JP2920260B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

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JP2920260B2
JP2920260B2 JP11613191A JP11613191A JP2920260B2 JP 2920260 B2 JP2920260 B2 JP 2920260B2 JP 11613191 A JP11613191 A JP 11613191A JP 11613191 A JP11613191 A JP 11613191A JP 2920260 B2 JP2920260 B2 JP 2920260B2
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injection valve
fuel
valve
capacitor
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栄嗣 大野
尚孝 調
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複数個の第1の燃料噴射弁と複数個の第
2の燃料噴射弁を具備し、要求噴射量が予め定められた
設定量以下のときには第1燃料噴射弁のみから燃料を噴
射し、要求噴射量が設定量以上のときには第1燃料噴射
弁および第2燃料噴射弁の双方から燃料を噴射し、更に
DC−DCコンバータにより充電されるコンデンサを具
備し、コンデンサに充電された電荷を第1および第2燃
料噴射弁の駆動用コイルに供給して第1および第2燃料
噴射弁から燃料噴射を開始させ、次いで第1および第2
燃料噴射弁の駆動用コイルをバッテリ電圧により励磁し
続けて燃料噴射作用を継続させるようにした燃料噴射制
御装置が公知である(特開昭63−198443号公報参照)。
このようにコンデンサに充電された電荷を用いて燃料噴
射弁の励磁コイルを励磁せしめるとニードルが即座に開
弁するために立上りの良好な噴射作用を確保することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述のように
コンデンサに充電された電荷を用いて第1燃料噴射弁お
よび第2燃料噴射弁の双方の燃料噴射を開始させる場合
には多量の電荷が必要であるためにコンデンサの容量を
大きくするか、或いは複数個のコンデンサと各コンデン
サを充電するための複数個のDC−DCコンバータを設
けなければならない。しかしながらコンデンサの容量を
大きくした場合にはDC−DCコンバータをかなり大型
化しなければならないので実用上問題があり、また複数
個のコンデンサと複数個のDC−DCコンバータを設け
ても同様にこれらDC−DCコンバータ全体が大型化す
るので実用上問題となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によればDC−DCコンバータにより充電さ
れるコンデンサを具備し、コンデンサに充電された電荷
を燃料噴射弁の駆動用コイルに供給して燃料噴射弁から
燃料噴射を開始させ、次いで燃料噴射弁の駆動用コイル
をバッテリ電圧により励磁し続けて燃料噴射作用を継続
させるようにした燃料噴射制御装置において、複数個の
第1の燃料噴射弁と複数個の第2の燃料噴射弁を具備
し、要求噴射量が予め定められた設定量以下のときには
第1燃料噴射弁のみから燃料を噴射し、要求噴射量が設
定量以上のときには第1燃料噴射弁および第2燃料噴射
弁の双方から燃料を噴射し、第1燃料噴射弁の燃料噴射
のみをコンデンサに充電された電荷を用いて開始させ、
第2燃料噴射弁の燃料噴射をバッテリ電圧により開始さ
せるようにしている。
【0005】
【作用】第1燃料噴射弁の燃料噴射のみがコンデンサに
充電された電荷を用いて開始され、第2燃料噴射弁の燃
料噴射はバッテリ電圧により開始される。
【0006】
【実施例】まず初めに本発明が適用される2サイクル機
関について説明する。図5および図7を参照すると、1
はシリンダブロック、2はシリンダブロック1内で往復
動するピストン、3はシリンダブロック1上に固定され
たシリンダヘッド、4はシリンダヘッド3の内壁面3a
とピストン2の頂面間に形成された燃焼室を夫々示す。
シリンダヘッド内壁面3a上には凹溝5が形成され、こ
の凹溝5の底壁面をなすシリンダヘッド内壁面部分3b
上に一対の給気弁6が配置される。一方、凹溝5を除く
シリンダヘッド内壁面部分3cは傾斜したほぼ平坦をな
し、このシリンダヘッド内壁面部分3c上に一対の排気
弁7が配置される。シリンダヘッド内壁面部分3bとシ
リンダヘッド内壁面部分3cは凹溝5の周壁8を介して
互いに接続されている。
【0007】凹溝5の周壁8は給気弁6の周縁部に極め
て近接配置されかつ給気弁6の周縁部に沿って円弧状に
延びる一対のマスク壁8aと、給気弁6間に位置する新
気ガイド壁8bと、シリンダヘッド内壁面3aの周壁と
給気弁6間に位置する一対の新気ガイド壁8cとにより
構成される。各マスク壁8aは最大リフト位置にある給
気弁6よりも下方まで燃焼室4に向けて延びており、従
って排気弁7側に位置する給気弁6周縁部と弁座9間の
開口は給気弁6の開弁期間全体に亙ってマスク壁8aに
より閉鎖されることになる。また、各新気ガイド壁8
b,8cはほぼ同一平面内に位置しており、更にこれら
の新気ガイド壁8b,8cは両給気弁6の中心を結ぶ線
に対してほぼ平行に延びている。点火栓10はシリンダヘ
ッド内壁面3aの中心に位置するようにシリンダヘッド
内壁面部分3c上に配置されている。一方、排気弁7に
対しては排気弁7と弁座11間の開口を覆うマスク壁が設
けられておらず、従って排気弁7が開弁すると排気弁7
と弁座11間に形成される開口はその全体が燃焼室4内に
開口することになる。
【0008】シリンダヘッド3内には給気弁6に対して
給気ポート12が形成され、排気弁7に対して排気ポート
13が形成される。一方、各給気弁6近傍のシリンダヘッ
ド内壁面3aの周縁部には夫々第1の燃料噴射弁14aと
第2の燃料噴射弁14bとが配置され、これらの各燃料噴
射弁14a,14bから燃料が燃焼室4内に向けて噴射され
る。
【0009】図6および図7に示されるようにピストン
2の頂面上には点火栓10の下方から第1燃料噴射弁14a
の先端部の下方まで延びる凹溝15が形成される。図6お
よび図7に示される実施例ではこの凹溝15は点火栓10と
第1燃料噴射弁14aとを含む垂直平面K−Kに対して対
称なほぼ球面状をなす。また、ピストン2の頂面の中心
部には凹溝15よりも曲率半径の小さな球面状をなす凹所
16が形成される。この凹所16も垂直平面K−K上に形成
されており、この凹所16は凹溝15の凹状内壁面の上方部
に開口している。図7に示すようにピストン2が上死点
に達すると点火栓10が凹所16内に侵入する。
【0010】図8に示されるように図5から図7に示さ
れる実施例では排気弁7が給気弁6よりも先に開弁し、
排気弁7と給気弁6とは同時に閉弁する。また、図8に
おいてI1 は第1燃料噴射弁14aからの燃料噴射時期を
示しており、I2 は第2燃料噴射弁14bからの燃料噴射
時期を示している。図8から第1燃料噴射弁14aからの
燃料噴射時期と第2燃料噴射弁14bからの燃料噴射時期
は離れており、第1燃料噴射弁14aからの噴射時期は第
2燃料噴射弁14bからの噴射時期に比べてかなり遅いこ
とがわかる。
【0011】図4は第1燃料噴射弁14aからの噴射量Q
1 および第2燃料噴射弁14bからの噴射量Q2 と要求噴
射量との関係を示している。なお、図4においてハッチ
ング領域Iは第1燃料噴射弁14aから燃料が噴射される
領域を示しており、ハッチング領域IIは第2燃料噴射弁
14bから燃料が噴射される領域を示している。図4に示
されるように要求噴射量が最小噴射量MINから予め定
められている設定量Pまでは第1燃料噴射弁14aのみか
ら燃料が噴射され、このとき第1燃料噴射弁14aから噴
射される燃料量Q1 は要求噴射量に一致する。一方、要
求噴射量が設定量Pから最大噴射量MAXまでは第1燃
料噴射弁14aおよび第2燃料噴射弁14bの双方から燃料
が噴射され、このとき第1燃料噴射弁14aから噴射され
る燃料量Q1 と第2燃料噴射弁14bから噴射される燃料
量Q2 との和は要求噴射量に一致する。
【0012】従って図4および図8から要求噴射量が設
定量Pよりも少ないときは第1燃料噴射弁14aのみから
噴射時期I1 に噴射量Q1の燃料が噴射され、これに対
して要求噴射量が設定量Pよりも多いときにはまず初め
に第2燃料噴射弁14bから噴射時期I2 に噴射量Q2
燃料が噴射され、次いで第1燃料噴射弁14aから噴射時
期I1 に噴射量Q1 の燃料が噴射されることがわかる。
【0013】図9に示されるように、給気弁6および排
気弁7が開弁すると給気弁6を介して燃焼室4内に空気
が流入する。このとき、排気弁7側の給気弁6の開口は
マスク壁8aによって覆われているので空気はマスク壁
8aと反対側の給気弁6の開口から燃焼室4内に流入す
る。この空気は矢印Wで示すように給気弁6下方のシリ
ンダボア内壁面に沿い下降し、次いでピストン2の頂面
に沿い進んで排気弁7下方のシリンダボア内壁面に沿い
上昇し、斯くして空気は燃焼室4内をループ状に流れる
ことになる。このループ状に流れる空気Wによって燃焼
室4内の既燃ガスが排気弁7を介して排出される。
【0014】図10は第1燃料噴射弁14aから燃料噴射が
行われたときを示している。図10に示されるように第1
燃料噴射弁14aからは凹溝15の凹状内壁面に向けて燃料
が噴射される。この噴霧燃料の噴霧は円錐状をなしてお
り、この噴霧燃料の噴射軸線Zは図6の垂直平面K−K
内に位置している。一方、図11は第2燃料噴射弁14bか
ら燃料噴射が行われたときを示している。図11からわか
るように第2燃料噴射弁14bからはピストン2の位置が
比較的低いときに燃料噴射が行われる。
【0015】要求噴射量が設定量P(図4)よりも少な
いときは図10に示されるように第1燃料噴射弁14aのみ
から燃料が噴射される。このとき噴射軸線Zに沿う噴射
燃料が鋭角θをなして斜めに凹溝15の凹状内壁面上に衝
突する。このように噴射燃料が凹溝15の凹状内壁面上に
斜めに衝突すると衝突した燃料は慣性力によって凹溝15
の凹状内壁面に沿い気化しつつ点火栓10の下方に進み、
次いで凹所16内に送り込まれる。従って噴射量が少なく
ても大部分の噴射燃料が点火栓10の下方に運ばれるので
点火栓10の周りには着火可能な混合気が形成されること
になる。
【0016】一方、要求噴射量が設定量P(図4)より
も多いときはまず初めに図11に示されるようにピストン
2が低い位置にあるときに第2燃料噴射弁14bから燃料
が噴射される。この噴射燃料はピストン2が上昇する間
に燃焼室4内に拡散して、燃焼室4内に稀薄混合気を形
成する。次いでピストン2が上昇すると図10に示される
ように第1燃料噴射弁14aから凹溝15内に向けて燃料が
噴射され、この凹溝15内に噴射された燃料の着火火炎が
火種となって稀薄混合気が燃焼せしめられる。
【0017】次に図1を参照して第1燃料噴射弁14aお
よび第2燃料噴射弁14bの駆動制御装置について説明す
る。図1を参照すると、20はDC−DCコンバータ、30
は電子制御ユニット、L1は例えば1番気筒の第1燃料
噴射弁14aの励磁コイル、L2は2番気筒の第1燃料噴
射弁14bの励磁コイルを夫々示す。DC−DCコンバー
タ20は1次側コイル21と2次側コイル22とを具備する。
1次側コイル21の一端はバッテリ23に接続され、1次側
コイル21の他端はスイッチング素子T0 を介して接地さ
れる。一方、2次側コイル22の一端は接地され、2次側
コイル22の他端はダイオード24およびコンデンサ25を介
して接地される。このコンデンサ25はダイオード24を介
してDC−DCコンバータ20により充電される。
【0018】1番気筒の第1燃料噴射弁14aの励磁コイ
ルL1の一端は一方ではスイッチング素子TP1を介して
ダイオード24とコンデンサ25間に接続され、他方ではダ
イオードD1を介してバッテリ23に接続される。励磁コ
イルL1の他端はスイッチング素子TL1および抵抗R1
を介して接地される。同様に2番気筒の第1燃料噴射弁
14aの励磁コイルL2の一端は一方ではスイッチング素
子TP2を介してダイオード24とコンデンサ25間に接続さ
れ、他方ではダイオードD2を介してバッテリ23に接続
される。励磁コイルL2の他端はスイッチング素子TL2
および抵抗R2を介して接地される。同様にn番気筒の
第1燃料噴射弁14aの励磁コイルLnに対してスイッチ
ング素子TPn,TLn、ダイオードDnおよび抵抗Rnが
設けられる。
【0019】電子制御ユニット30はディジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス31によって相互に接続され
たROM(リードオンリメモリ)32,RAM(ランダムアクセス
メモリ)33,CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート
35および出力ポート36を具備する。入力ポート35にはク
ランク角センサ37とエアフローメータ38とが接続され
る。クランク角センサ37は機関クランク角を表わす出力
パルスを発生し、この出力パルスから現在のクランク角
と機関回転数とが算出される。エアフローメータ38は機
関シリンダ内に供給される吸入空気量に比例した出力電
圧を発生し、この出力電圧がAD変換器39を介して入力
ポート35に入力される。出力ポート36は対応する駆動回
路40を介して夫々各スイッチング素子T0 ,TPn,TLn
に接続され、更に駆動回路41を介して第2燃料噴射弁14
bに接続される。
【0020】図2はコンデンサ25に充電された電荷を用
いて第1燃料噴射弁14aの励磁コイルLnを励磁する場
合のタイムチャートを示している。次に図1および図2
を参照しつつコンデンサ25に充電された電荷を用いて励
磁コイルL1を励磁する場合を例にとって説明する。図
2においてtは第1燃料噴射弁14aの噴射時期を示して
いる。噴射が行われる前は図2においてV0 で示される
コンデンサ25の高電位側端子電圧Vは高い一定電圧、例
えば300(V)に維持されている。
【0021】次いで燃料噴射時期になるとスイッチング
素子TP1およびTL1が共にオンとされる。その結果、一
方ではコンデンサ25に充電された電荷が励磁コイルL1
に供給され、他方ではバッテリ23からダイオードD1を
介して電力が供給される。このとき励磁コイルL1を流
れる電流がIで示されている。なお、図2のI0 はバッ
テリ23のみから励磁コイルL1に電力を供給した場合に
励磁コイルL1に流れる電流を示している。即ち、スイ
ッチング素子TP1およびTL1が共にオンにされるとコン
デンサ25の端子電圧V0 の方がバッテリ23の電圧よりも
はるかに高いためにダイオードD1は非導通状態とな
り、コンデンサ25に充電された電荷が励磁コイルL1に
供給される。その結果、励磁コイルL1を流れる電流I
が一時的に増大するために第1燃料噴射弁14aのニード
ル(図示せず)が即座に上昇せしめられ、斯くして即座
に燃料の噴射が開始される。
【0022】次いでコンデンサ25の端子電圧Vがバッテ
リ25の電圧よりも低下するとスイッチング素子TP1がオ
フとされ、今度はバッテリ23からダイオードD1を介し
て励磁コイルL1に電力が供給される。従って図2に示
されるように励磁コイル1を流れる電流は徐々に上昇
し、励磁コイル1に電流が流れている間、即ちスイッチ
ング素子TL1がオフとされるまで燃料噴射が続行せしめ
られる。
【0023】一方、スイッチング素子TP1およびTL1が
オンになるのと同時にスイッチング素子T0 がオンとさ
れ、その結果図2のId で示すように1次側コイル21を
流れる電流Id は徐々に増大する。次いでスイッチング
素子TL1がオフとされた後、暫らくしてからスイッチン
グ素子T0 がオフとされる。このとき2次側コイル22に
は高電圧が誘起され、この高電圧によってコンデンサ25
が充電され、斯くしてコンデンサ25の端子電圧Vが再び
0 まで上昇する。
【0024】図には示さないが第2燃料噴射弁14bの励
磁コイルはスイッチング素子を介してバッテリ23に接続
されており、従って第2燃料噴射弁14bからの燃料噴射
は励磁コイルにバッテリ23の電力が供給されることによ
って開始される。また、図2からわかるように1次側コ
イル21に十分な電流Id が流れるまでに時間を要し、ま
たスイッチング素子T0 がオフとされた後、コンデンサ
25の端子電圧VがV0 まで上昇するまで時間を要する。
即ち、コンデンサ25を十分に充電するには一定の時間が
必要となる。従って機関回転数が低く、従って各噴射の
時間間隔が長いときにはコンデンサ25を充電するのに十
分な時間があるが機関回転数が高くなって各噴射の時間
間隔が短かくなるとコンデンサ25を充電するのに十分な
時間がなくなる危険性がある。そこで本発明による実施
例では機関回転数が高いとき、例えば 2000r.p.m以上の
ときには第1燃料噴射弁14aの励磁コイルLnに最初か
らバッテリ23の電力を供給するようにしている。このよ
うに最初からバッテリ23の電力を供給する場合には図1
および図2においてスイッチング素子TP1,TP2…TPN
をオフ状態に保持し、この状態でスイッチング素子TL
1,TL2…TLNをオンとすればよい。
【0025】次に図3を参照して燃料噴射の制御ルーチ
ンについて説明する。図3を参照すると、まず初めにク
ランク角センサ37の出力信号に基いて次に噴射すべき気
筒nが識別される。次いでステップ51では吸入空気量と
機関回転数から要求噴射量が計算される。次いでステッ
プ52では図4に示す関係から第1燃料噴射弁14aから噴
射すべき噴射量Q1 が算出される。なお、図4に示す関
係は予め ROM32内に記憶されている。次いでステップ53
では第1燃料噴射弁14aからの噴射時期が計算される。
次いでステップ54では図4に示す関係から第2燃料噴射
弁14bから噴射すべき噴射量Q2 が算出される。次いで
ステップ55では第2燃料噴射弁14bから噴射すべきとき
には第2燃料噴射弁14bからの噴射時期が計算される。
【0026】次いでステップ56では機関回転数Nが 200
0r.p.mよりも低いか否かが判別される。N≦2000r.p.m
のときにはステップ57に進んで図2に示す方法によって
第1燃料噴射弁14aからの噴射量Q1 が制御される。即
ち、第1燃料噴射弁14aはコンデンサ25に充電された電
荷を用いて燃料噴射が開始される。次いでステップ59に
進む。一方、N>2000r.p.m のときにはステップ58に進
んでスイッチング素子TPnをオフにしたままでスイッチ
ング素子TLnをオンとすることにより第1燃料噴射弁14
aからの噴射量Q1 が制御される。即ち、第1燃料噴射
弁14aはバッテリ23から供給される電力によって燃料噴
射が開始される。次いでステップ59に進む。ステップ59
では第2燃料噴射弁14bからの噴射量Q2 が制御され
る。この第2燃料噴射弁14bはバッテリ23から供給され
る電力によって燃料噴射が開始される。
【0027】前述したように第1燃料噴射弁14aのみか
ら燃料噴射が行われる場合を考えると機関回転数が高く
なった場合にコンデンサ25を十分に充電する時間がなく
なる危険性がある。これに対して第1燃料噴射弁14aお
よび第2燃料噴射弁14bの双方から燃料が噴射される場
合には短時間のうちに両燃料噴射弁14a,14bから燃料
噴射が行われるのでこの場合にはコンデンサ25に充電さ
れた電荷を用いて第2燃料噴射弁14bの燃料噴射を行う
ようにすると機関回転数にかかわらずにコンデンサ25に
充電された電荷を用いて第1燃料噴射弁14aの燃料噴射
を行えなくなる。従って図1に示すような小容量のコン
デンサ25を用いている限り少くとも一方の燃料噴射弁、
本発明による実施例では第1燃料噴射弁14aしかコンデ
ンサ25に充電された電荷を用いて燃料噴射を開始させる
ことはできない。
【0028】また、図4に示すように要求噴射量が設定
量P以上のときの第1燃料噴射弁14aからの最小噴射量
は第2燃料噴射弁14bからの最小噴射量よりも少なく、
これら燃料噴射弁14a,14bの最大噴射量は等しくなっ
ている。即ち、第1燃料噴射弁14aのダイナミックレン
ジ(最大噴射量/最小噴射量)は第2燃料噴射弁14bの
ダイナミックレンジよりも大きくなっている。ところが
ダイナミックレンジを大きくすると全領域に亘って応答
性のよい噴射特性を得るのが困難となる。従ってダイナ
ミックレンジの大きな第1燃料噴射弁14aのみをコンデ
ンサ25に充電された電荷を用いて噴射開始させ、それに
よって噴射特性の改善を図っている。
【0029】
【発明の効果】小容量のコンデンサおよび小型のDC−
DCコンバータを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射弁の駆動制御装置の全体図である。
【図2】コンデンサに充電された電荷を用いて燃料噴射
を開始させる場合のフローチャートである。
【図3】燃料噴射を制御するためのフローチャートであ
る。
【図4】噴射量を示す線図である。
【図5】シリンダヘッド内壁面を示す図である。
【図6】ピストン頂面の平面図である。
【図7】図5の VII−VII 線に沿ってみた断面図であ
る。
【図8】給排気弁の開弁時期を示す線図である。
【図9】ピストンが下降したところを示す、図5の VII
−VII 線に沿ってみた断面図である。
【図10】図5の VII−VII 線に沿ってみた断面図であ
る。
【図11】図5のXI−XI線に沿ってみた断面図である。
【符号の説明】
20…DC−DCコンバータ 23…バッテリ 25…コンデンサ L1,L2…励磁コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−24135(JP,A) 特開 平4−339131(JP,A) 特開 平4−175437(JP,A) 実開 昭63−198444(JP,U) 実開 昭63−198443(JP,U) 実開 昭63−198442(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/20 F02D 41/34 F02M 51/00 - 51/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DC−DCコンバータにより充電される
    コンデンサを具備し、コンデンサに充電された電荷を燃
    料噴射弁の駆動用コイルに供給して燃料噴射弁から燃料
    噴射を開始させ、次いで燃料噴射弁の駆動用コイルをバ
    ッテリ電圧により励磁し続けて燃料噴射作用を継続させ
    るようにした燃料噴射制御装置において、複数個の第1
    の燃料噴射弁と複数個の第2の燃料噴射弁を具備し、要
    求噴射量が予め定められた設定量以下のときには第1燃
    料噴射弁のみから燃料を噴射し、要求噴射量が該設定量
    以上のときには第1燃料噴射弁および第2燃料噴射弁の
    双方から燃料を噴射し、第1燃料噴射弁の燃料噴射のみ
    をコンデンサに充電された電荷を用いて開始させ、第2
    燃料噴射弁の燃料噴射をバッテリ電圧により開始させる
    ようにした燃料噴射制御装置。
JP11613191A 1991-05-21 1991-05-21 燃料噴射制御装置 Expired - Lifetime JP2920260B2 (ja)

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