JPH08296523A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JPH08296523A
JPH08296523A JP9841695A JP9841695A JPH08296523A JP H08296523 A JPH08296523 A JP H08296523A JP 9841695 A JP9841695 A JP 9841695A JP 9841695 A JP9841695 A JP 9841695A JP H08296523 A JPH08296523 A JP H08296523A
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JP
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fuel
fuel supply
supply device
chamber
internal combustion
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JP9841695A
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Kiminaga Otome
公修 乙▲め▼
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Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 計量精度を向上できるとともにダイナミック
レンジを拡大できる内燃機関の燃料供給装置を提供す
る。 【構成】 吸気ポート19に接続された吸気通路18a
にフロートチャンバ(燃料貯溜室)80を燃料吐出通路
87を介して連通させてなり、上記吸気通路18a内と
上記フロートチャンバ80内との差圧によりフロートチ
ャンバ80内の燃料を上記燃料吐出通路87を介して上
記吸気通路18a内に吐出するようにした気化器(第1
燃料供給装置)2と、シリンダボア6a内に燃料噴出口
46を介して連通接続された加圧室49と、該加圧室4
9内に供給された燃料の逆流を阻止する逆止弁37と、
上記加圧室49の燃料噴出口46を開閉する噴射弁39
と、通電により変位して上記加圧室の容積を変化させる
電磁歪素子51とを有するインジェクタ(第2燃料供給
装置)3とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料供給装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料供給装置には、吸気通路
の負圧により燃料を吸い出して空気と混合するようにし
た気化器方式のものと、高圧燃料が供給される噴射ケー
ス内に噴射口を開閉する弁体を閉側にリターンスプリン
グで付勢して配置し、該弁体を電磁コイルにより開側に
駆動するようにした強制噴射方式のものとがある。
【0003】上記気化器方式の燃料供給装置では、吸気
通路の細径部のいわゆるベンチュリ部に燃料吐出口を開
口させ、該ベンチュリでの吸気流速の増加により発生す
る負圧によってフロートチャンバ(燃料貯溜室)内の燃
料を上記吸気通路内に吸い出し、該燃料と空気とを混合
霧化するようにしている。
【0004】一方、上記従来の強制噴射方式のもので
は、上記電磁コイルへの印加電圧を制御することによ
り、上記電磁コイルにより上記弁体を後退させて上記噴
射口を開き、該噴射口が開いている期間に応じた量の燃
料を噴射するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の強
制噴射方式の燃料供給装置の場合、1噴射当たりの最大
量と最小量との比(ダイナミックレンジ)をあまり増大
できないという問題がある。上記従来の燃料噴射装置で
は、上記電磁コイルへの印加電圧のパルス長により1回
の噴射量が決定されるのであるが、弁体の応答性に限度
があるので、弁の開時間をあまり短くすることができ
ず、結局上記ダイナミックレンジに制約が生じる。
【0006】また上記気化器方式の燃料供給装置の場
合、ベンチュリ部における吸気流速に応じて発生する負
圧によってフートチャンバ内の燃料を吸い出す方式であ
るので、燃料の計量精度に限度があり、しかも上記吸い
出し量を自由に制御することはできないことから、近年
の空燃比制御の要請に応えることができない。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、ダイナミックレンジを大幅に拡大でき、燃
料の計量精度を向上できるとともに、精度の高い空燃比
制御を実現できる内燃機関の燃料供給装置を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、吸気
ポートに接続された吸気通路に燃料貯溜室を燃料吐出通
路を介して連通させてなり、上記吸気通路内と上記燃料
貯溜室内との差圧により燃料貯溜室内の燃料を上記燃料
吐出通路を介して上記吸気通路内に吐出するようにした
気化器方式の第1燃料供給装置と、吸気経路又は気筒内
に燃料噴出口を介して連通接続された加圧室と、該加圧
室内に供給された燃料の逆流を阻止する逆止弁と、上記
加圧室の燃料噴出口を開閉する噴射弁と、通電により変
位して上記加圧室の容積を変化させる電磁歪素子あるい
は発熱体素子とを有する強制噴射式の第2燃料供給装置
とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置で
ある。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、燃
料タンク内の燃料を共通の燃料ポンプにより上記第1燃
料供給装置の燃料貯溜室及び上記第2燃料供給装置の加
圧室に供給する外部燃料供給系を備えたことを特徴とし
ている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1において、燃
料タンクを第1燃料供給装置より高所に配置し、そのヘ
ッド差により燃料タンク内の燃料を第1燃料供給装置の
燃料貯溜室に供給し、該燃料貯溜室内の燃料を燃料ポン
プにより上記第2燃料供給装置の加圧室に供給するとと
もに、余剰燃料を燃料ポンプ一次側に戻すようにした外
部燃料供給系を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記第2燃料供給装置を、燃料噴出口が
シリンダボア内に臨むように配設したことを特徴として
いる。
【0012】請求項5の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記第2燃料供給装置を、燃料噴出口が
上記第1燃料供給装置のスロットル弁より上流側又は下
流側の吸気系路内に臨むように配設したことを特徴とし
ている。
【0013】請求項6の発明は、請求孔1ないし5の何
れかにおいて、要求燃料供給量に応じて上記電磁歪素子
あるいは発熱体素子への印加電圧,通電時間,通電周期
の少なくとも1つを変化させる通電制御手段を備えたこ
とを特徴としている。
【0014】請求項7の発明は、請求項6において、上
記通電制御手段が、内燃機関の1サイクル中に上記電磁
歪素子あるいは発熱体素子を1回又は複数回作動させる
ことを特徴としている。
【0015】請求項8の発明は、請求項1ないし7の何
れかにおいて、第1燃料供給装置が要求燃料供給量の概
ね50〜95%を供給し、第2燃料供給装置が残りを供
給することを特徴としている。
【0016】ここで本発明における電歪素子とは、電圧
を加えると伸縮し、荷重を加えると電圧を発生する、い
わゆる圧電効果を有する素子からなる公知の圧電アクチ
ュエータである。なお、圧電効果を有する材料には、水
晶から高分子まで各種のものがあるが、圧電アクチュエ
ータの材料としては圧電セラミックの一種であるチタン
酸ジルコン酸鉛(PZT)が代表的である。
【0017】また本発明における磁歪素子とは、磁場の
中で伸び縮みする磁電材料、例えばテルビウム,ジスプ
ロシウム,鉛の三元系合金を使った磁心と、磁心の外周
に巻かれたコイルからなる。コイルへの通電量(例えば
電圧,電流)を制御することにより磁心が伸縮する。
【0018】
【作用】請求項1の発明に係る内燃機関の燃料供給装置
によれば、要求燃料の一部(好ましくは50%以上)は
気化器方式の第1燃料供給装置により供給され、残りは
電磁歪素子の変位によりあるいは発熱体素子の発生する
気泡により加圧室容積を減少させることにより加圧室内
の燃料圧力を上昇させて噴射する強制噴射方式の第2燃
料供給装置により供給される。この場合、上記電磁歪素
子の変位量あるいは発熱体素子の気泡容積は、印加電圧
あるいは通電電流の大きさ等に応じて高精度に制御可能
であるので、上記加圧室容積減少量,ひいては燃料噴射
量を高精度に制御可能である。従って、第1供給装置か
らの燃料を第2供給装置からの燃料により要求燃料量と
なるように高精度でもって補正可能であり、燃料の計量
精度を向上できる。
【0019】また第1燃料供給装置からの燃料量を基本
とすることにより、第2燃料供給装置のダイナミックレ
ンジに余裕が生じ、結果的に全体としてのダイナミック
レンジを大幅に拡大可能である。
【0020】請求項2の発明よれば、第1,第2燃料供
給装置の両方に1つの共通の燃料ポンプを備えた外部燃
料供給系により燃料を供給するようにしたので、外部燃
料供給系を簡単な構造にでき、かつ燃料タンクの配置位
置上の制約を受けることがない。
【0021】請求項2の発明によれば、ヘッド差によっ
て第1燃料供給装置の燃料貯溜室に燃料を供給し、該燃
料貯溜室内の燃料を燃料ポンプにより上記第2燃料供給
装置の加圧室のみに供給するようにしたので、燃料ポン
プの吐出容量,調圧器の容量を小さくでき、これらを小
型化できる。
【0022】また第2燃料供給装置の配設位置について
は、請求項4の発明のように、燃料噴出口がシリンダボ
ア内に臨むように配置することができる。例えば噴出口
が燃焼室からシリンダボア内に臨むようにシリンダヘッ
ドに取り付けた場合には、吸入行程,圧縮行程の何れの
時点でも燃料噴射が可能であり、燃料の噴射タイミング
上の自由度が大きく、また直ちに燃焼室内に燃料が供給
される分だけ燃料の供給応答性が高い。
【0023】また噴出口がシリンダボア内面に開口する
ように第2燃料供給装置をシリンダブロックに取り付け
た場合には、吸気行程,あるいは圧縮行程の初期という
気筒内圧力の高くない時点で燃料を噴射することから、
必要な噴射圧力が低くて済む。
【0024】さらにまた第2燃料供給装置の配設位置に
ついては、請求項5の発明のように、スロットル弁上流
側,下流側の何れへの配設も可能であり、これにより必
要な噴射圧力をさらに下げることができ、また爆発圧力
が作用することはないので必要な耐圧性,耐熱性を下げ
ることができる。またスロットル弁上流側に配設した場
合には、空気との混合が良好となり、燃料の霧化性能を
向上できる。
【0025】請求項6の発明によれば、要求燃料供給量
に応じて上記電磁歪素子あるいは発熱体素子への印加電
圧,電流値,通電時間,通電周期の少なくとも1つを変
化させる通電制御手段を備えたので、燃料供給量を要求
燃料供給量に制御可能である。
【0026】請求項7の発明によれば、電磁歪素子ある
いは発熱体素子を1サイクル中に1回以上作動作動させ
るようにしたので、要求燃料供給量に対応した燃料供給
量制御が可能となるとともに、ダイナミックレンジを拡
大できる。
【0027】請求項8の発明によれば、要求燃料供給量
の50〜95%を第1燃料供給装置により、残りを第2
燃料供給装置により供給するようにしたので、電磁歪素
子への印加電圧,通電時間を等を制御することにより、
第1燃料供給装置からの燃料量と第2燃料供給装置から
の燃料量との和を要求量に合致するように補正すること
が可能となり、計量精度を向上できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。なお、本明細書の全ての図において、同一符号は同
一又は相当部分を示す。図1〜図7,図14〜図16は
請求項1,2,4〜8の発明に係る一実施例(第1実施
例)による2サイクルエンジンの燃料噴射装置を説明す
るための図であり、図1は本実施例装置を模式的に示す
一部断面構成図、図2は第1燃料供給装置(気化器)を
模式的に示す断面側面図、図3は第2燃料供給装置(イ
ンジェクタ)を模式的に示す断面側面図、図4〜7は本
実施例装置の動作を説明するための特性図、図14,図
15,図16はそれぞれ電歪素子,磁歪素子,発熱体素
子の構成図である。
【0029】図において、1は第1燃料供給装置(気化
器)2及び第2燃料供給装置(インジェクタ)3を備え
た2サイクルエンジンであり、該エンジン1は、シリン
ダボア6b内にピストン5が摺動自在に挿入配置された
シリンダブロック6と、該ブロック6の上面にヘッドボ
ルトにより結合されて燃焼室8を形成するシリンダヘッ
ド9と、上記シリンダブロック6に結合された変速機ケ
ース一体型のクランクケース11とを備え、上記ピスト
ン5がコンロッド12を介して上記クランクケース11
内に配置されたクランク軸10に連結されている。な
お、26は点火プラグ、25は点火回路である。
【0030】上記上記クランクケース11内とシリンダ
ボア6bの軸方向中間付近とは掃気通路20により連通
されており、またシリンダボア6bに開口する排気ポー
ト17には排気菅(図示せず)が接続されている。
【0031】また上記クランクケース11に連通する吸
気ポート19にはリードバルブ75を介在させて上記気
化器2が接続されており、該気化器2のスロットル弁2
2は、操向ハンドルに装着されたスロットルグリップを
回転させることによりスロットルワイヤを介して開閉駆
動される。
【0032】上記気化器2は、図2に示すように、上記
吸気ポート19に接続されたミキシングチャンバ18
と、該ミキシングチャンバ18の下面側に接続形成され
たフロートチャンバ(燃料貯溜室)80と、該フロート
チャンバ80内に配設され、該チャンバ80内を上記ミ
キシングチャンバ18内に連通させるジェットボディ8
1とを備えている。
【0033】上記ミキシングチャンバ18は、上記吸気
ポート19に連通する吸気通路18aを有し、該通路1
8aの途中には他の部分より細径にして通路面積の絞ら
れたベンチュリ部18bが形成されており、該ベンチュ
リ部18bより下流側に通路面積,ひいては吸気量を可
変制御するバタフライ式の上記スロットル弁22が回動
自在に装着されている。
【0034】上記フロートチャンバ80内にはフロート
99が油面レベルに応じて上下揺動するように配設され
ており、また該フロートチャンバ80には、後述する外
部燃料供給系13により燃料が供給される燃料供給菅9
7が接続されている。該燃料供給菅97の供給開口はニ
ードル弁98により上記フロート99の上下揺動に応じ
て開閉され、これにより該フロートチャンバ80内の油
面が所定レベルに保持されるようになっている。
【0035】また上記フロートチャンバ80の油面より
上側部分には大気解放パイプ89の一端が接続開口して
おり、該パイプ89の先端は図示しないエアクリーナの
二次側に開口している。これにより上記フロートチャン
バ80内は略大気圧に保持されている。
【0036】上記ジェットボディ81の上端部は上記ミ
キシングチャンバ18のベンチュリ部18bに挿入固定
され、その下部は上記フロートチャンバ81内の燃料中
に浸漬されている。該ジェットボディ81内にはジェッ
ト室84が形成され、該ジェット室84内にはメインジ
ェット86が配設されている。該メインジェット86に
は絞り孔86aが形成されている。このメインジェット
86は吸気通路18a内への燃料供給量とエンジン負荷
(スロットル開度ひいてはベンチュリ部18bの吸気負
圧)との関係が、例えば図7の第1燃料供給装置による
燃料流量に示す如き特性となるように設定されている。
【0037】上記ジェット室84の下部は燃料導入口8
3により上記フロートチャンバ80内に連通しており、
上部は燃料吐出通路87により上記吸気通路18a内に
連通している。この吐出通路87は、上記ジェット室8
4より十分に小径の下部通路87aとジェット室84と
同等径の上部通路87bとからなり、該上部通路87b
の開口87cは上記ベンチュリ部18bに位置してい
る。
【0038】上記インジェクタ3は、その燃料噴出口4
6が燃焼室8,ひいてはシリンダボア6b内に臨むよう
に上記シリンダヘッド9に装着されている。このインジ
ェクタ3は、図3に示すように、上記外部燃料供給系1
3から供給された燃料の逆流を防止する逆止弁37を内
蔵する上部ケース38と、上記燃料噴出口46を開閉す
る噴射弁39を内蔵する下部ケース40とを結合して、
上記供給された燃料を加圧する加圧室49を形成し、該
加圧室49内への進入量を変化可能に該加圧室49の壁
に挿入配置されたプランジャ52と、該プランジャ52
を進退駆動する電磁歪素子51とを備えている。
【0039】上記逆止弁37は、燃料流入口43を弁球
44で開閉可能とするとともに、該弁球44をスプリン
グ45で閉方向に付勢した構造のものであり、該逆止弁
37内は底板42に形成された連通孔41により上記加
圧室49内に連通している。また上記逆止弁37の最高
所付近には空気抜き弁56が螺挿配置されている。
【0040】上記噴射弁39は、噴出口46を弁棒47
の弁体47aで開閉可能とするとともに、該弁棒47を
スプリング48で閉方向に付勢した構造のものである。
なお、上記弁棒47は支持板47bに該支持板47bと
上記弁体47aとの間隔を可変に固定されており、上記
間隔を調整することにより最大開面積を調整可能となっ
ている。
【0041】ここで上記逆止弁37の開弁圧は、上記噴
射弁39の開弁圧より低く設定されている。逆止弁37
の開弁圧が比較的低いことから外部燃料供給系13の燃
料ポンプ32からの燃料圧力により上記燃料流入口43
が容易に開き、燃料の上記加圧室49内への流入応答性
を高めている。また噴射弁39の開弁圧が比較的高いこ
とから、噴射終了時の応答性を高めている。
【0042】上記プランジャ52は、上記下部ケース4
0の側壁に形成された挿入孔40a内に進退可能に配設
され、その先端部は上記加圧室49内に位置しており、
また上記挿入孔40aとの間はシール部材53でシール
されている。
【0043】また上記プランジャ52の外端面には上記
電磁歪素子51の先端面が接続されており、該電磁歪素
子51の後端面は上記下部ケース40の外壁面に形成さ
れた素子ケース50の内面に当接固定されている。これ
により電磁歪素子51は伸長方向又は収縮方向通電によ
り図示矢印L方向に変位して上記プランジャ52を進退
させる。従って電磁歪素子51を伸ばす方向の通電があ
るとプランジャ52が前進する。その結果上記加圧室4
9の容積が変化し、燃料が加圧されるようになってい
る。
【0044】これにより直ちに噴射弁39が開き、燃料
が噴射される。電磁歪素子51への通電を中止するか、
さらに電磁歪素子51を縮める方向の通電をするとプラ
ンジャ51が後退し、加圧室49の容積が増大し、燃料
が減圧される。これにより直ちに噴射弁39が閉じる一
方、逆止弁37が開となり、燃料が加圧室49に供給さ
れる。
【0045】ここで上記噴射弁39の開弁時における上
記噴出口46の最大開口面積は上記プランジャ52の上
記進退方向Lと直角の断面積より小さく設定されてい
る。
【0046】上記外部燃料供給系13は、燃料タンク3
3内の燃料を燃料ポンプ32により燃料供給通路34,
34a,34bを介して上記インジェクタ3及び気化器
2に供給するようになっている。また燃料ポンプ32の
吐出側には余剰燃料をポンプ吸込側に戻し、燃料供給圧
力を所定値に保持するための調圧器35が介設されてお
り、該調圧器35は戻り通路36により燃料タンク33
に連通している。
【0047】なお、上記燃料タンク33を上記気化器2
及びインジェクタ3より高所に配設した場合は、そのヘ
ッド差により燃料を該気化器2,及びインジェクタ3に
供給可能であり、このようにすれば上記燃料ポンプ32
等を不要にすることが可能である。
【0048】本実施例装置は、点火時期制御、燃料噴射
制御を行うECU4を備えている。このECU4は、ス
ロットル開度信号a,エンジン回転数算出用兼点火及び
噴射タイミング用のクランク角信号bが入力され、エン
ジン運転状態に応じた点火時期制御信号A,燃料噴射制
御信号Bをそれぞれ上記点火回路25,インジェクタ3
に出力する。
【0049】次に、本実施例装置の作用効果について説
明する。本実施例では、燃料タンク33内の燃料が燃料
ポンプ32により、第1燃料供給装置としての気化器
2,及び第2燃料供給装置としてのインジェクタ3に供
給され、余剰の燃料は調圧器35を介して燃料タンク3
3に戻される。
【0050】そして気化器2においては、吸気行程(ピ
ストン上昇行程)でのクランク室内圧力の低下によりリ
ード弁75が開き、空気が吸気通路18aを通って吸入
され、ベンチュリ部18bでの流速増加による負圧によ
り、ジェット室84内の燃料が絞り孔86aで規制され
つつ吐出通路87を通って吸気通路18a内に吐出さ
れ、空気と混合し、霧状の混合気となってクランク室に
供給される。この場合、スロットル弁22を大きく開く
ほど吸入空気量が増加するとともに、上記ベンチュリ部
18bでの流速が速くなって負圧が大きくなり、吸入空
気量に応じた量の燃料が吸気通路18a内に吸い出され
る(図7の第1燃料供給装置による燃料流量カーブ参
照)。
【0051】またインジェクタ3においては、電磁歪素
子51に、ECU4からの燃料噴射制御信号Bに応じた
駆動電圧が印加され、該電磁歪素子51が矢印L方向に
変位(伸長)してプランジャ52を加圧室49内に進入
させ、これにより加圧室49内の容積が減少してその圧
力が上昇し、逆止弁37が閉じるとともに、噴射弁39
の弁体47aが外方に移動して噴出口46を開き、その
結果上記プランジャ進入容積に対応した量の燃料がシリ
ンダブロック6のシリンダボア6b内に噴射供給され
る。
【0052】この場合、上記電磁歪素子51の矢印L方
向の変位量は印加電圧の大きさ,あるいは印加時間に大
略比例するので、図4,5に示すように、印加電圧,あ
るいは印加時間が大きいほど燃料噴射量が増加すること
となる。従って、上記印加電圧,通電時間を制御するこ
とにより、燃料噴射量を高精度に制御することが可能で
ある。また上記印加電圧等を変化させることにより、上
記変位量は例えば1μm 〜64μm といった非常に広い
範囲で変化し、従ってこの広い範囲で燃料噴射量を変化
させることが可能であり、ダイナミックレンジが大幅に
拡大される。
【0053】上記印加電圧の制御方法には各種の態様が
採用可能であり、インジェクタ3が気化器2あるいは吸
気通路を構成する吸気マニホールドに設けられる場合、
例えばピストンが上死点位置にある状態をクランク角0
°としてクランク角45°〜135°の間、及び225
°〜340°の間において、例えば図6(a)に示すよ
うに複数回通電する、同図(b)に示すように1回通電
する等、エンジン回転数,エンジン負荷(スロットル開
度)に応じた最適の燃料噴射量となるように上記ECU
4より制御される。
【0054】クランク角200°〜360°はクランク
室内が負圧となり、噴射された燃料が吸気流に乗るので
霧化,気化が促進される。なお、インジェクタ3がシリ
ンダヘッド9に取り付けられ、直接燃焼室8内に燃料が
噴射される場合は、燃料が排気ポート19へ直接吹き抜
けないようにクランク角180°〜330°の範囲で噴
射が開始され、且つ点火プラグ26が点火される前に噴
射が終了する。
【0055】また、気化器2,インジェクタ3による供
給燃料量の割合については、要求燃料量の50〜95%
を気化器2から供給し、残りをインジェクタ3から供給
する。具体的には、例えば図7に示すように、エンジン
負荷が増加するに伴って気化器2からの供給量が増加
し、残りの不足分かインジェクタ3により補われる。即
ち、気化器2の燃料供給特性は、メインジェット86の
絞り孔86aによって決定される所定の特性カーブに固
定される。一方、インジェクタ3から噴射される燃料量
は上述のように印加電圧の大きさ等により自由に制御で
きる。従って、両者を組合わせることにより、燃料供給
量を広い運転域に渡って高精度でもって制御可能とな
る。
【0056】始動時や加速時、気化器2から燃料を一時
的に増量させても、増量燃料が吸気通路19から燃焼室
8に到るまで時間が掛かってしまう。しかし、本実施例
においては、気化器2ではなくインジェクタ3から増量
燃料を直接燃焼室3に供給するようにしたから、始動性
や加速性を向上させることができる。また、低速時気化
器2からの燃料供給を停止し、インジェクタ3から供給
しているので、より適切な少量の燃料を供給でき、低速
での安定した運転が得られる。また、低速時における微
妙な加速減速についての応答性も向上する。
【0057】このように本実施例では、エンジン負荷
(スロットル開度)によって決定される吸気負圧に応じ
た量の燃料を吐出する気化器2と、電磁歪素子51への
印加電圧等に応じた量の燃料を噴射するインジェクタ3
とを組合わせたので、燃料供給量を広い運転域に渡って
高精度でもって制御することができる。
【0058】また、インジェクタ3は、印加電圧の大き
さ等により電磁歪素子51の変位量を広い範囲で(本実
施例の場合は1μm 〜64μm )変化させることがで
き、従って燃料噴射量の最大,最小比であるダイナミッ
クレンジを拡大できる。しかも本実施例の場合、要求燃
料量の大部分を気化器2により供給し、不足分をインジ
ェクタ3で補充するようにしたので、インジェクタ3の
ダイナミックレンジに余裕が生じ、その結果全体として
のダイナミックレンジをより一層拡大できる。
【0059】また、インジェクタ3において、上記噴射
弁39の開弁時における噴出口46の最大開口面積を上
記プランジャ52の断面積より小さくしたので、燃料を
噴出口46で絞りながら噴出することにより噴射燃料の
微粒化を図ることができ、燃料の霧化性能を向上でき
る。
【0060】さらにまた、上記逆止弁37の開弁圧を噴
射弁39の開弁圧より低く設定したので、加圧室49内
への燃料の追従性を向上でき、燃料の供給遅れを回避で
きる。
【0061】また本実施例では、インジェクタ3をシリ
ンダヘッド9に、燃焼室8に噴出口46が臨むように配
設したので、吸入行程,圧縮行程の何れの時点でも噴射
可能であり、燃料の噴射タイミング上の自由度を拡大で
きる。また噴射された燃料が燃焼室内に直ちに供給され
ることから燃料の供給応答性を向上できる。
【0062】ここで上記インジェクタ3の構造について
は例えば図8〜10に示すように各種の変形例が採用可
能である。図8は、プランジャ54の矢印L方向と直角
の横断面積を電磁歪素子51の同横断面積より大きく設
定するとともに、該プランジャ54を圧力室49の容積
が大きくなる方向にスプリング55で付勢した例であ
る。
【0063】この変形例では、電磁歪素子51より断面
積が大きいプランジャ54を用いたので、上記素子51
の同一変位量に対する加圧室49の容積変化量を上記第
1実施例と比べて大きくすることができる。
【0064】図9は、上記プランジャの代わりに蛇腹状
の金属筒73を加圧室49内への進入量を可変に配設
し、該金属筒73の進入量を電磁歪素子51で制御する
ようにした例である。なお上記蛇腹状金属筒73は、加
圧室49内の圧力によって変形することのないように構
成されている。
【0065】この変形例においても上記電磁歪素子51
の変形量以上に上記加圧室49の容積を変化させること
ができ、燃料噴射量を増加できる。
【0066】図10は、上記電磁歪素子51を、その全
体が上記加圧室49内に位置するように配置するととも
に、該電磁歪素子51の後端面を支持板57に固定して
いる。なお、該支持板57は加圧室49の壁面の一部を
構成していいる。
【0067】この変形例では、電磁歪素子51の全体を
上記加圧室49内に配置したので、上記素子51の変形
量の全てを上記加圧室49の容量の変化に利用できる。
またプランジャを加圧室内に挿入する場合のようなシー
ル部分が存在しないので、電磁歪素子51の配置構造が
簡単である。
【0068】また上記インジェクタ3の配設位置につい
ては各種の変形例が採用可能である。例えば図1に二点
鎖線で示すように、インジェクタ3を、噴出口46が
シリンダボア6a内に臨み、噴射方向がボア軸と直角に
なるように配設する、噴出口46がスロットル弁22
より下流側の吸気ポート19内に臨むように配設する、
噴出口46がスロットル弁22より上流側の吸気通路
18a内に臨むように配設する、等の配設構造が採用可
能である。
【0069】上記のようにシリンダボア6a内に臨ま
せた場合には、吸気行程,あるいは圧縮行程の初期とい
う気筒内圧力の高くない時点で燃料を噴射することか
ら、噴射圧力が低くて済む。また,のようにスロッ
トル弁下流側,上流側に配設した場合には、噴射圧力を
さらに下げることができ、また爆発圧力が作用すること
はないので必要な耐圧性,耐熱性を下げることができ
る。さらにまたのようにスロットル弁上流側に配設し
た場合には、空気との混合が良好となり、燃料の霧化性
能を向上できる。
【0070】さらにまた、上記外部燃料供給系13につ
いては、図11に請求項3の発明に係る第2実施例を示
すように構成しても良い。本第2実施例では、燃料タン
ク33を気化器2より高所に配置し、該燃料タンク22
内の燃料をヘッド差により燃料供給通路34aを介して
フロートチャンバ80内に供給する。一方、該フロート
チャンバ80内の燃料を燃料ポンプ32,調圧器35,
及び燃料供給通路34bを介してインジェクタ3に供給
する。また余剰燃料は戻り通路36を介してフロートチ
ャンバ80内に戻す。
【0071】本第2実施例の場合には、必要な燃料の大
部分はヘッド差を利用して供給し、インジェクタ3への
燃料のみを燃料ポンプ32で供給するようにしたので、
該燃料ポンプ32,調圧器35が小容量の小型のもので
済む。
【0072】なお、上記各実施例では2サイクルエンジ
ンの場合を説明したが、本願発明は勿論4サイクルエン
ジンにも適用できる。図12,図13は本発明を4サイ
クルエンジンの燃料供給装置に適用した第3実施例を説
明するための図である。
【0073】図12に示すように、本実施例のエンジン
1は、カム軸により駆動されて、上記吸気ポート19,
排気ポート17の燃焼室開口を開閉する吸気弁59,排
気弁60を備えている。そして、インジェクタ3は、シ
リンダヘッド9に燃焼室8内に臨むように配設されてい
るか、気化器2の下流側に配置されている。このように
配置し、且つ上記したように燃料供給を制御することに
より、始動性、過渡応答性を向上することができる。な
お、気化器内の吸気通路に燃料を噴射するようにインジ
ェクタを配置しても良い。特にベンチュリ部に噴射する
場合、噴射燃料の気化が促進される。
【0074】本実施例エンジンでは、インジェクタ3が
吸気弁59を指向して吸気ポート19を構成する吸気マ
ニホールドに設けられた場合、図13に示すように、ク
ランク角180〜360°(排気行程)において燃料が
吸気弁59の裏面にむけて噴射供給される。この場合電
磁歪素子51に、図13(a)に示すように複数回(3
回)通電しても良いし、同図(b)に示すように1回通
電しても良い。これにより、噴射された燃料が吸気弁5
9周りに滞留し、クランク角が360°から始まる吸気
行程において直ちに吸気とともに燃焼室8内に吸引され
る。これにより気化が促進され、十分空気との予混合が
可能となる。
【0075】また、気化器2にインジェクタ3を設ける
ものではクランク角が360°から540°の吸気行程
中に電磁歪素子あるいは発熱体素子への通電が行われ、
吸気流中に噴射されるので霧化気化が促進される。
【0076】また、シリンダヘッドにインジェクタ3を
設けるものでは、高速回転時にはクランク角が360°
から680°の吸入行程から圧縮行程の期間中に噴射さ
れ、噴射が終了し予混合が十分なされた時に点火する。
低速回転時には点火時期とされる上死点近傍において燃
料が噴射され、成層燃焼がなされる。
【0077】このように、4サイクルエンジンの場合に
おいても上記2サイクルエンジンの場合と同様の作用効
果が得られる。
【0078】なお、インジェクタ14の配置位置につい
ては上記2サイクルエンジンの場合と同様に各種の態様
が採用可能であり、図12に二点鎖線で示すように、イ
ンジェクタ3を、噴出口46がシリンダボア6a内に
臨み、噴射方向がボア軸と直角になるように配設する、
噴出口46がスロットル弁22より下流側の吸気ポー
ト19内に臨み、かつ吸気弁59のバルブヘッド裏面に
指向するようにように配設する、噴出口46がスロッ
トル弁22より上流側の吸気通路18a内に臨むように
配設する、等の配設構造が採用可能である。
【0079】ここで、インジェクタ3を構成する電磁歪
素子の作動を、図3の実施例を例に取り発熱体素子の作
動を図10の実施例を例に説明する。他の実施例におけ
る電磁歪素子あるいは発熱体素子そのものの構成及び作
動は同様である。図14は電歪素子の構成図、図15は
磁歪素子の構成図、そして図16は発熱体素子の構成図
である。
【0080】図14において、電歪素子151は3つの
圧電セラミックス151aと、これらを挟みこむように
正極板151aと負極板151bが配置され、一体化さ
れたものである。交流電源300の交流電流は交直変換
回路301を経て直流電圧に変換され、電圧調整器30
2に入力される。
【0081】電圧調整器302はECU4により制御さ
れ正電荷供給線303あるいは負電荷供給線304とそ
れぞれ接続される2つのアウトプットの内、正電荷供給
線303側を所定の電圧の正電圧に調整する一方、負電
荷供給線304側をアースする。且つ、正電圧の正極板
151aへの所定電圧の電荷供給量以上の電流をアース
する。また正極板151aの電圧を下げる場合には、正
極板151aの電荷の一部をアースさせる。正極板15
1aと負極板151bの間の圧電セラミクスは、2つの
極板による電界の大きさに略比例して、極板方向に変位
する。この変位が図のものでは3つ集積されて大きな変
位となる。303は正電荷供給線であり、304は負電
荷供給線である。
【0082】図15は磁歪素子まわりの構成図である。
磁歪素子151は本体151eとこれに巻きつけるよう
に配置されたコイル151fから構成される。電圧調整
器302はコイル151fへ常時直流電流を供給し(電
流供給0を含め)、この直流電流の電圧がECU4によ
り制御される。直流電流の電圧が大きくなるとコイル1
51fへの電流量も増加し、コイル151fが発生する
磁界の大きさも大きくなる。これに連れて本体151e
が変位する303,304は直流電流供給線である。
【0083】なお、図14のものでは極性を逆にする電
荷を負電荷供給線304、正電荷供給線303から供給
する場合には、その逆電圧量に比例して積層型電歪素子
に逆方向への変化量を与えることができる。
【0084】ここで、図10において、電磁歪素子51
の代わりに図16に示す発熱体素子86を採用すること
ができる。図16(a)は発熱体の断面図、図16
(b)は保護膜208のコーティング前、且つプレート
212が仮止めされた発熱体ユニット203の上面図で
ある。
【0085】上記発熱体ユニット203は以下のように
構成されている。片側面中央部に凸状の凸部204aが
形成されたガラス体204に、この凸部204aを覆う
ように抵抗体205が印刷され、さらに焼結される。凸
部204aの上下方向両側において抵抗体205の上か
ら覆うように導通物質が印刷され、さらに焼結されて2
つの電極206が形成される。ガラス体204,抵抗体
205,電極206を貫通して銅あるいは銅合金製のピ
ン207が設けられ、両端部がかしめられる。抵抗体2
05,電極206及びピン207が凸部204a側表面
に形成されたガラス体204にさらに非電導性且つ良熱
電導性の保護膜208が抵抗体205の範囲を電極20
6及びピン207も覆うように焼き付けられる。被覆2
09で覆われたリード線210を内蔵するコード211
の端部を支持するプレート212がガラス体204に固
着された後、リード線210の端部がそれぞれピン20
7の端部にハンダ付けされる。このようにして発熱体ユ
ニット203が形成され、発熱体ユニット203が、熱
伝導性の低いセラミックからなるケース本体201とケ
ース蓋202の中に液密に収容されて発熱体86が構成
される。
【0086】上記ケース本体202の中央部は窓が明い
た形状をしており、保護膜208に燃料が直接触れる。
リード線210に直流あるいは交流の電流が供給される
と両電極206の間の部分の抵抗体205が発熱し、保
護膜208上に気泡が発生し、該気泡により燃料を吐出
させる。なお、抵抗体205,電極206とも膜厚は数
μmであり、保護膜は0.2mm〜2mm程度である。
【0087】
【発明の効果】請求項1の発明に係る内燃機関の燃料供
給装置によれば、気化器方式の第1燃料供給装置と、電
磁歪素子あるいは発熱体素子により加圧室容積を減少さ
せることにより加圧室内の燃料圧力を上昇させて噴射す
る強制噴射方式の第2燃料供給装置を設けたので、必要
燃料量の一部を第1燃料供給装置から供給し、残りは印
加電圧の大きさ等に応じて噴射量を高精度で制御可能の
第2燃料供給装置から供給することにより、燃料の計量
精度を向上できるとともにダイナミックレンジを大幅に
拡大できる効果がある。
【0088】請求項2の発明によれば、共通の外部燃料
供給系により第1,第2燃料供給装置の両方に燃料を供
給でき、また請求項3の発明によれば、ヘッド差等によ
って供給された第1燃料供給装置の燃料貯溜室内の燃料
を外部燃料供給系により第2燃料供給装置の加圧室に供
給するようにしたので、この場合には、燃料ポンプ,調
圧器等の容量を小さくすることが可能である。
【0089】請求項4の発明によれば、第2燃料供給装
置を燃料噴出口が燃焼室からシリンダボア内に臨むよう
にシリンダヘッドに取り付けた配置した場合には、燃料
の噴射タイミング上の自由度を拡大できるとともに燃料
の供給応答性を向上できる効果があり、また噴出口がシ
リンダボア内面に開口するようにシリンダブロックに取
り付けた場合には、必要な噴射圧力を低くできる効果が
ある。
【0090】請求項5の発明によれば、第2燃料供給装
置をスロットル弁上流側,又は下流側に配設したので、
必要な噴射圧力をさらに下げることができるとともに、
必要な耐圧性,耐熱性を下げることができ、またスロッ
トル弁上流側に配設した場合には、空気との混合が良好
となり、燃料の霧化性能を向上できる効果がある。
【0091】請求項6の発明によれば、要求燃料供給量
に応じて上記電磁歪素子あるいは発熱体素子への印加電
圧,通電時間,通電周期の少なくとも1つを制御するよ
うにしたので、燃料供給量を要求燃料供給量に精度良く
制御できる効果がある。
【0092】請求項7の発明によれば、電磁歪素子ある
いは発熱体素子を1サイクル中に1回以上作動作動させ
るようにしたので、要求燃料供給量に対応した燃料供給
量制御が可能となるとともに、ダイナミックレンジを拡
大できる効果がある。
【0093】請求項8の発明によれば、要求燃料供給量
の50〜95%を第1燃料供給装置により、残りを第2
燃料供給装置により供給するようにしたので、電磁歪素
子への印加電圧,通電時間を等を制御することにより、
第1燃料供給装置からの燃料量を要求量に合致するよう
に補正することが可能となり、計量精度を向上できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2,4〜8の発明に係る第1実施例
の2サイクルエンジンの燃料供給装置を模式的に示す断
面構成図である。
【図2】上記第1実施例装置の第1燃料供給装置(気化
器)を模式的に示す断面構成図である。
【図3】上記第1実施例装置の第2燃料供給装置(イン
ジェクタ)を模式的に示す断面構成図である。
【図4】上記第1実施例装置の印加電圧と燃料噴射量と
の関係を示す特性図である。
【図5】上記第1実施例装置の印加時間と燃料噴射量と
の関係を示す特性図である。
【図6】上記第1実施例装置のクランク角と印加電圧波
形との関係を示す特性図である。
【図7】上記第1実施例装置のエンジン負荷と燃料流量
との関係を示す特性図である。
【図8】上記第1実施例装置の第2燃料供給装置(イン
ジェクタ)の変形例を模式的に示す断面側面図である。
【図9】上記第1実施例装置の第2燃料供給装置(イン
ジェクタ)の変形例を模式的に示す断面側面図である。
【図10】上記第1実施例装置の第2燃料供給装置(イ
ンジェクタ)の変形例を模式的に示す断面側面図であ
る。
【図11】請求項3の発明に係る第2実施例装置を模式
的に示す断面構成図である。
【図12】本発明を4サイクルエンジンに適用した場合
の第3実施例を模式的に示す断面構成図である。
【図13】上記第3実施例の動作を説明するためのクラ
ンク角と印加電圧波形との関係を示す特性図である。
【図14】上記各実施例のインジェクタに使用される電
歪素子の構成図である。
【図15】上記各実施例のインジェクタに使用される磁
歪素子の構成図である。
【図16】上記各実施例のインジェクタに使用される発
熱体素子の構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 気化器(第1燃料供給装置) 3 インジェクタ(第2燃料供給装置) 4 ECU(通電制御手段) 6a シリンダボア 13 外部燃料供給系 18a 吸気通路 19 吸気ポート 22 スロットル弁 32 燃料ポンプ 33 燃料タンク 37 逆止弁 39 噴射弁 46 燃料噴出口 51 電磁歪素子 80 フロートチャンバ(燃料貯溜室) 84 加圧室 86 発熱体素子 87 燃料吐出通路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気ポートに接続された吸気通路に燃料
    貯溜室を燃料吐出通路を介して連通させてなり、上記吸
    気通路内と上記燃料貯溜室内との差圧により燃料貯溜室
    内の燃料を上記燃料吐出通路を介して上記吸気通路内に
    吐出するようにした気化器方式の第1燃料供給装置と、
    吸気経路又は気筒内に燃料噴出口を介して連通接続され
    た加圧室と、該加圧室内に供給された燃料の逆流を阻止
    する逆止弁と、上記加圧室の燃料噴出口を開閉する噴射
    弁と、通電による電界又は磁界の強度の変化により変位
    して上記加圧室の容積を変化させる電歪素子又は磁歪素
    子(以下電磁歪素子と記す)あるいは通電により気泡を
    発生して上記加熱圧室の実質容積を変化させる発熱体素
    子とを有する強制噴射方式の第2燃料供給装置とを備え
    たことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、燃料タンク内の燃料
    を共通の燃料ポンプにより上記第1燃料供給装置の燃料
    貯溜室及び上記第2燃料供給装置の加圧室に供給する外
    部燃料供給系を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料
    供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、燃料タンクを第1燃
    料供給装置より高所に配置し、そのヘッド差により燃料
    タンク内の燃料を第1燃料供給装置の燃料貯溜室に供給
    し、該燃料貯溜室内の燃料を燃料ポンプにより上記第2
    燃料供給装置の加圧室に供給するとともに、余剰燃料を
    燃料ポンプ一次側に戻すようにした外部燃料供給系を備
    えたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記第2燃料供給装置を、燃料噴出口がシリンダボア内に
    臨むように配設したことを特徴とする内燃機関の燃料供
    給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記第2燃料供給装置を、燃料噴出口が上記第1燃料供給
    装置のスロットル弁より上流側又は下流側の吸気系路内
    に臨むように配設したことを特徴とする内燃機関の燃料
    供給装置。
  6. 【請求項6】 請求孔1ないし5の何れかにおいて、要
    求燃料供給量に応じて上記電磁歪素子あるいは発熱体素
    子への印加電圧,電流圧,通電時間,通電周期の少なく
    とも1つを変化させる通電制御手段を備えたことを特徴
    とする内燃機関の燃料供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、上記通電制御手段
    が、内燃機関の1サイクル中に上記電磁歪素子あるいは
    発熱体素子を1回又は複数回作動させることを特徴とす
    る内燃機関の燃料供給装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7の何れかにおいて、上
    記第1燃料供給装置が、要求燃料供給量の概ね50〜9
    5%を供給し、上記第2燃料供給装置が残りを供給する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6505583B2 (en) 2000-03-03 2003-01-14 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Fuel controlling apparatus for internal combustion engine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6505583B2 (en) 2000-03-03 2003-01-14 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Fuel controlling apparatus for internal combustion engine

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