JP3643131B2 - マスタシリンダ用リザーバ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車のブレーキ用マスタシリンダやクラッチ用マスタシリンダ等に液体を供給するのに好適に用いられるマスタシリンダ用リザーバ装置に関し、特に、液面検知器を備えたマスタシリンダ用リザーバ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、底面部、上面部および周壁部を有する容器として形成され、マスタシリンダの軸方向に延びたリザーバ本体と、前記マスタシリンダの軸方向に離間して該リザーバ本体の底面部にそれぞれ設けられ、該リザーバ本体を前記マスタシリンダに接続する一対の接続口と、該各接続口の間に位置して前記リザーバ本体の底面部から上面部に向けて上向きに突出し、液面検知用のフロートを上下方向に案内する筒状のフロートガイドと、該フロートガイドに形成され、該フロートガイドの内,外に液体を流通させる連通路とからなるマスタシリンダ用リザーバ装置は知られている。
【0003】
この種の従来技術によるマスタシリンダ用リザーバ装置では、例えばブレーキ用マスタシリンダにブレーキ液等の液体を供給する場合に、リザーバ本体の底面部側に設けた一対の接続口をマスタシリンダの各ボス部に接続し、リザーバ本体内に収容した液体をブレーキ操作等に応じてマスタシリンダ側へと補給することによって、該マスタシリンダから車両の各ブレーキシリンダ等にブレーキ液を給排させるようになっている。
【0004】
また、前記各接続口間に位置してリザーバ本体内に設けたフロートガイド内には、リザーバ本体内に収容した液体の液面変位に追従するフロートが上下方向に移動可能に設けられ、フロートガイドの底面側には該フロートを介してリザーバ本体内の液面変位を検知する液面検知器が配設される。そして、この液面検知器は、リザーバ本体内の液面レベルが低下してフロートが最接近したときに、リザーバ本体内の液体残量が少なくなったことを報知すべく、例えば車両の運転室に設けられる警報ランプ等を点灯させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、リザーバ本体内の液体をフロートガイド内に流入,出させる連通路をフロートガイドに形成すると共に、該フロートガイド内には液面変位に追従して上,下動するフロートを設けることによって、リザーバ本体内の液体残量を検出する構成としているから、車両の急加速,急減速時の振動や路面の凹凸等による振動で車両が大きく傾いたり、車両に大きな慣性力等が発生したりしたときに、フロートガイド内の液体が連通路を介して瞬間的に外部に流出し、これによってフロートガイド内のフロートが底面側の液面検知器に最接近してしまうことがある。
【0006】
このため、従来技術では、リザーバ本体内に十分に液体を収容している場合でも、車両の振動等による傾きや慣性力等の作用によって液面が大きく変動し、フロートガイド内のフロートが瞬間的に液面検知器に最接近して警報ランプ等を点滅させることがあり、車両の運転者等に不快感を与えるという問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はフロートガイド内の液体が車両の振動等で瞬間的に外部に流出するのを効果的に抑制でき、液面検知器等の誤作動を確実に防止できるようにしたマスタシリンダ用リザーバ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成は、底面部、上面部および周壁部を有する容器として形成され、マスタシリンダの軸方向に延びたリザーバ本体と、前記マスタシリンダの軸方向に離間して該リザーバ本体の底面部にそれぞれ設けられ、該リザーバ本体を前記マスタシリンダに接続する一対の接続口と、該各接続口の間に位置して前記リザーバ本体の底面部から上面部に向けて上向きに突出し、液面検知用のフロートを上下方向に案内する筒状のフロートガイドとからなるマスタシリンダ用リザーバ装置において、前記フロートガイドよりも低い高さをもって該フロートガイドと前記リザーバ本体の周壁部との間に形成され、前記リザーバ本体内の液体が少なくとも低液面となったときに、前記各接続口と個別に連通する2つの液室を前記リザーバ本体内に画成する液室画成部と、前記マスタシリンダの軸方向とは異なる方向で前記フロートガイドに形成され、該フロートガイド内を前記各液室の少なくとも一方に連通させる連通路と、前記フロートガイド内の液体が該連通路を介して前記液室側に移動するのを抑制すべく、前記リザーバ本体の周壁部とフロートガイドとの間に形成された邪魔板部と、該邪魔板部によって前記リザーバ本体の周壁部とフロートガイドと前記液室画成部との間に画成され、前記フロートガイド内の液体が前記連通路を介して前記液室側に移動するのを抑制する液移動抑制室とを備える構成としたことを特徴としている。
【0009】
【作用】
上記構成により、フロートガイドに形成した連通路はマスタシリンダの軸方向とは異なる方向に配向されているから、例えば車両の急加速,急減速時等にマスタシリンダの軸方向に大きな慣性力が作用しても、フロートガイド内の液体がこのときの慣性力で外部に流出するのを抑えることができる。
【0010】
また、リザーバ本体の周壁部とフロートガイドとの間に形成した邪魔板部は液室画成部との間で液移動抑制室を画成し、前記フロートガイド内の液体が連通路を介して外部に液移動するのを抑制するようになるから、大きな慣性力等の作用で前記フロートガイド内の液体が瞬間的に流出するのを確実に防止でき、フロートガイド内の液面レベルをほぼ一定にして安定させることができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例によるマスタシリンダ用リザーバ装置を図1および図2に基づき説明する。
【0012】
図において、1はブレーキ用マスタシリンダのシリンダ本体を示し、該シリンダ本体1は略円筒状に形成され、一端側が閉塞端1Aとなり、他端側が開口端1Bとなっている。そして、該シリンダ本体1内には、開口端1B側からピストン(図示せず)が摺動可能に挿嵌され、このピストンはブレーキ操作時にブレーキペダル等によってシリンダ本体1内を軸方向に押動される。また、該シリンダ本体1はその軸線が車両の前,後方向(車両の進行方向)に延びるように、車両のエンジンルーム(図示せず)内等に配設される。
【0013】
2,3はシリンダ本体1の軸方向に離間して、シリンダ本体1から径方向上向きに突設されたリザーバ取付用のボス部を示し、該ボス部2,3には後述するリザーバ4の接続口10,11が着脱可能に嵌合されている。そして、該ボス部2,3はリザーバ4内から補給されるブレーキ液等の液体をシリンダ本体1内に流入,出させるものである。
【0014】
4はブレーキ液等の液体を内部に収容するリザーバ、5は該リザーバ4の本体部を構成するリザーバ本体を示し、該リザーバ本体5は樹脂材料によりシリンダ本体1の軸方向に延びるボトル状の容器として形成され(図2参照)、底面部6と、該底面部6に上下方向で対向する上面部7と、該上面部7と底面部6とを外周側で一体的に連結した周壁部としての外周部8とから構成されている。
【0015】
ここで、該リザーバ本体5の底面部6には、シリンダ本体1のボス部2,3に対応する位置に一対の凹部6A,6Bが一体形成され、該凹部6A,6Bの底部側には、リザーバ4をシリンダ本体1のボス部2,3に段付き筒状のシール部材9,9を介して接続する一対の接続口10,11が一体形成されている。また、リザーバ本体5の底面部6には、凹部6A,6Bとの間に略三角形状をなす複数の補強用リブ6C,6C,…が一体形成され、該各リブ6Cは接続口10,11等をリザーバ本体5に対して高強度に連結している。
【0016】
12はリザーバ本体5の上面部7に一体形成された給液口を示し、該給液口12はリザーバ本体5の一端側に位置し、該リザーバ本体5内にブレーキ液等の液体を給液させる。13は給液口12に着脱可能に被着されるキャップを示している。
【0017】
14,15はリザーバ本体5内に液体通路16を形成した隔壁部を示し、該隔壁部14,15はリザーバ本体5の底面部6から上面部7に亘って上下方向に延び、リザーバ本体5の周壁部を外周部8と共に構成している。そして、該隔壁部14,15間に形成された液体通路16は、給液口12からの液体を図2中の矢示A方向に流通させ、この液体を後述の液室D,E内に供給する。
【0018】
17は接続口10,11間に位置してリザーバ本体5内に設けられた筒状のフロートガイドを示し、該フロートガイド17は凹部6A,6B間に位置してリザーバ本体5の底面部6から上面部7に向けて上向きに突出し、図2に示すように薄肉円筒状に形成されている。そして、該フロートガイド17は後述のフロート24を上,下に摺動可能に案内し、このフロート24によってリザーバ本体5内の液面レベルを検知させるようになっている。
【0019】
また、該フロートガイド17の内周側には前後方向(矢示B1 ,B2 方向)で対向する位置に一対のガイド突起17A,17Aが一体形成され、該各ガイド突起17Aはフロートガイド17内を上下方向に伸長することにより、該フロートガイド17内でフロート24が回転するのを規制する。なお、図2中ではフロート24を取外した状態でフロートガイド17を明示するようにしている。
【0020】
18はフロートガイド17に形成された連通路としてのスリットを示し、該スリット18はフロートガイド17に上端側から下端側に亘って細い切欠きを設けることにより形成され、リザーバ本体5内の液体がフロートガイド17内に流入,出するのを許すようになっている。
【0021】
ここで、該スリット18は図2中の矢示B1 ,B2 方向(シリンダ本体1の軸方向)とは異なる方向で後述の液移動抑制室Fと連通するように形成され、フロートガイド17内の液体を図2中の矢示C方向に液移動抑制室Fに向けて流出または流入させる構成となっている。
【0022】
この結果、例えば車両の急加速,急減速時等に矢示B1 ,B2 方向の慣性力が発生した場合でも、フロートガイド17内の液体がこのときの慣性力によって矢示B1 ,B2 方向に流出,入するのを抑えることができ、液移動抑制室Fと協働して液移動を効果的に抑制できると共に、フロートガイド17内の液面レベルを確実に安定させることができる。
【0023】
19はフロートガイド17内に位置して底面部6に一体形成されたセンサ収容部を示し、該センサ収容部19は図1に示すように断面逆U字形状をなし、フロートガイド17内に一定高さをもって突出している。そして、該センサ収容部19内には、フロート24を介してリザーバ本体5内の液面レベルを検知する後述の液面センサ26が配設されている。また、該センサ収容部19は図2に示すようにシリンダ本体1の軸方向(矢示B1 ,B2 方向)と直交する方向に延び、後述の液室画成部20側からセンサ収容部19内に液面センサ26を挿入させる構成となっている。
【0024】
20,21はリザーバ本体5の外周部8,隔壁部15とフロートガイド17との間に位置して底面部6に一体形成された液室画成部を示し、該液室画成部20,21はセンサ収容部19とほぼ同一高さをもって形成され、該センサ収容部19と同一方向に延びている。そして、該液室画成部20,21は少なくともリザーバ本体5内の液体残量が少なくなって低液面となったときに、リザーバ本体5内を接続口10,11と個別に連通する2つの液室D,Eに画成し、車両が振動等で大きく傾いたときでも、それぞれの液室D,E内に少なくとも最小限度量以上の液体(残量)を確保するようになっている。なお、液室画成部20はセンサ収容部19と同様に断面U字形状に開口し、液面センサ26をリザーバ本体5の外部(横方向)からセンサ収容部19内に挿入させる構成となっている。
【0025】
22は液室E側に位置してリザーバ本体5の外周部8とフロートガイド17との間に配設された邪魔板部を示し、該邪魔板部22はリザーバ本体5の外周部8からフロートガイド17の中心に向けて斜めに突出し、その先端側はフロートガイド17の外周面との間に小さい隙間をもって形成される絞り通路23となっている。また、該邪魔板部22はリザーバ本体5の底面部6からフロートガイド17に対応する高さをもって形成され、液室画成部20との間に液移動抑制室Fを画成している。
【0026】
ここで、該液移動抑制室Fはリザーバ本体5の外周部8とフロートガイド17との間に位置する略五角形状の小さな室として形成され、スリット18を介してフロートガイド17内に連通している。そして、車両の振動等によりフロートガイド17内の液体がスリット18を介して矢示C方向に液移動抑制室F内へと流出するようなときにも、この液体は邪魔板部22に衝突して液室E側への液移動が抑制され、邪魔板部22の先端側に位置する絞り通路23を介してのみ液室E側へと矢示G方向に徐々に流出するようになる。
【0027】
24はフロートガイド17内に上,下動可能に配設されたフロートを示し、該フロート24は合成樹脂材料等によりリザーバ本体5内の液体に浮動するように形成され、リザーバ本体5内の液面変位に応じてフロートガイド17内を上,下に摺動変位する。そして、該フロート24内には図1に示すように平板状のマグネット25が埋設され、該マグネット25は液面センサ26の検出対象物となっている。なお、図2中ではフロート24を取外した状態でフロートガイド17を明示するようにしている。
【0028】
さらに、26はフロートガイド17の底部側に位置してセンサ収容部19内に収容された液面検知器としての液面センサを示し、該液面センサ26はリードスイッチ等からなり、フロート24内のマグネット25を介してリザーバ本体5内の液体残量を検知するようになっている。そして、リザーバ本体5内の液体残量が少なくなってフロートガイド17内の液面レベルが低下したときには、フロート24が液面センサ26に接近する。
【0029】
この結果、該液面センサ26はマグネット25の接近を検知してスイッチが閉成状態となり、例えば車両の運転室に設けられる警報ランプ等を点灯させることによって、リザーバ本体5内の液体残量が少なくなったことを報知する構成となっている。
【0030】
本実施例によるマスタシリンダ用リザーバ装置は上述の如き構成を有するもので、次にその動作について説明する。
【0031】
まず、リザーバ本体5内にブレーキ液等の液体を給液するときには、リザーバ本体5の給液口12からキャップ13を取外し、給液口12からリザーバ本体5内に液体を注液することにより行う。そして、車両のブレーキ操作時には、ブレーキペダル等によってシリンダ本体1内をピストンが軸方向に押動されることにより、リザーバ本体5内の液体が接続口10,11等を介してシリンダ本体1内へと補給され、該シリンダ本体1から各ブレーキシリンダ(車両の前,後、左,右の車輪等に付設される)等にブレーキ液を給排させる。
【0032】
また、リザーバ本体5内の液体残量が徐々に減少して液面レベルが低液面となったときには、フロートガイド17内に上,下動可能に設けたフロート24が液面変位に追従して変位し、液面センサ26に接近するようになる。この結果、該液面センサ26はマグネット25の接近によってスイッチが閉成され、例えば車両の運転室に設けられる警報ランプ等を点灯させることにより、運転者等にリザーバ本体5内の液体残量が少なくなったことを報知し、リザーバ本体5内に液体を補充すべきことを促すことができる。
【0033】
ところで、リザーバ本体5内に十分な液体を収容し液面レベルが前記低液面になる前の段階でも、車両が急加速,急減速時の振動や路面の凹凸等による振動で大きく傾いたり、大きな慣性力が発生したりするときには、リザーバ本体5内の液体が、例えば図1中に二点鎖線で示す液面Hのように傾いてしまう。そして、このときにフロートガイド17内の液体がスリット18を介して瞬間的に外部に流出してしまうと、これによってフロートガイド17内のフロート24が液面センサ26に接近することがあり、この場合にもマグネット25でスイッチが閉成され警報ランプ等を点滅させてしまう。
【0034】
そこで、本実施例では、フロートガイド17の内,外を連通させるスリット18を、図2中の矢示B1 ,B2 方向(マスタシリンダの軸方向)とは異なる方向で液移動抑制室Fと連通するように形成し、フロートガイド17内の液体を図2中の矢示C方向に流出(流入)させる構成としている。
【0035】
また、リザーバ本体5の外周部8とフロートガイド17との間には液室E側に位置して邪魔板部22を設け、該邪魔板部22をリザーバ本体5の外周部8からフロートガイド17の中心に向けて斜めに突出させることにより、フロートガイド17の外周面との間に小さい隙間の絞り通路23を形成し、該邪魔板部22と液室画成部20との間に液移動抑制室Fを画成している。そして、該液移動抑制室Fはリザーバ本体5の外周部8とフロートガイド17との間に位置し、スリット18を介してフロートガイド17内に連通する構成としている。
【0036】
この結果、車両の振動等によりフロートガイド17内の液体がスリット18を介して矢示C方向に液移動抑制室F内へと流出するようなときにも、この液体を邪魔板部22等に衝突させて液室E側へと液移動するのを効果的に抑制でき、フロートガイド17内の液面が瞬間的に変動してしまうのを確実に防止できる。そして、リザーバ本体5内の液体が図1中に二点鎖線で示す液面Hの如く傾き、この傾斜状態が続くような場合には、液移動抑制室Fから絞り通路23を介して矢示C方向とは異なる矢示G方向に液体を徐々に流出させることができる。
【0037】
また、フロートガイド17の内,外を連通させるスリット18を、図2中の矢示B1 ,B2 方向(シリンダ本体1の軸方向)とは異なる方向で液移動抑制室Fと連通するように形成しているから、例えば車両の急加速,急減速時等に矢示B1 ,B2 方向の慣性力が発生した場合でも、フロートガイド17内の液体がこのときの慣性力によって矢示B1 ,B2 方向に流出,入するのを効果的に抑えることができ、液移動抑制室Fと協働して液移動を効果的に抑制できると共に、フロートガイド17内の液面レベルを確実に安定させることができる。
【0038】
従って、本実施例によれば、車両の急加速,急減速時等の振動や路面の凹凸等による振動で、フロートガイド17内の液体が瞬間的に外部に流出するのを効果的に抑制でき、液面センサ26が誤作動するのを確実に防止できると共に、車両の運転者に不快感を与える等の問題を解消することができる。
【0039】
また、リザーバ本体5内の液体残量が少なくなって低液面となったときには、フロートガイド17よりも低い高さをもって該フロートガイド17とリザーバ本体5の外周部8、隔壁部15との間に形成した液室画成部20,21が、リザーバ本体5内を接続口10側の液室Dと接続口11側の液室Eとに画成するようになるから、車両の振動等でリザーバ本体5内の液面が大きく傾いたときでも、液室画成部20,21によってそれぞれの液室D,E内に少なくとも最小限度量以上の液体を確保でき、接続口10,11からシリンダ本体1内にブレーキ操作等に応じて液体を補給し続けることができる。
【0040】
なお、前記実施例では、円筒状のフロートガイド17に上下方向に延びるスリット18を形成することにより、該スリット18でフロートガイド17の内,外を連通させるものとして述べたが、これに替えて、フロートガイド17の径方向に連通路としての貫通孔を穿設することにより、この貫通孔でフロートガイド17の内,外を連通させるようにしてもよい。そして、この場合でも、貫通孔をシリンダ本体1の軸方向(矢示B1 ,B2 方向)とは異なる方向に形成し、フロートガイド17内の液体を図2中に示す矢示C方向に液移動抑制室Fに向けて流通させるようにすればよい。
【0041】
また、前記実施例では、マスタシリンダのシリンダ本体1を、その軸線が車両の前,後方向に延びるように、車両のエンジンルーム内等に配設するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えばマスタシリンダのシリンダ本体1を車両の左右方向等、適宜の方向に延びるように車両に配設してもよい。
【0042】
さらに、前記実施例では、ブレーキ用マスタシリンダのリザーバ装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、クラッチ用マスタシリンダ等にも適用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、フロートガイドに形成した連通路をマスタシリンダの軸方向とは異なる方向に配向させると共に、リザーバ本体の周壁部とフロートガイドと液室画成部との間には、前記リザーバ本体の周壁部とフロートガイドとの間に形成した邪魔板部によって、前記フロートガイド内の液体が連通路を介して外部に液移動するのを抑制する液移動抑制室を画成する構成としたから、例えば車両の急加速,急減速時等にマスタシリンダの軸方向に大きな慣性力が作用しても、前記邪魔板部および液移動抑制室によりフロートガイド内の液体が瞬間的に外部に流出するのを効果的に抑制でき、液面検知器等の誤作動を確実に防止できると共に、車両の運転者に不快感を与える等の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるマスタシリンダ用リザーバ装置を示す縦断面図である。
【図2】フロートを取外した状態で示す図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ本体(マスタシリンダ)
2,3 ボス部
4 リザーバ
5 リザーバ本体
6 底面部
7 上面部
8 外周部(周壁部)
10,11 接続口
14,15 隔壁部(周壁部)
16 液体通路
17 フロートガイド
18 スリット(連通路)
19 センサ収容部
20,21 液室画成部
22 邪魔板部
23 絞り通路
24 フロート
26 液面センサ(液面検知器)
D,E 液室
F 液移動抑制室
Claims (1)
- 底面部、上面部および周壁部を有する容器として形成され、マスタシリンダの軸方向に延びたリザーバ本体と、前記マスタシリンダの軸方向に離間して該リザーバ本体の底面部にそれぞれ設けられ、該リザーバ本体を前記マスタシリンダに接続する一対の接続口と、該各接続口の間に位置して前記リザーバ本体の底面部から上面部に向けて上向きに突出し、液面検知用のフロートを上下方向に案内する筒状のフロートガイドとからなるマスタシリンダ用リザーバ装置において、
前記フロートガイドよりも低い高さをもって該フロートガイドと前記リザーバ本体の周壁部との間に形成され、前記リザーバ本体内の液体が少なくとも低液面となったときに、前記各接続口と個別に連通する2つの液室を前記リザーバ本体内に画成する液室画成部と、
前記マスタシリンダの軸方向とは異なる方向で前記フロートガイドに形成され、該フロートガイド内を前記各液室の少なくとも一方に連通させる連通路と、
前記フロートガイド内の液体が該連通路を介して前記液室側に移動するのを抑制すべく、前記リザーバ本体の周壁部とフロートガイドとの間に形成された邪魔板部と、
該邪魔板部によって前記リザーバ本体の周壁部とフロートガイドと前記液室画成部との間に画成され、前記フロートガイド内の液体が前記連通路を介して前記液室側に移動するのを抑制する液移動抑制室とを備える構成としたことを特徴とするマスタシリンダ用リザーバ装置。
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