JP3640407B2 - 電圧制御発振器およびディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電圧制御発振器に関し、特に光磁気ディスク装置にデータを正確に記録等する為に有用な遅延されたデータクロックの生成に最適な任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスク装置に高密度にデータを記録する方法として、磁界変調・レーザパルス照射による方法が知られている。この方法では、照射レーザパルスの発光のタイミングによりディスク上の記録ピットの位置が定まる。
【0003】
サンプルサーボ方式など外部クロックであるデータクロックを用いて光磁気ディスク上にデータを記録する際、ディスクフォーマット上の正確な位置に記録する為に、データクロックに正確な遅延位相を与えてレーザパルスの発光位置を設定する必要がある。また、磁界変調データも、レーザ発光のタイミングに合わせて位相設定を行う必要がある。
【0004】
これらの位相設定の際には、ディスクの熱応答による記録ピットの補正やレーザ駆動回路の遅延等の回路特性の補正の為に、任意に設定が可能なディレーラインが求められている。更に、光磁気ディスク使用時のディスク温度など環境要因の変化に対する補正などを考慮すると、このような任意に位相設定が可能なディレーラインは必須なものとなる。
更に、データ記録時の取り残しを、データ再生時に補正する必要も生じる。
【0005】
このようなデータクロックに対して与える遅延位相は、必要とする補正量が大きい場合を考慮すると、データクロックの1周期分までの範囲をカバーする必要がある。即ち、データクロック1周期tを、必要とする位相分解能に基づきNで分割した約t/Nずつ順次位相の遅延した複数個の一連のデータクロックの中から、任意に選択が可能なディレーラインが望まれる。
【0006】
(従来の回路構成例(1))
ここで、複数個の遅延素子を直列に接続して、夫々の遅延素子からの出力dを任意に選択することにより、所望の遅延位相のデータクロックDdck を得るディレーラインが考えられる。
この場合、図1に示すように、ディレーライン10は、複数個の遅延素子DL1 ,DL2 ,DL3 ,…,DL15と、データクロック選択回路(16者択一)2とを備えている。この遅延素子列の初段遅延素子DL1 に対し、データクロックDckが供給される。
【0007】
この選択回路2は、順次遅延された複数個のデータクロックd0,d1,d2,…,d14,d15の中から、4ビットのデータクロック選択信号Selにより特定の1つを選び出し遅延位相データクロックDdckとして出力するマルチプレクサ機能を有する。選択信号S el は、光磁気ディスク44(図5)の内周付近に設けられている試し書き領域に対する試し書きの結果に応じて、その光磁気ディスク44に適合した遅延量が決定され、その遅延量に対応した信号として生成されている。
図1に示す従来の回路例(1)では、後述する様な温度等の環境要因による各遅延素子の遅延量変化の累積が問題になる。
【0008】
(従来の回路構成例(2))
次に、この環境要因による各遅延素子の遅延量変化の累積の問題を解決した、内部にPLLを持つディレーラインが考えられる。図2に示すように、複数個の遅延量可変な遅延素子DL1 〜D16と、PLLを利用した位相を合わせ手段と、任意の段の遅延素子の出力クロックdを選択的に取り出すデータクロック選択回路2とを備えるディレーライン20である。この遅延素子列の初段遅延素子DL1 に対し、データクロックDckが供給される。
【0009】
位相合わせ手段として、位相比較器(PC)12、ループフィルタ(LPF)14及び電圧制御部(VC)16を有する。
このディレーライン20の構成によれば、位相合わせ手段を有しているので、初段入力クロックd0 と最終段出力クロックd16との位相が常時一致し、遅延素子DLの温度等の環境要因の変化による遅延量の変化が補償される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示すディレーライン10では、遅延素子の温度変化等の環境要因による遅延量の変化を補償することは出来ない為、遅延されたデータクロックの位相が設定値から異なってしまう。即ち、各遅延素子DL1 〜DL15の遅延量の変化が累積されるという問題点がある。図1の場合、仮に各遅延素子の温度特性が±1 [ nsec] あるとすると、最終の15段DL15まで通った出力データロックd15は、設定値に対して最大で±15[nsec]のズレとなる。
【0011】
図2に示すディレーライン20では、このデレーライン20が使用される光磁気ディスク装置全体を考慮すると、一般にその前段には図3に示すようなPLL回路22が有る為、このPLL回路22と(内部にPLLを持った)ディレーライン20(図2)との実質的に似たようなブロックが2系統となり重複し、回路規模が大きくなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
例えば、図6によれば、この発明に係る遅延位相クロックを出力する電圧制御発振器80は、入力電圧に応じて遅延量が制御され、互いに同じ特性を有する奇数個NのインバータInv1〜InvNがリング状に接続され、初段のインバータInv1の入力d0に対する最終段のインバータInvNの出力dNの遅延量がクロックDckの1/2周期分となるリングオシレータ80と、インバータの出力端子に現れる順次遅延されたクロックd1〜d15(d=0)が夫々供給され、入力される選択信号selに応じて、供給されたクロックのうちの1つを選択的に取り出すクロック選択回路90とを備え、クロック選択回路90は、選択信号selによって選択される遅延量の単調増加に対応して、先ず偶数番目(即ち、第2、4,6、・・・、N−1番目)のインバータの出力端子に現れるクロックd2、d4,d6、・・・、dN−1のうちの1つ順次選択され、次に奇数番目(即ち、第1、3,5、・・・、N番目)のインバータの出力端子に現れるクロックd1、d3,d5、・・・、dNのうちの1つ順次選択されることによって順次遅延された遅延位相クロックを出力する。
【0013】
また、例えば、図6によれば、この発明に係る遅延位相クロックを出力する電圧制御発振器80を用いてィスク44にデータを記録するィスク装置は、入力電圧に応じて遅延量が制御され、互いに同じ特性を有する奇数個NのインバータInv1〜InvNがリング状に接続され、初段のインバータInv1の入力d0に対する最終段のインバータInvNの出力dNの遅延量がクロックDckの1/2周期分となるリングオシレータ80と、各インバータの出力端子に現れる順次遅延されたクロックd1〜d15(d=0)が夫々供給され、選択信号selに応じて、供給されたクロックのうちの1つを選択的に取り出すクロック選択回路90とを備え、選択信号selは、ディスクに対する試し書きの結果に応じて決定される遅延量に対応して生成されるものであって、クロック選択回路90は、選択信号selによって選択される遅延量の単調増加に対応して、先ず偶数番目(即ち、第2、4,6、・・・、N−1番目)のインバータの出力端子に現れるクロックd2、d4,d6、・・・、dN−1のうちの1つ順次選択され、次に奇数番目(即ち、第1、3,5、・・・、N番目)のインバータの出力端子に現れるクロックd1、d3,d5、・・・、dNのうちの1つ順次選択されることによって順次遅延された遅延位相クロックを出力するものであり、選択信号selによってクロック選択回路90から発生される順次遅延された遅延位相クロックのうちの1つが選択される
【0014】
【作用】
この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器は、リングオシレータを形成する遅延素子の入力電圧を調節することにより遅延量を制御して、最終のN番目遅延素子の出力をリング状に初段遅延素子の入力とすることにより、各遅延素子の出力クロックからクロック1周期分の範囲で順次遅延した出力が得られる。
【0015】
この出力を、選択回路により、選択信号に応じて選択して出力することにより、任意所望の遅延位相クロックが得られる。
【0016】
【実施例】
以下に、図面を参照してこの発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器の一実施例について詳細に説明する。
【0017】
[光磁気ディスク装置の回路構成]
図5を用いて、この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な発振器(OSC)100が使用される光磁気ディスク装置62の関連部分に付いて簡単に説明する。符号42はスピンドルモータであり、光磁気ディスク44はこのスピンドルモータ42によって角速度一定(CAV)で回転駆動される。光磁気ディスク44のサーボ方式としては、周知のサンプルサーボ方式が採用されている。
【0018】
光磁気ディスク44のサーボエリアにプリフォーマットされているクロックピットから光学ヘッド48によって再生される基準クロック信号Ref clkは、RFアンプ50及び再生信号処理回路52の回路を介して、この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な発振器(OSC)100を内蔵するPLL回路54に供給される。
後で詳述するように、このPLL回路54に於いては、クロックピットからの基準信号Ref clkに同期したデータクロックDckが生成され、更に任意の遅延位相クロックを出力可能な発振器(OSC)100の部分でこのデータクロックDckから任意所定の遅延されたデータクロックDdck が形成され出力されて、プリエンコーダ46に供給される。
【0019】
一方、ホストコンピュータ(図示せず。)からの記録データ(NRZデータ)Dinが、プリエンコーダ46に供給されている。
こうして、PLL回路54よりプリエンコーダ46に供給される所定の遅延されたデータクロックDdck に同期して、記録データDinがNRZI系列のデータに変調される。
【0020】
プリエンコーダ46より出力されるこの変調データは、磁気ヘッド駆動回路56に供給される。そして、外部磁界発生用の磁気ヘッド58より変調データに対応した磁界が発生され、光学ヘッド48からのレーザビームとの共働により光磁気ディスク44に変調データがピットとして記録される。
【0021】
この場合、レーザ駆動回路60にも、PLL回路12より出力される所定の遅延されたデータクロックDdck が供給されている。そして、光学ヘッド48より光磁気ディスク44に対するレーザビームの照射がこの所定の遅延されたデータク ロックDdck に同期して、間欠的に行われる。こうして、連続的なレーザビーム照射の場合に比較して、記録ピットはきれいである。なぜならば磁界データの過渡状態(不安定、グレーな状態)においては熱記録(光磁気記録)が行われないからである。
なお、サーボバイトの部分では、レーザビームの照射は連続的に行われ、クロックピットやウォブルピットから再生される基準信号Ref clkが良好に得られるようにされる。
【0022】
光磁気ディスク装置62のその他の部分は、この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器100の理解には不要な為、省略する。
この発明は、上述のような光ディスク装置62に最適な任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器100を提供するものである。
【0023】
[この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器]
この発明の特徴・利点は、図3と図4との比較から、容易に理解される。
図3で示すように従来技術では、クロックピットより再生される基準信号Ref clkが、破線枠のPLL回路22とディレーライン20の直列回路に供給される。このPLL回路22では、位相比較器(PC)24、ループフィルタ(LPF)26、電圧制御部(VC)28及び発振器(OSC)40が直列に接続され、発振器30の出力を分周器(1/m)32を介して位相比較器24に帰還して、PLL(フェーズ・ロック・ループ)作用により、入力基準信号Ref clkの周期の1/mの周期のデータクロックDckを生成する(図8のRef clkとDck)。
【0024】
次に、このデータクロックDckが供給されるディレーライン20も、その内部には図2を用いて説明した様に内部にPLLを有している。従って、図2で示す位相比較器(PC)12、ループフィルタ(LPF)14及び電圧制御部(VC)16は、図3のPLL回路の位相比較器(PC)24、ループフィルタ(LPF)26及び電圧制御部(VC)28と実質的に同じものとなり重複している。
【0025】
そこで図4に示すように、この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器100は、従来の図3の発振器30とディレーライン20を兼ね備えた機能を奏し、こうして上述の様な回路の重複を回避し、回路規模の簡素化・縮小を図っている。
従って、この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器100は、全体として、電圧制御部28から各遅延素子に対する遅延量制御用電圧が供給され、最終段遅延素子から遅延されたデータクロックDckを分周器(1/m)32へPLL作用の為に供給すると共に、任意所定の遅延されたデータクロックDdck を出力する。
この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器100の具体的な回路構成は、図6に示すように、リングオシレータ80とデータクロック選択回路90からなる。複数段の遅延素子Invをリング状に接続したリングオシレータ80を用いてPLLを構成する。この電圧制御発振器で発振するクロック周期tを段数分(図6では、段数は15)で分割した任意の位相遅延クロックを、この電圧制御発振器自体の遅延素子Invから選択し得る。位相量は、各地遅延素子からの出力d1 〜d15(d0 )の選択の仕方による。
【0026】
(リングオシレータ)
図6に示すように、リングオシレータ80は、遅延素子としてインバータを用い、等しい性能からなる複数個のインバータInv1 ,Inv2 ,Inv3 ,Inv4 ,……,InvN (図では、N=15)をリング状に接続する。ここで発振する為には、nは奇数個でなければならない。個数nは、この発明に係る任意の遅延位相クロッ クを出力可能な電圧制御発振器100が使用される光磁気ディスク装置62(図5)の要求仕様により決定される。
【0027】
前段の電圧制御部28(図4)から、各インバータInvへ遅延量制御電圧が供給されインバータの遅延量を制御し、最終段のインバータInv15の出力d15が初段のインバータInv1 の入力d0 になるようにする。インバータInvの総数Nは奇数個である為、この入力は反転入力になる。即ち、初段のインバータInv1 の入力d0 に対する最終段インバータInv15の出力d15の遅延量は、この電圧制御発振器100で発振するデータクロックDckの1/2周期分に相当する(図8のd0 とd 15 )。
【0028】
このリングオシレータ80の出力Dck(最終段インバータInv15の出力d15に相当する。)は、分周器(1/m)32(図4)にも送られる。
初段インバータ入力データクロックd0 (=d15)及び各段のインバータの出力である順次遅延されたデータクロックd1 ,d2 ,d3 ,…,d13,d14が、次に述べるクロックデータ選択回路90に夫々供給される。
【0029】
(クロック選択回路)
図6に示すデータクロック選択回路(15者択一)90により、各段のインバータInvからの遅延データクロックd0 (d15)〜d14の中から、データクロック選択信号Selに対応して選択された1つの遅延データクロックが位相遅延クロックDdck として出力される。
データクロック選択信号Selは、上述の様に、光磁気ディスク42(図5)の試し書きの結果に応じて生成されている。
【0030】
次に図7を用いて、データクロック選択回路90に於ける選択方法を説明する。選択回路90は、デコーダ70、複数個(図7では15個)のANDゲート及び1個のORゲートを有している。リングオシレータ80のインバータInv(図6)1個に対してANDゲート1個が対応し、従ってANDゲートの個数はインバータの個数N(図6では、15個)と同数である。
【0031】
インバータInvの出力(例えば、dn )は、対応するANDゲート(例えば、n番目のANDゲート)の一方の入力端に夫々供給される。
全てのANDゲートの他方の入力端には、デコーダ70からの出力が夫々供給される。
デコーダ70に対して、データクロック選択信号Selが供給され、表1に従って出力信号iが選択されて論理ハイレベル「1」が供給され、他は論理ローレベル「0」が出力される。
【0032】
【表1】
Figure 0003640407
【0033】
即ち、選択信号Selの単調増加に対応して、偶数列の第2,4,6,……,N−1番目の出力i、次に奇数列の第1,3,5,……,N番目の出力iが選び出され、選出された出力のみに論理ハイレベル「1」が出力される
全てのANDゲートの出力はORゲートに供給され、こうしてこのORゲートは選択信号Selに対応した所定の遅延されたデータクロックDdck を出力する。。
【0034】
この発明の特徴の1つに、各段の遅延素子の出力が、同じ特性をもつインバータInvからの出力であり、回路上の差異がなく遅延位相分解能が均一になることが挙げられる。また各段の遅延素子の出力が、順次遅延された同じデューティ比(H/L、則ち論理ハイレベルと周期の比)のパルスとして把握できるので、例えば1つおきの出力に反転素子を挿入する等の余分な処理が不要である。
【0035】
(実施例の作用)
図8は、図4のPLL回路54に対して入力する基準信号Ref clk及び図6の夫々の遅延素子(インバータ)の出力のタイミングを表したものである。図4のPLL回路54に対して基準信号Ref clkが供給され、電圧制御部28及びこの発明に係る電圧制御発振器100からなる電圧制御発振器VCOで発振するデータクロック出力Dckを、基準信号Ref clkに対して1/mでロックしている。電圧制御部28から各インバータInvへ遅延量制御電圧が供給されインバータの遅延量を制御し、最終段のインバータInv15の出力d15が初段のインバータInv1 の入力d0 に一致している。
【0036】
順次、t/N(図では、t/15)だけ遅延がかかったクロックdが出力される。ここで、遅延t/Nは、インバータInv2段分、即ち「立ち上がりエッジ→立ち下がりエッジ→立ち上がりエッジ」分の遅延量である。出力の順序は、表1で説明した通りである。従って、出力される波形はデータクロック選択信号の単調増加に対応して、次のような順序になる。
【0037】
1.d0 (=d15)に対しt/15だけ遅延したクロックを、d2 出力とする。
2.d2 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d4 出力とする。
3.d4 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d6 出力とする。
4.d6 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d8 出力とする。
5.d8 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d10出力とする。
6.d10に対しt/15だけ遅延したクロックを、d12出力とする。
7.d12に対しt/15だけ遅延したクロックを、d14出力とする。
8.d14に対しt/15だけ遅延したクロックを、d1 出力とする。
9.d1 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d3 出力とする。
10.d3 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d5 出力とする。
11.d5 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d7 出力とする。
12.d7 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d9 出力とする。
13.d9 に対しt/15だけ遅延したクロックを、d11出力とする。
14.d11に対しt/15だけ遅延したクロックを、d13出力とする。
15.d13に対しt/15だけ遅延したクロックを、d15出力とする。
【0038】
上記出力順序は、d2i(modulo n)として表現される。即ち、2iをnで割った余りが出力順序となる。例えば、9番目では(2×9)/15=1‥‥3(余り)となり、d3が出力となる。
【0039】
なお、クロックd15出力は、初段インバータInv1 の入力d0 となり、インバータの総個数は奇数個Nであるのでd15は反転入力であり、Inv1 〜Inv15の総遅延量はデータクロックDckの1/2周期になる。ここで、出力d1 〜d15の信号が順次反転を繰り返していること、及び出力順序をまず偶数列の順、次に奇数列の順とすることで、1周期分の任意の遅延したデータクロックが利用できる。
【0040】
図9は、以上の各遅延素子のリング状接続とその出力を視覚的にわかり易く描いたものである。遅延素子であるインバータは、Inv1 ,Inv2 ,Inv3 ,Inv4 ,…,Inv13,Inv14,Inv15がリング状に接続され、夫々の出力端からd1 ,d 2,d3 ,d4 ,…,d13,d14,d15を出力している。リング内部のiは、出力の順序を表している。即ち、選択信号Selの単調増加に対応して、1番目にd2 を、2番目にd4 を、…、7番目にd14を、8番目にd1 を、9番目にd3 を、…、14番目にd13を、15番目にd15を出力する。
【0041】
【発明の効果】
この発明に係る任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器によれば、各遅延素子の特性がバラつかないならば、t/Nの分解能(但し、tはクロック周期、Nは遅延素子段数)で任意の位相クロックが得られる。
入力クロックに対してPLLがかかって、遅延素子の温度変化等の環境要因による遅延量の変化を補償しているので、各遅延素子の遅延量のバラツキ及び遅延量の変化が累積されるという問題点は発生しない。
前後の回路で実質的に似たようなブロックが無くなり、回路規模の簡素化・縮小が達成される。
順次遅延したクロックを、同じ条件下で取り出せるので、遅延位相分解能に均一化が達成される。
最終段の遅延位相量は1周期分に相当するので、任意の遅延位相量を必要とする装置の用途に使用可能となる。
入力の周期tに対して所望の分解能t/Nより遅延素子の段数Nを定めることにより、所望の位相分解能を有する遅延位相クロックが得られる。
【0042】
尚、上述の実施例では、遅延量の順序をクロックd2 ,d4 ,…,d12,d14,d1 ,d3 ,…,d13,d15として説明したが、d15とd0 は一致しているので、遅延量ゼロを1番目として遅延量の順序をクロックd0 ,d2 ,…,d12,d14,d1 ,d3 ,…,d13と把握しても、同じことである。
(付記事項)
尚、上述の実施例はこの本発明を説明する為のものであり、この発明の技術的範囲を何等限定するものでない。当業者にとって、上述の実施例を適宜改良・変更し得ることは当然に可能であり、それら改良・変更を伴った製品がこの発明の技術的範囲から外れることにはならない。
この発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載のみによって特定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のディレーラインの実施例を示す図である。
【図2】従来のディレーラインの別の実施例を示す図である。
【図3】図2のディレーラインを使用した場合の光磁気ディスク装置の周辺回路構成の図であり、図4との比較によりこの発明の利点を説明している。
【図4】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器を使用した場合の光磁気ディスク装置の周辺回路構成の図であり、図3との比較によりこの発明の利点を説明している。
【図5】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器が使用される光磁気ディスク装置の関連する部分の回路構成図である。
【図6】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器の回路構成図である。
【図7】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器のデータクロック選択回路部分の構成図である。
【図8】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器から出力される所定の遅延されたクロックデータの波形図である。
【図9】この発明の任意の遅延位相クロックを出力可能な電圧制御発振器の出力の順序を観念的に説明するに用いる図である。
【符号の説明】
2 選択回路(16者択一)
10,20 ディレーライン
12,24 位相比較回路
14,26 ループフィルタ
16,28 電圧制御部
22,54 PLL回路
30,100 電圧制御発振器
32 分周器
42 スピンドルモータ
44 光磁気ディスク
46 プリエンコーダ
48 磁気ヘッド
50 RFアンプ
52 クランプ回路
56 磁気ヘッド駆動回路
58 磁気ヘッド
62 光磁気ディスク装置
70 デコーダ
80 リングオシレータ
90 選択回路(15者択一)

Claims (2)

  1. 入力電圧に応じて遅延量が制御され、互いに同じ特性を有する奇数個のインバータがリング状に接続され、初段のインバータの入力に対する最終段のインバータの出力の遅延量がクロックの1/2周期分となるリングオシレータと、
    上記各インバータの出力端子に現れる順次遅延されたクロックが夫々供給され、入力される選択信号に応じて、供給されたクロックのうちの1つを選択的に取り出すクロック選択回路とを備え、
    上記クロック選択回路は、上記選択信号によって選択される遅延量の単調増加に対応して、先ず偶数番目のインバータの出力端子に現れるクロックのうちの1つ順次選択され、次に奇数番目のインバータの出力端子に現れるクロックのうちの1つ順次選択されることによって順次遅延された遅延位相クロックを出力することを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 入力電圧に応じて遅延量が制御され、互いに同じ特性を有する奇数個のインバータがリング状に接続され、初段のインバータの入力に対する最終段のインバータの出力の遅延量がクロックの1/2周期分となるリングオシレータと、
    上記各インバータの出力端子に現れる順次遅延されたクロックが夫々供給され、選択信号に応じて、供給されたクロックのうちの1つを選択的に取り出すクロック選択回路とを備え、
    上記選択信号は、ディスクに対する試し書きの結果に応じて決定される遅延量に対応して生成されるものであって、
    上記クロック選択回路は、上記選択信号によって選択される遅延量の単調増加に対応して、先ず偶数番目のインバータの出力端子に現れるクロックのうちの1つ順次選択され、次に奇数番目のインバータの出力端子に現れるクロックのうちの1つ順次選択されることによって順次遅延された遅延位相クロックを出力するものであり、
    上記選択信号によって上記クロック選択回路から発生される順次遅延された遅延位相クロックのうちの1つが選択されることを特徴とするィスク装置。
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