JP3638687B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に吸気管を介してあるいは直接燃料を供給する燃料供給装置と、燃焼室内の混合気に点火する点火装置とを備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置は、従来、噴射ケース内に噴射口を開閉する弁体を閉側にリターンスプリングで付勢して配置し、該弁体を電磁コイルにより開側に駆動するようにした燃料噴射弁を吸気管あるいは燃焼室まわりに取りつけ、該燃料噴射弁に燃料タンク内の燃料を高圧ポンプにより常時加圧供給するとともに余剰燃料を燃料タンク側にリターンさせる燃料供給系とを備えている。この従来装置では、上記電磁コイルへの印加電圧を制御することにより、上記電磁コイルにより上記弁体を後退させて上記噴射口を開き、該噴射口が開いている期間に応じた量の燃料を吸気管内あるいは燃焼室内に噴射するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の燃料噴射装置の場合、1噴射当たりの最大量と最小量との比(ダイナミックレンジ)をあまり増大できないという問題がある。上記従来の燃料噴射装置では、上記電磁コイルへの印加電圧のパルス長により1回の噴射量が決定されるのであるが、弁体の応答性に限界があるので、弁の開時間をあまり短くすることができず、結局上記ダイナミックレンジに制約が生じる。なお、上記リターンスプリングを強力にすれば閉時の応答性は向上するが、開時の応答性が低下する。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ダイナミックレンジを大幅に拡大でき、また噴射される燃料の計量精度を向上できる内燃機関を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ここで、本件出願人は、上述の問題点を解決するために、以下の燃料供給装置を開発した(特願平7−93832号参照)。この燃料供給装置は、燃料が供給される加圧室に配設された燃料の逆流を阻止する逆止弁,及び燃料噴射出口を開閉する噴射弁と、通電により電界の強さを変化させることにより伸縮変形して上記加圧室の容積を変化させる電磁歪素子とを備えている。ここで電磁歪素子とは、基板の両面に電極を配置し、該電極に電荷を帯電させることにより基板に作用する電界の方向あるいは強さを変化させることにより基板を伸縮変形させるようにした電歪素子と、基板の周囲に磁石を配置し、この磁石により形成される基板に作用する磁界の方向あるいは強さを変化させることにより基板を伸縮変形させるようにした磁歪素子との両方を便宜的に総称したものである。上記電磁歪素子に電圧を印加すると、該電磁歪素子が膨張変形して上記加圧室の容積を減少させ、該容積減少による圧力増加により上記逆止弁が閉じるとともに噴射弁が開き、上記容積減少量に対応した量の燃料が噴射出口から噴射される。この噴射後、電歪素子の電荷を放電させる、あるいは磁歪素子の磁界を元に戻すことにより、該電磁歪素子が収縮変形して加圧室の容積を増大させ、該容積増大による負圧により上記逆止弁が開き、加圧室に燃料が供給される。
【0006】
上記電磁歪素子の変形量は、印加電圧の大きさ等に応じて高精度に制御可能であるので、加圧室の容積減少量,ひいては燃料噴射量を高精度に制御可能である。また電磁歪素子の変形量は、印加電圧の大きさ等に応じて極めて広い範囲で変化可能であるので、上記減少量の変化幅,燃料噴射量のダイナミックレンジを大幅に拡大可能である。
【0007】
ところで、上記電歪素子に帯電した電荷を放電する際のエネルギーは抵抗により熱に変換させている。本件発明者は、この電歪素子に帯電した放電エネルギーを点火コイルに導くことにより、バッテリの消費電力を低減でき、また点火装置の簡略化を図ることができる点に着目し、本発明を成したものである。
【0008】
そこで本発明は、燃料供給装置と点火装置とを別個独立に備えた内燃機関において、上記燃料供給装置は、加圧室にプランジャを該加圧室内への進入量を変化可能に配置し、該プランジャに電歪素子を接続し、該電歪素子の伸縮変形により上記プランジャを進退させて上記加圧室の容積を増減し、もって燃料を燃焼室内に供給するように構成されており、上記電歪素子は、圧電セラミックからなる複数の基板の両主面に電極を配置し、該電極に電荷を帯電させることにより基板に作用する電界の方向あるいは強さを変化させ該基板を伸縮変形させるように構成されており、上記点火装置は、上記電歪素子に帯電した電荷を点火コイルの一次側を通して放電させることにより二次側に高電圧を発生させ、該二次側に接続された点火プラグに火花を発生させるように構成されていることを特徴としている。また請求項2は、請求項1において、上記燃料供給装置は、燃料噴射制御機能からの信号に基づき上記電歪素子の電極に電荷を帯電させることにより該電歪素子を伸長させ、上記加圧室の容積を減少させて燃料を噴射し、燃料噴射終了後は点火時期制御機能からの信号に基づき、上記電歪素子の電極に帯電した電荷を点火コイルの一次側を通して放電させることにより該電歪素子を収縮させ、上記加圧室の容積を回復させることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は本発明の一実施形態(第1実施形態)による内燃機関を説明するための図であり、図1は2サイクルエンジンを模式的に示す一部断面構成図、図2は燃料噴射装置を模式的に示す一部断面構成図、図3は電歪素子の回路構成図、図4はクランク角と印加電圧との関係を示す特性図である。
【0010】
図において、1は燃料供給装置2及び点火装置25を備えた2サイクルエンジンであり、該エンジン1は、シリンダボア6b内にピストン5が摺動自在に挿入配置されたシリンダブロック6と、該ブロック6の上面にヘッドボルト7により結合されて燃料室8を構成するシリンダヘッド9と、上記シリンダブロック6が結合された変速機ケース一体型のクランクケース11とを備え、上記ピストン5がコンロッド12を介して上記クランクケース11内に配置されたクランク軸10に連結されている。なお、26は点火プラグである。
【0011】
上記クランクケース11内とシリンダボア6bの軸方向中間付近とは掃気通路20により連通されており、またシリンダボア6bに開口する排気ポート17には排気管16が接続されている。
【0012】
また上記シリンダブロック6にはシリンダボア6bの排気ポート17開口よりシリンダヘッド9寄り部分及び排気ポート17の途中部分に連通孔により連通する燃焼ガス室6aが形成されている。該両連通孔は、爆発行程において吹き抜けガスをほとんど含まない燃料ガスが上記燃焼ガス室6a内に導入されるように設定されている。そして上記燃焼ガス室6a内には燃焼ガス中のO2 濃度を検出するO2 センサ15が取り付けられている。なお、燃焼室6aへの導入部,排気ポート17への排出部には不図示の逆止弁が配置され、それぞれ逆方向の流れを阻止する。
【0013】
また上記クランクケース11に連通する吸気ポート19にはクランク室圧縮時逆流を阻止するリードバルブ75を介して吸気通路3が接続されており、該吸気通路3に介設されたスロットル弁22は、操向ハンドル21に装着されたスロットルグリップ18を回動させることによりスロットルワイヤ23を介して開閉駆動される。なお、24はスロットルグリップ開度(スロットル弁開度と連動)を検出するスロットルセンサである。
【0014】
上記燃料供給装置2は、上記シリンダブロック6に装着されたインジェクタ(燃料噴射弁)14と、該インジェクタ14に燃料を供給する燃料供給系30とを備えている。この燃料供給系30は、上記インジェクタ14と燃料タンク33とを接続する燃料通路34の途中に燃料ポンプ32を介設し、該燃料ポンプ32から吐出された燃料の余剰分をレギュレータ35により戻り通路36を介してポンプ一次側に戻すように構成されている。なお、戻し通路36は燃料タンク33に戻してもよい。
【0015】
なお、上記燃料タンク33をインジェクタ14より高所に取り付けた場合、そのヘッド差により燃料をインジェクタ14に供給可能であり、このようにすれば上記燃料ポンプ32を不要にすることが可能である。
【0016】
上記インジェクタ14は、図2に示すように、上記燃料ポンプ32から供給された燃料の逆流を防止する逆止弁37を内蔵する上部ケース38と、噴射口46を開閉する噴射弁39を内蔵する下部ケース40とを結合して、上記供給された燃料を加圧する加圧室49を形成し、該加圧室49内への進入量を変化可能に該加圧室49の壁に挿入配置されたプランジャ52と、該プランジャ52を進退駆動する電歪素子51とを備えている。
【0017】
上記逆止弁37は、燃料流入口43を弁球44で開閉可能とするとともに、該弁球44をスプリング45で閉方向に付勢した構造のものであり、該逆止弁37内は底板42に形成された連通孔41により上記加圧室49内に連通している。また上記逆止弁37の最高所付近には空気抜き弁56が挿入配置されている。
【0018】
上記噴射弁39は、噴射口46を弁棒47の弁体47aで開閉可能とするとともに、該弁棒47をスプリング48で閉方向に付勢した構造のものである。なお、上記弁棒47は支持板47bに該支持板47bと上記弁体47aとの間隔を可変に固定されており、上記間隔を調整することにより最大開面積を調整可能となっている。
【0019】
ここで上記逆止弁37の開弁圧は、上記噴射弁39の開弁圧より低く設定されている。逆止弁37の開弁圧が比較的低いことから上記燃料供給系30からの圧力により上記燃料流入口43が容易に開き、燃料の上記加圧室49内への流入応答性を高めている。また噴射弁39の開弁圧が比較的高いことから、噴射終了時の応答性を高めている。
【0020】
上記プランジャ52は、上記下部ケース40の側壁に形成された挿入孔40a内に進退可能に配設され、その先端部は上記加圧室49内に位置しており、また上記挿入孔40aとの間はシール部材53でシールされている。
【0021】
また上記プランジャ52の外端面には上記電歪素子51の先端面が接続されており、該電歪素子51の後端面は上記下部ケース40の外壁面に形成された支持ケース50の内面に当接固定されている。これにより電歪素子51は通電により図示矢印L方向に変形して上記プランジャ52を進退させ、その結果上記加圧室49の容積が変化し、燃料が加圧されるようになっている。
【0022】
ここで上記噴射弁39の開弁時における上記噴出口46の最大開口面積は上記プランジャ52の上記進退方向Lと直角の断面積より小さく設定されている。
【0023】
上記電歪素子51は、図3に示すように、本願の基板を構成する3つの圧電セラミックス51cと、これを挟み込むように正極板51aと負極板51bとが配置され、一体化されたものであり、この各圧電セラミックス51cが印加電圧の大きさに略比例して極板51a,51bの厚さ方向に伸縮変形する。
【0024】
上記各正極板51aは正電荷供給線103を介して交流電源100に接続されており、該供給線103の途中には交直変換回路101,抵抗器102,及び後述のECU4の燃料噴射制御機能4aにより開閉制御される第1電子スイッチ105が介設されている。また上記各負極板51bの負電荷供給線104はアースに接続されている。
【0025】
そして上記点火装置25の点火コイル27の一次側コイル27aの一端は上記電歪素子51の正電荷供給線103に接続されており、他端はECU4の点火時期制御機能4bにより開閉制御される第2電子スイッチ106を介してアースに接続されている。また点火コイル27の二次側コイル27bは点火プラグ26に接続されている。
【0026】
上記ECU4は、スロットルセンサ24,ピストンの上死点に対する位置を検出するためのクランク角センサ28,エンジン回転数センサ29からの各検出信号a〜cが入力され、エンジン運転状態に応じた点火時期制御信号A,燃料噴射制御信号Bをそれぞれ上記電子スイッチ105,106に出力する。
【0027】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本エンジン1では、燃料タンク33内の燃料が燃料ポンプ32によりインジェクタ14の加圧室49内に供給され、余剰の燃料はレギュレータ35を介してポンプ一次側に戻される。そして第1電子スイッチ105がオンすることによりインジェクタ14の電歪素子51に駆動電圧が印加されると、該電歪素子51が矢印L方向に変位してプランジャ52を加圧室49内に進入させ、これにより加圧室49内の容積が減少してその圧力が上昇し、これにより逆止弁37が閉じるとともに、噴射弁39の弁体47aが外方に移動して噴射口46を開き、その結果上記プランジャ進入容積に対応した量の燃料がシリンダブロック6のシリンダボア6b内に供給される。
【0028】
この場合、上記電歪素子51の矢印L方向の変位量は印加電圧の大きさに略比例するので、印加電圧が大きいほど燃料噴射量が増加することとなる。従って印加電圧を変化させることにより、燃料噴射量を高精度に増加することとなる。また上記変位量は印加電圧の大きさにより、例えば1μm〜64μmの範囲で変化し、従ってこの比率で燃料噴射量を変化させることが可能であり、ダイナミックレンジが大幅に拡大される。
【0029】
噴射終了後、第2電子スイッチ106がオンすることにより電歪素子51に帯電した電荷が一次側コイル27aを通ってアース側に流れ、これにより二次側コイル27bに高電圧が発生し点火プラグ26が火花を発生する。そしてこの放電とともにプランジャ52が後退して定位置に戻る。このとき加圧室49内の容積が増大して負圧となり、これにより燃料噴射弁39が閉じるとともに逆止弁37が開き、燃料流入口43から燃料が加圧室49内に供給される。なお、上記第2電子スイッチ106を点火コイル27のアース側に配置したが、1次側コイル27aと2次側コイル27bとの連結部27cを直接アースする一方第2電子スイッチ106を電歪素子側(図示106a)に配置してもよく、あるいは電歪素子のアース側(図示106b)に配置してもよい。
【0030】
なお、上記印加電圧の制御方法には各種の態様が採用可能であり、例えば図4(a)に示すように、複数回パルス的に通電した後、一定時間通電して帯電させ、この電荷を点火コイルに放電する、また同図(b)に示すように、1回の通電により帯電させる等、エンジン回転数,エンジン負荷(スロットル開度)に応じた最適の燃料噴射量となるように、また電歪素子の容量に応じた放電エネルギーとなるように制御される。
【0031】
ここで、容量C300,最大印加電圧400ボルトの電歪素子を2個使用した場合の放電エネルギーEは、
Figure 0003638687
となる。これに対して、一般的なCDI点火方式による放電エネルギーEは、44ミリジュール程度であるので、略同等の値が得られる。従って、噴射量のダイナミックレンジを10と仮定すると、電歪素子の容量はその10倍程度必要となる。
【0032】
このように本エンジン1では、電歪素子51によりプランジャ52を進退駆動して加圧室49の容積を変化させ、該容積変化量に応じた量の燃料を噴出するようにしたので、簡単な構造により燃料噴射を行うことができる。この場合、印加電圧の制御により電歪素子51の変位量を高精度でもって制御でき、その結果噴射燃料の計量精度を向上できる。
【0033】
また、印加電圧の大きさにより電歪素子51の変位量を1μm〜64μmと広い範囲で変化させることができ、従って燃料噴射量の最大,最小比であるダイナミックレンジの極めて大きい燃料噴射が可能である。
【0034】
本実施形態では、電歪素子51の極板51a,51b間に帯電した電荷を点火コイル27の一次側コイル27aに放電して点火プラグ26に火花を発生させたので、該電歪素子51の放電エネルギーを有効利用してバッテリの消費電力を節約できるとともに、点火装置25の簡略化を図ることができる。
【0035】
図5は、本発明の第2実施形態による燃料供給装置を説明するための図である。本燃料供給装置2は、上述した2サイクルエンジンのクランクケースに連通する吸気管に接続されており、ベンチュリ部18b,及びこれの下流側にバタフライ式のスロットル弁22を有する吸気通路ボディ(ミキシングチャンバ)18と、該ボディ18の下面側に接続された燃料貯留室(フロートチャンバ)80と、該燃料貯留室80内に配設された加圧室ボディ81と、該加圧室ボディ81の加圧室84の容積を変化させる電歪素子86を備えている。なお、図中、矢印Aは吸気の流れ方向を示している。
【0036】
上記燃料貯留室80内にはフロート99が上下揺動可能に配設されており、また燃料が供給される燃料供給管97が接続されている。該燃料供給管97の供給開口はニードル弁98により上記フロート99の上下揺動に応じて開閉され、燃料貯留室80内の油面が所定レベルに保持されるようになっている。なお、95は燃料レベル検出センサ、82は温度検出センサである。
【0037】
上記加圧室ボディ81の下部には加圧室84内に燃料貯留室80内の燃料が導入される燃料導入口83が形成されており、該導入口83の加圧室内開口部には貯留室80から加圧室84への流れのみを許容する逆止弁85が配設されている。
【0038】
上記加圧ボディ81の下部には素子室90が形成されている。この素子室90は燃料貯留室80内に連通孔90aにより連通しており、また加圧室84内に開口84aにより連通している。該開口84a部分には蛇腹状の金属筒100が挿入配置されており、該金属筒100のフランジ部100aにより素子室90と加圧室84とは油密に画成されている。
【0039】
上記素子室90内には上記電歪素子86が配設されており、該電歪素子86の伸縮変形により金属筒100の加圧室84内への進入量を変化させるようになっている。また上記加圧室84の上端部には燃料吐出口87が連通しており、該吐出口87の開口87cは上記ベンチュリ部18b部分に位置している。
【0040】
上記燃料吐出口87の上部には加圧室84からの燃料を微粒化するための補助空気通路96が形成されている。また燃料貯留室80の上側部分と吸気通路18aのスロットル弁22より上流側部分とは連結パイプ89により連通されている。これにより燃料貯留室80内の圧力は、上記ベンチュリ部18b部分の吸気圧力と同一となり、そのため加圧室84内の燃料がベンチュリ部18bの負圧により吸い出されることはない。従って、燃料供給量は電歪素子81の作動量によって決定され、その結果、燃料供給量を精度良く制御できる。
【0041】
また上記連結パイプ89の途中には三方弁88を介在させて大気解放パイプ89cが接続されており、該三方弁88は、エンジン停止中は上記燃料貯留室80と大気解放パイプ89cと連通させ、運転中は燃料貯留室80と吸気通路18aとを連通する。これにより始動時大気圧とクランキング負圧の差圧による燃料増量が可能となることから、エンジンの冷機状態での始動性が良好となる。
【0042】
そして、本エンジンの点火装置は、上記電歪素子86の正極側を点火コイルの一次側コイルに接続するとともに二次側コイルに点火プラグを接続してなり、基本的構成は上記第1実施形態と同様である。
【0043】
本実施形態では、燃料貯留室80内の燃料が燃料導入口93を通り、逆止弁85を押し開いて加圧室84内に進入することにより両室内の油面は略一致している。そしてECUから燃料供給信号に応じた駆動電圧が電歪素子86に印加されると、該電歪素子86が変位して金属筒100を加圧室84内に進入させ、該加圧室容積が減少して逆止弁85を閉じるとともに該減少容積に応じた量の燃料が吐出口87から吸気通路18a内に吐出される。
【0044】
燃料吐出後、上記電歪素子86に帯電した電荷を点火コイルの一次側に放電して二次側に高電圧を発生させ、これにより点火プラグに火花を発生させる。そしてこの放電とともに金属筒100が後退し、このとき加圧室84内の容積が増大して負圧となり、逆止弁85が開いて燃料が加圧室84内に供給される。
【0045】
このように本エンジンによれば、電歪素子86により金属筒100を進退駆動して加圧室84の容積を変化させ、該容積変化量に応じた量の燃料を吐出するようにしたので、簡単な構造により燃料吐出を行うことができ、また電歪素子86の変位量を高精度でもって制御でき、吐出燃料量の制御精度を向上でき、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
また上記電歪素子86に帯電した電荷を点火コイルに放電して点火プラグに火花を発生させたので、該電歪素子86の放電エネルギーを有効利用してバッテリの消費電力を節約できるとともに、装置の構造を簡略化できる。
【0047】
なお、上記各実施形態では2サイクルエンジンの場合を説明したが、本願発明は勿論4サイクルエンジンにも適用できる。図6〜図8は、4サイクルエンジンに適用した場合を説明するための図であり、図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0048】
以下、主に上記第1実施形態における2サイクルエンジンと異なる部分について説明する。本4サイクルエンジンは、不図示のカム軸により駆動されて、吸気ポート18,排気ポート17の燃焼室8開口を開閉する吸気弁59,排気弁60を備えている。そしてインジェクタ14は、シリンダヘッド6に、噴出口が燃焼室8に臨むように配置されている。
【0049】
そして本エンジンは、図7に示すように、電歪素子51に電圧を印加する第1電子スイッチ105、該電歪素子51に帯電した電荷を抵抗器108により熱変換させて放電させる第3電子スイッチ107、及び電歪素子51に帯電した電荷を点火コイル27の一次側コイル27aに放電する第2電子スイッチ106を備えており、各電子スイッチ105〜107はそれぞれECU4の燃料噴射制御機能4a,点火時期制御機能4b,及び放電制御機能4cにより開閉制御される。なお、上記第2電子スイッチ106は電歪素子側106aに配置してもよく,あるいは電歪素子のアース側106bに配置してもよい。
【0050】
本エンジンでは、図8(a)に示すように排気行程において2回通電するとともに吸入,圧縮行程で連続通電する方法、同図(b)に示すように排気〜圧縮行程間で連続通電する方法が採用可能であり、圧縮上死点の直前において点火コイル27に放電し、点火プラグ26に火花を発生させる。
【0051】
また、4サイクルエンジン場合、エンジン1回転毎に電歪素子を1回作動させ、エンジン2回転毎に点火プラグを作動させる場合には、途中1回分の電荷は、上記第3電子スイッチ107をオンさせることにより抵抗器108に放電することとなる。
【0052】
このように、4サイクルエンジンにおいても上記2サイクルエンジンの場合と同様の作用効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る内燃機関によれば、燃料供給装置を、電歪素子の伸縮変形により燃料を燃焼室に供給するように構成し、点火装置を、上記電歪素子に帯電した電荷を点火コイルに放電させることにより点火プラグに火花を発生させるように構成したので、燃料噴射の計量精度を向上でき、また印加電圧の大きさに応じて電歪素子の変位量を広い範囲で変化可能にでき、ダイナミックレンジを大幅に拡大できる効果があり、また、電歪素子に帯電した電荷を有効利用して点火させることができ、消費電力を節約できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態による2サイクルエンジンを模式的に示す一部断面構成図である。
【図2】上記エンジンの燃料噴射装置を模式的に示す一部断面構成図である。
【図3】上記エンジンの燃料噴射,点火装置の構成図である。
【図4】上記エンジンのクランク角と通電電圧との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施形態の燃料供給装置を模式的に示す断面側面図である。
【図6】上記第1実施形態の燃料供給装置を備えた4サイクルエンジンの断面構成図である。
【図7】上記4サイクルエンジンの燃料噴射,点火装置の構成図である。
【図8】上記エンジンのクランク角と通電電圧との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃料供給装置
8 燃焼室
25 点火装置
25a 点火コイル
26 点火プラグ
51 電歪素子
51a,51b 電極
51c 圧電セラミックス(基板)

Claims (2)

  1. 燃料供給装置と点火装置とを別個独立に備えた内燃機関において、上記燃料供給装置は、加圧室にプランジャを該加圧室内への進入量を変化可能に配置し、該プランジャに電歪素子を接続し、該電歪素子の伸縮変形により上記プランジャを進退させて上記加圧室の容積を増減し、もって燃料を燃焼室内に供給するように構成されており、上記電歪素子は、圧電セラミックからなる複数の基板の両主面に電極を配置し、該電極に電荷を帯電させることにより基板に作用する電界の方向あるいは強さを変化させ該基板を伸縮変形させるように構成されており、上記点火装置は、上記電歪素子に帯電した電荷を点火コイルの一次側を通して放電させることにより二次側に高電圧を発生させ、該二次側に接続された点火プラグに火花を発生させるように構成されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1において、上記燃料供給装置は、燃料噴射制御機能からの信号に基づき上記電歪素子の電極に電荷を帯電させることにより該電歪素子を伸長させ、上記加圧室の容積を減少させて燃料を噴射し、燃料噴射終了後は点火時期制御機能からの信号に基づき、上記電歪素子の電極に帯電した電荷を点火コイルの一次側を通して放電させることにより該電歪素子を収縮させ、上記加圧室の容積を回復させることを特徴とする内燃機関。
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