JP2008531531A - 方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる有効量のビカルタミド(4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド)含有配合物を患者に投与することにより、転移性前立腺癌患者を処置する方法;ならびに少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体をその必要がある患者に送達できるビカルタミド含有製剤および配合物に関する。
Description
非ステロイド系抗アンドロゲン薬であるビカルタミド(bicalutamide)は、4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドのラセミ体である。ビカルタミドはアストラゼネカの商品名カソデックス(CASODEX(商標))により知られている。EP-100172には、4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド(EP-100172では4-シアノ-3-トリフルオロメチル-N-(3-p-フルオロフェニルスルホニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプルピオニル)アニリンと命名)が例6中の表に第8化合物として開示されている。対応する構造を式Iに示す。
ビカルタミドは前立腺癌の処置に使用でき、抗アンドロゲン薬としてのビカルタミドの特性および有用性がB J A Furr et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. 1A), 13-25、およびG J C Kolvenbag et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. IA), 70-79に概説されている。
ビカルタミドは、ヒトの初期(局在性または局所進行性)非転移性前立腺癌の治療のための単独療法として、一般的な経口錠の形で150mgの投与量で1日1回用いられる。進行性前立腺癌の治療のためには、これは黄体形成ホルモン放出ホルモン類似体または外科的去勢と組み合わせて、50mgの投与量で1日1回用いられる。
患者に対するビカルタミドの生物学的利用能は、消化(GI)管内での薬物の溶解速度および溶解度によってある程度判定され、これは消化管の粘膜を通した吸収に影響を与える。一連の配合物についてのビカルタミドの相対的な生物学的利用能は、血漿ビカルタミド濃度-対-ビカルタミド投与後の経過時間のグラフの曲線下面積(AUC)を測定することにより評価できる。この薬物の溶解速度および溶解度は最適以下であるため、一般的な錠剤の投与後に達成できる全身最大曝露が制限され、したがって150mg以上の一般的な錠剤用量でビカルタミドの生物学的利用能が著しく低下する。本発明者らは、一般的なカソデックス(商標)錠を300 mg/日以上の投与量で用いてもそれ以上の有意な全身曝露増大を達成できないというKolvenbagらの初期の所見(The Prostate 34:61-72, 1998)を確認した。しかし、これらの高い投与量のカソデックス(商標)に関する有効性データはKolvenbagら(前掲)に示されていない。
Ml患者の現在の標準的な処置は去勢(外科的睾丸摘除または薬物による)である。しかし、これは認知機能障害、性的機能障害、身体能力障害、および骨粗鬆症合併をもたらす可能性のある骨無機質密度低下など、著しい副作用を伴い(Iversen et al., J Urol 164(5): 1579-1582, 2000; およびSieber et al., J Urol 171(6 Pt l): 2273-2276, 2000)、生活の質を低下させる。カソデックス(商標)投与患者について生活の質の尺度は去勢より良好であることが一般に認められているが、150mgのカソデックス(商標)を用いる療法が転移性疾患を伴うヒトの全般的な生存に関して去勢と同様に有効であるかは証明されていない(Tyrrell et al., Eur Urol. 33: 447-456, 1998)。したがって、上記に確認した生活の質の低下という問題がなく、去勢を受けた患者と同程度に良好な、好ましくはそれより良好な生存のチャンスをもつ、改良されたM1患者処置法が当技術分野で求められている。
現在、進行性疾患の管理のために去勢療法と組み合わせたカソデックス(商標)50mgが認可され、一方、非転移性疾患患者の管理のための単独療法としてカソデックス(商標)150mgが認可されている。日本ではすべての適用において用量は80mgである。これらの用量を投与した患者におけるR-ビカルタミドの平均血漿濃度は、それぞれ約9μg/ml、19μg/mlおよび22μg/mlである(Tyrrel et al., Eur Urol. 1998; 33(l): 39-53, 1998; Cockshott et al., Eur Urol. 18 (Suppl 3): 10-7, 1990)。本明細書の実施例1に開示するように、150mgを超える用量では血漿曝露の増分が用量に伴って直線的に上昇することはなく、また300mgを超える単位用量では平均血漿定常状態曝露のそれ以上の増大はみられない。したがって、一般的なカソデックス(商標)配合物を用いた場合、300mg/日を超える用量であるかに関係なく、最大平均定常状態曝露は31〜36μg/mlの範囲であると思われる。
本発明は、一般的な150mgのカソデックス(商標)を用いて得たものより高い平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミドを送達できる、普通より高い投与量のカソデックス(商標)で処置した転移性前立腺癌患者において、生存有益性が増大するという所見から生まれたものである。このビカルタミド療法様式は、40μg/ml以上の平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できるビカルタミド配合物を用いて、転移性前立腺癌(M1と分類)を伴う前立腺癌患者のサブグループを、去勢(薬物または外科処置による)の有益性に匹敵するか、またはそれに優る十分な有益性をもって処置できる可能性を初めて提供する。
したがって本発明は、その必要がある患者に、少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できるビカルタミド(4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド)含有配合物を投与することにより、転移性前立腺癌患者を処置する方法に関する。
本発明の他の観点は、転移性前立腺癌患者を、好ましくは単独療法として処置するための医薬製剤の製造におけるビカルタミド、好ましくはその(R)-鏡像異性体形の使用を含む。
本発明の1観点によれば、その必要がある患者に、少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる有効量のビカルタミド(4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド)含有配合物を投与することにより、転移性前立腺癌患者を処置する方法が提供される。
他の態様において、配合物は少なくとも45μg/ml、50μg/ml、55μg/ml、60μg/ml、65μg/ml、70μg/ml、75μg/ml、80μg/ml、85μg/ml、90μg/ml、100μg/mlおよび110μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる。これらは平均定常状態値であり、患者間で変動性があり、最初の投与から血中濃度が定常状態濃度に達するまでに遅滞期があることは、認識されるであろう。
患者集団の不均質性からみて、同一の薬物剤形で異なる者が異なる定常状態血漿濃度を示す可能性があることは、当業者には自明であろう。したがって、本明細書に述べる数値(たとえば40μg/mlの平均定常状態血漿濃度)は少なくとも20人の患者から、好ましくは少なくとも100人の患者から、より好ましくは少なくとも1000人の患者から得た平均値である。平均定常状態血漿濃度は、個々の配合物の各投与量について計算される。
患者は好ましくはヒト、たとえば成人男性であるが、他の哺乳類の処置も考慮される。
ビカルタミドの活性部分が(R)-鏡像異性体形のビカルタミドであることは十分に確立している。(S)-鏡像異性体は(R)-鏡像異性体と対比して速やかに排除される;後者は約1週間の血漿排出半減期をもつ。1日150mgのカソデックス(商標)投与に際して、約22μg/mlの(R)-鏡像異性体形の定常状態血漿濃度がみられる。定常状態では、主に活性である(R)-鏡像異性体が循環している鏡像異性体全体の約99%を占める。
ビカルタミドの活性部分が(R)-鏡像異性体形のビカルタミドであることは十分に確立している。(S)-鏡像異性体は(R)-鏡像異性体と対比して速やかに排除される;後者は約1週間の血漿排出半減期をもつ。1日150mgのカソデックス(商標)投与に際して、約22μg/mlの(R)-鏡像異性体形の定常状態血漿濃度がみられる。定常状態では、主に活性である(R)-鏡像異性体が循環している鏡像異性体全体の約99%を占める。
用語”転移性前立腺癌”患者、すなわち”M1”患者は、前立腺癌が離れた位置の構造体もしくは臓器または骨格内へ拡散した患者を表わす。
本発明の他の観点によれば、転移性前立腺癌を伴う患者を処置する方法であって、その患者に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミドを送達できる量のビカルタミドを、それが可能な配合物中において投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、転移性前立腺癌を伴う患者を処置する方法であって、その患者に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミドを送達できる量のビカルタミドを、それが可能な配合物中において投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、その必要がある患者において、少なくとも40μg/mlの(R)-ビカルタミドの定常状態血漿濃度を有効な期間維持することを含む、転移性前立腺癌を処置する方法が提供される。
用語”有効量”は、目的効果を得るのに十分な投与量を意味し、そのような量は当業者が多大な実験または発明的努力なしに臨床試験により判定できる。”有効な期間”も、当業者、たとえば処置される個々の患者を担当している医師が判定できる。
本明細書中で用いる用語”前立腺癌を処置する”は、そのような状態を治療、軽減または対症処置し、癌組織の増殖を抑制し、これにより生存期間または生活の質の向上をもたらすことを意味する。
前記のように、プラトー効果のため、一般的なカソデックス(商標)配合物は投与量にもかかわらず必要な濃度の(R)-ビカルタミドを送達できない。しかし本発明者らは、溶解度増大型の配合物(solubility enhancing formulations)、たとえばWO02/067893、WO02/080902およびWO03/032950(本明細書に援用する)に開示される固体分散配合物が本発明に必要な血漿濃度の(R)-ビカルタミドを送達できることを見いだした。
本明細書に定義するように、75mgのビカルタミド(R-またはR/S)を含有する配合物を1.7リットルの0.1Mオルトリン酸二水素カリウム(pH 6.8)に入れて37℃で撹拌した際に以下のいずれかの時点、すなわち5、10、15、30、45および60分で30%を超える溶解度を示す場合、その配合物は“溶解度増大型”である。薬物:溶液(重量:容量)比を適宜適用できる。
この機能基準に適合しない配合物を、本明細書においては“一般的な配合物”または“溶解度増大型ではない配合物”と定義する。
したがって本発明は、他の溶解度増大型のビカルタミド配合物を用いて実施することもできる。当技術分野では他の多数の溶解度増大方法が知られている。たとえば固体分散系のほかに、脂質性配合物、シクロデキストリン複合体形成、粒度低下、超崩壊剤、ミセル形成、エマルションなどの方法が提唱され、これらが薬物の溶解度を増大させることが示されている。タイトル“Water Insoluble Drug Formation”−編集者Rong Liu.(2000)のテキストには、既知の種々の溶解度増大方法のうち若干が記載されている。たとえば:
複合体形成 (6章)
補助溶媒法を用いる可溶化 (7章)
エマルションおよびマイクロエマルション (8章)
ミセル (9章)
リポソーム (10章)
別形態の塩の形成 (11章)
プロドラッグ (12章)
粒度低下(微細化およびナノ懸濁液を含む) (13章)
固体分散法 (14章)
固体状態の変更、多形、溶媒和物など (15章)
Pinnamaneni et al. “貧溶解性薬物を経口投与するための配合方法”, Pharmazie. 57(5): 291-299(2002)の報文にも、当業者が利用できる他の多様な溶解度増大方法が概説されている。
したがって本発明は、他の溶解度増大型のビカルタミド配合物を用いて実施することもできる。当技術分野では他の多数の溶解度増大方法が知られている。たとえば固体分散系のほかに、脂質性配合物、シクロデキストリン複合体形成、粒度低下、超崩壊剤、ミセル形成、エマルションなどの方法が提唱され、これらが薬物の溶解度を増大させることが示されている。タイトル“Water Insoluble Drug Formation”−編集者Rong Liu.(2000)のテキストには、既知の種々の溶解度増大方法のうち若干が記載されている。たとえば:
複合体形成 (6章)
補助溶媒法を用いる可溶化 (7章)
エマルションおよびマイクロエマルション (8章)
ミセル (9章)
リポソーム (10章)
別形態の塩の形成 (11章)
プロドラッグ (12章)
粒度低下(微細化およびナノ懸濁液を含む) (13章)
固体分散法 (14章)
固体状態の変更、多形、溶媒和物など (15章)
Pinnamaneni et al. “貧溶解性薬物を経口投与するための配合方法”, Pharmazie. 57(5): 291-299(2002)の報文にも、当業者が利用できる他の多様な溶解度増大方法が概説されている。
これら他の溶解度増大型の薬物配合物のうちのいずれかに関する最近の特許/出願の例には、下記のものが含まれる:US6,569,463(Lipocine)、US6,294,192(Lipocine)、WO01/028505(Lipocine)、WO04/050057(Technologies Biolactis Inc)、WO03/043602(DDS Tech. Co. Ltd)、WO02/03039 (Lipotec SA);それぞれを本明細書に援用する。これらの溶解度増大型の配合方法それぞれを、いずれも本発明の療法に利用できる。
しかし本発明者らは、他の予想外の知見を得た。(R)-鏡像異性体形のビカルタミドは、カソデックス(商標)配合物中に存在するラセミビカルタミドより約3倍以上可溶性である(曝露においては6倍の増大に等しい可能性がある)。これは、一般的な配合物中のラセミビカルタミドは本発明方法に要求される必要な定常状態血漿濃度を送達できないが、一般的な(溶解度増大型ではない)配合物、たとえば一般的なカソデックス(商標)中の(R)-鏡像異性体形ビカルタミドの配合物は、本発明の実施に必要な(R)-鏡像異性体の血漿濃度を十分に達成する可能性があることを意味する。
一般的な/溶解度増大型ではない配合物は、前記に定義されている。一般に、溶解度増大型ではない配合物は、剤形の加工および体内での薬物放出を補助するための賦形剤、たとえば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動補助剤を含有するであろう。それは、薬物の湿潤および溶解速度を補助するための界面活性剤をも含有する場合がある。
ビカルタミド、すなわち4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドは、別個の(R)-およびS-鏡像異性体形で存在することができる。(R)-鏡像異性体は(-)異性体であり、インビボで薬理活性をもつ化合物である。これらの鏡像異性体の詳細についてはさらにTucker and Chesterton, J. Med. Chem. 31, pp 885-887(1988)を参照されたい。
(R)-鏡像異性体、(R)-ビカルタミドおよび(R)-ビカルタミド鏡像異性体という用語は、本明細書中で互換性をもって用いられる。
ラセミ体4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドの化学合成はUS4,636,505に記載されており、この開示内容を本明細書に援用する。(R)-鏡像異性体は、キラル酸のジアステレオマーエステルのクロマトグラフィー分離により得ることができる。たとえば、(R)-鏡像異性体はキラルクロマトグラフィーを用いるクロマトグラフィー分離により調製できる。他の方法は、キラルアミンとのジアステレオマー塩の分別結晶化による、カルボン酸前駆物質3-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸の分割を伴う。前記に引用したTuckerとChestertonの参考文献には、ラセミ体4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドからの(R)-鏡像異性体形と(S)-鏡像異性体形のクロマトグラフィー分離が開示されている。この方法は、ラセミ体の(R)-カンファノイルエステルをクロマトグラフィー分離し、それらを加水分解および酸化して(R)-および(S)-鏡像異性体にすることを伴う。本発明に使用するためのビカルタミド鏡像異性体を得る方法を説明するために、この開示内容を本明細書に援用する。ただし、鏡像異性体を調製するためにルーティンな方法を用いている当業者には他の方法(不斉合成を含む;たとえばUS6,583,306 - Nobex)は自明であろう。
ラセミ体4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドの化学合成はUS4,636,505に記載されており、この開示内容を本明細書に援用する。(R)-鏡像異性体は、キラル酸のジアステレオマーエステルのクロマトグラフィー分離により得ることができる。たとえば、(R)-鏡像異性体はキラルクロマトグラフィーを用いるクロマトグラフィー分離により調製できる。他の方法は、キラルアミンとのジアステレオマー塩の分別結晶化による、カルボン酸前駆物質3-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸の分割を伴う。前記に引用したTuckerとChestertonの参考文献には、ラセミ体4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドからの(R)-鏡像異性体形と(S)-鏡像異性体形のクロマトグラフィー分離が開示されている。この方法は、ラセミ体の(R)-カンファノイルエステルをクロマトグラフィー分離し、それらを加水分解および酸化して(R)-および(S)-鏡像異性体にすることを伴う。本発明に使用するためのビカルタミド鏡像異性体を得る方法を説明するために、この開示内容を本明細書に援用する。ただし、鏡像異性体を調製するためにルーティンな方法を用いている当業者には他の方法(不斉合成を含む;たとえばUS6,583,306 - Nobex)は自明であろう。
本発明は、ラセミ体および/または(R)-鏡像異性体形の使用に及ぶ。
前記のようにビカルタミドは現在ラセミ体として投与されている。しかし、(R)-鏡像異性体が実質的にすべての抗アンドロゲン活性を含むことは十分に確立している。したがって、化合物、配合物または投与の1態様においては、ほぼ≧50%、≧60%、≧65%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド(ビカルタミド)が(R)-鏡像異性体の形で供給される。好ましい態様においては、100%または実質的に100%の4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドが(R)-鏡像異性体の形で供給される。“実質的に100%”とは、4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドが純粋な(R)-鏡像異性体として供給されること、または痕跡量(<1%)のS-鏡像異性体が存在することを意味する。
前記のようにビカルタミドは現在ラセミ体として投与されている。しかし、(R)-鏡像異性体が実質的にすべての抗アンドロゲン活性を含むことは十分に確立している。したがって、化合物、配合物または投与の1態様においては、ほぼ≧50%、≧60%、≧65%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、≧98%または≧99%の4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド(ビカルタミド)が(R)-鏡像異性体の形で供給される。好ましい態様においては、100%または実質的に100%の4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドが(R)-鏡像異性体の形で供給される。“実質的に100%”とは、4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジドが純粋な(R)-鏡像異性体として供給されること、または痕跡量(<1%)のS-鏡像異性体が存在することを意味する。
医薬配合技術の専門家は、本発明薬物の投与に適切な配合物を設計することができる。本発明に従って使用するための化合物または組成物は、下記の適切な形であってよい:経口用(たとえば錠剤、トローチ剤、硬または軟カプセル剤、水性または油性懸濁液剤、乳剤、分散性の散剤または顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所用(たとえばクリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性もしくは油性の液剤もしくは懸濁液剤として)、吸入による投与(たとえば微細に分割した粉末または液体エアゾル剤として)、吹入による投与(たとえば微細に分割した粉末として)、または非経口投与(たとえば、静脈内、皮下、筋肉内もしくは筋肉内投与用の無菌の水性もしくは油性液剤として、または直腸投与用の坐剤として)。配合物一般については、Comprehensive Medicinal Chemistry Vol. 5, 編者Corwin Hansch et al, Pergamon Press 1990の25.2章に記載されている。
本発明に使用するための組成物は、常法により、当技術分野で周知の一般的な医薬賦形剤を用いて得ることができる。たとえば経口用組成物は、たとえば1種類以上の着色剤、甘味剤、着香剤および/または保存剤を含有することができる。
錠剤配合物に適切な医薬的に許容できる賦形剤には、たとえば不活性希釈剤、たとえば乳糖、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム;造粒剤および崩壊剤、たとえばトウモロコシデンプンまたはアルゲン酸(algenic acid);結合剤、たとえばデンプン;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク;保存剤、たとえばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピル;ならびに酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸が含まれる。錠剤配合物には、コーティングを施さなくてもよく、あるいはそれらの崩壊およびその後の消化管内での有効成分の吸収を改変するために、あるいはそれらの安定性および/または外観を改善するために、いずれの場合も当技術分野で周知のコーティング剤およびコーティング法を用いてコーティングを施してもよい。
経口用組成物は、有効成分を不活性固体希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル剤の形であってもよく、あるいは有効成分を水、または油、たとえばラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合した軟ゼラチンカプセル剤であってもよい。
水性懸濁液剤は一般に、微粉末状の有効成分を下記のもの1種類以上と共に含有する:懸濁化剤、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム;分散剤または湿潤剤、たとえばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(たとえばポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、たとえばポリエチレンソルビタンモノオレエート。水性懸濁液剤は、1種類以上の保存剤(たとえばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピル)、酸化防止剤(たとえばアスコルビン酸)、着色剤、着香剤および/または甘味剤(たとえばショ糖、サッカリンまたはアスパルテーム)を含有してもよい。
油性懸濁液剤は、有効成分を植物油(たとえばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油)または鉱油(たとえば流動パラフィン)に懸濁することにより配合できる。油性懸濁液剤は、増粘剤、たとえば蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。美味な経口製剤を得るために、甘味剤、たとえば前記のもの、および着香剤を添加してもよい。これらの組成物は、酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸の添加により保存することができる。
水の添加により水性懸濁液剤を調製するのに適切な分散性の散剤および顆粒剤は、一般に有効成分を分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種類以上の保存剤と共に含有する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既に前記に述べたものにより例示される。他の賦形剤、たとえば甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。
ラセミ体ビカルタミドを使用する態様においては、生物学的利用能を高めた配合物を適用することが好ましい。たとえば、ラセミ体ビカルタミドの生物学的利用能は((R)-鏡像異性体と同様に)、この薬物を固体分散配合物として配合することによって高めることができる。したがって1態様において、この非ステロイド系抗アンドロゲン薬は、3〜6のpKaをもつ腸溶ポリマーまたはPVPとの固体分散物中に薬物を含む配合物として調製される。そのような配合物はWO02/067893、WO02/080902およびPCT/GB02/04621に開示されており、これを本明細書に援用する。
1態様において、腸溶ポリマーは下記のものから選択される:酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸エチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、プロピオン酸フタル酸セルロース、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸トリメリト酸メチルセルロース、酢酸トリメリト酸エチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸トリメリト酸セルロース、酪酸トリメリト酸セルロース、酢酸テレフタル酸セルロースおよび酢酸イソフタル酸セルロース。
“フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー”、すなわちHPMCPという用語の使用は、同じ基本構造特色をもつ一群のポリマーを分類するためのものであることが当業者に知られており、たとえば下記のポリマーが含まれる:フタル酸ヒプロメロース(hypromellose phthalate);フタル酸メチルヒドロキシプロピルセルロース(methylhydroxypropylcellulosi phthalas);1,2-ベンゼンジカルボン酸水素2-ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ならびに市販ポリマーHP-55(商標)、HP-55S(商標)およびHP-50(商標)(日本の信越化学工業株式会社または指定の販売業者から入手できる)。
好ましくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーは20〜200kDa、たとえば80〜130kDaの分子量(Mw)をもつ。1態様において、Mwは150kDa未満、または100kDa未満である。HP-50、HP-55およびHP-55Sは文献中に知られており、経口配合物の腸溶コーティングとして広く用いられているポリマーである。HP-55は84kDaのMwをもつ。HP-55Sは132kDaのMwをもつ。HP-50は78kDaのMwをもつ。HP-50はpH≧5で可溶性であり、一方、HP-55およびHP-55SはpH≧5.5で可溶性である。1態様において、本発明の非ステロイド系抗アンドロゲン薬はHP-50、HP-55およびHP-55Sから選択される少なくとも1種類のポリマーとの固体分散物中にある。したがって、2種類以上のこれらのHPMCPポリマーの混合物を使用できるものとする。
1態様において、本発明の非ステロイド系抗アンドロゲン薬はHP-55との固体分散物中の(R)-鏡像異性体ビカルタミドである。
他の態様において、(R)-鏡像異性体形のビカルタミドは溶解度増大型ではない/一般的な錠剤の形、たとえば乳糖1水和物、グリコール酸デンプンナトリウム、ポビドンおよびステアリン酸マグネシウムを含有するものとして配合される。他の例は、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸を含有する錠剤である。溶解度増大型ではない配合物の成分の他の例を実施例3に示す。
他の態様において、(R)-鏡像異性体形のビカルタミドは溶解度増大型ではない/一般的な錠剤の形、たとえば乳糖1水和物、グリコール酸デンプンナトリウム、ポビドンおよびステアリン酸マグネシウムを含有するものとして配合される。他の例は、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸を含有する錠剤である。溶解度増大型ではない配合物の成分の他の例を実施例3に示す。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形であってもよい。油相は、植物油、たとえばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、たとえば流動パラフィン、またはこれらのいずれかの混合物であってよい。適切な乳化剤は、たとえば天然のゴム、たとえばアラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然ホスファチド、たとえば大豆、レシチン、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されたエステルまたは部分エステル(たとえばソルビタンモノオレエート)、ならびにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。乳剤は、甘味剤、着香剤および保存剤を含有してもよい。
シロップ剤およびエリキシル剤には、甘味剤、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはショ糖を配合することができ、粘滑剤、保存剤、着香剤および/または着色剤を含有させてもよい。
配合物の詳細な情報については、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; 編集長), Pergamon Press 1990, Vol.5, 25.2章を参照されたい。
1種類以上の賦形剤と混和して単一剤形を製造するための有効成分の量は、処置されるホストおよび個々の投与経路に応じて必然的に異なるであろう。たとえばヒトに経口投与するための配合物は、一般にたとえば30〜600mgの有効成分を適切かつ好都合な量の賦形剤と配合したものを含有するであろう。賦形剤は全組成物の約5〜約98%であってよい。単位剤形は、一般に約50〜約500mgの有効成分を含有するであろう。投与経路および投与方式の詳細な情報については、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; 編集長), Pergamon Press 1990, Vol.5, 25.3章を参照されたい。
1種類以上の賦形剤と混和して単一剤形を製造するための有効成分の量は、処置されるホストおよび個々の投与経路に応じて必然的に異なるであろう。たとえばヒトに経口投与するための配合物は、一般にたとえば30〜600mgの有効成分を適切かつ好都合な量の賦形剤と配合したものを含有するであろう。賦形剤は全組成物の約5〜約98%であってよい。単位剤形は、一般に約50〜約500mgの有効成分を含有するであろう。投与経路および投与方式の詳細な情報については、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; 編集長), Pergamon Press 1990, Vol.5, 25.3章を参照されたい。
本発明の種々の観点によるビカルタミド化合物は、少なくとも40μg/mlの定常状態血漿濃度の(R)-鏡像異性体を供給できる1日量剤形で投与されるであろう。一般に単位剤形は約60〜400mgのビカルタミドを含有するであろう。
本発明の他の観点によれば、ヒトに投与した際に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる量および形で配合されたビカルタミドを含む、医薬配合物または製剤が提供される。
本発明の他の観点によれば、製剤がヒトに投与した際に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる量および形であることを特徴とする、転移性前立腺癌患者を処置するための医薬製剤の製造におけるビカルタミドの使用が提供される。この‘量’は、配合物中に存在する薬物(ラセミ形または(R)-鏡像異性体形)の量を表わす。‘形’は、実際の配合物、たとえば溶解度増大型の配合物(たとえばポリマーとの固体分散物)または一般的な配合物を表わす。したがっていずれの配合物においても、R-鏡像異性体ビカルタミドの量は、薬物がラセミ形である場合に必要であった量より少ないであろう。同様にR-鏡像異性体形の薬物の量は、一般的な配合物と比較して溶解度増大型の配合物ではより少ないであろう。
本発明者らは、1日300〜600mgのカソデックス(商標)(一般的な錠剤剤形中のラセミ体ビカルタミド)を適切な期間投与すると、転移性前立腺癌患者に全般的な生存に関して去勢と同等な処置が得られることを見いだした。したがって本発明の他の態様においては、300mgのビカルタミドを含む配合物が提供される。これは1個の300mg単位剤形(たとえば1個の錠剤)またはより低い用量の複数の錠剤(たとえば150mgを2個)のいずれであってもよい。本発明の他の観点によれば、少なくとも300mg/日の量のラセミ体ビカルタミドまたは同等量のR-鏡像異性体ビカルタミドを適切な期間、患者に投与することにより、転移性前立腺癌患者を処置する方法が提供される。
本発明を限定ではない以下の実施例および添付の図面によってさらに記載する。
実施例:
実施例1
この最初の臨床試験/実施例は、M0またはM1前立腺癌を伴う患者に単独療法として1日1回投与した高用量(150mgを超える)ビカルタミドの有効性、薬物動態および安全性を評価するために計画された。
実施例:
実施例1
この最初の臨床試験/実施例は、M0またはM1前立腺癌を伴う患者に単独療法として1日1回投与した高用量(150mgを超える)ビカルタミドの有効性、薬物動態および安全性を評価するために計画された。
患者
患者は、組織学的または細胞学的に確認されたM0(T3またはT4)またはM1前立腺癌を伴い、PSA濃度は≧20ng/mLであった。
患者は、組織学的または細胞学的に確認されたM0(T3またはT4)またはM1前立腺癌を伴い、PSA濃度は≧20ng/mLであった。
試験計画および処置
20人の患者をまず、1日1回の経口ビカルタミド300mg(150mgのカソデックス(商標)錠2個)に対する耐容性を評価する非ランダム化相に参加させた。これらの患者において6週間の処置後に耐容性を評価し、許容できればその後、患者をビカルタミドまたは去勢(両側睾丸摘除術、または酢酸ゴセレリン(goserelin acetate)3.6mgデポ製剤(ゾラデックス(Zoladex)(商標))を28日毎に)療法にランダム化した(1:1ランダム化基準で)。450mg/日(3錠)および600mg/日(4錠)で、同様に耐容性を評価した。
20人の患者をまず、1日1回の経口ビカルタミド300mg(150mgのカソデックス(商標)錠2個)に対する耐容性を評価する非ランダム化相に参加させた。これらの患者において6週間の処置後に耐容性を評価し、許容できればその後、患者をビカルタミドまたは去勢(両側睾丸摘除術、または酢酸ゴセレリン(goserelin acetate)3.6mgデポ製剤(ゾラデックス(Zoladex)(商標))を28日毎に)療法にランダム化した(1:1ランダム化基準で)。450mg/日(3錠)および600mg/日(4錠)で、同様に耐容性を評価した。
この試験はビカルタミドを900mg/日まで用量漸増できるように計画されたが、最初の3種類の用量を評価した後、ビカルタミドの吸収が飽和することが明らかになった;300〜600mgの用量範囲にわたってCssおよびt1/2が類似することにより証明された。安全性プロフィールはこの用量範囲全体で類似していた。したがって、用量漸増を600mgで止めた。
患者に下記の状態までビカルタミドまたは酢酸ゴセレリンを投与し続けた:重篤な有害事象、死亡、客観的な疾患進行、非同意、ランダム化処置続行の不能もしくは拒否、客観的な進行がみられない状態で前立腺癌に対する全身処置の追加、または追跡失敗。客観的な疾患進行後には、3カ月毎に患者の生存および/または有害事象データを追跡した。
合計248人の患者を処置にランダム化した。これらの患者のうち139人はM0前立腺癌、109人はMl前立腺癌を伴っていた。
全体として、21人の患者にビカルタミド300mgを投与し、95人の患者を450mg投与にランダム化し(ただし、3人は処置を受けなかった)、42人の患者をビカルタミド600mgにランダム化した。去勢にランダム化した90人の患者のうち、82人は薬物による去勢を受け、8人は両側睾丸摘除術を受けた。4つの処置グループはすべて、試験開始時にそれらの人口統計および疾患状態に関して良好にバランスがとれていた。
全体として、21人の患者にビカルタミド300mgを投与し、95人の患者を450mg投与にランダム化し(ただし、3人は処置を受けなかった)、42人の患者をビカルタミド600mgにランダム化した。去勢にランダム化した90人の患者のうち、82人は薬物による去勢を受け、8人は両側睾丸摘除術を受けた。4つの処置グループはすべて、試験開始時にそれらの人口統計および疾患状態に関して良好にバランスがとれていた。
ビカルタミド450mg投与にランダム化したが処置を受けなかった3人の患者を除いて、すべての患者が安全性および有効性について評価可能であった。
処置の平均期間は、それぞれ300、450および600mgのビカルタミドを投与した患者について27.6(範囲1.9〜75.6)、30.0(範囲2.0〜78.7)および29.2(範囲0.5〜73.5)カ月間であり、去勢処置グループの患者については33.5(範囲0〜78.2)カ月間であった。
処置の平均期間は、それぞれ300、450および600mgのビカルタミドを投与した患者について27.6(範囲1.9〜75.6)、30.0(範囲2.0〜78.7)および29.2(範囲0.5〜73.5)カ月間であり、去勢処置グループの患者については33.5(範囲0〜78.2)カ月間であった。
薬物動態評価
薬物動態エンドポイントは、(R)-ビカルタミドの定常状態濃度(Css)および血漿排出半減期(t1/2)であった。(S)-ビカルタミドのCss濃度も測定した。
薬物動態エンドポイントは、(R)-ビカルタミドの定常状態濃度(Css)および血漿排出半減期(t1/2)であった。(S)-ビカルタミドのCss濃度も測定した。
薬物動態分析用の血液試料を、処置開始前、ならびに1回目のビカルタミド投与後、1、7、14、21、28、42、56および84日目に採集した。血漿試料を分析まで-2O℃に保存した。ビカルタミド化合物を血漿から溶媒抽出(expand)およびクロマトグラフィーによる分画により単離した。ビカルタミド含有画分を第2のクロマトグラフィーシステムで処理して、ビカルタミドのR-鏡像異性体とS-鏡像異性体を分離した。紫外線吸光度を用いて鏡像異性体の定量を行った。
方法:血漿0.5mlアリコートを用いてアッセイを行った。対照ヒト血漿のアリコートにラセミ体ビカルタミドの標準溶液を添加することにより、検量系列を調製した。したがって、標準液の濃度はビカルタミドに関してはx、各鏡像異性体に関してはx/2である。各試料に、さらに対照化合物(内標準)をpH 7の0.05Mリン酸緩衝液(Electronic Instruments Ltd.) 1.5mlおよび酢酸エチル6mlと共に添加した。試料を混合し、次いで遠心分離し、5mlアリコートの酢酸エチル層(上層)を取り出し、ポリプロピレン試験管内で蒸発乾固した。残留物を400μlの水:アセトニトリル(70:30 v/v)に再溶解した。200μlの再構成残留物を100mm×内径4.6mmの5μm Hypersil ODSクロマトグラフィーカラムから溶離した;HPLC溶媒−アセトニトリル:水(50:50 v/v)。続いてビカルタミドおよび内標準化合物を270nmにおけるそれらの紫外線吸光度により検出した。被験試料中の内標準に対するビカルタミドのピーク高さの比を検量系列中のものと比較することにより、被験試料中のビカルタミドの定量を行った。
前記のクロマトグラフィーシステムから単離したビカルタミドピークを、フラクションコレクターによりガラス試験管内へ採集した。これらの画分を蒸発乾固し、400μlのHPLC溶離剤中に再構成した;0.02MのpH 7リン酸緩衝液:アセトニトリル(85:15 v/v)。次いで200μlの再構成画分をキラルクロマトグラフィーシステムに注入した。
‘Ultron’ES-OVM(オボムチン相;icrom)を充填した150mm×内径4.6mmのステンレス鋼カラムからそれらを溶離した;これには5μmキラル-AGP (J.T Baker Inc.)を充填したガードカラムが取り付けられていた。続いてR-およびS-ビカルタミド鏡像異性体を、270nmにおけるそれらの紫外線吸光度により検出した。被験試料における化合物ピークのピーク高さおよび/または面積を検量系列のものと比較することにより、R-およびS-ビカルタミド鏡像異性体の定量を行った。
血液学的、生化学的および内分泌評価を、処置の開始前、4、8および12週目、ならびにその後12週毎に行った(内分泌評価については24週目までのみ)。
主有効性エンドポイントは、12週間のビカルタミドまたは去勢による処置後の血清PSA濃度の変化であった。
主有効性エンドポイントは、12週間のビカルタミドまたは去勢による処置後の血清PSA濃度の変化であった。
死亡までの時間のKaplan-Meierプロットを用いて、高用量(450〜600 mg)ビカルタミドまたは去勢が進行性前立腺癌患者の生存率に及ぼす影響を比較した。全患者集団および疾病段階(M0またはM1)の両方について結果を示す。図2、3および4を参照。
結果
薬物動態データは、それぞれ300、450および600mgのビカルタミドを投与した患者18、82および34人について得たものであった。
薬物動態データは、それぞれ300、450および600mgのビカルタミドを投与した患者18、82および34人について得たものであった。
ビカルタミド150、300、450および600 mg/日を投与した2日目から12週目までの活性(R)-ビカルタミド鏡像異性体の血漿濃度を図1に示す。
幾何平均Cssは3種類すべてのビカルタミド用量について類似し、これは全身曝露がプラトーに達したことを示唆する。不活性(S)-ビカルタミド鏡像異性体についても類似の結果が得られた。
幾何平均Cssは3種類すべてのビカルタミド用量について類似し、これは全身曝露がプラトーに達したことを示唆する。不活性(S)-ビカルタミド鏡像異性体についても類似の結果が得られた。
(R)-ビカルタミドの幾何平均t1/2も3種類のビカルタミド用量グループ全体で類似していた。ビカルタミド用量の増加に伴ってt1/2がわずかに低下する傾向はあったが、数値範囲は3グループ全体で類似していた。
試験中に139/245人の患者(56.7%)が死亡した。39人は治験中に死亡し、これら245人の患者のうち15人は前立腺癌のため死亡した。
有効性
ベースラインから4週目までに、ビカルタミドを投与した患者は去勢グループの患者と比較してより大きな幾何平均PSA値低下率を示した。しかし、12週目にはPSAの低下率はすべての処置グループ全体で類似していた(それぞれ300、450および600mgのビカルタミド投与患者、ならびに去勢患者について、93、95、96および95%低下)。
有効性
ベースラインから4週目までに、ビカルタミドを投与した患者は去勢グループの患者と比較してより大きな幾何平均PSA値低下率を示した。しかし、12週目にはPSAの低下率はすべての処置グループ全体で類似していた(それぞれ300、450および600mgのビカルタミド投与患者、ならびに去勢患者について、93、95、96および95%低下)。
中央値5年間の追跡について、生存率は高用量ビカルタミド(450〜600mg)投与患者と去勢処置グループの患者との間で類似していた(ビカルタミド事象71/137 [51.8%]-対-去勢事象54/90 [60.0%];ハザード比[HR] = 0.88 [95% CI 0.62, 1.26])。図2を参照。
Ml前立腺癌患者で、高用量ビカルタミド(450〜600mg)投与患者と去勢処置グループの患者との間で生存率に差がなかった(ビカルタミド事象43/63 [68.3%]-対-去勢事象29/36 [80.6%];HR = 0.91 [95% CI 0.56, 1.45])。図3を参照。
同様にM0患者でも、高用量ビカルタミド(450〜600mg)投与患者と去勢処置グループの患者との間で生存率の差はみられなかった(ビカルタミド事象28/74 [37.8%]-対-去勢事象25/54 [46.3%]; HR = 0.79 [95% CI 0.46, 1.36])。図4を参照。
考察
薬物動態評価は、300、450および600mg用量のビカルタミドがすべて類似の血漿定常状態濃度を与えることを示し、これは全身曝露がプラトーに達したことを指摘する。先の用量範囲判定試験で、約200 mgまでの用量についてビカルタミドの全身曝露が直線的に増大することが示された(Tyrrell et al 1998a)。今回の試験では、≧300mg用量の(R)-ビカルタミドの血漿濃度(31〜36μg/mL)は、ビカルタミド150 mgについて先にみられたもの(21.6μg/mL)より約50%高く、ビカルタミド200 mgについてみられたもの(28.9μg/mL)より約15%高かった(Tyrrell et al., Eur Urol. 33: 39-53, 1998)。これは、200mgを超える用量でのCssの非直線性を指摘する。
薬物動態評価は、300、450および600mg用量のビカルタミドがすべて類似の血漿定常状態濃度を与えることを示し、これは全身曝露がプラトーに達したことを指摘する。先の用量範囲判定試験で、約200 mgまでの用量についてビカルタミドの全身曝露が直線的に増大することが示された(Tyrrell et al 1998a)。今回の試験では、≧300mg用量の(R)-ビカルタミドの血漿濃度(31〜36μg/mL)は、ビカルタミド150 mgについて先にみられたもの(21.6μg/mL)より約50%高く、ビカルタミド200 mgについてみられたもの(28.9μg/mL)より約15%高かった(Tyrrell et al., Eur Urol. 33: 39-53, 1998)。これは、200mgを超える用量でのCssの非直線性を指摘する。
ただし、今回の試験におけるt1/2値は、より低いビカルタミド用量についてみられたもの(ビカルタミド用量10〜200 mgで6.25〜8.88日)(Tyrrell et al 1998a)と類似していた。これは600mgの用量まで(R)-ビカルタミドに薬物排出動態の傾向がないことを指摘し、排出プロセスが飽和しなかったことを示唆する。これは、用量に伴うCssの非直線性が観察されたのはビカルタミド用量の増加に伴って吸収される薬物の割合が低下した結果であったことを示唆する。動物における薬物動態試験は、用量増加に伴ってビカルタミドの絶対生物学的利用能が低下することを示した;これはおそらくその水溶性が低いためであろう(Cockshott, Clin. Pharmacokinet. 43(13): 855-878, 2004)。
中央値5年間の追跡後、高用量ビカルタミド(450〜600mg)投与患者の生存率は去勢療法についてみられたものと同等であった。異なる段階の前立腺癌(M0またはMl)を伴う患者における生存率の分析は、両患者グループにおいてビカルタミド450〜600mgが去勢と同等であることを指摘した。これらの所見は、単独療法による転移性前立腺癌の処置に300mg以上のカソデックス(商標)錠を使用する可能性を開くものである。
先の試験で、ビカルタミド150mgはM0前立腺癌患者において去勢と類似の生存有益性をもつことが示された(Iversen et al 2000)。
M0前立腺癌患者と異なり、Ml患者ではビカルタミド150mgが去勢ほど有効ではないことを先の試験からの結果は示唆していた(Tyrrell et al 1998b)。
M0前立腺癌患者と異なり、Ml患者ではビカルタミド150mgが去勢ほど有効ではないことを先の試験からの結果は示唆していた(Tyrrell et al 1998b)。
今回の試験は、高用量のビカルタミドはMl前立腺癌患者に去勢と類似の生存結果をもたらしうることを示唆する。300mg、450mgおよび600mg用量のビカルタミドは、現在の150mgについて先にみられたもの(21.6μg/mL)より高い定常状態血漿濃度のR-ビカルタミド(31〜36μg/mL)を送達する。したがって、R-ビカルタミドの定常状態血漿濃度の上昇とMl患者における生存有益性の間に相関性がある。これは、36μg/mLより高い定常状態血漿濃度のR-ビカルタミドをMl患者に送達できれば、おそらく去勢により得られるものを超えるさらに高い有効性および生存有益性が可能となることを示唆する。
ビカルタミドは、特に性的関心および身体能力に関して去勢に優る生活の質という有益性をもつことが示されており、これはあるヒトにとっては重要な考慮事項となる可能性がある(Iversen et al 2000; Tyrrell et al 1998b)。さらに、ビカルタミド150mgは骨無機質密度の維持という追加利点をもつのに対し、去勢は骨無機質密度を次第に低下させることがしばしばある(Sieber et al 2004; Smith et al 2004)。
したがって、これも去勢を受けるのを望まないM1患者にとって高用量ビカルタミドが選択肢となりうることを示唆する。
実施例2
溶解度試験
A.リン酸緩衝液中における溶解度
表(表2)に示す水性緩衝液を調製し、使用前の測定によりpHを確認した。
実施例2
溶解度試験
A.リン酸緩衝液中における溶解度
表(表2)に示す水性緩衝液を調製し、使用前の測定によりpHを確認した。
過剰のラセミ体ビカルタミドまたはR-ビカルタミドを20mlの各緩衝液に添加した。混合物を約23℃の温度で24時間、機械的に撹拌した。飽和溶液が調製されたことを可能な限り確実にするために、この期間後に各緩衝液中に溶解していない固体がなお残存することを確認した。溶液の最終pHを測定した。
各緩衝液のラセミ体ビカルタミドまたはR-ビカルタミドの濃度をHPLCにより測定した(150×4.6mmのRP18 3.5μmカラム; 350:650 アセトニトリル:水の溶離剤;1.0ml/分の流速;270nmの検出波長;10μlの注入容量)。約23℃でpH 1.3、3.2、6.2および8.3におけるラセミ体ビカルタミドおよびR-ビカルタミドの溶解度を表3に示す。
考察
これらのデータは、pH 1.3、3.2、6.2および8.3でR-ビカルタミドの溶解度がラセミ体ビカルタミドの溶解度の約3倍であることを示す。
これらのデータは、pH 1.3、3.2、6.2および8.3でR-ビカルタミドの溶解度がラセミ体ビカルタミドの溶解度の約3倍であることを示す。
単一R-鏡像異性体の溶解度はラセミ体の溶解度の3倍であるが、これはインビボでR-鏡像異性体の曝露において6倍の改善に換算することができる。その理由は、同一量の単一鏡像異性体について、ラセミ体の用量は単一鏡像異性体の用量の2倍だからである。曝露に非直線性がみられる時点は用量-対-溶解度比の結果であり、したがって潜在有益性は3倍ではなく6倍である。
B.ラセミ体ビカルタミドおよびR-ビカルタミド配合物の溶解
ラセミ体ビカルタミドまたはR-ビカルタミドを含有する配合物について溶解試験を行った。これらは、80mgのラセミ体ビカルタミドを含有する一般的な錠剤配合物(カソデックス80mg錠);150mgのR-ビカルタミドを含有する一般的な錠剤配合物(R-ビカルタミド錠);75mgのビカルタミドを含有する溶解度増大型の配合物(ビカルタミド75mgカプセル剤)、および75mgのR-ビカルタミドを含有する溶解度増大型の配合物からなっていた。溶解度増大型の配合物は薬物とHP-55s腸溶ポリマーの固体分散物であり、WO02/067893およびWO03/032950に従って調製された。R-ビカルタミドを含有する一般的な錠剤は、本明細書の実施例3に従って調製された。標準的な溶解装置を用いた(USP II,100rpmのパドル,37℃,0.1Mのオルトリン酸二水素カリウム,pH 6.8)。薬物が100%溶解するとほぼ同じ濃度の薬物が溶解媒質中に得られるように、錠剤の強度を考慮して溶解媒質の容量を調整した。各配合物について、1投与単位をそれぞれの溶解ポットに入れ、撹拌を開始した。15、30および45分後に10mlの試料を各ポットから採取し、各アリコート中に溶解した薬物の量をHPLCにより測定した(12.5×4.6mmの3u RP18カラム; 650:200:150 水:テトラヒドロフラン:アセトニトリルの溶離剤; 270nmの検出波長; 1.5ml/分の流速; 10μlの注入)。結果を表4に示す。
ラセミ体ビカルタミドまたはR-ビカルタミドを含有する配合物について溶解試験を行った。これらは、80mgのラセミ体ビカルタミドを含有する一般的な錠剤配合物(カソデックス80mg錠);150mgのR-ビカルタミドを含有する一般的な錠剤配合物(R-ビカルタミド錠);75mgのビカルタミドを含有する溶解度増大型の配合物(ビカルタミド75mgカプセル剤)、および75mgのR-ビカルタミドを含有する溶解度増大型の配合物からなっていた。溶解度増大型の配合物は薬物とHP-55s腸溶ポリマーの固体分散物であり、WO02/067893およびWO03/032950に従って調製された。R-ビカルタミドを含有する一般的な錠剤は、本明細書の実施例3に従って調製された。標準的な溶解装置を用いた(USP II,100rpmのパドル,37℃,0.1Mのオルトリン酸二水素カリウム,pH 6.8)。薬物が100%溶解するとほぼ同じ濃度の薬物が溶解媒質中に得られるように、錠剤の強度を考慮して溶解媒質の容量を調整した。各配合物について、1投与単位をそれぞれの溶解ポットに入れ、撹拌を開始した。15、30および45分後に10mlの試料を各ポットから採取し、各アリコート中に溶解した薬物の量をHPLCにより測定した(12.5×4.6mmの3u RP18カラム; 650:200:150 水:テトラヒドロフラン:アセトニトリルの溶離剤; 270nmの検出波長; 1.5ml/分の流速; 10μlの注入)。結果を表4に示す。
前記の表3に示したように、23℃およびpH 6.2ではR-鏡像異性体ビカルタミドの溶解度は約0.0065mg/mlであり、ラセミ体ビカルタミドの溶解度は約0.0022mg/mlである。一般的な配合物は溶解に際してこれと類似の増加を示すと予想される。実際に、温度差を考慮すると、表4に示す溶解試験はこの結論を支持する。
考察
一般的な配合物についてpH6.8での溶解は不十分であり、R-ビカルタミド錠については21.6%、ラセミ体ビカルタミド錠については8.2%にすぎなかった。15、30および45分で、R-ビカルタミドを含有する錠剤の溶解はラセミ体ビカルタミドを含有する錠剤の溶解の約3倍であった。この所見は、前記に報告したR-ビカルタミドの溶解度がラセミ体ビカルタミドより高いことと良好に一致する。
一般的な配合物についてpH6.8での溶解は不十分であり、R-ビカルタミド錠については21.6%、ラセミ体ビカルタミド錠については8.2%にすぎなかった。15、30および45分で、R-ビカルタミドを含有する錠剤の溶解はラセミ体ビカルタミドを含有する錠剤の溶解の約3倍であった。この所見は、前記に報告したR-ビカルタミドの溶解度がラセミ体ビカルタミドより高いことと良好に一致する。
これに対し、溶解度増大型の配合物はpH6.8で45分後に本質的に完全な溶解を示した。興味深いことに、R-ビカルタミドを含有する増大型配合物は15および30分でも完全な溶解を示した。これは、それぞれ15および30分後に、より低い46%および86%の溶解を示したラセミ体ビカルタミド含有配合物と対照的である。これは、この配合物は両製剤の溶解度を高めるのには成功したが、溶解度がより低い化合物であるラセミ体ビカルタミドは増大型配合物においてより遅く溶解することを指摘する。
実施例3
ビカルタミド製剤の調製
一般的な錠剤配合物は一般に薬物と共に下記の賦形剤のうちいずれかを含有するであろう:
−充填剤(希釈剤および圧縮助剤としても知られる):乳糖、マンニトール、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムを含む;
−結合剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プレゲル化デンプン、ゼラチンを含む;
−崩壊剤:グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、クロスポビドンを含む;
−滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、タルクを含む;
−流動助剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素。
ビカルタミド製剤の調製
一般的な錠剤配合物は一般に薬物と共に下記の賦形剤のうちいずれかを含有するであろう:
−充填剤(希釈剤および圧縮助剤としても知られる):乳糖、マンニトール、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムを含む;
−結合剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プレゲル化デンプン、ゼラチンを含む;
−崩壊剤:グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、クロスポビドンを含む;
−滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、タルクを含む;
−流動助剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素。
一般的な錠剤配合物は、直接圧縮法により、または造粒法を用いて製造できる。直接圧縮法は、成分を適切な装置内で混合またはブレンドし、続いて適切な錠剤機を用いて圧縮して固体剤形にすることを伴う。
造粒法は、粉末成分の特性、たとえば流動性または圧縮性を改善するために用いられる。湿式造粒は、混合に際して造粒液、たとえば水または結合剤溶液を粉末状成分に添加することを伴う。その結果、粉末が凝集して顆粒になる。次いでこの顆粒を一般に乾燥させ、ミルに通し、そして滑沢剤とブレンドする。ブレンドした顆粒を次いで適切な錠剤機で圧縮する。
乾式造粒は上記方法と同様であるが、ただし造粒液の添加によらずに圧縮法で顆粒を形成する。これはローラー圧縮またはスラッグ法により行うことができる。得られた顆粒をミリングし、ブレンドし、圧縮して錠剤を形成する。
実施例2および4の150mg R-ビカルタミド錠は下記の成分を含む:
微細化したR-ビカルタミド純バルク薬物 150mg/錠
乳糖1水和物 183mg/錠
グリコール酸デンプンナトリウム 22.5mg/錠
ポビドン 15mg/錠
ステアリン酸マグネシウム 4.5mg/錠
湿式造粒法によりバッチ製品を調製した。すなわち薬物を乳糖およびグリコール酸デンプンナトリウムと混合し;混合しながらポビドン水溶液を噴霧して造粒し;次いで顆粒を流動床乾燥機で乾燥させ;次いでステアリン酸マグネシウムを添加し、次いで乾燥顆粒をミルに通し、タンブルブレンダー内でブレンドした。最後に圧縮により錠剤を製造した。
微細化したR-ビカルタミド純バルク薬物 150mg/錠
乳糖1水和物 183mg/錠
グリコール酸デンプンナトリウム 22.5mg/錠
ポビドン 15mg/錠
ステアリン酸マグネシウム 4.5mg/錠
湿式造粒法によりバッチ製品を調製した。すなわち薬物を乳糖およびグリコール酸デンプンナトリウムと混合し;混合しながらポビドン水溶液を噴霧して造粒し;次いで顆粒を流動床乾燥機で乾燥させ;次いでステアリン酸マグネシウムを添加し、次いで乾燥顆粒をミルに通し、タンブルブレンダー内でブレンドした。最後に圧縮により錠剤を製造した。
実施例4
一般的な錠剤におけるR-ビカルタミドの生物学的利用能の増大
一般的な錠剤配合物、および薬物と腸溶ポリマーHP-55sの溶解度増大型の固体分散物において、ラセミ体ビカルタミドからR-鏡像異性体に交換した場合の生物学的利用能の変化を評価するために、イヌにおいて試験を行った。3種類の配合物を2種類のR-鏡像異性体用量レベルで投与した。配合物は下記のものであった:
配合物:1. 150mg カソデックス(商標)錠(ラセミ体)
2. 150mg R-ビカルタミド錠
3. 75mg R-ビカルタミド固体分散物カプセル剤
1回量150、300または450mgを、体重10〜19kgの2〜6歳の絶食ビーグル犬に、3日間の各投与日に経口投与した。6匹の2つの投与グループに分けた合計12匹のイヌに投与した。3方式のクロスオーバー計画を用いた:グループAのイヌには、各投与時に150mgのカソデックス(商標)錠2個、150mgのR-鏡像異性体錠1個、および75mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤2個を投与し、一方、グループBのイヌには、各投与時に75 mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤2個、75mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤6個、および150mgのR-ビカルタミド錠3個を投与した。各投与日は4週間離れていた。
一般的な錠剤におけるR-ビカルタミドの生物学的利用能の増大
一般的な錠剤配合物、および薬物と腸溶ポリマーHP-55sの溶解度増大型の固体分散物において、ラセミ体ビカルタミドからR-鏡像異性体に交換した場合の生物学的利用能の変化を評価するために、イヌにおいて試験を行った。3種類の配合物を2種類のR-鏡像異性体用量レベルで投与した。配合物は下記のものであった:
配合物:1. 150mg カソデックス(商標)錠(ラセミ体)
2. 150mg R-ビカルタミド錠
3. 75mg R-ビカルタミド固体分散物カプセル剤
1回量150、300または450mgを、体重10〜19kgの2〜6歳の絶食ビーグル犬に、3日間の各投与日に経口投与した。6匹の2つの投与グループに分けた合計12匹のイヌに投与した。3方式のクロスオーバー計画を用いた:グループAのイヌには、各投与時に150mgのカソデックス(商標)錠2個、150mgのR-鏡像異性体錠1個、および75mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤2個を投与し、一方、グループBのイヌには、各投与時に75 mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤2個、75mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤6個、および150mgのR-ビカルタミド錠3個を投与した。各投与日は4週間離れていた。
イヌに毎日約40OgのSpecial Diet Services Laboratory Diet Aを与え、水を任意に摂取させた。
投与直前、ならびに1、2、3、4、6、9、12、18、24、36、48、72および144時間目;ならびに10、14、17、21、24および28日目に(第1および第2投与からの28日目の試料は、それぞれ第2および第3投与についての投与前試料でもあった)、頚静脈から2mlの全血をリチウムヘパリン試験管内に採取した。血液を3000rpmで15分間遠心分離し、血漿をプレーンな採血管中へ取り出し、血漿を分析まで-20℃に保存した。
投与直前、ならびに1、2、3、4、6、9、12、18、24、36、48、72および144時間目;ならびに10、14、17、21、24および28日目に(第1および第2投与からの28日目の試料は、それぞれ第2および第3投与についての投与前試料でもあった)、頚静脈から2mlの全血をリチウムヘパリン試験管内に採取した。血液を3000rpmで15分間遠心分離し、血漿をプレーンな採血管中へ取り出し、血漿を分析まで-20℃に保存した。
血漿抽出の後、タンデム型質量分析に接続した高速液体クロマトグラフィーによりR-鏡像異性体の血漿濃度を測定した。このアッセイ法はR-鏡像異性体に特異的であり、許容できる正確さおよび精度を示した。血漿濃度-時間データを標準法により操作した。ゼロから無限までの血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)および最大血漿濃度(Cmax)に基づいて、相対曝露を判定した(M. Rowland and T.N. Tozer (1995) Clinical Pharmacokinetics: Concepts and Applications. 第3版 Lippincott, Williams and Wilkins. 米国ペンシルベニア州メディア)。AUCおよびCmaxを計算する前に、血漿濃度を投与前濃度に対して補正した。グループ内比較については対t-検定を用い、グループ間比較については不対t-検定を用いて、未換算データについて95%レベルで統計的有意性を評価した。
グループAおよびBのイヌにカソデックス(商標)錠、R-鏡像異性体錠、またはR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤を経口投与した後にみられたR-鏡像異性体の平均血漿濃度プロフィールを図5および6に示す(図中、R-ビカルタミドを1907と表示する)。カソデックス(商標)錠、R-鏡像異性体錠(AZD1907錠)、またはR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤(AZD1907カプセル剤)のいずれかとして投与した同一量のR-鏡像異性体が同一曝露を生じるわけではないことが分かる。R-鏡像異性体固体分散物カプセル剤はR-鏡像異性体錠より高い曝露を生じ、後者はカソデックス(商標)錠より高い曝露を生じた。相対曝露、およびそれらが有意に異なるかどうかを表5にまとめる。すべての場合、AUCは有意に異なり、AUCは定常状態濃度に正比例するので、AUCの相異は臨床においてCssの差をもたらすであろうと結論できる。450mg用量のR-鏡像異性体錠(グループBのイヌ、図6)では、このR-鏡像異性体錠からのR-鏡像異性体血漿曝露はグループAの150mg用量についてみられたもの(図5)と比較して増大したが、この曝露は150mgのR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤についてみられたもの(図5)と類似し、統計的に差がないことが分かる。450mg用量のR-鏡像異性体固体分散物カプセル剤では、曝露は150mg用量からみられたものの2倍に増大した。
これらのデータは、R-鏡像異性体の錠剤および固体分散物カプセル剤が、カソデックス(商標)錠により得られるものより高いR-鏡像異性体Cssを臨床において生じる可能性があることを示す:R-鏡像異性体錠については少なくとも3〜4倍の高さ、R-鏡像異性体固体分散物カプセル剤については8〜9倍の高さに及ぶ。したがって、本発明に使用するのに適切な>40μg/mlの平均定常状態血漿濃度のR-ビカルタミドを送達しうるR-鏡像異性体の一般的な錠剤または溶解度増大型の配合物として、適切な単位剤形を製造できると期待される。
実施例5
転移性疾患における高用量R-ビカルタミドの試験
以下は、R-ビカルタミド:HP55s固体分散配合物を転移性前立腺癌患者の処置における単独療法として試験するために提唱した臨床試験計画である。
転移性疾患における高用量R-ビカルタミドの試験
以下は、R-ビカルタミド:HP55s固体分散配合物を転移性前立腺癌患者の処置における単独療法として試験するために提唱した臨床試験計画である。
患者数および力価計算
生存率および有効性の予備推定に基づき、10%の脱落率を許容すると、2750人の患者をランダム化し、分析に参加させる必要があろう。
生存率および有効性の予備推定に基づき、10%の脱落率を許容すると、2750人の患者をランダム化し、分析に参加させる必要があろう。
患者集団
下記の患者:
・前立腺癌が組織学的に証明されている;
・転移性疾患の記録がある;
・何らかのホルモン療法による処置をまだ受けていない;
・寿命予測が6カ月以上ある。
下記の患者:
・前立腺癌が組織学的に証明されている;
・転移性疾患の記録がある;
・何らかのホルモン療法による処置をまだ受けていない;
・寿命予測が6カ月以上ある。
試験薬物
少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿曝露をもたらすのに必要なR-ビカルタミド:HP55s固体分散配合物の用量は、用量範囲決定試験から確認される。
少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿曝露をもたらすのに必要なR-ビカルタミド:HP55s固体分散配合物の用量は、用量範囲決定試験から確認される。
試験計画
公開、ランダム化、多センター、多国籍、III相試験
平均生存を4年と推定
試験期間>6年
1年目は3カ月毎、次いでその後の生存期間は6カ月毎に来院
安全性検査、PSA、有害事象をすべての来院時に採集する
薬物動態分析を1年目の来院時に行う
初回生存率分析を最後の患者のランダム化の1.5年後に行う。
公開、ランダム化、多センター、多国籍、III相試験
平均生存を4年と推定
試験期間>6年
1年目は3カ月毎、次いでその後の生存期間は6カ月毎に来院
安全性検査、PSA、有害事象をすべての来院時に採集する
薬物動態分析を1年目の来院時に行う
初回生存率分析を最後の患者のランダム化の1.5年後に行う。
Claims (16)
- ヒトに投与した際に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる量および形で配合されたビカルタミドを含む、医薬製剤。
- ラセミ形のビカルタミドを含む、請求項1に記載の製剤。
- (R)-鏡像異性体形のビカルタミドを含む、請求項1または2に記載の製剤。
- ビカルタミドが溶解度増大型ではない配合物中に配合された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
- ビカルタミドが溶解度増大型の配合物中に配合された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 溶解度増大型の配合物が固体分散配合物である、請求項5に記載の方法。
- その必要がある患者に投与した際に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる量および形で配合されたビカルタミドを含む、医薬配合物。
- ビカルタミド含有製剤が、ヒトに投与した際に少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる量および形であることを特徴とする、転移性前立腺癌患者を処置するための医薬製剤の製造におけるビカルタミドの使用。
- 転移性前立腺癌を処置する必要がある患者に、少なくとも40μg/mlの平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる有効量のビカルタミド(4'-シアノ-α',α',α'-トリフルオロ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオノ-m-トルイジド)含有配合物を投与することにより、転移性前立腺癌患者を処置する方法。
- 配合物が、少なくとも45μg/ml、50μg/ml、55μg/ml、60μg/ml、65μg/ml、70μg/ml、75μg/ml、80μg/ml、85μg/ml、90μg/ml、100μg/mlおよび110μg/mlよりなる群から選択される平均定常状態血漿濃度の(R)-ビカルタミド鏡像異性体を送達できる、請求項9に記載の方法。
- 転移性前立腺癌を処置する必要がある患者において、少なくとも40μg/mlの(R)-ビカルタミドの定常状態血漿濃度を有効な期間維持することを含む、転移性前立腺癌を処置する方法。
- 配合物がラセミ形のビカルタミドを含む、請求項9または10に記載の方法。
- 配合物が(R)-鏡像異性体形のビカルタミドを含む、請求項9または10に記載の方法。
- 配合物が溶解度増大型ではない配合物である、請求項9、10、12および13のいずれか1項に記載の方法。
- 配合物が溶解度増大型の配合物である、請求項9、10、12および13のいずれか1項に記載の方法。
- 溶解度増大型の配合物が固体分散配合物である、請求項15に記載の方法。
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