても基部33Aaの光入射面である裏面33Abに光を入射させることができるように、指針1Bの回転時における基部33Aaの裏面33Abの軌跡を全てカバーする形状で形成されており、従って、上述した構成の指針1Bでは、光入射面としての基部33Aaの裏面33Abに、指示部33Aの先部33Acを光輝させるための光が導光板から照射されるだけでなく、取付部31Aの裏面31Aaに、先部33Acを光輝させるのには全く必要のない光が導光板から照射される。
【0014】
ところが、上述した光源からの光は一般に拡散光であるため、先部33Acを光輝させるのには全く必要のない光が取付部31Aの裏面31Aaに照射されてしまうと、この裏面31Aaや対向する取付部31Aの表面により、導光板からの光が反射されて拡散し、その反射された拡散光がキャップ5Aの周壁部53Aの縁から外側に漏れて、このキャップ5Aの周辺の文字板部分がぼんやりと明るく見えてしまうというハレーション現象を起こしてしまう。
【0015】
そこで、このキャップ5Aの周囲の文字板部分に起こるハレーション現象をなくすために、図4及び図5に示す改良型の指針が新たに提案された。
【0016】
図4は従来の改良型に係る発光タイプの指針の概略構成例を示す断面図、図5は同底面図で、これらの図中において図3に示すものと同一の部材、箇所には、図3で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
そして、図4及び図5中引用符号1Aで示す指針は、指針本体3Aとキャップ5Aを備えている。
【0017】
前記指針本体3Aは、取付部31Aと指示部33Aとを有しており、透過性樹脂により形成されている。
前記取付部31Aは、前記指示部33Aで前記キャップ5Aの内部に位置する前記取付部31A寄りの基部33Aaと合わせて、図5に一部破線で示すように、底面から見て略円形に形成されている点が、図3に示す指針1Bとは構成が異なっており、また、取付部31Aの裏面31Aaでこの円形の略中心箇所に突設された前記指針袴31Abの通孔31Adは、図4に示すように、取付部31Aの表面31Acに亘って貫設されている。
尚、図4中引用符号31Acは取付部31Aの表面、33Adは指示部33Aの基部33Aaの表面、33Afは指示部33Aの先部33Acの表面、Aは指示部33Aの高さ方向をそれぞれ示す。
【0018】
前記キャップ5Aは、例えば黒色等の遮光性樹脂からなり、天板51Aの内面略中心箇所には、指針本体3Aの取付部31Aの通孔31Adに挿入可能な位置決めピン51Aaが突設されている点が、図3に示す指針1Bとは構成が異なっている。
【0019】
このように構成された前記指針1Aは、位置決めピン51Aaを取付部31Aの表面31Ac側から通孔31Adに挿入しつつ、前記取付部31Aと指示部33Aの基部33Aaをキャップ5Aで覆って周壁部53Aの内側に配置し、バランサ7を天板51Aと取付部31Aの間のキャップ5A内部分に位置させると共に、指針袴31Abをキャップ5Aの略中心軸上に位置させて、指示部33Aの基部33Aa寄りの先部33Ac部分を、キャップ5Aの切欠55Aに嵌合して、先部33Acの先端側をキャップ5Aの径方向外方に延出させた上で、不図示の文字板の裏側から通孔を挿通して文字板の表側に延出した前記不図示の内機の指針軸の先端を、指針袴31Ab側から通孔31Adに圧入することで組み付けられる。
【0020】
さらに、前記指針1Aは、図4及び図5に示すように、例えば黒色等の遮光性樹脂からなる略円板状のカバー35Aをキャップ5に取り付け固定して、取付部31Aの裏面31Aaから指示部33Aの基部33Aaの裏面33Abに亘るキャップ5の開放部分を覆い、光入射面である指示部33Aの基部33Aaの裏面33Abから基部33Aaの内部への導光板からの光の入射を、この裏面33Abに臨むカバー35A箇所に形成した光通過孔35Aaにより確保するようにしている。
【0021】
このように形成された指針1Aは、前記指針軸を指針袴31Abの通孔31Adに圧入した状態で、不図示の文字板の裏側に配設された導光板(図示せず)を介して不図示の光源から導かれた光を、基部33Aaの光入射面である裏面33Abから基部33Aaの内部に、前記高さ方向Aである裏面33Abと略直交する向きで入射させ、この入射光を、基部33Aaの光反射面である表面33Adにおいて先部33Ac側に反射させて、この表面33Adで反射された光により先部33Acが内部から照明されて光輝するように構成されている。
【0022】
上述した指針1Aによれば、導光板から反射された光がカバー35Aにより遮られて取付部31の裏面31Aaに照射されなくなり、従って、取付部31の裏面31Aaや表面31Acで反射された光による上述のハレーション現象の発生を防ぐことができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図3の構成による指針1Bでは、指針本体3Aの指示部33Aの先部33Acが基部33Aaよりも幅方向Cの寸法が小さく、これら基部33Aaと先部33Acとの間に幅方向Cにおいて段差が生じるので、基部33Aaの裏面33Abから入射して表面で反射された光が、上述した基部33Aaと先部33Acとの段差を構成する基部33Aaの端面33Ak(図3参照)に照射されて、先部33Acに到達する前に遮られないように、基部33Aaの表面により光が比較的基部33Aa寄りの先部33Acの両側面33Ah,33Aに向けて反射させるために、基部33Aaの表面の形状、傾き角度を設定する必要が生じる。
【0025】
同様に、図4及び図5の構成による指針1Aでも、カバー35の光通過孔35Aaにより確保される、導光板からの光の入射が可能な指示部33Aの基部33Aaの裏面33Ab部分よりも、指示部33Aの先部33Acの方が幅方向Cの寸法が小さいので、基部33Aaと先部33Acとの間に生じる幅方向Cでの段差を構成する基部33Aaの端面33Ak(図5参照)に照射されて、先部33Acに到達する前に遮られないように、基部33Aaの表面33Adにより光が比較的基部33Aa寄りの先部33Acの両側面33Ah,33Aに向けて反射させるために、基部33Aaの表面33Adの形状、傾き角度を設定する必要が生じる。
【0026】
このため、前記指針1B,1Aではいずれも、丁度キャップ5Aの切欠55Aに嵌合される、指示部33Aの基部33Aa寄りの先部33Ac部分の各側面33Ah,33Ajに、基部33Aaの表面33Adで反射された光の大半が直角に近い角度で基部33Aaの内側から照射されて、この光の一部が、先部33Acの内側に反射できずに各側面33Ah,33Ajから先部33Acの外方に出射して、切欠55Aからキャップ5の外方に光が漏れ、この切欠55Aの部分がぼんやりと明るく見えてしまうというハレーション現象を起こしてしまうという不具合があった。
【0027】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、指示部が外方に突出するキャップ部分でのハレーション現象の発生を抑制することができる計器用指針を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の計器用指針は、筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、前記光入射面と、該幅方向における前記指示部の先部との寸法差を、前記光反射面で反射された光が前記指示部の先部の先端に直接到達する光路を形成する寸法差で形成したことを特徴とする。
【0029】
また、請求項2に記載した本発明の計器用指針は、筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、該指示部の先部の両側面を前記指示部の延在方向に延長した該両側面の延長線上に、前記指示部の幅方向における該指示部の基部の両側面をそれぞれ延在させたことを特徴とする。
【0030】
請求項1に記載した本発明の計器用指針によれば、光入射面から指針本体の指示部の基部に入射して光反射面で反射された光が、指示部の幅方向におけるこの指示部の先部の両側面に照射されずに先部の先端に到達することから、先部の両側面から先部の外方に光が漏れることがなくなり、この先部に近接して配設される、例えば、文字板がぼんやり明るく照らされるようなハレーション現象の発生を、抑制することが可能となる。
【0031】
また、請求項2に記載した本発明の計器用指針によれば、指示部の幅方向における、光入射面と指示部の先部との寸法差がなくなることから、光入射面から指針本体の指示部の基部に入射して光反射面で反射された光が、指示部の幅方向における先部の両側面に照射されるのを確実に防止し、ハレーション現象の発生を確実に抑制することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る計器用指針の概略構成を示す断面図、図2は同底面図で、これらの図中において図3及び図4と同一の部材、箇所には、それらの図で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
そして、図1及び図2において引用符号1で示す本実施形態の指針は、指針本体3とキャップ5を備えている。
【0033】
前記指針本体3は、光の透過が可能な透明樹脂により形成されており、図1に示すように、外形略円形を呈する前記キャップ5で覆われる扁平な取付部31と、この取付部31に連設され文字板(図示せず)上の指示箇所を指示する指示部33とを有している。
【0034】
前記取付部31の裏面31aでキャップ5の略中心に位置する箇所には、図2に示すように、指針本体3を回転駆動する不図示の内機の指針軸を圧入するための円筒状の指針袴31bが突設され、この指針袴31bの通孔31dは、取付部31の表面31cに亘って貫設されている。
また、図1に示すように、前記取付部31で指針袴31bを挟んで指示部33とは反対側の表面31c部分には、指針本体3が前記不図示の内機により回転駆動される際に指示部33とのバランスを取るためのバランサ7が取着されている。
【0035】
前記指示部33の基部33aの裏面33bは、取付部31の裏面31aと同一平面上に延在していて、この基部33aから前記指針袴31bの径方向に突出する先部33cを光輝させるための光が入射される光入射面に形成されており、指示部33の基部33aの表面33bは、前記指針袴31bの径方向においてこの指針袴31bから離れるにつれて裏面33bから遠ざかる向きに傾斜した光反射面に形成されている。
【0036】
また、前記指示部33の先部33cは、基部33aの表面33dに連なる表面33f側よりも、これに対向する裏面33e側の方が、図2に示すように、先部33cの延在方向B(指示部の延在方向に相当)と直交するこの先部33cの幅方向C(指示部の幅方向に相当)における寸法が小さい断面略逆台形状を呈している。
さらに、先部33cは全体として、図1及び図2に示すように、前記幅方向Cと、表裏両面33f,33eを結ぶ先部33cの高さ方向Aとにおける寸法が、先端に向かうにつれて次第に小さくなる先細り状に形成されている。
【0037】
尚、前記指示部33の先部33cの裏面33eと基部33aの裏面33bの間には、先部33cの裏面33eの方が基部33aの裏面33bよりも表面33c側に近くなるように、前記高さ方向Aに段差が付けられている。
また、図1中33gは、指示部33の裏面33eにホットスタンプ等により形成された白色や橙色、赤色等の遮光用着色層、図2中33h,33jは指示部33の先部33cの前記幅方向における各側面、33k,33mは指示部33の基部33aの前記幅方向における各側面をそれぞれ示す。
【0038】
そして、前記指針本体3の指示部33の基部33aは、前記幅方向Cにおける寸法が先部33cと略等しくなるように、先部33cの延在方向Bにおいて基部33aの両側面33k,33mが先部33cの両側面33h,33jの延長線上に位置するように形成され、基部33aの表面33dは、基部33aの内側から照射される裏面33bと略直交する向きの光を、途中で基部33aの両側面33k,33m、及び、先部33cの両側面33h,33jに照射、反射されることなく、先部33cの先端33n(図2参照)に直接到達する向きに反射するように構成されている。
【0039】
前記キャップ5は、光の透過を不能とする例えば黒色等の着色樹脂からなり、図1に示すように、前記取付部31と指示部33の基部33aとを合わせた部分に対応する大きさで円形の天板51と、この天板51の周縁から、図2に示すように、天板51の中心軸方向に延出する環状の周壁部53とによって、一端が開放された略円柱状に形成されている。
そして、前記周壁部53には、前記指針本体3の指示部33の先部33cを挿通するための切欠55が形成され、また、前記天板51の内面略中心箇所には、指針本体3の取付部31の通孔31dに挿入可能な位置決めピン51aが突設されている。
【0040】
このように構成された前記指針1は、位置決めピン51aを取付部31の表面31c側から通孔31dに挿入しつつ、前記取付部31と指示部33の基部33aをキャップ5で覆って周壁部53の内側に配置し、バランサ7を天板51と取付部31の間のキャップ5内部分に位置させると共に、指針袴31bをキャップ5の略中心軸上に位置させて、指示部33の基部33a寄りの先部33c部分を、キャップ5の切欠55に嵌合して、先部33cの先端33n側をキャップ5の径方向外方に延出させた上で、不図示の文字板の裏側から通孔を挿通して文字板の表側に延出した前記不図示の内機の指針軸の先端を、指針袴31b側から通孔31dに圧入することで組み付けられ、この状態で、先部33cの高さ方向Aは、天板51の中心軸方向に沿うこととなる。
従って、本実施形態では、指示部33の先部33cの高さ方向Aが請求項中のキャップの軸方向に相当している。
【0041】
次に、上述のように構成された本実施形態の指針1の作用について説明する。前記指針1の指針袴31bの通孔31dに不図示の内機の指針軸の先端を圧入すると、不図示の文字板の裏側に配設された導光板(図示せず)を介して不図示の光源から導かれた光が、指針本体3の指示部33の基部33aの光入射面である裏面33bから基部33aの内部に、前記高さ方向Aである裏面33bと略直交する向きで入射され、この入射光が、基部33aの光反射面である表面33bにおいて先部33c側に向けて反射され、この表面33bで反射されて先部33c側に導かれた光により、先部33cが内部から照明されて光輝する。
【0042】
このとき、基部33aの表面33bで反射されて先部33cに導かれた光が先部33cの先端33nに直接到達することから、途中で基部33a及び先部33cの両側面33k,33m、33h,33jに照射されることがなく、従って、特に、先部33cの両側面33h,33jから外方に光が漏れて、先部33cが光輝する際の輝度が下がることがなく、また、先部33cの周囲に位置する文字板部分が、先部33cの両側面33h,33jから漏れた光でぼんやりと明るく見えるハレーション現象が発生することもない。
【0043】
このように本実施形態によれば、光の透過が可能な透明樹脂により形成された指針本体3の取付部31を、光の透過を不能とする例えば黒色等の着色樹脂からなり天板51により一端を閉塞した環状の周壁部53の内側に収容されるようにキャップ5で覆い、取付部31に連設された指針本体3の指示部33の基部33aを周壁部53の内側に収容させると共に、この基部33aに連設された指示部33の先部33cをキャップ5の周壁部53の径方向外方に延出させた指針1において、指示部33の基部33aを、先部33cの延在方向Bと直交するこの先部33cの幅方向Cにおける寸法が先部33cと略等しくなるように、先部33cの延在方向Bにおいて基部33aの両側面33k,33mが先部33cの両側面33h,33jの延長線上に位置するように形成した。
【0044】
そして、指針本体3の基部33aの裏面33bからこの裏面33bと略直交する高さ方向Aで内部に入射された光を、基部33aの表面33dにより指示部33の先部33c側に反射させて、この反射光により先部33cを光輝させるに当たり、この反射光が、途中で基部33aの両側面33k,33m、及び、先部33cの両側面33h,33jに照射、反射されずに先部33cの先端33nに直接到達するように構成した。
【0045】
このため、基部33aの表面33dにより反射された光が、指示部33の先部33cの両側面33h,33jから先部33cの外方に漏れることがなくなり、この先部33cに近接して配設される、例えば、文字板がぼんやり明るく照らされるようなハレーション現象の発生を、抑制することができる。
【0046】
しかも、本実施形態の指針1によれば、指示部33の先部33cの延在方向Bにおいて基部33aの両側面33k,33mが先部33cの両側面33h,33jの延長線上に位置するように形成したことから、幅方向Cにおける基部33aと先部33cとの寸法差がなくなり、従って、基部33aと先部33cとの境界に幅方向Cにおける段差を構成する端面ができないこととなる。
このため、光反射面である基部33aの表面33dと指示部33の先部33cとの間の幅方向Cにおける寸法差をなくして、表面33dによる幅方向Cでの反射角度をきつく設定しなくても、この表面33dで反射された光を先部33cに確実に入射させることができ、換言すると、基部33aの表面33dが裏面33bからの入射光を反射する角度を幅方向Cにおいてきつく設定しなくても済むことから、表面33dで反射された光が先部33cの両側面33h,33jに照射されるのを確実に防止し、ハレーション現象の発生を確実に抑制することができる。
【0047】
その上、本実施形態の指針1によれば、基部33aの表面33dにより反射された光が基部33aの両側面33k,33mに照射されることがないので、指針本体3の基部33aの両側面33k,33mとキャップ5の周壁部53の内周との間にかなりの間隔が空くことと相まって、周壁部53の内周に光が照射されてキャップ5の周辺の文字板部分がぼんやりと明るく見えてしまうというハレーション現象の発生を防止することができる。
【0048】
尚、本実施形態では、指針袴31bが指針本体3の取付部31の裏面31aから突設されてた指針1について説明したが、キャップ5の天板51の裏面から突設した指針袴が指針本体3の取付部31を貫通する構成の指針にも本発明は適用可能であり、また、本発明は、基部33aの裏面33b以外のキャップ5の開口部分をカバーで覆う構成の指針にも適用可能である。
また、バランサ7の配置や形状、並びに、有無については、本発明と関係なく任意である。
【0049】
さらに、本実施形態では、基部33aの両側面33k,33mが先部33cの両側面33h,33jの延長線上に位置する構成としたが、基部33aの表面33dにより裏面33bからの入射光を先部33cの先端33nに向けて反射するのに支障がない限り、基部33aの両側面33k,33mが先部33cの両側面33h,33jよりも幅方向C外方に若干ずれた箇所に位置する構成としてもよい。
【0050】
また、本発明は、キャップで覆われた指針本体部分から入射された光を反射させて、キャップから外方に延出する指針本体部分に導いてこの部分を光輝させる、所謂、自発光式の指針であれば、本実施形態で示した構成の指針1に限らず種々の計器用指針に広く適用できることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の計器用指針によれば、筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、前記光入射面と、該幅方向における前記指示部の先部との寸法差を、前記光反射面で反射された光が前記指示部の先部の先端に直接到達する光路を形成する寸法差で形成する構成とした。
【0052】
このため、光入射面から指針本体の指示部の基部に入射して光反射面で反射された光が、指示部の幅方向におけるこの指示部の先部の両側面に照射されずに先部の先端に到達することから、先部の両側面から先部の外方に光が漏れることがなくなり、この先部に近接して配設される、例えば、文字板がぼんやり明るく照らされるようなハレーション現象の発生を、抑制することができる。
【0053】
また、請求項2に記載した本発明の計器用指針によれば、筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、該指示部の先部の両側面を前記指示部の延在方向に延長した該両側面の延長線上に、前記指示部の幅方向における該指示部の基部の両側面をそれぞれ延在させる構成とした。
【0054】
このため、指示部の幅方向における、光入射面と指示部の先部との寸法差がなくなることから、光入射面から指針本体の指示部の基部に入射して光反射面で反射された光が、指示部の幅方向における先部の両側面に照射されるのを確実に防止し、ハレーション現象の発生を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る計器用指針の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の計器用指針の断面図である。
【図3】従来例に係る計器用指針の一例の底面図である。
【図4】従来例に係る計器用指針の他の例の断面図である。
【図5】図4の計器用指針の底面図である。
【符号の説明】
1 計器用指針
3 指示本体
31 取付部
33 指示部
33a 指示部基部
33b 指示部裏面(光入射面)
33c 指示部先部
33d 指示部表面(光反射面)
33h,33j 指示部先部側面
33k,33m 指示部基部側面
33n 指示部先端
5 キャップ
53 周壁部(キャップ周面)
A 指示部先部高さ方向(キャップ軸方向)
B 指示部先部延在方向
C 指示部先部幅方向

Claims (2)

  1. 筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、
    前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、前記光入射面と、該幅方向における前記指示部の先部との寸法差を、前記光反射部で反射された光が前記指示部の先部の先端に直接到達する光路を形成する寸法差で形成した、
    ことを特徴とする計器用指針。
  2. 筒状で一端が閉塞された遮光性のキャップにより、透光性の合成樹脂からなる指針本体の取付部を覆い、該取付部に連設された前記指針本体の指示部の先部を前記キャップの周面から該キャップの外方に延出させ、前記キャップの内部に位置する前記指示部の基部のうち前記キャップの他端側に位置する光入射面から入射した光を、前記基部で前記キャップの両端を結ぶ軸方向において前記光入射面と対向する基部部分に形成された光反射面により前記指示部の先部側に反射させて、該光反射面により反射された光により前記先部を光輝させる計器用指針において、
    前記キャップの軸方向及び前記指示部の延在方向の双方と直交する該指示部の幅方向における、該指示部の先部の両側面を前記指示部の延在方向に延長した該両側面の延長線上に、前記指示部の幅方向における該指示部の基部の両側面をそれぞれ延在させた、
    ことを特徴とする計器用指針。
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