JPH09178284A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JPH09178284A
JPH09178284A JP7352085A JP35208595A JPH09178284A JP H09178284 A JPH09178284 A JP H09178284A JP 7352085 A JP7352085 A JP 7352085A JP 35208595 A JP35208595 A JP 35208595A JP H09178284 A JPH09178284 A JP H09178284A
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heat exchanger
unit
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air
indoor unit
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Hiroaki Miyazaki
裕明 宮崎
Isato Mihira
勇人 三平
Takahisa Hayakawa
尚央 早川
Yasuhiro Kojima
康洋 小島
Takumasa Shinmachi
拓正 新町
Shuhei Yoshimoto
周平 吉本
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2313/00Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for
    • F25B2313/023Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units
    • F25B2313/0231Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units with simultaneous cooling and heating

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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に各空調ゾーンごとの冷房運転または暖
房運転を可能とする。 【解決手段】 複数の室内機50A〜50Cが分岐ユニ
ット40を介して室外機30に並列に接続される。室内
機では送風を複数の空調ゾーンに導きVAVユニットで
風量可変とする。分岐ユニットに過冷却熱交換器12
と、その切り替えにより冷房運転と暖房運転を選択可能
の電磁弁13A〜13C、23A〜23Cを備え、室外
機に過冷却熱交換器4を備える。室内機における熱交換
器のガス管側には流量調整弁14A〜14Cを、液管側
には膨脹弁15A〜15Cを設けた。これにより、各空
調ゾーンの個別の要求にあわせて、冷房運転および暖房
運転が任意に実行でき、しかも風量を変化させても室内
機の吹き出し温度が変化せず、安定した空気調和を得ら
れる。また冷暖同時運転時には、室内機相互間で熱エネ
ルギーの移動が行われるので、大幅な省エネルギーとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室外機と複数の室
内機とからなり、ビル等の空気調和に用いられるマルチ
タイプの空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル等の空気調和には、冷温水を熱源と
してエアーハンドリングユニットやファンコイル等の空
気調和装置が一般に用いられている。しかし、近年水質
の悪化が激しく、これにより配管が腐食されるなどの問
題が多く発生するようになり、できるだけ水の使用を控
えたいという要望がでてきている。このような要望に対
する回答として、例えば冷媒を直接熱源とするヒートポ
ンプマルチ方式や、VAVパッケージ方式などが提案さ
れている。一方、近年の空気調和は多様化し、夏は冷房
運転、冬は暖房運転といった単純なものではなくなって
いる。つまり、ビル等の内部では季節、部屋の方位や位
置、OA機器等の負荷により空気調和システム内で冷房
運転と暖房運転とを同時に行ないたい場合がある。例え
ばビル内のインテリアゾーンでは冷房運転を、ペリメー
タゾーンでは暖房運転を行ないたい場合がある。
【0003】また、春、秋の中間期には朝夕に暖房運
転、昼間には冷房運転が求められる場合もある。そして
この場合、冷房運転と暖房運転の切換時期が空調ゾーン
の方角により異なり、南側では冷房運転に切り替わるべ
き条件に至っているのに、北側では依然暖房運転が継続
される必要があることもある。さらに、OA機器等の負
荷の大きい所では、冬でも一日中冷房運転しなければな
らない場合もある。そこでこの対策として、デュアルダ
クト方式と呼ばれる冷熱源と温熱源の2熱源を持つエア
ーハンドリングユニットによる空調方式が採用される場
合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デュアルダク
ト方式は設備費用、運転費用ともに高額になる欠点があ
った。さらに、2熱源の廃熱はそれぞれ捨てられていた
ため、省エネルギーに逆行するものとなる。また、冷暖
同時運転のできるヒートポンプマルチ方式は、負荷に応
じて吹き出し温度を変化させるため空調ゾーンごとに室
内機が必要となる。そのため、非常に多くの室内機を居
住区域に設置することになり、そのメンテナンス性が著
しく低い。また、これは室内空気循環型の空気調和方式
であるため、外気処理機能のために新たに外気処理装置
を数多い室内機ごとに設置しなければならず、高い設備
コストを要するという問題がある。
【0005】さらに、冷暖同時運転時に、同じモードの
複数の室内機同志や、同じモードの室内機と室外機の間
で、適正に冷媒の分配ができないこと、また、コンプレ
ッサの容量制御も十分でないため吹き出し空気温度も室
内機ごとにまちまちであることから、設定温度に達する
と室内機の冷媒制御弁を閉じたりして機能を停止してい
るのが現状で、室温制御性が良いとは言いがたい。
【0006】一方、VAVパッケージ方式の場合には、
室外機と室内機をそれぞれ一か所に集中させるので、メ
ンテナンス性が良好で、また吹き出し空気温度を一定に
制御できる。しかし、すべての室内機が冷房運転または
暖房運転のどちらかでしか運転できず、運転モードの変
更にはそれなりの手順と時間を要するという欠点をもっ
ている。また、ビル内での空調ゾーンの方位や位置、O
A機器の偏在などにより負荷の異なる複数の空調ゾーン
に対しては、それぞれ個別の室外機および室内機を設置
しなければならないので、やはり空調機の数が増加し、
そのため設置スペースの増大となる。
【0007】そこで、個々の空調ゾーンにおいてその要
求負荷に応じて個別にしかも同時的に冷房運転および暖
房運転ができるためには、冷暖同時運転型ヒートポンプ
マルチ方式とVAVパッケージ方式を組み合わせること
が考えられる。しかし、これらを単に重ねて適用しよう
としても種々の不具合が生じる。すなわち、冷暖同時運
転型ヒートポンプマルチ方式は基本的に風量一定を前提
として負荷にあわせて吹き出し空気温度を制御する。一
方、VAVパッケージ方式は、吹き出し空気温度が一定
になるようにコンプレッサの容量制御を行ないながら、
それぞれの空調ゾーンの負荷に合わせて供給風量を可変
として所定の室温を維持するものであるが、ある室内機
においてその総風量が減少したとしても、すべての空調
ゾーンの空調負荷が減少したことを意味しない。
【0008】他方の冷暖同時型ヒートポンプマルチ方式
においては、単にコンプレッサの容量制御を行っても吹
き出し空気温度の制御はできない。これは、冷暖同時運
転型ヒートポンプマルチ方式では、室外機から複数の室
内機まで冷媒配管距離がまちまちであり、圧力損失は冷
媒流速の2乗に比例することから、コンプレッサの容量
制御を行うと各室内機に到達する冷媒圧力分布が大きく
変化し、各室内機の冷媒流量も変化してしまうからであ
る。
【0009】上記のVAVパッケージ方式においては、
各室内機が受け持つ空調ゾーンの空調負荷が異なること
から、室内機ごとに吹き出し空気温度を異ならせる必要
がある。この際、冷暖同時運転型ヒートポンプマルチ方
式をベースとして、1台の室内機の吹き出し空気温度を
変化させるためにコンプレッサの容量制御を行うと、上
記のように他の室内機の吹き出し空気温度まで変化する
ことになる。したがって、とくにダクトを用いて複数ゾ
ーンの室内を個々に制御しようとする場合に、空調ゾー
ンによってこれまで快適な室温であったものが、なんら
手を付けないのに変化してしまうような不具合が生じる
可能性もある。また同様に、室内機同志が干渉し合い、
吹き出し空気温度の制御が困難になることもあり好まし
くない。
【0010】また、実際の空気調和に際して、すべての
空調ゾーンの空調負荷が減少し、例えば冷房運転時にお
いて大多数のVAVユニットが最少換気状態となった場
合には、室内機はその吹き出し空気温度を上げることに
よりVAVユニットを制御範囲に戻して、快適空調を維
持するようにし、また、吹き出し空気温度がすべての空
調ゾーンの要求負荷に対して不足した場合には、吹き出
し空気温度を下げられるのが望ましい。
【0011】したがって、本発明は、上記従来の問題点
に鑑み、室外機と複数の室内機を備える空気調和装置に
おいて、高い設備コストを要することなく、個々の空調
ゾーンにおいて、その要求負荷に応じて個別に冷房運転
または暖房運転ができる空気調和装置、さらには、個別
に風量を変化できるようにし、省エネルギー性にも優れ
た空気調和装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、コ
ンプレッサ、熱交換器、該熱交換器に付設された膨脹
弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた流量調整手
段、および該流量調整手段を制御する第1の制御手段を
備える室外機と、それぞれ熱交換器、該熱交換器に付設
された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けられた
流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第2の
制御手段を備え、冷凍サイクルの液管と高圧ガス管と低
圧ガス管を形成する冷媒配管により前記室外機に並列に
接続された複数の室内機とからなり、各室内機の送風を
複数の空調ゾーンに導くとともに、各空調ゾーンごとに
設けられたVAVユニットと、室外機の熱交換器に接続
されたガス管を該室外機の熱交換器に向かう高圧ガス管
または低圧ガス管に選択的に接続可能の第1の切り換え
手段と、各室内機の熱交換器に接続されたガス管を前記
高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の第2
の切り換え手段とを有して、それぞれの室内機を個別に
冷房運転または暖房運転に選択的に制御し、それぞれの
空調ゾーンの室温を前記VAVユニットによる風量変化
で制御するように構成されたものとした。
【0013】上記室内機の第2の制御手段は、当該室内
機の吹き出し空気温度が例えば温度設定部などにより予
め定められた温度になるよう当該室内機の流量調整手段
を制御するものとするのが望ましい。また、室外機の第
1の制御手段は、室外機の熱交換器が凝縮器として作用
するときは暖房運転の室内機の第2の制御手段の制御に
より決定される値になるよう室外機の流量調整手段を制
御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するときは
冷房運転の室内機の第2の制御手段の制御により決定さ
れる値になるよう室外機の流量調整手段を制御するもの
とするのが望ましい。
【0014】さらに、室内機の少なくとも1つにおいて
その熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室内機に
向かう液管と室外機に向かう低圧ガス管の間に、互いの
間で熱交換を行う第1の過冷却熱交換器を設けるのが好
ましく、また、室外機の熱交換器が蒸発器として作用す
るとき前記室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管
の間に、互いの間で熱交換を行う第2の過冷却熱交換器
を設けるのが好ましい。さらに、室外機のコンプレッサ
は当該室外機の熱交換器が凝縮器として作用するときは
冷房運転の室内機の第2の制御手段の制御とその吹き出
し空気温度とにより決定される値になるようその出力を
制御し、室外機の熱交換器が蒸発器として作用するとき
は暖房運転の室内機の第2の制御手段の制御とその吹き
出し空気温度とにより決定される値になるようその出力
を制御するのが好ましい。
【0015】
【作用】各室内機から複数の空調ゾーンへの途中にVA
Vユニットを備え、VAVユニットによる吹き出し風量
変化でそれぞれの空調ゾーンごとの室温調節が行なわれ
る。 室外機および室内機において、第2の制御手段が
吹き出し空気温度を制御し、第1の制御手段が第2の制
御手段によって決定される値に制御するとともに、各室
内機と室外機の熱交換器のガス管を高圧ガス管または低
圧ガス管と選択的に接続することにより、冷房運転と暖
房運転が同時的に混在する形でどの室内機もいずれかを
選択できる。これにより、多数の空調ゾーンでも室温調
節が簡単な構成のVAVユニットで行われ、個別に多数
の室内機を設置する必要がないからメンテナンス性が向
上する。また、冷暖同時運転時には、室内機間で熱エネ
ルギーの移動が行われ大幅な省エネルギーとなる。
【0016】さらに、室内機の第2の制御手段は、室内
機の吹き出し空気温度が予め定められた値になるよう制
御することにより、吹き出し風量が変化されても他の室
内機の干渉を生じないで、吹き出し空気温度の安定した
空気調和が行なわれる。そして、必要に応じて吹き出し
空気温度も任意に制御できる。
【0017】なお、複数の室内機に向かう液管と低圧ガ
ス管の間に第1の過冷却熱交換器を設けたときには、流
量調整手段による流量の制御幅が拡大される。さらに、
室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガス管の間に第2
の過冷却熱交換器を設けたときには、室外機のコンプレ
ッサに入るガス冷媒の過熱度を大きくすることができ、
暖房能力が向上する。また、室外機のコンプレッサは室
内機の吹き出し空気温度と第2の制御手段の制御情報に
より出力を制御するので、いつも負荷に見合った出力で
運転でき、第1、第2の制御手段等における圧力損失を
最少にすることができ、ムダのない空気調和を行なうこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例の
システム構成を示す。この実施例においては、1機の室
外機30に対して、3機の室内機50A、50B、50
Cが分岐ユニット40を介して並列に接続されている。
各室内機からは熱交換された空気がダクト47A、47
B、47Cにより空調ゾーンZA1、ZA2、ZB1、
ZB2、ZCへ導かれる。各ダクトは対応する空調ゾー
ンの数に応じて適宜に分岐し、それぞれにVAVユニッ
ト45A、45B、45C等が設けられ、個別に空調ゾ
ーンへの風量を変化可能となっている。
【0019】図2は本実施例の冷媒回路を示す。 3機
の室内機50A、50B、50Cは、分岐ユニット40
を介して、液管、低圧ガス管および高圧ガス管を形成す
る冷媒配管R1、R2、R3により、室外機30に対し
て並列に接続されている。室外機30は、能力可変のコ
ンプレッサ1と熱交換器6を備える。コンプレッサ1の
吸い込み側にはアキュムレータ3が付設され、コンプレ
ッサ1の吐出側と吸い込み側の配管には、それぞれ圧力
センサ11A、11Bが設けられている。熱交換器6に
は送風機21が付設されるとともに、両端にはそれぞれ
冷媒温度検出用の温度センサ9、10が設けられてい
る。
【0020】室外機30には、さらに過冷却熱交換器4
が備えられ、過冷却熱交換器4の一方の端と熱交換器6
の一方の端間の冷媒配管には、過冷却熱交換器4側から
熱交換器6方向に順に電子式の膨張弁7、圧力センサ8
が付設されている。過冷却熱交換器4の他端は、液タン
ク27を介して冷媒配管R1に接続されている。熱交換
器6の他端側の冷媒配管(ガス管)には、電子式の流量
調整弁25が設置され、またその先は電磁弁5Aを介し
て過冷却熱交換器4の熱交換通路の入口に接続されると
ともに、電磁弁5Bを介して冷媒配管R3に接続されて
いる。上記過冷却熱交換器4の熱交換通路の出口は冷媒
配管R2に接続されている。冷媒配管R2はまたアキュ
ムレータ3に接続され、冷媒配管R3はコンプレッサ1
の吐出側に接続されている。ここでは、流量調整弁25
が発明の室外機における流量調整手段を構成している。
【0021】分岐ユニット40は過冷却熱交換器12を
備える。過冷却熱交換器12は冷媒配管R1により室外
機30の液タンク27と接続されている。また、前記過
冷却熱交換器12の出口は室内機50A、50B、50
Cに分岐され接続されている。さらに、分岐ユニット4
0には、電磁弁13A、13B、13C、23A、23
B、23Cが備えられ、電磁弁13A、13B、13C
はそれぞれ室内機50A、50B、50Cを過冷却熱交
換器12のもう一方の冷媒配管R2系統に連通可能と
し、電磁弁23A、23B、23Cはそれぞれ室内機5
0A、50B、50Cを冷媒配管R3に連通可能とす
る。
【0022】室内機50Aは、熱交換器18Aと、これ
に付設された送風機24Aを備える。熱交換器18Aの
一方の端は、分岐ユニット40の過冷却熱交換器12の
冷媒配管R1系統に接続され、他方の端は分岐ユニット
40の電磁弁13Aと23Aに接続される。上記熱交換
器18Aの一端側のR1配管には、過冷却熱交換器12
側から熱交換器18A方向に順に電子式の膨張弁15
A、圧力センサ16A、冷媒温度検出のための温度セン
サ17Aが設けられている。また、他端側は分岐ユニッ
ト40から熱交換器18A方向に電子式の流量調整弁1
4A、冷媒温度検出のための温度センサ20Aが設けら
れている。さらに、熱交換器18Aには、それぞれ室内
機の吹き出し空気温度と吸い込み空気温度を検出する温
度センサ22Aと26Aが付設されている。
【0023】熱交換器18Aで熱交換され、送風機24
Aにより吹き出される空気は、図1に示したようにダク
ト47Aにより空調ゾーンZA1、ZA2へ導かれる。
ダクトの各空調ゾーン側にはそれぞれVAVユニット4
5Aが設けられ、個別に風量を変化可能となっている。
室内機50B、50Cも室内機50Aと同じ構成を有
し、以降、それぞれ参照番号にB、Cを付して示す。流
量調整弁14A、14B、14Cが発明の室内機におけ
る流量調整手段を構成する。
【0024】図3は、上記の室内機および室外機におけ
る制御装置を示す。制御装置は室内機および室外機とも
にマイクロコンピュータおよびその周辺機器からなる。
室外機制御部31には、コンプレッサ1用のインバータ
32、室外機の送風機21用のインバータ33が接続さ
れている。また、周辺機器として、膨脹弁7の駆動制御
部34、流量調整弁25の駆動制御部38、電磁弁5
A、5Bの駆動制御部35、温度センサ9、10のため
の温度変換器36、圧力センサ8、11A、11Bのた
めの圧力変換器37が室外機制御部31に接続されてい
る。
【0025】一方、室内機50Aの制御装置は、室内機
制御部51Aと、室内機の送風機24A用のインバータ
49Aとを備える。インバータ49Aには、空調ゾーン
ごとに設置されたVAVユニット45Aの設定状況に対
応して風量を決定する風量設定部46Aが接続されてい
る。室内機制御部51Aには、周辺機器として、膨脹弁
15Aの駆動制御部39A、流量調整弁14Aの駆動制
御部41A、各温度センサ17A、20A、22Aおよ
び26Aのための温度変換器42A、圧力センサ16A
のための圧力変換器43A、ならびに温度設定部44A
が接続されている。室内機50B、50Cにおける制御
装置についても同様に構成され、室内機制御部51B、
51C、そのほか、それぞれ参照番号にBおよびCを付
して示す。室外機制御部31と駆動制御部38とが発明
の第1の制御手段を構成し、室内機50Aについては室
内機制御部51Aと駆動制御部41Aとが第2の制御手
段を構成している。室内機50B、50Cについても同
様である。
【0026】室外機制御部31と各室内機制御部51
A、51B、51Cは、通信手段によって結ばれ、室外
機制御部31は各室内機制御部51A、51B、51C
の状況を常時知ることができる。室外機制御部31は、
上記室内機制御部51A、51B、51Cから送られて
きた室内機50A、50B、50Cの吹き出し空気温度
や流量調整弁14A、14B、14Cの開度より室外機
30の運転モードやコンプレッサ1の出力量を演算し、
制御信号をコンプレッサ1用のインバータ32に送出す
る。インバータ32は、この制御信号に従いコンプレッ
サ1を駆動する。また、室外機制御部31は、室外機3
0の熱交換器6が前記の全室内機の負荷量の小さい方の
運転モードと同じモードとなるよう、すなわち、冷房運
転の負荷の方が小さい時は室外機30の熱交換器6が蒸
発器として、また暖房運転の負荷の方が小さい時は凝縮
器として働くように周辺機器を制御する。
【0027】室内機制御部51A、51B、51CはV
AVユニット45A、45B、45Cの設定状況から吹
き出し空気温度の情報を得て、それぞれの温度設定部4
4A、44B、44Cに保持させる。そして、吸い込み
空気温度センサ26A、26B、26Cの温度データと
温度設定部44A、44B、44Cの温度データとの差
を演算し、それぞれの室内機が冷房運転か暖房運転かの
運転モードを決定する。
【0028】また、風量設定部46A、46B、46C
はVAVユニット45A、45B、45Cからの情報に
基づいて吹き出し風量を決定する。室内機の送風機用イ
ンバータ49A、49B、49Cは、それぞれの風量設
定部46A、46B、46Cからの風量信号をうけて、
室内機の送風機24A、24B、24Cを駆動し、送風
量を制御する。また、電磁弁5Aと5B、13Aと23
A、13Bと23B、13Cと23Cはそれぞれ一方が
開状態の時、他方は閉状態となるよう制御される。ただ
し、室内機または室外機の熱交換器が運転の必要がない
場合は双方とも閉状態となる。
【0029】つぎに、上記構成における作動について説
明する。図4は、全ての室内機が冷房運転される全冷房
運転時の冷媒の流れを示す。全ての室内機が冷房運転さ
れるときには、室外機においては電磁弁5Bが開状態、
電磁弁5Aが閉状態となり、室内機においては電磁弁1
3A、13B、13Cがそれぞれ開状態、電磁弁23
A、23B、23Cが閉状態となるよう制御される。室
外機の熱交換器6は凝縮器、各室内機の熱交換器18
A、18B、18Cは蒸発器として作用する。
【0030】すなわち、室外機30において、コンプレ
ッサ1からの高圧ガス冷媒は、矢示のように電磁弁5B
を通り、熱交換器6で液化する。それから過冷却熱交換
器4と液タンク27を経て、冷媒配管R1で分岐ユニッ
ト40の過冷却熱交換器12へ入る。冷媒は、過冷却熱
交換器12で各室内機50A、50B、50Cの熱交換
器18A、18B、18Cから出てきたガス冷媒と熱交
換され、過冷却度が増大した液冷媒となる。
【0031】さらに、冷媒は分岐配管により分岐され、
各膨張弁15A、15B、15Cに並列に入り減圧され
て、低温の気液混合状態になる。つぎに、冷媒は熱交換
器18A、18B、18Cにおいて吸い込み空気と熱交
換され、ガス状の冷媒となる。そして、流量調整弁14
A、14B、14Cと電磁弁13A、13B、13Cを
経て、過冷却熱交換器12へ戻り、室外機30から冷媒
配管R1より入ってくる液冷媒を冷却する。過冷却熱交
換器12を出た冷媒は、冷媒配管R2を経て、室外機3
0のコンプレッサ1に戻る。過冷却熱交換器12が発明
の第1の過冷却熱交換器に該当する。
【0032】この間における室外機30の膨脹弁7、流
量調整弁25、送風機21、各室内機50A、50B、
50Cの膨脹弁15A、15B、15C、流量調整弁1
4A、14B、14Cの制御は以下のように行われる。
まず、室外機制御部31は、圧力センサ8で冷媒の圧力
を検出し、膨張弁7に入る冷媒の飽和温度を演算する。
そして、温度センサ9で検出した冷媒の温度との差、つ
まり過冷却度が一定になるよう膨脹弁7を制御する。ま
た、流量調整弁25は全開状態に保持される。
【0033】また、コンプレッサ1の吐出側圧力センサ
11Aにより検出される圧力が予め設定された値になる
よう、例えばPID制御、あるいはステップ制御などに
よる信号が送風機用のインバータ33へ出力され、送風
機21が駆動されて風量を制御する。
【0034】一方、室内機制御部51A、51B、51
Cでは、温度センサ17A、17B、17C、20A、
20B、20Cの各検出温度により、熱交換器18A、
18B、18Cの入り口と出口の冷媒の温度差、つまり
過熱度が一定になるように、膨脹弁15A、15B、1
5Cを制御する。
【0035】さらに、吹き出し空気温度センサ22A、
22B、22Cの各検出温度が温度設定部44A、44
B、44Cで設定された温度となるよう流量調整弁14
A、14B、14Cを制御する。ここで、各室内機50
A、50B、50Cの負荷が同等であれば、各流量調整
弁14A、14B、14Cの開度は互いに同じとなる。
この場合、冷媒は分岐ユニット40から各室内機50
A、50B、50Cに均等に分配され、室内機50A、
50B、50Cの吹き出し空気温度は互いに同じとな
る。
【0036】つぎに、例えば、室内機50Aの負荷が重
くて風量が大に設定され、室内機50Bおよび50Cの
負荷が軽くて風量が小に設定された場合には、室内機5
0Bおよび50Cの吹き出し空気温度は下がり、室内機
50Aの吹き出し空気温度は上がりはじめる。そこで、
室内機50B、50Cの室内機制御部51B、51C
は、温度設定部44B、44Cの設定温度より吹き出し
空気温度が低いので、流量調整弁14B、14Cの開度
を閉じる方向に制御する。すると、熱交換器18B、1
8Cを流れる冷媒は制限され熱交換器内の圧力が上昇、
つまり冷媒の蒸発温度が上昇する。すると吸い込み空気
温度との差が小さくなるので、吹き出し空気温度は上昇
する。
【0037】これと同時に、室内機50B、50Cの冷
媒の過熱度が小さくなるため、室内機制御部51B、5
1Cは膨脹弁15B、15Cの開度を小さくする。ま
た、室内機50Aの室内機制御部51Aは温度設定部4
4Aの設定温度より吹き出し空気温度が高いので流量調
整弁14Aの開度を開く方向に制御する。すると、熱交
換器18Aを流れる冷媒は制限されず熱交換器内の圧力
が下降し、つまり冷媒の蒸発温度が下がる。すると吸い
込み空気温度との差が大きくなるので吹き出し空気温度
は下がる。これと同時に、室内機50Aの冷媒の過熱度
が大きくなるため、室内機制御部51Aは膨張弁15A
の開度を大きくする。なお、この間、コンプレッサ1の
吐出圧力は一定になるよう制御されているので、各室内
機50A、50B、50Cの膨張弁15A、15B、1
5Cに入る冷媒の圧力は変化しない。
【0038】以上のように制御されている間、コンプレ
ッサ1は以下のように制御される。室外機制御部31は
室内機制御部51A、51B、51Cより各室内機の吹
き出し空気温度の状況と流量調整弁14A、14B、1
4Cの開度の情報を入手し、室内機の流量調整弁の開度
がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温度より高い
室内機が少なくとも1台あればコンプレッサ1のモータ
ー回転数を上げてその出力を上げるようインバータ32
を制御する。
【0039】他方、すべての室内機の流量調整弁14
A、14B、14Cの開度がほぼ全開でないならばコン
プレッサ1の出力を下げるようインバータ32を制御す
る。そしていずれにも該当しないその他の場合には、コ
ンプレッサ1の出力を保持するようインバータ32を制
御する。図5は上記の制御要領を示す冷凍サイクルのモ
リエル線図である。
【0040】なお、分岐ユニット40は過冷却熱交換器
12を備えているので、戻りの冷媒を完全にガス化する
のにも役立つ。すなわち、すべての室内機50A、50
B、50Cの吹き出し風量を急速に減少させた場合に、
膨張弁15A、15B、15Cの制御速度が追いつかず
熱交換器18A、18B、18Cで蒸発しきれなかった
液冷媒が流れても、過冷却熱交換器12が一時的な蓄熱
器として働くので、液冷媒がコンプレッサ1に入っての
液圧縮現象の発生が防止される。
【0041】また、この過冷却熱交換器12は、コンプ
レッサ1に入るガス冷媒の過熱度を確保できるので、各
室内機50A、50B、50Cの膨張弁15A、15
B、15Cの過熱度を小さく設定でき、熱交換器18
A、18B、18Cの利用効率を上げることができる。
【0042】つぎに、全ての室内機が暖房運転される全
暖房運転時の冷媒の流れを、図6を参照して説明する。
全ての室内機が暖房運転されるときには、室外機におい
ては電磁弁5Aが開状態、電磁弁5Bが閉状態となり、
室内機においては電磁弁23A、23B、23Cが開状
態となり、電磁弁13A、13B、13Cが閉状態とな
るよう制御される。室外機の熱交換器6は蒸発器、各室
内機の熱交換器18A、18B、18Cが凝縮器として
作用する。
【0043】室外機30のコンプレッサ1からの高圧ガ
ス冷媒は、冷媒配管R3を経て、分岐ユニット40に入
る。冷媒はここで分岐され、電磁弁23A、23B、2
3Cを通って、各室内機50A、50B、50Cの熱交
換器18A、18B、18Cに入って液化される。この
あと、分岐ユニットの過冷却熱交換器12を経て、冷媒
配管R1で室外機に戻り、液タンク27を経て過冷却熱
交換器4に入る。冷媒は、過冷却熱交換器4において熱
交換器6からのガス冷媒と熱交換され、過冷却度が増大
した液冷媒となる。
【0044】さらに、冷媒は膨脹弁7により減圧され、
低温の気液混合状態になり熱交換器6に入る。冷媒は熱
交換器6で室外空気と熱交換されてガス状となり、電磁
弁5Aを経て過冷却熱交換器4へ進む。ここで前述のよ
うに液タンク27からきた液冷媒を冷却するとともに、
自らは過熱度の増したガス冷媒となる。このあと、冷媒
はアキュムレータ3を経てコンプレッサ1に戻る。ここ
では、熱交換器4が発明の第2の過冷却熱交換器を構成
している。
【0045】この間における膨張弁15A、15B、1
5C、流量調整弁14A、14B、14C、送風機2
1、膨張弁7、流量調整弁25の制御は以下のように行
われる。まず、各室内機制御部51A、51B、51C
は、圧力センサ16A、16B、16Cで冷媒の圧力を
検出し、膨張弁15A、15B、15Cに入る冷媒の飽
和温度を演算する。そして、温度センサ17A、17
B、17Cで検出した冷媒の温度との差、つまり過冷却
度が一定になるよう膨張弁15A、15B、15Cを
〓制御する。さらに、吹き出し空気温度センサ22A、
22B、22Cの各検出温度が温度設定部44A、44
B、44Cで設定された温度となるよう流量調整弁14
A、14B、14Cを制御する。また、コンプレッサ1
の圧力センサ11Bにより検出される圧力が予め設定さ
れた値になるよう、例えばPID制御、あるいはステッ
プ制御などによる信号が送風機用インバータ33に出力
され、送風機21が駆動されて風量を制御する。
【0046】また、室外機制御部31では、温度センサ
9、10の検出温度に基づいて、冷房運転時の室内機と
同様に、熱交換器6の過熱度が一定に保持されるよう膨
脹弁7を制御する。なお、流量調整弁25は全開に保持
される。
【0047】ここで、各室内機50A、50B、50C
の負荷が同等であれば、各流量調整弁14A、14B、
14Cの開度は互いに同じとなる。この場合、冷媒は分
岐ユニット40から各室内機50A、50B、50Cに
均等に分配され、各室内機50A、50B、50Cの吹
き出し空気温度は同じとなる。
【0048】つぎに、例えば室内機50Aの負荷が重く
て風量が大に設定され、室内機50Bおよび50Cの負
荷が軽くて風量が小に設定された場合には、室内機50
Bおよび50Cの吹き出し空気温度は上がり、室内機5
0Aの吹き出し空気温度は下がりはじめる。
【0049】そこで、室内機50B、50Cの室内機制
御部51B、51Cは、温度設定部44B、44Cの設
定温度より吹き出し空気温度が高いので流量調整弁14
B、14Cの開度を閉じる方向に制御する。すると、熱
交換器18B、18Cを流れる冷媒は制限され、熱交換
器内の圧力が下降、つまり冷媒の凝縮温度が下降する。
すると吸い込み空気温度との差が小さくなるので吹き出
し空気温度は下がる。これと同時に、室内機50B、5
0Cの冷媒の過冷却度が小さくなるため、室内機制御部
51B、51Cは膨張弁15B、15Cの開度を小さく
する。
【0050】また、室内機50Aの室内機制御部51A
は温度設定部44Aの設定温度より吹き出し空気温度が
低いので流量調整弁14Aの開度を開く方向に制御す
る。すると、熱交換器18Aを流れる冷媒は制限されず
熱交換器の圧力が上昇し、つまり冷媒の凝縮温度が上昇
する。すると吸い込み空気温度との差が大きくなるので
吹き出し空気温度は上昇する。これと同時に、室内機5
0Aの冷媒の過冷却度が大きくなるため、室内機制御部
51Aは膨張弁15Aの開度を大きくする。
【0051】以上のように制御されている間、コンプレ
ッサ1は以下のように制御される。室外機制御部31は
室内機制御部51A、51B、51Cより各室内機の吹
き出し空気温度の状況と流量調整弁14A、14B、1
4Cの開度の情報を入手する。そして、室内機の流量調
整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温度が設定温
度より低い室内機が少なくとも1台あればコンプレッサ
1の出力を上げるようインバータ32を制御する。他
方、すべての室内機の流量調整弁14A、14B、14
Cの開度がほぼ全開でないならばコンプレッサ1の出力
を下げるようインバータ32を制御する。いずれにも該
当しないその他の場合にはコンプレッサ1の出力を保持
するようインバータ32を制御する。図7は上記の制御
要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図である。
【0052】なお、この暖房運転では、過冷却度を一定
に維持するよう制御するので、過冷却度が大きくなって
熱交換器18A、18B、18C内に液冷媒が多く溜ま
り冷凍サイクル全体が冷媒不足を起こすような不具合現
象の発生が防止される。さらに、室外機の過冷却熱交換
器4は、戻りの冷媒を完全に液化するのに役立つ。すな
わち、膨張弁15A、15B、15Cを出た冷媒は圧力
が下がるため一部気化が起こり気液混合状態となる場合
があるが、過冷却熱交換器4で冷却されるため再び液冷
媒となるので膨張弁7の制御性を低下させることがな
い。
【0053】また、室内機50A、50B、50Cの吹
き出し風量を急速に減少させた場合に、膨張弁15A、
15B、15Cの制御速度が追いつかず、室外機30に
未凝縮のガス冷媒が流れても、過冷却熱交換器4が一時
的な蓄熱器として働くので、ガス冷媒が膨脹弁7に入る
ことによる制御性の低下が防止できる。同じく、過冷却
熱交換器4によりコンプレッサ1に入るガス冷媒の加熱
度を大きくすることができるので、コンプレッサ1の吐
出温度が高くなり、その分暖房能力が向上する。
【0054】つぎに、冷房運転と暖房運転が平行して行
なわれ、室内機の負荷が暖房運転より冷房運転の方が大
きい冷暖同時冷房主運転時の作動について説明する。図
8はこのときの冷媒の流れを示す。ここでは、たとえば
一例として室内機50Aが暖房運転、室内機50B、5
0Cが冷房運転されるものとする。まず、室外機では電
磁弁5Bが開状態、電磁弁5Aが閉状態となり、室内機
では電磁弁23A、13B、13Cが開状態、電磁弁1
3A、23B、23Cが閉状態となるよう制御される。
室外機の熱交換器6と室内機の熱交換器18Aは凝縮
器、室内機の熱交換器18B、18Cは蒸発器として作
用する。
【0055】室外機30において、コンプレッサ1から
の高圧ガス冷媒は、電磁弁5Bから熱交換器6に入りこ
こで液化される。熱交換器6を出た冷媒は過冷却熱交換
器4と液タンク27を経て冷媒配管R1で分岐ユニット
40の過冷却熱交換器12へ入る。コンプレッサ1から
の高圧ガス冷媒はまた、冷媒配管R3によって分岐ユニ
ット40に入る。冷媒配管R3経由の冷媒は電磁弁23
Aを経て室内機50Aの熱交換器18Aに入りここで液
化する。
【0056】冷媒配管R1経由で分岐ユニットの過冷却
熱交換器12に入った冷媒は、室内機50B、50Cの
熱交換器18B、18Cから出てきたガス冷媒と熱交換
され過冷却度が増大した液冷媒となる。この冷媒は分岐
配管により室内機50Aの熱交換器18Aからきた液冷
媒と一旦合流した後、室内機50B、50Cに並列に入
る。ここでは、膨脹弁15B、15Cにより減圧されて
低温の気液混合状態になって、熱交換器18B、18C
に入る。
【0057】冷媒は熱交換器18B、18Cにおいて吸
い込み空気と熱交換され、ガス状の冷媒となる。そし
て、流量調整弁14B、14Cと電磁弁13B、13C
を経て過冷却熱交換器12へ戻り、室外機30から冷媒
配管R1経由で入ってくる液冷媒を冷却する。過冷却熱
交換器12を出た冷媒は、冷媒配管R2を経て室外機3
0のコンプレッサ1に戻る。
【0058】この間における室外機30の膨脹弁7、流
量調整弁25、送風機21、室内機50Aの流量調整弁
14A、膨脹弁15A、室内機50B、50Cの流量調
整弁14B、14C、膨脹弁15B、15C、ならびに
コンプレッサ1の制御は以下のように行われる。まず、
室外機制御部31は、冷房運転時の室外機の制御と同様
に、圧力センサ8と温度センサ9の検出結果より演算し
た過冷却度が一定となるように制御される。
【0059】また、流量調整弁25は冷房運転の室内機
の負荷量と暖房運転の負荷量の差分だけを室外機の熱交
換器より補えばよいため、暖房運転の室内機50Aの流
量調整弁14Aが開方向に制御されたときは流量調整弁
25は閉方向に、流量調整弁14Aが閉方向に制御され
たときは流量調整弁25は開方向に制御される。なお、
暖房運転の室内機が複数ある場合やその室内機の最大能
力が異なる場合は、その室内機の流量調整弁の開度の総
変化量を勘案し開方向か閉方向かを判断する。さらに、
コンプレッサ1は冷房運転の室内機の吹き出し空気温度
の状況とその流量調整弁の開度の情報により全冷房運転
時のコンプレッサと同様に制御される。
【0060】また、送風機21については、全冷房運転
時の制御と同様に、吐出側圧力センサ11Aにより検出
される圧力が予め設定された値になるようインバータ3
3を駆動させて、その風量制御が行なわれる。一方、室
内機50Aの室内機制御部51Aにおける膨脹弁15A
と流量調整弁14Aの制御は、全暖房運転時の室内機の
膨張弁、流量調整弁の制御と同様に、過冷却度と吹き出
し空気温度が一定になるように制御される。
【0061】また、室内機50B、50Cの室内機制御
部51B、51Cでは、膨脹弁15B、15Cが、全冷
房運転時の室内機の膨脹弁の制御と同様に、過熱度が一
定になるよう制御され、流量調整弁14B、14Cはこ
れもまた同じく吹き出し空気温度一定になるように制御
される。なお、それぞれの室内機の負荷が変化した場合
は、全冷房運転または全暖房運転における同じ運転モー
ドの室内機と同様であるから説明を省略する。図9は上
記の制御要領を示す冷凍サイクルのモリエル線図であ
る。
【0062】つぎに、冷暖同時運転で、室内機の負荷が
冷房運転より暖房運転の方が大きい冷暖同時暖房主運転
時の作動について、冷媒の流れを示す図10を参照して
説明する。ここでは、たとえば一例として室内機50A
が冷房運転、室内機50B、50Cが暖房運転されるも
のとする。まず、室外機では電磁弁5Aが開状態、電磁
弁5Bが閉状態となり、室内機では電磁弁13A、23
B、23Cが開状態、電磁弁23A、13B、13Cが
閉状態となるよう制御される。室外機の熱交換器6と室
内機の熱交換器18Aは蒸発器、室内機の熱交換器18
B、18Cは凝縮器として作用する。
【0063】この運転では、室外機30のコンプレッサ
1からの高圧ガス冷媒は、冷媒配管R3を経て分岐ユニ
ット40に入る。ここで冷媒は電磁弁23B、23Cを
経て、室内機50B、50Cの熱交換器18B、18C
に入り、液化される。熱交換器18B、18Cを出た冷
媒は、分岐ユニット40の分岐配管で合流し、一部は室
内機50Aへ、残りは過冷却熱交換器12、冷媒配管R
1を経て室外機の液タンク27に入り、続いて過冷却熱
交換器4に入る。
【0064】室外機30において、冷媒は過冷却熱交換
器4で熱交換器6からのガス冷媒と熱交換され、過冷却
が増大した液冷媒となる。そして、冷媒は膨脹弁7で減
圧され低温の気液混合状態になり、熱交換器6に入る。
熱交換器6で空気と熱交換され、ガス状となった冷媒
は、電磁弁5Aを経て過冷却熱交換器4を通過し、前述
のように液タンク27からきた液冷媒を冷却するととも
に、自らは過熱度が増したガス冷媒となる。
【0065】一方、室内機50Aへ入った冷媒は、膨脹
弁15Aで減圧されて低温の気液混合状態となる。つぎ
に、熱交換器18Aで吸い込み空気と熱交換され、ガス
状の冷媒となる。その後、電磁弁13Aを経て冷媒配管
R2を通り室外機30に向かう。冷媒は室外機30内で
過冷却熱交換器4を出た冷媒と合流し、アキュムレータ
3を経てコンプレッサ1に戻る。
【0066】この間における室外機30の膨脹弁7、流
量調整弁25、送風機21、室内機50Aの流量調整弁
14A、膨脹弁15A、室内機50B、50Cの流量調
整弁14B、14C、膨脹弁15B、15Cならびにコ
ンプレッサ1の制御は以下のように行われる。まず、室
外機制御部31は、全暖房運転時の制御と同様に、過熱
度が一定になるよう膨脹弁7を制御する。流量調整弁2
5は冷房運転の室内機50Aの流量調整弁14Aが開方
向に制御されたときは閉方向に、流量調整弁14Aが閉
方向に制御されたときは流量調整弁25は開方向に制御
される。なお、冷房運転の室内機が複数ある場合やその
室内機の最大能力が異なる場合は、その室内機の流量調
整弁の開度の総変化量を勘案し開方向か閉方向かを判断
する。
【0067】さらに、コンプレッサ1は暖房運転の室内
機の吹き出し空気温度の状況とその流量調整弁の開度の
情報により全暖房運転時のコンプレッサと同様に制御さ
れる。また、送風機21については、全暖房運転時の制
御と同様に、圧力センサ11Bにより検出される圧力が
予め設定された値になるよう送風機用インバータ33を
駆動させて、風量制御が行なわれる。
【0068】室内機50Aの室内機制御部51Aの制御
は、冷暖同時冷房主運転時の室内機50B、50Cの制
御と同様であるので省略する。また、室内機50B、5
0Cの室内機制御部51B、51Cの制御も同様に冷暖
同時冷房主運転時の室内機50Aと同様である。
【0069】次に例えば室内機50Aが暖房運転、室内
機50B、50Cが冷房運転で、冷房負荷の合計と暖房
負荷が同じときには、両負荷間の差分に対して室外機の
熱交換器6を凝縮器あるいは蒸発器として働かせる必要
がないから、流量調整弁25が閉じられ、同じく送風機
21も停止される。そして、室内機50Aを流れた冷媒
はすべて、互いに並列の室内機50Bおよび50Cに流
れて熱量がバランスする。また、コンプレッサ1は現在
の出力を維持する。
【0070】上述した室外機制御部および室内機制御部
における制御の流れを図により簡潔に示す。室外機制御
部では、図11および図12に示すように、まずステッ
プ101において、室内機制御部51A〜51Cからの
運転状況を取得し、ステップ102で室外機の運転モー
ドを決定する。そしてステップ103においてその運転
モードを識別し、冷房あるいは冷房主運転で室外機が凝
縮モードのときはステップ104に、暖房あるいは暖房
主運転で室外機が蒸発モードのときはステップ113
に、室外機が停止のときにはステップ124に進む。
【0071】室外機が凝縮モードのときは、まずステッ
プ104で、室内機からの情報に基づき冷房運転の室内
機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空気温
度が設定温度より高い室内機が少なくとも1台あるかを
判断し、あればステップ107へ進む。そうでないなら
ばステップ105へ進む。ステップ105では、上記す
べての冷房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開
でないかを判断し、すべてがほぼ全開でないならばステ
ップ106へ、そうでないならばステップ108へ進
む。
【0072】ステップ106では、コンプレッサ1の出
力を低減するよう信号が室外機制御部からインバータ3
2へ送出され、ステップ107ではコンプレッサ1の出
力を増大するようインバータ32に信号が出された後、
それぞれステップ108に進む。ステップ108では、
コンプレッサ1の吐出側圧力が一定となるように室外機
のインバータ33を駆動させて送風機21の風量制御が
行なわれる。
【0073】そして、ステップ109において、暖房運
転の室内機の流量調整弁の開度の総和を計算し、ステッ
プ110で前回の総和と比較する。総和が閉方向に制御
されているならばステップ111へ、開方向に制御され
ているならばステップ112へ進む。ステップ111で
は流量調整弁を開方向へ制御し、ステップ112では流
量調整弁を閉方向へ制御して、それぞれステップ101
へ戻る。また、ステップ110における比較で開度の総
和が前回と同じであるときはそのままステップ101へ
戻る。
【0074】次に、室外機が蒸発モードのときは、ステ
ップ113で、室内機からの情報に基づいて暖房運転の
室内機の流量調整弁の開度がほぼ全開でかつ吹き出し空
気温度が設定温度より低い室内機が少なくとも1台ある
かを判断し、あればステップ116へ進む。そうでない
ならばステップ114へ進む。ステップ114では、上
記すべての暖房運転の室内機の流量調整弁の開度がほぼ
全開でないかを判断し、すべてがほぼ全開でないならば
ステップ115へ、そうでないならばステップ117へ
進む。
【0075】ステップ115では、コンプレッサ1の出
力を低減するよう信号が室外機制御部からインバータ3
2へ送出され、ステップ116ではコンプレッサ1の出
力を増大するようインバータ32に信号が出された後、
それぞれステップ117に進む。ステップ117では、
室外機の熱交換器6の過熱度を検出し、ステップ118
でこの過熱度一定になるよう膨張弁7を制御する。この
あと、ステップ119ではコンプレッサ1の吸い込み側
圧力が一定となるようにインバータ33を駆動させて室
外機の送風機21の風量制御が行なわれる。
【0076】つぎにステップ120では冷房運転の室内
機の流量調整弁の開度の総和を計算し、ステップ121
で前回の総和と比較する。総和が閉方向に制御されてい
るならばステップ122へ、開方向に制御されているな
らばステップ123へ進む。ステップ122では流量調
整弁25を開方向へ制御し、ステップ123では流量調
整弁25を閉方向へ制御したあと、それぞれステップ1
01へ戻る。ステップ121における比較で開度の総和
が前回と同じであるときはそのままステップ101へ戻
る。冷房負荷と暖房負荷が同じでステップ103での判
定が停止のときには、ステップ124において、流量調
整弁25が閉じられ、ステップ125で送風機21が停
止されてステップ101へ戻る。
【0077】図13は個々の室内機制御部での制御の流
れを示す。ステップ201においてVAVユニット45
より温度設定部44に要求吹き出し空気温度の情報を入
力してこれを保持させる。次いでステップ202で、温
度センサ26により熱交換器18の吸い込み空気温度を
検出する。そして、ステップ203で、設定温度と吸い
込み空気温度を比較して、冷房運転か暖房運転かの運転
モードを決定する。
【0078】冷房運転モードの場合には、ステップ20
4において、まずVAVユニット45が要求する風量に
なるようインバータ49を制御する。つぎにステップ2
05で室内機の吹き出し空気温度を検出する。そして、
ステップ206において、上記検出した吹き出し空気温
度と設定温度を比較し、吹き出し空気温度が設定温度よ
り低い場合はステップ207へ進み、吹き出し空気温度
と設定温度が同じならばステップ209へ、そして吹き
出し空気温度が設定温度より高い場合はステップ208
へ進む。
【0079】ステップ207では、流量調整弁14を閉
方向に制御し、ステップ208では流量調整弁14を開
方向に制御して、それぞれステップ209へ進む。ステ
ップ209では、温度センサ17、20の各検出温度か
ら過熱度が求められ、ステップ210でこの過熱度が一
定となるように膨張弁15が制御される。
【0080】一方、暖房運転モードの場合には、ステッ
プ211においてVAVユニット45が要求する風量に
なるようインバータ49を制御する。そして、ステップ
212で室内機の吹き出し空気温度を検出する。つぎの
ステップ213において、上記検出した吹き出し空気温
度と設定温度を比較する。吹き出し空気温度が設定温度
より高い場合はステップ214へ進み、吹き出し空気温
度と設定温度が同じならばステップ216へ、吹き出し
空気温度が設定温度より低い場合はステップ215へ進
む。
【0081】ステップ214では流量調整弁14を閉方
向に制御し、ステップ215では流量調整弁14を開方
向に制御して、それぞれステップ216へ進む。ステッ
プ216では、圧力センサ16の検出結果に基づく冷媒
の飽和温度と温度センサ17の検出温度との差により実
際の過冷却度が求められ、ステップ217でこの過冷却
度が一定となるように膨張弁15が制御される。このあ
と、ステップ218では以上の制御の結果を室外機制御
部31に転送し、ステップ201に戻る。
【0082】本実施例は以上のように構成され、室外機
から分岐ユニットを介して複数の室内機に並列に配管さ
れたヒートポンプ式空気調和機において、室内機の送風
を複数の空調ゾーンに導き各空調ゾーンごとにVAVユ
ニットにより風量を可変とし、分岐ユニットに過冷却熱
交換器と、その切り換えにより冷房運転と暖房運転を選
択可能の電磁弁を備え、室外機に過冷却熱交換器を備え
てその液管側には膨張弁、ガス管側には流量調整弁を設
け、室内機の液管側には膨脹弁、ガス管側には流量調整
弁を設けた。そして、室内機においては、冷房運転時に
は、流量調整弁を各室内機の吹き出し空気温度が一定と
なるように、そして膨脹弁を過熱度が一定になるよう制
御する一方、暖房運転時には、流量調整弁を各室内機の
吹き出し空気温度が一定となるように、そして膨張弁を
過冷却度が一定になるように制御するものとした。
【0083】一方、室外機においては、該室外機が凝縮
器モードのときは暖房運転時の室内機の流量調整弁の制
御により決定される値になるよう、また蒸発器モードの
ときは冷房運転時の室内機の流量調整弁の制御により決
定される値になるようそれぞれ流量調整弁25を制御
し、室外機の熱交換器が凝縮器モードのときは室外機の
膨張弁を過冷却度が一定になるよう制御し、蒸発器モー
ドのときは過熱度が一定になるよう制御するものとし
た。また、コンプレッサは室外機が凝縮器モードのとき
は冷房運転の室内機の吹き出し空気温度とその流量調整
弁の制御により、蒸発器モードのときは暖房運転の室内
機の吹き出し空気温度とその流量調整弁の制御により、
それぞれ勘案された値出力になるよう制御するものとし
た。
【0084】これにより、各空調ゾーンの個別の要求に
あわせて、冷房運転および暖房運転が任意に実行でき、
しかも風量を変化させても室内機の吹き出し温度が変化
せず、安定した空気調和が得られるという効果を有す
る。また、他の室内機の負荷状態の影響を受けることな
く、風量変化により個別の空調ゾーンの室温を任意に制
御できるという効果を有する。
【0085】したがって、多数の個別の空調ゾーンに
は、簡単なVAVユニットを配置するだけで、多数の室
内機を設置する必要がないからメンテナンス性が向上す
る。また、室内機の吹き出し風量が急減したとき、冷房
時には過冷却熱交換器12が一時的な蓄熱器として作用
し、液冷媒がコンプレッサ1に入る液圧縮現象が防止さ
れ、暖房運転時には過冷却熱交換器4が一時的な蓄熱器
として作用し、冷媒の確実な液化を促進して膨脹弁7で
の制御性の低下が防止される。さらに、暖房運転時には
過冷却度を制御する膨張弁を出た冷媒が気液混合状態に
なっても再び液冷媒とすることができ、膨張弁7の制御
性を低下させることがない。
【0086】なおまた、空調ゾーンの負荷状態によって
特定の室内機の吹き出し空気温度を冷房運転時に上げた
り、暖房運転時に下げたりしたい場合がある。それらの
場合にも、流量調整弁を冷房運転時、暖房運転時ともに
閉方向に制御することにより、吹き出し空気温度を冷房
運転時は上げ、暖房運転時は下げる制御が可能になり、
VAVユニットの制御範囲を通常の状態に戻すことがで
きる。また、各室内機50A、50B、50Cの設置場
所がまちまちで、室外機30からの配管長に差があって
も、各室内機の熱交換器の蒸発圧力、または凝縮圧力を
配管による圧力降下に影響されずに制御できるので、設
置工事に際して配管圧損を考慮に入れなくても同じ空調
能力が得られる。さらに、室内機の流量調整弁の開度を
少なくとも1台がほぼ全開になるように制御されるた
め、コンプレッサは必要最小限の出力で運転され、無駄
がなく省エネルギーとなる。なお、実施例では室内機で
熱交換された空気がダクトにより空調ゾーンへ導かれて
いるが、これに限定されず、たとえばビル内の天井や床
下をサプライチャンバーとして利用して空気を導くダク
トレス方式の場合にも同様に適用することができる。
【0087】図14は、本発明の第2の実施例を示す。
この実施例は上述の第1の実施例のシステム構成に対し
て、2台の室内機をそれぞれ冷房運転専用と暖房運転専
用にし、デュアルダクト方式にて各空調ゾーンへVAV
ユニットを介して吹き出すものである。すなわち、室内
機50B’、50C’はそれぞれ冷房運転専用、暖房運
転専用の室内機で、冷房専用のダクト47B’には冷房
専用のVAVユニット45B’が接続され、暖房専用の
ダクト47C’には暖房専用のVAVユニット45C’
が接続されている。また、VAVユニット45B’と4
5C’はそれぞれ対となるように設置され、VAVユニ
ット45B’と45C’を出た吹き出し空気は混合され
各空調ゾーンZB1’、ZB2’、ZB3’に吹き出
す。その他の構成は第1の実施例と同じである。各運転
モードにおける冷媒の流れは前実施例と同じであるか
ら、作動についての説明は省略する。
【0088】本実施例によれば、第1の実施例と同じ効
果を有するとともに、各空調ゾーンZB1’、ZB
2’、ZB3’ごとに冷房運転と暖房運転を選択でき
る。しかも空気調和装置内で熱移動を行なうから、従来
のデュアルダクト方式のように2熱源の廃熱を捨てるよ
うなことがなく、大幅な省エネルギーが可能となる利点
を有する。
【0089】図15は、本発明の第3の実施例を示す。
この実施例は、上述の第1の実施例の冷媒回路に対し
て、分岐ユニットを廃止し、分岐ユニットにあった過冷
却熱交換器を各室内機毎に設けるようにしたものであ
る。すなわち、室外機30から延びる冷媒配管R1’、
R2’、R3’が分岐されて、各室内機50A’、50
B’、50C’へ並列に接続されている。そして、各室
内機内において、冷媒配管R1’が過冷却熱交換器12
A、12B、12Cを通ったあと、膨脹弁15A、15
B、15Cに接続される。また、冷媒配管R2’は過冷
却熱交換器12A、12B、12Cの他の通路に入り、
電磁弁13A’、13B’、13C’を介して流量調整
弁14A、14B、14Cに接続されている。さらに、
冷媒配管R3’は、電磁弁23A’、23B’、23
C’を介して流量調整弁14A、14B、14Cに接続
されている。
【0090】そして、電磁弁13A’と、23A’、1
3B’と23B’、13C’と23C’は、第1の実施
例と同様にそれぞれ一方が開状態のとき、他方が閉状態
となるよう制御される。その他の構成は第1の実施例と
同じである。各運転モードにおける冷媒の流れも第1の
実施例と同じであるから、作動についての説明は省略す
る。
【0091】この実施例によれば、第1の実施例と同じ
効果を有するとともに、過冷却熱交換器を各室内機毎に
分割して設けるから、膨脹弁に向かう全ての冷媒がいず
れかの過冷却熱交換器を通過し、過冷却度を増すことが
でき、過冷却熱交換器も取扱いが簡単で小型、安価なも
のが使用できる利点がある。
【0092】なお、上記各実施例では、室内機が3台接
続されたものを示したが、室内機の台数はこれに限定さ
れることなく、2台でもあるいは4台以上でも同様に実
施可能であり、送風しない室内機があれば膨脹弁、流量
調整弁を全閉にして作動させないことも可能である。ま
た、分岐ユニットを複数設けて、それぞれの分岐ユニッ
トに複数の室内機を接続することもでき、さらには第1
の実施例と第3の実施例を組み合わせてもよい。
【0093】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、室外機に複数の
室内機が並列に接続された空気調和装置において、各室
内機と室外機の熱交換器のガス管を高圧ガス管または低
圧ガス管と選択的に接続することにより、各室内機ごと
に冷房運転と暖房運転を選択できるようにし、各室内機
の送風を複数の空調ゾーンに導き、各空調ゾーンごとに
VAVユニットを備えて、VAVユニットによる風量変
化でそれぞれの空調ゾーンの室温を制御するようにした
ので、多数の空調ゾーンごとの室温調節が簡単な構成の
VAVユニットで行われ、全ての空調ゾーンの要求に応
じられ、かつ快適な室温に制御できるという効果を有す
る。そして、個別に多数の室内機を設置する必要がない
からメンテナンス性が向上するとともに、冷暖同時運転
時には、室内機間で熱エネルギーの移動が行われるの
で、大幅な省エネルギー効果が得られる。
【0094】さらに、各室内機の吹き出し空気温度が一
定になるようにその流量調整手段を制御することによ
り、吹き出し風量が変化されても他の室内機との干渉を
生じず、また吸い込み空気の湿度にも影響されないで、
吹き出し空気温度の安定した空気調和が行なわれる。ま
た、これにより、室内機の蒸発圧力、凝縮圧力を室内機
の負荷の状態にあわせて制御できるので、各室内機の設
置場所による能力差がなくなり、空調設計時に能力補正
する必要がなく、また、設置工事が簡略化できるという
効果がある。そして、必要に応じて吹き出し空気温度も
任意に制御できるという効果を有する。
【0095】なお、複数の室内機に向かう液管と低圧ガ
ス管の間に第1の過冷却熱交換器を設けることにより、
例えば室内機の吹き出し風量を急減させても、過冷却熱
交換器の蓄熱器作用で戻りの冷媒が確実にガス化され、
コンプレッサの破損が防止される。また、室外機の熱交
換器に向かう液管と低圧ガス管の間に第2の過冷却熱交
換器を設けることにより、室外機のコンプレッサに入る
ガス冷媒の過熱度を大きくすることができ、暖房能力が
向上するとともに、室内機の吹き出し風量を急減させた
場合にも、過冷却熱交換器の蓄熱器作用で戻り冷媒の確
実な液化を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のシステム構成を示す図
である。
【図2】実施例における冷媒回路図である。
【図3】室内機および室外機における制御装置を示す図
である。
【図4】全冷房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図5】全冷房運転時の制御要領を示す冷凍サイクルの
モリエル線図である。
【図6】全暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。
【図7】全暖房運転時の制御要領を示す冷凍サイクルの
モリエル線図である。
【図8】冷暖同時冷房主運転時の冷媒の流れを示す図で
ある。
【図9】冷暖同時冷房主運転時の制御要領を示す冷凍サ
イクルのモリエル線図である。
【図10】冷暖同時暖房主運転時の冷媒の流れを示す図
である。
【図11】室外機制御部における制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図12】室外機制御部における制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図13】室内機制御部における制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図14】第2の実施例を示す冷媒回路図である。
【図15】第3の実施例を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 3 アキュムレータ 4 過冷却熱交換器 5A、5B 電磁弁 6 熱交換器 7 膨脹弁 8 圧力センサ 9、10 温度センサ 11A、11B 圧力センサ 12 過冷却熱交換器 13A、13B、13C、23A、23B、23C
電磁弁 13A’、13B’、13C’、23A’、23B’、
23C’ 電磁弁 14A、14B、14C 流量調整弁 15A、15B、15C 膨脹弁 16A、16B、16C 圧力センサ 17A、17B、17C、20A、20B、20C
温度センサ 18A、18B、18C 熱交換器 21 送風機 22A、22B、22C、26A、26B、26C
温度センサ 25 流量調整弁 27 液タンク 30 室外機 31 室外機制御部 32、33 インバータ 34、35、38 駆動制御部 36 温度変換器 37 圧力変換器 49A、49B、49C インバータ 39A、39B、39C、41A、41B、41C
駆動制御部 40 分岐ユニット 42A、42B、42C 温度変換器 43A、43B、43C 圧力変換器 44A、44B、44C 温度設定部 45A、45B、45C、45B’、45C’ VA
Vユニット 46A、46B、46C 風量設定部 47A、47B、47C、47B’、47C’ ダク
ト 48A、48B、48C 駆動制御部 50A、50B、50C、50B’、50C’ 室内
機 50A”、50B”、50C” 室内機 51A、51B、51C 室内機制御部 R1、R2、R3、R1’、R2’、R3’ 冷媒配
管 ZA1、ZA2、ZB1、ZB2、ZC、 空調ゾ
ーン ZB1’、ZB2’、ZB3’ 空調ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 康洋 神奈川県相模原市南橋本3丁目2番25号 東プレ株式会社相模原事業所内 (72)発明者 新町 拓正 神奈川県相模原市南橋本3丁目2番25号 東プレ株式会社相模原事業所内 (72)発明者 吉本 周平 神奈川県相模原市南橋本3丁目2番25号 東プレ株式会社相模原事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサ、熱交換器、該熱交換器に
    付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対側に設けら
    れた流量調整手段、および該流量調整手段を制御する第
    1の制御手段を備える室外機と、それぞれ熱交換器、該
    熱交換器に付設された膨脹弁、熱交換器の膨脹弁と反対
    側に設けられた流量調整手段、および該流量調整手段を
    制御する第2の制御手段を備え、冷凍サイクルの液管と
    高圧ガス管と低圧ガス管を形成する冷媒配管により前記
    室外機に並列に接続された複数の室内機とからなり、各
    室内機の送風を複数の空調ゾーンに導くとともに、各空
    調ゾーンごとに設けられたVAVユニットと、室外機の
    熱交換器に接続されたガス管を該室外機の熱交換器に向
    かう高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に接続可能の
    第1の切り換え手段と、各室内機の熱交換器に接続され
    たガス管を前記高圧ガス管または低圧ガス管に選択的に
    接続可能の第2の切り換え手段とを有して、それぞれの
    室内機を個別に冷房運転または暖房運転に選択的に制御
    し、それぞれの空調ゾーンの室温を前記VAVユニット
    による風量変化で制御するように構成されたことを特徴
    とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記室内機の第2の制御手段は、当該室
    内機の吹き出し空気温度が予め定められた温度になるよ
    う当該室内機の流量調整手段を制御するものであること
    を特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記室外機の第1の制御手段は、室外機
    の熱交換器が凝縮器として作用するときは暖房運転の室
    内機の第2の制御手段の制御により決定される値になる
    よう室外機の流量調整手段を制御し、室外機の熱交換器
    が蒸発器として作用するときは冷房運転の室内機の第2
    の制御手段の制御により決定される値になるよう室外機
    の流量調整手段を制御するものであることを特徴とする
    請求項1または2記載の空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記室内機の少なくとも1つにおいてそ
    の熱交換器が蒸発器として作用するとき前記室内機に向
    かう液管と室外機に向かう低圧ガス管の間に、互いの間
    で熱交換を行う第1の過冷却熱交換器が設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の空気調和
    装置。
  5. 【請求項5】 前記室外機の熱交換器が蒸発器として作
    用するとき前記室外機の熱交換器に向かう液管と低圧ガ
    ス管の間に、互いの間で熱交換を行う第2の過冷却熱交
    換器が設けられていることを特徴とする請求項1、2、
    3または4記載の空気調和装置。
  6. 【請求項6】 前記室外機のコンプレッサは当該室外機
    の熱交換器が凝縮器として作用するときは冷房運転の室
    内機の第2の制御手段の制御とその吹き出し空気温度と
    により決定される値になるよう制御され、室外機の熱交
    換器が蒸発器として作用するときは暖房運転の室内機の
    第2の制御手段の制御とその吹き出し空気温度とにより
    決定される値になるよう制御されるものであることを特
    徴とする請求項1、2、3、4または5記載の空気調和
    装置。
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