JP3638454B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、より詳細には、画像形成に用いる記録体における傷を検知し、修復する手段を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図32は、本発明者等が先に提案した記録体への画像形成方法を説明するための概略構成図で、特開平8−276663号公報に開示された構成を示す図である。図32において、11は画像形成手段、19は記録紙、20は記録体、30は親液処理手段、31は拭き取りローラ、32は現像手段、33はクリーニングローラ、34は転写ローラである。従来の方法は、表面が親液状態の記録体20を画像形成手段11に搬送して潜像の画像を形成し、その後、現像手段32でインクにより現像を行い、記録紙19へのインク転写を行うものである。しかし、本発明者等が鋭意研究を行った結果、親液状態である記録体20の表面に傷が形成されると、記録体20の表面へのインク付着性が大幅に低下し、その結果白抜けが発生して印刷により得られる画像品質が著しく低下することが確認された。従来の方法では、記録体20へ画像形成を行う前の段階で、記録体20の表面に生じた傷に対する対策を行わないため、表面に傷を生じた記録体20を装置に装着した場合、若しくは記録体20の装着後に表面に傷が形成された場合、現像したときに傷の部分が白抜けとなり、印刷物の画像品質が著しく低下することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、表面に画質低下の原因となる傷のない記録体を画像形成手段に対して供給可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
各請求項に対応する発明の目的を以下に示す。
請求項1の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、記録体を有効に利用可能とし、さらに傷のない記録体の場合には修復処理を省略してエネルギーや部材消費を抑制可能として、傷の少ない記録体の場合には修復処理に要する負荷を大幅に低減させることを目的とする。
【0005】
請求項2の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、記録体を有効に利用可能とし、小サイズの紙に印刷する際に、傷の修復及び/又は親液処理に要する負荷を低減させることを目的とする。
請求項3の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、記録体を有効に利用可能とし、より効率的に傷修復及び/又は親液処理を行うことを目的とする。
請求項4の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、傷が発生しにくく、かつ、安定した親液状態が得られるようにし、さらにそのプロセスをシンプルとすることを目的とする。
請求項5の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、使用する記録体の作成エネルギーを低減することを目的とする。
請求項6の発明は、記録体表面の傷による白抜けを低減させ、印刷の画質劣化を抑制するとともに、画像形成手段へ供給する記録体表面の傷をより低減させることを目的とする。
【0006】
請求項7の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、シンプルな構成で消費エネルギーを低減させることを目的とする。
【0007】
請求項8の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、接触材料によるインク及び記録体上の画像品質に対する悪影響を低減させることを目的とする。
【0008】
請求項9の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、記録体表面の傷修復及び/又は親液処理を記録体表面に対し非接触で行うことを目的とする。
【0009】
請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、接触部材によるインク及び記録体上の画像品質に対する悪影響をなくすことを目的とする。
【0010】
請求項11の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、構成がシンプルで、接触材料の補充や交換頻度を大幅に低減させることを目的とする。
【0011】
請求項12の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、表面の傷が深い記録体でも利用可能とすることを目的とする。
【0012】
請求項13の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、傷のない記録体の場合には修復処理を省略してエネルギーや部材消費を抑制可能とすることを目的とする。
【0016】
請求項14の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、傷修復場所や領域の変更を容易に実行できるようにすることを目的とする。
【0017】
請求項15の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、記録体表面に新たな傷を与えずに動作可能とすることを目的とする。
【0018】
請求項16の発明は、請求項1乃至3の画像形成装置において、傷が発生しにくく、かつ、安定した親液状態が得られるようにすることを目的とする。
【0019】
請求項17の発明は、請求項16の画像形成装置において、接触材料によるインクへの悪影響を低減させることを目的とする。
【0020】
請求項18の発明は、請求項16又は17の画像形成装置において、親液処理を記録体表面に非接触で行なうことを目的とする。
【0021】
請求項19の発明は、請求項18の画像形成装置において、接触材料によるインク及び記録体上の画像品質に対する悪影響をなくすことを目的とする。
【0024】
請求項20の発明は、請求項1乃至3,6乃至19の画像形成装置において、傷修復及び親液処理の安定性、信頼性を向上させることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段と、前記記録体表面の傷を検知する傷検知手段とを有し、該傷検知手段による検知結果に基づいて前記傷修復手段による傷修復を行う画像形成装置において、前記傷修復手段は、前記傷検知手段により検知された傷の位置に応じて傷修復のための処理領域を変えることを特徴としたものである。
【0028】
請求項2の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は、形成した画像を印刷する紙のサイズに応じて処理領域を変えることを特徴としたものである。
請求項3の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は、形成する画像サイズに応じて処理領域を変えることを特徴としたものである。
請求項4の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段とを有し、前記画像形成手段に対し、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を供給可能とした画像形成装置であって、前記記録体として予め前記接触材料を保持する記録体を用い、前記親液処理手段は、前記記録体に予め保持された接触材料の作用により前記親液処理を行う画像形成装置において、前記接触材料として、加熱により前記記録体から除去される材料を用い、前記画像形成手段は、前記記録体が保持した接触材料の必要領域を加熱して画像を形成することを特徴としたものである。
請求項5の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に 応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に対し、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を供給可能とした画像形成装置において、該画像形成装置は、前記記録体を構成する基板に記録材料を塗布して表面を加熱することにより該基板に記録材料層を形成する記録材料層形成手段と、該記録材料層形成手段にて加熱された前記記録材料層の表面温度が所定のレベル以上にある状態で前記記録材料層の上に保護層を形成する保護層形成手段とを有することを特徴としたものである。
請求項6の発明は、加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段は、複数の異なる加熱方式の傷修正部を選択的に前記記録材料層に作用させて傷を修正可能としたことを特徴としたものである。
【0029】
請求項7の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段の機能と前記親液処理手段との機能とが同一の要素により実行されるようにしたことを特徴としたものである。
【0030】
請求項8の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料として画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴としたものである。
【0031】
請求項9の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料として光吸収材料を含有する材料を用いることを特徴としたものである。
【0032】
請求項10の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記接触材料として光吸収材料含有インクを用いることを特徴としたものである。
【0033】
請求項11の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料としてシリコーン樹脂を用いることを特徴としたものである。
【0034】
請求項12の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体を構成する基板の表面に記録材料を塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された記録材料の表面を加熱する加熱手段とを有し、該加熱手段による加熱処理を経た前記記録体を前記親液処理手段により処理することを特徴としたものである。
【0035】
請求項13の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体表面の傷を検知する傷検知手段を有し、該傷検知手段による検知結果に基づいて前記傷修復手段による傷修復を行うことを特徴としたものである。
【0039】
請求項14の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段は、サーマルヘッドを用いて記録体を加熱することにより傷修復を行うことを特徴としたものである。
【0040】
請求項15の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体及び/又は前記接触材料に光吸収材料を含有させ、前記修復手段は、レーザ光源を用いて、該光吸収材料を発熱させることにより傷修復を行なうことを特徴としたものである。
【0041】
請求項16の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体として予め前記接触材料を保持する記録体を用い、前記親液処理手段は、前記記録体に予め保持された接触材料の作用により前記親液処理を行うことを特徴としたものである。
【0042】
請求項17の発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴としたものである。
【0043】
請求項18の発明は、請求項16又は17に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、光吸収材料を含有する材料を用いることを特徴としたものである。
【0044】
請求項19の発明は、請求項18に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、光吸収材料含有インクを用いることを特徴としたものである。
【0047】
請求項20の発明は、請求項1乃至3,6乃至19のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は加熱手段を有し、所定の測定点における環境温度に応じて前記加熱手段の加熱温度を変えることを特徴としたものである。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による画像形成装置の実施の形態を添付された図面を参照して具体的に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同様の機能を有する部分には同じ符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0051】
図1は、本発明による画像形成装置の一例を説明するための図で、図中、10は画像形成装置、11は画像形成手段、12は記録体表面状態検知手段、13は加圧ローラ、14は中間転写体、15は記録体保持ドラム、16は印刷物搬送手段、17は使用済み記録体容器、18はインキングローラ、19は記録紙、19′は印刷済記録紙、20は記録体、20rは記録体20が巻回された記録体ロールで、記録体ロール20rから巻き出した記録体20を1回分ずつ切断し、記録体保持ドラム15に供給するオフセット印刷構成の画像形成装置を示すものである。図2は、本発明による画像形成装置の他の例を説明するための図で、シート状の記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフセット印刷構成の画像形成装置を示すものである。図3は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、記録体保持ドラム15の内部より記録体20を供給する画像形成装置を示すものである。
【0052】
本発明は、画像形成手段11に対して、表面に傷の無い記録体20を供給する手段を有する画像形成装置に関するものである。ここで言う傷の無い記録体とは、表面に印刷画質に影響を及ぼす傷が無い記録体を意味するものであり、以下、このような記録体を画像形成手段11に供給する手段を、無傷記録体供給手段とする。
【0053】
無傷記録体供給手段は、画像形成手段11に対して傷の無い記録体20を供給する機能を有していれば、どのような構成であっても良く、本実施形態における無傷記録体供給手段は、記録体表面状態検知手段12により記録体20の表面の状態を検知して、傷等の欠陥が多い記録体を画像形成に使用せずに排除することによって、画像形成手段11へ傷の無い記録体20を供給するものである。
【0054】
記録体20の表面状態の検知方式は、接触式でも非接触式でも良いが、記録体20に新たな傷を形成しないようにするために、非接触式である方がより望ましい。非接触式の検知方式としては、記録体20に光を照射し、透過光を検知する方式や、反射光を検知する方式等が用いられる。光を照射した際に、記録体20の表面に多数の傷があると光が散乱するため、検知する光量が減少する。この減少量をもとに記録体20を画像形成に使用するか否かを判断する。なお、記録体20に有色のフィルムを重ねて光量を測定することにより、光量オーバによる測定不能を避けることができ、より望ましい。
【0055】
【0056】
【0057】
上記条件のもと、図1ないし図3の各構成で、表面が親液性状態の記録体表面を記録体表面状態検知手段にて検査し、傷や塵埃付着が少ない記録体に対してのみ画像形成し印刷を行った結果、かすれのない高品質な画像が得られることを確認した。
【0058】
【表1】
【0059】
図4は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、30は親液処理手段、31は拭き取りローラ、32は現像手段、33はクリーニングローラ、34は転写ローラで、直接転写構成でシームレス状の記録体20を用いた画像形成装置要部の例を示すものである。図5は、本発明による画像形成装置の更に他を説明するための図で、図中、35は拭き取りローラで、ドラム形状の記録体20を持ったオフセット転写構成の画像形成装置要部を示すものである。図6は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、記録体ロール20rから1回分ずつ記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成の画像形成装置を示すものである。図7は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、40は傷修復手段で、シート状の記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成の画像形成装置を示すものである。図8は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、オフセット転写構成で、記録体保持ドラム15の内部より記録体を供給する画像形成装置を示すものである。
【0060】
本発明における無傷記録体供給手段は、記録体20の表面に形成された傷の状態を傷修復手段40により改善するものである。記録体20の表面の傷を改善する方法としては、傷を加熱することにより記録体20が有する記録材料層を軟化或いは溶融させて、記録体20の表面をリフレッシュさせる方法が用いられる。加熱方式としては、キセノンランプなどによる熱光線の照射、熱風の吹き付け、もしくはヒータの近接配置等の非接触加熱方式や、ヒータや熱ローラなどによる接触加熱方式のいずれも利用することができる。ただし、接触加熱方式は、記録体20の表面を加熱した際に記録材料が加熱手段へ付着する可能性があるため、記録体20の裏側から加熱する方が望ましい。そして、傷修復のための加熱後は、記録体20の表面が撥液性状態であるため、画像形成を行う前に、親液処理手段30にて記録体20の表面を液体に接触させた状態で加熱を行うなどして、記録体表面を親液性状態に変える必要がある。
【0061】
上述のごとくの構成で、装置内にて記録体20の傷の修復を行うことにより、装置に装着した記録体20を無駄なく使用することができる。また、記録体20の保存時の衝撃に対する許容度を高めることが可能となる。更に、記録体20の表面の初期状態を撥液性状態とすることができるため、記録体20の保存環境温度が高い場合でも、記録体20を使用することが可能となり、信頼性、安定性がより向上する。
【0062】
【0063】
上記条件のもと、図4ないし図8の構成で、傷を修復した後、画像形成、印刷を行った結果、傷のある記録体も利用できるようになり、かつ、かすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0064】
図9は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、50は傷修復/親液処理手段で、ドラム形状の記録体20を持つオフセット転写構成の画像形成装置を示すものである。図10は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、記録体ロール20rから1回分ずつ記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成の画像形成装置要部を示すものである。図11は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、シート状の記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成の画像形成装置の例を示すものである。図12は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、記録体保持ドラム15の内部より記録体20を供給するオフセット転写構成の画像形成装置を示すものである。
【0065】
記録体20の表面の傷修復は、液体に接触させて加熱する方法を用いることによっても行うことができるため、傷修復処理と親液処理を傷修復/親液処理手段50にて一度に実行する。傷の状態により適正な傷修復のための処理温度や加熱時間が異なる場合が有るが、画質に与える影響は親液処理がより大きいため、傷修復/親液処理手段50における加熱温度や時間は親液処理を重視して決定することが望ましい。
【0066】
傷修復/親液処理手段50における加熱方法としては、水やポリエチレングリコール、グリセリンなどの水性液体や、シリコーンオイルなどの油性液体を記録体20の表面に接触させたまま加熱したり、記録体20の表面を加熱した直後にこれらの液体と接触させる方法を用いる。また、加熱方式としては、上記図4乃至図8の実施形態と同様な方式を用いることができる。
本発明の構成のように、傷修復手段と親液処理手段とを同一手段にまとめることにより、加熱源を削減することができるため、消費エネルギーの大幅な低減が可能となるとともに、構成がシンプルとなる。
【0067】
【0068】
上記条件のもと、図9〜図12の構成で、傷修復と親液処理を同時に行った後、画像形成及び印刷を行った結果、装置の消費エネルギーが大幅に低下し、かつ、かすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0069】
本発明においては、親液処理手段30或いは傷修復手段40で用いる液体として、インクに含有される溶剤、又はビヒクルを用いる。当該処理に水を用いた場合は、装置内での保存性が悪いため頻繁に補給する必要があり、また油性液体を用いた場合は、保存性は優れるが記録体20の表面に付着した液の除去が困難であるため、残留した液により使用するインクを変質させ、地汚れの増大など画質を劣化させる可能性がある。それに対して、使用するインクに含有される溶剤は沸点が高く保存性に優れ、記録体20の表面に付着していてもインクに与える影響は比較的少ない。また、ビヒクルも同溶剤を使用するため保存性が良くインクへの悪影響も少ない。
【0070】
(実施例4)
傷修復及び/又は親液処理用接触材料:
(1).ダイアレン168
(2).AF−6号ソルベント
(3).AF−6号ソルベント40wt%とロジン変性フェノール樹脂60wt%からなるビヒクル
上記接触材料を用い、その他の条件を実施例2,3と同一として、図4ないし図12の各構成で印刷を行った結果、記録体表面に付着する接触材料のクリーニングが大幅に低減でき、かつ、かすれのない高品質な画像を得られることを確認できた。
【0071】
図13は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、50aは光照射手段で、傷修復/親液処理手段50にて、カーボンなどのように光を吸収して発熱する光吸収材料を分散した液を記録体20の表面に接触させて光照射手段50aにより光照射を行うことにより非接触に加熱を行うことができるようにしたもので、シームレス状の記録体20を持つ直接転写画像形成装置を示すものである。図14は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図13と同様な光吸収材料を含む接触材料を、同じく光吸収材料を含有させたドラム状の記録体20に接触させ、光照射手段30aにて光照射することにより発熱させる親液処理手段を有するオフセット転写構成の画像形成装置を示すものである。
【0072】
光吸収材料は、カーボンのように幅広い波長の光を吸収する材料でも良いし、特定波長の光を強く吸収する材料でも良い。また光照射手段30a,50aは、キセノンランプやハロゲンランプ、レーザ光源のように、強い光を発する手段が良い。ただし、用いる光吸収材料に適した光照射手段を選択する必要がある。
本発明により、傷修復処理及び/又は親液処理を記録体20に対して非接触に行うことが可能となる。従って、高温の加熱部材を記録体に接触させる従来の方式と比べて、記録体20の変形をより低減することが可能となり、特に、シームレス記録体の場合には耐久性向上が見込まれる。
【0073】
上記条件のもと、図9,図14の構成で、傷修復と親液処理を同時に行った後、画像形成及び印刷をした結果、記録体の変形がなく寿命が延び、かすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0074】
図15は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、21は基板、22は記録材料層、23はカーボン含有インク層、24はインク担持フィルム、51は加圧手段、52は加熱源を備えたインクローラ、53は加熱手段、54はインクローラ、55は光照射手段、56は加圧ローラで、図15(A)は加熱源を備えたインクローラ52を傷修復手段や親液処理手段として用いる例を示し、図15(B)は記録体表20の面に接触させるインクローラ54と記録体20の表面に接触させる加熱手段53とを傷修復手段や親液処理手段として用いる例を示し、図15(C)はカーボンが吸収する波長の光を光照射手段55により記録体20の裏面から照射して、記録体表面に接触させたインクローラ上のカーボン含有インクを発熱させる構成を、傷修復手段や親液処理手段として用いる例を示し、図15(D)は記録体20の裏面からカーボンが吸収する波長の光を光照射手段55より照射して、記録体20の表面に保持されたインク担持フィルム24上のカーボン含有インク層23を発熱させる構成を、傷修復手段や親液処理手段として用いる例を示すものである。
【0075】
本発明によれば、傷修復処理及び/又は親液処理後に、インクが記録体表面に付着していても、他の液と異なり現像に用いるインクが変質することは無いため、画質の低下の心配はない。さらに、傷修復処理及び/又は親液処理後の付着インク除去処理を行う必要が無い。なお、カラーインクを用いる場合、加熱部材が記録体に接触する構成となる可能性もあるが、傷修復処理及び/又は親液処理時の接触材料としては、非常に優れるものとなる。
【0076】
【0077】
上記条件のもと、図4ないし図12の構成で印刷をした結果、記録体表面に付着する接触部材のクリーニング処理が不要となり、また、かすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0078】
図16は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、57は加熱源を備えたシリコーンゴムローラ、58はシリコーンゴムローラで、図16(A)は傷修復手段及び/又は親液処理手段として加熱源を持つシリコーンゴムローラ57を用いた例を示し、図16(B)は傷修復手段及び/又は親液処理手段として記録体表面に接触させるシリコーンゴムローラ58と記録体裏面に接触させる加熱手段53とを用いた例を示すものである。
【0079】
記録体20は、固体を接触部材とした場合でも親液処理を行うことができる。ただし固体は、接触性に関しては液体に及ばないため、一般的には傷の修復処理や親液処理にむらを生じ易い。しかし、シリコーン樹脂は表層に極薄層のオイル層を形成しているとも言われており、固体との接触性に優れ、傷修復手段や親液処理手段として用いることができる。シリコーン樹脂は固体であるため保存性や取り扱いが容易である上、液体のように随時供給する必要が無いという利点を持つ。シリコーン樹脂としては、RTV,LTV,HTVなどのシリコーンゴムの他、ゲルやガム、パテなども用いることができる。ただし、シリコーン樹脂の表面はできるだけ鏡面であることが望ましい。
【0080】
上記条件のもと、図4ないし図12の構成で印刷をした結果、接触部材の補給や記録体表面のクリーニング処理が不要となり、また、かすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0081】
図17は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、22aは予め記録体に保持されている記録材料層、22bは新しい記録材料層、60は記録材料塗布手段、60aはブレード、61は加熱乾燥手段で、図17(A)は記録体に記録材料を塗布する記録材料層塗布手段60と、塗布後の新しい記録材料層22bを加熱乾燥する加熱乾燥手段61と、加熱乾燥後の温度が高い記録体の表面に接触材料を接触させて親液処理する親液処理手段30とを有する構成例を示し、図17(B)は記録体に記録材料を塗布する記録材料塗布手段60と、塗布後の新しい記録材料層22bを加熱乾燥する加熱乾燥手段61と、加熱手段30bを用いて記録体表面を親液処理する親液処理手段30とを有する構成例を示すものである。
【0082】
記録材料塗布手段60は、記録体表面に0.5〜10μm程度の厚さの新しい記録材料層22bを形成できればどのような方式を用いるものであっても良く、例えば、マイクログラビアコーティング法などが利用できる。加熱乾燥手段61は、記録材料層22a,22bを傷つけないようにするために非接触式が望ましく、例えばガスや電気ヒータを近接させたり、キセノンランプやハロゲンランプなどの熱光線を照射する方式などが利用できる。なお、記録体の基板21の耐熱性が高い場合、もしくは加熱による変形が生じ難いように基板21の厚みが100μm程度以上ある場合は、基板21の裏側に加熱手段を接触させるようにしても良い。
【0083】
記録体20の表面を親液処理する親液処理手段30としては、請求項2〜7の発明の実施形態における構成を用いることができるが、図17(A)のように基板21に塗布した記録材料層22bを加熱乾燥させた後、記録体20の表面の温度が80℃程度以上である間に親液処理手段30にて接触材料を接触させてそのまま冷却することにより親液処理がなされるため、親液処理手段30に加熱手段を設けなくとも、塗布した記録材料層22bを乾燥させるために必要とする加熱乾燥手段61を利用して親液処理する方が消費エネルギーが低く抑えられ、より望ましい。
【0084】
上記条件のもと、図17(A),図17(B)の構成で、記録材料層形成による傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0085】
図18は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図中、41は傷修正判断部、42は傷検知手段、50bは加熱手段、50bは加熱手段、50cはインクローラで、図18(A)は光反射型の傷検知手段42を用いて記録材料層22の表面の傷を検知し、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い場合のみ傷修復を行い、その後親液処理手段30にて親液処理を行う構成例を示し、図18(B)は光透過型の傷検知手段42を用いて記録材料層22の表面の傷を検知し、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い場合のみ傷修復/親液処理手段50にて傷修復及び親液処理を同時に行う構成例を示すものである。
【0086】
傷の検知方法としては、図1乃至図3の実施形態で示した方式を用いても良いし、その他一般に知られる表面状態の検知方式であればどのような方式を用いても良い。ただし検知対象となる領域が大きいため、記録体20の表面の全域を調べず、特定の領域のみを検査して修正すべき傷の有無を判断する方が実用的である。
【0087】
検知した傷の状態が印刷に支障を来たすものと判断された場合は、傷の修復処理及び記録体20の表面の親液処理を行う。また、印刷に影響が無いと判断した場合は、傷の修復を行わずにそのまま次の工程へ記録体20を送る。次の工程は記録体20の表面の初期状態によって異なり、初期状態が親液状態であれば画像形成手段11による画像形成が次工程となり、初期状態が撥液状態であれば親液処理が次工程となる。このように傷の具合を検知して、その状態に応じて傷修復処理及び親液処理の実施の有無を決定することにより、常に傷修復処理及び親液処理を行う場合に比べて、消費エネルギーの低減や接触材料の消費の抑制が可能となる。
【0088】
上記条件のもと、図18(A),図18(B)の構成で、傷の量に応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0089】
図19は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図19(A)は主走査方向を一度に検査するライン走査型の傷検知手段42で記録体20の表面の傷を検知し、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域に対しライン単位で傷修復を行い、その後親液処理を行う構成例を示し、図19(B)はシリアル走査型の傷検知手段42で記録体20の表面の傷を検知し、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域に対してのみ傷修復を行い、その後親液処理を行う構成例を示し、図19(C)は図19(A)を横方向から見た構成を概念的に示し、図19(D)は図19(B)を横から見た構成を概念的に示すものである。
【0090】
傷を検知する傷検知手段42は、実際に傷修復を行う傷修復手段40とはずれて配されているため、傷検知手段42は、検知した傷の座標を記憶して傷修復手段40に伝える機能が必要であり、一方、傷修復手段40は、傷検知手段42から検知された傷の座標情報を受け取った後、その傷が傷修復手段40に到達するまでに要する時間を求めて、正確に修復処理を実行する機能が必要である。傷修復処理の実行及び停止方法としては、傷修復手段40が有する加熱手段を常時加熱して、必要な場所のみ記録体20に接触させる方法と、修復を要する場所が傷修復手段40に到達したときにのみ、傷修復手段40が有する加熱手段を加熱する方法とが考えられ、前者は、後者に比べて処理速度が速いが、逆に消費エネルギーは高くなる。従って、どちらの方法を採用するかは装置の使用目的に応じて決めると良い。
【0091】
図19(A)と図19(B)の傷検知・修復方法において、処理速度を重視する場合は、図19(A)のように主走査方向を同時に検査して傷修復する方法が適しており、低消費電力を重視する場合は図19(B)のように傷検知手段42と傷修復手段40とを主走査方向に移動させて、必要な領域のみ傷修復手段40により記録体20を加熱する方法が適する。なお、図19(B)の方法においては、傷修復手段40は位置IからIIIに向かって走査した後、さらに位置IIIからIに向かって走査するが、記録体20の搬送は傷修復手段が位置I又はIIIの位置に達したときに行い、傷修復中には記録体20を停止させておくようにする方がより好ましく、これにより記録体20の表面と傷修復手段40が擦り合うことによる傷の発生を避けることができる。
【0092】
上記条件のもと、図19(A)〜図19(D)の構成で、傷の量と領域に応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0093】
図20は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図20(A)は主走査方向を一度に検査するライン走査型の傷検知手段42を用いて、印刷に用いる記録紙サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域をライン単位で傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図20(B)はシリアル走査型の傷検知手段42で、印刷に用いる記録紙サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみ傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図20(C)は図20(A)の構成に紙サイズ情報供給部43が加えられた例を示すものである。
【0094】
図20においては傷検知手段42が配されているが、傷の具合を検知せずに、記録紙のサイズに相当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。記録紙のサイズは、給紙ユニットが有する紙サイズ検知センサから求めても良いし、装置を利用する際に紙サイズを入力又は選択しても良い。また、傷修復の実行と停止方法は、請求項10の発明の実施の形態と同一とする。
図20(A)の方法は、処理速度は優れるが、主走査方向の加熱領域を変えることができないため、消費電力の低減を重視する場合は、図20(B)の方法が好適である。
【0095】
上記条件のもと、図20(A)〜図20(C)の構成で、傷の量と印刷に使用する紙のサイズに応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷が原因で発生するかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0096】
図21は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図21(A)は主走査方向を一度に検査するライン走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成手段によって書き込まれる画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域をライン単位で傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図21(B)はシリアル走査型の傷検知手段42で、画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみ傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図21(C)は図21(A)の構成に画像サイズ情報供給部44が加えられた例を示すものである。
【0097】
図21には、傷検知手段42が配されているが、記録体20の傷の具合を検知せずに、画像サイズに相当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。画像のサイズは、画像データのヘッダなどから求めても良いし、予め装置内のメモリに画像データを転送し、その際に画像サイズを求めても良い。また、傷修復の実行と停止方法は、請求項10の発明の実施の形態と同一とする。
図21(A)の方法は、処理速度は優れるが、主走査方向の加熱領域を変えることができないため、消費電力の低減を重視する場合は図21(B)の方法が好適である。
【0098】
上記条件のもと、図21(A)〜図21(C)の構成で、傷の量と形成する画像のサイズに応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0099】
図22は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図22(A)は主走査方向を一度に検査するライン走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成手段によって書き込まれる画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域を、サーマルヘッドを用いてライン単位で傷修復を行って、その後、親液処理を行う構成例を示し、図22(B)はシリアル走査型の傷検知手段42で、画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみサーマルヘッドにより傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図22(C)は図22(A)の構成に画像サイズ/紙サイズ情報供給部45が加えられた例を示すものである。
【0100】
図22には、傷検知手段42が配されているが、傷の具合を検知せずに、画像サイズや紙サイズに相当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。傷修復は、サーマルヘッドの発熱体素子をON/OFFすることにより行うが、加熱前にサーマルヘッド駆動データが必要である。従って、本実施形態においては、傷修復の座標データ又は、紙サイズデータ、又は画像データをもとに、それらの領域を含めた少し大き目の領域データを求め、加熱前のサーマルヘッドへ転送する手段を設ける。サーマルヘッドは、その解像度が150dpi〜600dpi程度のものが市販されており、利用できる。
【0101】
傷の修復処理や親液処理を液中加熱で行い、液がサーマルヘッドに接触する構成の場合、使用する液としては、非導電性で腐食性がなく、サーマルヘッドを傷めない材料を選択する必要がある。例としては油性液体が適し、オイルやインク溶剤、インクなども利用できる。また、記録体の裏側から加熱する場合は、サーマルヘッドの熱伝導を効率よくするために、記録体の厚みは数10μm以下であることが望ましく、10〜20μm程度であることがより望ましい。
本発明により傷修復領域を変えることが容易にでき、かつ、消費エネルギーを抑えて処理することが可能となる。
【0102】
上記条件のもと、図22(A)〜図22(C)の構成で、傷の量と形成する画像のサイズ、紙サイズに応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0103】
図23は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図23(A)〜図23(C)は記録体の例を示しており、図23(A)はレーザ光を吸収し、発熱する材料を含有する光吸収材料含有記録材料層22cと、PET等の耐熱性を有する樹脂フィルムや金属、紙等から成る基板21より構成される記録体の例、図23(B)は記録材料層22の下に光吸収材料層27と基板21を持つ記録体の例、図23(C)は光吸収材料を含有する光吸収材料含有基板21aの上に記録材料層22を持つ記録体の例を示し、図23(D)は主走査方向を一度に検査するライン走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成手段によって書き込まれる画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域を、レーザ光源を複数有するユニット(傷修復手段40)を用いてライン単位で傷修復を行った後、親液処理を行う構成例を示し、図23(E)はシリアル走査型の傷検知手段42で、画像サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみ傷修復手段40のレーザ光により傷修復を行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図23(F)は図23(C)の構成に画像サイズ/紙サイズ情報供給部45が加えられた例を示すものである。
【0104】
傷修復手段40のレーザ光源としては、レーザを照射した光吸収材の発熱温度が80℃以上となるものであれば良く、半導体レーザやガスレーザなど、数10mW〜数W程度の出力を有する光源であれば、どのような手段でも良い。またレーザ光の照射方法は、記録体20をドラムに固定して回転させながらレーザ光源をスキャンさせる方法や、回転するポリゴンミラーにレーザ光を当てて記録体20に照射する方法や、記録体20を搬送してレーザ光を記録体の搬送方向と垂直方向にスキャンさせて照射する方法などが用いられる。
【0105】
レーザ光を吸収して発熱させる光吸収層は、図23(A)のように光吸収材料含有記録材料層22cとして形成されていても良いし、図23(B)のように記録材料層22の下に光吸収層25として形成されていても良いし、また、図23(C)のように光吸収材料含有基板21aとして形成されていても良いが、記録材料層22(22a)表面への熱の伝達が良好となるような構成にすることが望ましい。従って、図23(A)の構成が最も低エネルギーで処理することができるため好ましいと言えるが、使用するインクと光吸収材との付着性や、光吸収材料の耐殺傷性などの影響を受けやすいため、記録材料の下や基板21に設ける方が現実的である。
本発明のようにレーザ光源を用いることにより、傷修復処理する領域を自由に変えることができ、また非接触で処理できるため、表面の傷が少ない良好な処理を行うことが可能となる。
【0106】
【0107】
上記条件のもと、図23(D)〜図23(F)の構成で、傷の量と形成する画像のサイズ、紙サイズに応じて傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び接触部材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0108】
図24は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図24(A)は表面からフィルム層26a、液層25a、記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例、図24(B)は表面からフィルム層26a、ゲル状材料層25b、記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例、図24(C)は表面から油性液膜層25c、記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例、図24(D)は表面からシリコーンゴム層25d、記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例を示すもので、各図においては、記録材料層22の上に、液層25a、ゲル状材料層25b、油性液膜層25c、シリコーンゴム層25dを接触材料層として各々有し、更に図24(A)、図24(B)においてはフィルム層26aを接触材料保持層として有するものである。
【0109】
図24(E)は上述した図24(A)〜図24(D)の構成を例とする接触材料層を有する記録体20の表面を加熱ローラ30cにて加熱して親液処理を行った後、上述したフィルム層26a等を用いてなる接触材料保持層26を除去して、画像形成を行う構成例を示し、図24(F)は接触材料層を有する記録体表面を面状ヒータ加熱手段30dにて加熱して親液処理を行った後、接触材料保持層26を除去して、画像形成を行う構成例を示すものである。
【0110】
フィルム層26aの材料としては、樹脂が最も適し、記録材料層22との接触性・密着性に優れるように鏡面で、こすりや引っ掻きに対して強く、記録材料層22を保護できる材料であればどのような材料であっても良く、例えば、PETやポリエステル、ポリイミド等の各種樹脂フィルムや、ウレタン、シリコーン等の各種ゴムなどが利用できる。
【0111】
記録材料層22の初期状態は撥液性であり、記録体20は接触材料層を記録材料層22の表面に保持した構成となっている。接触材料層は、液体や接触性に優れる固体の他、加熱すると液体となったり軟化する材料や、ゲル状及びペースト状の材料が主に用いられる。記録材料層22の表面の初期状態は親液状態でも良いが、傷が発生した場合には傷修復処理と親液処理を行うため、親液処理を重ねて行うことになり、余計なエネルギー消費をする。また、記録体の保存状態によって親液状態の程度がばらつくため、画像形成時の最適な書き込みが非常に難しく、親液状態の程度によって加熱過剰でかすれ気味となったり、加熱不足で地汚れ気味となる場合があり、このようなばらつきをなくすために使用直前に親液処理を行うことがより望ましい。本発明により、記録材料層22の表面に傷が生じにくく、安定した品質の画像書き込みが可能となる。
【0112】
【0113】
上記条件のもと、図24(E)、図24(F)の構成で親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0114】
本発明は、記録体20の記録材料層22に予め接触材料層を接触させて保持しておく図24の上記実施形態の構成において、この接触材料層として、インクに含有される溶剤又はビヒクルを用いることができる。本接触材料層の保持は、樹脂や金属、繊維などのフィルムや膜による接触材料保持層26と記録材料層22との間に接触材料を入れて、密封したり貼り合わせることで実行することができる。インクは、その溶剤の沸点が200〜300℃程度であるため保存性に優れ、また、記録材料層22の表面に残留してもインクへの悪影響は少ないため、非常に優れた接触材料となる。
【0115】
上記条件のもと、図24(E),図24(F)の構成で親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面に付着した接触部材除去の手間を低減させることができ、かつ、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0116】
図25は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図25(A)は表面側から、光吸収材料含有樹脂層26b、接触材料層25、表面が撥液性の記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例、図25(B)は表面側から、透光性樹脂層26c、光吸収材料含有ゲル状材料層25e、表面が撥液性の記録材料層22、基板21の順で構成される記録体20の例、図25(C)は表面から、シリコーンゴム層25d、表面が撥液性の光吸収材料含有記録材料層22c、基板21の順で構成される記録体20の例、図25(D)は表面から、フィルム層26a、接触材料層25、表面が撥液性の記録材料層22、光吸収材料含有基板21cの順で構成される記録体20の例、図25(E)は表面側から、フィルム層26a、接触材料層25、表面が撥液性の記録材料層22、光吸収材料層27、基板21の順で構成される記録体20の例、図25(F)は表面側から、油性液膜層25c、表面が撥液性の光吸収材料含有記録材料層22c、基板21の順で構成される記録体の例を示すものである。
【0117】
図25(G)は加熱ローラ30cにて接触材料層を有する記録体20の表面を加熱し、親液処理を行った後、表面のフィルム等の接触材料保持層26を除去して、レーザなどの非接触加熱方式による画像形成手段11により画像形成を行う構成例を示し、図25(H)は記録体20に含まれる光吸収材料が吸収する波長の光や、熱光線を発する光照射手段30a等により、接触材料層を有する記録体20を加熱して親液処理を行った後、表面のフィルム等の接触材料保持層26を除去して、レーザなどの非接触加熱方式による画像形成手段11により、画像形成を行う構成例を示すものである。
【0118】
記録体20に含まれる光吸収材料は、請求項5の発明の実施形態と同一のものを用い、また、記録体20に用いる接触材料の主材料としては、請求項15の発明の実施の形態と同一のものを用い、また、フィルムは、請求項15の発明の実施の形態のものと基本的に同一でよいが、透明で光の透過率の高い材料を用いることがより好ましい。本発明により親液処理、及び、画像書き込みを非接触で行うことができるため、より傷の入りにくい記録体とすることができる。
【0119】
【0120】
【0121】
上記条件のもと、図25(E),図25(F)の構成で親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の親液処理が記録体表面形状に依らず確実に行え、かつ、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0122】
本発明は、上記図25の実施形態で用いた記録体の中で、光吸収材料と接触材料層とを兼ねる材料として、インクを用いることができる。インクとは、カーボンなどの顔料と、溶媒若しくは溶剤等を含み、さらに画像形成プロセスに応じて樹脂や染料、分散剤、助剤、ドライヤー等を含有する液体を指すものである。撥液性の記録材料層22の表面を液と接触させた状態で加熱し、そのまま冷却するとその表面が親液性に変わるため、インクは親液処理時の接触材料として用いることができる。更に、記録材料層22の表面に接触材料としてのインクが付着していても、現像工程にて用いるインクを変質させることがなく、良好な画像を得ることができる。また、カーボンを含有するインクを用いた場合には、キセノンランプ等の光源を用いてインクを照射して加熱することにより、記録体の親液処理を記録体に非接触で行うことができ、より記録体表面への傷の発生を抑えることができる。
【0123】
上記条件のもと、図25(E),図25(F)の構成で親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面に付着した接触部材除去の手間が不要で、かつ、記録体表面の傷が原因で発生するかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0124】
図26は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図26(A)は親液性の記録材料層22の表面に、接触材料層として油などの表面エネルギーが低い極薄の液体層25fが形成された状態の記録体20の例、図26(B)は図26(A)に示す記録体20に対して加熱手段11aを用いて画像形成を行っている例、図26(C)は、インク70により記録体20を現像した状態の例を示すものである。
【0125】
記録体表面の液体層25fを画像情報に応じて加熱手段11aにて加熱し、加熱した部分の液体層25fを蒸発させるなどして除去することにより、加熱部分が空気中加熱されて撥液性状態に変わるため、インク70が付着しない領域となる。非加熱部分は元々親液性状態であるので、インク70が付着して画像が形成されることになる。
【0126】
記録体20の表面に形成する液体層25fは、記録体20の保存時に蒸発してしまわない液がよく、具体的には、保存温度が60℃以下で蒸発しない液で、より好ましくは80℃以下で蒸発しない液である方が良い。また、画像形成時の加熱において確実に蒸発するように、液層厚みは薄い方が良く、数μm以下の厚みの液層が形成可能な液で、望ましくは1μm以下の液層形成が可能な材料が良い。更に、インクの物性に対してできるだけ悪影響の少ない材料である必要がある。液体層25fとして使用できる液の例としては、油やインクの溶剤などが挙げられる。また、画像形成に用いる加熱手段11aとしては、サーマルヘッド等の接触方式で加熱するものや、レーザ光源などの非接触方式で加熱するものなど、どちらの方式も利用でき、システムに必要な仕様に応じて使い分けると良い。
【0127】
本実施形態のように親液性の記録材料層22の表面に液体層25fを設けることにより、記録体表面の潤滑性が増すため、外部から加わる圧力や擦りに対して傷が入りにくくなり、かすれの少ない高品質画像が得られるようになる。また、環境温度が高い場所で記録体20を保管した場合にも、記録体表面の親液性劣化が生じにくくなり、安定した品質の画像を得ることが可能となる。
【0128】
上記条件のもと、親液処理を行った後、図26のように、画像情報に応じて非画像部の接触部材保持層を加熱除去し、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。また、環境温度が60℃の場所で1日保存しても記録体表面の親液性の劣化は見られないことが確認できた。
【0129】
図27は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、基板21に対して記録材料を塗布し、加熱乾燥して記録材料層22を形成した後、記録材料層22の表面の温度が親液処理する温度よりも高い間に、樹脂液、フィルム、低融点の粉末、もしくは油性液体等を記録材料層22の表面にコート又は付着させて、記録材料層22の表面に傷や親液性劣化に対する保護層28を形成し、記録体20とするものである。画像形成時には、予め保護層28を剥離又は除去する。
【0130】
基板21としては、10〜250μm厚みの樹脂フィルムが利用しやすく、望ましくは50〜200μm程度のものが良い。基板21の厚さが薄いと加熱乾燥及び画像形成時に変形しやすく、また印刷時に伸びを生じやすいが、一方、厚すぎるとしなやかさが低下するのでドラムに対しての密着性が低下し、またロール状とした時に嵩張るため、基板21の厚みは装置形状等に応じて決定すると良い。基板21の材料としては、PETやポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アルミニウム、合成紙、ゴム、紙など、耐熱性があり、フィルム強度の優れる材料であればどのような材料でも良い。
【0131】
加熱乾燥手段61は、オーブンや熱風送風装置、熱光線源など、非接触で加熱できる手段を用いると、記録材料塗布面を直接加熱できるため効率が良く望ましいが、基板21の裏側に熱ローラを接触して加熱する構成としても良い。
保護層28となる材料は、親液処理における接触材料と兼ねるため、記録材料層22の表面との密着性に優れる必要があり、かつ、保護層として脱落せず、また、蒸発しにくい物性を有する必要がある。しかし、材料の形態は特に制限されるものではなく、液体や固体、粉体などを用いることができる。例としては、シリコーンゴムなどの熱架橋性のゴムや、ポリビニルアルコールなどの接着剤の材料や、ワックスなどの低融点材料や、油やインク溶剤などの液などが挙げられる。
【0132】
上記条件のもと、図27の構成で記録材料層を形成し、保護層形成と同時に親液処理を行った記録体を用い、保護層を除去してから画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。また、親液処理に要するエネルギー量を抑えることが可能となった。
【0133】
図28及び図29は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図28は、記録体ドラムを有するオフセット転写構成で、温度制御ユニット46,環境温度検知ユニット47を用いて、傷修復手段40,親液処理手段30の加熱温度制御を行う画像形成装置要部を示し、図29は、記録体保持ドラム15の内部より記録体20を供給する構成で、温度制御ユニット46,環境温度検知ユニット47を用いて、傷修復/親液処理手段50の加熱温度制御を行う画像形成装置の例を示すものである。
【0134】
環境温度検知ユニット47は、サーミスタや熱電対、測温抵抗体、温度計測用ICなどの素子を用いて環境温度を計測し、素子の出力信号を増幅してアナログ処理したり、A/D変換によりデジタル信号で処理して、傷修復手段40と親液処理手段30,又は傷修復/親液処理手段50が有する加熱手段への供給エネルギーを調整し、加熱温度制御を行う。温度計測の対象は、装置外装部や装置内部、傷修復手段40の加熱部材や親液処理手段30の接触材料が挙げられ(傷修復/親液処理手段50においても同様)、画像形成手段11が接触加熱方式である場合は、この画像形成手段11などが挙げられる。また、各加熱手段へのエネルギー供給量は、それぞれの温度測定結果をもとに決定する。
【0135】
傷修復処理温度、親液処理温度、及び画像形成温度は、環境温度によって変化しやすく、以下のような条件で各温度を制御する必要がある。
傷修復温度においては、低すぎると、記録材料層22が溶融又は軟化しないため傷の修復がなされず、逆に高すぎると記録材料層22が分解又は変質してしまう。傷修復温度の適正な温度範囲は、記録材料の成分により異なるが、80〜160℃程度であり、より望ましくは80〜130℃が良い。
親液処理温度においては、低すぎると記録材料層22の表面の状態が撥液性から親液性へ変化せず、逆に高すぎると親液性の度合いが強くなりすぎ、画像形成時に親液性から撥液性に変えるために多くのエネルギーが必要となる。親液処理温度の適正な温度範囲は記録材料の成分により異なるが、70〜140℃程度であり、より望ましくは80〜120℃が良い。
画像形成温度においては、低すぎると記録材料層22の表面の状態が親液性から撥液性へ変化しないため、現像時に多くの地汚れが発生し、逆に高すぎると非画像領域以外に画像領域をも加熱され、現像した画像がかすれたものとなる。
【0136】
上記条件のもと、図28、図29の構成で、装置各部に配置したサーミスタ出力信号をもとに制御ユニット内のMPUにて演算処理し、傷修復手段と親液処理手段の温度制御を行った結果、環境温度の影響を受け難く、印刷品質が安定し、かすれのない高品質な画像を得られることが確認できた。
【0137】
図30は、本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図30(A)は記録材料塗布手段60により基板21に対して記録材料を塗布し、加熱乾燥手段61にて加熱乾燥して記録材料層22を形成した後、記録体表面の温度が親液処理温度よりも高い間に、親液処理手段30の接触材料を記録材料層22の表面に接触させて親液処理し、その後画像形成手段へ搬送する構成例を示し、図30(B)は記録材料塗布手段60により基板21に対して記録材料を塗布し、加熱乾燥手段61にて加熱乾燥して記録材料層22を形成した後、親液処理手段30で記録体表面に接触材料を接触させた状態で加熱手段30bにより加熱して親液処理した後、画像形成手段へ搬送する構成例を示すものである。
【0138】
本実施形態のごとく、装置内で記録体20を作製することにより、記録体表面に傷がつくことがないため、かすれの無い画像を得ることが可能となる。なお、本実施形態に用いる基板21は、基本的に請求項20の発明の実施形態のものと同一であるが、予め記録材料層22を形成した記録体を用いても良く、その場合は使用済みの記録体や、低価格の厚みの薄いフィルム等を用いることができる。図30(A)のように、記録材料乾燥のための加熱と、親液処理のための加熱を加熱乾燥手段61にて兼ねることにより、装置の消費エネルギーを抑えることが可能となる。また、図30(B)の構成とすると、記録材料層塗布手段60及び加熱乾燥手段61から親液処理手段30までの間隔を離すことができるため、装置構成の自由度を増すことが可能となる。また、加熱乾燥手段61は、請求項20の発明の実施形態のものと同一とする。
【0139】
上記条件のもと、図30の構成で記録材料層を形成した後、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0140】
図31は本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、図31(A)は記録体20の表面に加熱ローラ40aを接触させて加熱した後、熱光線照射源40bにより熱光線を照射して記録体20を非接触で加熱し、記録体表面の傷修復を行う装置構成の例を示し、図31(B)は傷検知手段42より得られる記録材料層22の傷の情報に基づき、サーマルヘッド40cによる傷修復と、加熱ローラ40aによる傷修復を使い分ける装置の例を示すものである。
【0141】
図31(A)のように、高温の加熱ローラ40aを記録材料層22の表面に直接接触させると、記録材料層22が瞬時にかつ確実に加熱されて傷の修復がなされるが、記録体20と加熱ローラ40aが離れる際に、記録材料層22の表面の平滑性が劣化する可能性があるため、更に熱光線照射源40bにより非接触で記録体20を加熱し、表面を平滑にして画像形成手段に搬送する。
【0142】
図31(B)の場合は、記録材料層22の傷の状態がわずかな状態ではサーマルヘッド40cによって傷修復を行い、傷が広い領域に存在する時は加熱ローラ40aで傷修復を行う方法や、傷が深い領域のみサーマルヘッド40cと加熱ローラ40aによって傷修復を行い、傷が浅い領域は加熱ローラ40aで傷修復を行う方法を使い分けることが可能となる。以上のように、複数の傷修復機能を使うことによって、より確実で、効率的に傷の修復を行うことが可能となる。
【0143】
(実施例23)
【0144】
上記条件のもと、図31(A)の構成で最初に加熱ローラを接触して傷修復を行った後、キセノンランプにて記録体表面の凹凸をより平滑になるよう処理した結果、記録体表面の傷が大幅に減少し、記録体表面の傷によるかすれのない高品質な印刷画像を得ることができた。
また、図31(B)の構成で、画像サイズや使用する紙サイズなどの情報をもとに加熱範囲を求め、面積に応じてサーマルヘッドと加熱ローラを使い分けて傷修復を行うことにより、より信頼性が高く効率的な傷修復を行うことができるようになった。
【0145】
【発明の効果】
請求項1の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、また、記録体の傷を修復する傷修復手段を備えたことにより、記録体をより有効に利用でき、画質を向上させることができる。さらに記録体の傷を検知する傷検知手段を備えたことにより、傷修復を効率的に行うことが可能になり、傷検知手段の検知結果に応じて傷修復処理領域を変えることにより、記録体の状態によって傷修復の工程を省くことが可能になる。
請求項2の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、また、記録体の傷を修復する傷修復手段を備えたことにより、記録体をより有効に利用でき、画質を向上させることができる。さらに、画像を印刷する紙サイズに応じて傷検知を行うことにより、傷修復の負荷を低減することが可能になる。
請求項3の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、また、記録体の傷を修復する傷修復手段を備えたことにより、記録体をより有効に利用でき、画質を向上させることができる。さらに、形成する画像サイズに応じて傷検知を行うことにより、傷修復の負荷を低減することが可能になる。
請求項4の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、また、記録体に予め接触材料を保持させておくことにより、画質が安定し、かすれた画像を減少させることができる。さらに記録体に保持させておく接触材料として加熱により除去される材料を用い、画像形成手段にて必要領域を加熱することにより、プロセスをシンプルにすることができる。
請求項5の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、さらに装置内で記録体に記録材料層を形成し、さらにその上に保護層を形成することにより、使用する記録体の製造コストを低減することができる。
請求項6の発明は、画像形成手段に対し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことにより、印刷画像品質を安定させることができ、また、複数の傷修正部を有することにより、画質が向上し、傷が原因で発生する印刷結果のかすれをより減少させることができる。
請求項7の発明は、傷修復機能と親液処理機能とを兼ね備えた傷修復/親液処理手段を備えたことにより、シンプルな構成で消費エネルギーを低減させることができる。
請求項8の発明は、親液処理に際して記録体に接触させる接触材料として画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることにより、プロセスがシンプルになり、画質を向上させることができる。
請求項9の発明は、接触材料として光吸収材料を含有する材料を用いることにより、傷修復の信頼性が増し、画質を向上させることができる。
【0146】
請求項10の発明は、接触材料として光吸収材料含有インクを用いることにより、プロセスがよりシンプルになり、画質を向上させることができる。
請求項11の発明は、接触材料としてシリコーン樹脂を用いることにより、プロセスがよりシンプルになり、ランニングコストを低減させることができる。
請求項12の発明は、画像形成装置内において記録体の記録材料層を塗布することにより、傷が原因で発生する印刷結果のかすれを減少させることができる。
請求項13の発明は、記録体の傷を検知する傷検知手段を備えたことにより、傷修復を効率的に行うことが可能になる。
【0147】
請求項14の発明は、サーマルヘッドを用いて傷修復を行うことにより、傷修復を低消費エネルギーで行うことが可能となる。
請求項15の発明は、光吸収材料を記録体及び/又は接触材料に含有させて、レーザ光を照射して発熱させることにより、傷が原因で発生する印刷結果のかすれを減少させることができる。
請求項16の発明は、記録体に予め接触材料を保持させておくことにより、画質が安定し、かすれた画像を減少させることができる。
【0148】
請求項17の発明は、記録体に保持させておく接触材料として画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることにより、プロセスがシンプルになり、画質を向上させることができる。
請求項18の発明は、記録体に保持させておく接触材料として光吸収材料を含有する材料を用いることにより、傷が原因で発生する印刷結果のかすれを減少させることができる。
請求項19の発明は、記録体に保持させておく接触材料として、光吸収材料含有インクを用いることにより、プロセスがシンプルになり、画質を向上させることができる。
【0149】
請求項20の発明は、所定の測定点における環境温度に応じて傷修復及び/又は親液処理の加熱温度を変えることにより、画質の安定かつ向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像形成装置の一例を説明するための図である。
【図2】 本発明による画像形成装置の他の例を説明するための図である。
【図3】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図4】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図5】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図6】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図7】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図8】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図9】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図10】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図11】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図12】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図13】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図14】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図15】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図16】 本発明による画像形成装置の更に他の一例を説明するための図である。
【図17】 本発明による画像形成装置の更に他の一例を説明するための図である。
【図18】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図19】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図20】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図21】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図22】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図23】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図24】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図25】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図26】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図27】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図28】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図29】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図30】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図31】 本発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図である。
【図32】 本発明者等が先に提案した記録体への画像形成方法を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
10…画像形成装置、11…画像形成手段、11a…加熱手段、12…記録体表面状態検知手段、13…加圧ローラ、14…中間転写体、15…記録体保持ドラム、16…印刷物搬送手段、17…使用済み記録体容器、18…インキングローラ、19…記録紙、19′…印刷済記録紙、20…記録体、20r…記録体20が巻回された記録体ロール、21…基板、21a…光吸収材料含有基板、22…記録材料層、22a…予め記録体に保持されている記録材料層、22b…新しい記録材料層、22c…光吸収材料含有記録材料層、23…カーボン含有インク層、24…インク担持フィルム、25…光吸収層、25a…液層、25b…ゲル状材料層、25c…油性液膜層、25d…シリコーンゴム層、25e…光吸収材料含有ゲル状材料層、25f…液体層、26…接触材料保持層、26a…フィルム層、26b…光吸収材料含有樹脂層、26c…透光性樹脂層、27…光吸収材料層、28…保護層、30…親液処理手段、30a…光照射手段、30b…加熱手段、30c…加熱ローラ、30d…面状ヒータ加熱手段、31…拭き取りローラ、32…現像手段、33…クリーニングローラ、34…転写ローラ、35…拭き取りローラ、40…傷修復手段、40a…加熱ローラ、40b…熱光線照射源、40c…サーマルヘッド、41…傷修正判断部、42…傷検知手段、43…紙サイズ情報供給部、44…画像サイズ情報供給部、45…画像サイズ/紙サイズ情報供給部、46…温度制御ユニット、47…環境温度検知ユニット、50…傷修復/親液処理手段、50a…光照射手段、50b…加熱手段、50c…インクローラ、51…加圧手段、52…加熱源を備えたインクローラ、53…加熱手段、54…インクローラ、55…光照射手段、56…加圧ローラ、57…加熱源を備えたシリコーンゴムローラ、58…シリコーンゴムローラ、60…記録材料塗布手段、60a…ブレード、61…加熱乾燥手段、70…インク。
Claims (20)
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段と、前記記録体表面の傷を検知する傷検知手段とを有し、該傷検知手段による検知結果に基づいて前記傷修復手段による傷修復を行う画像形成装置において、前記傷修復手段は、前記傷検知手段により検知された傷の位置に応じて傷修復のための処理領域を変えることを特徴とする画像形成装置。
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は、形成した画像を印刷する紙のサイズに応じて処理領域を変えることを特徴とする画像形成装置。
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は、形成する画像サイズに応じて処理領域を変えることを特徴とする画像形成装置。
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領 域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段とを有し、前記画像形成手段に対し、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を供給可能とした画像形成装置であって、前記記録体として予め前記接触材料を保持する記録体を用い、前記親液処理手段は、前記記録体に予め保持された接触材料の作用により前記親液処理を行う画像形成装置において、前記接触材料として、加熱により前記記録体から除去される材料を用い、前記画像形成手段は、前記記録体が保持した接触材料の必要領域を加熱して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に対し、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を供給可能とした画像形成装置において、該画像形成装置は、前記記録体を構成する基板に記録材料を塗布して表面を加熱することにより該基板に記録材料層を形成する記録材料層形成手段と、該記録材料層形成手段にて加熱された前記記録材料層の表面温度が所定のレベル以上にある状態で前記記録材料層の上に保護層を形成する保護層形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 加熱状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手段により処理された前記記録材料層の必要領域を画像情報に応じて液体又は固体と接触させることなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態とし、該撥液性状態の領域にインクを付着させないようにして該インクにより画像を形成する画像形成手段と、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を前記画像形成装置に供給するために前記記録材料層表面の傷を修復する傷修復手段とを有する画像形成装置において、前記傷修復手段は、複数の異なる加熱方式の傷修正部を選択的に前記記録材料層に作用させて傷を修正可能としたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段の機能と前記親液処理手段との機能とが同一の要素により実行されるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料として画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料として光吸収材料を含有する材料を用いることを特徴とする面像形成装置。
- 請求項9に記載の画像形成装置において、前記接触材料として光吸収材料含有インクを用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触材料としてシリコーン樹脂を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体を構成する基板の表面に記録材料を塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された記録材料の表面を加熱する加熱手段とを有し、該加熱手段による加熱処理を経た前記記録体を前記親液処理手段により処理することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体表面の傷を検知する傷検知手段を有し、該傷検知手段による検知結果に基づいて前記傷修復手段による傷修復を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段は、サーマルヘッドを用いて記録体を加熱することにより傷修復を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体及び/又は前記接触材料に光吸収材料を含有させ、前記修復手段は、レーザ光源を用いて、該光吸収材料を発熱させることにより傷修復を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録体として予め前記接触材料を保持する記録体を用い、前記親液処理手段は、前記記録体に予め保持された接触材料の作用により前記親液処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項16に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、画像形成に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項16又は17に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、光吸収材料を含有する材料を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項18に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、光吸収材料含有インクを用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至3,6乃至19のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前記親液処理手段は加熱手段を有し、所定の測定点における環境温度に応じて前記加熱手段の加熱温度を変えることを特徴とする画像形成装置。
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