JP3640561B2 - スピンコート法による薄膜の形成装置及び形成方法 - Google Patents

スピンコート法による薄膜の形成装置及び形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゾルゲル法などで知られる塗布液を、基板、特に車両用窓ガラス等に用いられる大サイズのガラス基板へ塗布する場合に、均一性の優れた膜厚を形成できるスピンコート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板や樹脂板等の基板に薄膜を形成する方法として、フローコート法、ロールコート法、ディッピング法、およびスピンコート法等の各種の方法が良く知られている。
【0003】
まず、フローコート法による成膜方法は、基板の片面に塗膜を形成することができるが、常に多量の塗布液を循環させる必要があり、塗布液の溶質濃度が増し粘度増加などの経時変化を起こし易いという問題点があった。
【0004】
また、ロールコート法による成膜方法は、前記フローコート法と同様に、基板の片面に塗膜を形成することができるが、ロールと基板の接触度合い(ギャップ)の調整が非常に困難であるため、大きいサイズの基板では膜厚のバラツキが大きく、膜厚の均一な膜、例えば成膜面内の膜厚分布を目標値の±10%以内に抑えるのは困難であり、例えば光学薄膜などの形成には不適切であるという問題点があった。
【0005】
さらに、ディッピング法による成膜方法は膜厚の制御が非常に優れ、例えばサブミクロンオーダー以下での膜厚制御が可能な方法として一般によく知られているが、常に基板の両面に成膜されてしまい、片面のみに成膜する場合には非成膜面をマスキングする必要があり、作業が煩雑となりコスト高になりやすいという問題点があった。
【0006】
さらにまた、スピンコート法による成膜方法は、回転する基板の中心付近上部より溶液を滴下して、遠心力により基板上の溶液を外周方向に伸展させ、揮発成分を蒸発させることにより、均一な薄膜を形成させるものであり、半導体の分野で、フォトレジスト膜を形成するのに広く用いられている。しかし、基板のサイズ形状が小径の円板状(例えば30cmφ以下)であれば好適な方法であるが、基板の形状が矩形の場合や、そのサイズが1m×1mを超えるような大サイズの基板の場合には、成膜面内の膜厚の均一性は、特に周辺部になるほど悪くなり、基板の全面積に対する塗布面の許容範囲内の膜厚となる有効面積が小さいという問題点があった。
【0007】
例えば、特開平3−65530号公報には、ガラス表面を10〜60゜の範囲に傾斜した状態で、スピンコート法により塗布することが記載されている。
【0008】
また、特開平5−212340号公報には、スピンコート法による膜厚のバラツキ回避手段、および飛散液が基板の裏面へ侵入することの回避に有利な手段として、回転式成膜装置が開示されている。
【0009】
さらに、本出願人による先の出願である特開平9−234415号公報には、スピンコート法によってゾルゲル薄膜を形成する方法として、塗布被膜域(高速スピン回転)で被膜化した後に、レベリング域(スピン回転停止)で、スピン回転を30rpm以下の低速で塗布液をレベリングし、乾燥促進域(低速スピン回転)において、50rpmの低速回転で、塗膜の乾燥促進を行い、膜厚を均一化させることが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平3−65530号公報に記載のものは、基板のサイズが大サイズとなった場合、膜厚の均一性の高い被膜を得るためには採用し難いものでる。
【0011】
また、特開平5−212340号公報に記載のものは、基板ホルダの外周に吸引管を設ける必要がある等、装置が複雑であり、基板の形状が円形の場合には有効であるものの、矩形の基板の場合には必ずしも有効であるとは言い難い。
【0012】
さらに、本出願人による特開平9−234415号公報に記載のものは、スピンコート法による成膜装置の特徴についての記載はない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点の解決を図る、すなわち簡易な構成にして自動車等の窓ガラス等の比較的大サイズのガラス基板に、ゾルゲル法などで知られる塗布液を均一に塗布することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、スピンコート法により車両用窓ガラスに用いられる矩形状のガラス基板上面にゾルゲル薄膜を形成する装置において、上部側に開口部を有し、基板を水平姿勢で収納可能な略円筒形状の本体容器部と蓋部からなる塗布容器と、前記本体容器部内の基板支持体上に基板を載置し、前記基板を支持固定する支持手段を水平回転させる回転手段と、蓋部の中心付近に塗布液と雰囲気ガスを取り込む為の開口孔を設け、本体容器部内に載置した基板上面に塗布液を滴下させる塗布液供給手段と、前記塗布容器内の周囲側面部に、塗布容器内の基板と蓋部間の雰囲気ガスを吸引排出させる排気手段とからなり、
該排気手段の排気ダクトの排気口は、排気口の中心位置が、基板の支持面からの高さより0〜250mm上方とし、排気の方向が、塗布容器の外周の相対向する少なくとも2方向であり、基板のスピン回転により描く円の接線方向かつ回転方向になるように設置し、乱気流の発生を抑制し、基板上に均一な薄膜を形成させるようにしたことを特徴とするスピンコート法による薄膜の形成装置である。
あるいは、本発明は、上述のスピンコート法による薄膜の形成装置を用いて基板上面にゾルゲル薄膜を形成する方法において、開口部より塗布供給手段により塗布液の供給と、クリーンな空気、Arガス、またはCO ガスからなる雰囲気ガスの取り込み行い、略水平姿勢で回転する基板の上面中心部付近に塗布液を滴下させるとともに、基板のスピン回転により描く円の接線方向かつ回転方向になるように設けた排気口から基板と蓋部間の雰囲気ガスを吸引排気し、基板の回転により発生する乱気流を抑制することを特徴とするスピンコート法による薄膜の形成方法である
あるいは、本発明は、基板上面に有効塗膜比97%以上の均一な薄膜を形成し、かつ基板下面への塗布液の裏まわりによる付着を防止させるようにしたことを特徴とする上述のスピンコート法による薄膜の形成方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の成膜装置1は、図2示すように上部側に開口部を有し、該開口部よりガラス板等の基板Gを水平姿勢で収納可能な略円筒形状の本体容器部11、および、該本体容器部11の上部開口部に着脱自在な蓋部15を載置した塗布容器10を備えている。
【0015】
前記本体容器部11内には水平姿勢の基板Gを基板支持体21上に載置し、かつ基板Gの下面を吸着固定する吸着パッド23を有する支持手段20と、前記基板Gを支持固定する支持手段20の中心部を回転軸として水平に回転させる回転手段30と、前記蓋部15の中心付近に塗布液と雰囲気ガスを取り込む為の開口孔15aを設け、本体容器部11内に載置した基板G上面に塗布液を滴下させる塗布液供給手段40を設ける。
【0016】
前記塗布容器10は、本体容器部11と蓋部15からなり、該本体容器部11は、断面が凹状で上部側に開口部を有する略円筒形状であり、内側底部の中心に円錐形状の傾斜部11aを設け、さらに内側底部周囲部には基板から流れ落ちた塗布液を回収する液溜め溝13を設け、液溜め溝13の底部には液溜め溝13から塗布液を排出させる余剰液排出口12を設け、該余剰液排出口12には開閉コックを設けた。
【0017】
一方、蓋部15は、その中心に開口孔15aを設け、該開口孔15aより塗布液供給手段により供給される塗布液と、雰囲気ガスの取り込みを行う。
【0018】
また、前記支持手段20は、前記本体容器部11内で基板Gを水平姿勢で支持する基板支持体21と、該基板支持体21の略中央部に設けた孔部22内に吸着パッド23を設け、該吸着パッド23で基板支持体21上の基板Gの下面を吸着して固定する。
【0019】
さらに、前記回転手段30は、前記基板Gを支持する基板支持体21の下方に回転軸31を設け、駆動モーター32の回転を駆動ベルト33によって前記回転軸31に伝達し、支持手段20によって支持固定された基板Gを回転させるものである。
【0020】
さらにまた、塗布液供給手段40は、図示しないタンク内の塗布液を図示しない供給ポンプによって供給配管44とバルブ45を経由して、前記蓋部15の中心に設けた開口孔15aより塗布液を滴下させ、本体容器部11内に載置した基板Gの上面側のほぼ中心付近に塗布液を滴下させる。
【0021】
該塗布液供給手段40は図1および図2に示すように、塗布容器10の中心部に塗布液を供給するために、供給アーム旋回軸42を旋回中心として旋回する供給アーム41を設け、該供給アーム41に供給配管44とバルブ45を固定させて、基板Gの搬出入に伴う蓋部15の開閉時に、供給アーム41等を旋回自在とさせて、邪魔にならないようにした。
【0022】
さらに、前記塗布容器10内の周囲側面部に、図1に示すように塗布容器10内の雰囲気ガスを排出させる排気手段50を設け、前記排気手段50は、前記塗布容器10の内側周囲側面部に塗布容器10内の雰囲気ガスを排出させる排気口51を相対向する少なくとも2箇所、図1の実施例では4カ所に設ける。塗布容器10内の雰囲気ガスを排出させる排気口51、51、・・の排気方向は、基板Gのスピン回転により描く円の接線方向、かつ基板Gの回転する進行方向側に向けて設置したことにより、基板Gの回転による塗布容器10内の気流の乱れを抑制し、基板G上の塗布液の伸展時や被膜風乾時に気流の乱れなどの悪影響を与えず、均一な厚みの薄膜を形成させるようにした。
【0023】
また、排気口51、51、・・からの排気は排気ダクト52、52、・・を経由して図示しない排気ファンにより塗布容器10外に排出される。
【0024】
また好ましくは、前記排気手段50の排気口51、51、・・の高さ位置は、基板の支持面の高さ位置より相対的に0〜250mm上方位置に設け、基板Gの回転により発生する乱気流を抑制し、かつ図3に示すように、基板Gの下面への塗布液の付着欠陥である裏まわり8を防止した。
【0025】
続いて、本発明の装置の使用方法、作用について説明する。
【0026】
まず、塗布容器10の蓋部15を取り外した状態で、本体容器部11内の基板支持体21上に基板Gを載置し、吸着パッド23にて吸着させて支持固定させる。続いて蓋部15を本体容器部11上に載置させて、塗布液供給手段40の供給アーム41の先端を前記蓋部15の中央付近に設けた開口孔15aに合わせる。
【0027】
回転手段30により基板Gを回転させ、塗布液を前記開口孔15aより供給し、基板Gのほぼ中央部付近に滴下させると、基板G上の塗布液は遠心力によって外側方向に広がりながら成膜され、基板の端部位置にて余剰の塗布液は落下し、円錐状の傾斜部を通って液溜め溝13内に溜まっていく。
【0028】
また、蓋部15の中央に設けた開口孔15aから、塗布液と共に取り込まれた雰囲気ガスは、基板Gの回転により基板Gと蓋部15間において乱気流となるが、前記塗布容器10の内側周囲側面部に相対向する少なくとも2箇所、図1の場合は、4カ所に排気口51、51、・・を設け、さらに、該排気口51、51、・・の排気方向を、基板Gのスピン回転により描く円の接線方向、かつ基板Gの回転する進行方向側に設置し、排気口51、51、・・から、雰囲気ガスを吸引排気することにより、基板Gの回転による塗布容器10内の気流の乱れが抑制され、基板G上で流れ広がる塗布液の伸展時や被膜風乾時に気流の乱れなどの悪影響を与えず、有効塗膜比97%以上の均一な厚みの薄膜が形成される。
【0029】
また、本体容器部11内の排気口51、51、・・の高さと成膜用基板Gを支持する基板支持体21の上部面との距離aは0〜250mm程度が好ましい。250mmを越えると、一例として300〜400mmでも本発明による効果は発揮できるが、成膜基板Gの塗布容器10内への取付、取外しが手作業で行われる場合において操作性が大幅に低下するという問題が発生する。
【0030】
本発明の成膜装置1の塗布容器10の内壁と基板Gの回転外周の距離b(図2参照)は、特に限定されるものではないが、50mm以上500mm以下であることが好ましい。50mm以下等の側壁に接近した距離の場合、塗布容器10の内壁からの塗布液の跳ね返りが成膜面に付着することがあり好ましくない。また、距離が離れすぎた場合、つまり基板Gが小さすぎるような場合には、全体の吸排気容量にも関係するが、概して吸排気による効果は低減する。
【0031】
このように、排気手段50の排気口51と基板Gを支持する基板支持体21との相対的な高さ位置、および排気口51の排気方向を調整し、基板Gを回転させたときに発生する乱気流を抑止し、基板Gの片面に有効面積97%以上の均一な薄膜を容易に成膜することができ、また、下面への塗布液の裏まわりを防ぐことができる。
【0032】
本発明は、アルコキシドからなるゾル液をスピンコート法により塗布する湿式成膜法において、ことに大サイズの矩形基板Gにおける片面成膜に有効な成膜装置であり、例えば膜厚が200nm程度以下の撥水ガラスの下地層、低反射ガラスの酸化物薄膜、光触媒膜、紫外線遮蔽膜、保護膜などの各種機能性薄膜の形成に有効である。なお、基板の形状は矩形に限定されるものではなく、円形や楕円形においても膜厚の均一性や塗布液の裏まわり防止などの効果が得られることは言うまでもない。
【0033】
雰囲気ガスとしては、クリーンな空気をはじめとしてArガス、CO2ガスでも良い。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0035】
尚、実施例および比較例における膜付きガラスの評価方法については以下の通りである。
【0036】
まず、目視外観検査としては、白色蛍光灯下で成膜面の反射像(干渉色の変化)の目視検査と、非成膜面(下面)への塗布液の裏まわりの目視検査である。また、膜厚測定については、DEKTAK3030(Sloan社製)を用いてガラス面内膜厚を測定した。
[実施例1]
図1、図2に示すように、排気手段50として、排気口51を4カ所設け、該排気口51、51、・・から吸引し、排気ダクト52、52、・・通じて排気し、また各排気口51の位置が基板支持体21の上面から、約150mm上方となるよう設置して成膜した。
【0037】
基板Gは、大きさ約1880mm×900mmの大サイズの矩形で、厚さ3.5mmのグリーン系色調フロートガラスを用い、三井金属工業製ミレーク(商品名:A+B):水=1:100(wt%)なる懸濁液とブラシポリッシャーで研磨後、十分水洗した。
【0038】
塗布液は次のものを用いた。すなわち、テトラエトキシシラン〔Si(OC254:TEOS〕の重合ゾルとアセチルアセトンで安定化したテトラブトキシチタン〔Ti(O−Bu)4〕との混合ゾルを、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、エタノールのアルコール溶媒を加え、固形分濃度として酸化物換算で約5Wt%になるまで希釈したものをゾルAとした[例えば、東芝シリコーン(株)製、CG19Ti−1]。
【0039】
また、メチルトリメトキシシラン〔CH3Si(OCH33:MTMS〕の重合ゾルにイソプロピルアルコール(IPA)を加え、固形分濃度として酸化物換算で約20Wt%になるまで希釈したものをゾルBとした[例えば、東芝シリコーン(株)製、MTS−2]。
【0040】
上記ゾルA20gとゾルB20g、n−ブタノール50gの計90gの混合ゾルを約3時間密栓攪拌した後、イソプロピルアルコール324gとn−ブタノール36gの混合系溶媒で希釈して塗布液を得た。
【0041】
成膜は基板支持体21に被膜用ガラス基板Gをセットし、スピン成膜条件としては、先ず、塗布被膜域(高速スピン回転)において、スピン回転を開始し、回転速度が150rpmで3秒後、上記塗布液を180ml程度滴下し、15秒回転速度を維持し被膜化した。
【0042】
続いてレベリング域(スピン回転停止)において、被膜化した塗布液が渇きはじめて流動性を失う前に、スピン回転を30rpm以下の低速で30秒間回転させて塗布液をレベリングせしめ、乾燥促進域(低速スピン回転)において、再度スピン回転を始め、50rpmの低速回転で60秒間維持し、塗膜の乾燥促進を行い、成膜性の良好なゲル膜を得た。ここで、塗布時の条件は、雰囲気温度、湿度:25℃、55〜58%RH、塗布液の温度:25℃(雰囲気温度と同じ)とした。
【0043】
次に、該ゲル膜付きガラス基板Gを約250℃で約30分間焼成を行った。なお、膜厚の測定は、さらに620〜660℃の加熱処理後に行った。図3に、得られた薄膜の外観の典型例と膜厚の測定点の位置(×印)を示す。
【0044】
図3において、符号Gはガラス基板、符号5はフリンジ部(光の干渉などによる縞模様部分)であり成膜不良を示し、符号6は回転中心部、符号7は膜厚の測定点(9カ所)、符号8は非成膜面への塗布液の付着(裏まわり)、符号9は膜ムラを示す。
【0045】
ここで、有効塗膜比をガラス基板面積に占める良好な成膜部分の面積比とした。
【0046】
得られた薄膜の外観を図4(イ)に、膜厚分布を図4(ロ)に示す。
【0047】
この結果から明らかなように、フリンジ部分5が極めて小さく、有効塗膜比は97.0%で、膜ムラや白濁などの欠陥もなかった。また、非成膜面(裏面)への塗布液の付着欠陥である裏まわりも認められなかった。さらに、膜厚測定点9点での膜厚分布も92±3nm(±3.3%)であり、ディッピング法に匹敵する優れた膜厚の均一性が得られた。
[実施例2]
対角の2方に排気口51、51を設けた排気ダクト52、52から吸引排気し、各排気ダクト52の開口部である排気口51の位置が基板支持体21の上面から150mm上方となるように設置し、それ以外の条件はすべて実施例1と同じとして成膜した。
【0048】
得られた薄膜の外観を図5(イ)に、膜厚分布を図5(ロ)に示す。
【0049】
この結果から明らかなように、フリンジ部分5が少なく、有効塗膜比は97.3%であり、膜ムラや白濁などの欠陥もなかった。
【0050】
また、非成膜面(裏面)への塗布液の付着欠陥である裏まわり8も認められなかった。膜厚測定点9点での膜厚分布は91±3nm(±3.3%)であり、ディッピング法で得られる成膜性に匹敵するものであった。
[実施例3]
4方に排気口51、51、・・を設けた排気ダクト52、52、・・から吸引排気し、各排気ダクト52の開口部である排気口51の位置が基板支持体21の表面から約250mm上方となるように設置し、塗布液をより薄い被膜用のものに変更して成膜した。
【0051】
塗布液は、チッソ(株)製CSG−DI−0600(シリカ溶質濃度6Wt%)をエキネンF1(2−プロパノール/エタノール=10/90混合溶媒)で4Wt%に希釈して用いた。なお、塗布時の雰囲気温湿度は24℃、50%RHとした(塗布液温度は雰囲気と同じ)。その他の条件は実施例1と同じにした。
【0052】
得られた薄膜の外観を図6(イ)に、膜厚分布を図6(ロ)に示す。
【0053】
この結果から明らかなように、有効塗膜比が97.0%であり、膜ムラなどの欠陥もなかった。また、非成膜面(裏面)への塗布液の裏まわりも認められなかった。さらに、膜厚測定点9点での膜厚分布も32±2nm(±1.5%)と良好であった。
[比較例1]
スピン回転方向を排気ダクト52の開口部である排気口51による吸引排気の方向と逆方向に回転させ、その他の条件は実施例1と同じとして成膜した。
【0054】
得られた薄膜の外観を図7(イ)に、膜厚分布を図7(ロ)に示す。
【0055】
この結果から明らかなように、フリンジ部分5が非常に大きくなり、有効塗膜比は58.0%と小さくなった。また、膜厚測定点9点での膜厚は中心部の85nmから最大125nm程度と均一性は大きく低下した。また、非成膜面への塗布液の付着である裏まわり8も周囲、特に四隅に多く認められ、実用に供する品質レベルのものではなかった。
[比較例2]
図示しない排気ファンを停止し、排気ダクト52の開口部である排気口51から吸引排気せず、その他の条件は実施例1と同じとして成膜した。
【0056】
得られた薄膜の外観を図8(イ)、膜厚分布を図8(ロ)に示す。
【0057】
この結果から明らかなように、フリンジ部分5が大きくなり、かつ膜ムラ9が成膜面全体に認められ、有効塗膜比は実質上ほぼゼロであった。膜厚測定点9点での膜厚分布は中心部の95nmから最大125nm程度と均一性は低下し、実用に供する品質レベルのものではなかった。
[比較例3]
排気ダクト52の開口部である排気口51の位置が支持体表面から50mm下方となるように設置し、その他の条件は実施例1と同じとして成膜した。
【0058】
得られた薄膜の外観を図9(イ)、膜厚分布を図9(ロ)に示す。
【0059】
この結果から明らかなように、有効塗膜比は97.0%と大きかったものの、非成膜面(裏面)への塗布液の付着欠陥である裏まわり8が非常にひどく、実用に供する品質レベルではなかった。
【0060】
以上に説明した実施例1〜3、および比較例1〜3について、まとめたものを表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0003640561
この結果、実施例1〜3で説明したものは、いずれも成膜部分の状態が良好であり、非成膜面(裏面)への塗布液の付着(裏まわり)を防止でき、測定点9点における膜厚分布も均一であり、有効塗膜面積が97%以上の薄膜を形成できることがわかる。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、スピンコート法によって、塗布液を車両の窓ガラスのような特に大サイズな基板の片面のみに塗布する場合において、成膜装置により基板を回転させたときに発生する乱気流を抑止し、基板の片面に均一な膜厚の薄膜を形成でき、膜ムラや白濁もなく、フリンジ部分も極めて少なく、また、非成膜面(裏面)への塗布液の付着(裏まわり)を防止でき、有効塗膜面積が97%以上の均一薄膜を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成膜装置の平面図。
【図2】本発明の成膜装置の側面図。
【図3】成膜後の薄膜の外観の典型例と膜厚の測定位置を示す図。
【図4】(イ)、(ロ)はそれぞれ実施例1で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【図5】(イ)、(ロ)はそれぞれ実施例2で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【図6】(イ)、(ロ)はそれぞれ実施例3で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【図7】(イ)、(ロ)はそれぞれ比較例1で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【図8】(イ)、(ロ)はそれぞれ比較例2で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【図9】(イ)、(ロ)はそれぞれ比較例3で得られた薄膜の外観図と薄膜の膜厚分布図。
【符号の説明】
G 基板
1 成膜装置
2 架台
5 フリンジ部
6 回転中心部
7 膜厚測定点
8 裏まわり
9 膜ムラ
10 塗布容器
11 本体部
11a 傾斜部
12 余剰液排出口
13 液溜め溝
15 蓋部
15a 開口孔
20 支持手段
21 基板支持体
22 孔部
23 吸着パッド
30 回転手段
31 回転軸
32 駆動モーター
33 駆動ベルト
40 塗布液供給手段
41 供給アーム
42 供給アーム回転軸
44 供給配管
45 バルブ
50 排気手段
51 排気口
52 排気ダクト
53 排気ファン

Claims (3)

  1. スピンコート法により車両用窓ガラスに用いられる矩形状のガラス基板上面にゾルゲル薄膜を形成する装置において、上部側に開口部を有し、基板を水平姿勢で収納可能な略円筒形状の本体容器部と蓋部からなる塗布容器と、前記本体容器部内の基板支持体上に基板を載置し、前記基板を支持固定する支持手段を水平回転させる回転手段と、蓋部の中心付近に塗布液と雰囲気ガスを取り込む為の開口孔を設け、本体容器部内に載置した基板上面に塗布液を滴下させる塗布液供給手段と、前記塗布容器内の周囲側面部に、塗布容器内の基板と蓋部間の雰囲気ガスを吸引排出させる排気手段とからなり、
    該排気手段の排気ダクトの排気口は、排気口の中心位置が、基板の支持面からの高さより0〜250mm上方とし、排気の方向が、塗布容器の外周の相対向する少なくとも2方向であり、基板のスピン回転により描く円の接線方向かつ回転方向になるように設置し、乱気流の発生を抑制し、基板上に均一な薄膜を形成させるようにしたことを特徴とするスピンコート法による薄膜の形成装置。
  2. 請求項1記載のスピンコート法による薄膜の形成装置を用いて基板上面にゾルゲル薄膜を形成する方法において、開口部より塗布供給手段により塗布液の供給と、クリーンな空気、Arガス、またはCO ガスからなる雰囲気ガスの取り込み行い、略水平姿勢で回転する基板の上面中心部付近に塗布液を滴下させるとともに、基板のスピン回転により描く円の接線方向かつ回転方向になるように設けた排気口から基板と蓋部間の雰囲気ガスを吸引排気し、基板の回転により発生する乱気流を抑制することを特徴とするスピンコート法による薄膜の形成方法。
  3. 基板上面に有効塗膜比97%以上の均一な薄膜を形成し、かつ基板下面への塗布液の裏まわりによる付着を防止させるようにしたことを特徴とする請求項2記載のスピンコート法による薄膜の形成方法。
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