JP3640166B2 - 浴室暖房乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室暖房乾燥機に関し、具体的には、浴室内を暖房し、また浴室内に吊り下げられた洗濯物等を乾燥させるための天井取付型の浴室暖房乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
温風を吹き出すことによって浴室内を暖房したり、浴室内に吊り下げられた洗濯物等を乾燥させるための浴室暖房乾燥機が従来より使用されている。このような浴室暖房乾燥機には、壁掛け型のものと天井取付型のものとがある。
【0003】
このうち天井取付型の浴室暖房乾燥機は、浴室暖房乾燥機本体を浴室の天井裏に設置し、浴室暖房乾燥機本体の下面を覆うようにして天井の下面にフロントカバー(化粧カバー)を配置されるものであって、浴室暖房乾燥機本体を天井裏に隠すことができるので、浴室内をすっきりとさせることができる。
【0004】
このような天井取付型の浴室暖房乾燥機を施工する方法には、浴室ユニットの天井パネルを施工するよりも前に浴室暖房乾燥機本体を天井部分に設置しておく本体先付け方式と、天井パネルの施工後に浴室暖房乾燥機本体を天井部分に設置する本体後付け方式とがある。図1は本体先付け方式で施工された浴室暖房乾燥機1の設置状態を示す断面図である。この方式では、天井パネル2の施工前に浴室暖房乾燥機本体3を天井裏空間4に持ち上げ、天井裏空間4の吊りボルト5によって浴室暖房乾燥機本体3を吊り下げておく。この後、浴室の天井に天井パネル2を施工し、浴室暖房乾燥機本体3の下面に合わせて天井パネル2を開口すると共に天井パネル2の下面にフロントカバー6を取り付けて天井パネル2の開口7を覆っている。
【0005】
この浴室暖房乾燥機1にあっては、ファン9をモータ駆動すると、ファン9によってフロントカバー6の吸い込み口10から吸い込まれた浴室内の空気は、熱交換器8を通過することによって熱交換器8を循環する温水と熱交換して加熱され、ファンケーシングを兼ねた送風路11に導かれてフロントカバー6の吹き出し口12から温風として吐出される。また、コントローラ収納部14の外面には、浴室から吸気した空気によって浴室内の室温を検出するための室温センサ(サーミスタ)15が設けられており、例えば浴室暖房時には、室温センサ15で検出した室温と暖房設定温度との温度差に応じてファン回転数等を制御する。先付け方式の場合には、天井パネル2の開口7の縁と浴室暖房乾燥機本体3との間の隙間による風損を防止するため、浴室暖房乾燥機本体3の下面外周に設けられたフランジ13を天井パネル2の上面に当てている。
【0006】
図2は本体後付け方式で施工された浴室暖房乾燥機1の設置状態を示す断面図である。この方式では、浴室の天井パネル2を開口して該開口7から天井裏空間4へ浴室暖房乾燥機本体3を持ち上げ、吊りボルト5によって浴室暖房乾燥機本体3を吊り下げた後、天井パネル2の下面にフロントカバー6を取り付けて天井パネル2の開口7を覆っている。
【0007】
この施工方式でも温風を吹き出す構造は同じであるが、後付け方式の場合には、天井パネル2の開口7の縁と浴室暖房乾燥機本体3との間の隙間による風損を防止するため、浴室暖房乾燥機本体3の下面外周に設けられたフランジ13を天井パネル2の下面に当てている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような浴室暖房乾燥機1にあっては、上記のように浴室暖房乾燥機本体3内のコントローラ収納部14の外面に室温センサ15が設けられているので、図1のように先付け方式で浴室暖房乾燥機1が施工された場合と、図2のように後付け方式で施工された場合とでは、室温センサ15とフロントカバー6との位置関係が異なるため、フロントカバー6の吸い込み口10から室温センサ15までの距離が変化し、そのため室温センサ15が検知する浴室内の温度にバラツキが生じる不具合があった。
【0009】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、先付け、後付けといった浴室暖房乾燥機本体の施工形態の違いに拘わらず、室温センサの室温検知精度を安定させることができる浴室暖房乾燥機を提供することにある。
【0010】
【発明の開示】
請求項1に記載の浴室暖房乾燥機は、空気を加熱するための加熱器と、加熱器で加熱された空気を吹き出すための送風機と、送風機からカバーの吹き出し口へ温風を導くための送風路とを備えた浴室暖房乾燥機本体を浴室の天井部に設置し、浴室暖房乾燥機本体の下面を覆うようにして天井の下面にカバーを配置された浴室暖房乾燥機において、前記浴室暖房乾燥機本体の前記カバーに対する相対的な設置高さにかかわらず、浴室から吸気した空気の温度を検知するための温度センサが、カバーに対して所定位置に位置するようにしたことを特徴としている。
【0011】
請求項1の浴室乾燥機によれば、温度センサがカバーに対して所定位置に位置しているので、浴室暖房乾燥機本体の施工形態に拘わらずカバーの吸い込み口から温度センサまでの距離が一定となり、またカバーは浴室の天井に対して一定位置(天井下面)に配置されるので、温度センサは、浴室暖房乾燥機本体の施工形態に拘わらず、浴室に対しても一定位置に配置される。この結果、該温度センサによる室温検出値のバラツキを小さくすることができ、安定した室温検知を行うことができる。
【0012】
温度センサがカバーに対して一定の高さに位置するようにする方法としては、温度センサをカバーに直接取り付ける方法と、温度センサを浴室暖房乾燥機本体側に設けて温度センサの位置が浴室暖房乾燥機本体の施工形態によって自然調整されるようにする方法とがある。
【0013】
請求項2に記載の浴室暖房乾燥機は、後者の方法によるものであって、空気を加熱するための加熱器と、加熱器で加熱された空気を吹き出すための送風機と、送風機からカバーの吹き出し口へ温風を導くための送風路とを備えた浴室暖房乾燥機本体を浴室の天井部に設置し、浴室暖房乾燥機本体の下面を覆うようにして天井の下面にカバーを配置された浴室暖房乾燥機において、前記送風路は、前記浴室暖房乾燥機本体のケーシングに対して静止した送風路本体と、該送風路本体に対してスライド自在に配設され前記カバーに当接して位置決めされる送風路摺動部とから構成され、浴室から吸気した空気の温度を検知する温度センサは、該送風路摺動部もしくは該送風路摺動部と一体に移動する部材に設けられていることを特徴としている。
【0014】
この送風路摺動部は送風路本体に対してスライドし、施工後の状態では、天井部下面に施工されているカバーに当接しているので、この送風路摺動部もしくは送風路摺動部と一体に移動する部材に温度センサを設けることにより、浴室暖房乾燥機本体の施工状態に拘わらず、温度センサを所定位地に施工することができ、安定した室温検知を行える。
【0015】
コントローラ等は浴室暖房乾燥機本体に設けられているので、温度センサを単純にカバーに設けていると、カバーと浴室暖房乾燥機本体とが温度センサのセンサ電装線によって結ばれる。このため、保守点検時などにカバーを外した際、センサ電装線が引っ張られて断線する恐れがある。これに対し、請求項2の浴室暖房乾燥機のように、温度センサを浴室暖房乾燥機本体側に設けてあれば、浴室暖房乾燥機本体とカバーとがセンサ電装線で結ばれることが無く、保守点検時の妨げになることもない。
【0016】
また、温度センサをカバーに取り付けている場合でも、上記浴室暖房乾燥機本体に設けられている送風路摺動部とカバーの当接面にそれぞれ接点を設け、施工状態では送風路摺動部の接点とカバーの接点が接触して浴室暖房乾燥機本体側のコントローラとカバー側の温度センサとが電気的に接続される構造としてもよい。このような構造によれば、温度センサをカバーに取り付けていても、浴室暖房乾燥機本体とカバーとがセンサ電装線で結ばれないので、保守点検時などにセンサ電装線が引っ張られて断線する恐れがない。
【0017】
あるいは、請求項3に記載した浴室暖房乾燥機のように、前記温度センサが設けられているセンサ電装線の取り付け長さを調整可能にしてあれば、温度センサがカバーに取り付けられていて浴室暖房乾燥機本体とカバーがセンサ電装線で結ばれていても、保守点検時などにカバーを取り外してもセンサ電装線が延び、断線しないようにできる。
【0018】
また、請求項2の浴室暖房乾燥機のように、送風路摺動部または送風路摺動部と一体に移動する部材に温度センサを設けている場合でも、センサ電装線の取り付け長さを調整可能にしてあれば、センサ電装線が垂れ下がったりするのを防止できる。
【0019】
センサ電装線の取り付け長さを調整可能にする手段としては、リール式でセンサ電装線が巻き取られる構造としてもよく、伸縮自在なコイル型コードを用いてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図3は本発明の一実施形態による浴室暖房乾燥機21の断面図、図4は浴室暖房乾燥機21の下面図である。この浴室暖房乾燥機21は、主として浴室暖房乾燥機本体22及びフロントカバー(カバー)23によって構成されており、浴室暖房乾燥機本体22にあっては、下面開口したケーシング24の内部にファン収納部25が一体に成形され、ケーシング24の下端部外周にフランジ27が周設されている。ファン収納部25の下部には送風路本体28が取り付けられており、送風路本体28の外周には送風路摺動部29がスライド自在に接続され、固定された送風路本体28とスライド可能な送風路摺動部29とによって伸縮自在な送風路30が構成されている。
【0021】
ファン収納部25内には、クロスフローファンのような送風ファン31が取り付けられており、ファン収納部25の吸引側には折り曲げた1台の熱交換器32が設けられている。空気を加熱するための手段としては電気ヒーターなどでもよいが、この実施形態では、熱源機から供給される温水を循環させ、温水と浴室から吸引した空気とを熱交換させて空気を加熱する熱交換器32を用いている。
【0022】
浴室暖房乾燥機21は、浴室天井部に設置する関係で、かなりのコンパクト化が要求されるが、コンパクト化しても所定の温風発生能力は必要とされる。そのため、熱交換器32は1台の熱交換器を屈曲させるように配設してあり、熱交換器32をコンパクトにしながら熱交換器32の面積を大きくし、熱交換器32の熱交換効率を大きくしている。
【0023】
コントローラ収納部26内には、浴室暖房乾燥機21を制御するためのコントローラが納められている。また、図3におけるコントローラ収納部26の背後には換気装置収納部(図示せず)が設けられており、換気装置収納部内にはシロッコファンとモータによって構成された換気装置が納められている。
【0024】
図5は上記送風路30の構造を示す分解斜視図である。送風路本体28及び送風路摺動部29は、いずれも横に長い矩形状の開口を有しており、送風路本体28が送風路摺動部29内に挿入され、送風路摺動部29が送風路本体28に対して上下にスライド自在となっている。送風路摺動部29には、図3及び図4に示すように風向調整用のルーバー板37が設けられている。ルーバー板37は、送風路摺動部29内の中央部で軸支されており、図5に示すように送風路摺動部29の外部に固定されたパルスステッピングモータ等からなるルーバーモータ38で駆動されて傾き(角度)を変更される。
【0025】
送風路本体28の両端面からは、水平に支持片39が延出されており、送風路摺動部29の両端面にはガイドプレート41が設けられている。支持片39の下面にはガイド軸40が垂設されている。一方、送風路摺動部29側面のガイドプレート41には、ガイド軸40を通すことができる貫通孔42が開口されており、圧縮バネ43を通したガイド軸40の下端部を貫通孔42に摺動自在に挿通させ、ガイド軸40の先端にネジ45でワッシャ44を固定している。この結果、圧縮バネ43は支持片39とガイドプレート41との間に圧縮した状態で介在させられ、送風路摺動部29は圧縮バネ43の弾性によって下方へ突出付勢されると共に上方へ力を加えられると圧縮バネ43を押し縮めて上方へ移動する。
【0026】
また、図5に示すように、送風路摺動部29の一方側面の下部には取付プレート46が設けられており、取付プレート46の先端部には、ワイヤレスタイプのリモートコントローラ(図示せず)によって浴室暖房乾燥機21のオン、オフや送風量、設定温度、送風方向(ルーバー板37の角度)などを遠隔操作するためのリモコン受信機47がネジや爪などによって取り付けられている。
【0027】
図6は上記リモコン受信機47の構造を示す断面図であって、部品実装面を下にした受信回路基板52をボックス49内に納めて封止用樹脂60で封止し、ボックス49の下面にシート57を貼り付けている。受信回路基板52の片面には受信回路を構成するIC等の回路部品54が実装され、他方の面にはリモートコントローラからの赤外線信号を受信するための赤外線受光素子55と信号着信用のブザー53が実装されている。ボックス49の下面では、少なくともブザー53や赤外線受光素子55に対向する箇所に窓48が設けられており、窓48の縁から内側へ向けて当該窓48を囲むようにして筒状の樹脂止め部50が延出されている。また、ボックス49の内面には、樹脂止め部50と同じ高さの基板支持部51が突設されている。受信回路基板52は、ブザー53等が実装された面を下にして基板支持部51及び樹脂止め部50の上に載置され、受信回路基板52にあけられた孔に通したビス56を基板支持部51に螺入して固定されている。ボックス49内に受信回路基板52が固定された状態では、受信回路基板52の下面に設けられているブザー53と赤外線受光素子55は、樹脂止め部50内に納まっている。
【0028】
樹脂止め部50の上端が受信回路基板52の下方に当接してボックス49内を樹脂止め部50の内外に仕切っているので、ボックス49内に受信回路基板52を取り付けた後、ボックス49内に封止用樹脂60をポッティングすると、図6のように封止用樹脂60は樹脂止め部50で止められ、ボックス49内の樹脂止め部50よりも外側にのみ充填される。よって、ブザー53及び赤外線受光素子55以外の回路部品54は、封止用樹脂60内に埋め込まれ、受信回路基板52上に実装されている受信回路が防水性と耐湿性を付与される。一方、ブザー53と赤外線受光素子55は、封止用樹脂60を充填しても封止用樹脂60内に埋まらず、樹脂止め部50内でボックス49下面に露出しているので、リモートコントローラによって下方から投射された赤外線の信号を赤外線受光素子55によって鋭敏にとらえることができる。
【0029】
このリモコン受信機47の外面には、フロントカバー23の吸い込み口から浴室暖房乾燥機21内へ吸気した空気の温度を検知して浴室の室温を計測するためのサーミスタからなる室温センサ(温度センサ)33がナイロンクランプ等でビス止めすることにより固定されている。コントローラ収納部26内のコントローラと室温センサ33とはセンサ電装線34によってつながれている。このセンサ電装線34の長さは、送風路摺動部29がもっとも下方まで降りるときの妨げにならないよう、充分な長さを持たせてある。
【0030】
一方、フロントカバー23は、図3又は図4に示すように、浴室暖房乾燥機本体22の送風路30下端面と対向させて温風吹き出し口61が設けられ、リモコン受信機47と対向させてリモコン受信機露出窓65が設けられている。この温風吹き出し口61は、送風路30の下面開口とほぼ一致するように形成されている。さらに、温風吹き出し口61と隣接して一方には空気を吸い込むための空気吸込み口62が、他方には換気用吸気口63が設けられている。空気吸込み口62はグリル状に形成されており、その上面には着脱自在にフィルタ64を取り付けられるようになっている。
【0031】
図3では浴室暖房乾燥機本体22を先付けした場合の施工状態を表しており、吊りボルト(図示せず)により吊り下げられた浴室暖房乾燥機本体22のフランジ27は天井パネル36の上面に載置され、フロントカバー23は天井パネル36の下面に配置されている。また、送風路摺動部29は下方へ突出して温風吹き出し口61の縁の上面に当接している。これに対し、図7では浴室暖房乾燥機本体22を後付けした場合の施工状態を表しており、吊りボルト(図示せず)により吊り下げられた浴室暖房乾燥機本体22のフランジ27は天井パネル36の下面に当接させられ、フロントカバー23は天井パネル36の下面に配置されている。また、送風路摺動部29は上方へ押し上げられて温風吹き出し口61の縁の上面に当接している。従って、先付け施工されている場合と、後付け施工されている場合とで、室温センサ33はフロントカバー23に対して所定位地に位地しており、フロントカバー23の空気吸込み口62から室温センサ33までの距離も施工状態にかかわらず一定となり、室温センサ33の浴室に対する位地も一定となる。
【0032】
しかして、この浴室暖房乾燥機21によれば、換気装置を運転することにより浴室内の湿気を屋外へ排出することができる。
【0033】
また、送風ファン31を運転すると、フロントカバー23の空気吸込み口62から吸い込まれた空気が、熱交換器32によって加熱され、熱交換器32によって加熱された温風が送風路30を通ってフロントカバー23の温風吹き出し口61から吹き出される。従って、入浴時または入浴直前に送風ファン31を運転して温風吹き出し口61から浴室内に温風を吐出させることにより、浴室内の暖房を行うことができる。このとき、浴室内の室温は室温センサ33によって検知されており、コントローラは暖房設定温度と室温との温度差に応じてファンを操作して温風温度を制御する。
【0034】
また、浴室暖房乾燥機21の下方に衣類等の洗濯物を吊り下げておけば、浴室暖房乾燥機21の温風吹き出し口61から吹き出された温風によって衣類等を乾燥させることができる。この場合も、浴室内の室温は室温センサ33によって検知されており、コントローラは設定温度と室温との温度差に応じてファンを操作して温風温度を制御する。
【0035】
さらに、送風路30には、風向調整用のルーバー板37を設けているので、衣類等の洗濯物の位置や入浴者の位置に応じてルーバー板37を駆動することにより、温風の吹き出し方向もリモートコントローラによって自由に変更することができる。
【0036】
また、この浴室暖房乾燥機21では、送風路30が伸縮できるようになっていて送風路摺動部29が温風吹き出し口61に向けて付勢されているので、図3のような先付け施工や図7のような後付け施工によって、施工状態で浴室暖房乾燥機本体22とフロントカバー23との間の距離が異なっても、送風路摺動部29の先端がフロントカバー23の温風吹き出し口61の縁に当接して送風路30と温風吹き出し口61の縁との間に隙間が生じず、送風路30からの風損を防止して騒音や温風吹き出し量の不足などを低減することができる。
【0037】
さらに、送風路摺動部29の先端がフロントカバー23の温風吹き出し口61の縁に当接して送風路摺動部29が位置決めされることで、浴室暖房乾燥機21が図3のように先付け施工されている場合でも、図7のように後付施工されている場合でも、室温センサ33はフロントカバー23に対して常に一定位地に配置される。よって、浴室暖房乾燥機21の施工状態で、空気吸込み口62から室温センサ33までの距離が変動することが無く、室温センサ33でより安定した室温検知を行えるようになる。
【0038】
(第2の実施形態)
図8は本発明の別な実施形態による浴室暖房乾燥機における送風路30とフロントカバー23の温風吹き出し口61の部分を示す拡大断面図である。この実施形態にあっては、送風路摺動部29の下面と温風吹き出し口61の縁の上面とに、互いに対向させるようにして電極35b、35aを設けている。また、浴室内の室温を検知するための室温センサ33は、フロントカバー23の上面に固定されており、電極35aと室温センサ33はセンサ電装線34aで接続されている。送風路摺動部29の下面の電極35bは、センサ電装線34bによってコントローラ収納部26内のコントローラに接続されている。
【0039】
このような実施形態では、室温センサ33がフロントカバー23に設けられているので、浴室暖房乾燥機本体22が先付け施工される場合も後付け施工される場合も、室温センサ33は空気吸込み口62から一定距離に配置されることになり、室温検知を安定させることができる。しかも、浴室暖房乾燥機本体22が先付け施工される場合も後付け施工される場合も、送風路摺動部29が下方へ突出して温風吹き出し口61の縁に当接することで両電極35a、35bどうしが接触して室温センサ33とコントローラが接続される。一方、保守点検時などにフロントカバー23を外すと、センサ電装線34a、34bどうしは電極35a、35bの箇所で分離されるので、センサ電装線34a、34bが断線したりする恐れもなく、保守点検の妨げになることもない。
【0040】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、室温33が設けられているセンサ電装線の取り付け長さを調整可能にするものである。例えば、図9(a)に示すように、バネなどの弾性を利用して室温センサ33側のセンサ電装線34aをリール66に巻き取られるようにし、リール66を介して室温センサ33側のセンサ電装線34aとコントローラ側のセンサ電装線34bとを接続している。また、図9(b)では、センサ電装線34として伸縮自在なコイル型コードを用いている。
【0041】
センサ電装線として、図9(a)や図9(b)に示したような構造の取り付け長さが調整可能となったものを用いることにより、室温センサ33が送風路摺動部29側に取り付けられている場合であれば、送風路摺動部29が昇降してもセンサ電装線が延びきったり、弛んだりしなくなる。あるいは、室温センサ33がフロントカバー23に取り付けられている場合であれば、フロントカバー23を外したときに、センサ電装線が引っ張られて切れる恐れが無くなる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載の浴室暖房乾燥機によれば、浴室暖房乾燥機本体の施工形態にかかわらず室温検知用の温度センサを一定高さに設置することができるので、該温度センサによる室温検出値のバラツキを小さくすることができ、安定した室温検知を行うことができる。
【0043】
請求項2に記載の浴室暖房乾燥機によれば、送風路本体に対してスライドしカバーに当接している送風路摺動部もしくは送風路摺動部と一体に移動する部材に温度センサを設けているので、浴室暖房乾燥機本体の施工状態に拘わらず、温度センサを一定の高さに施工することができ、安定した室温検知を行える。しかも、温度センサを浴室暖房乾燥機本体側に設けているので、浴室暖房乾燥機本体とカバーとがセンサ電装線で結ばれることが無く、保守点検時の妨げになることもない。
【0044】
請求項3に記載した実施態様では、センサ電装線の取り付け長さを調整可能にしてあるので、温度センサがカバーに取り付けられていて浴室暖房乾燥機本体とカバーがセンサ電装線で結ばれている場合、保守点検時などにカバーを取り外してもセンサ電装線が断線しないようにできる。あるいは、請求項2の浴室暖房乾燥機のように、送風路摺動部または送風路摺動部と一体に移動する部材に温度センサを設けている場合でも、センサ電装線の取り付け長さを調整可能にしてあれば、センサ電装線が垂れ下がったりするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浴室の天井に本体先付け方式で施工された従来の浴室暖房乾燥機本体のようすを示す断面図である。
【図2】浴室の天井に本体後付け方式で施工された従来の浴室暖房乾燥機本体のようすを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による浴室暖房乾燥機を先付け施工した状態の断面図である。
【図4】同上の浴室暖房乾燥機の下面図である。
【図5】同上の浴室暖房乾燥機における送風路の一部を示す分解斜視図である。
【図6】同上の浴室暖房乾燥機に用いられているリモコン受信機の構造を示す断面図である。
【図7】同上の浴室暖房乾燥機を後付け施工した状態の断面図である。
【図8】本発明の別な実施形態による浴室暖房機の一部を拡大して示す断面図である。
【図9】(a)(b)はいずれも本発明のさらに別な実施形態に用いられるセンサ電装線の斜視図である。
【符号の説明】
22 浴室暖房乾燥機本体
23 フロントカバー
26 コントローラ収納部
28 送風路本体
29 送風路摺動部
30 送風路
33 室温センサ
34 センサ電装線
34a、34b センサ電装線
35a、35b 電極
36 天井パネル
61 温風吹き出し口
62 空気吸込み口

Claims (3)

  1. 空気を加熱するための加熱器と、加熱器で加熱された空気を吹き出すための送風機と、送風機からカバーの吹き出し口へ温風を導くための送風路とを備えた浴室暖房乾燥機本体を浴室の天井部に設置し、浴室暖房乾燥機本体の下面を覆うようにして天井の下面にカバーを配置された浴室暖房乾燥機において、
    前記浴室暖房乾燥機本体の前記カバーに対する相対的な設置高さにかかわらず、浴室から吸気した空気の温度を検知するための温度センサが、カバーに対して所定位置に位置するようにしたことを特徴とする浴室暖房乾燥機。
  2. 空気を加熱するための加熱器と、加熱器で加熱された空気を吹き出すための送風機と、送風機からカバーの吹き出し口へ温風を導くための送風路とを備えた浴室暖房乾燥機本体を浴室の天井部に設置し、浴室暖房乾燥機本体の下面を覆うようにして天井の下面にカバーを配置された浴室暖房乾燥機において、
    前記送風路は、前記浴室暖房乾燥機本体のケーシングに対して静止した送風路本体と、該送風路本体に対してスライド自在に配設され前記カバーに当接して位置決めされる送風路摺動部とから構成され、
    浴室から吸気した空気の温度を検知する温度センサは、該送風路摺動部もしくは該送風路摺動部と一体に移動する部材に設けられていることを特徴とする浴室暖房乾燥機。
  3. 前記温度センサが設けられているセンサ電装線の取り付け長さを調整可能にしたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の浴室暖房乾燥機。
JP2000363381A 2000-11-29 2000-11-29 浴室暖房乾燥機 Expired - Fee Related JP3640166B2 (ja)

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