JP3643686B2 - ウェーハの研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェーハの表面を研磨する研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からシリコンウェーハの表面を鏡面仕上げするポリシング装置が知られている。そのポリシング装置を用いる研磨方法によれば、先ず、シリコンウェーハ(以下単にウェーハという)をワックスを用いてキャリアプレートに接着し、そのキャリアプレートをポリシング装置の研磨クロスが貼られた定盤(研磨用定盤)に接触(当接)するように反転して供給する。そして、そのキャリアプレートを研磨クロス方向に加圧ヘッドにより押圧すると共に、スラリー(研磨剤)を供給して研磨クロスとウェーハとの間に侵入させつつ、研磨用定盤を回転運動させてウェーハ表面を鏡面加工(ポリシング加工)している。
【0003】
また、上記従来のポリシング装置としては、回転駆動される研磨用定盤と、その研磨用定盤の中央に設けたセンターローラと、研磨用定盤の周辺に所定間隔をおいて複数個配置され、前記キャリアプレートを前記センターローラとの間で挟持する位置および通過可能とする位置との間にわたって移動可能に設けられたガイドローラとを備えるものが好適に使用されている。このポリシング装置によれば、研磨用定盤が一方向に回転することにより、センターローラとガイドローラとにキャリアプレートが保持された状態で自転する。このとき、キャリアプレートの自転は、研磨用定盤の内周と外周との周速度の差によって発生するため、その自転方向は研磨用定盤の回転方向と同じ方向になる。
【0004】
このようにキャリアプレートが自転することにより、キャリアプレートの一面(下面)に貼り付けられたウェーハを均一に研磨できる。また、キャリアプレートには複数のウェーハ(例えば5枚)が貼り付けられて、複数のキャリアプレート(例えば4枚)が研磨用定盤の研磨面(研磨クロス面)に載ることになるため、多数のウェーハを同時に好適に研磨できる。なお、ウェーハをキャリアプレートを介して押圧する加圧ヘッドは、重り(ウエイト)が用いられており、そのウエイトによれば、高荷重を安定的に付与することができるため、研磨精度を向上できる。
ところで、従来の研磨工程中において、加圧ヘッドをキャリアプレートに当接させて荷重を付加した場合(ウェーハをキャリアプレートを介して研磨用定盤へ押圧した場合)は、その状態を研磨工程が終了するまで維持していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の研磨方法によれば、従来の要求水準にかかる研磨精度には、好適に対応することができた。
しかしながら、近年、半導体装置の高集積化が進むに伴い、その基材であるシリンウェーハの平坦度や表面品質のさらなる向上が求められている。また、シリコンウェーハ表面にデバイスを形成した際の堆積形成された層間絶縁膜や金属配線の研磨においても、一層高精度に平坦化する要求が高まっている。さらには、シリコンウェーハの大型化に好適に対応すべく、研磨精度を高める要請もある。
【0006】
これに対して、従来の研磨方法では、研磨装置自体の製作精度の限界によって、さらなる研磨精度の向上が困難であるという課題があった。
すなわち、ウェーハの研磨精度(平坦度)が、サブミクロン(例えば、0.3μm以下)を要求される場合、研磨装置の各部材の精度も向上させなければならない。しかし、特に、加圧ヘッド(トップリング)のキャリアプレートに当接する面にかかる平坦度の加工精度は、ミクロンからサブミクロンオーダーになると加工環境の影響(例えば、熱膨張に影響する室温)も大きく受けることになり、限界がある。また、そのトップリングの精度を補うために、弾性体(’O’−リング)介して、その吸収力によって押圧力の均一化を図っているが、サブミクロンオーダーの加工については十分に吸収できない。また、’O’−リングの均質性自体が問題になってくる。また、キャリアプレートの加工精度は、セラミックで形成されるセラミックプレートとすることで向上できるが、それにも限界がある。従って、研磨装置自体の精度の向上には限界があり、従来の研磨方法では、さらなる研磨精度の向上が困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、ウェーハを、加圧ヘッドによってキャリアプレートを介して研磨用定盤に押圧する方法を改良することにより、ウェーハの研磨精度を向上できるウェーハの研磨方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、キャリアプレートの一面に保持されたウェーハを、所定方向に回転する研磨用定盤に当接させ、且つ前記キャリアプレートの他面に加圧ヘッドを当接させて、該加圧ヘッドによって前記ウェーハを前記研磨用定盤に押圧すると共に、前記ウェーハと前記研磨用定盤とを相対的に運動させて研磨するウェーハの研磨方法において、前記ウェーハの研磨工程の中途で、前記研磨用定盤の回転方向を所定方向に保持しつつ、前記加圧ヘッドを前記キャリアプレートから離間して再度当接させ、前記加圧ヘッドが前記キャリアプレートに当接する位置を少なくとも1回ずらすことを特徴とする。
【0009】
また、所定方向に回転可能の研磨用定盤の中央に設けたセンターローラと、該研磨用定盤の周辺に所定間隔をおいて複数個配置され、前記キャリアプレートを前記センターローラとの間で挟持する位置および通過可能とする位置との間にわたって移動可能に設けられたガイドローラと、該ガイドローラと同数の前記加圧ヘッドとによって、複数の前記キャリアプレートに保持された複数のウェーハを同時に研磨することで、ウェーハを精度良く且つ効率良く研磨できる。
【0010】
また、前記加圧ヘッドの前記キャリアプレートに当接する位置が所定の角度ずれるよう、前記加圧ヘッドを前記キャリアプレートから離間する時間を、所定の時間に設定することで、確実に加圧ヘッドのキャリアプレートに当接する位置を変更でき、ウェーハの研磨精度を向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例について添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明にかかる研磨装置(ポリシング装置)の要部を模式的に示す断面説明図である。また、図2は図1の構成要素を備えるポリシング装置の全体構成を示す平面説明図であり、図3はその側面説明図である。
10はウェーハであり、キャリアプレート12の一面である下面に保持されている。ウェーハ10をキャリアプレート12に保持させる方法には、例えば、ワックスによる接着がある。
【0012】
20は研磨用定盤であり、ウェーハ表面(被研磨面)に当接して研磨する研磨面22が表面に形成されている。その研磨面22は、例えば、平坦な定盤21の表面に研磨クロス24が貼着されて形成される。
26は駆動装置であり、本実施例では研磨用定盤20を回転運動させる。これにより、ウェーハ10と研磨用定盤20とを相対的に運動させることができる。なお、駆動装置26は、電動モータ等の駆動源、減速機、及び軸受を含み、研磨用定盤20を滑らかに回転運動させる構成を備えればよい。
【0013】
30は加圧ヘッドであり、ウェーハ10をキャリアプレート12を介して研磨用定盤(研磨面22)に当接させて押圧するよう、その加圧ヘッド30は、キャリアプレート12の他面である上面に当接し、その自重によってウェーハ10を研磨面22に押圧している。本実施例の加圧ヘッド30は、下部当接部32とウエイト部36によって構成されている。下部当接部32の下面外周部(筒状の当接部)には、リング状の溝33が形成されており、その溝33には、弾性体である’O’−リング34が嵌め込まれている。ウエイト部36は、下部当接部32上に板状のウエイトを多数枚積層してボルトで固定するなどして設けられている。また、38は吊持用の軸であり、その軸38を介して、加圧ヘッド30を昇降装置40によって昇降させることができる。また、加圧ヘッド30は軸38に対して回転自在に設けられている。
【0014】
以上の構成によるポリシング装置によれば、昇降装置40によって、ウェーハ10の研磨工程の中途で、加圧ヘッド30をキャリアプレート12から離間して再度当接させ、加圧ヘッド30がキャリアプレート12に当接する位置を少なくとも1回ずらすことを好適に行うことができる。
このように、加圧ヘッド30のキャリアプレート12に当接する位置を研磨工程の中途でずらすことで、ウェーハ10が偏って研磨されることを防止できる。すなわち、ポリシング装置自体の精度に起因する研磨の偏りを分散して研磨精度を著しく向上させることができる。
【0015】
さらに詳細には、研磨工程の最初から最後まで、加圧ヘッド30をキャリアプレート12に対して同一の位置関係に置き、ウェーハ10を押圧していると、装置の各部材の精度(寸法バラツキ)が、そのまま、或いは増幅されてウェーハ10の研磨精度に影響を及ぼし、研磨精度を悪化してしまう。これに対して、本発明のように一定の研磨時間が経過した後、中途で少なくとも一回両者の位置関係を変更(変位)すれば、前記寸法バラツキが分散されて均され、研磨精度を向上できるのである。なお、研磨の偏りを分散する意味では、研磨工程中に加圧ヘッド30のキャリアプレート12に対して離間する回数を増やせばよいが、研磨効率からは、その回数が少ない程よい。例えば、単純に考えれば、1回目の離間によれば研磨の偏りを2分の1にでき、2回の離間によれば研磨の偏りを3分の1にできることになり、回数を増やせば次第に研磨精度を向上できることになるが、1回当たりの効果については1回目の離間による効果が最も効率的である。
【0016】
次に、加圧ヘッド30のキャリアプレート12に当接する位置を、所定の角度確実にずらすようにする手段について説明する。
先ず、加圧ヘッド30をキャリアプレート12から離間する時間を、所定の時間に設定する手段がある。このように、時間で管理する方法によれば、必ずしも正確ではないにしても、両者の位置関係をある程度所定の角度位置に確実にずらすことができる。
また、係止部材と被係止部材とを、加圧ヘッド30とキャリアプレート12とに対応させて設け、その係止部材と被係止部材の位置関係を変更する構成を有することでも、加圧ヘッド30のキャリアプレート12に対する角度位置の関係を確実にずらすことができる。
このように、所定の角度位置に確実にずらすことで、前述の原理によってウェーハの研磨精度を向上でき、各研磨工程毎の研磨精度のバラツキを低減して、安定的な研磨を行うことができる。
【0017】
次に、図2及び図3に基づいて、図1の構成要素を備えるポリシング装置(全体装置)について説明する。
前記研磨用定盤20及び前記駆動装置26は、図3に示すように基台本体42の枠体内に配置されている。
50はセンターローラであり、研磨用定盤20の回転軸を中心として回転自在に設けられている。このセンターローラ50は、本ポリシング装置の上部を形成する本体ヘッド部48から回転可能に垂下して配置してもよいし、研磨用定盤20の中央に下方から回転可能に突出するように設けても良い。
【0018】
52はガイドローラであり、研磨用定盤20の周辺に所定間隔をおいて複数個(本実施例では4個)配置され、キャリアプレート12をセンターローラ50との間で挟持する位置および通過可能とする位置との間にわたって移動可能に設けられている。
本実施例のガイドローラ52は、支持アーム53により支持されている。この支持アーム53は、その後端部で、基台本体42に固定された固定ベース54に、水平軸55によって回動可能に軸着されている。また、支持アーム53の先端には軸56が垂下され、その軸56の先端にボールベアリングを介して回転可能にガイドローラ52が設けられている。そして、図示しない上下動駆動装置によって、支持アーム53が回動するように設けられている。
また、トップリングと呼ばれる前記加圧ヘッド30は、ガイドローラ52と同数(本実施例では4個)が、研磨用定盤20上に昇降可能に配設されている。
【0019】
また、前記キャリアプレート12の一面である下面には、前述したようにウェーハ10がワックスにより貼り付けられている。なお、本実施例では、4枚のキャリアプレート12が、ガイドローラ52及び加圧ヘッド30に対応して配置されており、1枚のキャリアプレート12にはウェーハ10が5枚貼り付けられている。(従って、本実施例では、4枚のキャリアプレート12にそれぞれ5枚のウェーハ10が保持され、総計で20枚のウェーハ10を同時に研磨することができ、ウェーハ10を精度良く且つ効率良く研磨できる。)
【0020】
このキャリアプレート12は、研磨用定盤20上で、ガイドローラ52とセンターローラ50との間の所定位置に保持され、上方から加圧ヘッド30により押圧される。加圧ヘッド30は、本体ヘッド部48に内蔵された昇降装置40によって軸38を介して昇降可能に、また、軸38を中心に回転可能に、本体ヘッド部48に吊設されている。加圧ヘッド30内には重りが前述したように収納されており、その加圧ヘッド30の自重により押圧する。
【0021】
以上の構成にかかるポリシング装置によれば、研磨用定盤20の回転によりキャリアプレート12とそのキャリアプレート12を研磨用定盤20方向に押圧する加圧ヘッド30とが、センターローラ50とガイドローラ52に保持された状態で、その場で自転しつつウェーハ10の研磨を行う。図2には、センターローラ50と各ガイドローラ52とによって各キャリアプレート12が保持された状態を示している。なお、研磨用定盤20には研磨クロス24が貼られており、この研磨クロス24上に研磨剤を供給して研磨を行う。
【0022】
次に以上のように構成されたポリシング装置の動作と共に、ウェーハの研磨方法について説明する。
先ず、キャリアプレート12の供給方法について述べる。
図2の研磨用定盤20の右側の位置を供給位置Dとする。まず、各ガイドローラ52を上昇させておく。そして、供給位置Dより研磨用定盤20の正回転方向Xに研磨用定盤20を回転させた際に、回転方向奥側となる位置のガイドローラ52を下げて保持位置としておく。
なお、奥側からの各ガイドローラを52a、52b、52c、52dとする。
【0023】
そして、回転する研磨用定盤20の供給位置Dにキャリアプレート12を供給すると、供給されたキャリアプレート12が研磨用定盤20とともに回転して回転方向奥側のガイドローラ52aとセンターローラ50とに挟持された状態となる(A位置)。
次に、ガイドローラ52bを降下して保持位置とし、供給位置Dからキャリアプレート12を前記同様に供給する。すると、キャリアプレート12は、センターローラ50とガイドローラ52bとにより保持される(B位置)。
そして、順次、供給位置Dからキャリアプレート12を供給し、各キャリアプレート12は、センターローラ50とガイドローラ52cによる保持位置(C位置)、センターローラ50とガイドローラ52dによる保持位置(D位置)に保持される。
【0024】
上述するようにして供給された各キャリアプレート12に対して、各加圧ヘッド30を降下して研磨用定盤20との間で挟持して、各ウェーハ10の研磨を行う。このとき、研磨用定盤20は正回転方向Xに回転し、その回転に伴ってキャリアプレート12と加圧ヘッド30とが、センターローラ50とガイドローラ52によって保持されつつ共に自転し、ウェーハ10の表面が研磨される。
【0025】
そして、研磨を所定時間行った後、所定の時間が経過したところで、昇降装置40によって、一旦加圧ヘッド30を上昇させてキャリアプレート12から離間する。このとき、研磨用定盤20については、回転を止めないで継続して一定速度で回転させておけばよい。キャリアプレート12は、研磨用定盤20の回転に伴って自転し、キャリアプレート12から離れた加圧ヘッド30の自転は減速或いは停止する。従って、加圧ヘッド30とキャリアプレート12との角度位置は自動的に変位する。なお、これに限らず、研磨用定盤20を、一旦停止して両者の所定の角度を確実にずらす工程を入れてもよい。また、研磨用定盤20の回転を減速し、加圧ヘッド30の接離の衝撃を低減するなど、研磨用定盤20の運動については適宜制御するようにしてもよい。
【0026】
そして、例えば数秒後、昇降装置40によって加圧ヘッド30を下降させてキャリアプレート12に再度当接させ、加圧ヘッド30による荷重をキャリアプレート12に再度かけて、ウェーハ10の研磨を続行させる。その後、研磨を所定の時間行い、ウェーハの研磨工程が終了する。なお、通常、研磨工程が終了した際には、研磨用定盤20が回転している間に加圧ヘッド30を上昇させる。
なお、この昇降装置40による加圧ヘッド30の昇降操作は、本実施例のような1回に限らず、複数回行ってもよい。
このように、加圧ヘッド30をキャリアプレート12から離すことで、加圧ヘッド30のキャリアプレート12に当接する角度位置を研磨工程の中途で好適にずらすことができる。これにより、前述した原理によって、ウェーハ10の研磨精度を著しく向上させることができる。
【0028】
続いて、キャリアプレート12の排出方法について説明する。
まず、ポリシング装置のA位置をキャリアプレート12の排出位置(搬出位置)とし、その搬出位置Aから搬送装置(図示せず)により、各キャリアプレートを順次排出する。このときの研磨用定盤20の回転方向をXとする。
先ず、A位置に研磨時に位置していたキャリアプレート12は、既に排出位置にあるから、そのまま搬送装置によって排出される。
【0029】
次に、B位置のガイドローラ52bを上昇させると、研磨用定盤20の回転と共にキャリアプレート12がA位置に移動してセンターローラ50とガイドローラ52aとに保持され、上記同様に排出される。そして、ガイドローラ52cを上昇させて、キャリアプレート12を研磨用定盤20の回転とともにA位置に移動させて排出する。そして、同様にD位置のキャリアプレート12も排出する。なお、各キャリアプレート12の上記供給方法および排出方法は好適な一実施例であり、供給位置および排出位置を変更するなどしてもよい。
【0030】
次に、図4を参照して、センターローラおよびガイドローラを用いない他の構造のポリシング装置について説明する。
この実施例では、ウェーハ10の表面を研磨する研磨面22を有する研磨用定盤20と、その研磨用定盤20に対向して配され、下面に接着等でウェーハ10を保持したキャリアプレート12を押圧して研磨用定盤20上に保持するウェーハの保持部60と、アーム64を介してウェーハの保持部60と研磨用定盤20とを相対的に接離動させるようにウェーハの保持部60を上下動させる上下動機構66と、アーム64を介してウェーハの保持部60を旋回させる旋回装置とを備える。そして、ウェーハの保持部60は、キャリアプレート12を保持すると共にウェーハ10を押圧するようにキャリアプレート12上面に当接して荷重を付加する加圧ヘッド30、及び回転軸62を介して加圧ヘッド30を強制的に回転させる回転駆動装置63を有する。また、研磨用定盤20を回転運動及び/又は往復運動(揺動運動)させる駆動機構67と、スラリーと呼ばれる液状の研磨剤の供給機構(図示せず)等を備えている。
【0031】
このポリシング装置によっても、研磨工程中に上下動機構66によってウェーハの保持部60(加圧ヘッド30)を引き上げ、加圧ヘッド30のキャリアプレート12との当接・押圧関係を解除することができるため、前記実施例と同様に加圧ヘッド30のキャリアプレート12との角度位置をずらすことができる。従って、前記実施例と同様にウェーハの研磨精度を向上できる。
以上本発明の好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得ることはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係るウェーハの研磨方法によれば、ウェーハの研磨工程の中途で、加圧ヘッドをキャリアプレートから離間して再度当接させ、加圧ヘッドがキャリアプレートに当接する位置を少なくとも1回ずらすことを特徴とする。
このように、加圧ヘッドのキャリアプレートに当接する位置を研磨工程の中途でずらすことで、研磨装置自体の精度に起因する研磨の偏りを分散し、ウェーハの研磨精度を著しく向上できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる研磨装置の一実施例の要部を示す断面説明図である。
【図2】図1の構成要素を備える研磨装置の全体構成を示す平面説明図である。
【図3】図2の研磨装置の正面説明図である。
【図4】本発明にかかる研磨装置の他の実施例を示す側面説明図である。
【符号の説明】
10 ウェーハ
12 キャリアプレート
20 研磨用定盤
26 駆動装置
30 加圧ヘッド
40 昇降装置
50 センターローラ
52 ガイドローラ
Claims (3)
- キャリアプレートの一面に保持されたウェーハを、所定方向に回転する研磨用定盤に当接させ、且つ前記キャリアプレートの他面に加圧ヘッドを当接させて、該加圧ヘッドによって前記ウェーハを前記研磨用定盤に押圧すると共に、前記ウェーハと前記研磨用定盤とを相対的に運動させて研磨するウェーハの研磨方法において、
前記ウェーハの研磨工程の中途で、前記研磨用定盤の回転方向を所定方向に保持しつつ、前記加圧ヘッドを前記キャリアプレートから離間して再度当接させ、前記加圧ヘッドが前記キャリアプレートに当接する位置を少なくとも1回ずらすことを特徴とするウェーハの研磨方法。 - 所定方向に回転可能の研磨用定盤の中央に設けたセンターローラと、該研磨用定盤の周辺に所定間隔をおいて複数個配置され、前記キャリアプレートを前記センターローラとの間で挟持する位置および通過可能とする位置との間にわたって移動可能に設けられたガイドローラと、該ガイドローラと同数の前記加圧ヘッドとによって、
複数の前記キャリアプレートに保持された複数のウェーハを同時に研磨することを特徴とする請求項1記載のウェーハの研磨方法。 - 前記加圧ヘッドの前記キャリアプレートに当接する位置が所定の角度ずれるよう、前記加圧ヘッドを前記キャリアプレートから離間する時間を、所定の時間に設定することを特徴とする請求項1又は2記載のウェーハの研磨方法。
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