JP3640721B2 - リング伝送システムの異方式移行方法および伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リング伝送システムの異方式移行方法および伝送装置に関し、特に、UPSR(Uni-directional Path Switched Ring)方式のリング伝送システムを運用中にBLSR(Bi-directional Line Switched Ring) 方式に移行させるリング伝送システムの異方式移行方法およびこの方法が適用される伝送装置に関する。
【0002】
近年、光伝送システムの伝送容量の大規模化に伴い、障害時の回線救済能力および回線使用効率の優れた光伝送システムが求められている。
【0003】
【従来の技術】
従来、複数のノードをノード毎に2本の光ファイバでリンクしてリング状に構成したリング光伝送システムの運用形態として、UPSR方式とBLSR方式とがある。UPSR方式は、同一の送信信号をWEST方向およびEAST方向に送信して、受信側までの途中経路に障害があった場合に、障害の無い側を経た送信信号を受信側で選択するようにしている。この方式では、2本の光ファイバのうちの一方が現用回線、他方が予備回線として使用される。BLSR方式は、1本の光ファイバの中の半分の伝送容量を現用回線に、残りの半分を予備回線に使用する。回線の途中経路に障害があった場合に、ノードでの折り返し(ループバック)処理、および他の回線の予備回線の使用により回線救済を行っている。
【0004】
従来、UPSR方式のリング光伝送システムが主流であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、UPSR方式の回線使用効率は、リング内のノード数に関係なく50パーセントであるが、BLSR方式の回線使用効率は、リング内のノード数が2つのときに50パーセントであり、リング内のノード数がそれ以上に増えるに従って、回線使用効率が高くなる。したがって、BLSR方式は大容量光伝送システムにおいて注目されつつあり、UPSR方式の光伝送装置をBLSR方式の光伝送装置へ置き換えたいという要求が高くなっている。
【0006】
しかし、UPSR方式の光伝送装置とBLSR方式の光伝送装置とでは、回線救済のための回線切替方式そのものが異なることは勿論、信号のパス経路の設定方法、異常処理の方法等が異なるため、ノードの光伝送装置の置き換え時には、光伝送システム全体の運用を一時的に中断した上で置き換えを行う必要がある。そのため、回線を使用できない期間が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、回線のインサービスのまま、UPSR方式で構築されていたリング伝送システムをBLSR方式に移行させることを可能とするリング伝送システムの異方式移行方法および伝送装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために、図1に示すような、リング伝送システムが提供される。このリング伝送システムは、4つのノード(局)1〜4と、それらを接続する2組の光ファイバ5a〜5d,6a〜6dとから構成される。各ノード1〜4はUPSR方式の同一の内部構成となっている。ノード1を例にして説明すると、ノード1は、光ファイバ5a〜5d上に位置する光受信部(OR)1a、UPSR方式の多重・分離変換盤1b、光送信部(OS)1cと、光ファイバ6a〜6d上に位置する光受信部(OR)1d、UPSR方式の多重・分離変換盤1e、光送信部(OS)1fと、パススチッチ1gと、UPSR方式の制御盤1hとから構成される。
【0009】
こうした構成において、(1)UPSR方式の制御盤1hをBLSR方式の制御盤に置き換え、(2)パススイッチ1gを一方向(例えば光ファイバ5a〜5dに係る分離信号を選択)に切替えて他方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤1eをBLSR方式の第1の多重・分離変換盤に置き換えると同時に、第1の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせ、(3)パススイッチ1gを上記他方向(光ファイバ6a〜6dに係る分離信号を選択)に切替えて上記一方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤1bをBLSR方式の第2の多重・分離変換盤に置き換えると同時に、第2の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせる。なお、BLSR方式の第1の多重・分離変換盤および第2の多重・分離変換盤は、UPSR方式の動作もできる内部構成を備えている。
【0010】
(4)第1の多重・分離変換盤および第2の多重・分離変換盤にBLSR方式の動作を行わせ、(5)第1の多重・分離変換盤および第2の多重・分離変換盤に設定されている回線配置をUPSR方式からBLSR方式へ変更する。
【0011】
このように、UPSR方式の多重・分離変換盤1b,1eおよび制御盤1hだけをBLSR方式のものにそれぞれ置き換え、また、移行の運用を行うことにより、回線のインサービスのまま、UPSR方式で構築されていたリング伝送システムをBLSR方式に移行させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、実施の形態の原理構成を、図1を参照して説明する。本発明の実施の形態では、リング伝送システムが、例えば4つのノード(局)1〜4と、それらを接続する2組の光ファイバ5a〜5d,6a〜6dとから構成されていたとする。各ノード1〜4はUPSR方式の同一の内部構成となっている。ノード1を例にして説明すると、ノード1は、光ファイバ5a〜5d上に位置する光受信部(OR)1a、UPSR方式の多重・分離変換盤1b、光送信部(OS)1cと、光ファイバ6a〜6d上に位置する光受信部(OR)1d、UPSR方式の多重・分離変換盤1e、光送信部(OS)1fと、パススチッチ1gと、UPSR方式の制御盤1hとから構成される。
【0013】
つぎに、本発明の実施の形態の詳しい構成を、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、UPSR方式のノード1の内部構成を示すブロック図である。図中、光受信部1aはEAST方向から送られる光信号を受信し、電気信号に変換して多重・分離変換盤1bへ送る。光送信部1cは多重・分離変換盤1bから送られた電気信号を光信号に変換し、WEST方向へ送る。多重・分離変換盤1bは、分離部(DMUX)1ba、TSA(Time Slot Assignment)部1bb、1bc、T/I(Through or Insert) 部1bd、多重部(MUX)1beから構成される。ドロップされるべき信号は分離部1ba、TSA部1bbを経てパススイッチ(PSW)1gへ送られる。アッドされるべき信号は、TSA部1bc、T/I部1bdを経て、多重部1beへ送られる。スルーされるべき信号は分離部1ba、T/I部1bdを経て、多重部1beへ送られる。
【0014】
光受信部1d、多重・分離変換盤1e、光送信部1fは、光受信部1a、多重・分離変換盤1b、光送信部1cと、全く同じ構成および動作であるので、説明を省略する。なお、光受信部1d、多重・分離変換盤1e、光送信部1fの図2での配置が、図1での配置と向きが反対になっているが、これは、後述の図3の表示と合わせたためにこうなっている。
【0015】
パススイッチ1gは、EAST方向とWEST方向とから送られる各信号に含まれるアラーム情報に基づき、障害のない信号を選択して出力する。制御盤1hは、監視制御盤1haと切替制御盤1hbとから構成される。
【0016】
図3は、BLSR方式のノードの内部構成を示すブロック図である。この図3は、図2のUPSR方式の多重・分離変換盤1e,1bを、BLSR方式の第1および第2の多重・分離変換盤8,7にそれぞれ置き換え、また、UPSR方式の監視制御盤1haをBLSR方式の監視制御盤9に、UPSR方式の切替制御盤1hbをBLSR方式の切替制御盤10に置き換えた状態を示している。
【0017】
第1の多重・分離変換盤8および第2の多重・分離変換盤7は同じ構成を備えているので、第2の多重・分離変換盤7だけを説明する。第2の多重・分離変換盤7は、分離部(DMUX)11a、リングスイッチ(SW)12a、TSA(Time Slot Assign)部13a、15a、T/I(Through or Insert) 部14a、リングブリッジ部(BR)16a、多重部(MUX)17aと、分離部(DMUX)11b、リングスイッチ(SW)12b、TSA(Time Slot Assign)部13b、15b、T/I(Through or Insert) 部14b、リングブリッジ部(BR)16b、多重部(MUX)17bと、E/Wセレクタ(E/W SEL)18とから構成される。分離部11aにはEAST方向からの信号が入力され、分離部11bにはWEST方向からの信号が入力される。多重部17aの出力信号はWEST方向に送られ、多重部17bの出力信号はEAST方向に送られる。
【0018】
リングスイッチ12a,12bは、ドロップやスルーされるべき信号の回線障害時の折り返し(ループバック)に使用され、リングブリッジ部16a,16bは、アッドやスルーされるべき信号の回線障害時の折り返しに使用される。
【0019】
第2の多重・分離変換盤7にEAST方向およびWEST方向から送られる各信号が、第1の多重・分離変換盤8にも送られる。そして、信号処理も第2の多重・分離変換盤7および第1の多重・分離変換盤8は同じである。したがって、第2の多重・分離変換盤7および第1の多重・分離変換盤8は冗長な構成を形成している。E/Wセレクタ18は、チャネル毎にEAST方向またはWEST方向からのドロップ信号を選択するものであり、出力をパススイッチ1gへ送る。パススイッチ1gは、第2の多重・分離変換盤7からのドロップ信号と、第1の多重・分離変換盤8からのドロップ信号とを受け、現用側の信号を選択して出力するように動作する。すなわち、BLSR方式になると、パススイッチ1gは現用予備の切替えに使用される。
【0020】
こうした図3に示すBLSR方式のノード(光伝送装置)が、UPSR方式でシステム動作した場合を図4に示す。図中、破線はUPSR方式のシステム動作に直接関連しない部分を示す。図4に示す動作状態は、図2に示すUPSR方式のノードの動作と同一となる。このことから、BLSR方式のノードは、UPSR方式のノードと同一のシステム動作をすることが可能であることが分かる。つまり、UPSR方式のリング光伝送システムにおいて、多重・分離変換盤をBLSR方式に交換しても、その多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせておいて、システムの全部の多重・分離変換盤がBLSR方式に交換された段階で全部の多重・分離変換盤をBLSR方式のシステム動作をさせれば、リング光伝送システムがインサービスのままUPSR方式からBLSR方式へ移行できることになる。
【0021】
つぎに、UPSR方式のリング光伝送システムを運用中にBLSR方式に移行させる手順を、図5を参照して詳述する。
図5は、UPSR方式のリング光伝送システムを運用中にBLSR方式に移行させる第1の手順を示すフローチャートである。以下、図中のステップ番号に沿って説明する。
【0022】
〔S1〕まず、図1の全ノード1〜4の各パススイッチを一方側、例えば光ファイバ5a〜5dに係る各多重・分離変換盤からの分離信号を選択する側に切り替える。このパススイッチの切替は図1の制御盤1hおよび上位の制御装置(図示せず)によって人為的に行われる。
【0023】
〔S2〕ノード1のUPSR方式の監視制御盤1ha(図2)を、図3のBLSR方式の監視制御盤9に交換する。この交換の詳細については図11〜図13を参照して後述する。
【0024】
〔S3〕図1のノード1のUPSR方式の多重・分離変換盤1eを、図3に示すBLSR方式の第1の多重・分離変換盤8に交換する。ただし、第1の多重・分離変換盤8の動作を、図4に示すようなUPSR方式のシステム動作にしておく。上記ステップS1の実行によるパススイッチ1gの切替によりUPSR方式の多重・分離変換盤1eは予備側になっているので、回線の運用中でも交換が可能である。
【0025】
図5のフローチャートでは省略したが、他のノード2〜4に対しても上記ステップS2,S3を順次実行する。通常、ノードどうしは40kmくらい離れているが、そうした各ノードを交換作業者がリングに沿って移動して訪れ、上記ステップS2,S3を実行する。交換作業者は、リングを1周することになる。
【0026】
〔S4〕つぎに、図1の全ノード1〜4の各パススイッチを他方側、例えば光ファイバ6a〜6dに係る各多重・分離変換盤からの分離信号を選択する側に切り替える。
【0027】
〔S5〕図1のノード1のUPSR方式の多重・分離変換盤1bを、図3に示すBLSR方式の第2の多重・分離変換盤7に交換する。ただし、第2の多重・分離変換盤7の動作を、図4に示すようなUPSR方式のシステム動作にしておく。上記ステップS4の実行によるパススイッチ1gの切替によりUPSR方式の多重・分離変換盤1bは予備側になっているので、回線の運用中でも交換が可能である。
【0028】
図5のフローチャートでは省略したが、他のノード2〜4に対しても上記ステップS5を実行する。したがって、交換作業者はリングに沿って再び1周することになる。
【0029】
〔S6〕全ノード1〜4のシステム動作をBLSR方式に変更する。この変更は上位制御装置からの設定操作によって各ノードに対して順に行われる。
〔S7〕ノード1のUPSR方式の切替制御盤1hb(図2)を図3のBLSR方式の切替制御盤10に交換する。この交換は全ノードに対して行われる。したがって、交換のために交換作業者はリングをまた1周することになる。
【0030】
〔S8〕ステップS8〜S10の実行によって回線再配置を行う。ステップS8〜S10の処理はオペレータの操作によって行われる。まず、UPSR方式でリングの両方向(途中のノード数が多いロング側と途中のノード数が少ないショート側)に送っていた同一の送信信号をショート側だけに送信するようにするために、ロング側の信号受信部(ドロップ側)を遮断する。これはドロップ側TSA部の回線設定処理によって行われる。
【0031】
〔S9〕つぎに、ロング側の信号送信部(アッド側)を遮断する。これはアッド側TSA部の回線設定処理によって行われる。
〔S10〕ショート側で送信されていた信号のうち、BLSR方式において予備(プロテクション)側になるチャネルを使用している信号を現用(ワーク)側へ移す。すなわち、BLSR方式において現用チャネルとしてCH1〜CH24が使用され、予備チャネルとしてCH25〜CH48が使用される場合に、ショート側でCH25〜CH48のいずれかを使用して送信されていた信号があれば、それらがCH1〜CH24のいずれかに移される。
【0032】
なお、以上の第1の手順では、ステップS1およびステップS2において各ノードのパススイッチを切替えるので、送信信号の瞬断がシステム全体で2N回(Nはノードの数)発生し、また、ステップS2,S3、ステップS5、およびステップS7において交換作業者がリングを各1周するので、合計3回の交換作業者によるリングの周回が必要である。
【0033】
上述したUPSR方式からBLSR方式への移行手順を、図6〜図10によって説明する。図6〜図10は、リング構成の2つのノード21,22を例にしてリング光伝送システムを示している。図中、ノード21は、内回りの光受信部(OR)21a、多重・分離変換盤21b、光送信部(OS)21cと、外回りの光受信部(OR)21d、多重・分離変換盤21e、光送信部(OS)21fとから構成され、同様に、ノード22は、内回りの光受信部(OR)22a、多重・分離変換盤22b、光送信部(OS)22cと、外回りの光受信部(OR)22d、多重・分離変換盤22e、光送信部(OS)22fとから構成される。なお、各図に図示される多重・分離変換盤に関しては、白のブロックでUPSR方式の多重・分離変換盤を表示し、斜線のブロックでBLSR方式の多重・分離変換盤を表示し、さらに、ブロック内の括弧による表示によって、多重・分離変換盤がUPSR方式の動作とBLSR方式の動作のいずれを行っているかを示している。
【0034】
図6は多重・分離変換盤が全てUPSR方式であり、システム動作もUPSR方式である場合を示している。すなわち、ノード21のUPSR方式の多重・分離変換盤21bから同一の信号が、内回りおよび外回りでノード22のUPSR方式の多重・分離変換盤22bに送られる。また、ノード22のUPSR方式の多重・分離変換盤22eから同一の信号が、内回りおよび外回りでノード21のUPSR方式の多重・分離変換盤21eに送られる。
【0035】
図7は、図5のステップS1,S3に対応するものであり、外回り側のUPSR方式の多重・分離変換盤21e,22eをBLSR方式の多重・分離変換盤に交換する様子を示す。すなわち、ノード21,22の各パススイッチ(図示せず)を内回り側に切替えて、外回り側のUPSR方式の多重・分離変換盤21e,22eを非運用状態にしておき、これらをBLSR方式の多重・分離変換盤に交換する。ただし、これらの交換されたBLSR方式の多重・分離変換盤を、図4で示したようなUPSR方式の動作状態に設定しておく。
【0036】
図8は、図5のステップS4,S5に対応するものであり、内回り側のUPSR方式の多重・分離変換盤21b,22bをBLSR方式の多重・分離変換盤に交換する様子を示す。すなわち、ノード21,22の各パススイッチを外回り側に切替えて、内回り側のUPSR方式の多重・分離変換盤21b,22bを非運用状態にしておき、これらをBLSR方式の多重・分離変換盤に交換する。ただし、これらの交換されたBLSR方式の多重・分離変換盤を、図4で示したようなUPSR方式の動作状態に設定しておく。
【0037】
図9は、図5のステップS6に対応するものであり、BLSR方式に変換された各多重・分離変換盤の動作をBLSR方式に設定する様子を示す。すなわち、ノード21,22の各多重・分離変換盤はBLSR方式に変換されたが、動作はUPSR方式の動作に設定されている。そこで、各多重・分離変換盤をBLSR方式のシステム動作に設定し直す。つまり、UPSR方式用に設定されていたリングスイッチ(SW)やリングブリッジ(BR)をBLSR方式用の設定に変更する。ただし、回線設定は未だUPSR方式のままである。
【0038】
図10は、図5のステップS7〜S10に対応するものであり、BLSR方式の動作をする各多重・分離変換盤に対して行われた回線再配置後の信号の流れを示す。この回線再配置は、図3の監視制御盤9の指令に基づき行われる。
【0039】
つぎに、図5のステップS2に示した監視制御盤をUPSR方式からBLSR方式に交換する方法について、図11〜図13を参照して説明する。なお、UPSR方式の監視制御盤1haおよびBLSR方式の監視制御盤9は、詳しくは、揮発性メモリ(RAM)搭載の監視制御盤と不揮発性メモリ(EPROM)搭載の監視制御盤との2つからそれぞれ構成される。前者は上位の監視制御装置に接続され、後者は多重・分離変換盤に接続される。
【0040】
まず図11に示すように、UPSR方式の監視制御盤1haがBLSR方式の監視制御盤9に交換される前には、揮発性メモリ(RAM)搭載の監視制御盤25と不揮発性メモリ(EPROM)搭載の監視制御盤26とがUPSR方式の各種設定情報を互いのメモリに共有している。なお、監視制御盤25,26はともにCPUとUPSR方式の動作用のソフトウェアを格納したROMとを備えている。監視制御盤26のEPROMは、各種設定情報のバックアップ用に使用される。
【0041】
つぎに、図12に示すように、UPSR方式の監視制御盤25が、BLSR方式の揮発性メモリ(RAM)搭載の監視制御盤27に交換される。この際に、監視制御盤26のEPROMに格納されたUPSR方式の各種設定情報が監視制御盤27のRAMに書き込まれる。なお、監視制御盤27はCPUとBLSR方式の動作用のソフトウェアを格納したROMとを備えている。
【0042】
最後に、図13に示すように、UPSR方式の監視制御盤26が、BLSR方式の不揮発性メモリ(EPROM)搭載の監視制御盤28に交換される。この際に、監視制御盤27のRAMに格納されたUPSR方式の各種設定情報が監視制御盤28のEPROMに書き込まれる。なお、監視制御盤28はCPUとBLSR方式の動作用のソフトウェアを格納したROMとを備えている。
【0043】
かくして、BLSR方式の監視制御盤27,28は、UPSR方式の監視制御盤25,26の各種設定情報を引き継ぎ、互いのメモリで共有し、BLSR方式のソフトウェア内のUPSRモードで動作する。
【0044】
つぎに、UPSR方式のリング光伝送システムを運用中にBLSR方式に移行させる第2の手順を説明する。第2の手順は、第1の手順に比べ、交換作業者によるリング周回の回数を減らしたものである。
【0045】
図14は第2の手順を示すフローチャートである。以下、図中のステップ番号に沿って説明する。
〔S11〕まず、図1のノード1のパススイッチ1gを一方側、例えば光ファイバ5a〜5dに係る多重・分離変換盤1bからの分離信号を選択する側に切り替える。そしてノード1のUPSR方式の監視制御盤1ha(図2)を、図3のBLSR方式の監視制御盤9に交換する。
【0046】
〔S12〕図1のノード1のUPSR方式の多重・分離変換盤1eを、図3に示すBLSR方式の第1の多重・分離変換盤8に交換する。ただし、第1の多重・分離変換盤8の動作を、図4に示すようなUPSR方式のシステム動作にしておく。上記ステップS11の実行によるパススイッチ1gの切替によりUPSR方式の多重・分離変換盤1eは予備側になっているので、回線の運用中でも交換が可能である。
【0047】
〔S13〕つぎに、図1のノード1パススイッチ1gを他方側、例えば光ファイバ6a〜6dに係る多重・分離変換盤1eからの分離信号を選択する側に切り替える。
【0048】
〔S14〕図1のノード1のUPSR方式の多重・分離変換盤1bを、図3に示すBLSR方式の第2の多重・分離変換盤7に交換する。ただし、第2の多重・分離変換盤7の動作を、図4に示すようなUPSR方式のシステム動作にしておく。上記ステップS13の実行によるパススイッチ1gの切替によりUPSR方式の多重・分離変換盤1bは予備側になっているので、回線の運用中でも交換が可能である。
【0049】
〔S15〕上記ステップS11〜S14をノード2〜4に対しても繰り返し実行し、全ノードに対する実行が完了したならばステップS16へ進む。
〔S16〜S20〕図5に示すS6〜S10とそれぞれ同じ内容であるので説明を省略する。
【0050】
以上のように、第2の手順では、上記ステップS15からステップS16へ進む段階までに交換作業者はリングを1周するだけでよいので、合計2回のリング周回で済む。ただし、第2の手順では、ステップS11およびステップS13においてノードのパススイッチを切替え、これを各ノードで行うため、送信信号の瞬断がシステム全体で4N回(Nはノードの数)発生する。したがって、リング周回の点では第2の手順が優れ、送信信号の瞬断では第1の手順が優れている。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、パススイッチによって予備側に位置させたUPSR方式の多重・分離変換盤をBLSR方式の多重・分離変換盤に交換すると同時に、交換されたBLSR方式の多重・分離変換盤をUPSR方式で動作させておく。システムのすべての多重・分離変換盤がBLSR方式に交換された時点で、すべての多重・分離変換盤をBLSR方式のシステム動作に移行させ、さらに回線設定をUPSR方式からBLSR方式に変換する。
【0052】
これにより、回線のインサービスのまま、UPSR方式で構築されていたリング伝送システムをBLSR方式に移行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】UPSR方式のノードの内部構成を示すブロック図である。
【図3】BLSR方式のノードの内部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すBLSR方式のノードが、UPSR方式でシステム動作した場合を示す図である。
【図5】UPSR方式のリング光伝送システムを運用中にBLSR方式に移行させる第1の手順を示すフローチャートである。
【図6】リング光伝送システムがUPSR方式からBLSR方式へ移行する途中の第1段階を示す図である。
【図7】リング光伝送システムがUPSR方式からBLSR方式へ移行する途中の第2段階を示す図である。
【図8】リング光伝送システムがUPSR方式からBLSR方式へ移行する途中の第3段階を示す図である。
【図9】リング光伝送システムがUPSR方式からBLSR方式へ移行する途中の第4段階を示す図である。
【図10】リング光伝送システムがUPSR方式からBLSR方式へ移行する途中の第5段階を示す図である。
【図11】監視制御盤がUPSR方式からBLSR方式に交換される途中の第1段階を示す図である。
【図12】監視制御盤がUPSR方式からBLSR方式に交換される途中の第2段階を示す図である。
【図13】監視制御盤がUPSR方式からBLSR方式に交換される途中の第3段階を示す図である。
【図14】UPSR方式のリング光伝送システムを運用中にBLSR方式に移行させる第2の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1〜4 ノード(局)
1a 光受信部(OR)
1b 多重・分離変換盤
1c 光送信部(OS)
1d 光受信部(OR)
1e 多重・分離変換盤
1f 光送信部(OS)
1g パススチッチ
1h 制御盤
5a〜5d 光ファイバ
6a〜6d 光ファイバ
Claims (6)
- UPSR(Uni-directional Path Switched Ring)方式のリング伝送システムを運用中にBLSR(Bi-directional Line Switched Ring) 方式に移行させるリング伝送システムの異方式移行方法において、
(1)UPSR方式の制御盤をBLSR方式の制御盤に置き換え、
(2)パススイッチを一方向に切替えて他方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤をBLSR方式の第1の多重・分離変換盤に置き換えると同時に、前記第1の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせ、
(3)前記パススイッチを前記他方向に切替えて前記一方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤をBLSR方式の第2の多重・分離変換盤に置き換えると同時に、前記第2の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせ、
(4)前記第1の多重・分離変換盤および前記第2の多重・分離変換盤にBLSR方式の動作を行わせ、
(5)前記第1の多重・分離変換盤および前記第2の多重・分離変換盤に設定されている回線配置をUPSR方式からBLSR方式へ変更する、
ことを特徴とするリング伝送システムの異方式移行方法。 - 前記ステップ(1)は、
(1a)不揮発性メモリを備えたUPSR方式の第1の監視制御盤の前記不揮発性メモリに蓄えられた各種設定情報を、揮発性メモリを備えたBLSR方式の第2の監視制御盤の前記揮発性メモリに書き込み、
(1b)前記第2の監視制御盤の前記揮発性メモリに書き込まれた各種設定情報を、BLSR方式の第3の監視制御盤の不揮発性メモリに書き込み、
(1c)前記第3の監視制御盤の前記不揮発性メモリに書き込まれた各種設定情報を、BLSR方式の第4の監視制御盤の揮発性メモリに書き込む、
というステップを含むことを特徴とする請求項1記載のリング伝送システムの異方式移行方法。 - 前記ステップ(2)は、
各ノードのパススイッチを同一の一方向に切替えて同一の他方向に位置するUPSR方式の前記各ノードの多重・分離変換盤をBLSR方式の第1の多重・分離変換盤にそれぞれ置き換えると同時に、前記各第1の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせるステップであり、
前記ステップ(3)は、
前記各ノードの前記パススイッチを前記他方向に切替えて前記一方向に位置するUPSR方式の前記各ノードの多重・分離変換盤をBLSR方式の第2の多重・分離変換盤にそれぞえ置き換えると同時に、前記各第2の多重・分離変換盤にUPSR方式の動作を行わせるステップである、
ことを特徴とする請求項1記載のリング伝送システムの異方式移行方法。 - 前記ステップ(3)の後に、
(3a)前記ステップ(2)および前記ステップ(3)が実行されたノードとは別のノードに対して前記ステップ(2)および前記ステップ(3)を実行し、(3b)残りのノード全てに対して前記ステップ(2)および前記ステップ(3)の実行を繰り返す、
というステップを加えることを特徴とする請求項1記載のリング伝送システムの異方式移行方法。 - (6)前記パススイッチにより、前記第1の多重・分離変換盤および前記第2の多重・分離変換盤のうちの現用側の分離信号を選択する、
というステップを更に有することを特徴とする請求項1記載のリング伝送システムの異方式移行方法。 - UPSR(Uni-directional Path Switched Ring)方式から運用中にBLSR(Bi-directional Line Switched Ring) 方式に移行される伝送装置において、
UPSR方式の制御盤に代わって置き換えられるBLSR方式の制御盤と
パススイッチが一方向に切替えられたときに、他方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤に代わって置き換えられると同時に、UPSR方式の動作を行わされるBLSR方式の第1の多重・分離変換盤と、
前記パススイッチが前記他方向に切替えられたときに、前記一方向に位置するUPSR方式の多重・分離変換盤に代わって置き換えられると同時に、UPSR方式の動作を行わされるBLSR方式の第2の多重・分離変換盤と、
前記第1の多重・分離変換盤および前記第2の多重・分離変換盤にBLSR方式の動作を行わさせる動作制御手段と、
前記第1の多重・分離変換盤および前記第2の多重・分離変換盤に設定されている回線配置をUPSR方式からBLSR方式へ変更する変更手段と、
を有することを特徴とする伝送装置。
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