JP3640525B2 - 放熱スペーサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高柔軟性を有し、電子機器に組み込んでも発熱性電子部品に対する負荷の小さい放熱スペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタ、サイリスタ等の発熱性電子部品においては、使用時に発生する熱の除熱が重要な課題となっている。従来、その除熱は、発熱性電子部品を電気絶縁性の熱伝導性シートを介して放熱フィンや金属板に取り付けることによって行われており、その熱伝導性シートとしてはシリコーンゴムに窒化硼素、アルミナ等の熱伝導性フィラーの充填された放熱シートが主に使用されている。
【0003】
一方、最近の電子機器の高密度化、小型軽量化に伴い、放熱フィン等を取り付けるスペースがない場合や、電子機器が密閉されていて放熱フィンから外部への放熱が困難な場合においては、発熱性電子部品から発生した熱を電子機器のケース等から直接伝熱する方式がとられている。この方式においては、発熱性電子部品とケースの間のスペースを埋めるだけの厚みを有する高柔軟性放熱スペーサーが用いられている。また、IC化やLSI化された発熱性電子部品がプリント基板に実装されている場合の放熱においても、プリント基板と放熱フィンとの間に高柔軟性放熱スペーサーが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、一般に使用されている放熱シートは、ショアー硬度が90以上と硬いために形状追従性が悪く、発熱性電子部品に密着させるために押圧すると応力に弱い発熱性電子部品は破損する問題があった。このような問題は、熱伝導性フィラーとして、窒化珪素粉末と酸化亜鉛粉末を併用してなる放熱シート(特開平2−20558号公報)においても、同様にあった。
【0005】
そこで、放熱シートよりも高柔軟な放熱スペーサーが開発されている。この放熱スペーサーにおいては、その高柔軟性を発現させるためには熱伝導性フィラーの充填量を少なくしなければならなかったので、熱伝導性は小さいものであった。従って、最近の高密度化された更なる高熱伝導性の要求される放熱スペーサーとしては適用できない場合もでてきた。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、高柔軟性でかつ高熱伝導性を有する放熱スペーサーの提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、平均粒子径0.3〜1μmの酸化亜鉛粉末:平均粒子径10〜50μmの窒化珪素粉末の体積比が0.5:9.5〜3:7である熱伝導性フィラー40〜60体積%と、付加重合型液状シリコーン固化物60〜40体積%とを含み、熱伝導率2W/m・K以上、アスカーC硬度50以下であることを特徴とする放熱スペーサーである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
【0009】
本発明で使用されるシリコーン固化物は、高柔軟性を有するものであり、付加重合型液状シリコーンの固化物である。この付加重合型液状シリコーンとしては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーン、または末端あるいは側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端あるいは側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどをあげることができる。このような付加重合型液状シリコーンの市販品としては、例えば東レダウコーニング社製、商品名「CY52−283A/B」等を例示することができる。放熱スペーサーの柔軟性は、付加反応によって形成される架橋密度、熱伝導性フィラー量等によって調整することができる。
【0010】
本発明の放熱スペーサー中のシリコーン固化物の含有量は40〜60体積%、好ましくは45〜55体積%である。40体積%未満では放熱スペーサーの柔軟性が十分でなくなり、また60体積%を越えると熱伝導性が低下する。
【0011】
本発明で使用される熱伝導性フィラーは酸化亜鉛と窒化珪素との混合粉末である。酸化亜鉛の平均粒子径は0.3〜1μm、好ましくは0.5〜0.9μmである。0.3μm未満ではスラリー粘度が高くなったり、硬化が阻害されたりするので好ましくない。また、1μmをこえると、目的とする熱伝導性が得られない。酸化亜鉛の製造法には、金属亜鉛から製造する方法、亜鉛鉱石から直接製造する方法、更には湿式による製造方法があるが、本発明においては、純度や表面活性の点から金属亜鉛から製造したものが望ましい。
【0012】
窒化珪素粉末は、金属シリコンの直接窒化法、シリカ還元窒化法、ハロゲン化ケイ素法等によって製造されたものが使用され、その平均粒子径は10〜50μm、好ましくは15〜30μmである。10μm未満では、シリコーンの硬化が阻害され、また50μmをこえると十分な熱伝導性が得られなくなる。
【0013】
酸化亜鉛粉末と窒化珪素粉末の割合は、体積比で、前者:後者が0.5:9.5〜3:7、好ましくは1:9〜2:8である。酸化亜鉛の割合がこれよりも少ないと熱伝導性が不十分となり、また多いとシリコーン固化物の硬化が阻害される。
【0014】
本発明の放熱スペーサーの熱伝導率は2W/m・K以上であることが好ましい。熱伝導率が2W/m・K未満では、十分な放熱特性が得られない。また、硬度は、アスカーC硬度で50以下であることが好ましい。アスカーC硬度が50をこえると、放熱スペーサーを発熱性電子部品に押しつけた際に、形状追従性が悪かったり、圧力がかかりすぎて発熱性電子部品を破損させたりする。
【0015】
本発明の放熱スペーサーを製造する方法の一例を示すと、一液性のシリコーン、または末端あるいは側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端あるいは側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンに、酸化亜鉛と窒化珪素の混合粉末を混合してスラリーを調製した後、それをフッ素樹脂やステンレスなどからなる型に流し込み、真空脱泡装置等にて脱泡した後、加熱してシリコーンを固化させ、冷却後型より外し、更に必要に応じて加熱処理を行う方法である。
【0016】
上記方法において、その成形方法は特に制限されないが、スラリーの流し込みによって製造する場合は、スラリー粘度は2万cps以下の低粘度であることが望ましく、また押出し法で製造する場合にはスラリー粘度は50万cps以上の粘度であることが望ましい。増粘に際しては、シリカ超微粉(例えばアエロジル)や十〜数百μmのシリコーンパウダー等が使用される。
【0017】
本発明の放熱スペーサーをシート状にした場合の厚みは、一般的には0.3〜20mm、好ましくは0.5〜6mmである。また、その平面ないし断面の形状は、特に制限はなく、例えば三角形、四角形、五角形等の多角形、円形、楕円形等である。また、その表面は球面状であってもよい。
【0018】
このような放熱スペーサーは、熱伝導性が大きく、また応力に対して非常に弱い発熱性電子部品に押しつけても発熱性電子部品が損傷する危険性が極めて小さい。また、発熱性電子部品が密集している場合においても形状追従が十分に行われる。従って、放熱フィンを取り付けるスペースがない場合や、電子機器が密閉されていて放熱フィンから外部への放熱が困難な場合においても、発熱性電子部品とケースの間に本発明の放熱スペーサーを埋め込むことによって、高度な放熱を行うことができる。
【0019】
更に、本発明の放熱スペーサーには、平均粒子径25μm以下のアルミナ粉末及び/又はマグネシア粉末を15体積%以下を含ませることによって、十分熱伝導性を保持した状態で、柔軟性を向上させることができる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例、比較例を挙げてさらに具体的に本発明を説明する。
【0021】
実施例1〜5 比較例1〜7
シリコーンA液(ビニル基を有するオルガノポリシロキサン)と、シリコーンB液(H−Si基を有するオルガノポリシロキサン)の二液性の付加重合型液状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「CY52−283」)と、表1に示される酸化亜鉛粉末等の無機質粉末を種々混合して得られた熱伝導性フイラーとを表2に示す割合で配合し、粘度約10万〜15万cpsのスラリーを調合した。これを、室温で真空脱泡した後、ステンレス製型(1mm×110mm×110mm)に充填し、プレス圧力100Kg/cm2 でプレス成形した。
【0022】
これを150℃で1時間加熱し、シリコーンを固化させてから型より取り外し、更に150℃で22時間加熱してシリコーン固化物(1mm×110mm×110mm)からなる放熱スペーサーを製造した。
【0023】
得られた放熱スペーサーについて、以下に従うアスカーC硬度と熱伝導率を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0024】
(1)アスカーC硬度
放熱スペーサーを数枚重ねて厚みを10mmとし、アスカーC硬度計にて測定した。
【0025】
(2)熱伝導率
放熱スペーサーをTO−3型銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、トルクレンチにより締め付けトルク200g−cmをかけてセットした後、銅製ヒーターケースに電力5Wをかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温度差(℃)を測定し、式〔温度差(℃)/電力 (W)〕により熱抵抗(℃/W)を求め、次いで、式〔厚み(m)/{熱抵抗(℃/W)×測定面積(m2 )}〕により、熱伝導率(Wm・K)を算出した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
表1〜2より、本発明の放熱スペーサーは、アスカーC硬度で50以下と柔軟性に優れており、しかも熱伝導率が2W/m・K以上と熱伝導性が良好なものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の放熱スペーサーは熱伝導性と柔軟性に優れているため、発熱性電子部品の搭載された回路基板に押しつけても応力が少なく、また高密度化され発熱性電子部品の搭載された回路基板にも良好な密着性を保った状態で放熱を行うことができる。
Claims (2)
- 平均粒子径0.3〜1μmの酸化亜鉛粉末:平均粒子径10〜50μmの窒化珪素粉末の体積比が0.5:9.5〜3:7である熱伝導性フィラー40〜60体積%と、付加重合型液状シリコーン固化物60〜40体積%とを含み、熱伝導率2W/m・K以上、アスカーC硬度50以下であることを特徴とする放熱スペーサー。
- 更に、平均粒子径25μm以下のアルミナ粉末及び/又はマグネシア粉末を合計で15体積%以下を含有してなることを特徴とする請求項1記載の放熱スペーサー。
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1998
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