JP3642946B2 - 画像データの暗号化出力装置および画像再生装置並びにデジタルフォトサービスシステム - Google Patents

画像データの暗号化出力装置および画像再生装置並びにデジタルフォトサービスシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データを暗号化して出力する暗号化出力装置およびこの暗号化出力装置から出力される暗号化された画像データを受けて元の画像データを再生する画像再生装置、並びに前記暗号化出力装置および画像再生装置から成るデジタルフォトサービスシステムに関するものであり、より詳細には、画像の公開が許容された利用者のみに画像データを提供して画像を使用できるようにするとともに、その他の利用者に対しては半開示画像の提供を可能ならしめる装置およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
顧客が撮影した写真画像をデジタル化して画像サーバに蓄積したり、CDROMに記憶して顧客に提供したり、写真の焼き増し注文に応じる等、写真に関する種々のデジタルフォトサービスを行うデジタルフォトサービスシステムが知られている。また、このデジタルフォトサービスシステムの一形態として、ユーザのデジタル画像をサービス提供者のシステムに保管(登録)しておき、インターネットなどのネットワークを介してプリント注文などを受け付けるネットワークフォトサービスシステムも提案されている。
【0003】
例えば、上述のようなネットワーク化されたシステムにおいては、デジタルフォトサービスを顧客に提供するにあたり、大手集配ラボにスキャナ、プリンタ、大容量ディスクを有するサーバコンピュータ(以下、「画像サーバ」という)を設置して、顧客が撮影した写真を画像サーバに蓄積し、顧客がその画像サーバにネットワークを介してアクセスできるようにすることによって、写真の焼き増し注文、電子メールへの写真画像添付、写真画像データのダウンロードなどの各種サービスを提供することが考えられている。このようなサービスにおいて、ユーザはパソコンにおいて所定のアプリケーションソフトを用いて画像サーバにアクセスし、上述した写真の焼き増し注文などを行うことができる。一方、ラボにおいては、顧客からの写真処理注文情報に基づいて、焼き増しプリント、写真入りポストカードの作成、アルバムの作成、画像の合成、トリミングなどの写真処理を画像データに対して施し、処理が施されたデータを顧客に転送したり、処理が終了した旨を電子メールで顧客に知らせる等の処置を採ることができる。
【0004】
ここで「写真処理注文情報」とは、具体的にはサービス内容(焼き増し、ポストカード作成など)を指定する処理番号、写真を指定する画像番号、プリントサイズ、プリント枚数、プリント面質(艶有り、艶なし)、紙厚、写真処理の内容、トリミングの指定情報等のことである。
【0005】
このようなシステムにおいては、肖像権や著作権を有する人気タレントや特定のキャラクター等の著作権付き画像等の特定の利用者のみが使用できるようにした使用制限付き画像を担持する使用制限付き画像データを利用者に提供することにより、利用者がその使用制限付き画像を見れるようにしたり、利用者からその画像そのもの或いはその画像と顧客が撮影した写真画像とを組み合わせた画像のプリント注文を受けてラボでプリント出力する等のサービスを行うことが考えられているが、この場合、使用制限付き画像データを該画像の閲覧が許可された利用者のみに公開し、他の利用者にはその画像の閲覧ができないように画像データを暗号化する等して公開を制限しなければならない場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、著作権付き画像データを暗号化する場合には、該画像データに対してデータ圧縮を施して、この圧縮処理が施された圧縮済画像データを圧縮前の画像データ或いはそれに相当する画像データに再生(伸張)する際に必要となる伸張用パラメータを作成し、圧縮済画像データと伸張用パラメータとを纏めて1つの画像データファイルとし、この画像データファイルに対して暗号化処理を行って、暗号化された画像ファイルを不特定多数の利用者に公開し、所定の使用料を支払い該著作権付きの画像の閲覧が許容された利用者のみに暗号の復号に必要なキーを公開することで、このキーを受け取った利用者のみが著作権付きの画像を取り扱うことができるようにして、著作権付き画像の秘匿性を確保している。
【0007】
しかしながら、このような方法を用いて著作権付き画像の閲覧を制限する場合には、該著作権付き画像の概要を確認できるように、暗号化した画像データファイルとは別に、例えば画像の検索用として著作権上の問題を生じない程度に低解像度画像化したサムネイル画像等の検索用画像データや著作権上の問題を生じない程度に低品質化した印刷物サンプル等を提供して、全ての利用者に対して閲覧を制限した画像の半開示を行なわなければならず、この低解像度画像や印刷物サンプル等を作成する手間がかかるという問題がある。
【0008】
また、著作権付き画像の閲覧を制限する別の方法として、画像サーバに高品質画像と低品質画像の2種類を用意しておき、利用者には低品質の画像のみを公開し、編集情報のみを画像サーバに返送し、サーバー内で高品質画像に対して合成処理を行う、という方法も提案されているが、このような方法では、高品質画像の画像ファイルと低品質画像の画像ファイルという複数のファイルを取り扱うことになるため、常に両画像ファイルを対応づけて管理しなければならず、ファイルの管理が難しいという問題がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、著作権付き画像を該画像の公開が許容された利用者のみに公開するとともに、簡易な方法で全ての利用者がその画像の概要を確認できるように、該画像の半開示を可能ならしめる装置およびデジタルフォトサービスシステムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による暗号化出力装置は、画像データを暗号化して、暗号化された画像データを出力する暗号化出力装置であって、
画像データを輝度データと色データとに分離するデータ分離手段と、
色データのみを暗号化する色データ暗号化手段と、
暗号化された色データ,暗号化された色データを復号するための復号鍵を示す情報および暗号化されていない輝度データから成る画像ファイルを出力する画像ファイル出力手段とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0011】
ここで「復号鍵を示す情報」は、具体的には、暗号を復号する、すなわち解読するための鍵である復号鍵を示すいわゆるID情報である。なお、本発明における「暗号化」には、例えば、非等長符号化テーブルを用いた圧縮符号化等の画像データの圧縮のみを目的とするものは含まない。
【0012】
この装置にあっては、色情報が略ゼロとなるゼロ色データを生成するゼロ色データ生成手段を備えるものとし、画像ファイル出力手段が、ゼロ色データを画像ファイルの一部として出力するものとするのが望ましい。
【0013】
ここで、「色情報が略ゼロとなるゼロ色データ」とは、本来の色データ値が存在するべき所のデータ値を略ゼロにした色データを意味する。
【0014】
また、「色データ」は、画像データ中の色情報を示すデータであればどのようなものであってもよく、例えば、R−YとB−Yから成る色差データであってもよいし、R,GおよびBから成る原色データであってもよい。また、この「色データ」を暗号化するに際しては、例えば、色差データであればR−YとB−Yの両方を暗号化してもよいし、何れか一方のみを暗号化してもよい。すなわち、通常色情報を示すデータは複数の成分から成るので、この複数の成分のうち少なくとも1つの成分に対して暗号化するものであれば十分である。
【0015】
本発明による画像再生装置は、上述の暗号化出力装置により出力された画像ファイルを受け、画像ファイル中の暗号化された色データを復号して画像データを再生する画像再生装置であって、
画像ファイル中の復号鍵を示す情報に基づいて、復号鍵が格納されているデータベースから復号鍵を取得する復号鍵取得手段と、
取得した復号鍵に基づいて、暗号化した色データを復号する色データ復号手段と、
復号された色データと輝度データとに基づいて画像データを再生する再生手段とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明による画像再生装置は、ゼロ色データ生成手段を備えた暗号化出力装置により出力された画像ファイルを受け、半開示の画像データを生成する画像再生装置であって、画像ファイル中のゼロ色データと輝度データとに基づいて、輝度情報のみからなる半開示の画像データを生成する半開示画像生成手段を備えたものであることを特徴とするものである。
【0017】
本発明によるデジタルフォトサービスシステムは、画像データを暗号化し、暗号化された画像データを出力し、出力された画像ファイルを受け、画像ファイル中の暗号化された色データを復号して画像データを再生して写真処理を行うデジタルフォトサービスシステムであって、
画像データを輝度データと色データとに分離するデータ分離手段と、
色データのみを暗号化する色データ暗号化手段と、
暗号化された色データ,暗号化された色データを復号するための復号鍵を示す情報および暗号化されていない輝度データから成る画像ファイルを出力する画像ファイル出力手段とを備えた暗号化出力装置、
復号鍵を示す情報と復号鍵とを対応させて格納するデータベース、および
画像ファイル中の復号鍵を示す情報に基づいて、データベースから復号鍵を取得する復号鍵取得手段と、取得した復号鍵に基づいて暗号化された色データを復号する色データ復号手段と、復号された色データと輝度データとに基づいて画像データを再生する再生手段とを備えた画像再生装置により構成されることを特徴とするものである。
【0018】
このシステムにあっては、暗号化出力装置が、色情報が略ゼロとなるゼロ色データを生成するゼロ色データ生成手段を備え、画像ファイル出力手段がゼロ色データを画像ファイルの一部として出力するものであって、画像再生装置が、画像ファイル中のゼロ色データと輝度データとに基づいて、輝度情報のみからなる半開示の画像データを生成する半開示画像生成手段を備えたものとするのが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
本発明の暗号化出力装置および画像再生装置によれば、暗号化出力装置において、画像データを輝度データと色データとに分離し、該分離後の色データのみを色データ暗号化手段で暗号化して、輝度データ,暗号化された色データおよび該暗号を復号するために必要となる復号鍵を示す情報とを纏めて画像ファイルとして画像再生装置に出力するようにし、復号鍵を示す情報を受け取った画像再生装置において、復号鍵を示す情報に基づいて復号鍵を取得し、該復号鍵に基づいて暗号化された色データを復号し、該復号した色データと輝度データとによって元の画像データを再生するようにしたので、画像の公開を許容した利用者のみに復号鍵を示す情報を開示すれば、使用制限付き画像をこの利用者のみに開示でき、他の利用者に対してはその画像の使用を制限することができる。
【0020】
また、全ての画像再生装置において、少なくとも輝度データのみは暗号化されていないデータとして受け取ることができ、暗号化された色データを抑圧する等してこの輝度データのみに基づいて画像を再生すれば、使用制限付き画像を白黒画像として再生することができ、極めて簡易な方法で著作権つき画像の半開示を行うことができる。
【0021】
白黒画像による画像の半開示を行うに際して、暗号化出力装置において、色情報が略ゼロとなるゼロ色データを生成して、このゼロ色データを画像再生装置に出力するようにし、画像再生装置において、ゼロ色データと輝度データとに基づいて輝度情報のみからなる半開示画像データを生成するようにすることにより、画像再生装置において、暗号化された色データの抑圧等特殊な画像処理をするまでもなく、白黒画像による半開示を行うことができる。
【0022】
本発明のデジタルフォトサービスシステムによれば、上述の暗号化出力装置と画像再生装置とを組み合わせて構成したので、上述の暗号化出力装置および画像再生装置と同様に、極めて簡易な方法で使用制限付き画像の半開示を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態によるデジタルフォトサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、このシステムは、サービス注文を受け付けるサービスセンタやラボ等の提供者側装置に備えられた暗号化出力装置1とパソコン等の利用者側装置に備えられた画像再生装置2とデータベース3から構成されている。提供者側装置と利用者側装置はインターネット等のネットワークを介して接続されており、このシステムは、両装置間で互いに情報のやり取りを行うことにより、利用者に対して種々のデジタルフォトサービスを提供するものである。
【0025】
暗号化出力装置1には、著作権付き画像を担持する著作権付き画像データD0をデータ分離手段20に入力する画像入力手段10と、画像データD0を輝度データY1と色データ(本例では色差データ)C1とに分離するデータ分離手段20と、色差データC1のみを暗号化して暗号化色差データC2を得る色差データ暗号化手段30と、暗号化色差データC2,暗号化色差データC2を復号するための復号鍵S1を示す情報(復号鍵情報)S2および暗号化されていない輝度データY1とから成る画像ファイルF1を出力する画像ファイル出力手段40とが備えられている。ファイル出力手段48には、色情報が略ゼロとなるゼロ色データ(本例ではゼロ色差データ)C3を生成するゼロ色差データ生成手段32が接続されている。画像ファイル出力手段40は、色差データ暗号化手段30において暗号化した際に用いられた暗号化鍵S0に対応する鍵であって復号の際に用いられる復号鍵S1を生成する復号鍵生成手段42と、復号鍵S1を示す復号鍵情報S2を生成する復号鍵情報生成手段44と、輝度データY1,暗号化色差データC2,ゼロ色データC3および復号鍵情報S2を纏めて1つの画像ファイルF1を作成するファイル作成手段46と、画像ファイルF1を画像再生装置2に出力するファイル出力手段48とから成っている。
【0026】
データベース3には、暗号化出力装置1において生成された復号鍵情報S2と復号鍵S1とが対応するように格納される。
【0027】
画像再生装置2には、暗号化出力装置1のファイル出力手段48から出力される画像ファイルF1を受け取る画像ファイル入力手段60と、受け取った画像ファイルF1中の復号鍵情報S2を読み取る復号鍵情報読取手段72および復号鍵情報S2をデータベース3に送信し該データベース3から出力される復号鍵S1を受信する通信手段74から成り、送信した復号鍵情報S2に対応する復号鍵S1をデータベース3から取得する復号鍵取得手段70と、取得した復号鍵S1に基づいて暗号化色差データC2を復号して色差データC1を得る色差データ復号手段80と、色差データC1と輝度データY1とに基づいて画像データD0を再生する再生手段90と、ゼロ色差データC3と輝度データY1とに基づいて輝度情報のみからなる半開示の画像データD1を生成する半開示画像生成手段とが備えられている。再生手段90により再生された画像データD0と半開示画像生成手段により生成された半開示画像データD1は画像出力手段94に入力され、画像データD0に基づく著作権付き画像または半開示画像データD1に基づく著作権付き画像を白黒化した画像が、画像出力手段94に備えられたCRT上に可視画像として表示されたり、レーザプリンタ(LP)によって印刷出力されたりする。
【0028】
このシステムにあっては、画像再生装置2を備えた利用者側装置に写真サービスを利用するために必要なプログラムが予め提供されている。このプログラムは、例えば、パソコンのWWWブラウザに組み込むことによりブラウザによる登録画像の閲覧、ダウンロード、プリント注文等を可能にするデジタルフォトサービス用プラグインである。利用者は、ネットスケープナビゲータ等のブラウザにこのプラグインを組み込んで、提供者側装置1に備えられたセンタサーバ(不図示)のホームページにアクセスすることにより、プリントサービス等のデジタルフォトサービスを要求することができる。
【0029】
以下上記構成のデジタルフォトサービスシステムの作用について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この図2においてはステップ番号をST印を付けて表しており、図中左側が暗号化出力装置1における処理を示し、図中右側が画像再生装置2における処理を示している。
【0030】
最初に、暗号化出力装置1における作用について説明する。画像入力手段10が著作権付き画像を担持する著作権付き画像データD0を不図示の画像サーバ等から取得し、この画像データD0をデータ分離手段20に入力する(ST11)。データ分離手段20が、画像データD0を輝度データY1と色差データC1とに分離し、輝度データY1をファイル作成手段46に出力し、色差データC1を色差データ暗号化手段30に出力する(ST12)。データ分離手段20は、必要により、例えば、非等長符号化テーブルの一種であるハフマンテーブルを用いたJPEG仕様の画像圧縮方法を適用して、前記分離した輝度データY1と色差データC1とを圧縮するようにするとよい。
【0031】
色差データ暗号化手段30が、所定の暗号化アルゴリズムにしたがって色差データC1を暗号化する(ST13)。この際、ゼロ色差データ生成手段32により、色情報が略ゼロとなるゼロ色差データC3を生成しておく。復号鍵生成手段42が、この暗号化の際に使用された暗号化鍵S0を取り込み、画像再生装置2における復号の際に必要となる暗号化鍵S0に対応する復号鍵S1を生成する(ST14)。次いで、復号鍵情報生成手段44が、復号鍵S1を示す復号鍵情報S2を生成する(ST15)。このとき、後述するように画像再生装置2において復号鍵S1を使用できるように、復号鍵情報S2と復号鍵S1とを対応させてデータベース3に格納しておく。
【0032】
ファイル作成手段46が、輝度データY1,暗号化色差データC2,ゼロ色データC3および復号鍵情報S2を纏めて1つの画像ファイルF1を作成し(ST16)、画像ファイルF1をファイル出力手段48を介して画像再生装置2に出力する(ST17)。この際、画像再生装置2において、画像ファイルの指定や検索が容易となるように画像ファイルF1を特定するための識別IDを付けておく。なお、例えばイーストマンコダック社等が提唱するFlashPix規格に基づくFlashPixファイル形式にしたがってCDROM等の記憶媒体に画像ファイルF1を記憶して不特定の利用者に配布するような場合にあっては、輝度データY1とゼロ色データC3とを通常の階層に記憶し、暗号化色差データC2と復号鍵情報S2とをエクステンション(extensoin )に記憶するとよい。
【0033】
次に、画像再生装置2における作用について説明する。所定の識別IDを指定することにより、画像ファイル入力手段60が暗号化出力装置1の画像ファイル出力手段48から出力された画像ファイルの中から前記所定の識別IDに対応する画像ファイルF1を取り込む(ST21)。ここで、「所定の識別ID」とは、後述の処理を実行したい画像ファイルを示す識別IDを意味する。なお、上述の画像ファイルF1を記憶したCDROMを使用する場合にあっては、画像ファイル入力手段60がCDROMから画像ファイルF1を読み出すようにすればよい。
【0034】
画像ファイルF1の取り込みが完了すると、復号鍵取得手段70の復号鍵情報読取手段72が、画像ファイルF1中の復号鍵情報S2を読み取る(ST22)。次いで、通信手段74が、自身を特定する情報(ユーザID等)とともに復号鍵情報S2をデータベース3に送信する。データベース3は受信したユーザIDから、著作権付き画像データD0の使用が許可されている者かどうかを判断し、許可されている者と判断したときには、格納してある多数の復号鍵の中から復号鍵情報S2に対応する復号鍵S1を読み出して通信手段74に出力する。これにより、復号鍵取得手段70は、通信手段74から送信した復号鍵情報S2に対応する復号鍵S1、すなわち暗号化色差データC2を復号する際に使用する復号鍵S1を取得できる(ST23)。
【0035】
次いで、色差データ復号手段80が、画像ファイル入力手段60から暗号化色差データC2を,復号鍵取得手段70から復号鍵S1を夫々取り込み、復号鍵S1に基づいて暗号化色差データC2を復号する(ST24)。
【0036】
画像再生手段90が、画像ファイル入力手段60から輝度データY1を,色差データ復号手段80から色差データC1を夫々取り込み、元の画像データD0を再生する(ST25)。この再生された画像データD0が画像出力手段94に入力されて、画像データD0に基づく著作権付き画像がCRTやLPよって可視画像として出力される(ST26)。
【0037】
この画像再生装置2にあっては、輝度情報のみから成る半開示画像を生成する半開示画像生成手段92が備えられており、半開示画像生成手段92が、画像ファイルF1中の輝度データY1とゼロ色差データC3とを画像ファイル入力手段60から取り込んで半開示画像データD1を生成する。この生成された半開示画像データD1が画像出力手段94に入力されて、半開示画像データD1に基づく輝度情報のみから成る白黒の半開示画像がCRTやLPよって可視画像として出力される。この半開示画像を出力する処理については、図2では示していないが、上述のST21からST26迄のどの過程においても実行できるようになっている。なお、半開示画像生成手段92が備えられていない画像再生装置の場合には、再生手段90において、復号されていない色差データC2を色情報が略ゼロとなるようなデータに変換するようにすれば、すなわち、暗号化された色データの抑圧をすれば、上述と同様に白黒画像による半開示を行うことができる。
【0038】
このように、本発明においては、画像データ中の色データのみを暗号化するようにしたので、著作権つき画像の秘匿性を極めて簡易な方法で実現できると共に、暗号化されていない輝度データのみに基づいて或いはこの輝度データとゼロ色データとに基づいて画像を出力するようにすれば、全ての利用者に対して画像の半開示を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデジタルフォトサービスシステムの構成を示すブロック図
【図2】上記デジタルフォトサービスシステムの作用を説明するフローチャート
【符号の説明】
1 暗号化出力装置
2 画像再生装置
3 データベース
10 画像入力手段
20 データ分離手段
30 色差データ暗号化手段
32 ゼロ色差データ生成手段
40 画像ファイル出力手段
60 画像ファイル入力手段
70 復号鍵取得手段
80 色差データ復号手段
90 再生手段
92 半開示画像生成手段
94 画像出力手段

Claims (6)

  1. 画像データを暗号化して、該暗号化された画像データを出力する暗号化出力装置であって、
    画像データを輝度データと色データとに分離するデータ分離手段と、
    前記色データのみを暗号化する色データ暗号化手段と、
    前記暗号化された色データ,該暗号化された色データを復号するための復号鍵を示す情報および暗号化されていない前記輝度データから成る画像ファイルを出力する画像ファイル出力手段とを備えたものであることを特徴とする画像データの暗号化出力装置。
  2. 色情報が略ゼロとなるゼロ色データを生成するゼロ色データ生成手段を備え、
    前記画像ファイル出力手段が、該ゼロ色データを前記画像ファイルの一部として出力するものであることを特徴とする請求項1記載の画像データの暗号化出力装置。
  3. 請求項1または2記載の暗号化出力装置により出力された画像ファイルを受け、該画像ファイル中の暗号化された色データを復号して画像データを再生する画像再生装置であって、
    前記画像ファイル中の復号鍵を示す情報に基づいて、復号鍵が格納されているデータベースから復号鍵を取得する復号鍵取得手段と、
    該取得した復号鍵に基づいて、前記暗号化した色データを復号する色データ復号手段と、
    該復号された色データと前記輝度データとに基づいて前記画像データを再生する再生手段とを備えたものであることを特徴とする画像再生装置。
  4. 請求項2記載の暗号化出力装置により出力された画像ファイルを受けて、半開示の画像データを生成する画像再生装置であって、
    前記画像ファイル中のゼロ色データと前記輝度データとに基づいて、輝度情報のみからなる半開示の画像データを再生する半開示画像生成手段を備えたものであることを特徴とする画像再生装置。
  5. 画像データを暗号化し、該暗号化された画像データを出力し、該出力された画像データを受け、該画像データを復号して写真処理を行うデジタルフォトサービスシステムであって、
    画像データを輝度データと色データとに分離するデータ分離手段と、
    前記色データのみを暗号化する色データ暗号化手段と、
    前記暗号化された色データ,該暗号化された色データを復号するための復号鍵を示す情報および暗号化されていない前記輝度データから成る画像ファイルを出力する画像ファイル出力手段とを備えた暗号化出力装置、
    前記復号鍵を示す情報と前記復号鍵とを対応させて格納するデータベース、および
    前記画像ファイル中の復号鍵を示す情報に基づいて、前記データベースから復号鍵を取得する復号鍵取得手段と、該取得した復号鍵に基づいて、前記暗号化された色データを復号する色データ復号手段と、該復号された色データと前記輝度データとに基づいて前記画像データを再生する再生手段とを備えた画像再生装置により構成されることを特徴とするデジタルフォトサービスシステム。
  6. 前記暗号化出力装置が、色情報が略ゼロとなるゼロ色データを生成するゼロ色データ生成手段を備え、前記画像ファイル出力手段が前記ゼロ色データを前記画像ファイルの一部として出力するものであって、
    前記画像再生装置が、前記画像ファイル中のゼロ色データと前記輝度データとに基づいて、輝度情報のみからなる半開示の画像データを生成する半開示画像生成手段を備えたものであることを特徴とする請求項5記載のデジタルフォトサービスシステム。
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