JP3640764B2 - 浴槽内湯水の温度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽に上水を熱交換器で加熱して供給するとともに、浴槽内に溜められた湯水を熱交換器に循環させて加熱する浴槽内湯水の温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽内の湯水を熱交換器を介して加熱循環させ、浴槽内の調温を行う追焚き制御を行う風呂装置として、実公平2−9333号「強制循環式風呂釜の自動調温装置」がある。この装置は、浴槽と熱交換器とを循環パイプにより連結し、浴槽内の湯水を熱交換器を介して加熱循環させ、循環パイプ内に設置した温度検出器による検出温度と、浴室等に設置した温度設定器による設定温度とを比較してポンプの作動及びバーナの燃焼を制御する強制循環式風呂釜である。そして、この強制循環式風呂釜の調温装置にあっては、次の温度制御動作を行っている。
【0003】
a.設定温度に達した後、一定時間(待機時間)経過後にポンプを動作させる。
b.ポンプの動作後所定時間経過後に温度検出器の検出温度と設定温度とを比較する。
c.検出温度が設定温度の許容温度以上に低下している場合には、ポンプを継続して作動させるとともにバーナを燃焼させる。
d.検出温度が設定温度の許容温度以内にある場合には、ポンプの動作を停止させる。
e.ポンプの動作を停止させた場合には、そのポンプ動作の停止の後、一定時間(aの場合の一定時間と同様)の経過後にポンプを動作させた後、b〜dの処理を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この調温装置にあっては、設定温度に到達したときから一定時間経過後にポンプを作動し、湯水を循環させることにより浴槽内の湯水を攪拌して温度を平均化した後にその温度の検出を行い、その検出温度と設定温度を比較した結果により、追焚き動作を開始するか否かを判定している。このため、設定温度に到達した後、一定時間が経過していると、その間に湯水の温度は設定温度から大幅に低下しているにも拘わらず、追焚き動作の前にポンプ循環による湯水の攪拌等に相当な時間がかかるために、設定温度に到達した後から追焚き動作に移行するまでの実質的な待機時間が長く、追焚き動作の開始が遅延することになる。通常、追焚き時、熱交換器が動作を開始しても、循環経路を通して加熱された湯水が浴槽内に循環するまでの時間が長く、そのため、追焚き開始と入浴者が体感できる湯水の温度上昇との間には相当な時間差があり、季節によってはもどかしさを感じるものである。
【0005】
そして、夏場と冬場では湯水の温度の推移は異なるが、その場合には、許容温度や待機時間を変更する必要がある。このような設定を使用者に要求することは酷なことであり、管理者がその変更をすることも面倒なことである。
【0006】
そこで、本発明は、待機時間から給湯制御か保温制御かを判定し、保温動作が必要な場合にはその移行動作の迅速化により、浴槽内湯水の温度を設定温度に可及的速やかに到達させる浴槽内湯水の温度制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴槽内湯水の温度制御装置は、図1〜図13に例示するように、浴槽内水位に応じて給湯制御か保温制御かを選択的に切換えるとともに、温度センサから連続的に得られる検出温度を一定の時間間隔で取り込み、その検出温度を順次に記憶手段(RAM)に記憶するとともに、記憶手段に記憶されている複数の検出温度のうち、最も古い検出温度を最新の検出温度に更新して保持し、記憶している複数の検出温度の最大値と最小値とを除いた検出温度の平均値と設定温度とを比較し、その大小関係に応じて保温制御を実行するものである。
【0008】
本発明の浴槽内湯水の温度制御装置は、上水を加熱する第1の熱交換器(熱交換器16)と、浴槽(12)内の湯水を加熱する第2の熱交換器(追焚き用熱交換器18)とを備え、第1の熱交換器で加熱した湯水を前記浴槽に給湯するとともに、前記浴槽内の湯水を循環路(浴槽往き管8及び浴槽戻り管10)に設けたポンプ(循環ポンプ28)によって前記第2の熱交換器に循環させて行う浴槽内湯水の温度制御装置であって、前記循環路に設けられて前記湯水の温度を検出する温度センサ(32)と、前記循環路中の流水を検出する流水センサ(流水スイッチ38)と、前記浴槽内の水位を検出する水位センサ(34)と、この水位センサの検出水位が所定水位にない場合には前記第1の熱交換器を動作させて上水を加熱しながら、前記浴槽に給湯するとともに、前記温度センサから取り込んだ複数の検出温度を記憶手段(RAM66)に順次に記憶するとともに最も古い検出温度を最新の検出温度に更新し、記憶している複数の検出温度のうちの最大値と最小値とを除いた複数の検出温度の平均値を算出して記憶及び更新し、任意に設定される設定温度に到達したときから一定時間が経過した後、前記ポンプを動作させ、かつ、前記流水センサが循環流水を検出したとき、前記第2の熱交換器を動作させ、この熱交換器の動作開始後、前記記憶手段に記憶又は更新された前記検出温度の平均値と前記設定温度とを比較し、その検出温度の平均値が前記設定温度より低い場合、前記第2の熱交換器の動作を維持し、前記検出温度の平均値が前記設定温度以上の場合に前記第2の熱交換器の動作を停止させる制御手段(制御部60)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この浴槽内湯水の温度制御装置では、給湯の後、待機時間を経て給湯制御か保温制御かを判定した後、前記温度センサからの検出温度を一定の時間間隔で取り込んで、記憶手段に順次に記憶するとともに最も古い検出温度を最新の検出温度に更新する。そして、記憶している複数の検出温度のうちの最大値と最小値とを除いた検出温度の平均値が任意に設定される設定温度に到達したときから一定時間が経過した後、ポンプを動作させる。また、浴槽内の湯水が設定温度に到達した後、一定時間の後にポンプを動作させ、循環路に浴槽内の湯水を循環させる。この循環流水があったとき、熱交換器を動作させる。循環流水を熱交換器の動作開始条件としているのは、流水が検出されない場合、浴槽内に湯水が無いことを意味し、安全のため、熱交換器の動作を禁止する。そして、湯水の温度が設定温度より低い場合には、この追焚き動作を持続させ、また、湯水の温度が設定温度より高い場合には、その追焚き動作を停止させる。このように温度検出や、検出温度の平均値と設定温度との比較に基づく制御に先立って、追焚き動作を先行させることは、浴槽内湯水の温度が低い場合、その加熱動作を迅速化でき、可及的速やかに設定温度に制御することができる。浴槽内湯水の温度が設定温度より高い場合には、検出温度と設定温度との比較に基づいて追焚き動作を停止させればよく、何らの不都合もない。この保温動作において、設定温度は、給湯、追焚き時の設定温度の他、保温動作への移行に際して新たに温度を設定してもよく、設定温度が変更しても同様の保温動作を行うことができる。
【0010】
また、この浴槽内湯水の温度制御装置においては、熱交換器の動作開始前に、循環流水の検出直前に検出されている検出温度の平均値と設定温度とを比較する。そして、検出温度の平均値が設定温度より低い場合、熱交換器を動作させ、検出温度の平均値が設定温度に到達するまで湯水を加熱する。このように、熱交換器の動作前に、検出温度の平均値と設定温度とを比較することにより、無駄な追焚きを防止し、保温動作を効率的に行うことができる。
【0011】
また、本発明の浴槽内湯水の温度制御装置において、前記記憶手段に記憶すべき前記検出温度は、前記温度センサからの連続した検出温度を一定の時間間隔でサンプリングしたものであることを特徴とする。時間間隔は任意であって、取り込む検出温度の数に応じて浴槽内の湯水温度の推移を知ることができる。
【0012】
また、本発明の浴槽内湯水の温度制御装置において、前記設定温度は、不連続の特定値を含む一定幅の温度であることを特徴とする。設定温度に一定の幅を持たせることで、検出温度の平均値の変動に影響を受けることがなく、制御の安定性を図ることができる。
【0013】
また、本発明の浴槽内湯水の温度制御装置において、前記検出温度は、前記温度センサによって得られる検出値をアナログ・ディジタル変換器によってディジタル値に変換するとともに、前記アナログ・ディジタル変換器が持つ分解能を単位とした段階値であることを特徴とする。温度センサによって得られる検出値は湯水の温度によって連続的に推移するアナログ値である。このようなアナログ値である検出値と設定温度とを比較することは、非常に厄介であり、1℃程度の段階的な温度変化を問題とする浴槽内湯水の温度制御には不向きである。そこで、検出温度は、温度センサによって得られる検出値をアナログ・ディジタル変換器によってディジタル値に変換するとともに、アナログ・ディジタル変換器が持つ分解能を単位とした段階値としたものである。この段階値は、1℃等、体感温度的な温度幅を設定することができる。
【0014】
そして、本発明の浴槽内湯水の温度制御装置において、前記設定温度は、前記検出温度をディジタル変換する前記アナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とする温度幅を持つ段階値であって、その段階値間に前記温度幅を単位とする間隔を設定したことを特徴とする。設定温度は、体感できる温度幅が適当である。そこで、設定温度は、検出温度をディジタル変換するアナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とする温度幅を持つ段階値とし、その段階値間に温度幅を単位とする間隔を設定している。設定温度の間に設定される温度間隔は、設定温度と検出温度との比較を行う場合、両者の一致、不一致を明確にでき、両者間に比較誤差を生じないようにするためである。例えば、1℃を単位として設定温度が設定されるものとすると、設定温度の幅をアナログ・ディジタル変換器の分解能に設定する。この分解能を0.5℃とすると、0.5℃のステップで、設定温度と間隔温度とが交互に設定されることになる。即ち、アナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とし、0.5℃の温度幅を温度間隔とし、かつ0.5℃の温度幅を持つ設定温度が存在する。このように段階的に設定される設定温度に対して検出温度をアナログ・ディジタル変換して比較すると、両者の一致、不一致の判断を容易かつ高精度に行うことができ、従来のように、絶対的な設定温度に対して許容温度を設定するという手間が不要となり、人の温度感覚に適合した温度制御を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施形態を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1、図2及び図3は、本発明の浴槽内湯水の温度制御装置の一実施形態を示している。この浴槽内湯水の温度制御装置は、風呂等に用いられた給湯・追焚き装置2によって構成されている。この給湯・追焚き装置2は、給湯回路4及び追焚き回路6が備えられているとともに、浴槽往き管8及び浴槽戻り管10を通して温水を溜める容器としての浴槽12の循環口14に接続されている。この浴槽12には、給湯時、給湯回路4の一部を成す浴槽往き管8を通して給湯が行われ、追焚き時は、追焚き回路6を成す浴槽往き管8、循環路を成す浴槽戻り管10を通して浴槽12内の湯水HWの追焚きが行われる。
【0017】
また、給湯・追焚き装置2には、この実施形態の場合、第1の熱交換器として給湯用熱交換器16、第2の熱交換器として追焚き用熱交換器18が設置されている。このように二つの熱交換器16、18を設置したのは、上水側からの給水Wの加熱と下水側、即ち、浴槽12内の湯水HWの加熱とを分離し、独立して加熱するためである。
【0018】
そして、給湯回路4は、上水側から浴槽12に対して給湯を行う回路である。即ち、管路20には水道等の上水系統からの給水Wが供給され、この管路20を通して給湯用熱交換器16に供給される。この給湯用熱交換器16で得られる湯は、開閉電磁弁22を通して下水側との分離手段である圧送ホッパ24に至る。この圧送ホッパ24に供給された湯は、第1の切換弁26を経て浴槽往き管8に至り、浴槽12に供給される。
【0019】
追焚き回路6は、浴槽12内の湯水HWを再加熱して保温する回路であって、浴槽12と追焚き用熱交換器18との間に形成された大気開放型の閉回路を成す循環路を構成し、その湯水循環のための圧送手段として循環ポンプ28が設けられている。この循環ポンプ28の動作によって、浴槽12から浴槽戻り管10に出た湯水は、第2の切換弁30を経て追焚き用熱交換器18に至り、この追焚き用熱交換器18によって加熱された温水は、切換弁26を経て浴槽往き管8から浴槽12に至る。そして、循環路を成す浴槽戻り管10には、循環流水を通して浴槽12内の湯水の温度を検出する手段として温度センサ32、浴槽12内の水位を検出する手段として水位センサ34が設置されている。水位センサ34は、例えば圧力センサで構成される。また、循環ポンプ28と追焚き用熱交換器18とを結ぶ管路36には循環流水の有無を電気的に検出する流水センサとして流水スイッチ38が設置されている。
【0020】
そして、給湯用熱交換器16側にはその熱源として給湯用バーナ40が設置され、この給湯用バーナ40には制御弁として給湯用ガス比例弁42を介して燃料としてのガスGが供給されている。また、給湯用バーナ40には、給湯用フレームロッド44及び給湯用イグナイタ46が設置されている。
【0021】
また、追焚き用熱交換器18側にはその熱源として追焚き用バーナ50が設置され、この追焚き用バーナ50には制御弁として追焚き用ガス開閉弁52を介して燃料としてのガスGが給湯用バーナ40とは独立して供給されている。また、追焚き用バーナ50にも、追焚き用フレームロッド54及び追焚き用イグナイタ56が設置されている。
【0022】
次に、図2は、給湯・追焚き装置2の制御回路を示している。この制御回路は、給湯制御とともに保温制御を行うための制御手段であって、制御部60にはマイクロコンピュータが用いられている。この制御部60は、中央処理ユニット(CPU)62、記憶手段としてのROM64、RAM66及びEEPROM68が備えられている。ROM64には、給湯、追焚き等の各種制御プログラムが格納され、RAM66には演算途上のデータや検出データが格納され、また、EEPROM68には制御途上で得られた固定的なデータ、例えば、設定温度等が格納され、そのデータは必要に応じて更新される。
【0023】
そして、この制御部60には、温度センサ32及び水位センサ34の検出信号が加えられ、これらの検出信号を時分割的に取り込む手段としてマルチプレクサ70が設置され、このマルチプレクサ70にはCPU62から制御信号が与えられている。また、これらの検出信号はアナログ信号であるため、ディジタル処理を行うためにディジタル信号への変換手段としてアナログ・ディジタル変換器(A/D)72が設置されている。即ち、温度検出信号及び水位検出信号は一定の時間間隔で随時取り込まれてディジタル信号に変換され、ディジタルデータとしてCPU62に加えられている。
【0024】
また、制御部60には、各種センサ等からの信号を取り込むとともに、制御出力を各種駆動回路に付与するため、入出力回路74が設置されている。入出力回路74には、流水スイッチ38、給湯用フレームロッド44及び追焚き用フレームロッド54の出力信号が加えられている。
【0025】
また、制御部60の制御出力は入出力回路74を通して出力され、各制御出力は開閉電磁弁駆動回路76、ポンプ駆動回路78、切換弁駆動回路80、82、ガス比例弁駆動回路84、ガス開閉弁駆動回路86、イグナイタ駆動回路88、90に加えられる。そして、その結果、開閉電磁弁22には開閉電磁弁駆動回路76、循環ポンプ28にはポンプ駆動回路78、切換弁26、30には切換弁駆動回路80、82、ガス比例弁42にはガス比例弁駆動回路84、ガス開閉弁52にはガス開閉弁駆動回路86、給湯用イグナイタ46にはイグナイタ駆動回路88、追焚き用イグナイタ56にはイグナイタ駆動回路90を通して駆動出力が与えられる。
【0026】
そして、この制御回路には、制御部60に対する遠隔操作手段としてリモコン装置92が設置されている。制御部60の入出力回路74にはリモコン制御部94が接続されており、このリモコン制御部94には、リモコン入力部96、音声出力部98及び表示部100が接続されている。リモコン入力部96には、温度設定入力とともに水位設定入力が与えられる。温度設定は、使用者によって、任意の温度、例えば、42℃、43℃等、1℃を単位として設定される。この設定温度は、表示部100に数値及びその単位が表示されるとともに、目標値を表すディジタルデータD42、D43としてRAM66に格納される。
【0027】
次に、図3は、温度センサ32及びA/D変換部の具体的な構成例を示している。温度センサ32には、温度検出素子としてのサーミスタ102が使用され、このサーミスタ102には基準抵抗104が直列に接続され、これら直列回路には抵抗104を電源側、サーミスタ102側を接地側にして基準電圧Vddが加えられている。そして、抵抗104とサーミスタ102との接続点が温度検出出力点Pに設定され、その出力点Pには、温度によって抵抗値が変化するサーミスタ102の抵抗値に応じた電圧、即ち、温度の検出出力が得られる。この検出出力は、マルチプレクサ70を通過してサンプルホールド回路106に加えられる。
【0028】
サンプルホールド回路106は、刻々と変化する検出出力を一定のCPU62からのタイミング信号、即ち、サンプリングパルスSPに応じてサンプリングして保持する手段である。このサンプルタイミングは、CPU62側の温度検出タイミングに同期している。この実施形態にあっては、説明を容易にするため、サンプルホールド回路106を等価的に示しており、スイッチ108はサンプリングパルスSPによって開閉し、その閉時間にキャパシタ110に現在値である検出出力が保持される。即ち、保持電圧VHが現在の検出温度を表している。この保持電圧VHは、アナログデータであり、ディジタル化のため、電圧比較器112に加えられる。
【0029】
電圧比較器112は、検出出力と基準電圧V1、V2・・・Vnとを比較することにより、検出出力を数ビットのディジタルデータに変換する。基準電圧V1、V2・・・Vnを設定する手段として基準電圧設定回路114が設けられており、この実施形態では、分圧抵抗116の抵抗比によって基準電圧Vddをn分割し、差電圧Vmを単位として段階的にステップする基準電圧V1、V2・・・Vn(=Vdd)が得られている。この分割単位がアナログ・ディジタル変換の分解能である。
【0030】
この実施形態においては、基準電圧V1、V2・・・Vnは、Vmを数十ミリボルトに設定し、温度換算で0.5℃の温度間隔でステップする電圧となっている。ここで、0.5℃のステップとは、例えば、39±0.25℃の温度範囲をV39、40±0.25℃の温度範囲をV40・・・・に設定しており、絶対値としての温度に対応する電圧を設定していない。
【0031】
そして、このように基準電圧設定回路114で設定される基準電圧V1、V2・・・Vnを選択的に取り出す選択手段としてタップセレクタ118が設けられている。このタップセレクタ118には、CPU62からタップセレクトパルスTSが加えられ、このタップセレクトパルスTSによって各基準電圧V1、V2・・・Vnが巡回的に選択されて出力される。
【0032】
電圧比較器112には、このようにして選択された基準電圧V1、V2・・・Vnと検出出力、即ち、保持電圧VHとが逐次比較され、その大小関係を表す出力が得られる。この出力がアナログ・ディジタル変換データである。
【0033】
この逐次変換データを格納する手段として逐次変換レジスタ120が設けられている。この逐次変換レジスタ120は、逐次変換されて得られるディジタル・データを一旦格納する手段である。そして、この逐次変換レジスタ120からディジタル・データを格納する手段としてA/D結果レジスタ122が設置されている。このA/D結果レジスタ122には、逐次変換レジスタ120からのディジタル・データが格納され、常に新規のデータが格納されている。
【0034】
そして、比較レジスタ124には、A/D結果レジスタ122のデータが転送されており、その内容は、A/D結果レジスタ122のデータに比較して従前のデータが格納される。ここでのデータ処理は、A/D結果レジスタ122における新規のデータと比較レジスタ124側の現在のデータとを比較し、両者の差が分解能の範囲、即ち、誤差範囲であれば、比較レジスタ124に格納されている現在のデータを真のデータとして確定させる。この確定データを格納する手段として確定レジスタ126が設置され、この確定レジスタ126に検出出力のディジタル・データが格納される。これらのデータ処理は、CPU62において実行され、128はその内部バスである。
【0035】
以上の構成に基づいて、動作を説明する。
【0036】
図4は、総括的な動作を示すフローチャートを示している。電源投入によって初期設定が行われ、この初期設定の後、ステップS1では給湯運転か否かを判定する。給湯運転の場合には、ステップS2に移行して給湯運転が実行され、ステップS3で浴槽12内の水位が所定水位か否かが判定される。この所定水位は、図2に示したように、リモコン装置92に対して水位設定を行い、その設定水位か否かが判定される。給湯運転では、浴槽12の水位が所定水位に到達したとき、その給湯運転を停止する。
【0037】
ステップS1において、給湯運転ではないと判定された場合には、ステップS4(図6)に移行して保温運転を行う。この保温運転は、浴槽12内の湯水の温度を設定温度に保温する動作であって、常時、最適な湯温を保持する動作である。
【0038】
図5は、ステップS2における給湯運転動作を示しており、給湯回路4の開通状態を示している。上水Wは、給湯用熱交換器16で加熱された後、開閉電磁弁22、圧送ホッパ24、切換弁26を経て浴槽往き管8から浴槽12に供給される。そして、この場合、破線で示すように、浴槽戻り管10にも浴槽12内の湯水HWが満たされ、その結果、温度センサ32によって湯水HWの温度、水位センサ34によって浴槽12内の水位が検出される。なお、この給湯運転では、通常、放熱による温度低下を見込むとともに給湯時の追焚き時間の短縮を図るため、設定温度より0.5℃だけ高い湯温での給湯を行い、所定水位に移行した際に、給湯完了時に温度検出を行った後、保温動作と同様に自動的に追焚き動作に移行し、浴槽12内の湯水を設定温度に制御することが行われる。
【0039】
次に、図6は、図4のステップS4における保温運転動作を示している。この保温運転は、給湯又は給水されている浴槽12内の湯水HWを設定温度に沸き上げることにより、設定温度を維持する動作である。そして、この保温運転は、先の給湯動作、追焚き動作の後、追焚き動作を示している。
【0040】
ステップS11では、給湯・追焚き、又はその後の追焚き終了後、所定時間、即ち、待機時間(図12に示す待機時間Tb)が経過したか否かを判定する。この待機時間は、設定温度に到達した後、湯温の保温性を考慮して設定された時間である。この待機時間が経過した後、ステップS12に移行し、追焚き運転を行う。そして、ステップS13では、保温時間の監視を行い、保温時間の経過前はステップS11に戻り、また、保温時間の経過後は、保温動作を停止する。保温動作は、入浴者が複数ある場合を想定したものであり、複数の者が入浴する時間はある程度管理できるので、予め保温時間を設定することとしている。即ち、保温時間を経過する前は繰り返し追焚きを行い、その保温時間が経過した後は、その保温動作を停止する。
【0041】
次に、図7は、この保温動作における追焚き運転動作を示し、追焚き回路6の開通状態を示している。この追焚き運転は、浴槽12内の温水の再加熱を行うための処理であって、追焚き用熱交換器18に循環ポンプ28で浴槽12内の湯水HWを循環させて加熱する。即ち、浴槽12の湯水HWは、浴槽戻り管10を経て循環ポンプ28に引かれて追焚き用熱交換器18に圧送されて加熱され、その加熱された湯水は切換弁26を経て浴槽往き管8から浴槽12に戻る。このような圧送循環を繰り返すことにより、浴槽12の湯水HWは設定温度に加熱される。
【0042】
次に、図8は、図6のフローチャートにおける追焚き運転動作を示している。ステップS21では、追焚き動作に入る前に循環ポンプ28を動作させて追焚き回路6に浴槽12内の湯水HWの循環を行う。この湯水循環は、流水スイッチ38によって検出される。そこで、ステップS22では流水検出があったか否かを判定し、流水が検出できない場合にはステップS23に移行する。即ち、循環ポンプ28を駆動したにも拘わらず流水検出ができない場合には異常であると判定し、ステップS23では表示部100又は音声出力部98によってその異常を表示又は音声で告知する。
【0043】
流水検出があった場合には、ステップS24に移行する。ステップS24では、流水検出前にRAM66に格納されている現在の検出温度を読み出す。この検出温度は、流水検出前にRAM66に記憶されたものであり、最新の温度であって、循環路における湯水の温度を表している。
【0044】
そして、ステップS25では検出温度が設定温度より低いか否かを判定する。検出温度が設定温度を越えている場合には、ステップS26に移行し、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過するまで、ステップS25の判定を持続する。所定時間が経過しても、検出温度が設定温度を越えている場合には、ステップS33に移行することにより、循環を停止する。
【0045】
また、検出温度が設定温度より低い場合には、ステップS27に移行して追焚き燃焼を開始する。即ち、点火動作を開始した後、ガス開閉弁52を開いて追焚き用バーナ50に着火する。この追焚き燃焼の結果、ステップS28に移行し、検出温度が設定温度以上か否かを判定し、検出温度が設定温度と一致又はそれ以上と検出されたとき、ステップS29に移行し、時間の計測を行う。この時間計測は、CPU62によって行い、例えば、クロックパルスを計測して行う。この時間計測の狙いは、検出温度に変動が生じるので、所定時間だけその温度上昇が持続したことを確認するためである。
【0046】
そこで、ステップS31では予め定められている時間が経過したか否かを判定し、その所定時間が経過するまでステップS28に戻り、検出温度と設定温度との比較を行う。ステップS28において、所定時間内で検出温度が設定温度以下となった場合にはステップS30に移行し、時間の計測を停止し、計測している時間をリセットする。即ち、この場合、クロックパルスの計測を零に戻して動作を持続する。
【0047】
そして、ステップS28で検出温度が設定温度に到達、又はそれ以上に推移した場合であって、それが所定時間だけ持続すると、ステップS31に移行し、追焚き燃焼を停止する。即ち、浴槽12内の湯水HWの温度が設定温度に到達したことにより、ステップS32に移行し、追焚き運転を停止する。この追焚き燃焼の停止の後、ステップS33に移行し、追焚き燃焼の停止から一定時間だけ遅延して循環ポンプ29の動作を停止し、追焚き運転を停止する。
【0048】
なお、この実施形態では、流水検出があったとき、ステップS24及びステップS25を経てステップS27に移行して追焚き燃焼を開始しているが、図9に示すように、ステップS22で流水検出の後、ステップS27に移行して追焚き燃焼を開始してもよい。この場合、追焚き運転の後、ステップS28で検出温度と設定温度とを比較しており、追焚きの結果、その必要がないと判断された場合には、ステップS32に移行して追焚き燃焼を停止することができるので、何らの不都合はなく、より保温動作の迅速化を図ることができる。
【0049】
次に、図10は、温度検出及び検出温度(平均値)の演算を示している。この温度検出動作では、給湯時、保温時の浴槽12内の湯水HWの温度の検出を行う。ステップS41では温度センサ32の検出値を所定時間毎に取り込み、ステップS42ではその検出値をA/D変換する。そして、ステップS43では、そのA/D変換値をA/D結果レジスタ122に格納し、ステップS44に移行する。
【0050】
ステップS44では、確定レジスタ126に前検出値が格納されているか否かを判定し、初期動作時には前検出値がないのでステップS45に移行して、確定レジスタ126及び比較レジスタ124にその値を格納する。なお、温度検出動作は、給湯時にも行われているので、給湯から追焚き動作に移行する場合には、確定レジスタ126には必ず前検出値があるが、給湯動作が完了した後、電源を停止させた場合等にこのようなデータ無しの状態があり得る。
【0051】
ステップS44において、確定レジスタ126に前検出値が格納されている場合には、ステップS46に移行し、比較レジスタ124の値との差が所定値以内にあるか否かを判定する。その検出値が所定値以内の場合には、ステップS47に移行して確定レジスタ126の値を更新し、所定値を越えた場合には、ステップS48に移行してその検出値を放棄し、確定レジスタ126の前検出値を維持する。これは、先の値に対して極端な検出値が生じた場合、その検出値による誤動作を防止するためであり、所定値とは、例えば、A/D変換値で「2」以上の差が生じた場合、即ち、1℃以上の差を設定する。
【0052】
そして、ステップS49では、確定レジスタ126の値をRAM66に転送する。これは、確定レジスタ126の値が更新されたか否かに関係なく行われ、ステップS50に移行する。ステップS50では、RAM66に前値データが格納されているか否かを判定する。前値データがある場合には、ステップS51に移行して最も古いデータを更新し、また、前値データが無い場合には、ステップS52に移行してRAM66に格納を予定している個数nの格納エリアの全部に今回取り込まれた検出値を格納する。これは、検出温度、即ち、平均値を求めるための準備動作である。また、予定個数nは、平均値を求めるための個数であり、例えば、n=10に設定する。
【0053】
ステップS53に移行すると、n個中の最大値と最小値を除いて平均値を求める。即ち、最大値と最小値を除いたあとの検出値を加算し、n−2で除すことにより、平均値が求められ、これを検出温度とする。
【0054】
そして、ステップS54に移行し、演算した検出温度で先に記憶しているRAM66の検出温度を更新し、常に最新の検出温度がRAM66に格納される。
【0055】
ここで、温度検出を図11の(A)、(B)及び(C)を参照して説明する。図11の(A)に示すように、第1回目の検出値のA/D変換データをDaとする。このデータDaは、確定レジスタ126に格納されている。確定レジスタ126に格納されているデータがあるか無いかを判定し、無い場合(初期動作)では、確定レジスタ126及び比較レジスタ124にそのデータDaが格納される。また、RAM66に前値データがあるか否かが判定され、無い場合には、データDaは、RAM66に格納される。この場合、予定個数は10であり、各エリアにデータDaが格納される。そして、この場合、最大値及び最小値は共にDaであり、その検出温度は、Da×8/8となり、Daとなる。
【0056】
図11の(B)に示すように、第2回目の検出値のA/D変換データをDiとする。前検出データはDaであるから、このデータDaと今回のデータDiとの比較を行い、両者の差が所定値eの範囲内(例えば、2以内)か否かを判定する。所定値以内の場合、確定レジスタ126の格納されているデータDaをデータDiに更新し、RAM66に転送する。DaとDiとの大小関係をDa<Diとすると、RAM66に格納されているデータ中、最大値はDi、最小値はDaであるから、DaとDiを除いて平均値を求める。この場合、第1回目の場合と同様に、検出温度は、Da×8/8となり、Daとなる。
【0057】
図11の(C)に示すように、k回目の温度検出が行われたとする。RAM66には、最新のデータDkが転送され、データDk、Di、Df、Dh、Df、Db、Dc、Dj、Dd、Deが格納されている。この場合、最大値をDf、最小値をDiとすると、これらを除いて、他のデータの加算値ΣDを(n−2)で除すことにより、平均値が求められる。n=10とすると、(Dk+Dh+Df+Db+Dc+Dj+Dd+De)/8=Dxとなり、この場合の検出温度はDxとなる。この検出温度Dxは、RAM66に格納されている前検出温度を更新し、最新の検出温度として格納される。このような動作を繰り返し、RAM66には常に最新の検出温度が格納される。
【0058】
次に、図12は、給湯時の追焚き運転から保温運転に移行する場合の動作タイミングを示している。
【0059】
時間Taは追焚き運転時間を表しており、この時間内では、図12の(A)に示すように、ガス開閉弁52が開となり、追焚きのためのガス燃焼が行われている。浴槽12内の湯水HWが設定温度に到達すると、ガス開閉弁52が閉止されて燃焼動作が停止する。
【0060】
そして、図12の(B)に示すように、ガス開閉弁52の閉止から時間Tdの後、循環ポンプ28が停止する。このように循環ポンプ28の動作の停止をガス開閉弁52の閉止より時間Tdだけ遅延させるのは、追焚き用熱交換器18の熱による後追い沸騰を避けるためであり、追焚き用熱交換器18内の温度を低下させるためである。
【0061】
また、循環ポンプ28の停止の後、図12の(C)に示すように、流水スイッチ38の流水検出は停止する。
【0062】
そして、ガス開閉弁52の停止から所定時間の待機時間Tbが開始される。この待機時間Tbは、例えば、30分程度に設定する。この待機時間Tbが経過すると、循環ポンプ28を動作させ、追焚き回路6に浴槽12内の湯水HWの循環を行う。時間Teは循環ポンプ28の停止時間であり、この停止時間Teは待機時間Tbより短くなる。
【0063】
ポンプ循環が開始されると、図12の(C)に示すように、循環ポンプ28の動作開始と同時に流水スイッチ38の流水検出が行われる。この流水検出が行われた時点をtoとすると、この時点toにおいて、設定温度と検出温度との比較が行われる。この比較に用いられる検出温度は、時点toの直前にRAM66に格納されている検出温度、即ち、ポンプ循環を行う直前に演算の結果更新された検出温度である。
【0064】
ところで、温度検出は常時行われており、その検出は例えば、0.5秒毎に行われて、その平均値は例えば10回の温度取込みを単位として演算されるものとすると、比較される検出温度は時点toから5秒程度前から時点toの直前までの温度取込みに基づいた平均値温度である。
【0065】
そして、この検出温度と設定温度との比較の結果、検出温度が設定温度より低い場合には、時点toの後の時間Tfの間で点火動作に移行し、図12の(A)に示すように、ガス開閉弁52が開かれる。この結果、追焚き動作、即ち、保温動作が開始され、時間Tcは、その保温動作時間である。この保温動作は、検出温度が設定温度に到達するまで持続する。
【0066】
次に、図13は、設定温度と検出温度との比較動作を示している。図13において、直線Lは検出温度の推移を示しており、実際には大きく変動するものであるが、説明を容易にするため直線で示してあり、矢印UPは上昇方向、矢印DNは下降方向である。また、温度については、説明を容易にするため、代表的な値として39℃〜43℃を示してある。
【0067】
設定温度は、1℃を単位として任意に設定され、その値が単位とともに表示部100に表示される。この設定温度は、例えば、0.5℃の温度幅T1を持っており、設定温度の間にも非設定温度として温度幅T2=0.5℃が設定されている。この場合、設定温度=38.75〜39.25℃、非設定温度=39.25℃〜39.75℃、設定温度=39.75〜40.25℃、非設定温度=40.25℃〜40.75℃・・・・と設定されている。即ち、設定温度は、39℃、40℃、41℃、42℃・・・のように設定されても、その設定温度自体は、0.5℃の幅を持っており、絶対値としての温度値ではない。
【0068】
これに対し、湯水温度は、連続的に変換するアナログ値であり、その検出温度も連続的なものとなる。しかしながら、アナログ・ディジタル変換のために、検出温度の取込みは一定の時間間隔、例えば、100ms毎に行われ、連続的な値として取り込まれる。そして、その温度は、サーミスタ102の抵抗値変化を電圧値に変換して取り込まれ、0.5℃間隔を20mV程度を単位として取り込まれる。この結果、検出温度のA/D変換値は、0.5℃間隔に対応する20mV間隔で取り込まれてディジタルデータに変換される。図13において、d38.5〜d43は検出温度を表す検出データを示している。理論的には、検出温度を表す電圧値が図13中の横線上に合致する場合があるが、これはデータ処理上の誤差として上位側データとして取り込まれる。例えば、40.25℃を表す線上のデータはd40.5となる。
【0069】
このようにして取り込まれた検出温度を表すA/D変換値と設定温度のA/D変換値とが比較される。図13の例において、設定温度を41℃とし、そのA/D変換値をD41とすると、検出温度のA/D変換値d38.5〜d43と比較される。保温動作の結果、湯水の検出温度がd41に到達すると、設定温度を表すA/D変換値D41と一致し、その一致が所定時間経過した後、保温動作を停止させるのである。
【0070】
また、待機時間中に浴槽12内の湯水の温度が低下し、検出温度が、例えばd40に低下すると、保温動作に移行し、検出温度が設定温度D41に到達するまで追焚き動作を行う。
【0071】
このように設定温度は、一定の温度幅T1(=0.5℃)を有しており、また、設定温度間には一定の温度幅T2(=0.5℃)が設定されている。しかも、この温度幅T1、T2は、T1=T2であって、アナログ・ディジタル変換における分解能(例えば20mV)と一致している。また、設定温度間に一定の温度幅が設定されているため、アナログ・ディジタル変換時の動作が安定化し、しかも、一定時間経過した後、追焚き動作又はその停止を行うため、追焚き用バーナ50の点消火を繰り返すこともなく、動作の安全性を高めることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
a.保温制御に先立って浴槽内の湯水の水位が設定水位か否かにより給湯制御か保温制御かを判定し、水位が不足している場合には給湯を行って水位を設定水位に制御した後、追焚きにより設定温度に制御することができる。浴槽内の湯水が設定温度に到達したときから一定時間が経過した後、ポンプを動作させ、かつ、循環路に循環流水が検出されたとき、熱交換器を動作させて追焚き動作を先行させ、この追焚き動作の後の湯水の温度を循環路に設けた温度センサによって連続的に取り込み、その検出温度を順次に記憶手段に記憶させるとともに、最も古い検出温度を最新の検出温度に更新し、記憶手段に記憶されている複数の検出温度の平均値と設定温度との比較を行い、湯水の温度が設定温度より低下している場合には、追焚きを持続させることとしたので、従来のように、湯水の攪拌及び温度検知を先行させる温度制御に比較し、保温動作を可及的速やかに行うことができる。
b.浴槽内の湯水が設定温度に到達したときから一定時間が経過した後、ポンプを動作させ、かつ、循環路に循環流水が検出されたとき、ポンプ循環前に検出している湯水の温度と設定温度とを比較し、湯水の温度が設定温度より低下している場合には、熱交換器を動作させて追焚き動作を先行させ、この追焚き動作の後、湯水の温度が設定温度より低い場合、追焚き動作を持続させることとしたので、従来のように、攪拌及び温度検知の後に追焚き動作へ移行させる制御に比較して保温動作を可及的速やかに行うことができる。このような制御動作にあっては、給湯動作や太陽熱を利用した温水器等が併用されて浴槽内湯水が高い温度を維持している場合、無駄な追焚き動作への移行を防止できる。
c.検出温度はアナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とした段階値とし、また、設定温度は、アナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とする温度幅を持つ段階値であって、その段階値間に前記温度幅を単位とする間隔を設定したので、両者の比較動作の信頼性を高め、1℃単位の比較動作が実現でき、体感温度での温度制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浴槽内湯水の温度制御装置の実施形態を示す系統図である。
【図2】本発明の浴槽内湯水の温度制御装置の制御回路を示すブロック図である。
【図3】アナログ・ディジタル変換部の構成を示すブロック図である。
【図4】初期動作を示すフローチャートである。
【図5】給湯回路の運転動作を示す系統図である。
【図6】保温運転動作を示すフローチャートである。
【図7】追焚き回路の運転動作を示す系統図である。
【図8】追焚き動作を示すフローチャートである。
【図9】他の追焚き動作を示すフローチャートである。
【図10】温度検出を示すフローチャートである。
【図11】RAMにおける検出データと検出温度の関係を示す図である。
【図12】保温動作を示すタイミングチャートである。
【図13】設定温度と検出温度の比較動作を示す図である。
【符号の説明】
8 浴槽往き管(循環路)
10 浴槽戻り管(循環路)
12 浴槽
16 給湯用熱交換器(第1の熱交換器)
18 追焚き用熱交換器(第2の熱交換器)
28 循環ポンプ
32 温度センサ
34 水位センサ
38 流水スイッチ(流水センサ)
60 制御部(制御手段)
66 RAM(記憶手段)
72 アナログ・ディジタル変換器
Claims (5)
- 上水を加熱する第1の熱交換器と、浴槽内の湯水を加熱する第2の熱交換器とを備え、第1の熱交換器で加熱した湯水を前記浴槽に給湯するとともに、前記浴槽内の湯水を循環路に設けたポンプによって前記第2の熱交換器に循環させて行う浴槽内湯水の温度制御装置であって、
前記循環路に設けられて前記湯水の温度を検出する温度センサと、
前記循環路中の流水を検出する流水センサと、
前記浴槽内の水位を検出する水位センサと、
この水位センサの検出水位が所定水位にない場合には前記第1の熱交換器を動作させて上水を加熱しながら、前記浴槽に給湯するとともに、前記温度センサから取り込んだ複数の検出温度を記憶手段に順次に記憶するとともに最も古い検出温度を最新の検出温度に更新し、記憶している複数の検出温度のうちの最大値と最小値とを除いた複数の検出温度の平均値を算出して記憶及び更新し、任意に設定される設定温度に到達したときから一定時間が経過した後、前記ポンプを動作させ、かつ、前記流水センサが循環流水を検出したとき、前記第2の熱交換器を動作させ、この熱交換器の動作開始後、前記記憶手段に記憶又は更新された前記検出温度の平均値と前記設定温度とを比較し、その検出温度の平均値が前記設定温度より低い場合、前記第2の熱交換器の動作を維持し、前記検出温度の平均値が前記設定温度以上の場合に前記第2の熱交換器の動作を停止させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする浴槽内湯水の温度制御装置。 - 前記記憶手段に記憶すべき前記検出温度は、前記温度センサからの連続した検出温度を一定の時間間隔でサンプリングしたものであることを特徴とする請求項1記載の浴槽内湯水の温度制御装置。
- 前記設定温度は、不連続の特定値を含む一定幅の温度であることを特徴とする請求項1記載の浴槽内湯水の温度制御装置。
- 前記検出温度は、前記温度センサによって得られる検出値をアナログ・ディジタル変換器によってディジタル値に変換するとともに、前記アナログ・ディジタル変換器が持つ分解能を単位とした段階値であることを特徴とする請求項1記載の浴槽内湯水の温度制御装置。
- 前記設定温度は、前記検出温度をディジタル変換する前記アナログ・ディジタル変換器の分解能を単位とする温度幅を持つ段階値であって、その段階値間に前記温度幅を単位とする間隔を設定したことを特徴とする請求項2記載の浴槽内湯水の温度制御装置。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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