JPH11141430A - 燃料噴射装置およびその駆動方法 - Google Patents

燃料噴射装置およびその駆動方法

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JPH11141430A
JPH11141430A JP9302542A JP30254297A JPH11141430A JP H11141430 A JPH11141430 A JP H11141430A JP 9302542 A JP9302542 A JP 9302542A JP 30254297 A JP30254297 A JP 30254297A JP H11141430 A JPH11141430 A JP H11141430A
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JP
Japan
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piezoelectric element
fuel
switch
circuit
voltage
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JP9302542A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Kageyama
秀年 影山
Kiminaga Otome
公修 乙▲め▼
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子への充電開始時点におけるエンジン
振動に起因する充電量の変動を防止して安定したエンジ
ン出力が得られる燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 直流電源531と、正負両電極間に挟持
された圧電素子704と、この圧電素子の正電極側と前
記直流電源との間に設けた第1スイッチ701と、この
圧電素子の正電極側とアースとの間に設けた第2スイッ
チ702と、前記第1スイッチを駆動して前記圧電素子
を充電しこれを変位させるための充電回路801と、前
記第2スイッチを駆動して前記圧電素子から放電し電荷
を除去するための放電回路802と、前記充電回路およ
び放電回路からの出力に応じて、前記第1スイッチ駆動
による充電開始前に前記第2スイッチを駆動して放電状
態とし、充電開始時点またはその直後に放電を停止する
ための放電制御補正回路803とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃的高圧により
燃料を噴射する燃料噴射装置およびその駆動方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】衝撃的な高圧を液体に付与して液体を噴
射させる液体噴射装置が本願出願人により提案されてい
る(特願平8−219672号)。この液体噴射装置を
エンジンの燃料噴射装置として用いようとすれば、最も
実用的な構成として、圧電素子を用いてこれに直流電圧
を印加し、電圧の大小によって圧電素子の伸長量を調整
して衝撃的高圧を調整し、これにより噴射量を調整する
構成が考えられる。この場合、圧電素子は正負両電極間
に挟持され、電圧印加により両電極にそれぞれ正負の電
荷が供給されこれが帯電して充電状態になることにより
圧電素子が伸長する。この充電は瞬時に行われ、充電量
の変化に対応して圧電素子に作用する電界が変化し、圧
電素子を瞬時に伸長させて衝撃的高圧を発生し、これに
より燃料を噴射した後、両電極の電荷を放電し電圧を非
印加状態として圧電素子を元の状態に戻し次の電圧印加
に備える。
【0003】エンジンの場合、燃焼サイクル毎に燃料噴
射を行うため、このような圧電素子への充電と、圧電素
子からの放電を交互に繰り返す構成になる。
【0004】一方、エンジン振動により圧電素子には振
動に抗する慣性力が作用し伸縮する。この慣性力すなわ
ち伸縮力により圧電素子は電荷を発生し、電荷が電極板
にチャージされる。この電荷は、圧電素子が振動による
引張り力および圧縮力を交互に受けるため、正負の電荷
が交互に発生し電極板上に蓄積されることはなく、平均
的には圧電素子の容量特性には影響を与えない。なお、
エンジン振動に基づく前記慣性力による圧電素子の伸縮
速度は、充電の速度に比べて遥かに遅く、この伸縮によ
る衝撃的高圧波の発生はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電素
子への充電開始時点で直流電源からの電圧を印加すると
きに、エンジン振動により圧電素子が伸び又は縮みの状
態で正又は負の電荷が発生していると、この電荷に応じ
て直流電源からの充電量が変化する。この瞬時の充電の
間、圧電素子は伸長し衝撃的高圧波が発生する。このた
め、充電量が変化すると、伸長量も変り衝撃的高圧波の
圧力値が変化する。このため、必要な噴射量に対応した
電圧を圧電素子に印加しても、印加時点での圧電素子の
電荷の帯電状態により衝撃的高圧値がばらついて燃料噴
射量ばらつき、安定した燃焼が得られずエンジン出力が
変動して、エンジン振動がさらに増大する。
【0006】このような、充電開始時点での圧電素子の
電荷の影響により、特にエンジンの低負荷時に、後述の
ように、印加電圧の立ち上がり途中で放電を開始しこの
立ち上がり途中の電圧を圧電素子に供給した場合に、傾
き(電圧変化=充電量の変化/電気容量)が急であるた
め充電電圧変化すなわち充電量変化によるばらつきが大
きくなり、低噴射量時のエンジン振動による充電電圧変
動の影響が特に顕著に表われ衝撃的高圧波のピーク圧力
の変動が大きくなり、噴射圧力の変動も大きくなる。
【0007】本発明は上記の点を考慮してなされたもの
であって、圧電素子への充電開始時点におけるエンジン
振動に起因する充電量の変動を防止して安定したエンジ
ン出力が得られる燃料噴射装置およびその駆動方法の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、直流電源と、正負両電極間に挟持され
た圧電素子と、この圧電素子の正電極側と前記直流電源
との間に設けた第1スイッチと、この圧電素子の正電極
側とアースとの間に設けた第2スイッチと、前記第1ス
イッチを駆動して前記圧電素子を充電しこれを変位させ
るための充電回路と、前記第2スイッチを駆動して前記
圧電素子から放電し電荷を除去するための放電回路と、
前記充電回路および放電回路からの出力に応じて、前記
第1スイッチ駆動による充電開始前に前記第2スイッチ
を駆動して放電状態とし、充電開始時点またはその直後
に放電を停止するための放電制御補正回路とを具備した
ことを特徴とする燃料噴射装置を提供する。
【0009】この構成によれば、例えば運転状態に応じ
て最適な噴射量および噴射時期を演算して充電回路およ
び放電回路を駆動制御する場合に、放電制御補正回路に
より、放電開始時点では必ず圧電素子が放電され電荷が
除去された状態になり、この放電開始時点またはその直
後に放電が停止されて充電可能状態にされるため、充電
量に対するエンジン振動に基づく電荷の影響はなくな
り、衝撃的高圧波のピーク圧力の変動がなくなり、安定
した噴射量が得られる。
【0010】さらに本発明では、直流電源と、正負両電
極間に挟持された圧電素子と、この圧電素子の正電極側
と前記直流電源との間に設けた第1スイッチと、この圧
電素子の正電極側とアースとの間に設けた第2スイッチ
と、前記第1スイッチを駆動して前記圧電素子を充電し
これを変位させるための充電回路と、前記第2スイッチ
を駆動して前記圧電素子から放電し電荷を除去するため
の放電回路とを具備し、前記直流電源の電気容量は、噴
射量に対する前記圧電素子の容量変化の影響が無視でき
る程度に前記圧電素子の電気容量より充分大きくしたこ
とを特徴とする燃料噴射装置を提供する。
【0011】この構成によれば、圧電素子の電気容量
が、その容量変化による電源を含む制御回路全体の電気
容量に対する影響を無視できる程小さいため、仮にエン
ジン振動により充電量がばらついても、衝撃的高圧値に
対する影響は無視できる程小さく、したがって、充分安
定した燃料噴射量が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料噴射装置に
ついて説明する。図1はこの発明に係る燃料噴射装置を
2サイクル内燃機関に適用した例を示す。このエンジン
1は、燃焼室40の上部を構成するシリンダヘッド2、
燃焼室40の筒体を構成するシリンダブロック3、クラ
ンク室を形成するクランクケース4等により構成され
る。クランク室内のクランク軸5は、クランクピン6及
びピストンピン7に連結されたコンロッド100を介し
てピストン8に連結される。シリンダヘッド2の中央部
には点火プラグ13が装着される。
【0013】また、エンジン1は、クランク室に連通す
る吸気通路9及びシリンダ内の燃焼室40に連通する排
気通路11を備えている。クランク室と燃焼室40と
を、掃気通路642で連通している。吸気通路9内には
スロットル弁648及び吸気の逆流阻止のためのリード
弁647が設けられる。シリンダヘッド2には、燃焼室
40に臨んで、燃料噴射ユニット44が設けられる。
【0014】この燃料噴射ユニット44は、インジェク
タ14と高圧発生装置16を一体化したものである。高
圧発生装置16は、後述の図2に示すように、圧電素子
を直列に連結した衝撃的伸長素子17aとプランジャー
17bからなる衝撃的高圧発生源17を有する。この衝
撃的高圧発生源17は制御装置302に連結され所定の
タイミングで駆動制御される。
【0015】この燃料噴射ユニット44は、燃料供給パ
イプ21を介して、燃料噴射ユニット44より高い位置
に設けた上部に不図示のプリーザ穴を設けた気液分離フ
ロート室646に連通する。この気液分離フロート64
6は、液面を一定するためのフロート式弁646a、燃
料ポンプ19A及びフィルタ620を介して、燃料タン
ク22に連通する。燃料噴射ユニット44は、制御装置
302により制御され、制御装置302は直流電源53
1に連結される。この直流電源531は直流バッテリに
昇圧回路を接続したものでもよいし、あるいは図示した
ように交流電源及び交直変換回路からなる電源回路によ
り直流電源531として構成してもよい。制御装置30
2は後述のようにECU500に組込まれたプログラム
に従って制御される。なお、この燃料噴射ユニット44
は、図1の二点鎖線で示したように、シリンダブロック
3の側壁面あるいは吸気通路9に設けてもよい。さら
に、燃料噴射ユニット44と気液分離フロート室646
の上部を連通する戻り燃料パイプ23が設けられる。
【0016】この構成により、燃料噴射ユニット44内
の不図示の加圧室、噴射通路、弁手段の気泡は、エンジ
ン1停止中に戻り燃料パイプ23へ入り、フロート室6
46方向に浮力により移動する。燃料噴射ユニット44
内で気泡が加圧室に入るのは、ユニット内の弁手段より
噴射通路が上位にあり、噴射通路より加圧室が上位にあ
るからである。また、気泡が加圧室から戻り燃料パイプ
23へ入るのは、戻り燃料パイプ23の加圧室側開口
が、加圧室の上部にあるからである。戻り燃料パイプ2
3の加圧室側開口が、燃料供給パイプ21端部の不図示
の導入ポートより上位にあると、確実に戻り燃料パイプ
23内へ気泡を導くことができる。一方、燃料供給パイ
プ21中の気泡は、エンジン1停止中に浮力によりフロ
ート室646内に移動する。
【0017】エンジン1の運転中は、燃料噴射ユニット
44が作動し、衝撃的高圧波発生による噴射と、噴射に
より加圧室に発生する負圧とフロート室646の燃料油
面によるヘッド(正圧)とによる加圧室への燃料移動と
が交互に連続して発生する。加圧室への燃料移動時、戻
り燃料パイプ23内の加圧室寄り部分に気泡があると、
気泡が再び加圧室内に戻ることになるので、戻り燃料パ
イプ23内にフロート室646方向のみに流れを許容す
る逆止弁を配置すると、エンジン1運転中にも確実にエ
ア抜きができる。衝撃的高圧波は、発生面の法線方向に
強い指向性があるので、燃料噴射時の戻り燃料パイプ2
3内への燃料押し出し量(噴射洩れ量)は僅かである。
この僅かな戻り燃料パイプ23内への燃料押し出し作用
により、戻り燃料パイプ23内の気泡は確実にフロート
室646へ移動し分離される。なお、燃料噴射時の燃料
供給パイプ21内への燃料押し出し量(噴射洩れ量)は
僅かであるが、燃料供給パイプ21内に加圧室方向のみ
に流れを許容する逆止弁を配置すると、噴射洩れ量を少
なくできる。
【0018】また、燃料供給パイプ21に燃料ポンプ1
9Bを設けてもよく、また戻り燃料パイプ23に調圧弁
101を設けてもよい。調圧弁101により燃料循環経
路Kは所定圧力に維持され、安定した余圧を付加するこ
とが可能であるため、燃料噴射ユニット44の作動によ
り正確な噴射ができる。この場合には気液分離フロート
室646は、液面を一定とするためのフロート式弁64
6aが不要となるが、上限レベル検知センサS11と下
限レベル検知センサS21から構成される燃料レベルメ
ータを設けるようにする。気液分離フロート室46の燃
料レベルが下限レベル検知センサS21の位置より下る
と、燃料ポンプ19Aを駆動してフィルタ20を介して
燃料を燃料タンク22から供給し、上限レベル検知セン
サS11が燃料を検知すると燃料の供給を停止する。
【0019】この実施例のエンジン1ではさらに、オイ
ル供給するためにオイル噴射ユニット649を用いてい
る。このオイル噴射ユニット649は、前述の高圧発生
装置16を用いた燃料噴射ユニット44と実質上同じ構
成であり、オイル配管653、654を介してインジェ
クタ655からクランク室及びシリンダ内にオイルが噴
射される。このオイル噴射ユニット649にはストレー
ナ652を介してオイルタンク651からオイルポンプ
650によりオイルが供給される。このオイル噴射ユニ
ット649は、前述を同様に、高圧発生源を有し、衝撃
的高圧によりインジェクタ655からオイルを噴射する
ものであり、その構成や衝撃的高圧波の発生原理や作用
及び噴射動作は燃料噴射ユニット44と同様である。な
お、加圧室には1つの衝撃的高圧発生部に対向した位置
にオイル配管653,654の各々に連通する複数の潤
滑油吐出ポートが設けられる。このオイル噴射ユニット
649にも、上記エア抜き手段を設けることにより、簡
単にエア抜きが可能になる。
【0020】以下、この発明の燃料噴射装置についてさ
らに説明する。図2は、燃料噴射装置の実施の形態の概
略構成図である。この実施の形態では、図1で示す気液
分離フロート室646は廃止され、燃料タンク22から
直接燃料が燃料ポンプ19により導かれて燃料噴射ユニ
ット44に送られる。また、燃料噴射ユニット44から
の戻し燃料パイプ23は燃料タンク22の上部に連結さ
れる。
【0021】高圧発生装置16とインジェクタ14が一
つのユニットとして一体に形成されたこの燃料噴射ユニ
ット44は、燃料噴射の応答性がよく、かつコンパクト
な構造になる。インジェクタ14は、先端に噴射口41
が形成されたノズル本体24を有し、このノズル本体2
4内に噴射弁25が装着される。噴射弁25はスプリン
グ26により常に閉方向に付勢される。このインジェク
タ14は、ノズルカバー200を介してケース本体31
に接続されこれと一体構造となる。このインジェクタ1
4に衝撃的高圧波が伝播してくると、噴射弁25先端の
内側面に衝突しさらに昇圧する。そして、そのエネルギ
ーにより、スプリング26に抗して噴射弁25が押し開
かれ、燃料が噴射される。
【0022】ケース本体31の内部に加圧室50が形成
される。この加圧室50の一方の端部側には、衝撃的伸
長素子17a及びプランジャ17b等を含んで構成され
た衝撃的高圧発生源17が、ケース400及びケース本
体31により形成される収納室43内に配置される。こ
の高圧発生源17により、加圧室50内に衝撃的高圧を
発生させ、加圧室内の燃料に衝撃的圧力を付与する。
【0023】プランジャ17bは、衝撃的伸長素子17
aの断面より大きい衝撃的加圧面17b1を有し、プラ
ンジャ17bは、衝撃的伸長素子17aと別部品であ
り、衝撃的伸長素子17aの燃料側端部に圧入固定して
設けられる。衝撃的伸長素子17aは、後述のように、
圧電素子とこれを挟持する電極(図示しない)で構成さ
れる。この電極に直流電源531が制御装置302を介
して接続される。
【0024】また、プランジャ17bの外周には環状の
凹部17b2が形成され、この凹部17b2に衝撃的伸
長素子17a側の収納室43と加圧室50とを区画する
シール部材102を備えている。シール部材102はO
リング等で構成され、シール部材102の位置は、プラ
ンジャ17bの途中部に設けられる。
【0025】また、プランジャ17bのストローク長
は、衝撃的伸長素子17aのストロークや変形量に対し
て充分の長さを有し、ストローク移動に対する反力は、
燃料圧と摩擦力によるもので余分な力はかからない。ま
た、筒状のケース本体31が熱変形を起こした場合で
も、作動ストロークの変位量は衝撃的伸長素子17aの
変位だけであるため計量精度には影響しない。また、加
圧室50の形状の自由度が高く、しかもエアが溜まりに
くい。なお、この実施の形態においては、加圧室内壁を
漏斗状にしている。
【0026】この加圧室内燃料に対する衝撃的高圧波を
付与する衝撃的加圧面17b1に対向する側の加圧室内
壁50aの端部に加圧室50に臨んで燃料吐出ポート3
3が開口する。この燃料吐出ポート33は、インジェク
タ14に連通する。
【0027】衝撃的高圧発生源17の衝撃的伸長素子1
7aは、端部を締め上げるナット403によりケース4
00に固定されている。401はナット締め上げ時の衝
撃的伸長素子17aの回り止めである。衝撃的高圧発生
源17は、ケース400を介してケース本体31に接続
され一体構造になる。この衝撃的高圧発生源17の衝撃
的加圧面17b1に直交する筒状のケース本体31の側
面、即ち、高圧波が伝播する進行方向に直角な側面に
は、燃料入口46aが加圧室50に臨んで開口する。こ
の燃料入口46aには燃料供給パイプ21に連通する第
1分岐供給側燃料通路21aが接続される。燃料入口4
6aの近傍上流部にはスプリングでバックアップされた
逆止弁21a1が配置されている。
【0028】また、ケース本体31の側面には、燃料出
口47aが加圧室50に臨んで開口する。この燃料出口
47aには戻り燃料パイプ23に連通する第1分岐戻り
側燃料通路23aが接続される。燃料出口47aの近傍
上流部にはスプリングでバックアップされた調圧弁23
a1が配置されている。
【0029】このような構成の燃料噴射装置において、
加圧室50内に燃料を充填した状態で、衝撃的高圧発生
源17の衝撃的伸長素子17aに駆動電圧を印加し始め
ると、衝撃的伸長素子17aが形状変化する瞬間に衝撃
的加圧面17b1直近の燃料に衝撃的高圧波が発生す
る。この衝撃的高圧波は、衝撃的加圧面17b1側から
その衝撃的加圧面17b1対し直角方向に、加圧室50
の反対面側の対向する位置の燃料吐出ポート33に向か
って瞬時に伝播する。
【0030】この圧力波は、加圧室50内を進行中に加
圧室の側面に開口する燃料入口46aを通過するが、こ
の燃料入口46aの開口方向は、高圧波の進行方向に対
し直角方向であるため、これを瞬時に通過し、高圧波の
圧力は、燃料入口46a内の燃料および調圧弁23a1
に対し実質上何等作用せず、高圧波のエネルギーはほと
んど消費されない。衝撃的高圧発生源17の衝撃的加圧
面17b1から発せられ、漏斗状の加圧室内壁50aに
より集められ、さらに昇圧した衝撃的高圧波は、この面
に唯一形成された燃料吐出ポート33内に進入し、噴射
通路33aに到達する。噴射通路33aに到達した衝撃
的高圧波は、スプリング26に抗して噴射弁25を開き
噴射口41から高圧燃料を噴射させる。
【0031】ケース400の下端側(加圧室側)には、
燃料入口46bが形成され、この燃料入口46bには燃
料供給パイプ21に連通する第2分岐供給側燃料通路2
1bが接続される。また、ケース400の上端側には、
燃料出口47bが形成され、この燃料出口47bには戻
り燃料パイプ23に連通する第2分岐戻り側燃料通路2
3bが接続される。ケース400には、燃料出口47b
より上側の位置にシール部材190が設けられ、収納室
43内の燃料が外部に漏れないようにしている。
【0032】このように、この実施の形態では、燃料循
環路Kの供給側を、第1分岐供給側燃料通路21aと第
2分岐供給燃料通路21bに分岐し、第1分岐供給側燃
料通路21aは逆止弁21a1及び燃料入口46aを介
して加圧室50に連通させ、第2分岐供給側燃料通路2
1bは燃料入口46bを介して収納室43に連通させて
いる。
【0033】一方、燃料循環路Kの戻り側を第1分岐戻
り側燃料通路23aと第2分岐戻り側燃料通路23bに
分岐し、第1分岐戻り側燃料通路23aは調圧弁23a
1及び燃料出口47aを介して加圧室50に連通させ、
第2分岐戻り側燃料通路23bは、燃料出口47bを介
して収納室43に連通させている。
【0034】このように、燃料循環路Kを、加圧室50
に燃料を供給する経路と、収納室43に燃料を供給する
経路に分岐したから、特別な冷却装置を備えることな
く、簡単な構造で衝撃的伸長素子17aを冷却すること
ができ、しかも、調圧弁23a1により加圧室50内の
予圧を一定にでき、且つ加圧室50内の燃料を衝撃的に
加圧するときに収納室43に燃料が逆流することを防止
でき、より燃料の噴射精度が向上する。
【0035】図3は、燃料噴射装置の実施の形態に係る
衝撃的高圧発生源17回りの詳細構成図である。この実
施の形態の燃料噴射ユニット44は、高圧発生装置16
とインジェクタ14が一体化され、高圧発生装置16の
密閉ケース71には収納室43が設けられ、この収納室
43に衝撃的高圧発生源17が収納されている。
【0036】密閉ケース71には、燃料入口46および
燃料出口47が設けられ、燃料供給パイプ21からの燃
料が燃料入口46から収納室43に供給され、収納室4
3からの燃料が燃料出口47から戻り燃料パイプ23へ
戻される。このように、燃料循環路Kの途中に衝撃的高
圧発生源17を収納する収納室43を設け、この収納室
43に燃料を循環させるように構成されている。
【0037】衝撃的高圧発生源17を収納する収納室4
3へ燃料を循環させることにより、特別な冷却装置を備
えることなく、簡単な構造で衝撃的高圧発生源17を冷
却することができる。したがって、衝撃的高圧発生源1
7を長時間使用しても温度が上昇しないため、衝撃的高
圧発生源17の変位特性が変化することがなく、燃料の
噴射精度が向上する。
【0038】衝撃的高圧発生源17は、密閉ケース71
内に設けた複数枚の圧電素子73を有し、各圧電素子7
3間には、例えば正極側の第1極板151aと負極側の
第2極板151bが交互に配設される。これらの圧電素
子73、第1極板151aおよび第2極板151bは、
積層された状態で、保持具74およびプランジャ152
間に挟持され、ボルト72により相互に固定保持され
る。
【0039】このようにボルト72で一体的に固定保持
された圧電素子73は、その保持具74を介して、ねじ
部材75により、密閉ケース71内に取付けられる。各
第1極板151a同士および第2極板151b同士は、
それぞれ導電板76で連結され、正電荷を供給する第1
電荷供給線303及び負電荷を供給する第2電荷供給線
304を介して制御装置302に接続される。密閉ケー
ス71からの各電荷供給線303,304の取り出し部
には、シール用グロメット77が装着され、ケース内の
密封性が保持される。シール用グロメット77はさらに
燃料漏れ防止に寄与する。制御装置302はECU50
0に接続され、後述のように駆動制御される。制御装置
302は、交流電源300を交直変換回路301で直流
に変換した直流電源531に接続される。
【0040】ここで圧電素子とは、いわゆる圧電効果を
有する素子からなる公知の圧電アクチュエータである。
なお、圧電効果を有する材料には、水晶から高分子まで
各種のものがあるが、圧電アクチュエータの材料として
は圧電セラミックスの一種であるジルコン酸チタン酸鉛
(PZT)が代表的である。
【0041】プランジャ152は、衝撃的伸長素子を構
成する圧電素子73の断面より大きい衝撃的加圧面15
2aを有する。このプランジャ152は、圧電素子73
と別部品であり、圧電素子73の燃料側端部に設けられ
る。圧電素子73の断面より大きい衝撃的加圧面152
aを有するプランジャ152を用いることにより、簡単
な構成で大きな衝撃的圧力を得て効率よく燃料を供給す
ることができる。
【0042】また、プランジャ152の外周には、環状
の凹部152bが形成され、この凹部152bに密閉ケ
ース71に対するプランジャ152の摺動を円滑にし、
摩耗を防止する摺動部材153を備えている。摺動部材
153の位置は、プランジャ152の途中部に設けられ
る。プランジャ152のストローク長は、圧電素子73
のストロークや変形量に対して十分確保するようにする
とともに、摺動部材153によりプランジャ152の移
動を円滑にして衝撃的高圧を発生しやすくする。
【0043】プランジャ152には、燃料循環路Kの一
部を構成する収納室43と加圧室50とを連通させる連
通路160が設けられ、この連通路160は、加圧室5
0が負圧となる燃料供給時に燃料循環路Kの一部を構成
する収納室43から燃料を加圧室50に供給可能にし、
加圧室50内の燃料を衝撃的に加圧するときには絞りと
なり、加圧室50内から収納室43への燃料の逆流を軽
減するように機能する。
【0044】複数枚(この例では7枚)の圧電素子(圧
電セラミックス)73及びこれらを挟み込むように配置
され、一体化された第1極板151aと第2極板151
bとにより電歪素子が形成される。交流電源300から
の交流電源は交直変換回路301を経て直流電圧に変換
され、電圧調整のための制御装置302に入力される。
電圧調整用制御装置302は、ECU500により制御
され、電圧を印加する充電時(圧力発生時)に第1電荷
供給線303あるいは第2電荷供給線304とそれぞれ
接続される2つのアウトプットの内、第1電荷供給線3
03を所定の電圧の正電圧に調整する一方、第2電荷供
給線304側をアースする。また、圧力付与が終了した
時点での放電時には第1電荷供給線303側及び第2電
荷供給線304側の両側をアースする。
【0045】このように、燃料噴射ユニット44は、液
体燃料供給源と燃料入口により連通する加圧室50と、
少なくとも一つの圧電体の両側の一方に第1の電極と他
方に第2の電極を配置した圧電素子73からなり、この
圧電素子73は複数配置されるが、第1電荷供給線30
3側の端子TA1と第2電荷供給線304側の端子TA
2に、端子TA1が所定の正電圧値になり、端子TA2
がアースするように電圧印加すると、第1極板151a
から第2極板151bの方向すなわち実線矢印方向に電
界が発生し、第1電板151aと第2電板151bの間
の圧電セラミックスは、電界の大きさに略比例して伸長
する。一方第1電荷供給線303側をアースし、第2電
荷供給線304側を所定の正電圧にすると、第2極板1
51bから第1極板151aの方向すなわち破線矢印方
向に電界が発生し、第1極板151aと第2極板151
bの間の圧電セラミックスは、電界の大きさに略比例し
て収縮する。
【0046】図3において、第1極板151aと第2極
板151bは交互に配置されるため、各圧電セラミック
スに作用する電界の方向は、圧電セラミックスの配列の
順に180度ずつ反転する。このため、この実施の形態
においては、同一板状の圧電セラミックスを配列の順に
表裏を180度ずつ反転して配置しており、第1電荷供
給線303側及び第2電荷供給線304側への電圧の負
荷に応じて全ての圧電セラミックスを同時に伸長あるい
は同時に収縮されることが可能となる。各圧電セラミッ
クスの変位は集積されて(図3のものでは7つの変位が
集積されて)大きな変位となる。
【0047】なお、誤った組み立てを防ぐため、同一の
圧電素子73の側面外周に2種類の色を塗布し、且つ一
方の色の圧電素子73に伸長する時の電界の方向と同じ
方向の矢印を側面外周に付け、他方の色の圧電素子73
に収縮する時の電界の方向と同じ矢印を側面外周に付
け、これらを端部の第1極板151aにまず指定色のも
のを配置し、その後は順に色の違うものを交互に並べ、
且つ矢印が所定の位置方向を向くように組み立てること
により、確実に各圧電素子73を配列順に180度ずつ
反転させて並べることが可能となる。
【0048】図4は電力供給装置の実施の形態を示す概
略構成図である。ECU500には、パルサーコイルあ
るいはクランク角センサ501からクランク角情報が、
スロットル開度センサ502からスロットル開度情報
が、エンジン回転センサ503からエンジン回転情報が
それぞれ入力される。なお、スロットル開度センサは空
気量センサとしてもよい。またエンジン回転数はクラン
ク角センサのデータから演算してもよい。これらの情報
に基づきECU500は、メモリ510に予め記憶され
ている点火制御マップにより点火制御回路520に制御
指令を送り、エンジンの運転状態に応じた点火タイミン
グで点火プラグをスパークさせる。
【0049】また、ECU500は、予め記憶されてい
る衝撃的伸長素子制御マップにより衝撃的伸長素子の端
子電圧を制御する制御装置302に制御指令を送る。こ
の制御装置302には、直流電源531から所定の電源
電圧が与えられている。制御装置302は、後述のよう
に、制御指令に基づき衝撃的伸長素子17aの端子TA
1及び端子TA2の電圧を制御して所定のタイミングで
衝撃的伸長素子17aを伸長させて噴射口41からエン
ジン1の燃焼室40に燃料を噴射させる。
【0050】次に図5〜図8を参照して本発明の燃料噴
射装置の駆動電圧制御についてさらに説明する。図5は
本実施例の燃料噴射装置の具体的な回路図、図6は図5
の回路構成による駆動動作の説明図、図7は図5の回路
構成による制御動作のフローチャート、図8はスロット
ル開度に対する圧電素子への供給電圧のグラフである。
【0051】図5に示すように、制御装置302は、E
CU500により駆動される駆動回路700と、抵抗R
1を介して直流電源531と圧電素子704の正極側と
の間に介装された第1スイッチ701と、抵抗R2を介
して圧電素子704の正極側とアース間に介装される第
2スイッチ702と、圧電素子704の正極側に接続さ
れた電圧検出器703とにより構成される。第1および
第2スイッチ701,702はトランジスタからなり、
後述のように駆動回路700によりオンオフ制御され
る。圧電素子704は、前述のように、正負の両電極板
間に挟持され、プランジャに連結された構成であり、前
記図2または図3の衝撃的高圧発生源17と同じ構成で
ある。
【0052】直流電源531は、一定電圧のバッテリー
に昇圧回路を接続したもの(例えば12Vのバッテリ電
圧を300〜500Vに昇圧して直流電源531とした
もの)でもよいし、あるいは前述のように、交流電源と
交直変換器からなる直流一定電圧(例えば300〜50
0V)を付与する電源回路であってもよい。この直流電
源531の正側が第1スイッチ701を介して圧電素子
704の正極側に接続される。直流電源531の負側は
アースに接続される。
【0053】第1スイッチ701は、圧電素子704の
充電スイッチとして機能するものであり、直流電源53
1からの電圧を圧電素子704に印加して圧電素子70
4を充電しこれを伸長させることにより衝撃的高圧を発
生させる。
【0054】第2スイッチ702は、圧電素子704の
放電スイッチとして機能するものであり、充電により伸
長した圧電素子704を放電して電圧印加を停止し高圧
発生を解除して圧電素子704を元の非駆動状態に戻
す。
【0055】電圧検出器703は、圧電素子704にチ
ャージされた電圧を検出するためのものであり、圧電素
子704の両極端子(TA1,TA2)間の電圧あるい
は、アースされた負極に対する正極電荷の電位を測定す
る。
【0056】ECU500には、前述のように、クラン
ク角データ、スロットル開度データおよびエンジン回転
数データ等の運転状態を示すデータが入力され、これら
に応じて、メモリ510に格納されたマップデータ等に
基づいて点火時期や燃料噴射タイミング等について最適
な運転制御データを演算して求める。このような演算値
は制御装置302の駆動回路700に送られる。
【0057】駆動回路700は、ECU500からの指
令値および電圧検出器703の検出電圧に基づき、後述
のように第1および第2のスイッチ701および702
をオンオフ制御して圧電素子704を駆動し最適状態で
燃料を噴射する。
【0058】次に、上記構成の燃料噴射装置を構成する
回路の動作について図6を参照して説明する。図6にお
いて、(A)は第1スイッチ701の駆動動作による圧
電素子(高圧発生源17)に対する充電信号を表わし、
(B)は高圧発生源17に電圧を印加したときに高圧発
生源17に充電される電圧の立ち上がり状態のグラフで
あり、(C)は第2スイッチ702の駆動動作による高
圧発生源17に対する放電信号を表わし、(D)は高圧
発生源17の駆動により発生する燃料に対する圧力波形
を表わすグラフである。
【0059】図6に示すように、2サイクルエンジンの
ピストンが下死点(BDC)から上死点(TDC)へ移
行する間の排気ポートおよび掃気ポートのいずれもが閉
じた状態で、同図(A)のように、所定のクランク角α
1に対応する時点t1で第1スイッチ701をオンにす
る。これにより、同図(B)に示すように、この時点t
1から高圧発生源17に対する電圧印加が開始され、圧
電素子を挟持する正負の両電極板に電荷がチャージされ
これに対応して充電電圧が立ち上がる。
【0060】この場合、高圧発生源17を構成する圧電
素子や電極板の形状や特性等に応じて、その高圧発生源
における電荷が飽和するまでの時間TSが定まり、この
時間TSは印加する電圧にかかわらずほぼ一定である。
すなわち、図6(B)に示すように、V1の電圧を印加
した場合(点線)の充電完了時点およびこれより低いV
0の電圧を印加した場合(一点鎖線)の充電完了時点は
ともにt4で変らない。したがって、印加電圧が高い程
充電速度は大きくなり、これに対応して圧電素子の伸長
速度が大きくなって大きな衝撃的圧力が得られる。逆
に、印加電圧を低下させると、短に圧力が低下するだけ
でなく、圧電素子の伸長速度の低下によりその衝撃作用
が低下する。したがって、衝撃的高圧による燃料噴射が
安定して行われなくなる。
【0061】本発明では、エンジン高負荷時の最大噴射
量を充分カバーできる電圧V1を常に印加する。噴射量
を小さくする場合には、印加電圧V1の立ち上がり中に
電圧印加を停止する。これにより、充電速度を低下させ
ることなく、低電圧の付与が可能になる。したがって、
圧電素子の伸長速度は最大噴射量の場合と同様に大きく
保って衝撃作用を充分に大きくしたまま、その圧力を下
げて噴射量を少なくすることができる。
【0062】このように、電圧V1の立ち上がり中に電
圧印加を停止するために、本発明では、電圧検出器を用
いて立ち上がり中の圧電素子への充電電圧を検出し、必
要な噴射量に対応する所定の電圧V0に達したら、その
時点t2で第1スイッチ701をオフにするとともに、
第2スイッチ702をオンにして放電を開始する(図6
(C)参照)。放電が充分に行われた時点t3で第2ス
イッチ702をオフにする。この放電終了時間は、電圧
印加停止後放電が完了するまでの充分な時間を予め見込
んでタイマー設定により第2スイッチをオフにしてもよ
いし、あるいは前述の電圧検出器により充電電圧をさら
にモニターし続け、充電電圧がゼロになった時点で第2
スイッチをオフにしてもよい。
【0063】このような駆動電圧制御により、(D)に
示すように、電圧印加開始時点t1から数μsの時間遅
れT0後に燃料に圧力が発生し、電圧印加時間経過後に
最大衝撃圧力が得られる。この圧力ピークに達するまで
の時間T2は、第1スイッチオン時点t1から第2スイ
ッチオン時点t2までの電圧印加時間T1の数倍(例え
ば数100μs程度)である。
【0064】次に上記構成の制御回路による燃料噴射制
御のフローについて図7を参照して説明する。まずEC
U500が、スロットル開度θおよびエンジン回転数R
PMのデータを測定または演算により求め制御用データ
の演算ベースとして取入れる(ステップS1)。
【0065】次にこれらのデータに基づいて、そのとき
のエンジン運転状態に応じた最適の噴射時期α1および
点火時期α2を演算により求めるとともに、噴射量に対
応した圧電素子への制御電圧V0を演算する(ステップ
S2)。この電圧V0は、前述の図6で説明したよう
に、電源電圧V1の立ち上がり中に放電を開始する電圧
である。この場合、必要な噴射量を得るための放電開始
電圧V0は、エンジン負荷に対応している。したがっ
て、図8に示すように、スロットル開度θにほぼ比例す
る。即ち、スロットル開度θが小さいとき(あるいは吸
入空気量が少ないとき)は、噴射量を少なくしこれに対
応して放電開始電圧V0を低く設定する。なお、この放
電開始電圧V0は、エンジンの要求負荷に対応するスロ
ットル開度θのみでなく、エンジン回転数や温度その他
の運転状態の検出データに対応して定めてもよい。この
ようなV0を求める場合、予めスロットル開度等のパラ
メータに対する最適V0のマップを作成してメモリ51
0(図5)に格納し、ECU500が演算処理により求
める。
【0066】噴射時期α1は、スロットル開度およびエ
ンジン回転数のデータから予め定めたマップを用いて演
算する。この場合、負荷が小さい程噴射量が少なくな
り、燃焼時間も短くなるため、α1は排気ポートおよび
掃気ポート閉後のTDC前の進角側に設定される。負荷
が大きくなる時は逆に噴射量が多く、且つ燃焼時間が長
くなるため、α1は排気ポートおよび掃気ポート閉前に
設定される。
【0067】点火時期α2についても、ECU500に
より、スロットル開度およびエンジン回転数のデータか
ら予め定めたマップを用いて演算する。この場合、さら
に他の運転状態データを考慮して点火時期α2を設定し
てもよい。
【0068】次に、ステップS3に進み、演算したタイ
ミングで制御を実行するために、パルサー信号またはク
ランク角信号のデータを取込む。続いて、このクランク
角信号に基づいて、α1の時点t1(図6参照)で第1
スイッチ701(図5)をオンにする(ステップS
4)。これにより、前述のように、直流電源531から
一定電圧V1が印加され充電が開始される。
【0069】この充電開始後、電圧検出器703(図
5)により検出した高圧発生源17の充電電圧、即ち印
加電圧V1の立ち上がり電圧Vのデータを読み取り(ス
テップS5)、この立ち上がり電圧Vが前述の放電開始
電圧V0に達したかどうかを判別する(ステップS
6)。
【0070】立ち上がり電圧がV0に達したらステップ
S7に進み、その時点t2(図6参照)で第1スイッチ
701をオフにするとともに第2スイッチ702をオン
にして放電を開始する。これにより、前述のように、必
要な噴射量に対応した衝撃的高圧が燃料に付与され、噴
射口から燃料が噴射される。
【0071】続いてステップS8において、前記ステッ
プS2で演算した点火時期α2のクランク角となる時点
で点火プラグをスパークさせる。このようなステップS
1〜S8までの処理をサイクル毎にエンジン停止まで繰
り返す(ステップS9)。
【0072】なお、より多くの燃料を噴射し、より大き
なエンジン出力を発揮させる場合には、クランク角α1
後且つクランク角α2の点火前に、さらに1回あるいは
複数回の燃料噴射を実施させてもよい。例えば図7のス
テップS2で、第2噴射のためのクランク角α1’(α
1より遅角した角度)も算出させるようにし、ステップ
S7とステップS8の間に、ステップS3とステップS
7相当を再度実施させるようにしてもよい。この場合、
ステップS4相当部においては、クランク角α1’で第
1スイッチONとして充電を開始する。
【0073】図9は、本発明の燃料噴射装置を4サイク
ルエンジンに適用した場合の構成図である。エンジン1
は、燃焼室40の上部を構成するシリンダヘッド2と、
燃焼室40の筒体を構成するシリンダブロック3と、ク
ランク室を形成するクランクケース4とにより構成され
る。クランク室内のクランク軸5は、クランクピン6及
びピストンピン7に連結されたコンロッド100を介し
てピストン8に連結される。シリンダヘッド2には吸気
通路9が設けられ、その端部に燃焼室40に臨んで吸気
弁10が装着され、吸気通路9の開口部を開閉する。ま
た、シリンダヘッド2には、排気通路11が設けられ、
その端部に燃焼室40に臨んで排気弁12が装着され、
排気通路11の開口部を開閉する。シリンダヘッド2の
中央部には点火プラグ13が装着される。
【0074】この実施の形態では、燃焼室40内に直接
燃料を噴射するための燃料噴射ユニット44がシリンダ
ヘッド2の上面から燃焼室40内に臨んで設けられる
が、燃料噴射ユニット44を吸気通路9に燃料を噴射す
るように設けてもよく、あるいはシリンダブロック3か
ら気筒内に燃料を噴射するように設けてもよい。
【0075】この燃料噴射ユニット44は、インジェク
タ14と高圧発生装置16が一体化されており、高圧発
生装置16は、後述の衝撃的伸長素子17aの圧電素子
を直列に連結したもの及びプランジャを含むもので構成
される衝撃的高圧発生源17を有する。この衝撃的高圧
発生源17は制御装置18に連結され所定のタイミング
で、例えば燃焼室40内に直接燃料を噴射するもので
は、爆発膨張、排気、吸気、圧縮の4行程の内、吸気行
程あるいは圧縮行程において噴射すべく、駆動制御され
る。
【0076】燃料噴射ユニット44には、燃料供給パイ
プ21を介して燃料ポンプ19により、燃料タンク22
から燃料が導入される。燃料タンク22内の燃料供給パ
イプ21の吸入口には、フィルター20が設けられてい
る。燃料噴射ユニット44には、戻り燃料パイプ23が
接続され、戻り燃料パイプ23には圧力を調整する調圧
弁101が設けられている。
【0077】燃料噴射ユニット44が閉となる間中、燃
料ポンプ19により常時燃料供給され、戻り燃料パイプ
23に配置した調圧弁101の上流側の圧力が所定以上
の場合に調圧弁101が開となり、燃料供給パイプ21
及び燃料噴射ユニット44内部の空気及び気化燃料等の
気泡は燃料とともに、調圧弁101を通過して不図示の
エアベント孔を上部に持つ燃料タンク側の上部に戻され
循環し、燃料を供給する燃料循環Kが形成される。
【0078】気液分離手段を兼ねる燃料タンク22で気
泡が分離され、再び燃料供給パイプ21へ気泡が流れる
ことはない。このように、燃料循環Kに空気が混入して
もあるいは圧力低下により空気泡あるいは蒸気の気泡が
発生しても、早期に空気あるいは蒸気の気泡を排出する
ことができる。これにより、空気が混入してもあるいは
気泡が発生しても、燃料供給パイプ21及び燃料噴射ユ
ニット44内部は燃料で満たされ、しかも、戻り燃料パ
イプ23からの循環に拘らず調圧弁101により燃料循
環路Kは所定圧力に維持され、安定した余圧を付加する
ことが可能であるため、燃料噴射ユニット44の作動に
よる衝撃的高圧波が確実に伝播するとともに、衝撃的高
圧波が燃料噴射ユニット44内の噴射口直前部に衝突し
てさらに圧力上昇することを可能とし、正確な噴射がで
きる。なお、衝撃的高圧波の一部が調圧弁101に到達
するときにも気泡は、調圧弁101を通過する。
【0079】次に、図10〜図13を参照して、エンジ
ン振動の影響防止を図った燃料噴射装置についてさらに
説明する。図10に示すように、アクセル量が小さい低
負荷において、2サイクルエンジンのピストンが下死点
(BDC)から上死点(TDC)へ移行する間の排気ポ
ートおよび掃気ポートのいずれもが閉じた状態で、所定
のクランク角α1に対応する時点で第1スイッチ701
(図5および後述の図12参照)をオンにする。これに
より、同図aに示すように、この時点から圧電素子対す
る電圧印加が開始され、圧電素子を挟持する正負の両電
極板に電荷がチャージされこれに対応して充電電圧が立
ち上がる。この立ち上がり電圧は、第2スイッチ702
(図5および後述の図12参照)をオンにすることによ
り放電され、同図aに示すように立ち下がる。これによ
り、必要な充電量q0が得られる。このq0は、スロッ
トル開度データ(または空気量データ)やエンジン回転
数データ等のエンジン運転状態データに基づいて最適噴
射量に対応する充電量としてECUの演算回路で求めた
ものである。
【0080】ところが、このq0に基づいて駆動される
圧電素子704(図5、図12)に対し、図10のbで
示すようなエンジン振動が作用する。このようなエンジ
ン振動により、圧電素子は交互に引張り、圧縮の力を受
け、これに応じて正負の電荷を交互に発生する。この場
合、図示したように、このエンジン振動波bの最小値が
充電開始α1の時点で作用すると、この振動により圧電
素子が例えば圧縮力を受け負電荷を発生し、この負電荷
が直流電源531(図5、図12)からの電圧印加によ
る電荷に加算される。したがって、充電電圧のグラフは
図10のcに示すように、充電開始時点での振動による
電荷分だけ低くなって、充電完了までの新たな充電量は
大きなq1となる。
【0081】一方、図10のa’に示すように、所定の
充電量q0を得るための充電電圧に対し、b’に示すよ
うに、充電開始時点α1でエンジン振動波の最大値が作
用すると、前述とは逆に引張り力が作用して正電荷が発
生する。しががって、充電電圧のグラフは図10のdに
示すように、充電開始時点での振動による電荷分だけ高
くなって、充電完了までの新たな充電量は小さなq2と
なる。
【0082】このようにエンジン振動により直流電源に
よる充電開始時の電荷量が変動し、これにより新たな充
電量が変動すると、これに対応して、圧電素子の伸長量
が変動し、衝撃的高圧の圧力波形が、必要とする噴射量
に対応する圧力ピーク値p0となる波形e0から、これ
より高いピーク値p1となる波形e1あるいはこれより
低いピーク値p2となる波形e2に変動する。なお、こ
の現象は、エンジン振動により圧電素子に蓄えられるエ
ネルギーが充電時に解放され、所定電圧までの充電量に
よる伸長量に正あるいは負として加算されると考えるこ
とができる。
【0083】以上はスロットル開度が中あるいは大の中
・大負荷の場合であり、第2スイッチ702をONする
時期を充電が飽和してからとしている。スロットル開度
が小の低負荷の場合には、充電が飽和する前に第2スイ
ッチをONにし放電する。このため、エンジン振動によ
る電荷による電圧が負の場合は、放電直前の電荷量は少
なくなり、エンジン振動による電荷による電圧が正の場
合は、放電直前の電荷量は多くなる。しかし、直流電源
による新たな充電量は指数関数にのっとり増加するの
で、時間が経過する程時間当りの充電量が減少してい
く。このため、充電開始時に圧電素子の電極における電
荷量に差があっても放電直前においてはその電荷量の差
は小さくなる。このため、充電開始時の圧電素子の電極
における電荷量の差に対応して、充電開始から放電まで
の新たな充電量には、q1’>q0’>q2’の関係が
成り立つ。このような電荷量の大小に応じて、放電開始
時の圧力値も変化し圧力波形はf1、f0、f2のよう
に変動する。即ち、低負荷の場合においても、エンジン
振動における振幅の山、谷のいずれの時期に充電開始す
るかにより圧電素子の伸長量が変化し、それに連れて衝
撃的高圧波が変化し、噴射量がばらついてしまう。
【0084】このように衝撃的高圧の圧力変動が起こる
と、噴射量にばらつきが生じ安定したエンジン出力が得
られなくなる。
【0085】そこで本実施例においては、エンジン振動
による噴射量への影響をなくすために、直流電源の電気
容量を圧電素子の電気容量よりも充分大きく設定した。
これにより、噴射量への影響を無視できるほど小さくで
きる。その理由は以下のとおりである。
【0086】電気容量Cと電荷Qおよび電圧Vの関係
は、Q=CVで表わされる。また、電源の電気容量C1
と圧電素子の電気容量C2の合成電気容量Ctは、 Ct=1/(1/C1+1/C2) で表わされる。したがって、電源の電気容量C1を圧電
素子の電気容量C2より充分大きくすれば、合成電気容
量Ctに与える圧電素子の電気容量の寄与率が小さくな
って電荷Qに基づいて演算した燃料噴射量への影響が無
視できるようになる。
【0087】具体的には、電源の電気容量C1が圧電素
子の電気容量C2の100倍以上あれば、合成容量Ct
に与える圧電素子の電気容量C2の寄与率は0.99%
以下になり、燃料の計量に与える影響も無視できる値と
なる。実用上の寄与率を0.99%より大きくしても支
障がなければ、上記倍率を100以下、例えば20〜5
0程度にしてもよい。
【0088】本実施例で用いる電源の構成例を図11に
示す。この例は、エンジンのクランク軸端部に装着した
フライホイルに設けた発電機のコイルLから取り出した
電流をダイオードDで整流し、コンデンサCに充電して
直流電源を構成したものである。なお、直流電源として
は、このような図11の構成に代えて、バッテリーに昇
圧回路を組合わせたものあるいは図1または図3のよう
に交流電源と交直変換器の組合わせでもよく、これらの
場合には、電源全体を等価コンデンサと見なしてその等
価電気容量C1を圧電素子の電気容量C2の20〜50
倍あるいは100倍以上に設定することができる。
【0089】エンジン振動の影響を防止するための別の
実施例の回路構造を図12に示す。この実施例は、空気
量センサ(またはスロットル開度センサ)およびクラン
ク角センサさらに図示しないエンジン回転数センサを、
噴射時期及び噴射量を制御する放電回路801に接続
し、この充電回路801に接続された放電タイミングを
制御する放電回路802を備える。この充電回路801
および放電回路802については、前述の図5で説明し
た例と同様に、クランク角、スロットル開度およびエン
ジン回転数等の運転状態のセンサが接続されたECUを
備え、このECU内に充電および放電のタイミングを演
算する回路として設けてもよい。あるいは、このような
ECUに接続された駆動回路700(図5)内の充電駆
動回路および放電駆動回路として設けてもよい。
【0090】これらの充電回路801および放電回路8
02は、図5の例と同様に、直流電源531および圧電
素子704に接続されたトランジスタ等からなる充電用
の第1スイッチ701および放電用の第2スイッチ70
2のオンオフのタイミングを演算して求め、それぞれ第
1スイッチ701および第2スイッチ702を駆動制御
するものである。
【0091】本実施例においては、これらの充電回路8
01および放電回路802の出力側に、放電制御補正回
路803が備わる。この放電制御補正回路803は、充
電回路801および放電回路802からの出力に基づい
て、放電回路802による第2スイッチ702の駆動タ
イミングをエンジン振動が充電電圧に影響しないように
補正してこの第2スイッチを駆動制御するものである。
【0092】このような放電制御補正回路803のタイ
ムチャートを図13に示す。図13の(E)は充電回路
801からの充電信号を示し、(F)は放電回路802
からの放電信号を示し、(G)は放電制御補正回路80
3の出力信号を示し、(H)は充電電圧の波形を示す。
図示したように、充電信号(E)の立上がり時点(充電
開始時点)では放電制御補正回路803の出力(G)は
オン状態であり、放電された状態である。この充電開始
の直後に放電制御補正回路803の出力(G)がオフに
なって放電が停止され、充電可能状態になる。このよう
に、充電開始時点で圧電素子を放電しておくことによ
り、エンジン振動により圧電素子に発生した電荷が除去
される。したがって、(H)に示すように、充電電圧に
はエンジン振動による電荷の影響は表われず、前述の図
10のグラフcのように充電電圧がq1に増加したりグ
ラフdのようにq2に減少することはなく、常に最適な
充電量として演算された値q0を保つことができる。
【0093】このような放電制御補正回路803の例と
して、図12の回路では、アンド回路805を用い、こ
のアンド回路805の一方の入力側に充電回路801の
出力側をインバータ804を介して接続し、もう一方の
入力側に放電回路802の出力側を直接接続し、このア
ンド回路805の出力側を第2スイッチ702に接続し
ている。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、運転状態に応じて最適な噴射量および噴射時期を演
算して充電回路および放電回路を駆動制御する場合に、
放電制御補正回路により、放電開始時点では必ず圧電素
子が放電され電荷が除去された状態とし、この放電開始
時点またはその直後に放電が停止されて充電可能状態に
されるため、充電量に対するエンジン振動に基づく電荷
の影響はなくなり、圧力変動がなくなり、安定した噴射
量が得られる。これにより燃焼が安定し信頼性の高い燃
料噴射制御ができ安定したエンジン出力が得られる。
【0095】さらに本発明では、直流電源の電気容量
を、噴射量に対する前記圧電素子の容量変化の影響が無
視できる程度に前記圧電素子の電気容量より充分大きく
した構成にすることにより、圧電素子の電気容量が、そ
の容量変化による電源を含む制御回路全体の電気容量に
対する影響を無視できる程小さくなるため、仮にエンジ
ン振動により充電量がばらついても、衝撃的高圧値に対
する影響は無視できる程小さく、したがって、充分安定
した燃料噴射量制御が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を2サイクルエンジンに適用した場合
の構成図。
【図2】 本発明の燃料噴射装置の断面図。
【図3】 本発明の燃料噴射装置の別の例の断面図。
【図4】 本発明の燃料噴射装置の制御構成を示すブロ
ック図。
【図5】 本発明の燃料噴射装置の制御回路図。
【図6】 図5の回路の動作を説明するためのタイムチ
ャート。
【図7】 図5の回路による制御動作のフローチャー
ト。
【図8】 スロットル開度に対する放電開始電圧のグラ
フ。
【図9】 本発明を4サイクルエンジンに適用した場合
の構成図。
【図10】 エンジン振動の影響の説明図。
【図11】 直流電源の一例の回路図。
【図12】 本発明の燃料噴射装置の別の実施例の回路
図。
【図13】 図12の回路のタイムチャート。
【符号の説明】
1:エンジン、14:インジェクタ、16:高圧発生装
置、17:衝撃的高圧発生源、17a:衝撃的伸長素子
(圧電素子)、17b:プランジャ、40:燃焼室、4
1:噴射口、44:燃料噴射ユニット、50:加圧室、
73:圧電素子、151a:第1極板(正極)、151
b:第2極板(負極)、300:交流電源、301:交
直変換器、302:制御装置、303:第1電荷供給
線、304:第2電荷供給線、500:ECU 531:直流電源、700:駆動回路、701:第1ス
イッチ、702:第2スイッチ、703:電圧検出器、
801:充電回路、802:放電回路、803:放電制
御補正回路、804:インバータ、805:アンド回
路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源と、 正負両電極間に挟持された圧電素子と、 この圧電素子の正電極側と前記直流電源との間に設けた
    第1スイッチと、 この圧電素子の正電極側とアースとの間に設けた第2ス
    イッチと、 前記第1スイッチを駆動して前記圧電素子を充電しこれ
    を変位させるための充電回路と、 前記第2スイッチを駆動して前記圧電素子から放電し電
    荷を除去するための放電回路と、 前記充電回路および放電回路からの出力に応じて、前記
    第1スイッチ駆動による充電開始前に前記第2スイッチ
    を駆動して放電状態とし、充電開始時点またはその直後
    に放電を停止するための放電制御補正回路とを具備した
    ことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】前記放電制御補正回路は、アンド回路を含
    み、このアンド回路の入力側に前記放電回路の出力側お
    よびインバータを介した前記放電回路の出力側を接続
    し、前記アンド回路の出力側を前記第2スイッチ側に接
    続したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】直流電源と、 正負両電極間に挟持された圧電素子と、 この圧電素子の正電極側と前記直流電源との間に設けた
    第1スイッチと、 この圧電素子の正電極側とアースとの間に設けた第2ス
    イッチと、 前記第1スイッチを駆動して前記圧電素子を充電しこれ
    を変位させるための充電回路と、 前記第2スイッチを駆動して前記圧電素子から放電し電
    荷を除去するための放電回路とを具備し、 前記直流電源の電気容量は、噴射量に対する前記圧電素
    子の容量変化の影響が無視できる程度に前記圧電素子の
    電気容量より充分大きくしたことを特徴とする燃料噴射
    装置。
  4. 【請求項4】前記直流電源の電気容量は、前記圧電素子
    の電気容量の約20倍以上であることを特徴とする請求
    項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】圧電素子へ電圧を印加して充電し、この充
    電により圧電素子を急激に変位させて衝撃的高圧を発生
    させ、この衝撃的高圧により燃料を噴射させる燃料噴射
    装置の駆動方法において、 前記圧電素子の充電開始前に、この圧電素子を放電して
    おくことを特徴とする燃料噴射装置の駆動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002004924A (ja) * 2000-04-01 2002-01-09 Robert Bosch Gmbh 圧電素子を充電または放電するための装置、システムの圧電素子を充電するための方法および燃料噴射システムに使用されるのに特別適している用途
JP2003529714A (ja) * 2000-04-01 2003-10-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 噴射弁の圧電式アクチュエータに対する電圧制御の診断方法
US7886993B2 (en) 2002-04-04 2011-02-15 Siemens Aktiengesellschaft Injection valve

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