JP3638764B2 - スピン偏極走査型顕微鏡及びその傾斜角調整方法 - Google Patents

スピン偏極走査型顕微鏡及びその傾斜角調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピン偏極走査型顕微鏡及びその傾斜角調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピン偏極走査型顕微鏡によれば、原子オーダーの空間分解能でハードディスク等の磁気記録媒体を評価することが可能である。
この顕微鏡では、図9(A)に示す如く、磁化膜試料10に接近して半導体探針11を対向配置し、両者間に電圧を印加しておき、円偏光12を探針11に入射させると、励起されたスピン偏極電子e1(図9では簡単化のため1個の電子e1を示しているが、実際には多数の電子)が探針11の内部で生成され、これがトンネル効果により試料へ注入される。そのトンネル電流は、試料10に注入される電子e0の平均的なスピン方向(スピン偏極方向)と、注入点での試料内電子e0の平均的なスピン方向とに依存する。
【0003】
励起された電子e0のスピン偏極方向は、入射円偏光12の進行方向又はその逆方向であり、右円偏光照射と左円偏光照射とで互いに逆になる。従来では、電子e0とe1のスピン偏極方向が平行であるとみなし、電子e0が偏極していないときのトンネル電流ITと右円偏光照射のときに流れるトンネル電流IR及び左円偏光照射のときに流れるトンネル電流ILとの差(IT−IR,IT−IL)により試料の磁化状態を検知していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には図9(B)に示す如く、円偏光12は探針11に入射すると屈折するので、探針11内で光進行方向が試料10の面と非平行になり、励起された電子e1のスピン偏極方向は電子e0のそれと非平行になる。このため、上記差電流(IT−IL,IT−IR)が、平行な場合よりも小さくなり、スピン偏極走査型顕微鏡で得られた磁化状態出力信号のSN比が低下する原因となる。磁気記録媒体の高記憶密度化に伴い、このSN比の向上が要求されてくる。
【0005】
本発明の目的は、本発明者によるこのような着眼点に鑑み、測定値のSN比を向上させることが可能なスピン偏極走査型顕微鏡及びその傾斜角調整方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】
請求項1では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
該探針と該試料との間隔を一定にした状態で、該トンネル電流が極値になるように該試料の傾斜角を調整する。
【0007】
このスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法によれば、測定感度が向上して、測定値のSN比が向上するという効果を奏し、試料としての磁気記録媒体等の高記憶密度化に伴うSN比向上の要求に応えることができる。また、各種形状の探針に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に該傾斜角を調整することができるという効果を奏する。
【0008】
請求項2では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
該トンネル電流が極値になるように該探針に対する該円偏光の進行方向を調整する。
【0009】
このスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法によれば、測定感度が向上して、測定値のSN比が向上するという効果を奏する。また、各種形状の探針に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に光進行方向を調整することができるという効果を奏する。さらに、円偏光進行方向調整時に試料と探針との間隔が不変であるので、調整がより正確になるという効果を奏する。
【0010】
請求項3では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
該探針と該試料との間隔を一定にした状態で、該トンネル電流が極値になるように該試料に対する該探針の角度を調整する。
【0011】
このスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法によれば、測定感度が向上して、測定値のSN比が向上するという効果を奏する。また、各種形状の探針に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に探針の試料に対する角度を調整することができるという効果を奏する。
請求項4では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
該試料の傾斜角を調整自在な傾斜角調整装置と、
該傾斜角調整装置を制御して、該探針と該試料との間隔を一定にした状態で該トンネル電流が極値になるように該試料の傾斜角を調整する制御装置とを有する。
【0012】
請求項5では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
該円偏光の進行方向を調整自在な光進行方向調整装置と、
該光進行方向調整装置を制御して、該トンネル電流が極値になるように該探針に対する該円偏光の進行方向を調整する制御装置とを有する。
【0013】
請求項6では、探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
該探針の該試料に対する角度を調整自在な探針角度調整装置と、
該探針角度調整装置を制御して、該探針と該試料との間隔を一定にした状態で該トンネル電流が極値になるように該探針の該角度を調整する制御装置とを有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
試料10は、例えばハードディスク等の磁気記録媒体に用いられる面内磁化膜であり、微動ステージ13を介し、傾斜角調整装置としての傾斜ステージ14に搭載されている。微動ステージ13は、例えばピエゾ素子に電圧を印加してこのピエゾ素子を0.1オングストロームの精度で伸縮させることにより微動させるX−Y−Zステージである。傾斜ステージ14は、同一曲率半径の片凸板141と片凹板142とが嵌合し、片凸板141に対し片凹板142が摺動自在であり、不図示のパルスモータで片凹板142が駆動される。
【0015】
傾斜角調整用の試料10を外部磁界で円偏光12の進行方向と平行な方向へ磁化するために、互いに同一のコイル151と152との中心軸が、同心にされこの進向方向と平行にされ且つ試料10の面上に一致されている。この中心軸は、円偏光12の光路に略一致している。コイル151と152とは直列接続されており、コイル151に電流を供給すると、コイル152にもコイル151と同じ電流が流れる。
【0016】
探針11は、その先端を試料10に向け接近して配置されている。探針11は、入射円偏光でスピン偏極電子を励起可能なものであり、例えばGaAsのような閃亜鉛構造の化合物半導体を劈開し、尖った角を先端としたものである。この場合、先端の曲率半径は80nm程度になる。探針11は、ホルダ16に保持されて固定されている。
【0017】
試料10と探針11との間には、トンネル電流を流すための直流電圧源17の電圧が印加されている。このトンネル電流は、電流検出部18で検出され且つ電圧に変換され、次いでアンプ19で増幅されて制御装置20に供給される。
制御装置20は、微動ステージ13及び傾斜ステージ14に駆動信号を供給し、また、コイル151に直流電流を供給する。
【0018】
空気分子付着によるトンネル電流妨害を避けるために、構成要素10、11及び13〜16は、真空ポンプで排気されるチャンバ21内に収容されている。チャンバ21には、コイル151の対向位置に、窓22が形成されている。
レーザ23、ポッケルスセル24及び1/4波長板25はそれぞれ支柱26〜28を介してベース29に固定されている。レーザ23からは直線偏光が放射され、その好ましい波長は探針11の材料で定まる。例えば、探針11がp型GaAsの場合には823nmの近赤外線が用いられる。ポッケルスセル24の対向電極間には、入射光の偏光面を回転させるために、制御装置20から電圧が印加される。ポッケルスセル24は、レーザ23からの直線偏光を、印加2値電圧に応じ偏光面を±45゜回転させて、偏光面が互いに90゜異なる直線偏光にする。これら直線偏光のうちの一方が、1/4波長板25を通ると右円偏光となり、他方が1/4波長板25を通ると左円偏光となる。右円偏光又は左円偏光は、窓22及びコイル151の内側を通って探針11に照射される。
【0019】
次に、図2を参照して、上記の如く構成されたスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整手順を説明する。
(S1)コイル151及び152に一方向の所定電流を供給して、傾斜角調整用試料10を磁化し、飽和状態にする。
(S2)レーザ23からレーザを放射させ、ポッケルスセル24でその偏光面を回転させて、右円偏光(又は左円偏光)を探針11の下端部に照射させる。
【0020】
(S3)このときのアンプ19の出力をデジタル化して読み取り、これを片凹板142の傾斜角θと対応させて制御装置20内のメモリに書き込む。
電子e0のスピン偏極方向に対する電子e1のスピン偏極方向の角度をパラメータとして変化させた場合、トンネル電流は、電子e1のスピン偏極方向が電子e0のスピン偏極方向と一致しているとき、選択則により電子e1が傾斜角調整用試料10に入る余地が少なくなるので、極小になり、電子e1のスピン偏極方向が電子e0のスピン偏極方向と逆方向のとき、この余地が多くなって極大になる。
【0021】
(S4)次に、片凸板141に対し片凹板142を、その曲率中心を通る紙面に垂直な軸の回りに微小角Δθ回転させる。
(S5)傾斜角θが設定値θmaxになるまで上記ステップS3及びS4の処理を繰り返す。傾斜角調整用試料10と探針11との間に流れるトンネル電流Iは、電子e0と電子e1のスピン偏極方向が略同一方向又は略逆方向であるかによりそれぞれ図4(A)又は(B)に示す如くなる。
【0022】
(S6)トンネル電流Iが極小値lmin(図4(A))又は極大値Imax(図4(B))となる傾斜角θを、θmとして求める。
図3は、θ=θmの場合を示しており、このとき、探針11内に入射して屈折した円偏光12の進行方向と傾斜角調整用試料10の表面とが平行になる。すなわち、探針11内で円偏光により励起された電子e1のスピン偏極方向と、磁化された試料10内のスピン偏極方向とが平行になる。
【0023】
(S7)片凸板141に対する片凹板142の傾斜角θを、θmに調整する。これにより、傾斜角調整処理が終了する。
この傾斜状態で、コイル151及び152に流れる電流を0にし、上記傾斜角調整用10を、面方向に磁化した測定対象の試料10と入れ替え、試料10を、その磁化方向がコイル151と152の軸方向に平行になる方位にして微動ステージ13上に搭載し、スピン偏極走査型顕微鏡を例えば従来と同様に動作させて試料10の磁化状態を調べる。
【0024】
例えば、探針11に右円偏光及び左円偏光を順に照射させて同一箇所における両トンネル電流の平均値ITが設定値になるように試料10と探針11との間隔を微動ステージ13で調整することにより、試料10と探針11の間隔を一定にし、平均値ITと右円偏光照射時のトンネル電流IR及び左円偏光照射時のトンネル電流ILとの差(IT−IR,IT−IL)を、磁化の強さに応じた値として検出する。このような処理を、微動ステージ13で試料10を走査させて行うことにより、試料10の走査範囲内の磁化状態を調べる。
【0025】
本第1実施形態によれば、上記差電流(IT−IR,IT−IL)が極大となるので、測定感度が向上して測定値のSN比が向上する。また、各種形状の探針11に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に傾斜角を調整することができる。
なお、10の厚みが一定の場合には、試料10と探針11の間隔dは原理的に傾斜角θに依存しないが、ステップS1の前処理として傾斜角θと間隔dとの関係を予め求めておき、ステップS4で傾斜角θを増加させる毎に、微動ステージ13でこの間隔dがより一定になるように調整する構成であってもよい。
【0026】
また、図2のステップS3でアンプ19の出力が極値であるかどうかを、該出力の前回値も用いて判定し、極値であると判定したときにステップS7へ進む構成であってもよい。さらに、アンプ19の出力の微分値f(θ)が0になる解θ=θmを、1/2探索法で求める構成であってもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、試料10の傾斜角θを調節する場合を説明したが、この傾斜角θを一定にした状態で円偏光12の進行方向を調節してもよく、この場合のスピン偏極走査型顕微鏡を第2実施形態として図5に示す。
【0027】
この顕微鏡では、図1のベース29の替わりに、光進行方向調整装置として傾斜ステージ14Aが用いられている。傾斜ステージ14Aは、図1の傾斜ステージ14と同様に、同一曲率半径の片凸板141Aと片凹板142Aとが嵌合し、片凸板141Aに対し片凹板142Aが摺動自在であり、制御装置20からの制御パルスを介し不図示のパルスモータで片凹板142Aが駆動される。
【0028】
レーザ23、ポッケルスセル24及び1/4波長板25は、それぞれ支柱26〜28を介して片凹板142Aに固定されている。
上記第1実施形態と同様にして、トンネル電流が極値になるように片凸板141Aに対する片凹板142Aの傾斜角θを調整する。
図6は、試料10と探針11との間に流れるトンネル電流が極小になる場合を示しており、このとき、探針11に入射した円偏光12の進行方向は、試料10内の電子e0のスピン偏極方向と平行になる。
【0029】
この第2実施形態によれば、各種形状の探針11に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に光進行方向を調整することができる。また、調整時に試料10と探針11との間隔dが不変であるので、調整がより正確になる。
なお、傾斜角θに応じて、レーザ23又は傾斜ステージ14Aの高さを不図示のステージで調整する構成であってもよい。
【0030】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態のスピン偏極走査型顕微鏡の概略構成を示す。
この構成では、レーザ23、ポッケルスセル24及び1/4波長板25を固定し、1/4波長板25と窓22との間の光路中にミラー30を配置して、1/4波長板25を通った円偏光を探針11側へ折り曲げている。ミラー30は、その照射点Pを通る紙面垂直な軸の回りに旋回自在となっており、図5の片凹板142Aの傾斜角θに対応してミラー30の旋回角θ/2が、制御装置20からの制御パルスを介しパルスモータ31で調整される。ミラー30及びパルスモータ31は、光進行方向調整装置を構成している。
【0031】
他の点は、上記第2実施形態の場合と同一である。
この第3実施形態によれば、各種形状の探針11に対し測定値のSN比が極大になるように、光進行方向を容易に調整することができる。また、調整時に試料10と探針11との間隔dが不変であるので、調整がより正確になる。
なお、旋回角θ/2に応じて、ミラー30の高さを不図示のステージで調整する構成であってもよい。
【0032】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態では、図8に示す如く、試料10に対する探針11の傾斜角θを調整している。この調整は、例えば図1において傾斜ステージ14を除去し、ホルダ16を、探針角度調整装置としての傾斜ステージ14を介して固定し、制御装置20で傾斜ステージ14を駆動することにより行われる。
【0033】
図8は調整後の状態を示している。この状態では、試料10の面に円偏光12の進行方向が平行になり、かつ、試料10の面に探針11の光入射面が直角になって、円偏光12が探針11内で屈折せずに進行する。これにより、探針11内で励起された電子e1のスピン偏極方向は、試料10内の電子e0のそれと平行になる。
【0034】
この第4実施形態によれば、各種形状の探針11に対し測定値のSN比が極大になるように、容易に調整することができる。
なお、上記第1実施形態で述べたように探針11の傾斜角θを増加させる毎に、微動ステージ13で試料10と探針11の間隔dが一定になるように調整する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のスピン偏極走査型顕微鏡概略構成を示す図である。
【図2】図1の顕微鏡による傾斜角調整手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の顕微鏡の動作説明図である。
【図4】試料の傾斜角に対するトンネル電流を示す線図である。
【図5】本発明の第2実施形態のスピン偏極走査型顕微鏡概略構成を示す図である。
【図6】図5の顕微鏡の動作説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態のスピン偏極走査型顕微鏡概略構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態のスピン偏極走査型顕微鏡の調整された探針傾斜角を示す図である。
【図9】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
10 試料
11 探針
12 円偏光
13 微動ステージ
14、14A 傾斜ステージ
141、141A 片凸板
142、142A 片凹板
151、152 コイル
16 ホルダ
17 直流電圧源
18 電流検出部
19 アンプ
20 制御装置
21 チャンバ
22 窓
23 レーザ
24 ポッケルスセル
25 1/4波長板
30 ミラー
31 パルスモータ
e0、e1 電子

Claims (6)

  1. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
    該探針と該試料との間隔を一定にした状態で、該トンネル電流が極値になるように該試料の傾斜角を調整することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法。
  2. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
    該トンネル電流が極値になるように該探針に対する該円偏光の進行方向を調整することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法。
  3. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法であって、
    該探針と該試料との間隔を一定にした状態で、該トンネル電流が極値になるように該試料に対する該探針の角度を調整することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡の傾斜角調整方法。
  4. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
    該試料の傾斜角を調整自在な傾斜角調整装置と、
    該傾斜角調整装置を制御して、該探針と該試料との間隔を一定にした状態で該トンネル電流が極値になるように該試料の傾斜角を調整する制御装置と、
    を有することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡。
  5. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
    該円偏光の進行方向を調整自在な光進行方向調整装置と、
    該光進行方向調整装置を制御して、該トンネル電流が極値になるように該探針に対する該円偏光の進行方向を調整する制御装置と、
    を有することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡。
  6. 探針を、その先端を試料に向け接近して配置し、該探針と該試料との間に電圧を印加し、該探針の先端部に円偏光を照射し、該探針と該試料との間に流れるトンネル電流を検出して該試料の磁化状態を調べるスピン偏極走査型顕微鏡において、
    該探針の該試料に対する角度を調整自在な探針角度調整装置と、
    該探針角度調整装置を制御して、該探針と該試料との間隔を一定にした状態で該トンネル電流が極値になるように該探針の該角度を調整する制御装置と、
    を有することを特徴とするスピン偏極走査型顕微鏡。
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