JP3642163B2 - 振動検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメータなどに設置されて地震の振動や他物がガスメータに衝突して振動した場合の振動を検知して、ガスなど流体の流れを遮断するのに利用する振動検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスメータには、特開平8−247818号公報に開示されたものが知られていた。すなわち図13に示すように地震の振動に応じてアナログ信号を出力する感震センサ11と、ガスの流れを遮断する遮断弁12とがあり、感震センサ11から出力される信号がある設定値以上であるときには遮断弁12を閉じる制御を行う制御装置13を備えたガスメータがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記する従来技術では、感震センサ11が地震の振動に応じてアナログ信号を出力するものであって、感震センサ11に常時通電しておかなければならず、従って感震センサ11への常時通電により消費電力が多くなる。ガスメータの感震センサの電源は電池電源としていた為電池の消耗が速いという問題がある。
【0004】
そこで本発明は、前記従来例の問題点を解消して、消費電力の少ない振動検出装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した課題を解決するために、少なくとも1個の接点式振動検出手段と、振動のレベルを検出する電気式振動検出手段と、前記接点式振動検出手段の出力信号を監視する監視手段と、前記監視手段の出力信号により前記電気式振動検出手段を動作可能にする動作制御手段とを備えた振動検出装置において、前記接点式振動検出手段と前記電気式振動検出手段とを振動絶縁体を介して一体化したものである。
【0006】
本発明の手段によれば、接点式振動検出手段は機械的に振動を検出する手段であって常時通電の必要がなく、その接点式振動検出手段から信号が出力された時のみ、すなわち地震により振動したときとか、自動車などの他物が衝突した場合にのみ、通電状態になる電気式振動検出手段を動作可能にするものである。従って常時通電をしなくてよいため、低消費電力の振動検出装置とすることができる。
【0007】
そして、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段とを一体化しので、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段に同じ振動が加わることになり、誤動作を防止できるとともに一体化による小型化が図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の振動検出装置の分野は、都市ガスやプロパンガスなどの燃料ガスのメータとか、化学工場などにおいて使用する各種ガス体の取扱設備に地震などの異常振動対策の構成装置の1要素として使用することができる。
【0009】
そして実施の構成形態としては、各請求項に記載した形態とすることができるのであるが、本発明を具体的に実施し易くするために各請求項記載の構成に加えて作用効果を以下に並記することとする。
【0010】
第1の発明は、少なくとも1個の接点式振動検出手段と、振動のレベルを検出する電気式振動検出手段と、前記接点式振動検出手段の出力信号を監視する監視手段と、前記監視手段の出力信号により前記電気式振動検出手段を動作可能にする動作制御手段とを備えたものである。
【0011】
従って、機械式であって通電の必要がない接点式振動検出手段が地震等の異常振動を感知して出力する信号により、電気式振動検出手段が動作するものであるから、常時通電しなくてもよく、振動検出装置全体の消費電力が少い。例えばリチウム電池電源を使用して10年間と云う長期間の振動検出が可能である。
【0012】
また、第2の発明は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンに変化することを監視する監視手段を備えたものである。従ってオンからオフ、またはオフからオンになる両方の変化に対応することができるので振動検出装置が傾いた状態で設置されていたとしても振動検出ができる。
【0013】
また、第3の発明は、監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンへの変化後、元の状態に復帰することを監視して動作制御手段に信号を出力するようにしたものである。
【0014】
従って、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンの変化後、元の状態に復帰することを確認することで、振動検出装置が単に傾いただけの状態ではなく、ゆれすなわち振動時のみ電気式振動検出手段を動作可能にする。これにより振動検出装置の傾きだけによる通電をなくし低消費電力化が図れる。
【0015】
また、第4の発明は、接点式振動検出手段の出力信号の変化が続いて複数回行われることを監視手段が監視した上で電気式振動検出手段を動作させるようにするので、誤動作を減らすことができると共に、電気式振動検出手段を動作させる回数が低減でき、低消費電力化が図れる。
【0016】
また、第5の発明は、監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号の変化がある時間内に続いて複数回にわたり行われたことを監視して動作制御手段に信号を出力するために、誤動作を減少させるのみならず、電気式振動検出手段を動作させる回数が低減でき、低消費電力化が図れる。
【0017】
また、第6の発明は、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段とは一体化したために、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段に同じ振動が加わることになり、誤動作を防止できるとともに一体化による小型化が図れる。
【0018】
また、第7の発明は、接点式振動検出手段は3次元のいれの方向にも接点検出ができるようにしたために、いかなる方向に振動検出装置を設置してもいれかの接点が動作できる状態にすることができる。従って振動検出装置を自由な方向に設置することができる。
【0019】
また、第8の発明は、電気式振動検出手段と動作制御手段との電源を電池としたために、商用のAC電源が施されていない地域においても使用ができる。また、本発明の低消費電力化によって、長寿命の電池駆動が可能になり製品価値が高い。
【0020】
以下に本発明の具体的な実施例を図面を参照して説明する。
【0021】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施例1)
図1において、機械式振動検出手段の1つである接点式振動検出手段1には設定1aと接点1bと接点1cとがある。
【0023】
一方、スタンバイモードの低消費電力で動作しているマイコンで構成されている監視手段2がある。そして接点式振動検出手段1の接点1aと接点1bが接触すれば夫々監視手段2の入力ポート2aと入力ポート2bに入力信号が入り出力ポート2dより動作制御手段3に出力されて、動作制御手段3は電池4から電力供給により振動レベルを検出する電気式振動検出手段5(電気式センサ)を動作可能にする。以上と同様にして接点1bと接点1cが閉じた時には入力ポート2bと入力ポート2cに、また接点1aと接点1cが閉じた時には入力ポート2aと入力ポート2cに信号が入力されて夫々出力ポート2dより信号が、振動ベルを検出する電気式振動検出手段5を動作可能にする動作制御手段3に出力される。
【0024】
従って電池4は、接点式振動検出手段1が振動を検出して、その接点1a,1b,1cのうちの複数が閉じた時即ち振動が発生した時のみ監視手段2の信号により、動作制御手段3の動作により電気式振動検出手段5に通電するのである。
【0025】
以上説明した様に実施例1によれば、接点式振動検出手段1には常時通電する必要がなく、振動を検出した時にのみ電力を消費する電気式振動検出手段5に通電して振動レベルを検出するのであるから、常時電気式振動検出手段の1つである感震ンサ、振動加速度センサなどに比較して消費電力を極めて少なくすることができる。
【0026】
図2に接点式振動検出手段1の例として接点式振動検出手段1Aの構成を説明する断面図を示す。図2において接点式振動検出手段1Aは全体として円筒状をしており中内部には通電性の例えば金属製の球体6が転動自在に装入されている。
【0027】
そして接点1aは導体1a’に、接点1bは導体1b’に、接点1cは導体1c’に接続されている。7は導体1a’と導体1b’ならびに導体1c’を夫々絶縁している絶縁体である。8は、球体6の振動が電気式振動検出手段5に伝わらないようにする振動絶縁体である。球体6は接点式振動検出装置1A内において略逆円錐形をしている導体1c’上に実線で示すように位置している。導体1c’と導体1a’ならびに導体1b’は夫々絶縁体7で絶縁されているため、接点1a’,1b’,1c’は夫々絶縁されている。従って接点1aは1bや1cとも絶縁されまた接点1bと1cとも絶縁されている。
【0028】
ところが上下振動が発生し、球体6が飛び上って図2において点線の位置になると導体1a’と導体1b’とは通電性の球体6を介して導通することになる。従って接点1aと1bは閉じることになる。
【0029】
又横振動が発生し、図2においては球体6が一点鎖線で示す位置に転動すると導体1b’と導体1c’とが球体6を介して導通することになり、従って接点1bと接点1cが閉じることになる。同様にして図2において球体6が二点鎖線で示す位置に転動すると導体1a’と導体1c’とが球動6を介して導通することになり接点1aと接点1cとが閉じることになる。
【0030】
以上の実施例に示す接点式振動検出装置1Aによれば、縦方向振動にも横方向振動にも即ち三次元いずれの振動をも検出することが可能である。
【0031】
また、接点式振動検出装置1Aを、図3に示したように傾斜させて設置した場合には振動がないときに導体1b’と導体1c’とが球体6を介して導通していることになる。従って接点1bと接点1cとが閉じている。又接点式振動検出装置1Aを図3に示す状態と逆に傾斜して設置すると球体は導体1a’と導体1c’とを導通させることになる。接点式振動検出装置1Aを傾けることなく設置した場合、即ち図2に示す状態であれば、接点はオフ状態で、振動があった時にオンとなり、出力信号Vとオンまたはオフの時間tとの関係は図4の(a)に示す状態となる。
【0032】
ところが図3に示す様に接点式振動検出装置1Aを傾けて設置した場合、即ち図3に示すような状態で設置すると、振動のない時がオン状態で、振動があった時にオフ状態になり、出力信号Vとオンまたはオフの時間tとの関係は図4の(b)に示す状態となる。
【0033】
従って、監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンに変化することを監視して動作制御手段に信号を出力するようにするとよい。
【0034】
また、接点式振動検出装置1Aが図2に示すように傾斜することなく設定されている場合に、振動があると図5の(a)に示すように出力信号Vはオフ,オン,オフと最初の状態に戻る。
【0035】
ところが、接点式振動検出装置1Aが図3に示すように傾斜して設置されていると図5の(b)に示すように出力信号Vはオン,オフ,オンとなって最初の状態に戻る。
【0036】
従ってに監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンへの変化後、元の状態に復帰することを監視して動作制御手段に信号を出力するようにするとよい。
【0037】
さらに、振動は続けて複数回あった時は接点式振動検出装置の出力信号は図6の(a)に示すようにオフ,オン,オフ,オン,オフ,オン,オフとなる。
【0038】
従って監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号の変化が続けて複数回行われたことを監視して動作制御手段に信号を出力するようにすれば地震等の振動を的確に把握したことになる。また、地震の振動はある時間Tの間に複数回起るのが普通である。従ってその場合は図6の(b)に示す様に接点式振動検出装置はオフ,オン,オフ,オン,オフ,オン,オフと複数回信号の出力を断続させることになる。
【0039】
従って、上述のように、監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号の変化がある時間内に続けて複数回にわたり行われることを監視して動作制御手段に信号を出力するようにすれば地震などの振動を的確に把握することができる。
【0040】
次に図7に本発明の実施例における動作のフローを示す。図7においてステップ1において図1に示すように入力ポート2aから2cに信号が入力されたことが判定されると、ステップ2において電気式振動検出手段5に電池4からの電力を供給する。そしてステップ3で振動データを監視手段2であるマイコンのA/Dから入力する。そしてステップ4で地震などの異常判別を行い、異常の場合はステップ5でガスメータのガス弁を閉じてガスを遮断するなどの異常処置をとる。異常処置を終った後に、安全であることが確認されればまたリターンで元の状態にガス弁を開放すればよい。
【0041】
又、図2に示すように、電気式振動検出手段5は振動絶縁体8を介して接点式振動検出手段1Aと一体化して構成した。振動絶縁体8を介することで接点式振動検出手段1Aの振動が電気式振動検出手段5に伝わらないようにすることができるので、一体化しても正確に地震などの外部振動を検出することができる。そして、接点式振動検出手段1Aと同様に、電気式振動検出手段5も、3次元方向の振動レベルを検出することができる構成とすることで、本装置がどの方向に設置されても、正確な振動レベルの検出を行うことができる。ここで、電気式振動検出手段5は、圧電式振動検出センサなど、DCレベルからの検出が困難な電気式振動検出手段を想定している。
【0042】
従って、上述のように構成することで、接点式振動検出手段1Aと電気式振動検出手段5に同じ振動が加わることになり、誤動作を防止することができるとともに、一体化により小型化が図れるとともに、請求項7記載のような構成することで、本振動検出装置を自由な方向に設置することができる。
【0043】
本発明の実施例によれば、次のような効果がある。
【0044】
すなわち、機械式であって常時通電の必要がない接点式振動検出手段が地震等の異常振動又は他物が衝突して、ゆっくり戻るなどの異常振動を感知して出力する信号により、電気式振動検出手段が動作するものであるから、常時電気式振動検出手段に通電しなくてよい。従って振動検出装置全体の消費電力が少い。
【0045】
また、振動検出装置が傾いた状態で設置されていても地震等の異常振動を確実に把握することができる。
【0046】
また、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンへの変化後、元の状態に復帰することを確認することで振動検出装置が単に傾いただけの状態でなく、ゆれた時のみ電気式振動検出手段を動作可能にする。従って振動検出装置の傾きだけによる通電をなくし、低消費電力化が図れる。
【0047】
また、誤動作を減らすことができると共に、電気式振動検出手段を動作させる回数が低減でき、低消費電力化が図れる。
【0048】
また、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段とを一体化したために、接点式振動検出手段と電気式振動検出手段に同じ振動が加わることになり、誤動作を防止できるのみならず一体化による小型化が図れる。
【0049】
また、いかなる方向に振動検出装置を設置してもいれかの接点を動作させることができるので振動検出装置を自由な方向に設置することができる。
【0050】
また、商用電源が施されていない山間僻地とか、発展途上国と云われる国においても活用できる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明は、常時通電をしなくてよいため、低消費電力の振動検出装置とすることができ、誤動作を防止できるとともに一体化による小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における振動検出装置の要部ブロック図
【図2】 同振動検出装置に使用する接点式振動検出装置の要部断面図
【図3】 同接点式振動検出装置を傾けて設置した場合における接点式振動検出装置の要部断面図
【図4】 (a)同接点式振動検出装置を傾けないで設置した場合における接点式振動検出装置の出力信号と、その信号が出力されている時間との関係を示す図
(b)同接点式振動検出装置を傾けて設置した場合における接点式振動検出装置の出力信号と、その信号が出力されている時間との関係を示す図
【図5】 (a)同接点式振動検出装置が傾けないで設置されていて振動した後、元の状態に復帰した時の接点式振動検出装置の出力信号の状態を示す図
(b)同接点式振動検出装置が傾けて設置されていて、振動した後、元の状態に復帰した時の接点式振動検出装置の出力信号の状態を示す図
【図6】 (a)同接点式振動検出装置が続けて振動した場合の接点式振動検出装置の出力信号の状態を示す図
(b)同接点式振動検出装置がある所定の時間T内において振動が複数回あった場合の接点式振動検出装置の出力信号の状態を示す図
【図7】 本発明の実施例1における振動検出装置のフローチャート
【図8】 従来例の振動検出装置のブロック図
【符号の説明】
1 接点式振動検出手段
1A 接点式振動検出装置
1a,1b,1c 接点
1a’,1b’,1c’ 導体
2 監視手段(マイコン)
2a,2b,2c 入力ポート
2d 出力ポート
3 動作制御手段
4 電池
5 電気式振動検出手段(電気式センサ)
6 球体
7 絶縁体

Claims (7)

  1. 少なくとも1個の接点式振動検出手段と、振動のレベルを検出する電気式振動検出手段と、前記接点式振動検出手段の出力信号を監視する監視手段と、前記監視手段の出力信号により前記電気式振動検出手段を動作可能にする動作制御手段とを備え、前記接点式振動検出手段と前記電気式振動検出手段とを振動絶縁体を介して一体化した振動検出装置。
  2. 監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンに変化することを監視して動作制御手段に信号を出力するようにした請求項1記載の振動検出装置。
  3. 監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号がオンからオフ、またはオフからオンへの変化後、元の状態に復帰することを監視して動作制御手段に信号を出力するようにした請求項1記載の振動検出装置。
  4. 監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号の変化が続いて複数回行われたことを監視して動作制御手段に信号を出力するようにした請求項1ないし3のいれか1項に記載した振動検出装置。
  5. 監視手段は、接点式振動検出手段の出力信号の変化かある時間内に続いて複数回にわたり行われることを監視して動作制御手段に信号を出力するようにした請求項1ないし3のいれか1項に記載した振動検出装置。
  6. 接点式振動検出手段は、3次元のいれの方向にも接点検出ができるようにした請求項1ないしのいれか1項に記載した振動検出装置。
  7. 電気式振動検出手段と動作制御手段との電源を電池とした請求項1ないしのいれか1項に記載した振動検出装置。
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