JPH1194853A - 走査型プローブ顕微鏡およびそれによる品質管理方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡およびそれによる品質管理方法

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JPH1194853A
JPH1194853A JP27517897A JP27517897A JPH1194853A JP H1194853 A JPH1194853 A JP H1194853A JP 27517897 A JP27517897 A JP 27517897A JP 27517897 A JP27517897 A JP 27517897A JP H1194853 A JPH1194853 A JP H1194853A
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Toru Hayashi
徹 林
Tadashi Morita
正 森田
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料表面を観察するための探針が軽度な損傷
を受けても、影響されることなく観測が可能な走査型プ
ローブ顕微鏡を提供すること。 【解決手段】 原子間力顕微鏡1Aは試料ステージ2に
載置された試料ウェハ3に対して、探針としての尖針を
備えたカンチレバー、電気回路を含むヘッド部4と、測
定のための制御とデータ処理を行うコンピュータ処理部
5が配置された従来の原子間力顕微鏡に対して、更に、
試料ステージ2に標準対照片6が載置されると共に、標
準対照片6を測定するための制御とデータの比較処理を
行うコンピュータ処理部7が付加されている。そして、
試料ウェハ3の測定の間に割り込んで標準対照片6が測
定され、標準対照片6の測定値を基準として試料ウェハ
3の測定値が規格化したデータとされ、探針が若干摩耗
し変化しても、試料ウェハ3の良否の判定が誤りなく実
行される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型プローブ顕微
鏡、すなわち、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微
鏡、磁気力顕微鏡、静電気力顕微鏡等に関するものであ
り、更に詳しくは、試料表面を走査するための探針(マ
イクロプローブ)の摩耗に対する較正機能付きの走査型
プローブ顕微鏡およびそれによる品質管理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】試料の拡大像を得る装置として、走査型
電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡は良く知
られており高い分解能を示すが、使用される高エネルギ
ーの電子ビームは高真空中でないと通過できないため、
試料の載置場所は高真空中に限られるのに対して、探針
と試料表面との間に働く多様な力(例えば原子間力、磁
気力、静電気力等)ないしはトンネル電流を利用して試
料表面を観測する走査型プローブ顕微鏡は電子顕微鏡以
上に高い分解能を示しながら、常温、常圧の大気中にお
いても試料の観測が可能であることから、例えば原子間
力顕微鏡は研究開発部門での使用のみならず、半導体素
子やフラットパネル・ディスプレイ等の電子部品の製造
ラインにおける品質管理に使用されるようになってい
る。
【0003】図2は走査型トンネル顕微鏡11の動作原
理を示す図である。バイアス用電源19によってトンネ
ル電圧をかけて金属製のトンネル電流針12を導電性試
料13の表面に1nm程度まで近づけると、トンネル電
流針12と導電性試料13との間のギャップGにトンネ
ル電流が流れるが、このトンネル電流が一定となるよう
に、トンネル電流針12のZ圧電体14にフィードバッ
クをかけつつ、X圧電体15とY圧電体16とに走査電
圧をかけ、トンネル電流針12を試料13の表面に沿っ
て走査することにより、トンネル電流針12を探針とす
る試料13の表面の凹凸情報がフィードバック電圧とし
て得られるようにしたものが走査型トンネル顕微鏡11
である。なお、図2おいて、ギャップGは拡大して示し
ている。そして、その凹凸情報は例えばストレージ・オ
ッシロスコー17に画像として出力される。このように
走査型トンネル顕微鏡11による観測が可能な試料13
はトンネル電流が流れることを前提としており導電性の
ものに限られる。
【0004】これに対し、絶縁性試料23にも適用可能
としたものが原子間力顕微鏡である。その一つに小型、
軽量のカンチレバー(片持ち梁)の端部下面に取り付け
た尖鋭な突起の先端と水平方向に移動する試料表面との
間(例えば間隔Hは0.2nm)に働く原子間力によっ
てカンチレバーは上下方向に撓み、z方向の変位を生ず
るが、そのカンチレバーの撓み量を一定に保つように試
料を上下にさせることによって試料表面の凹凸情報を得
るようにした原子間力顕微鏡がある。図3はカンチレバ
ーの撓み量をトンネル電流を利用して検出するようにし
た原子間力顕微鏡21の動作原理を示す図である。カン
チレバー28の端部の尖鋭な突起29は試料23の表面
の凹凸によってz方向に変位しカンチレバー28は撓む
が、バイアス用電源19’によってトンネル電圧をかけ
てトンネル電流針12’をカンチレバー28の導電性の
背面に1nm程度に接近させた時に、トンネル電流針1
2’とカンチレバー28との間のギャップG’にトンネ
ル電流が流れる。このトンネル電流が一定となるよう
に、Z圧電体26にフィードバックをかけ、X圧電体2
4とY圧電体25とによって試料23をX方向とY方向
とに走査することにより、カンチレバー28の尖鋭な突
起29を探針とした試料23の表面の凹凸情報がフィー
ドバック電圧として得られる。そして、試料23の表面
の凹凸情報は例えばストレージ・オッシロスコープ27
に画像として出力される。なお、図3において、ギャッ
プG’、間隔Hは拡大して示している。
【0005】カンチレバーの撓み量を検出する方法とし
ては、上記のトンネル電流を利用する方法以外に、光て
こを利用する方法、光の干渉を利用する方法、圧電体膜
を形成させたカンチレバーを使用する方法がある。例え
ば、図4は光てこ方式によってカンチレバーの撓み量を
検出する方法を示す図である。試料33の表面の凹凸に
追随して上下する尖鋭な突起39を備えたカンチレバー
38の背面にレーザー光pを照射すると、レーザー光p
は反射して二分割フォトダイオード31に入射するが、
カンチレバー38の撓み量によって反射角度が変化する
ことにより、二分割フォトダイオード31のフォトダイ
オード311 、312 における強度比が変化する。その
強度比が一定となるように試料33を上下に変位させる
フィードバック信号によってカンチレバー38の尖鋭な
突起39を探針とする試料33の表面の凹凸情報が得ら
れる。
【0006】また、図5はカンチレバーの撓みを光干渉
方式によって検出する方法を示す図である。レーザー光
qをビームスプリッタによって分離して一方のレーザー
光q1 は直接に検出器41で受光させ、他方のレーザー
光q2 は変調器42によって周波数変調し、尖鋭な突起
49を備えたカンチレバー48の背面に照射して反射さ
せた後にレーザー光q1 の途中へ戻すと干渉を生じ、試
料43の表面の凹凸によってカンチレバー48が撓むと
干渉強度が変化する。この干渉強度が一定になるように
試料43を上下に変位させるフィードバック信号によっ
て突起49を探針とした試料43の表面情報を得る方法
である。
【0007】更には、図6はカンチレバーに形成させた
圧電体膜によってカンチレバーの撓み量を検出する方法
を示す図である。カンチレバー58の背面に上下の電極
57と共にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜56を形
成させ、カンチレバー58とPZT膜56との共振周波
数で振動させて、カンチレバー58の尖鋭な突起59を
探針として凹凸のある試料53の表面に接近させると振
幅が変動する。この振幅が一定になるように試料53を
上下方向に変位させるフィードバック信号によって試料
53の表面情報を得る方法である。この方法は試料53
を変位させる代わりにPZT薄膜56を有するカンチレ
バー58を変位させることも容易であり、同様に試料5
3の表面情報を得ることができる。
【0008】そのほか、カンチレバーを使用しない原子
間顕微鏡もある。図7に示すような、一方の端面部に尖
針69を結合させたニードル状の極小の水晶振動子68
を使用する方法である。両面に電極67を備えた水晶振
動子68を所定の発振周波数で振動させて尖針69を試
料63の表面に接近させると、尖針69が試料63の表
面から受ける原子間力によって水晶振動子68の発振周
波数が低下する。その低下の度合いが一定になるように
試料63を上下方向に変位させるフィードバック信号を
かけつつx方向とy方向とに走査することにより、尖針
69を探針とする試料63の表面情報が得られる。この
方法においても、試料63を上下に変位させる代わりに
尖針69付き水晶振動子68を上下に変位させることも
可能である。
【0009】例えば半導体素子の製造ラインの品質管理
に使用されている原子間力顕微鏡は径8インチのウェハ
をそのまま載置し得るような大型の試料ステージを有
し、製造ラインから取り出されるウェハを所定の間隔で
1枚ずつ試料ステージに載置するロボットや、ウェハ中
の所定の領域の測長、測角、表面構造の観測を自動的に
行い得るようにしたコンピュータ利用の制御装置を備え
たものが多い。また測定や観測の完了した正常なウェハ
はロボットによって再び製造ラインへ戻される。
【0010】図8はその原子間力顕微鏡1Bの構成を模
式的に示すブロック図であり、試料ステージ2に載置さ
れた試料ウェハ3に対して、探針を備えたカンチレバ
ー、電気回路を含むヘッド部4と、測定のための制御お
よびデータ処理のためのコンピュータ処理部5が配置さ
れており、試料ステージ2はX、Y2軸の直線移動機構
を有し、試料ウェハ3の任意の領域を測定位置に移動さ
せることができるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来、原子力間顕微鏡
の較正に関しては、アクチュエータとして使用される圧
電体の伸縮率の較正を目的として標準物との比較が行わ
れているが、探針は大量生産品が比較的容易に入手でき
ること、また探針は消耗品としての位置付けで高頻度に
交換することが常套手段になっていることもあってか、
探針の較正については注目度が低い。すなわち、電界イ
オン顕微鏡と走査型トンネル顕微鏡との複合装置におい
て、走査型トンネル顕微鏡による試料の観測の前後にお
ける探針の先端形状を電界イオン顕微鏡によってオング
ストローム・オーダの原子スケールで評価した研究報告
(例えば、クックほか;“複合型走査トンネル顕微鏡
(FI−STM)”、応用物理、57巻、2月号、24
7頁、1988年)はあるが、半導体素子やフラットパ
ネル・ディスプレイ等の電子部品の製造ラインで品質管
理に使用され、ミクロンないしはサブミクロンのオーダ
の表面構造の観察、測定に使用される原子間力顕微鏡の
探針の較正に関しては現在までのところ全く行われてい
ない。
【0012】上述したように走査型トンネル顕微鏡や原
子間力顕微鏡を含む走査型プローブ顕微鏡においては、
試料表面の走査に使用される探針は基本的な性能を決定
する重要な要素であるが、多数枚の試料を測定すると摩
耗し、探針を交換した直後と、多数枚の試料を測定した
後では、測定データを比較できないという問題点があ
る。例えば、図5のAは原子間力顕微鏡によって多数枚
の試料ウェハ3について所定の項目を測定した場合の測
定回数と測定値の関係を示す図である。また、図5のB
は測定回数に対応する探針としてのカンチレバー28の
尖鋭な突起29の想像される形状を示す図である。約7
0回の測定を行うなかで、測定開始から約10回目まで
において測定値に急激な減少が見られるが、これは新し
い突起29の非常に鋭い先端が摩耗したためと考えられ
る。また、約20回目の測定における微弱な増加は突起
29がゴミDを拾ったためと考えられる。上記のように
探針の軽度の損傷やゴミの吸着は測定値にバラツキを生
じるのできめ細かな品質管理は望めないという問題があ
る。
【0013】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、半導
体素子やフラットパネル・ディスプレイ等の電子部品の
製造ラインでの品質管理に使用される場合のように、多
数枚のほぼ同様な試料を測定し、その中から許容範囲を
越える不良品を見出すような場合において、探針の軽度
な損傷には影響されずに測定が可能な走査型プローブ顕
微鏡およびそれによる品質管理方法を提供することを課
題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は請求項1の
構成によって解決されるが、その解決手段を実施の形態
によって例示すれば、図1は探針の摩耗に対する較正機
能付き原子間力顕微鏡1Aの構成を模式的に示すブロッ
ク図である。この原子間力顕微鏡1Aは図4に示した従
来例の原子間力顕微鏡1Bをべースとして、その試料ス
テージ2上に標準対照片6を載置すると共に、標準対照
片6を測定するための制御とデータ処理のためのコンピ
ュータ処理部7を追加したものである。試料3について
の測定値に若干の異常があっても、試料3についての測
定値と標準対照片6についての測定値を比較して、若干
の異常が探針の軽度の損傷等によると判断される場合に
はその異常を較正し得るようになっている。
【0015】また、上記の課題は請求項6の構成によっ
て解決されるが、実施の形態による図1の原子間力顕微
鏡1Aはヘッド部4によって試料ウェハ3を測定するな
かで標準対照片6を所定の頻度で測定し、標準対照片6
の測定値を基準として試料ウェハ3の測定値を規格化し
たデータとするので、探針が摩耗したり、ゴミを拾った
りして形状が若干変化しても、試料ウェハ3の良否の判
定を誤りなく実行することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態による原子間
力顕微鏡およびそれによる品質管理方法について具体的
に説明する。
【0017】図1は半導体素子の製造ラインで品質管理
に使用される較正機能付き原子間力顕微鏡1Aの構成を
模式的に示すブロック図であり、従来例の図8に対応す
る。すなわち、原子間力顕微鏡1Aは試料ステージ2に
載置された試料ウェハ3に対して、探針を備えたカンチ
レバー、電気回路を含むヘッド部4、測定のための制御
とデータ処理を行うコンピュータ処理部5が配置されて
おり、試料ステージ2は試料ウェハ3の任意の測定領域
を測定位置に移動させることができるようになっている
ことは従来例の原子間力顕微鏡1Bと同様であるが、更
に、試料ステージ2上の測定可能な範囲内に標準対照片
6が載置されると共に、標準対照片6を測定するための
制御とデータ処理を行うコンピュータ処理部7が追加さ
れている。すなわち、標準対照片6には、品質管理の対
象であるウェハと同一のウェハの小片が載置される。ま
た、コンピュータ処理部7は必要に応じて標準対照片6
と比較ができるように各要素の動作を制御するシーケン
ス・プログラムと、標準対照片6についての測定値によ
って試料ウェハ3の測定値を規格化し、設定された許容
値と比較して試料ウェハ3の良否を判断するための判断
ルーチンを備えている。
【0018】そして、この原子間力顕微鏡1Aは試料ウ
ェハ3と標準対照片6とを交互に、または何枚かの試料
ウェハ3毎に割り込ませて標準対照片6を測定すること
により、探針が軽度の損傷を受けて形状が変化した場
合、標準対照片6の測定値を基準として試料ウェハ3の
測定値を規格化したデータとして判断するので、試料ウ
ェハ3の良否の判定は誤りなく実行される。
【0019】例えば、試料ウェハ3と標準対照片6とを
交互に測定する場合の一例を示すと、コンピュータ処理
部7は標準対照片6の測定毎にその直前の試料ウェハ3
の測定値と、これまでの増減傾向などと比較する。そし
て、試料ウェハ3の測定値の若干の異常が探針の軽度の
損傷によるもの、または測定の再現性のバラツキの範囲
内にあると判断される場合には、コンピュータ処理部7
は次式で示される品質管理の目安値を算出する。
【0020】品質管理の目安値=試料ウェハ3の測定値
/標準対照片6の測定値
【0021】この目安値があらかじめ設定された範囲
内、すなわち1前後の値に収まる試料ウェハ3は良品と
し、その範囲内をはずれる試料ウェハ3は不良品と判断
して、あらかじめプログラムされている対応処理をトリ
ガーして発動させる。また、測定値の大きい変化として
現れる探針の切断などの重大な損傷を検出した場合に
は、探針の交換を要求するなどの警告を発して測定を中
断する。
【0022】本発明の実施の形態による原子間力顕微鏡
1Aは以上のように構成され作用するが、勿論、本発明
はこれに限られることなく、本発明の技術的思想に基づ
いて種々の変形が可能である。
【0023】例えば本実施の形態においては、標準対照
片6として製造ラインにおいて品質管理するウェハと同
一のウェハの小片を使用したが、それ以外で表面構造が
既知のものを標準対照片6として使用してもよい。
【0024】また本実施の形態においては、品質管理に
使用される原子間力顕微鏡について説明したが、標準対
照片によって探針を管理し較正を行う本発明の原子間力
顕微鏡は研究開発においてミクロン・オーダの表面構造
やオングストローム・オーダの原子像の観察などに使用
されている原子間力顕微鏡にも適用される。
【0025】また本実施の形態においては、試料として
半導体素子の製造ラインにおけるウェハを取り上げた
が、これ以外の試料、例えばフラットパネル・ディスプ
レイ等の電子部品の製造ラインにおける基板であっても
よい。
【0026】また本実施の形態においては、常温、常圧
の大気中で試料を観察する原子間力顕微鏡について説明
したが、高真空中で使用される原子間力顕微鏡や、パラ
フィン等の液中で使用される原子間力顕微鏡も本発明の
走査型プローブ顕微鏡に含まれる。
【0027】また本実施の形態においてはカンチレバー
を備えた原子間力顕微鏡の場合を例示したが、探針によ
って試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡には、前
述した走査型トンネル顕微鏡、カンチレバーを使用しな
い原子間力顕微鏡のほか、例えばCoCr(コバルト・
クローム)の磁性針を探針とし、試料としての磁性材料
との間に働く磁気力によって試料の表面情報を求め得る
磁気力顕微鏡や、探針と試料表面との間に働く静電気力
によって試料の表面情報を求め得る静電気力顕微鏡があ
り、それらの走査型プローブ顕微鏡による品質管理方法
も本発明に含まれる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0029】本発明の走査型プローブ顕微鏡は標準対照
片を試料ステージに載置しているので、必要に応じてこ
れを測定して、試料の測定値の若干の異常が、試料の不
良によるものか、探針の形状の変化等によるものかを知
ることができ、探針の若干の摩耗がある場合には、試料
の測定値を標準対照片の測定値と比較して試料の良否を
判定し得るので、良品を不良品と判断する誤りを避ける
ことができる。また、従来は僅かに摩耗し損傷した探針
を廃棄していたが、このような探針を引き続いて使用す
ることが可能となり探針の長寿命化が図れる。更には、
探針の交換の前後における試料の測定値の比較が可能と
なり、測定の連続性が得られ、全体的な傾向の把握が可
能となる。更にはまた、探針の重大な損傷が検出される
場合には警告を発することができ、適切な対応を可能な
らしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の原子間力顕微鏡の構成を模式的に
示すブロック図である。
【図2】走査型トンネル顕微鏡の動作原理を示す模式図
である。
【図3】トンネル電流を利用してカンチレバーの撓み量
を検出する原子間力顕微鏡の動作原理を示す模式図あ
る。
【図4】カンチレバーの撓み量を光てこ方式によって検
出する方法を示す図である。
【図5】カンチレバーの撓み量を光干渉方式によって検
出する方法を示す図である。
【図6】カンチレバーに形成させた圧電体膜によってカ
ンチレバーの撓み量を検出する方法を示す図である。
【図7】原子間力等を水晶振動子の発振周波数のシフト
によって検出する方法を示す図である。
【図8】従来例の原子間力顕微鏡の構成を模式的に示す
ブロック図である。
【図9】Aは同一の探針による測定回数と所定の項目に
ついての測定値との関係を示す図であり、Bは測定回数
に対応する探針の想像形状を示す図である。
【符号の説明】
1A 実施の形態の原子間力顕微鏡 1B 従来例の原子間力顕微鏡 2 試料ステージ 3 試料ウェハ 4 ヘッド部 5 コンピュータ処理部 6 標準対照片 7 コンピュータ処理部 11 走査型トンネル顕微鏡 12 トンネル電流針(探針) 13 導電性試料 21 原子間力顕微鏡 23 試料 28 カンチレバー 29 突起(探針)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面との間にトンネル電流が流れる
    ようにしたトンネル電流針、またはカンチレバーの端部
    に設けられ前記試料表面との間に働く多様な力によって
    前記カンチレバーを撓ませる尖鋭な突起、更にまたは発
    振するニードル状の水晶振動子の端部に設けられ前記試
    料表面との間に働く多様な力によって前記水晶振動子の
    発振周波数をシフトさせる尖針などを探針として、前記
    試料表面構造の観察、前記試料表面の所定領域の測長、
    測角等の測定を行い得る走査型プローブ顕微鏡におい
    て、 前記試料が載置されるステージに、表面状態が既知また
    は前記試料と同等な標準対照片が載置されて、前記試料
    と前記標準対照片とが交互に測定されるか、または前記
    試料についての所定回数の測定毎に割り込んで前記標準
    対照片の測定が行われ、前記試料の測定値が前記標準対
    照片の測定値と比較されるようになっており、 前記試料の測定値の若干の異常があって、それが前記探
    針の軽度の損傷によるもの、もしくは測定のバラツキの
    範囲内であると判断される場合には、前記若干の異常の
    較正が行われることを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 前記試料の測定値が大きい変化を示し、
    前記探針の切断等の重大な損傷が検出される場合に、警
    告を発するようにされている請求項1に記載の走査型プ
    ローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記走査型プローブ顕微鏡が前記試料を
    製造するプロセスの品質管理に使用される原子間力顕微
    鏡、走査型トンネル顕微鏡、または磁気力顕微鏡である
    請求項1または請求項2に記載の走査型プローブ顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】 前記試料の測定値の若干の異常の較正が
    下式品質管理の目安値=前記試料の測定値/前記標準対
    照片の測定値で示される品質管理の目安値をほぼ1とし
    て行われる請求項1から請求項3までの何れかに記載の
    走査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記試料が半導体素子、フラットパネル
    ・ディスプレイ、その他の電子部品の製造プロセスにお
    けるウェハないしは基板である請求項1から請求項4ま
    での何れかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 試料表面との間にトンネル電流が流れる
    ようにしたトンネル電流針、またはカンチレバーの端部
    に設けられ前記試料表面との間に働く多様な力によって
    前記カンチレバーを撓ませる尖鋭な突起、更にまたは発
    振するニードル状の水晶振動子の端部に設けられ前記試
    料表面との間に働く多様な力によって前記水晶振動子の
    発振周波数をシフトさせる尖針などを探針として、前記
    試料が載置されるステージに表面状態が既知または前記
    試料と同等な標準対照片を載置し、 前記試料と前記標準対照片とを交互に測定するか、また
    は前記試料についての所定回数の測定毎に割り込んで前
    記標準片を測定して、前記試料の測定値が前記標準対照
    片の測定値と比較され前記試料の測定値に若干の異常が
    あって、それが前記探針の軽度の損傷によるもの、もし
    くは測定のバラツキの範囲内と判断される場合には、前
    記若干の異常の較正を行うことを特徴とする品質管理方
    法。
  7. 【請求項7】 前記若干の異常の較正に際して、下式品
    質管理の目安値=前記試料の測定値/前記標準対照片の
    測定値で示される品質管理の目安値がほぼ1となる前記
    試料は良品とし、それ以外の前記試料は不良品とする請
    求項6に記載の品質管理方法。
JP27517897A 1997-09-22 1997-09-22 走査型プローブ顕微鏡およびそれによる品質管理方法 Pending JPH1194853A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005297185A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Fei Co 微小構造を修正するためのスタイラス・システム
JP2011089985A (ja) * 2009-10-19 2011-05-06 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives 原子間力顕微鏡の探針を特徴づけるための方法および構造
JP2016520216A (ja) * 2013-05-23 2016-07-11 アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド 評価システムおよび基板を評価する方法

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