JP3639587B2 - 医薬製剤 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーと、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドとを固体分散体中に含む医薬製剤であって、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている医薬製剤に関する。本発明は、更に、このような製剤によって与えられる4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの1日医薬用量に関する。更に、本発明は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの生物学的利用能を増加させるための;4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの血漿濃度の患者間変動性を減少させるための;または患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させるための、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中でのこのような腸溶性ポリマーの使用に関する。
発明の背景
非ステロイド性抗アンドロゲンであるビカルタミド(bicalutamide)は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドのラセミ体であり、AstraZeneca 商品名CASODEXOで知られている。EP−100172号は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド(EP−100172号では4−シアノ−3−トリフルオロメチル−N−(3−p−フルオロフェニルスルホニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)アニリンと称される)を、実施例6の表に挙げられる8番目の化合物として開示している。該当する構造は、次の式Iで示される。
Figure 0003639587
ビカルタミドは、前立腺癌と戦うのに用いることができる。抗アンドロゲンとしてのビカルタミドの性状および有用性は、B J A Furr et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. 1A), 13−25, および G J C Kolvenbag et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. 1A), 70−79 に概説されている。4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、異なったR−およびS鏡像異性体で存在しうる。R鏡像異性体は、(−)異性体であり、in vivo で薬理学的に活性な化合物である。これら鏡像異性体の更に詳細については、Tucker and Chesterton, J. Med. Chem. 31, pp 885−887 (1988) が参照される。
ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの化学合成は、US4636505号に記載されているが、この開示は、本明細書中に援用される。R鏡像異性体は、ラセミ体からの鏡像異性体の分割または鏡像異性体の前駆体の分割により、キラル酸のジアステレオマーエステルの分別結晶またはクロマトグラフィー分離を用いて得ることができる。他の方法は、しかしながら、常套の鏡像異性体製造技術を用いて、当業者に明らかであろう。例えば、R鏡像異性体は、簡単な結晶化およびクロマトグラフィー分割によって製造することができる(例えば、Wilen and Lochmuller, “Tables of Resolving Agents”, J. Chromatography, 113, 283−302 (1975) および E L Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds, McGraw Hill (1962) を参照されたい)。もう一つの方法は、キラルアミンを含むジアステレオマー塩の分別結晶による、カルボン酸前駆体3−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸の分割を包含する。上に引用された Tucker and Chesterton の参考文献は、ラセミ体4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドからのR−およびS鏡像異性体のクロマトグラフィー分離を開示している。この方法は、このラセミ体のR−カンファノイルエステルのクロマトグラフィー分離、およびそれらのR−およびS鏡像異性体への加水分解および酸化を包含する。この開示は、本明細書中に具体的に援用されて、本発明において用いるための鏡像異性体を入手する方法の詳しい説明を提供する。
ビカルタミド(4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドラセミ体)は、通常の経口錠剤の形で(例えば、150mgの1日単独療法用量で)男性の前立腺癌と戦うのに用いられる。患者へのビカルタミドの生物学的利用能は、ある程度までは、GI管内の薬物の、GI管内粘膜を越えた吸収に影響を与える溶解速度および溶解度によって決定される。一連の製剤についてのビカルタミドの相対的生物学的利用能は、ビカルタミド投与以後の経過時間に対する血漿ビカルタミド濃度のグラフの曲線下面積(AUC)を決定することによって評価することができる。薬物の最適下限の溶解速度および溶解度の結果として、通常錠剤の投与後に達成可能な最大全身暴露は限定されており(150mgを超える通常錠剤投与量でのような)、ビカルタミド生物学的利用能の著しい減少が存在する。これは、一部の患者に最適以下の処置効力をもたらすことがあり得る。更に、通常の錠剤を投与後に達成しうる最大全身性暴露は限られているので、150mgを超過する通常の錠剤用量においては、ビカルタミド生物学的利用能が著しく減少する。300mgを超える通常の錠剤用量では、全身性暴露の著しいの増加はそれ以上達成され得ない。
患者間の薬物吸収変動性が減少する結果として、薬物の生物学的利用能を増加させることおよび/またはビカルタミド血漿濃度の患者間変動性を減少させることにより、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの治療的可能性を広げることは望ましいと考えられる。
このような生物学的利用能の増加は、通常の製剤で認められる同レベルの生物学的利用能に達するのに必要な4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの1日用量の減少を可能にするのに有用であり得る。
比較的高い生物学的利用能を達成することで生じ得る利点は、通常の製剤で現在処置されているよりも進行した段階の前立腺癌へと処置を広げる能力でもありうる。これは、例えば、転移性前立腺癌の患者を処置するのに、例えば、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを単独療法として(すなわち、LHRH類似療法または外科的去勢と組み合わせないで)用いて有用であり得る。
もう一つの利点として、ビカルタミド吸収の患者間変動性減少の結果として、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性を減少させることも望ましいと考えられる。これは、その処置の予測可能性を増加させ且つ患者集団での処置の均一性を増加させると考えられる。
良好な貯蔵安定性を有する4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド製剤を提供することも望ましいと考えられる。
EP−0988863号は、可溶性の少ない薬物一般の生物学的利用能を増加させることに関する。4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドに具体的に取り組んでいるわけではない。開示される解決法は、水不溶性イオンポリマーと薬物との水不溶性複合体を含む製剤を提供することである。特定のクラスのポリマーを必要とするわけではなく、そのポリマーは、陽イオン性または陰イオン性であり得るが、約80,000Dを超える分子量および約50℃に等しいまたはそれを超えるガラス転移温度を有する必要がある。
EP−1027886号もまた、可溶性の少ない薬物一般の生物学的利用能を増加させることに関する。ここでも、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドに具体的に取り組んでいるわけではない。開示される解決法は、低溶解度薬物とポリマーとを含む固体分散体製剤を提供することである。このポリマーは、50%相対湿度で測定されるガラス転移温度が少なくとも100℃である限り、多数の可能なポリマーのいずれかでよい。いくつかの腸溶性ポリマー(例えば、HP−50TM、HP−55TMおよびHP−55STMグレード等のHPMCPポリマー)は明らかに使用から除外されているが、これは50%相対湿度における平衡でこれらポリマーのいずれもが十分な水を吸収しそれぞれのガラス転移温度が100℃未満に降下すると説明されているからである。別の腸溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)も、単独で用いられる場合は除外される。
本発明は、ビカルタミド(ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド)の治療的可能性を上に考察されるように増加させることにより、通常のビカルタミド製剤に改良を加えることを目指している。
本発明は、増大した貯蔵安定性を有する4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド製剤を提供することを目指している。
発明の要旨
本発明は、患者への投与用の医薬製剤であって、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含み、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている製剤を提供することにより、この目的を果たす。このような腸溶性ポリマーの1種類または混合物を用いることができると考えられる。
本発明は、更に、患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させるために患者に投与可能な4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの1日医薬用量であって、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に5〜1000mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含み、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている用量を提供する。一つの態様において、この用量は25〜600mgである。
本発明の更に別の側面は、
(a)4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能を増加させる;または
(b)患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させる
ための、患者に粘膜投与可能な薬剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている、使用に関する。下記に述べるように、前立腺癌の危険を減少させる、とは前立腺癌再発の危険を減少させることをも含む。
更に、本発明は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性を減少させるための、患者に粘膜投与可能な薬剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている、使用に関する。
更に、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの製剤中での貯蔵安定性を増大させるための医薬製剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている、使用に関する。
本発明のもう一つの側面は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能を増加させることおよび/または4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの血漿濃度の患者間変動性を減少させることに加えて、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの製剤中での貯蔵安定性を増大させるための、患者に粘膜投与可能な医薬製剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている、使用に関する。
発明の詳細な記述
本発明者は、上述の目的の少なくとも一つを満たす可能性のある手段として固体分散体製剤を研究することを選択している。4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの治療的可能性を増加させる目的に関して、本発明者は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの生物学的利用能の増加および4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの血漿濃度の患者間変動性の減少の一方または両方を達成することによって治療的可能性を増加させようとした。
先行技術は、薬物の生物学的利用能を概して増加させるために、固体分散体についてきわめて広範囲の可能性のあるポリマーを示している。本発明者は、ここで、驚くべきことに、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの治療的可能性が、具体的には、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドであって、その50%より多くがR鏡像異性体の形で与えられている4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを製剤化することによって、増加させ得ることを発見した。下の非制限実施例の項が示すように、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの治療的可能性のこのような増加は、他のポリマーでは達成されない。
したがって、本発明の一つの側面により、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤であって、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である医薬製剤を提供する。
医薬錠剤、カプセル剤、および圧縮されて錠剤にされるまたはカプセル剤に充填するのに用いられる顆粒剤をコーティングするのに、様々の材料が通常用いられてきている。60種類を超える腸溶コーティング材料を概説している、Schroeter, L C, Coating of Tablets, Capsules and Pills, Remington’s Pharmaceutical Sciences, 13th ed., 1965, p. 604 が参照される。これらには、腸管内での浸食に頼るコーティング材料(例えば、カルナウバロウ、ステアリン酸およびパラフィン)、および胃液の分解作用に耐え且つ腸管内で崩壊するように設計されている腸溶性ポリマーが含まれる。したがって、腸溶性ポリマーは、定義上、pH感受性であり、イオン化しうる酸基を有する。これら酸基はイオン化されていないので、水への可溶性が少ない。イオン化およびそれによって増加した溶解性は、腸管内で生じるので、これらポリマーは、胃液の低pH環境(pH1〜3.5)で実質的に不溶性であるが、腸液のpHでは速やかに溶解するので、その剤形が十二指腸に注ぐにつれて、pHの劇的変化が起こり、酸基のイオン化および増加した溶解性をもたらす。本発明において用いられる具体的な腸溶性ポリマーは、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーである。一つの例で、この範囲の下限は3.5、4または4.5である。一つの例で、この範囲の上限は5または5.5である。
当業者が承知しているように、Henderson−Hasselbach 式を用いて、次の式によってpKを決定することができる。
pK=pH−log(非イオン化ポリマー濃度÷イオン化ポリマー濃度)
pKより2単位低いpHでは、酸基のほぼ1%のみがイオン化しているであろうし、ポリマーは胃液ではほとんど溶解しないであろう。pHが増加するにつれて、イオン化酸基のパーセンテージが増加し、pHがpKを2単位超えた場合にはイオン化基のパーセンテージがほぼ100%であるので、ポリマーは腸では可溶性であろう。
一つの態様において、腸溶性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メチルセルロースアセテートフタレート、エチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースプロピオネートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースブチレートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、メチルセルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテートスクシネート、セルロースプロピオネートトリメリテート、セルロースブチレートトリメリテート、セルロースアセテートテレフタレートおよびセルロースアセテートイソフタレートより選択される。
「ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートポリマー」またはHPMCPという用語の使用は、同じ基本構造特徴を共有し且つヒプロメロースフタレート(hypromellose phthalate);メチルヒドロキシプロピルセルロシフタラス(metylhydroxypropylcellulosi pthalas);セルロース、1,2−ベンゼンジカルボン酸水素,2−ヒドロキシプロピルメチル;並びに商業的に入手可能なポリマーHP−55TM、HP−55STMおよびHP−50TM(Shin−Etsu Chemical Industry Co., Ltd., Japan または指定卸売業者から入手可能)のようなポリマーを含むポリマー群を分類するために、当業者に知られている。
好ましくは、このヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートポリマーは、20kDa〜200kDa、例えば、80kDa〜130kDaの分子量(Mw)を有する。一つの態様において、このMwは、150kDa未満または100kDa未満である。HP−50、HP−55およびHP−55Sは、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの例である。HP−55は、84kDaのMwを有する。HP−55Sは、132kDaのMwを有する。HP−50は、78kDaのMwを有する。HP−50は、pH≧5で可溶性であるが、HP−55およびHP−55Sは、pH≧5.5で可溶性である。一つの態様において、ビカルタミドは、HP−50、HP−55およびHP−55Sより選択される少なくとも1種類のポリマーを含む固体分散体中である。したがって、2種類またはそれを超えるこれらHPMCPポリマーの混合物を用いることができると考えられる。
HPMCAS(商品名:AQOAT,Shin−Etsu Chemical Industry Co., Ltd., Japan または指定卸売業者から入手可能)は、次のグレード、すなわち、AS−LF、AS−MF、AS−HF、AS−LG、AS−MGおよびAS−HGで入手可能である。AS−Lグレードは、pH≧5.5で可溶性であり、AS−Mグレードは、pH≧6.0で可溶性であり、そしてAS−Hグレードは、pH≧6.5で可溶性である。一つの態様において、ビカルタミドは、HPMCASグレードAS−L、AS−M、AS−Hより選択される少なくとも1種類のポリマーを含む固体分散体中である。したがって、2種類またはそれを超えるこれらHPMCASポリマーの混合物を用いることができると考えられる。
メタクリル酸コポリマーは、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルの十分に重合したコポリマーである。グレードA(商品名:EUDRAGITTM L100,Rohm Pharma または指定卸売業者から入手可能)およびグレードB(商品名EUDRAGITTM S100)が入手可能である。これらグレードは、フリーのカルボキシル基対エステル基の比率が異なり、したがって、溶解度プロフィールが異なる。タイプAは、約1:1の比率を有し、pH≧6で可溶性である。タイプBは、約1:2の比率を有し、pH≧7で可溶性である。もう一つのグレード(EUDRAGITTM L30D−55)は、pH≧5.5で可溶性である。一つの態様において、ビカルタミドは、少なくとも1種類のメタクリル酸コポリマーを含む固体分散体中にある。したがって、2種類またはそれを超えるこれらポリマー(例えば、グレードAおよびB)の混合物を用いることができると考えられる。
PVAPは、pH≧5で可溶性であり、Colorcon Inc または指定卸売業者から入手可能である。
CAP(粉末製品AQUATERICTMの一部分として、FMC Corporation から入手可能)は、pH≧6.5で溶解する。
CATは、Eastman Fine chemicals, Zurich, Switzerland から入手可能である。
一つの態様において、HP−55S腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤であって、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である医薬製剤を提供する。
「固体分散体」という用語は、当該技術分野において周知の用語であり、これは、慣用的な溶融(融合)法、溶媒法または溶融溶媒法によって製造される、固体状態での不活性担体またはマトリックス中の1種類またはそれを超える活性成分の分散を意味する。このタイプのアプローチを記載するのにも用いられるこれら用語は、固溶体、コエバポレートおよび共沈殿物である(W.L. Chiou and S. Riegelman, "Applications of Solid Dispersion Systems", J. Pharm. Sci. 60:1281−1302, 1971)。一つの態様において、この分散は、溶融押出によって製造される。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド:腸溶性ポリマーの好ましい重量比は、1:0.25〜1:10である。より好ましくは、この範囲の下限は、1:0.5、1:0.75または1:1である。好ましくは、この範囲の上限は、1:<3、1:3または1:5である。比率範囲の例は、1:1〜1:3または1:0.25〜1:<3である。
本発明の一つの側面は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの医薬用量であって、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に25〜600mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含み、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である医薬用量を提供する。もう一つは、患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させるために患者に投与可能な4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの1日(1日1回の)医薬用量であって、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に25〜600mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含み、>50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている用量を提供する。好ましくは、この用量は、1000mg、500mg、450mg、400mg、300mg、200mg、150mg、125mg、100mg、75mgまたは50mgの上限の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む。他の範囲の例には、5〜1000mg、25〜600mgおよび25〜450mgが含まれる。一つの例において、この用量は、450mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む。
1日用量、すなわち、1日1回の用量は、好ましくは、単一単位形式で、例えば、錠剤またはカプセル剤で与えられる。しかしながら、多数用量単位(すなわち、1個、2個、3個等)も包含される。
追加の賦形剤が、この製剤または用量中に包含されていてもよい。例えば、この製剤または用量は、1種類またはそれを超える充填剤、結合剤、崩壊剤および/または滑沢剤を含んでよい。適当な充填剤には、例えば、ラクトース、糖、デンプン、化工デンプン、マンニトール、ソルビトール、無機塩類、セルロース誘導体(例えば、微結晶性セルロース、セルロース)、硫酸カルシウム、キシリトールおよびラクチトールが含まれる。
適当な結合剤には、例えば、ポリビニルピロリドン、ラクトース、デンプン、化工デンプン、糖類、アラビアゴム、トラガカントゴム、グアーゴム、ペクチン、ロウ結合剤、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン(copolyvidone)、ゼラチンおよびアルギン酸ナトリウムが含まれる。
適当な崩壊剤には、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ナトリウムデンプングリコラート、トウモロコシデンプン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。
適当な滑沢剤には、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバロウ、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコールおよびフマル酸ステアリルナトリウムが含まれる。
加えることができる追加の慣用的な賦形剤には、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、シリカフローコンディショナー、付着防止剤または滑剤(glidants)が含まれる。
用いることができる他の適当な充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤および追加の賦形剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition; The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, 3rd Edition 1986; Pharmaceutical Dosage Forms 1998; Modern Pharmaceutics, 3rd Edition 1995; Remington's Pharmaceutical Sciences 20th Edition 2000 に記載されている。
好ましくは、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、固体分散体の1〜80重量%、好ましくは、1〜50重量%(より好ましくは、2〜25重量%または2〜15重量%)の量で存在するであろう。
好ましくは、1種類またはそれを超える充填剤は、製剤または用量の1〜70重量%の量で存在するであろう。
好ましくは、1種類またはそれを超える結合剤は、製剤または用量の2〜40重量%の量で存在するであろう。
好ましくは、1種類またはそれを超える崩壊剤は、製剤または用量の0.5重量%〜25重量%、特に、4〜10重量%の量で存在するであろう。
特定の賦形剤が、結合剤としても充填剤としても、または結合剤、充填剤および崩壊剤として作用しうるということは理解されるであろう。典型的には、充填剤、結合剤および崩壊剤の組合せ量は、例えば、製剤または用量の1〜90重量%を構成する。
好ましくは、1種類またはそれを超える滑沢剤は、製剤または用量の0.25〜5重量%、特に、1〜2重量%の量で存在するであろう。
好ましくは、1種類またはそれを超える湿潤剤は、固体分散体中に、その固体分散体の0.1〜5重量%(より好ましくは、1〜2重量%)の量で存在するであろう。湿潤剤の存在は、本発明で達せられる治療的可能性の増加を更に増大させる。適当な湿潤剤の例には、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム);ドキュセートカルシウム;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリソルベート20、40、60および80;ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、例えば、Cremophor RH40TM;およびポロキサマー(poloxamers)が含まれる。
固体分散体を製造する方法は、当該技術分野において知られているが、典型的には、共通溶媒中に薬物およびポリマーを溶解させ、その溶媒を蒸発させる工程を含む。この溶媒は、用いられるポリマーおよび製造方法にしたがって常套的に選択されうる。溶媒の例は、アセトン、アセトン/ジクロロメタン、メタノール/ジクロロメタン、アセトン/水、アセトン/エタノール、ジクロロメタン/エタノールまたはエタノール/水である。HP−50については、例えば、最後の4種類の溶媒を用いることができる。HPMCASについては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール/水および塩化メチレン/エタノールを用いることができる。メタクリル酸コポリマーについては、イソプロピルアルコールを用いることができる。ポリ酢酸フタル酸ビニルについては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン/メタノール、アセトン/エタノールおよびメタノール/塩化メチレンを用いることができる。CAPについては、例えば、エーテル/アルコール、ケトン(例えば、アセトン)、エステルおよび環状エーテルを用いることができる。溶媒を蒸発する方法には、回転蒸発、噴霧乾燥、凍結乾燥および薄層蒸発が含まれる。溶媒調節沈殿、pH調節沈殿、噴霧凝固および超臨界流体技術のような他の技法を用いてよい。
固体分散体に関しては、本発明者は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの一部分が、用いられるポリマー中に溶解するかもしれない可能性を除外していないが、もしあれば、その正確な割合は、選択される具体的な腸溶性ポリマー(1種類または複数の)に依存するであろう。
製剤または用量の一つの態様において、≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%またはだいその程度の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、R鏡像異性体の形で与えられている。好ましい態様において、100%または実質的に100%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、R鏡像異性体の形で与えられている。「実質的に100%」により、本発明者は、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが純粋なR鏡像異性体として与えられていること、または微量の(<1%)S鏡像異性体が存在することを意味する。下の実験の項が示すように、本発明におけるR鏡像異性体の優位性により、十分な貯蔵安定性および増大した治療的可能性を有する4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド製剤が供給されるものである。
本発明の製剤において、少なくとも若干の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に非晶質の形で存在してよい。非晶質の形の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの供給は、それが、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの溶解度および溶解速度を更に増加させ、それによって、本発明で達せられる治療的可能性の増加を促すので、更に好都合である。薬物が非晶質で存在するか否かは、慣用的な熱分析またはX線回折によって決定することができる。一つの態様において、製剤中の少なくとも25%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、非晶質の形で存在する。より好ましくは、この量は、少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、95%または99%である。最も好ましい態様は、製剤中の100%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形である場合である。
本発明のもう一つの側面において、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの固体分散体であって、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている固体分散体を提供する。
これら製剤および用量は、粘膜投与可能である、すなわち、粘膜を超えた吸収のために粘膜に投与可能である。この目的に適した投与経路には、吸入による投与、更には、経口、鼻腔内および直腸投与が含まれる。経口投与が特に好ましい。錠剤または他の形の製剤は、投与経路にしたがって当業者に選択されると考えられる。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、この化合物が患者のアンドロゲン活性を阻止するという点で、抗アンドロゲン作用を提供するのに有用である。抗アンドロゲン作用は、癌、例えば、前立腺癌を処置するのに有用である。具体的な例は、進行した前立腺癌および早期前立腺癌である。抗アンドロゲン作用は、患者の前立腺癌発症または再発(例えば、患者の治癒を目指した前立腺切除術または放射線療法後等)の危険を減少させるための予防に有用であり得る。これは、前立腺癌に遺伝的に素因がある男性に特に有用であり得る。前立腺癌に罹る危険にしたがって、例えば、前立腺特異的抗原(PSA)のような特定の血中タンパク質の経時測定値および家族歴の評価によって患者を分類する慣用法が利用可能である。抗アンドロゲン作用についての他の使用は、前立腺の非悪性疾患(例えば、良性前立腺過形成または肥大)、精巣中毒症(testotoxicosis)、男性型多毛症およびアクネの処置である。これらの状態は、前立腺癌と関連して、本明細書中において、前立腺障害として論及されるであろう。
患者は、ヒト男性、例えば、成人であり得るが、他の哺乳動物の処置も考えられる。
したがって、本発明のもう一つの側面により、患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させる方法であって、それを必要としている患者に、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤を投与することを含み、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である方法を提供する。
本発明のもう一つの側面により、患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させる方法であって、それを必要としている患者に、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの医薬用量であって、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に5〜1000mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む用量を投与することを含み、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている方法を提供する。
前立腺癌のこれら処置方法は各々、概して、前立腺障害にも用いることができる。
本発明の更に別の側面には、次が含まれる。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能を増加させる方法であって、その患者への、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの有効量の投与を含み、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である方法。本発明のこの側面の一つの態様において、少なくとも50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドは、固体分散体中に非晶質の形で存在している。
3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの貯蔵安定性を増大させる方法であって、ここにおいて、少なくとも50%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形であり、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形であるものの使用を含む方法。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性の減少および/または4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能の増加を伴う、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤の製造方法であって、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの固体分散体を形成することを含み、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている方法。
患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させる薬剤の製造における、3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの使用であって、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドでの処置を必要としている患者のための、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性が減少した薬剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤の製造における、50%を超えるR鏡像異性体の形の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの使用。
4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能を増加させることおよび/または4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの血漿濃度の患者間変動性を減少させることに加えて、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの製剤中での貯蔵安定性を増大させるための、患者に粘膜投与可能な医薬製剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
本発明を、次の非制限実施例に関して更に記載する。
実験
A:比較例
次の実施例は、本発明によらないが、本発明による実施例の解釈に適当な内容を与えるために包含される(Bの項を参照されたい)。
種々の固体分散体製剤の in vitro 評価
本発明者は、3〜6の範囲のpKを有する代表的腸溶性ポリマー(この場合、HPMCP HP−55S、EUDRAGIT L100およびHPMCAS AQOAT LG)を含むビカルタミド(ラセミ体4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド)の固体分散体を製剤化し、そしてこれらを、通常のビカルタミド錠剤製剤に対して、そして更に、(代表的腸溶性ポリマーとしてHPMCP HP−55S用いて)ビカルタミドを含む数種類の異なった非腸溶性ポリマー(ポリエチレングリコール(PEG)4000、PLA:PEG[2kDa:2kDa](ポリラクチド:メトキシポリエチレングリコール[2kDa:2kDa])、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)PHARMACOATTM 606およびMETOLOSE 60SH 50cp)を用いた固体分散体に対して比較した。各々の製剤は、1:5のビカルタミド:ポリマー重量比を有した。これら製剤を、治療的可能性の改善について、in vitro 溶解試験を用いて評価した。
様々のビカルタミド:HP−55S重量比を有する固体分散体の性能も評価した。
固体分散体製剤の製造
1:5のビカルタミド:ポリマー重量比を有する固体分散体を次のように製造した。
0.5gのビカルタミドおよび2.5gのポリマーを、250mlの丸底フラスコ中に直接秤量し、80mlのアセトン:ジクロロメタン(3:1)中に溶解させた。その溶媒をロータリーエバポレーターでまたは噴霧乾燥によって除去した。この製剤を真空オーブン中に入れ、高真空下において40℃で24時間乾燥させた。
製剤をフラスコから回収し、Fritsch ミルを用いて乾燥粉砕した。次に、製剤を高真空下において40℃で更に24時間乾燥させた。
1:5以外の比率を有する製剤を製造するには、プロセス中の重量および容量が上記のものに比例するように調整すべきである。
in vitro 溶解試験
(a)腸溶性ポリマーを含む固体分散体対非腸溶性ポリマーを含む固体分散体
これら製剤を、ゼラチン硬カプセル中に秤量し(50mg薬物相当量)、900ml媒質[0.25%ドデシル硫酸ナトリウム溶液かまたはpH6.5緩衝液]中に37℃で1時間溶解させた(櫂型撹拌機速度75rpm)。次に、5ml試料を、5分、10分、20分、30分、45分および60分にプラスチックシリンジで取り出した。各試料を周囲温度で15分間遠心分離(14,000rpm)後、次の条件を用いたHPLC分析によって分析した。
溶離剤:58%ACN/42%水/0.2%ギ酸
カラム:15cm Luna 5um,3mm内径カラム(ガード付き)
検出波長:270nm
流速:1ml/分
温度:周囲温度
注入:10ul
保持時間:約2分
図1および図2は、各種固体分散体で行われた in vitro 溶解試験の結果を示す。図1が示すように、溶液中100%のビカルタミドは、HPMCP HP−55S、EUDRAGIT L100およびHPMCAS AQOAT LG固体分散体で得られ、60分試験の間中、過飽和が維持された(すなわち、薬物沈殿は認められなかった)が、これは、通常の錠剤にまさる顕著な改良である。これを、通常の錠剤製剤にまさる改良が全くみられなかったPLA:PEG固体分散体についての結果(図2)に対して比較されたい。PEG4000固体分散体も腸溶性ポリマーを用いた製剤よりはるかに劣っていて(図2)、溶液中40%をごく僅か超えるビカルタミドにしか達しなかった。更に、図2に言及すると、METOLOSE 60SH 50cpおよびHPMC PHARMACOAT 606を含む固体分散体は、溶液中約58%および70%のビカルタミドに達しただけであったことが示される。
(b)様々なビカルタミド:HP−55S比を有する固体分散体
固体分散体を、ビカルタミド:HP−55S重量比=1:1、1:2、1:3、1:4および1:5で製造した。これらを in vitro 溶解試験で調べ、結果を図3に示す。比較のために、通常のビカルタミド錠剤製剤も含まれた。
図3が示すように、HP−55Sを含む全ての製剤について、100%ビカルタミド溶液が達成され、60分試験の間中、過飽和が維持された。これら結果は、通常製剤で達成された結果より優れていた。
in vivo 評価
経口用量のビカルタミドを、絶食したイヌに投与した(450mg薬物相当量)(n=6)。投与された製剤は、通常のCASODEXTM錠剤および1:3[ビカルタミド:HP55S]固体分散体であった。この固体分散体は、前記のように製造したが、しかしながら、溶媒は、ロータリーエバポレーションとは異なり、噴霧乾燥によって除去した。各経口用量後に水20mlを与えた。血液試料は、投与前および投与後1、2、3、4、6、8、12、18、24、30、36、48、72、96、120、144、168時間に採取した。これら試料を3000rpmで15分間遠心分離し、血漿を普通の血液試験管中に取り出し、分析するまで−20℃で貯蔵した。試料は、適当な抽出法後、LC−MSを用いて分析した。
薬物動態学的パラメーターの要旨
Figure 0003639587
これらデータ、並びに図4は、ビカルタミドの生物学的利用能が、腸溶HP−55Sポリマーを用いた固体分散体で、より大きいことを示している。実際に、AUC測定値は、HP−55S固体分散体の数値が通常の錠剤製剤のほぼ3倍であることを示している。更に、HP−55S固体分散体のCmaxは、通常の錠剤製剤のほぼ3倍である。更に、ビカルタミド血漿レベルの対象間変動性は、HP−55S固体分散体について、通常の錠剤製剤より低い(変動性/総AUCについては、HP−55S固体分散体の309/1504μg/時/mlの数値を、通常の錠剤製剤の405/500μg/時/mlの数値に対して比較されたい)。通常の錠剤製剤と比べて本発明の製剤は同様の改良点を示す。
B:本発明による実施例
R鏡像異性体によって与えられる治療的可能性の増大
(i)1:3比において
R−4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド(100%のR鏡像異性体):HP−55S腸溶性ポリマー重量比が1:3の固体分散体を製造した。製造は噴霧乾燥法によった。第二の固体分散体も噴霧乾燥法によって製造したが、この固体分散体は、ビカルタミド(すなわち、ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド):HP55S重量比が1:3であった。
in vitro 溶解試験
この試験は、上のプロトコールにしたがって行った。図5は、これら2種類の製剤および通常の50mgビカルタミド錠剤製剤について、時間に対する放出された4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの累積%の比較を示す。図5が示すように、100%のR鏡像異性体を有する本発明の固体分散体は、通常の製剤と比較して増大した薬物放出を示した。この増大は、ビカルタミド固体分散体によって得られるものと同様であった。
(ii)1:1比において
双方の製剤の薬物:HP55S比を1:1に変更したこと以外は、(i)の部分のプロトコールにしたがった。
in vitro 溶解試験
この試験は、上のプロトコールにしたがって行った。図6は、1:1比を有するこれら2種類の製剤についての、時間に対する放出された4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの累積%の比較を示す。ここでも、双方の固体分散体製剤は、通常の製剤と比較して増大した薬物放出を示した。実際に、本発明の製剤は、溶液中100%の薬物に達し、60分試験の間中、過飽和が維持された(すなわち、薬物の沈殿は認められなかった)。
R鏡像異性体によって与えられる貯蔵安定性の増大
固体分散体製剤を、上のB(i)部分の場合(すなわち、薬物:HP55S比が1:3)と同様に製造した。
製剤の貯蔵安定性は、X線回折(XRD)によって次のように評価した。製剤を琥珀色密封ガラスビン中に入れ、次の条件、すなわち、4℃、25℃/60%RH、50℃および40℃/75%RH(RH,相対湿度)で3ヶ月間貯蔵した。3ヶ月後、それら試料を取り出し、XRD(X線回折)によって分析して、結晶化度の有無を決定した。これら結果を次の表に示す。
Figure 0003639587
結果が示すように、本発明による製剤をいずれの条件下で貯蔵した場合も、3ヶ月後に結晶化度は検出されなかったので、この製剤の優れた安定性が示された。しかしながら、ビカルタミド(R/S−)製剤では、結晶化度が認められたことからも示されるように、安定性が少なかった。40℃/75%RHで貯蔵されたR/S試料中には結晶化度が認められたが、このことは3ヶ月貯蔵後の試験におけるこの製剤の溶解性能の減少に対応していた。
図1 ビカルタミド(すなわち、ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド)の、腸溶性ポリマーを含む様々の固体分散体製剤(900mlの媒質中に50mgのビカルタミド)からの溶解。
記号解:
丸印−通常のビカルタミド錠剤製剤
破線−HPMCP HP−55S
菱形−EUDRAGITTM L100
四角−HPMCAS AQOATTM LG
図2 腸溶性または非腸溶性ポリマーを含む様々の固体分散体製剤(900mlの媒質中に50mgのビカルタミド)からのビカルタミドの溶解。
記号解:
菱形−HPMC PHARMACOATTM 606
四角−METOLOSETM 60SH 50cp
三角−PEG4000
×印−PLA:PEG[2kDa:2kDa]
破線−HPMCP HP−55S
丸印−通常のビカルタミド錠剤製剤
図3 様々の重量比でHP−55Sと一緒にビカルタミドを含む固体分散体製剤(900mlの媒質中に50mgのビカルタミド)からのビカルタミドの溶解。
記号解:
次の比率は、ビカルタミド:HP−55Sの重量比に関する。
菱形−1:5
四角−1:4
三角−1:3
×印−1:2
丸印−1:1
破線−通常のビカルタミド錠剤製剤。
図4 ビカルタミド製剤のイヌへの投与(n=6,450mgのビカルタミド用量)後の血漿プロフィール。垂直バーは変動性を示す。
記号解:
実線−重量で1:3のビカルタミド:HP−55Sの固体分散体
破線−通常のビカルタミド錠剤製剤。
図5 固体分散体製剤(900mlの媒質中に50mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド,1:3の薬物:ポリマー比)からのビカルタミド(すなわち、ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド)および光学的に純粋なR−4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの溶解。
記号解:
三角−通常のビカルタミド錠剤製剤
菱形−ビカルタミド固体分散体
四角−R−4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド固体分散体
図6 固体分散体製剤(900mlの媒質中に50mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド,1:1の薬物:ポリマー比)からのビカルタミド(すなわち、ラセミ体の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド)および光学的に純粋なR−4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの溶解。
記号解:
三角−通常のビカルタミド錠剤製剤
菱形−ビカルタミド固体分散体
四角−R−4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド固体分散体

Claims (34)

  1. 3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤であって、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である医薬製剤。
  2. 腸溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メチルセルロースアセテートフタレート、エチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースプロピオネートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースブチレートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、メチルセルロースアセテートトリメリテート、エチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートトリメリテートスクシネート、セルロースプロピオネートトリメリテート、セルロースブチレートトリメリテート、セルロースアセテートテレフタレートおよびセルロースアセテートイソフタレートから成る群より選択される請求項1に記載の製剤。
  3. 腸溶性ポリマーが、78kDaの分子量を有しpH≧5で可溶性のHPMCP、84kDaの分子量を有しpH≧5.5で可溶性のHPMCP、132kDaの分子量を有しpH≧5.5で可溶性のHPMCP、pH≧5.5で可溶性のHPMCAS、pH≧6.0で可溶性のHPMCAS、pH≧6.5で可溶性のHPMCAS、フリーのカルボキシル基対エステル基の比率が約1:1でありpH≧6で可溶性であるメタクリル酸コポリマー、およびフリーのカルボキシル基対エステル基の比率が約1:2でありpH≧7で可溶性であるメタクリル酸コポリマーから成る群より選択される請求項1に記載の製剤。
  4. 腸溶性ポリマーが、132kDaの分子量を有しpH≧5.5で可溶性のHPMCP、pH≧5.5で可溶性のHPMCAS、およびフリーのカルボキシル基対エステル基の比率が約1:1でpH≧6で可溶性であるメタクリル酸コポリマーから成る群より選択される請求項1に記載の製剤。
  5. 腸溶性ポリマーが、132kDaの分子量を有しpH≧5.5で可溶性のHPMCPである請求項1に記載の製剤。
  6. 132kDaの分子量を有しpH≧5.5で可溶性のHPMCPである腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤であって、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である医薬製剤。
  7. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド:腸溶性ポリマーの重量比が、1:0.25〜1:10である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
  8. 固体分散体が湿潤剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
  9. 医薬用量として、5mg〜1000mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを、3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に含み、ここにおいて、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形である、請求項1〜8のいずれかに記載の製剤。
  10. ≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが、R鏡像異性体の形で与えられている請求項1〜9のいずれかに記載の製剤。
  11. 少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、95%または99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形である請求項1〜10のいずれかに記載の製剤。
  12. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む、3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーの固体分散体であって、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている固体分散体。
  13. 腸溶性ポリマーが、請求項2〜5のいずれか1項に定義の通りである請求項12に記載の固体分散体。
  14. 固体分散体が湿潤剤を含む請求項12または請求項13に記載の固体分散体。
  15. ≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが、R鏡像異性体の形で与えられている請求項12〜14のいずれか1項に記載の固体分散体。
  16. 少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、95%または99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形である請求項12〜15のいずれか1項に記載の固体分散体。
  17. 3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの貯蔵安定性を増大させる方法であって、ここにおいて、少なくとも50%の該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形であり、50%を超える4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形であるものの使用を含む方法。
  18. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性の減少および/または4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能の増加を伴う4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤の製造方法であって、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む、3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーの固体分散体を形成することを含み、ここにおいて、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている方法。
  19. 製剤が、1日用量の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドとして与えられていて、5mg〜1000mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む請求項18に記載の方法。
  20. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド:腸溶性ポリマーの重量比が、1:0.25〜1:10である請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 固体分散体が湿潤剤を包含する請求項17〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. ≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが、R鏡像異性体の形で与えられている請求項17〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、95%または99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形である請求項17〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 患者の前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌の危険を減少させる薬剤の製造における、3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの使用であって、ここにおいて、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
  25. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドでの処置を必要としている患者のための、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド血漿濃度の患者間変動性が減少した薬剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
  26. 3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーを含む固体分散体中に4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む医薬製剤の製造における、50%を超えるR鏡像異性体の形の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの使用。
  27. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの患者での生物学的利用能を増加させることおよび/または4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの血漿濃度の患者間変動性を減少させることに加えて、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドの製剤中での貯蔵安定性を増大させるための、患者に投与可能な医薬製剤の製造における、4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む固体分散体中の3〜6のpKaを有する腸溶性ポリマーの使用であって、ここにおいて、50%を超える該4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドがR鏡像異性体の形で与えられている使用。
  28. 薬剤または医薬製剤が、1日用量の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドとして与えられていて、5mg〜1000mgの4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドを含む請求項24〜27のいずれか1項に記載の使用。
  29. 4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジド:腸溶性ポリマーの重量比が、1:0.25〜1:10である請求項24〜28のいずれか1項に記載の使用。
  30. 固体分散体が湿潤剤を包含する請求項24〜29のいずれか1項に記載の使用。
  31. ≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが、R鏡像異性体の形で与えられている請求項24〜30のいずれか1項に記載の使用。
  32. 少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、95%または99%の4’−シアノ−α’,α’,α’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドが非晶質の形である請求項24〜31のいずれか1項に記載の使用。
  33. 腸溶性ポリマーが、20kDaから200kDaの分子量を有するHPMCPである請求項1に記載の製剤。
  34. 腸溶性ポリマーが、80kDaから130kDaの分子量を有するHPMCPである請求項1に記載の製剤。
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