JP3643757B2 - 組立て式家具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は組立て作業を容易に行なうことができる箱形状の組立て式家具に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ベッド用のナイトテーブルや小物入れなどに用いられる家具は箱形状に構成される。箱形状の家具は組立て状態での形状が大きくなるため、工場での保管や出荷時に運搬に不便であるということがある。
【0003】
そこで、そのような家具を組立て式とし、分解状態で保管及び出荷し、購入者に組立ててもらうことで、保管や運搬の容易化を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、箱形状の組立て式家具は、側板、天板、底板及び後板を有し、これらの各部材をねじで結合しながら箱形状に組立てる構造が一般的であった。しかしながら、各部材をねじで結合して組立てる場合、ねじの数が多くなるから、組立て作業に手間が掛かるということがあったり、組立てられた家具の上面、前面あるいは側面にねじが露出するため、外観の低下を招くなどのことがあった。
【0005】
この発明は、容易に組立てることができるとともに、組立てた状態でねじが前面や側面などに露出しないようにした組立て式家具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上端部と下端部にそれぞれ前端面に開放する第1の切欠部と第2の切欠部が前後方向に沿って形成されるとともに、後端部の内面には上下方向に沿う挿入溝が形成された一対の側板と、
幅方向両側に一対の第3の切欠部が形成されこの第3の切欠部を上記側板の第1の切欠部に係合させて設けられる天板と、
幅方向両側に上記一対の第3の切欠部と同じ間隔で一対の第4の切欠部が形成されこの第4の切欠部を上記側板の第2の切欠部に係合させて設けられる底板と、
上記側板の上記第2の切欠部の下側の部分とほぼ同じ高さ寸法に形成されていて、幅方向両端面にガイドピンが設けられこのガイドピンを上記一対の側板の上記第2の切欠部よりも下端部の内面に開口して設けられたガイド孔に挿入して取付けられた前板と、
一対の側板の挿入溝に幅方向両端部を係合させて保持される後板と、
上記天板の後端面と上記底板の後端面とをそれぞれ上記後板の上端部と下端部とに連結固定するねじと、
上記側板の上端部の内面に前後方向に沿って設けられたガイドレールと、
このガイドレールに沿ってスライド可能に設けられた引出しと
を具備したことを特徴とする組立て式家具にある。
【0008】
請求項1の発明によれば、側板に対して天板と底板とを、これらに形成された切欠部を互いに係合させて組立てるようにしたから、ねじを締め付けて組立てる場合に比べて作業性がよく、しかもねじが前面や上面あるいは側面などに露出して外観の低下を招くのを防止することもできる。
【0009】
また、一対の側板間の空間部に引出しを設けることで、この空間部を有効に利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1乃至図8はこの発明の一実施の形態を示す。図1と図2に示すこの発明の組立て式家具1は一対の側板2、天板3、底板4、前板5、後板6及び引出し7から構成されている。
【0012】
上記側板2には、上端部と下端部とにそれぞれ一端を前端面に開放した第1の切欠部11と第2の切欠部12とが前後方向に沿って形成されている。さらに、側板2の内面の後端側には上下方向沿って側部挿入溝14が形成されている。この側部挿入溝14は、下端が側板2の下端面に開放し、上端は側板2の上端面に開放せず、上端面よりもわずかに下方に位置している。また、側板2の上端部には前後方向に沿ってガイドレール15が設けられ、下端部には内面に開口したガイド孔16が形成されている。
【0013】
図7(a)、(b)に示すように、上記天板3は、後端部3aと、この後端部3aよりも幅寸法の大きな前端部3bとを有し、前端部3bの両側に後端部3a側に開放した第3の切欠部22が上記側板2の厚さとほぼ同じ幅寸法で形成されている。
【0014】
天板3の後端部3aの下面後端には段部23が形成され、さらに後端部の幅方向両端部には上記段部23の端面に開放した取付け孔24が形成されている。天板3の後端部3aには、一対の取付け孔24にねじ孔(図示せず)を突出させた連結ナット25が埋設されている。
【0015】
上記天板3は、その第3の切欠部22を一対の側板2の第1の切欠部11に係合させている。それによって、天板3は一対の側板2を、上記天板3の後端部3aの幅寸法とほぼ同じ幅寸法で連結される。一対の側板2の上端部に天板3を取付けることで、側板2に形成された側部挿入溝14の上端が上記天板3に形成された段部23の端面と一致する。
【0016】
図1に示すように、上記前板5は、上記側板2の第1の切欠部11の下側の部分の高さ寸法とほぼ同じ高さ寸法に形成されていて、その幅方向両端面にはそれぞれガイドピン26が突設されている。前板5は、一対のガイドピン26を側板2のガイド孔16に嵌合させて組み付けられる。
【0017】
上記底板4は上記天板3とほぼ同じ形状に形成されている。つまり、底板4は、一対の側板2の間隔とほぼ同じ幅寸法の後端部4aと、この後端部4aよりも幅寸法の大きな前端部4bとからなり、前端部4bの幅方向両側には後端部4aの幅寸法とほぼ同じ幅寸法で一対の第4の切欠部27が形成されている。
【0018】
図8(a)、(b)に示すように、底板4の後端部4aには、後端面に開放する取付け孔28が前後方向に沿って形成されている。底板4には、その下面から上記取付け孔28に突出するよう連結ナット29が埋設されている。そして、上記底板4は、第4の切欠部22を側板2の下端部の第2の切欠部12に嵌合させて組み付けられる。
【0019】
上記後板6は、上記側板2の下端側から幅方向両端部を側部挿入溝14に挿入される。後板6を上端が側部挿入溝14の上端に当接するまで挿入すると、その上端部は天板3の段部23に係合する。この後板6の上端部と下端部には、それぞれ上端部を段部23に係合させた状態で上記天板3の一対の取付け孔24と底板4の一対の取付け孔28にそれぞれ対応する通孔31が形成されている。
【0020】
各通孔31からは、上記取付け孔24,28に設けられた連結ナット24に連結手段であるねじ32がねじ込まれる。それによって、天板3と底板4とは、後板6に連結固定されるから、これら天板3と底板4とが側板2から脱落するのが阻止され、また後板6が側部挿入溝14から脱落するのも防止される。
【0021】
上記引出し7は両側外面に上記側板2の内面に設けられたガイドレール15にスライド可能に係合するガイド溝33が形成されている。したがって、一対の側板2間の天板3の下面側の空間部には上記引出し7が出し入れ可能に設けられる。なお、側板2にガイド溝33を形成する代わりに、図示しないが、上記ガイドレール15にスライド可能に係合する係合部材を設けるようにしてもよい。
【0022】
上記構成の組立て式家具1は次の手順で組立てられる。まず、一対の側板2の上端部の第1の切欠部11に天板3の第3の切欠部22を係合させて側板2と天板3とを組んだならば、側板2の前端側の下部に前板5を取付ける。ついで、側板2の第2の切欠部12に底板4の第4の切欠部27を係合させて底板4を側板2に組み込んだのち、後板6を側板2の下端側から側部挿入溝14に両端部を挿入して組み込む。そして、後板6の通孔31から天板3の取付け孔24と、底板4の取付け孔28の連結ナット29にねじ32をねじ込んだのち、一対の側板2間に引出し7を挿入することで、組立て式家具1が組立てられる。
【0023】
このような構成の組立て式家具1によれば、側板2と天板3との組立ては、側板2の上端部に形成された第1の切欠部11と、天板3に形成された第3の切欠部22とを係合させるだけでよく、また前板5と側板2との組立ては、前板5の両端面のガイドピン26を側板2のガイド孔16に嵌合させるだけでよい。
【0024】
さらに、底板4は、幅方向両側に形成された第4の切欠部27を、側板2に形成された第2の切欠部12に係合させるだけでよく、さらに後板6は側板2に形成された側部挿入溝14に幅方向両端部を係合させて挿入し、上端部を天板3に形成された段部23に係合させる。そして、後板6をねじ32によって天板3と底板4に連結すれば、この後板6を介して天板3と底板4とを側板2に対してスライド不能に固定することができる。
【0025】
つまり、上記構成の組立て式家具1を組立てるには、後板6と天板3及び底板4との連結だけにねじ32を用い、他の個所にはねじを用いずにすむため、組立て作業を容易に、しかも迅速に行なうことができる。とくに、側板2に対する天板3と底板4の組立ては、側板2に形成された第1、第2の切欠部11,12の切欠部11に、天板3に形成された第3の切欠部22及び底板4に形成された第4の切欠部27を係合させるだけでよいから、簡単である。
【0026】
後板6を天板3及び底板4に固定する個所だけにねじ32を用いているため、組立て式家具1の上面、前面及び側面にはねじが露出することがない。つまり、上記ねじ32が背面側に露出するだけであるから、組立て式家具1の外観が損なわれるようなことがない。
【0027】
一対の側板2間には空間部が形成されるが、その空間部の上部には引出し7を出し入れ可能に設けるようにしたから、内部空間の有効利用が図れる。内部空間の有効利用としては、引出し7だけでなく、底板4の上面を雑誌や小物類などの載置面としても利用することができる。
【0028】
図9はこの発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態は、一対の側板2間に、引出し7に代わり、棚板35を設けるようにした。つまり、一対の側板2の内面の高さ方向中途部にはそれぞれ受け桟36を前後方向に沿って設け、これら受け桟36に上記棚板31の幅方向両端部を係合させて架設するようにした。
【0029】
このような構成であっても、一対の側板2間の空間部を有効に利用することができる。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、側板に対して天板と底板とは、これらに形成された切欠部を互いに係合させることで組立てることができ、側板の挿入溝に端部を挿入して組立てられる後板だけがねじによって底板に連結して組立てられる。
【0031】
そのため、ねじの使用が組立て式家具の背面側だけですむから、たくさんのねじを用いる場合に比べて作業性よく組立てることができ、しかもねじが前面、上面あるいは側面に露出することがないから、外観的に良好である。
【0032】
また、一対の側板間の空間部に引出しを設けるようにしたから、一対の側板間の空間部を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る組立て式家具の分解斜視図。
【図2】組立て式家具を組立てた状態の斜視図。
【図3】組立て状態の正面図。
【図4】同じく側面図。
【図5】同じく縦断面図。
【図6】側板の内面の側面図。
【図7】(a)は底板の平面図、(b)は図7(a)のX−X線に沿う断面図。
【図8】(a)は天板の下面側を示す平面図、(b)は図8(a)のY−Y線に沿う断面図。
【図9】この発明の他の実施の形態を示す組立て式家具の正面図。
【符号の説明】
2…側板
3…天板
4…底板
11…第1の切欠部
12…第2の切欠部
14…側部挿入溝
22…第3の切欠部
26…ねじ(連結手段)
27…第4の切欠部
Claims (1)
- 上端部と下端部にそれぞれ前端面に開放する第1の切欠部と第2の切欠部が前後方向に沿って形成されるとともに、後端部の内面には上下方向に沿う挿入溝が形成された一対の側板と、
幅方向両側に一対の第3の切欠部が形成されこの第3の切欠部を上記側板の第1の切欠部に係合させて設けられる天板と、
幅方向両側に上記一対の第3の切欠部と同じ間隔で一対の第4の切欠部が形成されこの第4の切欠部を上記側板の第2の切欠部に係合させて設けられる底板と、
上記側板の上記第2の切欠部の下側の部分とほぼ同じ高さ寸法に形成されていて、幅方向両端面にガイドピンが設けられこのガイドピンを上記一対の側板の上記第2の切欠部よりも下端部の内面に開口して設けられたガイド孔に挿入して取付けられた前板と、
一対の側板の挿入溝に幅方向両端部を係合させて保持される後板と、
上記天板の後端面と上記底板の後端面とをそれぞれ上記後板の上端部と下端部とに連結固定するねじと、
上記側板の上端部の内面に前後方向に沿って設けられたガイドレールと、
このガイドレールに沿ってスライド可能に設けられた引出しと
を具備したことを特徴とする組立て式家具。
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