JP3643162B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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    • F25B2313/00Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for
    • F25B2313/023Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units
    • F25B2313/0231Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units with simultaneous cooling and heating

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室外機と複数の室内機とからなり、ビル等の空気調和に用いられるマルチタイプの空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル等の空気調和には、冷温水を熱源としてエアーハンドリングユニットやファンコイル等の空気調和装置が一般に用いられている。しかし、近年水質の悪化が激しく、これにより配管が腐食されるなどの問題が多く発生するようになり、できるだけ水の使用を控えたいという要望がでてきている。このような要望に対する回答として、例えば冷媒を直接熱源とするヒートポンプマルチ方式や、VAVパッケージ方式などが提案されている。
一方、近年の空気調和は多様化し、夏は冷房運転、冬は暖房運転といった単純なものではなくなっている。つまり、ビル等の内部では季節、部屋の方位や位置、OA機器等の負荷により空気調和システム内で冷房運転と暖房運転とを同時に行ないたい場合がある。例えばビル内のインテリアゾーンでは冷房運転を、ペリメータゾーンでは暖房運転を行ないたい場合がある。
【0003】
また、春、秋の中間期には朝夕に暖房運転、昼間には冷房運転が求められる場合もある。そしてこの場合、冷房運転と暖房運転の切換時期が空調ゾーンの方角により異なり、南側では冷房運転に切り替わるべき条件に至っているのに、北側では依然暖房運転が継続される必要があることもある。
さらに、OA機器等の負荷の大きい所では、冬でも一日中冷房運転しなければならない場合もある。
そこでこの対策として、デュアルダクト方式と呼ばれる冷熱源と温熱源の2熱源を持つエアーハンドリングユニットによる空調方式が採用される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デュアルダクト方式は設備費用、運転費用ともに高額になる欠点があった。さらに、2熱源の廃熱はそれぞれ捨てられていたため、省エネルギーに逆行するものとなる。
また、冷暖同時運転のできるヒートポンプマルチ方式は、負荷に応じて吹き出し温度を変化させるため空調ゾーンごとに室内機が必要となる。そのため、非常に多くの室内機を居住区域に設置することになり、そのメンテナンス性が著しく低い。また、これは室内空気循環型の空気調和方式であるため、外気処理機能のために新たに外気処理装置を数多い室内機ごとに設置しなければならず、高い設備コストを要するという問題がある。
【0005】
さらに、冷暖同時運転時に、同じモードの複数の室内機同志や、同じモードの室内機と室外機の間で、適正に冷媒の分配ができないこと、また、コンプレッサの容量制御も十分でないため吹き出し空気温度も室内機ごとにまちまちであることから、設定温度に達すると室内機の冷媒制御弁を閉じたりして機能を停止しているのが現状で、室温制御性が良いとは言いがたい。
【0006】
一方、VAVパッケージ方式の場合には、室外機と室内機をそれぞれ一か所に集中させるので、メンテナンス性が良好で、また吹き出し空気温度を一定に制御できる。しかし、すべての室内機が冷房運転または暖房運転のどちらかでしか運転できず、運転モードの変更にはそれなりの手順と時間を要するという欠点をもっている。
また、ビル内での空調ゾーンの方位や位置、OA機器の偏在などにより負荷の異なる複数の空調ゾーンに対しては、それぞれ個別の室外機および室内機を設置しなければならないので、やはり空調機の数が増加し、そのため設置スペースの増大となる。
【0007】
そこで、個々の空調ゾーンにおいてその要求負荷に応じて個別にしかも同時的に冷房運転および暖房運転ができるためには、冷暖同時運転型ヒートポンプマルチ方式とVAVパッケージ方式を組み合わせることが考えられる。しかし、これらを単に重ねて適用しようとしても種々の不具合が生じる。
すなわち、冷暖同時運転型ヒートポンプマルチ方式は基本的に風量一定を前提として負荷にあわせて吹き出し空気温度を制御する。
一方、VAVパッケージ方式は、吹き出し空気温度が一定になるようにコンプレッサの容量制御を行ないながら、それぞれの空調ゾーンの負荷に合わせて供給風量を可変として所定の室温を維持するものであるが、ある室内機においてその総風量が減少したとしても、すべての空調ゾーンの空調負荷が減少したことを意味しない。
【0008】
他方の冷暖同時型ヒートポンプマルチ方式においては、単にコンプレッサの容量制御を行っても吹き出し空気温度の制御はできない。これは、冷暖同時運転型ヒートポンプマルチ方式では、室外機から複数の室内機まで冷媒配管距離がまちまちであり、圧力損失は冷媒流速の2乗に比例することから、コンプレッサの容量制御を行うと各室内機に到達する冷媒圧力分布が大きく変化し、各室内機の冷媒流量も変化してしまうからである。
【0009】
上記のVAVパッケージ方式においては、各室内機が受け持つ空調ゾーンの空調負荷が異なることから、室内機ごとに吹き出し空気温度を異ならせる必要がある。この際、冷暖同時運転型ヒートポンプマルチ方式をベースとして、1台の室内機の吹き出し空気温度を変化させるためにコンプレッサの容量制御を行うと、上記のように他の室内機の吹き出し空気温度まで変化することになる。したがって、とくにダクトを用いて複数ゾーンの室内を個々に制御しようとする場合に、空調ゾーンによってこれまで快適な室温であったものが、なんら手を付けないのに変化してしまうような不具合が生じる可能性もある。
また同様に、室内機同志が干渉し合い、吹き出し空気温度の制御が困難になることもあり好ましくない。
【0010】
また、実際の空気調和に際して、すべての空調ゾーンの空調負荷が減少し、例えば冷房運転時において大多数のVAVユニットが最少換気状態となった場合には、室内機はその吹き出し空気温度を上げることによりVAVユニットを制御範囲に戻して、快適空調を維持するようにし、また、吹き出し空気温度がすべての空調ゾーンの要求負荷に対して不足した場合には、吹き出し空気温度を下げられるのが望ましい。
【0011】
したがって、本発明は、上記従来の問題点に鑑み、室外機と複数の室内機を備える空気調和装置において、高い設備コストを要することなく、個々の空調ゾーンにおいて、その要求負荷に応じて個別に冷房運転または暖房運転ができる空気調和装置、さらには、個別に風量を変化できるようにし、省エネルギー性にも優れた空気調和装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、コンプレッサ、熱交換器、該熱交換器に付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第1の制御手段を備える室外機と、それぞれ熱交換器、該熱交換器に付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第2の制御手段を備え、冷凍サイクルの液管と高圧ガス管と低圧ガス管を形成する冷媒配管により前記室外機に並列に接続された複数の室内機とからなり、各室内機の送風を複数の空調ゾーンに導くとともに、各空調ゾーンごとに設けられたVAVユニットと、室外機の熱交換器に接続されたガス管を該室外機の熱交換器に向かう高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の第1の切り換え手段と、各室内機の熱交換器に接続されたガス管を前記高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の第2の切り換え手段とを有して、それぞれの室内機を個別に冷房運転または暖房運転に選択的に制御し、それぞれの空調ゾーンの室温を前記VAVユニットによる風量変化で制御するように構成する
【0013】
そして、室内機の第2の制御手段は、当該室内機の吹き出し空気温度が例えば温度設定部などにより予め定められた温度になるよう当該室内機の流量調整手段を制御するものであり、室外機の第1の制御手段は、室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御するものとした
【0014】
さらに、室内機の少なくとも1つにおいてその熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室内機に向かう液管と室外機に向かう低圧ガス管の間に、互いの間で熱交換を行う第1の過冷却熱交換器を設けるのが好ましく、また、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管の間に、互いの間で熱交換を行う第2の過冷却熱交換器を設けるのが好ましい。
さらに、室外機のコンプレッサは当該室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報に基いてその出力を制御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報に基いてその出力を制御するのが好ましい。
【0015】
【作用】
各室内機から複数の空調ゾーンへの途中にVAVユニットを備え、VAVユニットによる吹き出し風量変化でそれぞれの空調ゾーンごとの室温調節が行なわれる。各室内機と室外機の熱交換器のガス管を高圧ガス管または低圧ガス管と選択的に接続することにより、冷房運転と暖房運転が同時的に混在する形でどの室内機もいずれかを選択できる。これにより、多数の空調ゾーンでも室温調節が簡単な構成のVAVユニットで行われ、個別に多数の室内機を設置する必要がないからメンテナンス性が向上する。
また、冷暖同時運転時には、室内機間で熱エネルギーの移動が行われ大幅な省エネルギーとなる。
【0016】
そしてとくに、室内機の第2の制御手段は、室内機の吹き出し空気温度が予め定められた値になるよう制御し、室外機の第1の制御手段は、室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御するので、吹き出し風量が変化されても他の室内機の干渉を生じないで、吹き出し空気温度の安定した空気調和が行なわれる。そして、必要に応じて吹き出し空気温度も任意に制御できる。
【0017】
なお、複数の室内機に向かう液管と低圧ガス管の間に第1の過冷却熱交換器を設けたときには、流量調整手段による流量の制御幅が拡大される。さらに、室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管の間に第2の過冷却熱交換器を設けたときには、室外機のコンプレッサに入るガス冷媒の過熱度を大きくすることができ、暖房能力が向上する。
また、室外機のコンプレッサは室内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報により出力を制御するので、いつも負荷に見合った出力で運転でき、第1、第2の制御手段等における圧力損失を最少にすることができ、ムダのない空気調和を行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施例のシステム構成を示す。この実施例においては、1機の室外機30に対して、3機の室内機50A、50B、50Cが分岐ユニット40を介して並列に接続されている。各室内機からは熱交換された空気がダクト47A、47B、47Cにより空調ゾーンZA1、ZA2、ZB1、ZB2、ZCへ導かれる。各ダクトは対応する空調ゾーンの数に応じて適宜に分岐し、それぞれにVAVユニット45A、45B、45C等が設けられ、個別に空調ゾーンへの風量を変化可能となっている。
【0019】
図2は本実施例の冷媒回路を示す。 3機の室内機50A、50B、50Cは、分岐ユニット40を介して、液管、低圧ガス管および高圧ガス管を形成する冷媒配管R1、R2、R3により、室外機30に対して並列に接続されている。
室外機30は、能力可変のコンプレッサ1と熱交換器6を備える。コンプレッサ1の吸い込み側にはアキュムレータ3が付設され、コンプレッサ1の吐出側と吸い込み側の配管には、それぞれ圧力センサ11A、11Bが設けられている。熱交換器6には送風機21が付設されるとともに、両端にはそれぞれ冷媒温度検出用の温度センサ9、10が設けられている。
【0020】
室外機30には、さらに過冷却熱交換器4が備えられ、過冷却熱交換器4の一方の端と熱交換器6の一方の端間の冷媒配管には、過冷却熱交換器4側から熱交換器6方向に順に電子式の膨張弁7、圧力センサ8が付設されている。
過冷却熱交換器4の他端は、液タンク27を介して冷媒配管R1に接続されている。熱交換器6の他端側の冷媒配管(ガス管)には、電子式の流量調整弁25が設置され、またその先は電磁弁5Aを介して過冷却熱交換器4の熱交換通路の入口に接続されるとともに、電磁弁5Bを介して冷媒配管R3に接続されている。上記過冷却熱交換器4の熱交換通路の出口は冷媒配管R2に接続されている。冷媒配管R2はまたアキュムレータ3に接続され、冷媒配管R3はコンプレッサ1の吐出側に接続されている。
ここでは、流量調整弁25が発明の室外機における流量調整手段を構成している。
【0021】
分岐ユニット40は過冷却熱交換器12を備える。過冷却熱交換器12は冷媒配管R1により室外機30の液タンク27と接続されている。また、前記過冷却熱交換器12の出口は室内機50A、50B、50Cに分岐され接続されている。
さらに、分岐ユニット40には、電磁弁13A、13B、13C、23A、23B、23Cが備えられ、電磁弁13A、13B、13Cはそれぞれ室内機50A、50B、50Cを過冷却熱交換器12のもう一方の冷媒配管R2系統に連通可能とし、電磁弁23A、23B、23Cはそれぞれ室内機50A、50B、50Cを冷媒配管R3に連通可能とする。
【0022】
室内機50Aは、熱交換器18Aと、これに付設された送風機24Aを備える。熱交換器18Aの一方の端は、分岐ユニット40の過冷却熱交換器12の冷媒配管R1系統に接続され、他方の端は分岐ユニット40の電磁弁13Aと23Aに接続される。
上記熱交換器18Aの一端側のR1配管には、過冷却熱交換器12側から熱交換器18A方向に順に電子式の膨張弁15A、圧力センサ16A、冷媒温度検出のための温度センサ17Aが設けられている。
また、他端側は分岐ユニット40から熱交換器18A方向に電子式の流量調整弁14A、冷媒温度検出のための温度センサ20Aが設けられている。
さらに、熱交換器18Aには、それぞれ室内機の吹き出し空気温度と吸い込み空気温度を検出する温度センサ22Aと26Aが付設されている。
【0023】
熱交換器18Aで熱交換され、送風機24Aにより吹き出される空気は、図1に示したようにダクト47Aにより空調ゾーンZA1、ZA2へ導かれる。ダクトの各空調ゾーン側にはそれぞれVAVユニット45Aが設けられ、個別に風量を変化可能となっている。
室内機50B、50Cも室内機50Aと同じ構成を有し、以降、それぞれ参照番号にB、Cを付して示す。
流量調整弁14A、14B、14Cが発明の室内機における流量調整手段を構成する。
【0024】
図3は、上記の室内機および室外機における制御装置を示す。制御装置は室内機および室外機ともにマイクロコンピュータおよびその周辺機器からなる。
室外機制御部31には、コンプレッサ1用のインバータ32、室外機の送風機21用のインバータ33が接続されている。
また、周辺機器として、膨脹弁7の駆動制御部34、流量調整弁25の駆動制御部38、電磁弁5A、5Bの駆動制御部35、温度センサ9、10のための温度変換器36、圧力センサ8、11A、11Bのための圧力変換器37が室外機制御部31に接続されている。
【0025】
一方、室内機50Aの制御装置は、室内機制御部51Aと、室内機の送風機24A用のインバータ49Aとを備える。
インバータ49Aには、空調ゾーンごとに設置されたVAVユニット45Aの設定状況に対応して風量を決定する風量設定部46Aが接続されている。
室内機制御部51Aには、周辺機器として、膨脹弁15Aの駆動制御部39A、流量調整弁14Aの駆動制御部41A、各温度センサ17A、20A、22Aおよび26Aのための温度変換器42A、圧力センサ16Aのための圧力変換器43A、ならびに温度設定部44Aが接続されている。
室内機50B、50Cにおける制御装置についても同様に構成され、室内機制御部51B、51C、そのほか、それぞれ参照番号にBおよびCを付して示す。室外機制御部31と駆動制御部38とが発明の第1の制御手段を構成し、室内機50Aについては室内機制御部51Aと駆動制御部41Aとが第2の制御手段を構成している。室内機50B、50Cについても同様である。
【0026】
室外機制御部31と各室内機制御部51A、51B、51Cは、通信手段によって結ばれ、室外機制御部31は各室内機制御部51A、51B、51Cの状況を常時知ることができる。
室外機制御部31は、上記室内機制御部51A、51B、51Cから送られてきた室内機50A、50B、50Cの吹き出し空気温度や流量調整弁14A、14B、14Cの開度より室外機30の運転モードやコンプレッサ1の出力量を演算し、制御信号をコンプレッサ1用のインバータ32に送出する。インバータ32は、この制御信号に従いコンプレッサ1を駆動する。
また、室外機制御部31は、室外機30の熱交換器6が前記の全室内機の負荷量の小さい方の運転モードと同じモードとなるよう、すなわち、冷房運転の負荷の方が小さい時は室外機30の熱交換器6が蒸発器として、また暖房運転の負荷の方が小さい時は凝縮器として働くように周辺機器を制御する。
【0027】
室内機制御部51A、51B、51CはVAVユニット45A、45B、45Cの設定状況から吹き出し空気温度の情報を得て、それぞれの温度設定部44A、44B、44Cに保持させる。そして、吸い込み空気温度センサ26A、26B、26Cの温度データと温度設定部44A、44B、44Cの温度データとの差を演算し、それぞれの室内機が冷房運転か暖房運転かの運転モードを決定する。
【0028】
また、風量設定部46A、46B、46CはVAVユニット45A、45B、45Cからの情報に基づいて吹き出し風量を決定する。室内機の送風機用インバータ49A、49B、49Cは、それぞれの風量設定部46A、46B、46Cからの風量信号をうけて、室内機の送風機24A、24B、24Cを駆動し、送風量を制御する。
また、電磁弁5Aと5B、13Aと23A、13Bと23B、13Cと23Cはそれぞれ一方が開状態の時、他方は閉状態となるよう制御される。ただし、室内機または室外機の熱交換器が運転の必要がない場合は双方とも閉状態となる。
【0029】
つぎに、上記構成における作動について説明する。
図4は、全ての室内機が冷房運転される全冷房運転時の冷媒の流れを示す。
全ての室内機が冷房運転されるときには、室外機においては電磁弁5Bが開状態、電磁弁5Aが閉状態となり、室内機においては電磁弁13A、13B、13Cがそれぞれ開状態、電磁弁23A、23B、23Cが閉状態となるよう制御される。室外機の熱交換器6は凝縮器、各室内機の熱交換器18A、18B、18Cは蒸発器として作用する。
【0030】
すなわち、室外機30において、コンプレッサ1からの高圧ガス冷媒は、矢示のように電磁弁5Bを通り、熱交換器6で液化する。それから過冷却熱交換器4と液タンク27を経て、冷媒配管R1で分岐ユニット40の過冷却熱交換器12へ入る。冷媒は、過冷却熱交換器12で各室内機50A、50B、50Cの熱交換器18A、18B、18Cから出てきたガス冷媒と熱交換され、過冷却度が増大した液冷媒となる。
【0031】
さらに、冷媒は分岐配管により分岐され、各膨張弁15A、15B、15Cに並列に入り減圧されて、低温の気液混合状態になる。
つぎに、冷媒は熱交換器18A、18B、18Cにおいて吸い込み空気と熱交換され、ガス状の冷媒となる。そして、流量調整弁14A、14B、14Cと電磁弁13A、13B、13Cを経て、過冷却熱交換器12へ戻り、室外機30から冷媒配管R1より入ってくる液冷媒を冷却する。過冷却熱交換器12を出た冷媒は、冷媒配管R2を経て、室外機30のコンプレッサ1に戻る。
過冷却熱交換器12が発明の第1の過冷却熱交換器に該当する。
【0032】
この間における室外機30の膨脹弁7、流量調整弁25、送風機21、各室内機50A、50B、50Cの膨脹弁15A、15B、15C、流量調整弁14A、14B、14Cの制御は以下のように行われる。
まず、室外機制御部31は、圧力センサ8で冷媒の圧力を検出し、膨張弁7に入る冷媒の飽和温度を演算する。そして、温度センサ9で検出した冷媒の温度との差、つまり過冷却度が一定になるよう膨脹弁7を制御する。また、流量調整弁25は全開状態に保持される。
【0033】
また、コンプレッサ1の吐出側圧力センサ11Aにより検出される圧力が予め設定された値になるよう、例えばPID制御、あるいはステップ制御などによる信号が送風機用のインバータ33へ出力され、送風機21が駆動されて風量を制御する。
【0034】
一方、室内機制御部51A、51B、51Cでは、温度センサ17A、17B、17C、20A、20B、20Cの各検出温度により、熱交換器18A、18B、18Cの入り口と出口の冷媒の温度差、つまり過熱度が一定になるように、膨脹弁15A、15B、15Cを制御する。
【0035】
さらに、吹き出し空気温度センサ22A、22B、22Cの各検出温度が温度設定部44A、44B、44Cで設定された温度となるよう流量調整弁14A、14B、14Cを制御する。
ここで、各室内機50A、50B、50Cの負荷が同等であれば、各流量調整弁14A、14B、14Cの開度は互いに同じとなる。この場合、冷媒は分岐ユニット40から各室内機50A、50B、50Cに均等に分配され、室内機50A、50B、50Cの吹き出し空気温度は互いに同じとなる。
【0036】
つぎに、例えば、室内機50Aの負荷が重くて風量が大に設定され、室内機50Bおよび50Cの負荷が軽くて風量が小に設定された場合には、室内機50Bおよび50Cの吹き出し空気温度は下がり、室内機50Aの吹き出し空気温度は上がりはじめる。
そこで、室内機50B、50Cの室内機制御部51B、51Cは、温度設定部44B、44Cの設定温度より吹き出し空気温度が低いので、流量調整弁14B、14Cの開度を閉じる方向に制御する。すると、熱交換器18B、18Cを流れる冷媒は制限され熱交換器内の圧力が上昇、つまり冷媒の蒸発温度が上昇する。すると吸い込み空気温度との差が小さくなるので、吹き出し空気温度は上昇する。
【0037】
これと同時に、室内機50B、50Cの冷媒の過熱度が小さくなるため、室内機制御部51B、51Cは膨脹弁15B、15Cの開度を小さくする。
また、室内機50Aの室内機制御部51Aは温度設定部44Aの設定温度より吹き出し空気温度が高いので流量調整弁14Aの開度を開く方向に制御する。すると、熱交換器18Aを流れる冷媒は制限されず熱交換器内の圧力が下降し、つまり冷媒の蒸発温度が下がる。すると吸い込み空気温度との差が大きくなるので吹き出し空気温度は下がる。
これと同時に、室内機50Aの冷媒の過熱度が大きくなるため、室内機制御部51Aは膨張弁15Aの開度を大きくする。
なお、この間、コンプレッサ1の吐出圧力は一定になるよう制御されているので、各室内機50A、50B、50Cの膨張弁15A、15B、15Cに入る冷媒の圧力は変化しない。
【0038】
以上のように制御されている間、コンプレッサ1は以下のように制御される。室外機制御部31は室内機制御部51A、51B、51Cより各室内機の吹き出し空気温度の状況と流量調整弁14A、14B、14Cの開度の情報を入手し、室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温度より高い室内機が少なくとも1台あればコンプレッサ1のモーター回転数を上げてその出力を上げるようインバータ32を制御する。
【0039】
他方、すべての室内機の流量調整弁14A、14B、14Cの開度がほぼ全開でないならばコンプレッサ1の出力を下げるようインバータ32を制御する。そしていずれにも該当しないその他の場合には、コンプレッサ1の出力を保持するようインバータ32を制御する。
図5は上記の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【0040】
なお、分岐ユニット40は過冷却熱交換器12を備えているので、戻りの冷媒を完全にガス化するのにも役立つ。すなわち、すべての室内機50A、50B、50Cの吹き出し風量を急速に減少させた場合に、膨張弁15A、15B、15Cの制御速度が追いつかず熱交換器18A、18B、18Cで蒸発しきれなかった液冷媒が流れても、過冷却熱交換器12が一時的な蓄熱器として働くので、液冷媒がコンプレッサ1に入っての液圧縮現象の発生が防止される。
【0041】
また、この過冷却熱交換器12は、コンプレッサ1に入るガス冷媒の過熱度を確保できるので、各室内機50A、50B、50Cの膨張弁15A、15B、15Cの過熱度を小さく設定でき、熱交換器18A、18B、18Cの利用効率を上げることができる。
【0042】
つぎに、全ての室内機が暖房運転される全暖房運転時の冷媒の流れを、図6を参照して説明する。
全ての室内機が暖房運転されるときには、室外機においては電磁弁5Aが開状態、電磁弁5Bが閉状態となり、室内機においては電磁弁23A、23B、23Cが開状態となり、電磁弁13A、13B、13Cが閉状態となるよう制御される。室外機の熱交換器6は蒸発器、各室内機の熱交換器18A、18B、18Cが凝縮器として作用する。
【0043】
室外機30のコンプレッサ1からの高圧ガス冷媒は、冷媒配管R3を経て、分岐ユニット40に入る。冷媒はここで分岐され、電磁弁23A、23B、23Cを通って、各室内機50A、50B、50Cの熱交換器18A、18B、18Cに入って液化される。
このあと、分岐ユニットの過冷却熱交換器12を経て、冷媒配管R1で室外機に戻り、液タンク27を経て過冷却熱交換器4に入る。
冷媒は、過冷却熱交換器4において熱交換器6からのガス冷媒と熱交換され、過冷却度が増大した液冷媒となる。
【0044】
さらに、冷媒は膨脹弁7により減圧され、低温の気液混合状態になり熱交換器6に入る。冷媒は熱交換器6で室外空気と熱交換されてガス状となり、電磁弁5Aを経て過冷却熱交換器4へ進む。ここで前述のように液タンク27からきた液冷媒を冷却するとともに、自らは過熱度の増したガス冷媒となる。このあと、冷媒はアキュムレータ3を経てコンプレッサ1に戻る。
ここでは、熱交換器4が発明の第2の過冷却熱交換器を構成している。
【0045】
この間における膨張弁15A、15B、15C、流量調整弁14A、14B、14C、送風機21、膨張弁7、流量調整弁25の制御は以下のように行われる。
まず、各室内機制御部51A、51B、51Cは、圧力センサ16A、16B、16Cで冷媒の圧力を検出し、膨張弁15A、15B、15Cに入る冷媒の飽和温度を演算する。そして、温度センサ17A、17B、17Cで検出した冷媒の温度との差、つまり過冷却度が一定になるよう膨張弁15A、15B、15Cを制御する。
さらに、吹き出し空気温度センサ22A、22B、22Cの各検出温度が温度設定部44A、44B、44Cで設定された温度となるよう流量調整弁14A、14B、14Cを制御する。
また、コンプレッサ1の圧力センサ11Bにより検出される圧力が予め設定された値になるよう、例えばPID制御、あるいはステップ制御などによる信号が送風機用インバータ33に出力され、送風機21が駆動されて風量を制御する。
【0046】
また、室外機制御部31では、温度センサ9、10の検出温度に基づいて、冷房運転時の室内機と同様に、熱交換器6の過熱度が一定に保持されるよう膨脹弁7を制御する。
なお、流量調整弁25は全開に保持される。
【0047】
ここで、各室内機50A、50B、50Cの負荷が同等であれば、各流量調整弁14A、14B、14Cの開度は互いに同じとなる。この場合、冷媒は分岐ユニット40から各室内機50A、50B、50Cに均等に分配され、各室内機50A、50B、50Cの吹き出し空気温度は同じとなる。
【0048】
つぎに、例えば室内機50Aの負荷が重くて風量が大に設定され、室内機50Bおよび50Cの負荷が軽くて風量が小に設定された場合には、室内機50Bおよび50Cの吹き出し空気温度は上がり、室内機50Aの吹き出し空気温度は下がりはじめる。
【0049】
そこで、室内機50B、50Cの室内機制御部51B、51Cは、温度設定部44B、44Cの設定温度より吹き出し空気温度が高いので流量調整弁14B、14Cの開度を閉じる方向に制御する。すると、熱交換器18B、18Cを流れる冷媒は制限され、熱交換器内の圧力が下降、つまり冷媒の凝縮温度が下降する。すると吸い込み空気温度との差が小さくなるので吹き出し空気温度は下がる。これと同時に、室内機50B、50Cの冷媒の過冷却度が小さくなるため、室内機制御部51B、51Cは膨張弁15B、15Cの開度を小さくする。
【0050】
また、室内機50Aの室内機制御部51Aは温度設定部44Aの設定温度より吹き出し空気温度が低いので流量調整弁14Aの開度を開く方向に制御する。すると、熱交換器18Aを流れる冷媒は制限されず熱交換器の圧力が上昇し、つまり冷媒の凝縮温度が上昇する。すると吸い込み空気温度との差が大きくなるので吹き出し空気温度は上昇する。
これと同時に、室内機50Aの冷媒の過冷却度が大きくなるため、室内機制御部51Aは膨張弁15Aの開度を大きくする。
【0051】
以上のように制御されている間、コンプレッサ1は以下のように制御される。室外機制御部31は室内機制御部51A、51B、51Cより各室内機の吹き出し空気温度の状況と流量調整弁14A、14B、14Cの開度の情報を入手する。そして、室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温度より低い室内機が少なくとも1台あればコンプレッサ1の出力を上げるようインバータ32を制御する。他方、すべての室内機の流量調整弁14A、14B、14Cの開度がほぼ全開でないならばコンプレッサ1の出力を下げるようインバータ32を制御する。いずれにも該当しないその他の場合にはコンプレッサ1の出力を保持するようインバータ32を制御する。
図7は上記の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【0052】
なお、この暖房運転では、過冷却度を一定に維持するよう制御するので、過冷却度が大きくなって熱交換器18A、18B、18C内に液冷媒が多く溜まり冷凍サイクル全体が冷媒不足を起こすような不具合現象の発生が防止される。
さらに、室外機の過冷却熱交換器4は、戻りの冷媒を完全に液化するのに役立つ。すなわち、膨張弁15A、15B、15Cを出た冷媒は圧力が下がるため一部気化が起こり気液混合状態となる場合があるが、過冷却熱交換器4で冷却されるため再び液冷媒となるので膨張弁7の制御性を低下させることがない。
【0053】
また、室内機50A、50B、50Cの吹き出し風量を急速に減少させた場合に、膨張弁15A、15B、15Cの制御速度が追いつかず、室外機30に未凝縮のガス冷媒が流れても、過冷却熱交換器4が一時的な蓄熱器として働くので、ガス冷媒が膨脹弁7に入ることによる制御性の低下が防止できる。
同じく、過冷却熱交換器4によりコンプレッサ1に入るガス冷媒の加熱度を大きくすることができるので、コンプレッサ1の吐出温度が高くなり、その分暖房能力が向上する。
【0054】
つぎに、冷房運転と暖房運転が平行して行なわれ、室内機の負荷が暖房運転より冷房運転の方が大きい冷暖同時冷房主運転時の作動について説明する。図8はこのときの冷媒の流れを示す。ここでは、たとえば一例として室内機50Aが暖房運転、室内機50B、50Cが冷房運転されるものとする。
まず、室外機では電磁弁5Bが開状態、電磁弁5Aが閉状態となり、室内機では電磁弁23A、13B、13Cが開状態、電磁弁13A、23B、23Cが閉状態となるよう制御される。
室外機の熱交換器6と室内機の熱交換器18Aは凝縮器、室内機の熱交換器18B、18Cは蒸発器として作用する。
【0055】
室外機30において、コンプレッサ1からの高圧ガス冷媒は、電磁弁5Bから熱交換器6に入りここで液化される。熱交換器6を出た冷媒は過冷却熱交換器4と液タンク27を経て冷媒配管R1で分岐ユニット40の過冷却熱交換器12へ入る。
コンプレッサ1からの高圧ガス冷媒はまた、冷媒配管R3によって分岐ユニット40に入る。冷媒配管R3経由の冷媒は電磁弁23Aを経て室内機50Aの熱交換器18Aに入りここで液化する。
【0056】
冷媒配管R1経由で分岐ユニットの過冷却熱交換器12に入った冷媒は、室内機50B、50Cの熱交換器18B、18Cから出てきたガス冷媒と熱交換され過冷却度が増大した液冷媒となる。
この冷媒は分岐配管により室内機50Aの熱交換器18Aからきた液冷媒と一旦合流した後、室内機50B、50Cに並列に入る。ここでは、膨脹弁15B、15Cにより減圧されて低温の気液混合状態になって、熱交換器18B、18Cに入る。
【0057】
冷媒は熱交換器18B、18Cにおいて吸い込み空気と熱交換され、ガス状の冷媒となる。そして、流量調整弁14B、14Cと電磁弁13B、13Cを経て過冷却熱交換器12へ戻り、室外機30から冷媒配管R1経由で入ってくる液冷媒を冷却する。
過冷却熱交換器12を出た冷媒は、冷媒配管R2を経て室外機30のコンプレッサ1に戻る。
【0058】
この間における室外機30の膨脹弁7、流量調整弁25、送風機21、室内機50Aの流量調整弁14A、膨脹弁15A、室内機50B、50Cの流量調整弁14B、14C、膨脹弁15B、15C、ならびにコンプレッサ1の制御は以下のように行われる。
まず、室外機制御部31は、冷房運転時の室外機の制御と同様に、圧力センサ8と温度センサ9の検出結果より演算した過冷却度が一定となるように制御される。
【0059】
また、流量調整弁25は冷房運転の室内機の負荷量と暖房運転の負荷量の差分だけを室外機の熱交換器より補えばよいため、暖房運転の室内機50Aの流量調整弁14Aが開方向に制御されたときは流量調整弁25は閉方向に、流量調整弁14Aが閉方向に制御されたときは流量調整弁25は開方向に制御される。
なお、暖房運転の室内機が複数ある場合やその室内機の最大能力が異なる場合は、その室内機の流量調整弁の開度の総変化量を勘案し開方向か閉方向かを判断する。
さらに、コンプレッサ1は冷房運転の室内機の吹き出し空気温度の状況とその流量調整弁の開度の情報により全冷房運転時のコンプレッサと同様に制御される。
【0060】
また、送風機21については、全冷房運転時の制御と同様に、吐出側圧力センサ11Aにより検出される圧力が予め設定された値になるようインバータ33を駆動させて、その風量制御が行なわれる。
一方、室内機50Aの室内機制御部51Aにおける膨脹弁15Aと流量調整弁14Aの制御は、全暖房運転時の室内機の膨張弁、流量調整弁の制御と同様に、過冷却度と吹き出し空気温度が一定になるように制御される。
【0061】
また、室内機50B、50Cの室内機制御部51B、51Cでは、膨脹弁15B、15Cが、全冷房運転時の室内機の膨脹弁の制御と同様に、過熱度が一定になるよう制御され、流量調整弁14B、14Cはこれもまた同じく吹き出し空気温度一定になるように制御される。
なお、それぞれの室内機の負荷が変化した場合は、全冷房運転または全暖房運転における同じ運転モードの室内機と同様であるから説明を省略する。
図9は上記の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【0062】
つぎに、冷暖同時運転で、室内機の負荷が冷房運転より暖房運転の方が大きい冷暖同時暖房主運転時の作動について、冷媒の流れを示す図10を参照して説明する。ここでは、たとえば一例として室内機50Aが冷房運転、室内機50B、50Cが暖房運転されるものとする。
まず、室外機では電磁弁5Aが開状態、電磁弁5Bが閉状態となり、室内機では電磁弁13A、23B、23Cが開状態、電磁弁23A、13B、13Cが閉状態となるよう制御される。室外機の熱交換器6と室内機の熱交換器18Aは蒸発器、室内機の熱交換器18B、18Cは凝縮器として作用する。
【0063】
この運転では、室外機30のコンプレッサ1からの高圧ガス冷媒は、冷媒配管R3を経て分岐ユニット40に入る。ここで冷媒は電磁弁23B、23Cを経て、室内機50B、50Cの熱交換器18B、18Cに入り、液化される。
熱交換器18B、18Cを出た冷媒は、分岐ユニット40の分岐配管で合流し、一部は室内機50Aへ、残りは過冷却熱交換器12、冷媒配管R1を経て室外機の液タンク27に入り、続いて過冷却熱交換器4に入る。
【0064】
室外機30において、冷媒は過冷却熱交換器4で熱交換器6からのガス冷媒と熱交換され、過冷却が増大した液冷媒となる。そして、冷媒は膨脹弁7で減圧され低温の気液混合状態になり、熱交換器6に入る。熱交換器6で空気と熱交換され、ガス状となった冷媒は、電磁弁5Aを経て過冷却熱交換器4を通過し、前述のように液タンク27からきた液冷媒を冷却するとともに、自らは過熱度が増したガス冷媒となる。
【0065】
一方、室内機50Aへ入った冷媒は、膨脹弁15Aで減圧されて低温の気液混合状態となる。つぎに、熱交換器18Aで吸い込み空気と熱交換され、ガス状の冷媒となる。その後、電磁弁13Aを経て冷媒配管R2を通り室外機30に向かう。
冷媒は室外機30内で過冷却熱交換器4を出た冷媒と合流し、アキュムレータ3を経てコンプレッサ1に戻る。
【0066】
この間における室外機30の膨脹弁7、流量調整弁25、送風機21、室内機50Aの流量調整弁14A、膨脹弁15A、室内機50B、50Cの流量調整弁14B、14C、膨脹弁15B、15Cならびにコンプレッサ1の制御は以下のように行われる。
まず、室外機制御部31は、全暖房運転時の制御と同様に、過熱度が一定になるよう膨脹弁7を制御する。流量調整弁25は冷房運転の室内機50Aの流量調整弁14Aが開方向に制御されたときは閉方向に、流量調整弁14Aが閉方向に制御されたときは流量調整弁25は開方向に制御される。
なお、冷房運転の室内機が複数ある場合やその室内機の最大能力が異なる場合は、その室内機の流量調整弁の開度の総変化量を勘案し開方向か閉方向かを判断する。
【0067】
さらに、コンプレッサ1は暖房運転の室内機の吹き出し空気温度の状況とその流量調整弁の開度の情報により全暖房運転時のコンプレッサと同様に制御される。
また、送風機21については、全暖房運転時の制御と同様に、圧力センサ11Bにより検出される圧力が予め設定された値になるよう送風機用インバータ33を駆動させて、風量制御が行なわれる。
【0068】
室内機50Aの室内機制御部51Aの制御は、冷暖同時冷房主運転時の室内機50B、50Cの制御と同様であるので省略する。また、室内機50B、50Cの室内機制御部51B、51Cの制御も同様に冷暖同時冷房主運転時の室内機50Aと同様である。
【0069】
次に例えば室内機50Aが暖房運転、室内機50B、50Cが冷房運転で、冷房負荷の合計と暖房負荷が同じときには、両負荷間の差分に対して室外機の熱交換器6を凝縮器あるいは蒸発器として働かせる必要がないから、流量調整弁25が閉じられ、同じく送風機21も停止される。そして、室内機50Aを流れた冷媒はすべて、互いに並列の室内機50Bおよび50Cに流れて熱量がバランスする。また、コンプレッサ1は現在の出力を維持する。
【0070】
上述した室外機制御部および室内機制御部における制御の流れを図により簡潔に示す。
室外機制御部では、図11および図12に示すように、まずステップ101において、室内機制御部51A〜51Cからの運転状況を取得し、ステップ102で室外機の運転モードを決定する。そしてステップ103においてその運転モードを識別し、冷房あるいは冷房主運転で室外機が凝縮モードのときはステップ104に、暖房あるいは暖房主運転で室外機が蒸発モードのときはステップ113に、室外機が停止のときにはステップ124に進む。
【0071】
室外機が凝縮モードのときは、まずステップ104で、室内機からの情報に基づき冷房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温度より高い室内機が少なくとも1台あるかを判断し、あればステップ107へ進む。そうでないならばステップ105へ進む。
ステップ105では、上記すべての冷房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でないかを判断し、すべてがほぼ全開でないならばステップ106へ、そうでないならばステップ108へ進む。
【0072】
ステップ106では、コンプレッサ1の出力を低減するよう信号が室外機制御部からインバータ32へ送出され、ステップ107ではコンプレッサ1の出力を増大するようインバータ32に信号が出された後、それぞれステップ108に進む。
ステップ108では、コンプレッサ1の吐出側圧力が一定となるように室外機のインバータ33を駆動させて送風機21の風量制御が行なわれる。
【0073】
そして、ステップ109において、暖房運転の室内機の流量調整弁の開度の総和を計算し、ステップ110で前回の総和と比較する。総和が閉方向に制御されているならばステップ111へ、開方向に制御されているならばステップ112へ進む。
ステップ111では流量調整弁を開方向へ制御し、ステップ112では流量調整弁を閉方向へ制御して、それぞれステップ101へ戻る。
また、ステップ110における比較で開度の総和が前回と同じであるときはそのままステップ101へ戻る。
【0074】
次に、室外機が蒸発モードのときは、ステップ113で、室内機からの情報に基づいて暖房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温度より低い室内機が少なくとも1台あるかを判断し、あればステップ116へ進む。そうでないならばステップ114へ進む。
ステップ114では、上記すべての暖房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でないかを判断し、すべてがほぼ全開でないならばステップ115へ、そうでないならばステップ117へ進む。
【0075】
ステップ115では、コンプレッサ1の出力を低減するよう信号が室外機制御部からインバータ32へ送出され、ステップ116ではコンプレッサ1の出力を増大するようインバータ32に信号が出された後、それぞれステップ117に進む。
ステップ117では、室外機の熱交換器6の過熱度を検出し、ステップ118でこの過熱度一定になるよう膨張弁7を制御する。
このあと、ステップ119ではコンプレッサ1の吸い込み側圧力が一定となるようにインバータ33を駆動させて室外機の送風機21の風量制御が行なわれる。
【0076】
つぎにステップ120では冷房運転の室内機の流量調整弁の開度の総和を計算し、ステップ121で前回の総和と比較する。総和が閉方向に制御されているならばステップ122へ、開方向に制御されているならばステップ123へ進む。ステップ122では流量調整弁25を開方向へ制御し、ステップ123では流量調整弁25を閉方向へ制御したあと、それぞれステップ101へ戻る。
ステップ121における比較で開度の総和が前回と同じであるときはそのままステップ101へ戻る。
冷房負荷と暖房負荷が同じでステップ103での判定が停止のときには、ステップ124において、流量調整弁25が閉じられ、ステップ125で送風機21が停止されてステップ101へ戻る。
【0077】
図13は個々の室内機制御部での制御の流れを示す。
ステップ201においてVAVユニット45より温度設定部44に要求吹き出し空気温度の情報を入力してこれを保持させる。次いでステップ202で、温度センサ26により熱交換器18の吸い込み空気温度を検出する。そして、ステップ203で、設定温度と吸い込み空気温度を比較して、冷房運転か暖房運転かの運転モードを決定する。
【0078】
冷房運転モードの場合には、ステップ204において、まずVAVユニット45が要求する風量になるようインバータ49を制御する。
つぎにステップ205で室内機の吹き出し空気温度を検出する。
そして、ステップ206において、上記検出した吹き出し空気温度と設定温度を比較し、吹き出し空気温度が設定温度より低い場合はステップ207へ進み、吹き出し空気温度と設定温度が同じならばステップ209へ、そして吹き出し空気温度が設定温度より高い場合はステップ208へ進む。
【0079】
ステップ207では、流量調整弁14を閉方向に制御し、ステップ208では流量調整弁14を開方向に制御して、それぞれステップ209へ進む。
ステップ209では、温度センサ17、20の各検出温度から過熱度が求められ、ステップ210でこの過熱度が一定となるように膨張弁15が制御される。
【0080】
一方、暖房運転モードの場合には、ステップ211においてVAVユニット45が要求する風量になるようインバータ49を制御する。
そして、ステップ212で室内機の吹き出し空気温度を検出する。
つぎのステップ213において、上記検出した吹き出し空気温度と設定温度を比較する。吹き出し空気温度が設定温度より高い場合はステップ214へ進み、吹き出し空気温度と設定温度が同じならばステップ216へ、吹き出し空気温度が設定温度より低い場合はステップ215へ進む。
【0081】
ステップ214では流量調整弁14を閉方向に制御し、ステップ215では流量調整弁14を開方向に制御して、それぞれステップ216へ進む。
ステップ216では、圧力センサ16の検出結果に基づく冷媒の飽和温度と温度センサ17の検出温度との差により実際の過冷却度が求められ、ステップ217でこの過冷却度が一定となるように膨張弁15が制御される。
このあと、ステップ218では以上の制御の結果を室外機制御部31に転送し、ステップ201に戻る。
【0082】
本実施例は以上のように構成され、室外機から分岐ユニットを介して複数の室内機に並列に配管されたヒートポンプ式空気調和機において、室内機の送風を複数の空調ゾーンに導き各空調ゾーンごとにVAVユニットにより風量を可変とし、分岐ユニットに過冷却熱交換器と、その切り換えにより冷房運転と暖房運転を選択可能の電磁弁を備え、室外機に過冷却熱交換器を備えてその液管側には膨張弁、ガス管側には流量調整弁を設け、室内機の液管側には膨脹弁、ガス管側には流量調整弁を設けた。そして、室内機においては、冷房運転時には、流量調整弁を各室内機の吹き出し空気温度が一定となるように、そして膨脹弁を過熱度が一定になるよう制御する一方、暖房運転時には、流量調整弁を各室内機の吹き出し空気温度が一定となるように、そして膨張弁を過冷却度が一定になるように制御するものとした。
【0083】
一方、室外機においては、該室外機が凝縮器モードのときは暖房運転時の室内機の流量調整弁の制御により決定される値になるよう、また蒸発器モードのときは冷房運転時の室内機の流量調整弁の制御により決定される値になるようそれぞれ流量調整弁25を制御し、室外機の熱交換器が凝縮器モードのときは室外機の膨張弁を過冷却度が一定になるよう制御し、蒸発器モードのときは過熱度が一定になるよう制御するものとした。
また、コンプレッサは室外機が凝縮器モードのときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度とその流量調整弁の制御により、蒸発器モードのときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度とその流量調整弁の制御により、それぞれ勘案された値出力になるよう制御するものとした。
【0084】
これにより、各空調ゾーンの個別の要求にあわせて、冷房運転および暖房運転が任意に実行でき、しかも風量を変化させても室内機の吹き出し温度が変化せず、安定した空気調和が得られるという効果を有する。また、他の室内機の負荷状態の影響を受けることなく、風量変化により個別の空調ゾーンの室温を任意に制御できるという効果を有する。
【0085】
したがって、多数の個別の空調ゾーンには、簡単なVAVユニットを配置するだけで、多数の室内機を設置する必要がないからメンテナンス性が向上する。
また、室内機の吹き出し風量が急減したとき、冷房時には過冷却熱交換器12が一時的な蓄熱器として作用し、液冷媒がコンプレッサ1に入る液圧縮現象が防止され、暖房運転時には過冷却熱交換器4が一時的な蓄熱器として作用し、冷媒の確実な液化を促進して膨脹弁7での制御性の低下が防止される。
さらに、暖房運転時には過冷却度を制御する膨張弁を出た冷媒が気液混合状態になっても再び液冷媒とすることができ、膨張弁7の制御性を低下させることがない。
【0086】
なおまた、空調ゾーンの負荷状態によって特定の室内機の吹き出し空気温度を冷房運転時に上げたり、暖房運転時に下げたりしたい場合がある。それらの場合にも、流量調整弁を冷房運転時、暖房運転時ともに閉方向に制御することにより、吹き出し空気温度を冷房運転時は上げ、暖房運転時は下げる制御が可能になり、VAVユニットの制御範囲を通常の状態に戻すことができる。
また、各室内機50A、50B、50Cの設置場所がまちまちで、室外機30からの配管長に差があっても、各室内機の熱交換器の蒸発圧力、または凝縮圧力を配管による圧力降下に影響されずに制御できるので、設置工事に際して配管圧損を考慮に入れなくても同じ空調能力が得られる。
さらに、室内機の流量調整弁の開度を少なくとも1台がほぼ全開になるように制御されるため、コンプレッサは必要最小限の出力で運転され、無駄がなく省エネルギーとなる。
なお、実施例では室内機で熱交換された空気がダクトにより空調ゾーンへ導かれているが、これに限定されず、たとえばビル内の天井や床下をサプライチャンバーとして利用して空気を導くダクトレス方式の場合にも同様に適用することができる。
【0087】
図14は、本発明の第2の実施例を示す。この実施例は上述の第1の実施例のシステム構成に対して、2台の室内機をそれぞれ冷房運転専用と暖房運転専用にし、デュアルダクト方式にて各空調ゾーンへVAVユニットを介して吹き出すものである。
すなわち、室内機50B’、50C’はそれぞれ冷房運転専用、暖房運転専用の室内機で、冷房専用のダクト47B’には冷房専用のVAVユニット45B’が接続され、暖房専用のダクト47C’には暖房専用のVAVユニット45C’が接続されている。また、VAVユニット45B’と45C’はそれぞれ対となるように設置され、VAVユニット45B’と45C’を出た吹き出し空気は混合され各空調ゾーンZB1’、ZB2’、ZB3’に吹き出す。その他の構成は第1の実施例と同じである。
各運転モードにおける冷媒の流れは前実施例と同じであるから、作動についての説明は省略する。
【0088】
本実施例によれば、第1の実施例と同じ効果を有するとともに、各空調ゾーンZB1’、ZB2’、ZB3’ごとに冷房運転と暖房運転を選択できる。しかも空気調和装置内で熱移動を行なうから、従来のデュアルダクト方式のように2熱源の廃熱を捨てるようなことがなく、大幅な省エネルギーが可能となる利点を有する。
【0089】
図15は、本発明の第3の実施例を示す。この実施例は、上述の第1の実施例の冷媒回路に対して、分岐ユニットを廃止し、分岐ユニットにあった過冷却熱交換器を各室内機毎に設けるようにしたものである。
すなわち、室外機30から延びる冷媒配管R1’、R2’、R3’が分岐されて、各室内機50A’、50B’、50C’へ並列に接続されている。そして、各室内機内において、冷媒配管R1’が過冷却熱交換器12A、12B、12Cを通ったあと、膨脹弁15A、15B、15Cに接続される。
また、冷媒配管R2’は過冷却熱交換器12A、12B、12Cの他の通路に入り、電磁弁13A’、13B’、13C’を介して流量調整弁14A、14B、14Cに接続されている。さらに、冷媒配管R3’は、電磁弁23A’、23B’、23C’を介して流量調整弁14A、14B、14Cに接続されている。
【0090】
そして、電磁弁13A’と、23A’、13B’と23B’、13C’と23C’は、第1の実施例と同様にそれぞれ一方が開状態のとき、他方が閉状態となるよう制御される。
その他の構成は第1の実施例と同じである。各運転モードにおける冷媒の流れも第1の実施例と同じであるから、作動についての説明は省略する。
【0091】
この実施例によれば、第1の実施例と同じ効果を有するとともに、過冷却熱交換器を各室内機毎に分割して設けるから、膨脹弁に向かう全ての冷媒がいずれかの過冷却熱交換器を通過し、過冷却度を増すことができ、過冷却熱交換器も取扱いが簡単で小型、安価なものが使用できる利点がある。
【0092】
なお、上記各実施例では、室内機が3台接続されたものを示したが、室内機の台数はこれに限定されることなく、2台でもあるいは4台以上でも同様に実施可能であり、送風しない室内機があれば膨脹弁、流量調整弁を全閉にして作動させないことも可能である。
また、分岐ユニットを複数設けて、それぞれの分岐ユニットに複数の室内機を接続することもでき、さらには第1の実施例と第3の実施例を組み合わせてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上のとおり本発明は、室外機に複数の室内機が並列に接続された空気調和装置において、各室内機と室外機の熱交換器のガス管を高圧ガス管または低圧ガス管と選択的に接続することにより、各室内機ごとに冷房運転と暖房運転を選択できるようにし、各室内機の送風を複数の空調ゾーンに導き、各空調ゾーンごとにVAVユニットを備えて、VAVユニットによる風量変化でそれぞれの空調ゾーンの室温を制御するようにしたので、多数の空調ゾーンごとの室温調節が簡単な構成のVAVユニットで行われ、全ての空調ゾーンの要求に応じられ、かつ快適な室温に制御できるという効果を有する。
そして、個別に多数の室内機を設置する必要がないからメンテナンス性が向上するとともに、冷暖同時運転時には、室内機間で熱エネルギーの移動が行われるので、大幅な省エネルギー効果が得られる。
【0094】
さらに、各室内機の吹き出し空気温度が一定になるようにその流量調整手段を制御するので、吹き出し風量が変化されても他の室内機との干渉を生じず、また吸い込み空気の湿度にも影響されないで、吹き出し空気温度の安定した空気調和が行なわれる。また、これにより、室内機の蒸発圧力、凝縮圧力を室内機の負荷の状態にあわせて制御できるので、各室内機の設置場所による能力差がなくなり、空調設計時に能力補正する必要がなく、また、設置工事が簡略化できるという効果がある。
そして、必要に応じて吹き出し空気温度も任意に制御できるという効果を有する。
【0095】
なお、複数の室内機に向かう液管と低圧ガス管の間に第1の過冷却熱交換器を設けることにより、例えば室内機の吹き出し風量を急減させても、過冷却熱交換器の蓄熱器作用で戻りの冷媒が確実にガス化され、コンプレッサの破損が防止される。
また、室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管の間に第2の過冷却熱交換器を設けることにより、室外機のコンプレッサに入るガス冷媒の過熱度を大きくすることができ、暖房能力が向上するとともに、室内機の吹き出し風量を急減させた場合にも、過冷却熱交換器の蓄熱器作用で戻り冷媒の確実な液化を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のシステム構成を示す図である。
【図2】実施例における冷媒回路図である。
【図3】室内機および室外機における制御装置を示す図である。
【図4】全冷房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図5】全冷房運転時の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【図6】全暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図7】全暖房運転時の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【図8】冷暖同時冷房主運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図9】冷暖同時冷房主運転時の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【図10】冷暖同時暖房主運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図11】室外機制御部における制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】室外機制御部における制御の流れを示すフローチャートである。
【図13】室内機制御部における制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】第2の実施例を示す冷媒回路図である。
【図15】第3の実施例を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
3 アキュムレータ
4 過冷却熱交換器
5A、5B 電磁弁
6 熱交換器
7 膨脹弁
8 圧力センサ
9、10 温度センサ
11A、11B 圧力センサ
12 過冷却熱交換器
13A、13B、13C、23A、23B、23C 電磁弁
13A’、13B’、13C’、23A’、23B’、23C’ 電磁弁
14A、14B、14C 流量調整弁
15A、15B、15C 膨脹弁
16A、16B、16C 圧力センサ
17A、17B、17C、20A、20B、20C 温度センサ
18A、18B、18C 熱交換器
21 送風機
22A、22B、22C、26A、26B、26C 温度センサ
25 流量調整弁
27 液タンク
30 室外機
31 室外機制御部
32、33 インバータ
34、35、38 駆動制御部
36 温度変換器
37 圧力変換器
49A、49B、49C インバータ
39A、39B、39C、41A、41B、41C 駆動制御部
40 分岐ユニット
42A、42B、42C 温度変換器
43A、43B、43C 圧力変換器
44A、44B、44C 温度設定部
45A、45B、45C、45B’、45C’ VAVユニット
46A、46B、46C 風量設定部
47A、47B、47C、47B’、47C’ ダクト
48A、48B、48C 駆動制御部
50A、50B、50C、50B’、50C’ 室内機
50A”、50B”、50C” 室内機
51A、51B、51C 室内機制御部
R1、R2、R3、R1’、R2’、R3’ 冷媒配管
ZA1、ZA2、ZB1、ZB2、ZC、 空調ゾーン
ZB1’、ZB2’、ZB3’ 空調ゾーン

Claims (4)

  1. コンプレッサ、熱交換器、該熱交換器に付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第1の制御手段を備える室外機と、
    それぞれ熱交換器、該熱交換器に付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第2の制御手段を備え、冷凍サイクルの液管と高圧ガス管と低圧ガス管を形成する冷媒配管により前記室外機に並列に接続された複数の室内機とからなり、
    各室内機の送風を複数の空調ゾーンに導くとともに、
    各空調ゾーンごとに設けられたVAVユニットと、
    室外機の熱交換器に接続されたガス管を該室外機の熱交換器に向かう高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の第1の切り換え手段と、
    各室内機の熱交換器に接続されたガス管を前記高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の第2の切り換え手段とを有して、
    それぞれの室内機を個別に冷房運転または暖房運転に選択的に制御し、それぞれの空調ゾーンの室温を前記VAVユニットによる風量変化で制御するように構成し、
    前記室内機の第2の制御手段は、当該室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう当該室内機の流量調整手段を制御するものであり、
    前記室外機の第1の制御手段は、室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよう室外機の流量調整手段を制御するものであることを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記室内機の少なくとも1つにおいてその熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室内機に向かう液管と室外機に向かう低圧ガス管の間に、互いの間で熱交換を行う第1の過冷却熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記室外機の熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管の間に、互いの間で熱交換を行う第2の過冷却熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の空気調和装置。
  4. 前記室外機のコンプレッサは当該室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは冷房運転の室内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報に基いて制御され、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは暖房運転の室内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報に基いて制御されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の空気調和装置。
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