JP3638933B2 - 配線装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば通信装置の配線を換えるための配線装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図１０に示すように、例えば通信装置において装置Ａ０〜Ａｎの複数の端子と装置Ｂ０〜Ｂｎの複数の端子との間が、図１０（ａ）のように接続されているシステムがあった場合の配線替えは、装置Ａ０〜Ａｎの複数の端子と装置Ｂ０〜Ｂｎの複数の端子との間を接続する場合、図１０（ｂ）に示すように前述した装置Ａ０〜Ａｎと装置Ｂ０〜Ｂｎとの間に、装置Ａ０〜Ａｎの複数の端子と装置Ｂ０〜Ｂｎの複数の各端子にそれぞれ接続されたアダプタ１ａ₁ 〜１ａ_n と１ｂ₁ 〜１ｂ_n を配置した配線装置２を設け、この配線装置２の配線架６に設置された複数のアダプタ１ａと１ｂとの所望のアダプタ間を接続部材としてのパッチコード３₁ 〜３_n で接続替えすることにより、様々な通信装置のシステムに対応した装置間の接続を行うことができる。
【０００３】
データ通信装置の通信経路も光ケーブルとメタルケーブルがあると共に、芯線数も単芯又は多芯のものもある。
この配線装置２の従来のものは、配線装置２に接続される各パッチコード３₁ 〜３_n の両端のコネクタ４ａ₁ 〜４ａ_n と４ｂ₁ 〜４ｂ_n には、後述する接続状態の確認作業のための接続コネクタのＩＤを表示するための文字、記号又はバーコードを記録したラベル等が取り付けられている。
【０００４】
接続作業は、作業者が配線図を見ながらパッチコード３の両端のコネクタ４を指定されたアダプタ１ａ₁ 〜１ａ_n と１ｂ₁ 〜１ｂ_n に挿入する。即ち、例えば装置Ａ０01の端子（図示していない）に接続されているアダプタ１ａ₁ とそれに対応する装置Ｂ０01の端子（図示していない）に接続されているアダプタ１ｂ₁ との間をパッチコード３₁ により接続するように、配線図に記載された多数のアダプタ１ａ₁ 〜１ａ_n と１ｂ₁ 〜１ｂ_n 相互間を接続する。
【０００５】
このパッチコード３による接続が一通り終わった後、パッチコード３の両端に接続されているコネクタ４の前述した文字、記号又はバーコードを、目視又はバーコードリーダーで読み取り、当該コネクタに挿入されているアダプタ番号と共にデータ処理・表示装置としてのパーソナルコンピュータ（以下パソコンと略称する）５に入力する。
【０００６】
パソコン５には、装置Ａ側（一方）の複数の各アダプタ１ａ₁ 〜１ａ_n と接続されるべき装置Ｂ側（他方）の複数の各アダプタ１ｂ₁ 〜１ｂ_n との接続関係の正しいデータが予め入力されており、前述した各アダプタ１とコネクタ４の接続データと比較し、挿入間違いがある場合はパソコン５の表示部に該当する箇所を表示し、当該コネクタ４の挿入替えにより正常状態にすることができる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の配線装置２では、アダプタ１の番号と共に、当該アダプタ１に挿入されたコネクタ４のバーコードをバーコードリーダーで読み取り、そのデータをパソコン５に入力する必要があるため、アダプタ１の番号の読み取りとバーコードリーダーで読み取りに時間を要することと、アダプタ１の番号等の人為的な読み取りミスが生じるという問題がある。また、コネクタ４の表示が文字，記号の場合は、更に作業者の読み取りデータの入力作業に時間を要すると共に、その読み取りミスが生じるという問題がある。
【０００８】
また、配線図に基づきパッチコードのコネクタをアダプタに挿入する作業であるため、配線図の読み間違いやコネクタの挿入ミスを生じる可能性もあるし、慎重に作業することが求められるため、作業の効率を向上させ難いという問題もある。
本発明による配線装置は、アダプタに挿入されたコネクタに表示された文字、記号或いはバーコードを読み取る作業をすることなく、自動的に読み取り得るようにしたもので、パッチコードの接続作業の効率化と信頼性の向上が図られるものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明による配線装置は、単芯又は多芯の接続線の両端のそれぞれに外部から非接触でＩＤの書き込みと読み出しができるメモリ機能部を有するコネクタが各々接続された複数の接続部材と、入出力用通信線が接続されると共に前記接続部材の前記コネクタが挿入接続されたとき該コネクタのメモリ機能部のＩＤを非接触で読み出すアンテナを各々その近傍に設けられた複数のアダプタと、該複数のアダプタが配置された配線架と、前記複数の各アダプタの近傍に設けられた前記各アンテナに接続されると共に、前記複数のアダプタの前記配線架への配置データが予め記憶されたデータ処理・表示装置とを備え、前記複数のアダプタのうち前記データ処理・表示装置から指定された前記アダプタに挿入接続された前記コネクタのＩＤを、該アダプタの近傍に設けられた前記アンテナを介して前記データ処理・表示装置が読み取り、記憶し得るようにしたものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
（実施例１）
図１は本発明の配線装置２０の一実施例を説明するための模式図であり、図１０におけるアダプタ及びコネクタをそれぞれ光アダプタ，光コネクタとして説明する。この配線装置２０を構成する配線架６には、装置Ａ０〜ＡｎとＢ０〜Ｂｎの各端子に接続された多数の光アダプタ７ａ₁ 〜７ａ_n と７ｂ₁ 〜７ｂ_n が配置されている。この各光アダプタ７の近傍には、後述の図３に示すようにパッチコード８の両端に設けられている光コネクタ９を識別するために、この光コネクタ９に設けられているメモリ機能部１０に記憶されたＩＤ（識別情報：タグＮｏ）を、非接触で読み取ることのできるアンテナ１１ａ₁ 〜１１ａ_n 、１１ｂ₁ 〜１１ｂ_n が設けられている。
この配線架６に配置される光アダプタ７は、例えば図２に示すように複数の配線盤１２のＮｏ．０１〜Ｎｏ．ｎにそれぞれ配置されており、アンテナ１１は配線架６の内部に設けてある制御部を介してパソコン１８に接続されている。
【００１１】
図３は、パッチコード８₁ 〜８_n の両端に設けられるメモリ機能を有する光コ ネクタ９と光アダプタ７の一部を示してある。光コネクタ９は、図４に斜視図で示してあるように、コネクタ部１４に非接触型のメモリ機能部１０を備えた外付けのタグ１５を嵌め込んで装着し得るようにしている。なお、メモリ機能部１０を光コネクタ部１４に一体的に設けるようにしてもよい。
【００１２】
この光コネクタ９のメモリ機能部１０に記憶されたＩＤを読み取るアンテナ１１は、光アダプタ７の近傍に配置され、光コネクタ９が光アダプタ７に挿入されたとき、メモリ機能部１０がアンテナ１１の真上に位置するように設け、非接触で読み取るようにしたものである。この非接触で読み取る技術としては、例えばＲＦ（Radio Frequency ）ＩＤシステムとして製品化されＩＣカードやＩＣ定期券に使用されているような、電磁誘導式による非接触型集積回路から構成されている。
【００１３】
配線架６には、Ｌ字状の配線盤１２に複数の光アダプタ７が配置され、その各光アダプタ７の前方下面にそれぞれアンテナ１１が設置されている。このアンテナ１１は、光アダプタ７にそれぞれ対応して設けられているものであって、例えば配線架６の何段目の配線盤１２の何番のものというように、予めそれぞれ配置場所を識別する記号がつけられており、この光アダプタ７に対応するアンテナ１１の配線架６への配置データは、予めデータ処理・表示装置としてのパソコン１８に記憶されている。
【００１４】
図５にＬ字状の配線盤１２に設けられた光アダプタ７に光コネクタ９が挿入される前の状態（図５（ａ））と、光アダプタ７に光コネクタ９が挿入された状態（図５（ｂ））との側面図を示す。
図３に示してあるように、一つのパッチコード８の両端に設けられた光コネクタ９ａと９ｂのメモリ機能部１０のＩＤ（タグＮｏ）は通常は同じにしている。但し、予め指定した関連する記号であれば、全く同じにする必要はない。
【００１５】
前述の実施例の場合は、作業者が配線図を見ながらパッチコード８の両端の光コネクタ９を指定された光アダプタ７に挿入する作業を行うものであるが、この挿入状態は、パソコン１８から指定された光アダプタ７に対応するアンテナ１１により、挿入された光コネクタ９のメモリ機能部１０のＩＤ（タグＮｏ）を読み取ることができるため、従来のようにコネクタ４の挿入に伴うアダプタ１の配置データやコネクタ４に貼付されている記号等を作業者がパソコン１８に入力する必要はない。
【００１６】
なお、本発明の配線装置においては、光コネクタ９を光アダプタ７に挿入する都度、挿入された光アダプタ７に対応するアンテナ１１を指定して、光コネクタ９のＩＤをパソコン１８で読み取るようにしてもよいし、挿入作業が終わった後パソコン１８から指定された順序に従い、光アダプタ７に挿入されている光コネクタ９を一度に読み取るようにしてもよい。
【００１７】
次に、前述の配線作業における配線装置の操作又は処理工程を図６に示したフローチャートにより説明する。最初にパソコン１８を動作状態として作業が開始する（Ｓ１）。なお、この開始状態においては、配線変更後の通信装置の接続データ、即ち図１における装置Ａ側が接続される光アダプタ７ａ₁ 〜７ａ_n と装置Ｂ側が接続される光アダプタ７ｂ₁ 〜７ｂ_n との間の接続データは、予めパソコン１８に入力されている。
【００１８】
次に、作業者によるパッチコード８の光コネクタ９ａ、９ｂの所望のアダプタ７への挿入作業が行われ、挿入作業の都度又は挿入作業全体の終了時に、前述したように、パソコン１８から指示された光アダプタ７に挿入接続された光コネクタ９のＩＤをアンテナ１１を介して読み取り、パソコン１８内のメモリのそのアンテナ１１のアドレスに書き込む。即ち、配線架６の各段の配線盤の各番号の光アダプタ７のアンテナ１１が、パッチコード８の光コネクタ９のメモリ機能部１０に記憶されたＩＤ（タグＮｏ）をそれぞれ読み取り、その読み取ったＩＤ（タグＮｏ）はパソコン１８内のメモリの対応するアドレスに入力され記憶される（Ｓ２）。
【００１９】
このように、パソコン１８で読み取られたステップ（Ｓ２）のデータは、例えば図７（ａ）の接続関係表に示すようなメモリマップとなる。即ち、光アダプタ７の位置を示す所の配線架６の配線盤１２ＮｏとアンテナＮｏと、このアンテナ１１に接続された光コネクタ９のメモリ機能部１０のＩＤ（タグＮｏ）との関係を示す表である。なお、この図７の表で使用している光アダプタ７のアンテナ１１で読み取られる光コネクタ９のメモリ機能部１０のＩＤ（タグＮｏ）は、図１の模式図で使用した記号とは異なる簡略表示記号にしている。また、図１の模式図では、配線装置の左右に装置Ａ０〜Ａｎと装置Ｂ０〜Ｂｎとの接続されている光アダプタ７ａ，７ｂを左右に分けて記載してあるが、光アダプタ７ａ，７ｂの実際の配置は配線効率を考慮してどのように配置してもよい。
【００２０】
データ分析は、図７（ａ）に示した表のメモリマップを、図７（ｂ）のように光コネクタ９のメモリ機能部１０のＩＤ（タグＮｏ）を基準にして並べ替えるものである。即ち、各パッチコード８の対のコネクタ、例えば光コネクタ９ａと９ｂとで接続されたタグＮｏ．０１は、配線盤Ｎｏ．１のアンテナＮｏ．１に対応する光アダプタ７と、配線盤Ｎｏ．２のアンテナＮｏ．２に対応する光アダプタ７との間が接続されていることが分かるように、各パッチコード８による相互接続先が直ちに確認できるようにするものである（Ｓ３）。
【００２１】
予めパソコン１８の記憶部に入力されている各通信装置の接続データ（配線図データ）の中から、配線替え後の通信装置の接続データを読み出し（Ｓ４）、この基準となる接続データと前述のパソコン１８で読み取られたステップ（Ｓ２）のデータとを照合（Ｓ５）し、もし誤配線箇所（不一致）がある場合は、その箇所をパソコン１８のモニタに表示（Ｓ６）して接続替えを指示する。
【００２２】
この接続修正の指示に基づき配線修正（Ｓ７）を行い、この配線修正箇所の光コネクタ９のＩＤ（タグＮｏ）を読み取る（Ｓ８）。全ての挿入接続が正しく行われ（すべて一致する）ると、表示のステップに移行し、前述の図７（ｂ）に示した接続データに基づき、図８に示すような表示データとしてパソコン１８のモニタに表示（Ｓ９）し終了する（Ｓ１０）。
【００２３】
即ち、本発明の配線装置によれば、作業者が配線図に基づいてパッチコード８の両端の光コネクタ９を指定された光アダプタ７に挿入するだけで、その挿入データは挿入の都度、又は必要な挿入が終了してから一度に読み取り、接続状態の正否が判断されるものであるため、従来のように挿入状態を目視により、又はバーコードリーダーにより読み取る必要がない。従って、読み取り間違いやパソコンへのデータ入力による間違いを生じることがなく、配線作業の信頼性と作業効率の向上を図ることができる。
【００２４】
（実施例２）
図９は本発明の配線装置の他の実施例を示すものであり、前述した各光アダプタ７の近傍に表示素子を設けたものである。なお、図９（ａ）は配線架を示し、図９（ｂ）は配線架６に配置された配線盤１２に設けられたアンテナ１１と表示素子１９の一部を示す模式図である。表示素子１９は、例えば各光アダプタ７が取り付けられている配線盤１２の下面に設けられ、制御部１７を介してパソコン１８に接続されており、パソコン１８に予め入力されている配線替え後の通信装置の接続データ（配線図データ）に基づき、作業者がパッチコード８の光コネクタ９の挿入すべき光アダプタ７の位置を、例えば緑色ＬＥＤにより順次に表示せしめて、挿入箇所の案内をするようにしたものである。
【００２５】
この表示素子１９による表示は、パソコン１８からの各種制御信号を、配線盤毎に設けられている制御部１７で必要な信号を次に説明するようにタイミングを取りながら抽出し、表示素子１９を点灯、消灯させるものである。即ち、制御信号により相互接続を必要とする２箇所の光アダプタ７のそれぞれの表示素子１９を点灯させ、パッチコード８による当該光アダプタ７間が接続されると当該表示素子１９を消灯させ、次に接続する２箇所の光アダプタ７の表示素子１９を点灯させるようにして、所要の順序により順次にパッチコード８の光コネクタ９の挿入接続を案内するものである。なお、光コネクタ９の光アダプタ７への挿入をアンテナ１１で読み取る動作は、前述したと同じであるため省略する。
【００２６】
また、表示素子１９を２色の表示素子として、パッチコード８の光アダプタ７への挿入状態と配線替え後の通信装置の接続データ（配線図データ）との照合において、誤接続があった場合には、パソコン１８から対応する誤接続箇所を示す制御信号を送出して、表示素子１９の例えば赤色ＬＥＤを点灯させて当該光アダプタ７の位置を指示するようにしてもよい。
【００２７】
このように、前述した他の実施例においては、パッチコード８の光コネクタ９を挿入接続する光アダプタ７を、パソコン１８からの信号により順次に表示素子１９を指示するものであるため、作業者の配線図の読み取りが不要となり、挿入接続作業の作業効率と信頼性をさらに向上させることができる。
なお、本発明の実施例としての説明は、単芯の光コネクタと光アダプタとの接続について説明したが、前述したように通信線路がメタルコネクタとメタルアダプタとの接続や、多芯のコネクタとアダプタの接続の場合などにも本発明を実施することができる。
【００２８】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明による配線装置は、配線装置の複数のアダプタの２箇所のアダプタ間を接続するパッチコードの両端のコネクタに、非接触で記憶されたＩＤを読み取ることのできるメモリ機能付きコネクタを用い、このメモリ機能付きコネクタが挿入接続されるアダプタの近傍に、前述のＩＤを非接触で読み込むことのできるアンテナを設けることにより、アダプタにメモリ機能付きコネクタを挿入するだけで、当該コネクタのＩＤの挿入接続データが自動的にデータ処理・表示装置に入力され、その接続データが整理されて表示装置に表示されるものであるため、作業効率と信頼性の向上が図られる。
また、各アダプタの近傍にそれぞれの表示素子を設け、データ処理・表示装置からの制御信号により表示素子の点灯・消灯を所要のタイミングで制御することができるものであるため、パッチコードによる作業者の挿入接続が間違いなく、かつ迅速に行い得るものであるため、更に作業効率と信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例による配線装置を示す模式図である。
【図２】本発明による図１に示した配線装置のアダプタを複数配列した外観斜視図である。
【図３】本発明の配線装置を構成するアダプタとパッチコードの一例を示す斜視図である。
【図４】本発明の配線装置を構成するパッチコードのコネクタの一例を示す斜視図である。
【図５】本発明の配線装置を構成するアダプタとコネクタの一例を示す側面図である。
【図６】本発明の配線装置の操作又は処理工程の一例を示すフローチャートである。
【図７】本発明の配線装置の処理工程中の照合処理の一例を示すメモリマップである。
【図８】本発明の配線装置の処理工程中の表示部への表示状態の一例を示す表示画面である。
【図９】本発明の他の実施例による配線装置を示す模式図である。
【図１０】従来の配線装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
１ アダプタ
２，２０ 配線装置
３，８ パッチコード
４ コネクタ
５，１８ パーソナルコンピュータ（パソコン）
６ 配線架
７ 光アダプタ
９ メモリ機能付き光コネクタ
１０ メモリ機能部
１１ アンテナ
１２ 配線盤
１４ 光コネクタ部
１５ メモリ機能部を有するタグ
１７ 制御部
１９ 表示素子

Claims (3)

1. 複数の単芯又は多芯の接続線の各々の両端に、外部から非接触でＩＤの書き込みと読み出しができるメモリ機能部を有するコネクタが各々接続された複数の接続部材と、
   入出力用通信線が接続されると共に前記接続部材の前記コネクタが挿入接続されたとき該コネクタのメモリ機能部のＩＤを非接触で読み出すアンテナを各々その近傍に設けられた複数のアダプタと、
   該複数のアダプタが配置された配線架と、
   前記複数の各アダプタの近傍に設けられた前記各アンテナに接続されると共に、前記複数のアダプタの前記配線架への配置データが予め記憶されたデータ処理・表示装置とを備え、
   前記複数のアダプタのうち前記データ処理・表示装置から指定された前記アダプタに挿入接続された前記コネクタのＩＤを、該アダプタの近傍に設けられた前記アンテナを介して前記データ処理・表示装置が読み取り、記憶し得るようにした配線装置。
2. 前記複数のアダプタの近傍にそれぞれ表示器を設け、前記データ処理・表示装置に予め記憶された前記アダプタの配線データに基づき前記表示器を順次に点灯させて、前記接続部材による配線アダプタを指示するようにした請求項１に記載の配線装置。
3. 前記複数のアダプタの近傍にそれぞれ表示器を設け、前記接続部材による前記複数のアダプタ間の接続が前記データ処理・表示装置に予め記憶された前記アダプタの配線データと相違する誤接続の場合は、前記表示器により当該誤接続箇所を表示するようにした請求項１又は２に記載の配線装置。

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