JP3642172B2 - 胴割れ粒判別方法及び胴割れ粒選別装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
穀粒に光を照射しその透過光を検出して、透過光の変化から胴割れ穀粒を判別する胴割れ判別方法とその判別による選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
穀粒に含まれる胴割れ粒を判別して、胴割れ粒が含まれる比率を演算する検査機器は、従来から様々な形で開発されてきた。従来の判別方法は、穀粒に光を照射して得られる透過信号の波形とそこに生じるくぼみを検出して胴割れ粒を判別する方法が一般的であった。
【0003】
本出願人はさらに検出精度を向上させるために、搬送される穀粒に光を照射して、得られる2種の透過光の差を演算し、演算して得られた波形を微分した値において基準を超えた信号レベルが複数検出された場合に胴割れ粒と判別するようにしていた。
【0004】
しかしながら従来の検査機はあくまで検査機器であって選別機とはなりえないものであった。つまり、検査機器の場合、穀粒の供給は1粒ずつであり決して数珠つなぎ状態で供給されるものではない。あくまで1粒ずつ間隔を空けて供給することによって初めて検査機器としての性能が発揮されるものであった。このため、胴割れ粒と整粒とが連続して供給された場合には、胴割れ粒に連続した整粒も胴割れ粒と判別されたり、連続した2粒の穀粒を1粒に認識して間違えたりすることなどが発生しており、従来の判別方式は連続した穀粒の供給には適したものではなかった。
【0005】
図10を基に、連続して供給される穀粒を従来の判別方式によって得た波形を説明する。
【0006】
図10の(1)には信号イと信号ロとが示されており、前記信号イと信号ロは2つの受光センサの各検出信号である。そして、図10の(2)の信号ハは、前記信号イと信号ロの差を表した信号を更に微分して得られた信号である。同図10の(2)の波線は、しきい値を示している。
【0007】
従来の判別方式は前述のように、前記信号ハにおいて、信号がしきい値よりも2回以上、下がったときに胴割れ粒と判別するものであった。このため、図10の信号は、連続して供給された2粒(整粒、胴割れ粒の順)から得られた信号であるにもかかわらず、図10の(2)に示しているように信号ハの値は、しきい値(波線部)よりも2回下回っていることから、胴割れ粒と判別すると共に、2粒を1粒と間違えて認識されてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、選別装置として穀粒を整粒と胴割れ粒とに区分して整粒に含まれる胴割れ粒を減少させることは、整粒ばかりの穀粒の商品価値を上げ、また区分けされた胴割れ粒はその用途を明確にすることができる。このことから、整粒と胴割れ粒との区分けを早く処理する方法とその装置の開発が望まれている。
【0009】
また、従来の検査機器においても判別の高速化により、検査時間の短縮が望まれていることから、穀粒を連続して連ねて供給しても、正確に判別できる胴割れ粒判別方法とその装置の開発が望まれている。
【0010】
以上のことから本発明は、穀粒を連続して連ねて供給しても、正確に判別できる胴割れ粒判別方法とその装置を提供することを技術的課題としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、
請求項1に係る発明(以下、「第1発明」という)によれば、
搬送される穀粒に光を照射して穀粒の透過光を受光し、受光量の変化から穀粒の胴割れの有無を判別する胴割れ判別方法であって、
搬送される穀粒に光源の光を照射し、穀粒の搬送方向の2位置から2種の透過光波形を受光し、該2種の透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差との比較により胴割れを判別する、という技術的手段を講じるものである。
【0012】
よって、第1発明は以下の作用を有する。
【0013】
搬送される穀粒に光源の光を照射し、穀粒の搬送方向の2位置から2種の透過光波形を受光し、該2種の透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差との比較により胴割れを判別する。該判別は、前記レベル差があらかじめ設定された基準レベル差(しきい値)よりも大きい場合に胴割れと判別する。
【0014】
請求項2に係る発明(以下、「第2発明」という)によれば、胴割れ粒選別装置において、
穀粒を搬送する搬送手段と、
搬送手段により搬送された穀粒に光を照射する光源を有する光源手段と、
穀粒を透過した透過光を受光する穀粒の搬送方向に設けられた2つの受光手段と、
該受光手段による受光信号を演算処理して選別信号を出力する演算制御手段と、
前記選別信号により作動して穀粒中の不良穀粒と良穀粒とを区分する選別手段を備え、
前記演算制御手段は、設定した基準レベル差を記憶する記憶手段を有し、受光手段による穀粒の2つの透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差とを比較して、基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れと判別して、前記選別手段に選別信号を出力する、という技術的手段を講じるものである。
【0015】
よって、第2発明は以下の作用を有する。
【0016】
演算制御手段は、受光手段による穀粒の2つの透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差とを比較して、基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れと判別して、前記選別手段に選別信号を出力して胴割れ粒を選別する。前記判別は、前記レベル差があらかじめ設定された基準レベル差(しきい値)よりも大きい場合に胴割れと判別する。
【0017】
請求項3に係る発明(以下、「第3発明」という)によれば、
前記第2発明に加え、搬送手段は、周囲に穀粒を捕捉可能にした複数の開口部を有する回転円盤とする、という技術的手段を講じるものである。
【0018】
よって、第3発明は以下の作用を有する。
【0019】
穀粒は、1粒ずつ前記回転円盤の各開口部によって連続して搬送される。
【0020】
請求項4に係る発明(以下、「第4発明」という)によれば、
前記第2発明に加え、搬送手段は、穀粒を流下させる傾斜したシュ−トとする、という技術的手段を講じるものである。
【0021】
よって、第4発明は以下の作用を有する。
【0022】
穀粒は、前記シュートによって連続して搬送される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明による好適な実施の形態を図1により説明する。図1は、穀粒の供給をシュ−トにより行う胴割れ粒選別装置1の主要部を示す。傾斜したシュ−ト2上を穀粒が滑落して落下する落下軌跡Cの一方に、落下する穀粒に光を照射する光源となるレ−ザ−光源3を設け、またその光源3と対向する位置において、穀粒が移動する方向の2位置に受光センサ4と受光センサ5とが設けてある。
【0024】
この受光センサ4,5の穀粒位置Aにおける視点は、図2のように穀粒の移動方向にずれており、例えば2mm程度の視点差が設けてある。また、受光センサ4,5を設ける位置は、穀粒が無いときに光源3の光が直接受光しない位置とすることが好ましい。
【0025】
穀粒の落下軌跡上の穀粒位置Aの下方には、整粒と胴割れ粒とを区分けする選別装置6が設けられ、本例では、圧縮空気の噴射を電気的に制御する電磁弁とした。
【0026】
以上の受光センサ4,5と選別装置6は演算制御装置7に接続され、演算制御装置7には記憶部8が設けられている(図3参照)。演算制御装置7は、受光センサ4,5からの2種の受光信号を受け、該2種の受光信号の差を演算してその値を微分し、上下する微分値の2箇所の隣合う高い値と低い値とを比較してレベル差を2つ算出する。そして、算出したレベル差のうち差の小さい方と記憶部8にあらかじめ記憶された基準のレベル差とを比較し、基準のレベル差よりも算出されたレベル差(差の小さい方)が小さい時には整粒と判別し、一方、基準のレベル差よりもレベル差(差の小さい方)が大きいときには胴割れ粒と判別される。
【0027】
胴割れ粒と判別されたときには演算制御装置7から選別装置6に選別信号が出力されて選別装置6が作動する。選別装置6への選別信号の出力は、穀粒位置Aと選別装置6との距離を考慮して適宜遅延して出力される。
【0028】
次に信号処理と胴割れ粒の判別について図4及び図5により詳細に説明する。図4は穀粒のうち胴割れ粒を検出したときの信号であり、図5は穀粒のうち整粒を検出したときの信号をそれぞれ示している。信号イが受光センサ4の受光信号、信号ロが受光センサ5の受光信号、信号ハが受光センサ4の信号と受光センサ5の信号の差を表した信号であり、そして信号ニが信号ハを微分して得られた信号である。
【0029】
本例では穀粒の透過光を先に検出する受光センサ4の信号が、穀粒を検出して上昇し任意のレベルbを超えたときに穀粒のはじめと判別し、後に検出する受光センサ5の信号が下降をはじめて任意の下降角度(微小時間における信号傾斜角)となったときdに穀粒の終わりと判別する。
【0030】
図4において更に説明する。信号ニにおける信号判定開始点を、信号イにおける穀粒のはじめと判別されたとき以降の信号ニのポイントeとし、また信号判定終了点を、信号ロにおいて信号が下降をはじめて任意の下降角度(微小時間における信号傾斜角)となったとき(d)の信号ニにおけるポイントfとする。若しくは信号ニにおける信号判定開始をポイントe(同上)とし、穀粒の穀粒位置Aを通過する速度等を考慮し、例えば3msec程度を設定して、この時間が経過したとき信号判定終了のポイントfとしてもよい。ここでの説明は前者の方で説明する。
【0031】
ポイントe〜fの変化において、最下点をはじめとし、次に隣り合う高い値、更に次に隣合う低い値を順にとり、前記最下点と次の高い値との差と該高い値と次に低い値との差とをそれぞれ演算する。 そして2つの差のうち、小さい方が基準のレベル差より大きければ胴割れ粒と判別するものである。 また、信号ニがこのように最下低・高・低の順になっていないとき、すなわち最下低・高の次に低がないときは、2つのレベル差のうち1つがゼロとされ、このゼロと基準のレベル差とが比較されることになる。この粒子は整粒と判別される。
【0032】
図4の(4)に示す、ピ−ク(以下「P」とする)1(最下低)とP2(次の高)との信号レベル差とP2(前記高)とP3(次の低)の信号レベル差は同じ信号レベル差であるが、このレベル差は十分胴割れ粒として判別されるレベル差である。
【0033】
次に図5の(4)において、各信号の符号については図4と同様として説明する。P1(最下低)とP2(次の高)及びP2(前記高)とP3(次の低)の各信号レベル差のうち、レベル差の小さい方であるP2とP3のレベル差は、胴割れ粒と判別するには小さい信号レベル差であるとして胴割れ粒と判別されることはない。
【0034】
本発明において2つのレベル差を求めるのは、整粒を胴割れ粒と誤って判別しないようにするためである。すなわち、2つのレベル差のうち一方のレベル差が基準のレベル差よりも大きく、もう一方のレベル差が基準のレベル差よりも小さいとき、この穀粒は整粒である。該穀粒は、レベル差の小さい方と基準のレベル差を比較し、この小さいレベル差が基準のレベル差より小さいため整粒として判別される。
【0035】
以上が本発明の波形処理による判別方法の基本的な部分であるが、このように一粒ごとに搬送される穀粒の信号レベルはきわめて判別しやすい波形となっている。しかしながらこれら穀粒が連続して搬送された場合には従来技術による胴割れ粒の判別はきわめて難しいものとなる。この点について以下に例を示す。
【0036】
次に本発明の判別方法による際だった特徴を示す。図6に示す信号の例は、従来技術では1粒の胴割れ粒として判別されていた信号で、本発明により確実に胴割れ粒、整粒の順に連続して穀粒信号が検出された例である。図6においても信号イと信号ロが検出され、この2つの信号の差を演算し更に微分した値が信号ニのようになる。まず、信号レベルbにより各粒の最初が識別され、d1,d2により各粒の最後が認識されて、確実に2粒(b1,b2参照)であることが認識される。さらに本発明によると、それぞれの信号が胴割れ粒の信号か整粒の信号であるかが確実に判別される。つまり最初の胴割れ粒は、P1とP2及びP2とP3の信号レベル差のうち、信号レベル差の小さい方であるP2とP3のレベル差が基準のレベル差と比較され、P2とP3のレベル差が基準のレベル差よりも大きいため胴割れ粒と判別される。また次の整粒は、P4とP5及びP5とP6の信号レベル差のうち、信号レベル差の小さい方であるP5とP6のレベル差が基準のレベル差と比較され、P5とP6のレベル差が基準のレベル差よりも小さいため整粒と判別される。
【0037】
また、図7は、整粒、胴割れ粒の順に連続して穀粒信号が検出された例である。図7においても信号イと信号ロが検出され、この2つの信号の差を演算し更に微分した値が信号ニのようになる。まず、信号レベルbにより各粒の最初が識別され、d1,d2により各粒の最後が認識されて、確実に2粒(b1,b2参照)であることが認識される。さらに本発明によると、それぞれの信号が胴割れ粒の信号か整粒の信号であるかが確実に判別される。つまり最初の整粒は、P1とP2の信号レベル差しか算出することができず、もう一つの信号レベル差はゼロと認識され、このゼロの値と基準のレベル差と比較されて、ゼロの値が基準のレベル差よりも小さいため整粒と判別される。また次の胴割れ粒は、P4とP5及びP5とP6の信号レベル差のうち、信号レベル差の小さい方であるP4とP5のレベル差が基準のレベル差と比較され、P4とP5のレベル差が基準のレベル差よりも大きいため胴割れ粒と判別される。
【0038】
したがって、選別装置のように被選別物が連続して供給されるものにおいては、連続した1穀粒単位での判別と整粒の判別との両方が可能であることが必要であるが、本発明ではこれを可能とし連続して流れる穀粒を整粒と胴割れ粒とに判別して選別することができるようになった。
【0039】
以上のように、搬送される穀粒に光源の光を照射し、穀粒の搬送方向の2位置から2種の透過光波形を受光し、該2種の透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差との比較により胴割れを判別することが可能となった。なお、信号をA/D変換することは前記信号ニの信号処理において有効な手段である。
【0040】
【実施例】
次に、本発明の胴割れ粒選別装置における第1の実施例を図8を基に説明する。
【0041】
図8は、穀粒を搬送する搬送手段を回転円盤方式とした胴割れ粒選別装置9を示す。該胴割れ粒選別装置9は、回転円盤10と該回転円盤10を回転させるモータ11とを設けてある。回転円盤10上面の外周には、被選別物である穀粒が各1粒ずつ入る開口部12が断続的に設けてある。該各開口部12の底は透明な素材で構成する。
【0042】
回転円盤10の上方には、前記穀粒を開口部12に供給する円筒状の供給部13を設けている。
【0043】
一方、前記供給部13の回転円盤10の回転方向側(図8の矢線方向)には、被選別物の胴割れを検出する穀粒位置Aを設け、該穀粒位置Aの上方には、前記レーザー光源14を、また回転円盤10を挟んだ下方には、受光センサ15,16をそれぞれ設ける。前記受光センサ15は、視点を、開口部12内における回転円盤10の回転方向の手前側に合わせるように、また、受光センサ16の視点は、視点を、同じ開口部12内における回転円盤10の回転方向の後側に合わせるようにそれぞれずらして配置する。
【0044】
前記穀粒位置Aの更に回転円盤10の回転方向側で、回転円盤10の下方には、胴割れ粒と判別された粒子を開口部12から噴風除去する選別装置17と、整粒子と判別された粒子を開口部12から噴風除去する選別装置18とをそれぞれ設けている。
【0045】
前記受光センサ15,16及び選別装置17,18には演算制御装置19を接続し、演算制御装置19には記憶部20を接続する。
【0046】
次に、該第1の実施例の作動について説明する。
【0047】
前記回転円盤10を前記モータ11によって回転させると、前記供給部13の内部の被選別物である穀粒は1粒ずつ各開口部12に入り、前記検出位置Aを通過する。そして、該穀粒位置Aでは、回転円盤10の回転によって回ってくる各開口部の穀粒に前記レーザー光源14のレーザー光を上方から照射し、穀粒を透過した透過光は前記受光センサ15,16によって検出される。
【0048】
該受光センサ15,16はそれぞれ、検出された透過光波形を前記演算制御装置19に送り、演算制御装置19は、この透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の最下低の値、次に高い値、その次に低い値から高低レベル差を2つ算出し、該レベル差の小さい方とあらかじめ記憶部20に設定された基準レベル差とを比較して、レベル差(小さい方)が基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れ粒と判別し、前記選別装置17に選別信号を出力する。該選別装置17への選別信号の出力は、穀粒位置Aと選別装置17との距離を考慮して適宜遅延して出力させる。そして、選別装置17は噴風を発し、胴割れ粒と判別された粒子は、開口部の底に設けた穴(図示せず)からの噴風によって開口部12から噴風除去される。噴風除去された胴割れ粒は図示しない送穀筒を通って移送される。
【0049】
一方、前記演算制御装置19は、胴割れ粒と判別しなかったとき、穀粒位置Aと選別装置18との距離を考慮して適宜遅延して前記選別装置18に除去信号を出力する。そして、整粒は、選別装置18により前述の胴割れ粒の噴風除去と同様にして噴風除去される。このようにして前記供給部13から供給される穀粒は、連続して胴割れ粒と整粒との判別が行われる。
【0050】
次に、本発明の胴割れ粒選別装置における第2の実施例を図9を基に説明する。
【0051】
図9は、穀粒を搬送する搬送手段を傾斜状のシュート方式とした胴割れ粒選別装置21を示す。該胴割れ粒選別装置21は、上部にホッパー22を設け、該ホッパー22の下方に振動フィーダ23を設ける。そして、該振動フィーダ23の穀粒を搬出する端部に続いたその下方には、傾斜状のシュート24を設ける。該シュート24は穀粒の流下を規制する溝(チャンネル)を、穀粒が1列に整列させて滑走させるような形状で、また、滑走する穀粒が重なり合わないような角度で形成する。
【0052】
該シュート24の下端部からの穀粒が落下する落下軌跡Cを挟んで、一方側にレーザー光源25を、また他方側に受光センサ26をそれぞれ設ける。前記レーザー光源25の焦点は、前記落下軌跡C上の穀粒位置Aに合わせてある。また、前記受光センサ26は、前記穀粒位置Aにおける上部側(落下軌跡C上の上部側)と下部側(落下軌跡C上の下部側)とにずらして視点を合わした受光部がそれぞれ内蔵させたてある。前記落下軌跡C上の穀粒位置Aの更に下方において、下方側には選別装置27が設けてある。
【0053】
前記受光センサ26及び選別装置27は演算制御装置28に接続し、演算制御装置28には記憶部29を接続させてある。
【0054】
次に、該第2の実施例の作動について説明する。
【0055】
被選別物である穀粒は前記ホッパー22から振動フィーダ23に供給され、さらに、該振動フィーダ23によって前記シュート24に供給される。そして、穀粒は該シュート24の溝を滑走し、シュート24の下端部から落下軌跡Cを描きながら1列に整列し、かつ、粒子が重なり合うことなく落下する。前記穀粒位置Aにおいて穀粒は前記レーザー光源25からレーザー光の照射を受け、穀粒を透過した透過光は前記受光センサ26によって検出される。
【0056】
該受光センサ26に内蔵された前記各受光部で検出された透過光波形は前記演算制御装置28に送られ、該演算制御装置28は、この透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の最下低の値、次に高い値、その次に低い値から高低レベル差を2つ算出し、該レベル差の小さい方とあらかじめ記憶部29に設定された基準レベル差とを比較して、レベル差(小さい方)が基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れ粒と判別し、前記選別装置27に選別信号を出力する。
【0057】
そして選別装置27への選別信号の出力は、穀粒位置Aと選別装置27との距離を考慮して適宜遅延して出力させる。そして、選別装置27は噴風を発し、胴割れ粒子を落下軌跡Cから噴風除去する。噴風除去された胴割れ粒は、落下して胴割れ粒収容部30に収容される。また、整粒は落下軌跡Cの延長線上に設けられた整粒収容部31に収容される。
【0058】
このようにして、穀粒は、連続して胴割れ粒子と整粒子との判別が行われる。
【0059】
【発明の効果】
第1発明による方法は、搬送される穀粒に光源の光を照射し、穀粒の搬送方向の2位置から2種の透過光波形を受光し、該2種の透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出し、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差との比較により胴割れを判別することによって、大量の穀粒の判別を、連続的に、かつ、高速に行うことができ、また、判別も正確な胴割れ粒判別方法を得ることができる。
【0060】
第2の発明による装置は、演算制御手段は、受光手段による穀粒の2つの透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出し、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差とを比較して、基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れと判別し、前記選別手段に選別信号を出力して胴割れ粒を選別することによって、大量の穀粒の判別を、連続的に、かつ、高速に行うことができ、また、判別も正確な胴割れ粒選別装置を得ることができる。
【0061】
第3の発明により、穀粒は、1粒ずつ前記回転円盤の各開口部によって連続して搬送される回転円盤方式の胴割れ粒選別装置であっても、連続した胴割れ判別を行うことが可能になった。
【0062】
第4の発明により、穀粒は、前記シュートによって連続して搬送されるシュート方式の胴割れ粒選別装置であっても、連続した胴割れ判別を行うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の胴割れ粒選別装置の主要部を示す図。
【図2】 本発明の穀粒位置Aにおける受光センサの視点を示す図。
【図3】 本発明の胴割れ粒選別装置の主要部を示すブロック図。
【図4】 本発明における1粒の胴割れ粒を検出した波形である。
【図5】 本発明における1粒の整粒を検出した波形である。
【図6】 本発明における連続して連ねた2粒を検出した波形である。
【図7】 本発明における連続して連ねた2粒を検出した波形である。
【図8】 本発明の具体的な第1実施例を示す胴割れ粒選別装置である。
【図9】 本発明の具体的な第2実施例を示す胴割れ粒選別装置である。
【図10】 従来の判別方式によって得られた検出波形である。
【符号の説明】
1 胴割れ粒選別装置
2 シュート
3 レーザー光源
4 受光センサ
5 受光センサ
6 選別装置
7 演算制御装置
8 記憶部
A 穀粒位置
C 落下軌跡
S 整粒
D 胴割れ粒
Claims (4)
- 搬送される穀粒に光を照射して穀粒の透過光を受光し、受光量の変化から穀粒の胴割れの有無を判別する胴割れ判別方法であって、
搬送される穀粒に光源の光を照射し、穀粒の搬送方向の2位置から2種の透過光波形を受光し、該2種の透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差との比較により胴割れを判別することを特徴とする胴割れ粒判別方法。 - 穀粒を搬送する搬送手段と、
搬送手段により搬送された穀粒に光を照射する光源を有する光源手段と、
穀粒を透過した透過光を受光する穀粒の搬送方向に設けられた2つの受光手段と、
該受光手段による受光信号を演算処理して選別信号を出力する演算制御手段と、
前記選別信号により作動して穀粒中の不良穀粒と良穀粒とを区分する選別手段を備え、
前記演算制御手段は、設定した基準レベル差を記憶する記憶手段を有し、受光手段による穀粒の2つの透過光波形の差を演算した後微分して処理波形を得て、該処理波形の高低レベル差を算出して、該レベル差とあらかじめ設定された基準レベル差とを比較して、基準レベル差より大きいレベル差を検出したとき胴割れと判別して、前記選別手段に選別信号を出力することを特徴とする胴割れ粒選別装置。 - 搬送手段は、周囲に穀粒を捕捉可能にした複数の開口部を有する回転円盤であることを特徴とする請求項2記載の胴割れ選別装置。
- 搬送手段は、穀粒を流下させる傾斜したシュ−トであることを特徴とする請求項2記載の胴割れ選別装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03368298A JP3642172B2 (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 胴割れ粒判別方法及び胴割れ粒選別装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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