JP3642428B1 - ベンツイミダゾロン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単一の構造式で複数の色相を有し、バインダー樹脂への分散性が良好な顔料として有用なベンツイミダゾロン化合物を提供すること、さらには、目的とする色相を得るために、色相が異なる前記化合物を2種以上併用しても凝集が少ない、顔料として有用なベンツイミダゾロン化合物を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表わされるベンツイミダゾロン化合物。
【化1】
Figure 0003642428
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜5のアルコキシル基を表わし、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。)
【選択図】 なし


Description

本発明は、単一の構造式で複数の色相を有し、バインダー樹脂への分散性が良好である顔料として有用なベンツイミダゾロン化合物に関する。
従来より、顔料を分散させた塗料において、顔料の種類によっては、分散安定性が乏しいために、顔料の凝集や、顔料とバインダー樹脂との分離(以下、「ニス別れ」という。)を生じる問題があった。これらの問題を解決する方法として、塗料中に顔料分散剤を添加する方法が知られている。しかしながら、顔料分散剤は顔料の分散性を改善する反面、塗膜の耐候性や耐熱性を低下させたり、顔料分散剤が有色であった場合には目的とする色相が得られないといった問題点もあった。
また、中間色の塗料を得る場合、例えば、赤色と黄色の中間色の塗料では、赤色の色相を有するジケトピロロピロール系顔料やキナクリドン系顔料、ジアミノアントラキノン系顔料等と、黄色の色相を有するアゾ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等との構造式の異なる顔料同士を併用することになる。
構造式が異なる複数の顔料を含有する塗料の場合、1種類の顔料を含有する塗料に比べ、さらに顔料の凝集やニス別れを生じやすい傾向がある。このような顔料の凝集を防止するために、塗料に顔料分散剤を添加することになる。ここで、最適な顔料分散剤は、顔料の構造式ごとに異なることが多いため、構造式が異なる複数の顔料を用いて中間色を調色した場合、複数の顔料分散剤を用いることになる。ところが、一方の顔料に最適な顔料分散剤は、同時に用いた他方の顔料の分散性に悪影響を及ぼし、分散安定性を低下させて凝集させることがある。したがって、顔料分散剤を複数併用する場合には、その組み合わせに細心の注意を払う必要があった。
一方、類似の構造式で複数の色相を有する顔料を併用して中間色の塗料を得る方法もある。このような類似の構造式で複数の色相を有する顔料としては、例えば、下記式(2)(以下、「化合物(2)」という。)や下記式(3)(以下、「化合物(3)」という。)で表されるベンツイミダゾロン系化合物が知られている(非特許文献1参照)。
Figure 0003642428
Figure 0003642428
これらのベンツイミダゾロン系化合物は、その分子中にナフタレン環を有する場合、赤色から茶色の色相(例示した化合物(2)は赤色)の顔料となることが知られている。また、ナフタレン環を有しない場合、黄色から橙色の色相(例示した化合物(3)は黄色)の顔料となることが知られている。
しかしながら、構造式が類似している化合物(2)と化合物(3)とを併用して調製した塗料においても、同様に顔料同士が凝集しやすいため、目的の色相が得られない問題があった。
W.Herbst,K.Hunger著「Industrial Organic Pigments Second, Completely Revised Edition」VCH Verlagsgesellschaft mbH、1997年、p.345−370
本発明が解決しようとする課題は、単一の構造式で複数の色相を有し、バインダー樹脂への分散性が良好な顔料として有用なベンツイミダゾロン化合物を提供すること、さらには、目的とする色相を得るために、色相が異なる前記化合物を2種以上併用しても凝集が少ない、顔料として有用なベンツイミダゾロン化合物を提供することである。
本発明者らは、単一の構造式を有する化合物が複数の色相を示せば、それらを混合して中間色を調色しても、顔料の凝集を抑制することができるとの考えを基に、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分子内水素結合によって平面構造を有する3つの六員環を形成することができる官能基を導入したベンツイミダゾロン化合物が、単一の構造式でありながら複数の色相を有することを見出した。さらに、このベンツイミダゾロン化合物は、単一の色相のものを用いた場合でも、色相の異なるものを併用した場合でも、顔料分散剤を添加することなく、ニス別れを生じない分散安定性に優れた塗料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表わされるベンツイミダゾロン化合物を提供するものである。
Figure 0003642428
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表わし、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。)
本発明の一般式(1)で表わされるベンツイミダゾロン化合物は、顔料分散剤を添加しなくても分散安定性に優れるため、印刷インキ、塗料、各種プラスチック用着色剤、トナー、インクジェット用インキ、カラーフィルター等の着色用顔料として有用である。特に、前記一般式(1)におけるR、R、R及びRがすべて水素原子であり、かつR及びRがメチル基である化合物は、単一の構造式であるが、その結晶構造の相違によって、鮮やかな赤色、黄色、赤紫色、青みの赤色といった異なる色相を有するので、単独で用いるばかりでなく、中間色を得る際の調色用顔料として、これら色相の異なる顔料を2種以上併用しても、顔料の凝集を抑制できるため非常に有用である。
(合成方法1)
一般式(1)において、RとRが同じ基で、かつRとRが同じ基であるベンツイミダゾロン化合物は、1当量の下記一般式(4)で表わされる化合物(以下、「化合物(4)」という。)と、1当量の下記一般式(5)で表わされる化合物(以下、「化合物(5)」という。)、及び1当量の下記一般式(6)で表わされる化合物(以下、「化合物(6)」という。)を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒中、硫酸、塩酸、リン酸等の酸の存在下で、150〜180℃の温度で8〜14時間反応させた後、室温まで冷却し、析出した結晶を通常の方法によりろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより得ることができる。
Figure 0003642428
(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。)
Figure 0003642428
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表わす。)
Figure 0003642428
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表わす。)
(合成方法2)
一般式(1)において、RとRが異なる基であるか、又はRとRが異なる基であるベンツイミダゾロン化合物は、前記の合成方法1と同様の反応条件で、まず、1当量の化合物(4)と1当量の化合物(5)とを反応させ、この反応生成物に化合物(6)を反応させた後、得られた反応物を室温まで冷却し、析出した結晶を通常の方法によりろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより得ることができる。
一般式(1)の中でも、R、R、R及びRがすべて水素原子で、かつR及びRがメチル基である下記式(7)で表される化合物(以下、「化合物(7)」という。)は、単一の構造式で、下記のα型結晶、β型結晶、γ型結晶及びδ型結晶の4つの結晶型が得られるので好ましい。
Figure 0003642428
(α型結晶)
(1)X線回折ピーク
Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが9.9±0.2°、12.8±0.2°、15.0±0.2°及び25.0±0.2°に回折ピークを有する。
(2)色相
鮮やかな赤色の色相を有する。
(3)製造方法
前記の合成方法1の方法によって得ることができる。
(β型結晶)
(1)X線回折ピーク
Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが14.3±0.2°、16.6±0.2°、24.2±0.2°及び24.8±0.2°に回折ピークを有する。
(2)色相
鮮やかな黄色の色相を有する。
(3)製造方法
前記のα型結晶を、N,N−ジメチルホルムアミド中、60〜120℃の温度で加熱を行うことにより、赤色結晶が徐々に黄色結晶へと変化する。6時間以上加熱した後、室温まで冷却し、通常の方法でろ過、洗浄、乾燥を行うことによって得ることができる。
(γ型結晶)
(1)X線回折ピーク
Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが9.9±0.2°、14.3±0.2°、16.3±0.2°、24.5±0.2°及び26.0±0.2°に回折ピークを有する。
(2)色相
鮮やかな赤紫色の色相を有する。
(3)製造方法
前記のα型結晶を、食塩、硫酸ナトリウム等の水溶性無機塩の摩砕媒体及びジエチレングリコール等の液状摩砕助剤とともに、ボールミル、アトライタ、振動ミル、ニーダー等の機械的剪断力を与える装置により摩砕混練処理した後、この摩砕混練物を、摩砕媒体及び液状摩砕助剤を溶解し結晶を溶解しない溶媒に解膠し、通常の方法でろ過、洗浄、乾燥、粉砕することによって得ることができる。
(δ型結晶)
(1)X線回折ピーク
Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが12.8±0.2°、15.8±0.2°、25.0±0.2°及び26.5±0.2°に回折ピークを有する。
(2)色相
鮮やかな青みの赤色の色相を有する。
(3)製造方法
前記のα型結晶、β型結晶又はγ型結晶を、濃硫酸に溶解した後、氷水中に投入し再析出させることにより、青みの赤色の結晶が析出する。得られた青みの赤色のスラリーを、通常の方法でろ過、洗浄、乾燥、粉砕することによって得ることができる。
上記の4つの結晶型が、それぞれ異なる色相を有する理由について、詳細なことは判明していないが、下記のようなことが推測される。
前記の化合物(7)は、構造式の中心に1つの芳香環を有している。この芳香環に結合している2つのアミノ基と2つのカルボン酸エステル基中のカルボニル基がそれぞれ分子内で水素結合を形成すると、中心の芳香環を含んだ連続した3つの六員環を形成する(下記、式(8)を参照。)。この3つの六員環により形成された平面が発色団となり、赤色系の色相を有する結晶(α型結晶、γ型結晶及びδ型結晶)になると考えられる。
Figure 0003642428
また、α型結晶、γ型結晶及びδ型結晶の間で色相が異なるのは、各結晶中で、前記の式(8)中の分子内水素結合により形成した六員環を含む3つの六員環により形成された平面とベンツイミダゾロン基の平面との間の角度が、矢印「A」で示される結合部分の回転により変化するためと考えられる。
一方、有機溶剤中での加熱処理により、前記の2つのアミノ基と2つのカルボン酸エステル基中のカルボニル基により形成された分子内水素結合が切断された場合、分子内の発色団となっていた平面を形成する部分が中心の芳香環のみとなるため、発色団としての寄与が小さくなり、黄色系の色相を有する結晶(β型結晶)になると考えられる。
以下、本発明を実施例により説明する。また、特に断わりのない限り実施例中の「部」、「%」は質量基準である。
(実施例1)
5−アミノベンツイミダゾロン43.6部、ジメチルサクシニルサクシネート30部、濃硫酸13.4部を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン750部中に加え、180℃で14時間撹拌した。室温まで冷却した後、析出物をろ過し、不純物を除去するため、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン200部、アセトン600部で洗浄を行い、110℃で8時間減圧乾燥して鮮やかな赤色のα型結晶17.7部(収率28%)を得た。この赤色のα型結晶について、赤外分光分析及び電界脱離質量分析(FD−MS)を行ったところ、下記の結果が得られた。
<赤外分光分析>
日本分光株式会社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT/IR−550型」を用いて、赤外分光分析を行った結果、下記の伸縮振動による吸収ピークが観察された。
3200cm−1:イミダゾロン環のアミドのN−H伸縮振動
1720cm−1:メチルエステルのC=O伸縮振動
1695cm−1:イミダゾロン環のC=O伸縮振動
1220cm−1:メチルエステルのC−O伸縮振動
<電界脱離質量分析(FD−MS)>
株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS 9100MK 二重収束型」を用いて、電界脱離質量分析を行った結果、分子量488の分子イオンピークが検出された。
これらの分析結果から、実施例1で得られた赤色のα型結晶は、前記の化合物(7)であることが同定された。
さらに、実施例1で得られた赤色のα型結晶について、理学電機株式会社製のX線回折装置「RINT Ultima+」を用いて、下記の条件でCu−Kα線照射による粉末X線回折分析を行った。
使用電力:40kV、30mA
サンプリング角度:0.020°
発散・散乱スリット:(1/2)
発光スリット:0.3mm
スキャンスピード:2°/分
上記の粉末X線回折分析で得られたX線回折パターンを図1に示す。前記化合物(7)の赤色のα型結晶は、Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが9.9±0.2°、12.8±0.2°、15.0±0.2°及び25.0±0.2°に回折ピークを有していた。
(実施例2)
実施例1で得られた赤色のα型結晶2部をN,N−ジメチルホルムアミド100部中に加え、90℃で6時間撹拌した。室温まで冷却した後、スラリーをろ過し、アセトン50部で洗浄を行い、110℃で8時間減圧乾燥して鮮やかな黄色のβ型結晶1.6部(収率80%)を得た。
得られた黄色のβ型結晶について、実施例1で得られた赤色のα型結晶と同様の方法により粉末X線回折分析を行った。そのX線回折パターンを図2に示す。この結晶はα型結晶と異なり、Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが14.3±0.2°、16.6±0.2°、24.2±0.2°及び24.8±0.2°に回折ピークを有していた。
(実施例3)
実施例1で得られた赤色のα型結晶15部と食塩150部とを37.5部のジエチレングリコールとともにニーダーにより混練摩砕した。この混練物を60℃の水1000部に解膠し、ろ過を行った。得られたウェットケーキを60℃の水1000部に解膠した後、ろ過を行う洗浄工程を3回繰り返した。洗浄後のウェットケーキを110℃で8時間減圧乾燥し、鮮やかな赤紫色のγ型結晶13.5部(収率90%)を得た。
得られた赤紫色のγ型結晶について、実施例1で得られた赤色のα型結晶と同様の方法により粉末X線回折分析を行った。そのX線回折パターンを図3に示す。この結晶はα型及びβ型結晶と異なり、Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが9.9±0.2°、14.3±0.2°、16.3±0.2°、24.5±0.2°及び26.0±0.2°に回折ピークを有していた。
(実施例4)
実施例1で得られた赤色のα型結晶2部を濃硫酸(硫酸濃度95%以上)10部に溶解した。この硫酸溶液を100部の水中に投入しところ、赤色の結晶が析出しスラリー状となった。このスラリーをろ過した後、ろ液が中性になるまで水洗を行った。洗浄後のウェットケーキを110℃で8時間減圧乾燥し、青みの赤色のδ型結晶1.8部(収率90%)を得た。
得られた青みの赤色のδ型結晶について、実施例1で得られた赤色のα型結晶と同様の方法により粉末X線回折分析を行った。そのX線回折パターンを図4に示す。この結晶はα型、β型及びγ型結晶と異なり、Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが12.8±0.2°、15.8±0.2°、25.0±0.2°及び26.5±0.2°に回折ピークを有していた。
上記の実施例1〜4で得られた4つの結晶型の色相及びCu−Kα特性X線ピークをまとめたものを表1に示す。
Figure 0003642428
(実施例5)
焼き付け塗料用アクリル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の製品名「ベッコゾール J−524−IM―60」)70%とメラミン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の製品名「スーパーベッカミン G−821−60」)30%との混合樹脂66部を、キシレン:n−ブタノール=7:3の混合溶剤12部に溶解してバインダー樹脂溶液を得た。
上記バインダー樹脂溶液78部に、実施例1で得られたα型結晶2部を加え、ペイントコンディショナーにより2時間攪拌分散させて塗料(1)を得た。
(実施例6)
実施例5で用いたα型結晶を実施例2で得られたβ型結晶に代えた以外は実施例5と同様にして塗料(2)を得た。
(実施例7)
実施例5で得られた塗料(1)5部と実施例6で得られた塗料(2)5部とを混合し、混合塗料(1)10部を得た。
(比較例1)
実施例5で用いたα型結晶を赤色顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガジン DPP Red BO」(C.I.Pigment Red 254):以下、「DPP−BO」とする。)に代えた以外は実施例5と同様にして塗料(3)を得た。
(比較例2)
実施例5で用いたα型結晶を赤色顔料(クラリアントジャパン株式会社製の製品名「NOVOPERM RED HFT」(C.I.Pigment Red 175):前記化合物(2)に相当、以下、「HFT」という。)に代えた以外は実施例5と同様にして塗料(4)を得た。
(比較例3)
実施例5で用いたα型結晶を黄色顔料(大日本インキ化学工業株式会社製の製品名「SYMULER FAST YELLOW 4192」(C.I.Pigment Yellow 154):前記化合物(3)に相当、以下、「4192」とする。)に代えた以外は実施例5と同様にして塗料(5)を得た。
(比較例4)
比較例1で得られた塗料(3)5部と比較例3で得られた塗料(5)5部を混合し、混合塗料(2)10部を得た。
(比較例5)
比較例2で得られた塗料(4)5部と比較例3で得られた塗料(5)5部を混合し、混合塗料(3)10部を得た。
(塗料の凝集性評価)
上記の実施例5〜7及び比較例1〜5で得られた塗料について、調製直後の塗料中の顔料の体積平均粒子径を日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置「UPA150」を用いて測定した。また、これらの塗料を室温で1日放置した後の塗料中の顔料の体積平均粒子径を同様にして測定した。さらに、塗料を1日放置した後の体積平均粒子径から、塗料を調製した直後の体積平均粒子径を差し引いた体積平均粒子径の差(Δ平均粒子径)を算出した。このΔ平均粒子径を用いて、以下の評価基準により凝集性を評価した。
○:Δ平均粒子径が0.20μm未満、×:Δ平均粒子径が0.20μm以上
(塗料のニス別れ評価)
上記の実施例5〜7及び比較例1〜5で得られた塗料を透明ガラス製のサンプル管に入れ、室温で2週間放置した後の塗料の状態を目視で観察し、ニス別れ(顔料と樹脂溶液が分離し、塗料の上層に透明な樹脂溶液層を生じる現象)の有無を確認した。得られた結果から、以下の評価基準によりニス別れを評価した。
○:ニス別れあり、×:ニス別れなし
上記の実施例5〜7及び比較例1〜5で得られた塗料の評価結果をまとめたものを表2に示す。
Figure 0003642428
上記の表2に示した結果から、以下のことが分かった。
実施例5及び6の結果から、本発明のベンツイミダゾロン化合物のα型結晶又はβ型結晶をそれぞれ単独で塗料に用いた場合、顔料の凝集及びニス別れを生じないことが分かった。
実施例7の結果から、本発明のベンツイミダゾロン化合物のα型結晶を用いた塗料とβ型結晶を用いた塗料とを混合した場合、顔料の凝集及びニス別れを生じないことが分かった。
比較例1及び2の結果から、一般の顔料であるDPP−BO、HFT又は4192をそれぞれ単独で塗料に用いた場合、顔料の凝集及びニス別れを生じることが分かった。
比較例4の結果から、一般の顔料であるDPP−BOを用いた塗料(3)と4192を用いた塗料(5)とを混合した場合、顔料の凝集及びニス別れを生じることが分かった。
比較例5は、一般の顔料であるHFTを用いた塗料(4)と、HFTと類似の構造式を有する4192を用いた塗料(5)とを混合した例であるが、この場合にも顔料の凝集及びニス別れを生じることが分かった。また、HFTを用いた塗料(4)中の顔料の平均粒子径は0.87μmで、4192を用いた塗料(5)中の顔料の平均粒子径は1.55μmであるので、これらの塗料を等量ずつ混合した混合塗料(3)中の顔料の平均粒子径は、これらの平均粒子径の平均である1.21μmであると予測される。しかし、これら2種の塗料を混合した直後の平均粒子径の実測値は1.89μmであるため、これら2種の塗料を混合した直後に顔料の凝集を生じたと考えられる。
実施例1で得られた本発明の化合物(1H)のα型結晶のX線回折図である。 実施例2で得られた本発明の化合物(1H)のβ型結晶のX線回折図である。 実施例3で得られた本発明の化合物(1H)のγ型結晶のX線回折図である。 実施例4で得られた本発明の化合物(1H)のδ型結晶のX線回折図である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表わされるベンツイミダゾロン化合物。
    Figure 0003642428
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は炭素原子数1〜5のアルコキシル基を表わし、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。)
  2. 上記一般式(1)において、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、かつR及びRがメチル基である請求項1記載のベンツイミダゾロン化合物。
  3. Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが、9.9±0.2°、12.8±0.2°、15.0±0.2°及び25.0±0.2°に回折ピークを有する請求項2記載のベンツイミダゾロン化合物。
  4. Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが、14.3±0.2°、16.6±0.2°、24.2±0.2°及び24.8±0.2°に回折ピークを有する請求項2記載のベンツイミダゾロン化合物。
  5. Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが、9.9±0.2°、14.3±0.2°、16.3±0.2°、24.5±0.2°及び26.0±0.2°に回折ピークを有する請求項2記載のベンツイミダゾロン化合物。
  6. Cu−Kα特性X線に対するブラッグ角2θが、12.8±0.2°、15.8±0.2°、25.0±0.2°及び26.5±0.2°に回折ピークを有する請求項2記載のベンツイミダゾロン化合物。


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JP6478528B2 (ja) * 2014-09-01 2019-03-06 キヤノン株式会社 樹脂微粒子分散体、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置

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