JP2000158783A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2000158783A
JP2000158783A JP10333619A JP33361998A JP2000158783A JP 2000158783 A JP2000158783 A JP 2000158783A JP 10333619 A JP10333619 A JP 10333619A JP 33361998 A JP33361998 A JP 33361998A JP 2000158783 A JP2000158783 A JP 2000158783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
forming apparatus
recording
flaw
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10333619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3638454B2 (ja
Inventor
Minoru Morikawa
穣 森川
Yasuo Katano
泰男 片野
Takashi Hara
敬 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP33361998A priority Critical patent/JP3638454B2/ja
Publication of JP2000158783A publication Critical patent/JP2000158783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3638454B2 publication Critical patent/JP3638454B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Duplication Or Marking (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に画質低下の原因となる傷のない記録体
を画像形成手段に対して供給可能とする。 【解決手段】 記録体20は、画像形成手段11にて画
像(潜像)が形成され、現像手段32で現像して記録紙
19に転写する。傷修復手段40は記録体20を加熱し
て、記録体の傷を修復する。加熱された記録体表面は撥
液性であるため、親液処理手段30にて、液体(または
固体)と接触させた状態で加熱して親液状態とし、画像
形成手段11へ送る。これにより、画像形成手段11に
は、常に表面に傷のない記録体20を送ることができ、
画質を安定させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置、よ
り詳細には、画像形成に用いる記録体における傷を検知
し、修復する手段を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図32は、本発明者等が先に提案した記
録体への画像形成方法を説明するための概略構成図で、
特開平8−276663号公報に開示された構成を示す
図である。図32において、11は画像形成手段、19
は記録紙、20は記録体、30は親液処理手段、31は
拭き取りローラ、32は現像手段、33はクリーニング
ローラ、34は転写ローラである。従来の方法は、表面
が親液状態の記録体20を画像形成手段11に搬送して
潜像の画像を形成し、その後、現像手段32でインクに
より現像を行い、記録紙19へのインク転写を行うもの
である。しかし、本発明者等が鋭意研究を行った結果、
親液状態である記録体20の表面に傷が形成されると、
記録体20の表面へのインク付着性が大幅に低下し、そ
の結果白抜けが発生して印刷により得られる画像品質が
著しく低下することが確認された。従来の方法では、記
録体20へ画像形成を行う前の段階で、記録体20の表
面に生じた傷に対する対策を行わないため、表面に傷を
生じた記録体20を装置に装着した場合、若しくは記録
体20の装着後に表面に傷が形成された場合、現像した
ときに傷の部分が白抜けとなり、印刷物の画像品質が著
しく低下することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたもので、表面に画質低下の原因
となる傷のない記録体を画像形成手段に対して供給可能
な画像形成装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】各請求項に対応する発明の目的を以下に示
す。請求項1の発明は、記録体表面の傷による白抜けを
低減させ、印刷の画質劣化を抑制することを目的とす
る。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の画像形成装
置において、記録体を有効に利用可能とすることを目的
とする。
【0006】請求項3の発明は、請求項2の画像形成装
置において、シンプルな構成で消費エネルギーを低滅さ
せることを目的とする。
【0007】請求項4の発明は、請求項2又は3の画像
形成装置において、接触材料によるインク及び記録体上
の画像品質に対する悪影響を低減させることを目的とす
る。
【0008】請求項5の発明は、請求項2又は3の画像
形成装置において、記録体表面の傷修復及び/又は親液
処理を記録体表面に対し非接触で行うことを目的とす
る。
【0009】請求項6の発明は、請求項5の画像形成装
置において、接触部材によるインク及び記録体上の画像
品質に対する悪影響をなくすことを目的とする。
【0010】請求項7の発明は、請求項2又は3の画像
形成装置において、構成がシンプルで、接触材料の補充
や交換頻度を大幅に低減させることを目的とする。
【0011】請求項8の発明は、請求項2の画像形成装
置において、表面の傷が深い記録体でも利用可能とする
ことを目的とする。
【0012】請求項9の発明は、請求項2乃至8の画像
形成装置において、傷のない記録体の場合には修復処理
を省略してエネルギーや部材消費を抑制可能とすること
を目的とする。
【0013】請求項10の発明は、請求項9の画像形成
装置において、傷の少ない記録体の場合には修復処理に
要する負荷を大幅に低減させることを目的とする。
【0014】請求項11の発明は、請求項2乃至10の
画像形成装置において、小サイズの紙に印刷する際に、
傷の修復及び/又は親液処理に要する負荷を低減させる
ことを目的とする。
【0015】請求項12の発明は、請求項2乃至11の
画像形成装置において、より効率的に傷修復及び/又は
親液処理を行うことを目的とする。
【0016】請求項13の発明は、請求項10乃至12
の画像形成装置において、傷修復場所や領域の変更を容
易に実行できるようにすることを目的とする。
【0017】請求項14の発明は、請求項10乃至12
の画像形成装置において、記録体表面に新たな傷を与え
ずに動作可能とすることを目的とする。
【0018】請求項15の発明は、請求項1の画像形成
装置において、傷が発生しにくく、かつ、安定した親液
状態が得られるようにすることを目的とする。
【0019】請求項16の発明は、請求項15の画像形
成装置において、接触材料によるインクへの悪影響を低
減させることを目的とする。
【0020】請求項17の発明は、請求項15又は16
の画像形成装置において、親液処理を記録体表面に非接
触で行なうことを目的とする。
【0021】請求項18の発明は、請求項17の画像形
成装置において、接触材料によるインク及び記録体上の
画像品質に対する悪影響をなくすことを目的とする。
【0022】請求項19の発明は、請求項15乃至18
の画像形成装置において、プロセスをシンプルとするこ
とを目的とする。
【0023】請求項20の発明は、請求項1の画像形成
装置において、使用する記録体の作成エネルギーを低減
することを目的とする。
【0024】請求項21の発明は、請求項2乃至18の
画像形成装置において、傷修復及び親液処理の安定性、
信頼性を向上させることを目的とする。
【0025】請求項22の発明は、請求項1の画像形成
装置において、必要な印刷品質、枚数に応じて、厚みや
表面の異なる記録体を作成でき、記録体を有効に使用す
ることができるようにすることを目的とする。
【0026】請求項23の発明は、請求項1乃至22の
画像形成装置において、画像形成手段へ供給する記録体
表面の傷をより低減させることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、加熱
状態で液体及び/又は固体と接触させたときに後退接触
角が低下して親液性状態が得られ、かつ液体又は固体と
接触させることなく加熱したときに後退接触角が増大し
て撥液性状態が得られる記録材料層を有する記録体を用
い、液体及び/又は固体から選ばれる接触材料に前記記
録材料層を接触させた状態で加熱するか、若しくは前記
記録材料層の表面が加熱された状態で該記録材料層に液
体及び/又は固体から選ばれてなる接触材料を接触させ
ることにより前記記録材料層の表面を前記親液性状態と
する親液処理手段と、該親液処理手段により処理された
前記記録材料層の必要領域を液体又は固体と接触させる
ことなく加熱することにより前記記録材料層の前記必要
領域を前記撥液性状態として画像を形成する画像形成手
段とを有する画像形成装置において、前記画像形成手段
に対し、前記材料層の表面に傷のない前記記録体を供給
可能としたことを特徴としたものである。
【0028】請求項2の発明は、請求項1に記載の画像
形成装置において、前記記録材料層の表面に傷のない前
記記録体を供給する手段として、該記録材料層表面の傷
を修復する傷修復手段を有することを特徴としたもので
ある。
【0029】請求項3の発明は、請求項2に記載の画像
形成装置において、前記傷修復手段の機能と前記親液処
理手段との機能とが同一の要素により実行されるように
したことを特徴としたものである。
【0030】請求項4の発明は、請求項2又は3に記載
の画像形成装置において、該接触部材としてインクが含
有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴とし
たものである。
【0031】請求項5の発明は、請求項2又は3に記載
の画像形成装置において、該接触部材として光吸収材料
を有する部材を用いることを特徴としたものである。
【0032】請求項6の発明は、請求項5に記載の画像
形成装置において、該接触部材としてインクを用いるこ
とを特徴としたものである。
【0033】請求項7の発明は、請求項2又は3に記載
の画像形成装置において、該接触部材としてシリコーン
樹脂を用いることを特徴としたものである。
【0034】請求項8の発明は、請求項2に記載の画像
形成装置において、前記記録体を構成する基板の表面に
記録材料を塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布され
た記録材料の表面を加熱する加熱手段とを有し、該加熱
手段による加熱処理を経た前記記録体を前記親液処理手
段により処理することを特徴としたものである。
【0035】請求項9の発明は、請求項2乃至8のいず
れか1に記載の画像形成装置において、前記記録体表面
の傷を検知する傷検知手段を有し、該傷検知手段による
検知結果に基づいて前記傷修復手段による傷修復を行う
ことを特徴としたものである。
【0036】請求項10の発明は、請求項9に記載の画
像形成装置において、前記傷修復手段は、前記傷検知手
段により検知された傷の位置に応じて傷修復のための処
理領域を変えることを特徴としたものである。
【0037】請求項11の発明は、請求項2乃至10の
いずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復
手段及び/又は前記親液処理手段は、形成した画像を印
刷する紙のサイズに応じて処理領域を変えることを特徴
としたものである。
【0038】請求項12の発明は、請求項2乃至11の
いずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復
手段及び/又は前記親液処理手段は、形成する画像サイ
ズに応じて処理領域を変えることを特徴としたものであ
る。
【0039】請求項13の発明は、請求項10乃至12
のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修
復手段は、サーマルヘッドを用いて加熱することにより
傷修復を行うことを特徴としたものである。
【0040】請求項14の発明は、請求項10乃至12
のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記記録
体及び/又は前記接触材料に光吸収材料を含有させ、前
記傷修復手段は、レーザ光源を用いて、該光吸収材料を
発熱させることにより傷修復を行うことを特徴としたも
のである。
【0041】請求項15の発明は、請求項1に記載の画
像形成装置において、前記記録体として予め接触材料を
保持する記録体を用い、前記親液処理手段は、前記記録
体に予め保持された接触材料の作用により前記親液処理
を行うことを特徴としたものである。
【0042】請求項16の発明は、請求項15に記載の
画像形成装置において、前記接触材料として、画像形成
に用いるインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用
いることを特徴としたものである。
【0043】請求項17の発明は、請求項15又は16
に記載の画像形成装置において、前記接触材料として、
光吸収材料を含有する材料を用いることをを特徴とした
ものである。
【0044】請求項18の発明は、請求項17に記載の
画像形成装置において、前記接触材料として、光吸収材
料含有インクを用いることを特徴としたものである。
【0045】請求項19の発明は、請求項15乃至18
のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記接触
材料として、加熱により前記記録体から除去される材料
を用い、前記画像形成手段は、前記記録体が保持した接
触材料の必要領域を加熱して画像を形成することを特徴
としたものである。
【0046】請求項20の発明は、請求項1に記載の画
像形成装置において、前記記録体を構成する基板に記録
材料を塗布して表面を加熱することにより該基板に記録
材料層を形成する記録材料層形成手段と、該記録材料層
形成手段にて加熱された前記記録材料層の表面温度が所
定のレベル以上にある状態で前記記録材料層の上に保護
層を形成する保持層形成手段とを有することを特徴とし
たものである。
【0047】請求項21の発明は、請求項2乃至18の
いずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復
手段及び/又は前記親液処理手段は、所定の測定点にお
ける環境温度に応じて加熱温度を変えることを特徴とし
たものである。
【0048】請求項22の発明は、請求項1に記載の画
像形成装置において、前記記録体を基板に記録材料を塗
布して表面を加熱することにより該基板に記録材料層を
形成する記録材料層形成手段を有することを特徴とした
ものである。
【0049】請求項23の発明は、請求項1乃至22の
いずれか1に記載の画像形成装置において、前記傷修復
手段は、複数の異なる方式の傷修正部を選択的に前記記
録材料層に作用させて傷を修正可能としたことを特徴と
したものである。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による画像形成装
置の実施の形態を添付された図面を参照して具体的に説
明する。なお、実施の形態を説明するための全図におい
て、同様の機能を有する部分には同じ符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0051】[請求項1の発明の説明]図1は、請求項
1の発明による画像形成装置の一例を説明するための図
で、図中、10は画像形成装置、11は画像形成手段、
12は記録体表面状態検知手段、13は加圧ローラ、1
4は中間転写体、15は記録体保持ドラム、16は印刷
物搬送手段、17は使用済み記録体容器、18はインキ
ングローラ、19は記録紙、19′は印刷済記録紙、2
0は記録体、20rは記録体20が巻回された記録体ロ
ールで、記録体ロール20rから巻き出した記録体20
を1回分ずつ切断し、記録体保持ドラム15に供給する
オフセット印刷構成の画像形成装置を示すものである。
図2は、請求項1の発明による画像形成装置の他の例を
説明するための図で、シート状の記録体20を記録体保
持ドラム15に供給するオフセット印刷構成の画像形成
装置を示すものである。図3は、請求項1の発明による
画像形成装置の更に他の例を説明するための図で、記録
体保持ドラム15の内部より記録体20を供給する画像
形成装置を示すものである。
【0052】本発明は、画像形成手段11に対して、表
面に傷の無い記録体20を供給する手段を有する画像形
成装置に関するものである。ここで言う傷の無い記録体
とは、表面に印刷画質に影響を及ぼす傷が無い記録体を
意味するものであり、以下、このような記録体を画像形
成手段11に供給する手段を、無傷記録体供給手段とす
る。
【0053】無傷記録体供給手段は、画像形成手段11
に対して傷の無い記録体20を供給する機能を有してい
れば、どのような構成であっても良く、本実施形態にお
ける無傷記録体供給手段は、記録体表面状態検知手段1
2により記録体20の表面の状態を検知して、傷等の欠
陥が多い記録体を画像形成に使用せずに排除することに
よって、画像形成手段11へ傷の無い記録体20を供給
するものである。
【0054】記録体20の表面状態の検知方式は、接触
式でも非接触式でも良いが、記録体20に新たな傷を形
成しないようにするために、非接触式である方がより望
ましい。非接触式の検知方式としては、記録体20に光
を照射し、透過光を検知する方式や、反射光を検知する
方式等が用いられる。光を照射した際に、記録体20の
表面に多数の傷があると光が散乱するため、検知する光
量が減少する。この減少量をもとに記録体20を画像形
成に使用するか否かを判断する。なお、記録体20に有
色のフィルムを重ねて光量を測定することにより、光量
オーバによる測定不能を避けることができ、より望まし
い。
【0055】 (実施例1) ・記録体:材 料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:PETフィルムロール (250mm×50mm、100μm厚)…図1 基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (220×350mm、180μm厚)…図2 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚)…図3
【0056】・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/
(抵抗値:3000Ω、パルス幅:0.5ms、印加電
圧:16V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度50)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:透過式濃度測定手段
【0057】上記条件のもと、図1ないし図3の各構成
で、表面が親液性状態の記録体表面を記録体表面状態検
知手段にて検査し、傷や塵埃付着が少ない記録体に対し
てのみ画像形成し印刷を行った結果、かすれのない高品
質な画像が得られることを確認した。
【0058】
【表1】
【0059】[請求項2の発明の説明]図4は、請求項
2の発明による画像形成装置の一例を説明するための図
で、図中、30は親液処理手段、31は拭き取りロー
ラ、32は現像手段、33はクリーニングローラ、34
は転写ローラで、直接転写構成でシームレス状の記録体
20を用いた画像形成装置要部の例を示すものである。
図5は、請求項2の発明による画像形成装置の他を説明
するための図で、図中、35は拭き取りローラで、ドラ
ム形状の記録体20を持ったオフセット転写構成の画像
形成装置要部を示すものである。図6は、請求項2の発
明による画像形成装置の更に他の例を説明するための図
で、記録体ロール20rから1回分ずつ記録体20を記
録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成の画
像形成装置を示すものである。図7は、請求項2の発明
による画像形成装置の更に他の例を説明するための図
で、図中、40は傷修復手段で、シート状の記録体20
を記録体保持ドラム15に供給するオフセット転写構成
の画像形成装置を示すものである。図8は、請求項2の
発明による画像形成装置の更に他の例を説明するための
図で、オフセット転写構成で、記録体保持ドラム15の
内部より記録体を供給する画像形成装置を示すものであ
る。
【0060】請求項2の発明における無傷記録体供給手
段は、記録体20の表面に形成された傷の状態を傷修復
手段40により改善するものである。記録体20の表面
の傷を改善する方法としては、傷を加熱することにより
記録体20が有する記録材料層を軟化或いは溶融させ
て、記録体20の表面をリフレッシュさせる方法が用い
られる。加熱方式としては、キセノンランプなどによる
熱光線の照射、熱風の吹き付け、もしくはヒータの近接
配置等の非接触加熱方式や、ヒータや熱ローラなどによ
る接触加熱方式のいずれも利用することができる。ただ
し、接触加熱方式は、記録体20の表面を加熱した際に
記録材料が加熱手段へ付着する可能性があるため、記録
体20の裏側から加熱する方が望ましい。そして、傷修
復のための加熱後は、記録体20の表面が撥液性状態で
あるため、画像形成を行う前に、親液処理手段30にて
記録体20の表面を液体に接触させた状態で加熱を行う
などして、記録体表面を親液性状態に変える必要があ
る。
【0061】上述のごとくの構成で、装置内にて記録体
20の傷の修復を行うことにより、装置に装着した記録
体20を無駄なく使用することができる。また、記録体
20の保存時の衝撃に対する許容度を高めることが可能
となる。更に、記録体20の表面の初期状態を撥液性状
態とすることができるため、記録体20の保存環境温度
が高い場合でも、記録体20を使用することが可能とな
り、信頼性、安定性がより向上する。
【0062】 (実施例2) ・記録体:材 料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ポリイミドシームレスフィルム (250×600mm、100μm厚)…図4 基板:直径180mmのアルミニウムドラム+1μm厚カーボン 層(光吸収層)…図5 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×50m、100μm厚)…図6 基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、180μm厚)…図7 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚)…図8
【0063】・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)
/(抵抗値:3000Ω、パルス幅:0.5ms、印加電
圧:16V)…図4,図6〜図8 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ…図5 ・現像手段:ニトリルゴム(硬度50)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・親液処理手段:80℃のポリエチレングリコール#6
00に接触させ、液が冷えた後水拭き処理 ・傷修復手段:ハロゲンランプを内部に有する加熱ロ
ール…図4〜図6 ・傷修復手段:ハロゲンランプ…図7,図8 上記条件のもと、図4ないし図8の構成で、傷を修復し
た後、画像形成、印刷を行った結果、傷のある記録体も
利用できるようになり、かつ、かすれのない高品質な画
像が得られることを確認できた。
【0064】[請求項3の発明の説明]図9は、請求項
3の発明による画像形成装置の一例を説明するための図
で、図中、50は傷修復/親液処理手段で、ドラム形状
の記録体20を持つオフセット転写構成の画像形成装置
を示すものである。図10は、請求項3の発明による画
像形成装置の他の例を説明するための図で、記録体ロー
ル20rから1回分ずつ記録体20を記録体保持ドラム
15に供給するオフセット転写構成の画像形成装置要部
を示すものである。図11は、請求項3の発明による画
像形成装置の更に他の例を説明するための図で、シート
状の記録体20を記録体保持ドラム15に供給するオフ
セット転写構成の画像形成装置の例を示すものである。
図12は、請求項3の発明による画像形成装置の更に他
の例を説明するための図で、記録体保持ドラム15の内
部より記録体20を供給するオフセット転写構成の画像
形成装置を示すものである。
【0065】記録体20の表面の傷修復は、液体に接触
させて加熱する方法を用いることによっても行うことが
できるため、傷修復処理と親液処理を傷修復/親液処理
手段50にて一度に実行する。傷の状態により適正な傷
修復のための処理温度や加熱時間が異なる場合が有る
が、画質に与える影響は親液処理がより大きいため、傷
修復/親液処理手段50における加熱温度や時間は親液
処理を重視して決定することが望ましい。
【0066】傷修復/親液処理手段50における加熱方
法としては、水やポリエチレングリコール、グリセリン
などの水性液体や、シリコーンオイルなどの油性液体を
記録体20の表面に接触させたまま加熱したり、記録体
20の表面を加熱した直後にこれらの液体と接触させる
方法を用いる。また、加熱方式としては、請求項2の発
明の実施形態と同様な方式を用いることができる。本発
明の構成のように、傷修復手段と親液処理手段とを同一
手段にまとめることにより、加熱源を削減することがで
きるため、消費エネルギーの大幅な低減が可能となると
ともに、構成がシンプルとなる。
【0067】 (実施例3) ・記録体:材 料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:直径180mmのアルミニウムドラム+1μm厚カーボン 層(光吸収層)…図9 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×50m、100μm厚)…図10 基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、180μm厚)…図11 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚)…図12
【0068】・インク:表1参照 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ…図4
(A) ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)
/(抵抗値:3000Ω、パルス幅:0.5ms、印加電
圧:16V)…図10〜図12 ・現像手段:ニトリルゴム(硬度50)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・傷修復&親液処理手段:100℃のポリエチレングリ
コール#600に接触させ、液が冷えた後水拭き処理 上記条件のもと、図9〜図12の構成で、傷修復と親液
処理を同時に行った後、画像形成及び印刷を行った結
果、装置の消費エネルギーが大幅に低下し、かつ、かす
れのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0069】[請求項4の発明の説明]請求項4の発明
においては、親液処理手段30或いは傷修復手段40で
用いる液体として、インクに含有される溶剤、又はビヒ
クルを用いる。当該処理に水を用いた場合は、装置内で
の保存性が悪いため頻繁に補給する必要があり、また油
性液体を用いた場合は、保存性は優れるが記録体20の
表面に付着した液の除去が困難であるため、残留した液
により使用するインクを変質させ、地汚れの増大など画
質を劣化させる可能性がある。それに対して、使用する
インクに含有される溶剤は沸点が高く保存性に優れ、記
録体20の表面に付着していてもインクに与える影響は
比較的少ない。また、ビヒクルも同溶剤を使用するため
保存性が良くインクへの悪影響も少ない。
【0070】(実施例4) 傷修復及び/又は親液処理用接触材料: (1).ダイアレン168 (2).AF−6号ソルベント (3).AF−6号ソルベント40wt%とロジン変性フ
ェノール樹脂60wt%からなるビヒクル 上記接触材料を用い、その他の条件を実施例2,3と同
一として、図4ないし図12の各構成で印刷を行った結
果、記録体表面に付着する接触材料のクリーニングが大
幅に低減でき、かつ、かすれのない高品質な画像を得ら
れることを確認できた。
【0071】[請求項5の発明の説明]図13は、請求
項5の発明による画像形成装置の一例を説明するための
図で、図中、50aは光照射手段で、傷修復/親液処理
手段50にて、カーボンなどのように光を吸収して発熱
する光吸収材料を分散した液を記録体20の表面に接触
させて光照射手段50aにより光照射を行うことにより
非接触に加熱を行うことができるようにしたもので、シ
ームレス状の記録体20を持つ直接転写画像形成装置を
示すものである。図14は、請求項5の発明による画像
形成装置の他の例を説明するための図で、図13と同様
な光吸収材料を含む接触材料を、同じく光吸収材料を含
有させたドラム状の記録体20に接触させ、光照射手段
30aにて光照射することにより発熱させる親液処理手
段を有するオフセット転写構成の画像形成装置を示すも
のである。
【0072】光吸収材料は、カーボンのように幅広い波
長の光を吸収する材料でも良いし、特定波長の光を強く
吸収する材料でも良い。また光照射手段30a,50a
は、キセノンランプやハロゲンランプ、レーザ光源のよ
うに、強い光を発する手段が良い。ただし、用いる光吸
収材料に適した光照射手段を選択する必要がある。本発
明により、傷修復処理及び/又は親液処理を記録体20
に対して非接触に行うことが可能となる。従って、高温
の加熱部材を記録体に接触させる従来の方式と比べて、
記録体20の変形をより低減することが可能となり、特
に、シームレス記録体の場合には耐久性向上が見込まれ
る。
【0073】 (実施例5) ・記録体:材 料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ポリイミドシームレスフィルム (250+600mm、100μm厚)…図13 基板:直径180mmのアルミニウムドラム +1μm厚カーボン層(光吸収層)…図14 ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:16V)…図13 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ…図14 ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段:記録体表面を、水とカーボンと界面活 性剤の混合液に接触させ、ハロゲンランプ光を照射して加熱した後、 液が冷えてから水拭き処理する。 上記条件のもと、図9,図14の構成で、傷修復と親液
処理を同時に行った後、画像形成及び印刷をした結果、
記録体の変形がなく寿命が延び、かすれのない高品質な
画像が得られることを確認できた。
【0074】[請求項6の発明の説明]図15は、請求
項6の発明による画像形成装置を説明するための図で、
図中、21は基板、22は記録材料層、23はカーボン
含有インク層、24はインク担持フィルム、51は加圧
手段、52は加熱源を備えたインクローラ、53は加熱
手段、54はインクローラ、55は光照射手段、56は
加圧ローラで、図15(A)は加熱源を備えたインクロ
ーラ52を傷修復手段や親液処理手段として用いる例を
示し、図15(B)は記録体表20の面に接触させるイ
ンクローラ54と記録体20の表面に接触させる加熱手
段53とを傷修復手段や親液処理手段として用いる例を
示し、図15(C)はカーボンが吸収する波長の光を光
照射手段55により記録体20の裏面から照射して、記
録体表面に接触させたインクローラ上のカーボン含有イ
ンクを発熱させる構成を、傷修復手段や親液処理手段と
して用いる例を示し、図15(D)は記録体20の裏面
からカーボンが吸収する波長の光を光照射手段55より
照射して、記録体20の表面に保持されたインク担持フ
ィルム24上のカーボン含有インク層23を発熱させる
構成を、傷修復手段や親液処理手段として用いる例を示
すものである。
【0075】本発明によれば、傷修復処理及び/又は親
液処理後に、インクが記録体表面に付着していても、他
の液と異なり現像に用いるインクが変質することは無い
ため、画質の低下の心配はない。さらに、傷修復処理及
び/又は親液処理後の付着インク除去処理を行う必要が
無い。なお、カラーインクを用いる場合、加熱部材が記
録体に接触する構成となる可能性もあるが、傷修復処理
及び/又は親液処理時の接触材料としては、非常に優れ
るものとなる。
【0076】 (実施例6) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (250+540mm、50μm厚) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350+540mm、50μm厚) +1μm厚カーボン層(光吸収層)
【0077】・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)
/(抵抗値:3000Ω、パルス幅:0.5ms、印加電
圧:16V ・画像形成手段:200mW半導体レーザ ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラ
による現像 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図15
(A)):表1に示すインクを表面に有し、かつ、キセ
ノンランプを内部に有する加熱源保持インクローラを記
録体表面に接触させる。 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図15
(B)):表1に示すインクを表面に有したインクロー
ラを記録体表面に接触させ、記録体の裏側よりセラミッ
クヒータ内蔵ローラにて加熱する。 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図15
(C)):表1に示すインクを表面に有したインクロー
ラを記録体表面に接触させ、記録体の裏側よりキセノン
ランプにて非接触に加熱する。 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図15
(D)):表1に示すインクを表面に有したインク担持
体を記録体表面に接触させ、記録体の裏側よりキセノン
ランプにて非接触に加熱する。 上記条件のもと、図4ないし図12の構成で印刷をした
結果、記録体表面に付着する接触部材のクリーニング処
理が不要となり、また、かすれのない高品質な画像が得
られることを確認できた。
【0078】[請求項7の発明の説明]図16は、請求
項7の発明による画像形成装置の一例を説明するための
図で、図中、57は加熱源を備えたシリコーンゴムロー
ラ、58はシリコーンゴムローラで、図16(A)は傷
修復手段及び/又は親液処理手段として加熱源を持つシ
リコーンゴムローラ57を用いた例を示し、図16
(B)は傷修復手段及び/又は親液処理手段として記録
体表面に接触させるシリコーンゴムローラ58と記録体
裏面に接触させる加熱手段53とを用いた例を示すもの
である。
【0079】記録体20は、固体を接触部材とした場合
でも親液処理を行うことができる。ただし固体は、接触
性に関しては液体に及ばないため、一般的には傷の修復
処理や親液処理にむらを生じ易い。しかし、シリコーン
樹脂は表層に極薄層のオイル層を形成しているとも言わ
れており、固体との接触性に優れ、傷修復手段や親液処
理手段として用いることができる。シリコーン樹脂は固
体であるため保存性や取り扱いが容易である上、液体の
ように随時供給する必要が無いという利点を持つ。シリ
コーン樹脂としては、RTV,LTV,HTVなどのシ
リコーンゴムの他、ゲルやガム、パテなども用いること
ができる。ただし、シリコーン樹脂の表面はできるだけ
鏡面であることが望ましい。
【0080】 (実施例7) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350+540mm、50μm厚) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350+540mm、50μm厚) +1μm厚カーボン層(光吸収層) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・画像形成手段:200mW半導体レーザ ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図16(A)): 表面が100μm厚のRTVシリコーンゴム層で、その内側に5mm 厚のHTVシリコーンゴム層を有し、かつ、キセノンランプを内部に 有する加熱源保持ローラを記録体表面に接触させる。 ・親液処理手段/傷修復&親液処理手段(図16(B)): 表面が100μm厚のRTVシリコーンゴム層で、その内側に5mm 厚のHTVシリコーンゴム層を有したローラを記録体表面に接触 させ、記録体の裏側よりセラミックヒータ内蔵ローラにて接触させる 。 上記条件のもと、図4ないし図12の構成で印刷をした
結果、接触部材の補給や記録体表面のクリーニング処理
が不要となり、また、かすれのない高品質な画像が得ら
れることを確認できた。
【0081】[請求項8の発明の説明]図17は、請求
項8の発明による画像形成装置の一例を説明するための
図で、図中、22aは予め記録体に保持されている記録
材料層、22bは新しい記録材料層、60は記録材料塗
布手段、60aはブレード、61は加熱乾燥手段で、図
17(A)は記録体に記録材料を塗布する記録材料層塗
布手段60と、塗布後の新しい記録材料層22bを加熱
乾燥する加熱乾燥手段61と、加熱乾燥後の温度が高い
記録体の表面に接触材料を接触させて親液処理する親液
処理手段30とを有する構成例を示し、図17(B)は
記録体に記録材料を塗布する記録材料塗布手段60と、
塗布後の新しい記録材料層22bを加熱乾燥する加熱乾
燥手段61と、加熱手段30bを用いて記録体表面を親
液処理する親液処理手段30とを有する構成例を示すも
のである。
【0082】記録材料塗布手段60は、記録体表面に
0.5〜10μm程度の厚さの新しい記録材料層22b
を形成できればどのような方式を用いるものであっても
良く、例えば、マイクログラビアコーティング法などが
利用できる。加熱乾燥手段61は、記録材料層22a,
22bを傷つけないようにするために非接触式が望まし
く、例えばガスや電気ヒータを近接させたり、キセノン
ランプやハロゲンランプなどの熱光線を照射する方式な
どが利用できる。なお、記録体の基板21の耐熱性が高
い場合、もしくは加熱による変形が生じ難いように基板
21の厚みが100μm程度以上ある場合は、基板21
の裏側に加熱手段を接触させるようにしても良い。
【0083】記録体20の表面を親液処理する親液処理
手段30としては、請求項2〜7の発明の実施形態にお
ける構成を用いることができるが、図17(A)のよう
に基板21に塗布した記録材料層22bを加熱乾燥させ
た後、記録体20の表面の温度が80℃程度以上である
間に親液処理手段30にて接触材料を接触させてそのま
ま冷却することにより親液処理がなされるため、親液処
理手段30に加熱手段を設けなくとも、塗布した記録材
料層22bを乾燥させるために必要とする加熱乾燥手段
61を利用して親液処理する方が消費エネルギーが低く
抑えられ、より望ましい。
【0084】 (実施例8) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、180μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・傷修復処理手段:記録材料(含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝 子]))約1〜3μm厚塗布手段と、キセノンランプ(塗布層の乾 燥手段)…図17(A),図17(B) ・親液処理手段1:グリセリンに接触させ、記録体表面が冷えた後水拭き処理 …図17(A) ・親液処理手段2:80℃のポリエチレングリコール#600に接触させ、液が 冷えた後水拭き処理…図17(B) 上記条件のもと、図17(A),図17(B)の構成
で、記録材料層形成による傷修復処理及び親液処理を行
った後、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷
によるかすれのない高品質な画像が得られることを確認
できた。
【0085】[請求項9の発明の説明]図18は、請求
項9の発明による画像形成装置を説明するための図で、
図中、41は傷修正判断部、42は傷検知手段、50b
は加熱手段、50bは加熱手段、50cはインクローラ
で、図18(A)は光反射型の傷検知手段42を用いて
記録材料層22の表面の傷を検知し、検知した傷の具合
が予め設定された状態よりも悪い場合のみ傷修復を行
い、その後親液処理手段30にて親液処理を行う構成例
を示し、図18(B)は光透過型の傷検知手段42を用
いて記録材料層22の表面の傷を検知し、検知した傷の
具合が予め設定された状態よりも悪い場合のみ傷修復/
親液処理手段50にて傷修復及び親液処理を同時に行う
構成例を示すものである。
【0086】傷の検知方法としては、請求項1の発明の
実施形態で示した方式を用いても良いし、その他一般に
知られる表面状態の検知方式であればどのような方式を
用いても良い。ただし検知対象となる領域が大きいた
め、記録体20の表面の全域を調べず、特定の領域のみ
を検査して修正すべき傷の有無を判断する方が実用的で
ある。
【0087】検知した傷の状態が印刷に支障を来たすも
のと判断された場合は、傷の修復処理及び記録体20の
表面の親液処理を行う。また、印刷に影響が無いと判断
した場合は、傷の修復を行わずにそのまま次の工程へ記
録体20を送る。次の工程は記録体20の表面の初期状
態によって異なり、初期状態が親液状態であれば画像形
成手段11による画像形成が次工程となり、初期状態が
撥液状態であれば親液処理が次工程となる。このように
傷の具合を検知して、その状態に応じて傷修復処理及び
親液処理の実施の有無を決定することにより、常に傷修
復処理及び親液処理を行う場合に比べて、消費エネルギ
ーの低減や接触材料の消費の抑制が可能となる。
【0088】 (実施例9) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、180μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段1:反射式濃度測定手段…図18(A) ・記録体表面状態検知手段2:反射式濃度測定手段…図18(B) ・傷修復処理手段:200Wキセノンランプ…図18(A) ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触させ、8 0℃のポリエチレングリコール#を記録体表面に接触させて、液が冷 えた後水拭き処理…図18(A) ・傷修復&親液処理手段:表1に示すインクを表面に有したインクローラを記録 体表面に接触させ、記録体の裏側よりセラミックヒータ内蔵ローラに て加熱する…図18(B) 上記条件のもと、図18(A),図18(B)の構成
で、傷の量に応じて傷修復処理及び親液処理を行った
後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネルギー
の低減、及び接触部材消費量の低減が達成でき、記録体
表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られるこ
とを確認できた。
【0089】[請求項10の発明の説明]図19は、請
求項10の発明による画像形成装置の例を説明するため
の図で、図19(A)は主走査方向を一度に検査するラ
イン走査型の傷検知手段42で記録体20の表面の傷を
検知し、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも
悪い領域に対しライン単位で傷修復を行い、その後親液
処理を行う構成例を示し、図19(B)はシリアル走査
型の傷検知手段42で記録体20の表面の傷を検知し、
検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い領域
に対してのみ傷修復を行い、その後親液処理を行う構成
例を示し、図19(C)は図19(A)を横方向から見
た構成を概念的に示し、図19(D)は図19(B)を
横から見た構成を概念的に示すものである。
【0090】傷を検知する傷検知手段42は、実際に傷
修復を行う傷修復手段40とはずれて配されているた
め、傷検知手段42は、検知した傷の座標を記憶して傷
修復手段40に伝える機能が必要であり、一方、傷修復
手段40は、傷検知手段42から検知された傷の座標情
報を受け取った後、その傷が傷修復手段40に到達する
までに要する時間を求めて、正確に修復処理を実行する
機能が必要である。傷修復処理の実行及び停止方法とし
ては、傷修復手段40が有する加熱手段を常時加熱し
て、必要な場所のみ記録体20に接触させる方法と、修
復を要する場所が傷修復手段40に到達したときにの
み、傷修復手段40が有する加熱手段を加熱する方法と
が考えられ、前者は、後者に比べて処理速度が速いが、
逆に消費エネルギーは高くなる。従って、どちらの方法
を採用するかは装置の使用目的に応じて決めると良い。
【0091】図19(A)と図19(B)の傷検知・修
復方法において、処理速度を重視する場合は、図19
(A)のように主走査方向を同時に検査して傷修復する
方法が適しており、低消費電力を重視する場合は図19
(B)のように傷検知手段42と傷修復手段40とを主
走査方向に移動させて、必要な領域のみ傷修復手段40
により記録体20を加熱する方法が適する。なお、図1
9(B)の方法においては、傷修復手段40は位置Iか
らIIIに向かって走査した後、さらに位置IIIからIに向
かって走査するが、記録体20の搬送は傷修復手段が位
置I又はIIIの位置に達したときに行い、傷修復中には
記録体20を停止させておくようにする方がより好まし
く、これにより記録体20の表面と傷修復手段40が擦
り合うことによる傷の発生を避けることができる。
【0092】 (実施例10) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10mm、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:反射式濃度測定手段 ・傷修復処理手段1:200Wキセノンランプ内蔵加熱ローラ …図19(A),図19(C) ・傷修復処理手段2:80℃の水突出ノズル…図19(B),図19(D) ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触させ、8 0℃のポリエチレングリコール#を記録体表面に接触させて、液が冷 えた後水拭き処理 上記条件のもと、図19(A)〜図19(D)の構成
で、傷の量と領域に応じて傷修復処理及び親液処理を行
った後、画像形成、印刷を行った結果、装置消費エネル
ギーの低減、及び、接触部材消費量の低減が達成でき、
記録体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得ら
れることを確認できた。
【0093】[請求項11の発明の説明]図20は、請
求項11の発明による画像形成装置の例を説明するため
の図で、図20(A)は主走査方向を一度に検査するラ
イン走査型の傷検知手段42を用いて、印刷に用いる記
録紙サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を
行い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪
い領域をライン単位で傷修復を行って、その後親液処理
を行う構成例を示し、図20(B)はシリアル走査型の
傷検知手段42で、印刷に用いる記録紙サイズに対応す
る記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の
具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみ傷修復を
行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図20
(C)は図20(A)の構成に紙サイズ情報供給部43
が加えられた例を示すものである。
【0094】図20においては傷検知手段42が配され
ているが、傷の具合を検知せずに、記録紙のサイズに相
当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。記録
紙のサイズは、給紙ユニットが有する紙サイズ検知セン
サから求めても良いし、装置を利用する際に紙サイズを
入力又は選択しても良い。また、傷修復の実行と停止方
法は、請求項10の発明の実施の形態と同一とする。図
20(A)の方法は、処理速度は優れるが、主走査方向
の加熱領域を変えることができないため、消費電力の低
減を重視する場合は、図20(B)の方法が好適であ
る。
【0095】 (実施例11) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10mm、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:反射式濃度測定手段 ・傷修復処理手段:表面にRTVシリコーンゴム層を有する200Wキセノンラ ンプ内蔵加熱ローラ ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触させ、8 0℃のポリエチレングリコール#を記録体表面に接触させて、液が冷 えた後水拭き処理 上記条件のもと、図20(A)〜図20(C)の構成
で、傷の量と印刷に使用する紙のサイズに応じて傷修復
処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った
結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費
量の低減が達成でき、記録体表面の傷が原因で発生する
かすれのない高品質な画像が得られることを確認でき
た。
【0096】[請求項12の発明の説明]図21は、請
求項12の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図21(A)は主走査方向を一度に検査するライン
走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成手段によっ
て書き込まれる画像サイズに対応する記録体20の表面
領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定され
た状態よりも悪い領域をライン単位で傷修復を行って、
その後親液処理を行う構成例を示し、図21(B)はシ
リアル走査型の傷検知手段42で、画像サイズに対応す
る記録体20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の
具合が予め設定された状態よりも悪い領域のみ傷修復を
行って、その後親液処理を行う構成例を示し、図21
(C)は図21(A)の構成に画像サイズ情報供給部4
4が加えられた例を示すものである。
【0097】図21には、傷検知手段42が配されてい
るが、記録体20の傷の具合を検知せずに、画像サイズ
に相当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。
画像のサイズは、画像データのヘッダなどから求めても
良いし、予め装置内のメモリに画像データを転送し、そ
の際に画像サイズを求めても良い。また、傷修復の実行
と停止方法は、請求項10の発明の実施の形態と同一と
する。図21(A)の方法は、処理速度は優れるが、主
走査方向の加熱領域を変えることができないため、消費
電力の低減を重視する場合は図21(B)の方法が好適
である。
【0098】 (実施例12) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10mm、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:反射式濃度測定手段 ・傷修復処理手段:表面にRTVシリコーンゴム層を有する200Wキセノンラ ンプ内蔵加熱ローラ ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触し、80 ℃のポリエチレングリコール#を記録体表面に接触して、液が冷え た後水拭き処理 上記条件のもと、図21(A)〜図21(C)の構成
で、傷の量と形成する画像のサイズに応じて傷修復処理
及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を行った結
果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部材消費量
の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれのない
高品質な画像が得られることを確認できた。
【0099】[請求項13の発明の説明]図22は、請
求項13の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図22(A)は主走査方向を一度に検査するライン
走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成手段によっ
て書き込まれる画像サイズに対応する記録体20の表面
領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定され
た状態よりも悪い領域を、サーマルヘッドを用いてライ
ン単位で傷修復を行って、その後、親液処理を行う構成
例を示し、図22(B)はシリアル走査型の傷検知手段
42で、画像サイズに対応する記録体20の表面領域の
傷検知を行い、検知した傷の具合が予め設定された状態
よりも悪い領域のみサーマルヘッドにより傷修復を行っ
て、その後親液処理を行う構成例を示し、図22(C)
は図22(A)の構成に画像サイズ/紙サイズ情報供給
部45が加えられた例を示すものである。
【0100】図22には、傷検知手段42が配されてい
るが、傷の具合を検知せずに、画像サイズや紙サイズに
相当する領域の傷修復及び親液処理を行っても良い。傷
修復は、サーマルヘッドの発熱体素子をON/OFFす
ることにより行うが、加熱前にサーマルヘッド駆動デー
タが必要である。従って、本実施形態においては、傷修
復の座標データ又は、紙サイズデータ、又は画像データ
をもとに、それらの領域を含めた少し大き目の領域デー
タを求め、加熱前のサーマルヘッドへ転送する手段を設
ける。サーマルヘッドは、その解像度が150dpi〜
600dpi程度のものが市販されており、利用でき
る。
【0101】傷の修復処理や親液処理を液中加熱で行
い、液がサーマルヘッドに接触する構成の場合、使用す
る液としては、非導電性で腐食性がなく、サーマルヘッ
ドを傷めない材料を選択する必要がある。例としては油
性液体が適し、オイルやインク溶剤、インクなども利用
できる。また、記録体の裏側から加熱する場合は、サー
マルヘッドの熱伝導を効率よくするために、記録体の厚
みは数10μm以下であることが望ましく、10〜20
μm程度であることがより望ましい。本発明により傷修
復領域を変えることが容易にでき、かつ、消費エネルギ
ーを抑えて処理することが可能となる。
【0102】 (実施例13) ・記録体:材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) 基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10mm、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:反射式濃度測定手段 ・傷修復処理手段1:200dpiラインサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値: 1000Ω、印加電圧:17V)…図22(A) ・傷修復処理手段2:150dpiシリアルサーマルヘッド(京セラ)/(抵抗 値:1000Ω、印加電圧:17V)…図22(B) ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触させ、8 0℃のポリエチレングリコール#を記録体表面に接触させて、液が冷 えた後水拭き処理 上記条件のもと、図22(A)〜図22(C)の構成
で、傷の量と形成する画像のサイズ、紙サイズに応じて
傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を
行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び、接触部
材消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかす
れのない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0103】[請求項14の発明の説明]図23は、請
求項14の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図23(A)〜図23(C)は記録体の例を示して
おり、図23(A)はレーザ光を吸収し、発熱する材料
を含有する光吸収材料含有記録材料層22cと、PET
等の耐熱性を有する樹脂フィルムや金属、紙等から成る
基板21より構成される記録体の例、図23(B)は記
録材料層22の下に光吸収材料層27と基板21を持つ
記録体の例、図23(C)は光吸収材料を含有する光吸
収材料含有基板21aの上に記録材料層22を持つ記録
体の例を示し、図23(D)は主走査方向を一度に検査
するライン走査型の傷検知手段42を用いて、画像形成
手段によって書き込まれる画像サイズに対応する記録体
20の表面領域の傷検知を行い、検知した傷の具合が予
め設定された状態よりも悪い領域を、レーザ光源を複数
有するユニット(傷修復手段40)を用いてライン単位
で傷修復を行った後、親液処理を行う構成例を示し、図
23(E)はシリアル走査型の傷検知手段42で、画像
サイズに対応する記録体20の表面領域の傷検知を行
い、検知した傷の具合が予め設定された状態よりも悪い
領域のみ傷修復手段40のレーザ光により傷修復を行っ
て、その後親液処理を行う構成例を示し、図23(F)
は図23(C)の構成に画像サイズ/紙サイズ情報供給
部45が加えられた例を示すものである。
【0104】傷修復手段40のレーザ光源としては、レ
ーザを照射した光吸収材の発熱温度が80℃以上となる
ものであれば良く、半導体レーザやガスレーザなど、数
10mW〜数W程度の出力を有する光源であれば、どの
ような手段でも良い。またレーザ光の照射方法は、記録
体20をドラムに固定して回転させながらレーザ光源を
スキャンさせる方法や、回転するポリゴンミラーにレー
ザ光を当てて記録体20に照射する方法や、記録体20
を搬送してレーザ光を記録体の搬送方向と垂直方向にス
キャンさせて照射する方法などが用いられる。
【0105】レーザ光を吸収して発熱させる光吸収層
は、図23(A)のように光吸収材料含有記録材料層2
2cとして形成されていても良いし、図23(B)のよ
うに記録材料層22の下に光吸収層25として形成され
ていても良いし、また、図23(C)のように光吸収材
料含有基板21aとして形成されていても良いが、記録
材料層22(22a)表面への熱の伝達が良好となるよ
うな構成にすることが望ましい。従って、図23(A)
の構成が最も低エネルギーで処理することができるため
好ましいと言えるが、使用するインクと光吸収材との付
着性や、光吸収材料の耐殺傷性などの影響を受けやすい
ため、記録材料の下や基板21に設ける方が現実的であ
る。本発明のようにレーザ光源を用いることにより、傷
修復処理する領域を自由に変えることができ、また非接
触で処理できるため、表面の傷が少ない良好な処理を行
うことが可能となる。
【0106】 (実施例14) ・記録体(図23(A)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子])+カーボン粒子(粒子径0.5μm以下) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・記録体(図23(B)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・光吸収層:1μm厚カーボン層 ・記録体(図23(C)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:カーボン混練りダイレクトマットPET フィルムシート(350×540mm、100μm厚)
【0107】・インク:表1参照 ・画像形成手段/傷修復処理手段:200mW半導体レ
ーザ ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:透過式濃度測定手段 ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記
録体裏側に接触させ、80℃のポリエチレングリコール
#を記録体表面に接触させて、液が冷えた後水拭き処理 上記条件のもと、図23(D)〜図23(F)の構成
で、傷の量と形成する画像のサイズ、紙サイズに応じて
傷修復処理及び親液処理を行った後、画像形成、印刷を
行った結果、装置消費エネルギーの低減、及び接触部材
消費量の低減が達成でき、記録体表面の傷によるかすれ
のない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0108】[請求項15の発明の説明]図24は、請
求項15の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図24(A)は表面からフィルム層26a、液層2
5a、記録材料層22、基板21の順で構成される記録
体20の例、図24(B)は表面からフィルム層26
a、ゲル状材料層25b、記録材料層22、基板21の
順で構成される記録体20の例、図24(C)は表面か
ら油性液膜層25c、記録材料層22、基板21の順で
構成される記録体20の例、図24(D)は表面からシ
リコーンゴム層25d、記録材料層22、基板21の順
で構成される記録体20の例を示すもので、各図におい
ては、記録材料層22の上に、液層25a、ゲル状材料
層25b、油性液膜層25c、シリコーンゴム層25d
を接触材料層として各々有し、更に図24(A)、図2
4(B)においてはフィルム層26aを接触材料保持層
として有するものである。
【0109】図24(E)は上述した図24(A)〜図
24(D)の構成を例とする接触材料層を有する記録体
20の表面を加熱ローラ30cにて加熱して親液処理を
行った後、上述したフィルム層26a等を用いてなる接
触材料保持層26を除去して、画像形成を行う構成例を
示し、図24(F)は接触材料層を有する記録体表面を
面状ヒータ加熱手段30dにて加熱して親液処理を行っ
た後、接触材料保持層26を除去して、画像形成を行う
構成例を示すものである。
【0110】フィルム層26aの材料としては、樹脂が
最も適し、記録材料層22との接触性・密着性に優れる
ように鏡面で、こすりや引っ掻きに対して強く、記録材
料層22を保護できる材料であればどのような材料であ
っても良く、例えば、PETやポリエステル、ポリイミ
ド等の各種樹脂フィルムや、ウレタン、シリコーン等の
各種ゴムなどが利用できる。
【0111】記録材料層22の初期状態は撥液性であ
り、記録体20は接触材料層を記録材料層22の表面に
保持した構成となっている。接触材料層は、液体や接触
性に優れる固体の他、加熱すると液体となったり軟化す
る材料や、ゲル状及びペースト状の材料が主に用いられ
る。記録材料層22の表面の初期状態は親液状態でも良
いが、傷が発生した場合には傷修復処理と親液処理を行
うため、親液処理を重ねて行うことになり、余計なエネ
ルギー消費をする。また、記録体の保存状態によって親
液状態の程度がばらつくため、画像形成時の最適な書き
込みが非常に難しく、親液状態の程度によって加熱過剰
でかすれ気味となったり、加熱不足で地汚れ気味となる
場合があり、このようなばらつきをなくすために使用直
前に親液処理を行うことがより望ましい。本発明によ
り、記録材料層22の表面に傷が生じにくく、安定した
品質の画像書き込みが可能となる。
【0112】 (実施例15) ・記録体(図24(A)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子])+カーボン粒子(粒子径0.5μm以下) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm厚PET+数μm厚の水層 ・記録体(図24(B)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm厚PET+数μm厚の シリコーンゲル ・記録体(図24(C)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:1μm厚以下のジメチルシリコーンオイル ・記録体(図24(D)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm厚RTVシリコーンゴム層
【0113】・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/
(抵抗値:3000Ω、パルス幅:0.5ms、印加電
圧:16V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを
記録体の接触部材保持層表面に接触し、記録体表面が冷
却した後、接触部材保持層を除去する。…図24(E) ・親液処理手段:セラミックヒータを記録体の接触部
材保持層表面に接触し、記録体表面が冷却した後、接触
部材保持層を除去する。…図24(F) 上記条件のもと、図24(E)、図24(F)の構成で
親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形
成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかすれの
ない高品質な画像が得られることを確認できた。
【0114】[請求項16の発明の説明]本発明は、記
録体20の記録材料層22に予め接触材料層を接触させ
て保持しておく請求項15の構成において、この接触材
料層として、インクに含有される溶剤又はビヒクルを用
いるものである。本接触材料層の保持は、樹脂や金属、
繊維などのフィルムや膜による接触材料保持層26と記
録材料層22との間に接触材料を入れて、密封したり貼
り合わせることで実行することができる。インクは、そ
の溶剤の沸点が200〜300℃程度であるため保存性
に優れ、また、記録材料層22の表面に残留してもイン
クへの悪影響は少ないため、非常に優れた接触材料とな
る。
【0115】(実施例16) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:1μm厚以下の高沸点石油溶剤 (AF−6号ソルベント(日本石油)) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm厚PET+数μm厚のビヒクル (ダイアレン168:30%wt+AF−5号ソルベント10% wt+ロジン変性フェノール樹脂:60%wt) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:16V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体の接触部材保持層 表面に接触させ、記録体表面が冷却した後、接触部材保持層を除去す る。 ・親液処理手段:セラミックヒータを記録体の接触部材保持層表面に接触させ 、記録体表面が冷却した後、接触部材保持層を除去する。 上記条件のもと、図24(E),図24(F)の構成で
親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形
成、印刷を行った結果、記録体表面に付着した接触部材
除去の手間を低減させることができ、かつ、記録体表面
の傷によるかすれのない高品質な画像が得られることを
確認できた。
【0116】[請求項17の発明の説明]図25は、請
求項17の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図25(A)は表面側から、光吸収材料含有樹脂層
26b、接触材料層25、表面が撥液性の記録材料層2
2、基板21の順で構成される記録体20の例、図25
(B)は表面側から、透光性樹脂層26c、光吸収材料
含有ゲル状材料層25e、表面が撥液性の記録材料層2
2、基板21の順で構成される記録体20の例、図25
(C)は表面から、シリコーンゴム層25d、表面が撥
液性の光吸収材料含有記録材料層22c、基板21の順
で構成される記録体20の例、図25(D)は表面か
ら、フィルム層26a、接触材料層25、表面が撥液性
の記録材料層22、光吸収材料含有基板21cの順で構
成される記録体20の例、図25(E)は表面側から、
フィルム層26a、接触材料層25、表面が撥液性の記
録材料層22、光吸収材料層27、基板21の順で構成
される記録体20の例、図25(F)は表面側から、油
性液膜層25c、表面が撥液性の光吸収材料含有記録材
料層22c、基板21の順で構成される記録体の例を示
すものである。
【0117】図25(G)は加熱ローラ30cにて接触
材料層を有する記録体20の表面を加熱し、親液処理を
行った後、表面のフィルム等の接触材料保持層26を除
去して、レーザなどの非接触加熱方式による画像形成手
段11により画像形成を行う構成例を示し、図25
(H)は記録体20に含まれる光吸収材料が吸収する波
長の光や、熱光線を発する光照射手段30a等により、
接触材料層を有する記録体20を加熱して親液処理を行
った後、表面のフィルム等の接触材料保持層26を除去
して、レーザなどの非接触加熱方式による画像形成手段
11により、画像形成を行う構成例を示すものである。
【0118】記録体20に含まれる光吸収材料は、請求
項5の発明の実施形態と同一のものを用い、また、記録
体20に用いる接触材料の主材料としては、請求項15
の発明の実施の形態と同一のものを用い、また、フィル
ムは、請求項15の発明の実施の形態のものと基本的に
同一でよいが、透明で光の透過率の高い材料を用いるこ
とがより好ましい。本発明により親液処理、及び、画像
書き込みを非接触で行うことができるため、より傷の入
りにくい記録体とすることができる。
【0119】(実施例17) ・記録体(図25(A)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:カーボン混練6μm厚PETフィルム(光吸収材 料層)+1μm厚以下の高沸点石油溶剤 (AF−6号ソルベント(日本石油)) ・記録体(図25(B)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm厚透明PET+数μm厚のカーボン分散シ リコーンゲル ・記録体(図25(C)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子])+カーボン粒子(粒子径0.5μm以下) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:数μm厚ジメチルシリコーンゴム
【0120】 ・記録体(図25(D)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:カーボン混練PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm透明PET+数μm厚の水 ・記録体(図25(E)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:2μm透明PET+数μm厚のビヒクル(ダイア レン168:30%wt+AF−5号ソルベント10%wt+ロジ ン変性フェノール樹脂:60%wt) ・光吸収材料層:1μm厚カーボン層 ・記録体(図25(F)): ・材料:含フッ素アクリレート系材料 (LS317[旭硝子])+カーボン粒子(粒子径0.5μm以下) ・基板:PETフィルムシート (350×540mm、100μm厚) ・接触部材保持層:1μm厚以下の高沸点石油溶剤(AF−6号ソル ベント(日本石油))
【0121】・インク:表1参照 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラ
による現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、
合成紙、普通紙 ・親液処理手段1(図25(G)):セラミックヒータ
内蔵加熱ローラを記録体の接触部材保持層表面に接触さ
せ、記録体表面が冷却した後、接触部材保持層を除去す
る。 ・親液処理手段2(図25(H)):キセノンフラッシ
ュランプを照射して光吸収材料層を非接触加熱すること
により親液処理し、記録体表面が冷却した後、接触部材
保持層を除去する。 上記条件のもと、図25(E),図25(F)の構成で
親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形
成、印刷を行った結果、記録体表面の親液処理が記録体
表面形状に依らず確実に行え、かつ、記録体表面の傷に
よるかすれのない高品質な画像が得られることを確認で
きた。
【0122】[請求項18の発明の説明]本発明は、請
求項17の発明で用いた記録体の中で、光吸収材料と接
触材料層とを兼ねる材料として、インクを用いるもので
ある。インクとは、カーボンなどの顔料と、溶媒若しく
は溶剤等を含み、さらに画像形成プロセスに応じて樹脂
や染料、分散剤、助剤、ドライヤー等を含有する液体を
指すものである。撥液性の記録材料層22の表面を液と
接触させた状態で加熱し、そのまま冷却するとその表面
が親液性に変わるため、インクは親液処理時の接触材料
として用いることができる。更に、記録材料層22の表
面に接触材料としてのインクが付着していても、現像工
程にて用いるインクを変質させることがなく、良好な画
像を得ることができる。また、カーボンを含有するイン
クを用いた場合には、キセノンランプ等の光源を用いて
インクを照射して加熱することにより、記録体の親液処
理を記録体に非接触で行うことができ、より記録体表面
への傷の発生を抑えることができる。
【0123】 (実施例18) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート(350×540mm、100μm 厚) ・接触部材保持層:2μm厚PET+1〜数μm厚の表1に示す黒色 インク ・インク:表1参照 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・親液処理手段1:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体の接触部材保持層 表面に接触させ、記録体表面が冷却した後、接触部材保持層を除去す る。 ・親液処理手段2:セラミックヒータを記録体の接触部材保持層表面に接触し、 記録体表面が冷却した後、接触部材保持層を除去する。 上記条件のもと、図25(E),図25(F)の構成で
親液処理を行った後、接触部材保持層を除去し、画像形
成、印刷を行った結果、記録体表面に付着した接触部材
除去の手間が不要で、かつ、記録体表面の傷が原因で発
生するかすれのない高品質な画像が得られることを確認
できた。
【0124】[請求項19の発明の説明]図26は、請
求項19の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図26(A)は親液性の記録材料層22の表面に、
接触材料層として油などの表面エネルギーが低い極薄の
液体層25fが形成された状態の記録体20の例、図2
6(B)は図26(A)に示す記録体20に対して加熱
手段11aを用いて画像形成を行っている例、図26
(C)は、インク70により記録体20を現像した状態
の例を示すものである。
【0125】記録体表面の液体層25fを画像情報に応
じて加熱手段11aにて加熱し、加熱した部分の液体層
25fを蒸発させるなどして除去することにより、加熱
部分が空気中加熱されて撥液性状態に変わるため、イン
ク70が付着しない領域となる。非加熱部分は元々親液
性状態であるので、インク70が付着して画像が形成さ
れることになる。
【0126】記録体20の表面に形成する液体層25f
は、記録体20の保存時に蒸発してしまわない液がよ
く、具体的には、保存温度が60℃以下で蒸発しない液
で、より好ましくは80℃以下で蒸発しない液である方
が良い。また、画像形成時の加熱において確実に蒸発す
るように、液層厚みは薄い方が良く、数μm以下の厚み
の液層が形成可能な液で、望ましくは1μm以下の液層
形成が可能な材料が良い。更に、インクの物性に対して
できるだけ悪影響の少ない材料である必要がある。液体
層25fとして使用できる液の例としては、油やインク
の溶剤などが挙げられる。また、画像形成に用いる加熱
手段11aとしては、サーマルヘッド等の接触方式で加
熱するものや、レーザ光源などの非接触方式で加熱する
ものなど、どちらの方式も利用でき、システムに必要な
仕様に応じて使い分けると良い。
【0127】本実施形態のように親液性の記録材料層2
2の表面に液体層25fを設けることにより、記録体表
面の潤滑性が増すため、外部から加わる圧力や擦りに対
して傷が入りにくくなり、かすれの少ない高品質画像が
得られるようになる。また、環境温度が高い場所で記録
体20を保管した場合にも、記録体表面の親液性劣化が
生じにくくなり、安定した品質の画像を得ることが可能
となる。
【0128】 (実施例19) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:PETフィルムシート(350×540mm、100μm 厚) ・接触部材:AF−6号ソルベント(厚み1μm以下) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:16V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・親液処理手段1:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体表面に接触させて 加熱する。 ・親液処理手段2:キセノンランプにより記録体表面を非接触加熱する。 上記条件のもと、親液処理を行った後、図26のよう
に、画像情報に応じて非画像部の接触部材保持層を加熱
除去し、印刷を行った結果、記録体表面の傷によるかす
れのない高品質な画像が得られることを確認できた。ま
た、環境温度が60℃の場所で1日保存しても記録体表
面の親液性の劣化は見られないことが確認できた。
【0129】[請求項20の発明の説明]図27は、請
求項20の発明による画像形成装置を説明するための図
で、基板21に対して記録材料を塗布し、加熱乾燥して
記録材料層22を形成した後、記録材料層22の表面の
温度が親液処理する温度よりも高い間に、樹脂液、フィ
ルム、低融点の粉末、もしくは油性液体等を記録材料層
22の表面にコート又は付着させて、記録材料層22の
表面に傷や親液性劣化に対する保護層28を形成し、記
録体20とするものである。画像形成時には、予め保護
層28を剥離又は除去する。
【0130】基板21としては、10〜250μm厚み
の樹脂フィルムが利用しやすく、望ましくは50〜20
0μm程度のものが良い。基板21の厚さが薄いと加熱
乾燥及び画像形成時に変形しやすく、また印刷時に伸び
を生じやすいが、一方、厚すぎるとしなやかさが低下す
るのでドラムに対しての密着性が低下し、またロール状
とした時に嵩張るため、基板21の厚みは装置形状等に
応じて決定すると良い。基板21の材料としては、PE
Tやポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アルミニ
ウム、合成紙、ゴム、紙など、耐熱性があり、フィルム
強度の優れる材料であればどのような材料でも良い。
【0131】加熱乾燥手段61は、オーブンや熱風送風
装置、熱光線源など、非接触で加熱できる手段を用いる
と、記録材料塗布面を直接加熱できるため効率が良く望
ましいが、基板21の裏側に熱ローラを接触して加熱す
る構成としても良い。保護層28となる材料は、親液処
理における接触材料と兼ねるため、記録材料層22の表
面との密着性に優れる必要があり、かつ、保護層として
脱落せず、また、蒸発しにくい物性を有する必要があ
る。しかし、材料の形態は特に制限されるものではな
く、液体や固体、粉体などを用いることができる。例と
しては、シリコーンゴムなどの熱架橋性のゴムや、ポリ
ビニルアルコールなどの接着剤の材料や、ワックスなど
の低融点材料や、油やインク溶剤などの液などが挙げら
れる。
【0132】 (実施例20) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムシート (350×540mm、180μm厚) ・保護層:シリコーンゴム(100μm厚) ・保護層:AF−6号ソルベント ・保護層:ポリビニルアルコール塗布紙 ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録材料層形成手段:記録材料(含フッ素アクリレート系材料(LS317 [旭硝子]))約1〜3μm厚塗布手段と、キセノンランプ(塗布層 の乾燥手段) 上記条件のもと、図27の構成で記録材料層を形成し、
保護層形成と同時に親液処理を行った記録体を用い、保
護層を除去してから画像形成、印刷を行った結果、記録
体表面の傷によるかすれのない高品質な画像が得られる
ことを確認できた。また、親液処理に要するエネルギー
量を抑えることが可能となった。
【0133】[請求項21の発明の説明]図28及び図
29は、請求項21の発明による画像形成装置を説明す
るための図で、図28は、記録体ドラムを有するオフセ
ット転写構成で、温度制御ユニット46,環境温度検知
ユニット47を用いて、傷修復手段40,親液処理手段
30の加熱温度制御を行う画像形成装置要部を示し、図
29は、記録体保持ドラム15の内部より記録体20を
供給する構成で、温度制御ユニット46,環境温度検知
ユニット47を用いて、傷修復/親液処理手段50の加
熱温度制御を行う画像形成装置の例を示すものである。
【0134】環境温度検知ユニット47は、サーミスタ
や熱電対、測温抵抗体、温度計測用ICなどの素子を用
いて環境温度を計測し、素子の出力信号を増幅してアナ
ログ処理したり、A/D変換によりデジタル信号で処理
して、傷修復手段40と親液処理手段30,又は傷修復
/親液処理手段50が有する加熱手段への供給エネルギ
ーを調整し、加熱温度制御を行う。温度計測の対象は、
装置外装部や装置内部、傷修復手段40の加熱部材や親
液処理手段30の接触材料が挙げられ(傷修復/親液処
理手段50においても同様)、画像形成手段11が接触
加熱方式である場合は、この画像形成手段11などが挙
げられる。また、各加熱手段へのエネルギー供給量は、
それぞれの温度測定結果をもとに決定する。
【0135】傷修復処理温度、親液処理温度、及び画像
形成温度は、環境温度によって変化しやすく、以下のよ
うな条件で各温度を制御する必要がある。傷修復温度に
おいては、低すぎると、記録材料層22が溶融又は軟化
しないため傷の修復がなされず、逆に高すぎると記録材
料層22が分解又は変質してしまう。傷修復温度の適正
な温度範囲は、記録材料の成分により異なるが、80〜
160℃程度であり、より望ましくは80〜130℃が
良い。親液処理温度においては、低すぎると記録材料層
22の表面の状態が撥液性から親液性へ変化せず、逆に
高すぎると親液性の度合いが強くなりすぎ、画像形成時
に親液性から撥液性に変えるために多くのエネルギーが
必要となる。親液処理温度の適正な温度範囲は記録材料
の成分により異なるが、70〜140℃程度であり、よ
り望ましくは80〜120℃が良い。画像形成温度にお
いては、低すぎると記録材料層22の表面の状態が親液
性から撥液性へ変化しないため、現像時に多くの地汚れ
が発生し、逆に高すぎると非画像領域以外に画像領域を
も加熱され、現像した画像がかすれたものとなる。
【0136】 (実施例21) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:直径180mmのアルミニウムドラム+1μm厚カーボ ン(光吸収層)…図28 ・基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚)…図29 ・インク:表1参照 ・画像形成手段:200mW半導体レーザ…図28 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:16V)…図29 ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現像 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・傷修復手段:キセノンランプ内蔵加熱ローラ…図28 ・親液処理手段:90℃のポリエチレングリコール#600に接触させ、液が冷 えた後水拭き処理…図28 ・傷修復/親液処理手段:90℃のポリエチレングリコール#600に接触させ 、液が冷えた後水拭き処理…図29 ・装置外装部温度、装置内部温度、傷修復処理手段温度、親液処理手段温度検 知センサー:サーミスタ ・温度制御ユニット:A/D変換入力ユニット内蔵MPU(H8/300H、 日立製作所)使用 上記条件のもと、図28、図29の構成で、装置各部に
配置したサーミスタ出力信号をもとに制御ユニット内の
MPUにて演算処理し、傷修復手段と親液処理手段の温
度制御を行った結果、環境温度の影響を受け難く、印刷
品質が安定し、かすれのない高品質な画像を得られるこ
とが確認できた。
【0137】[請求項22の発明の説明]図30は、請
求項22の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図30(A)は記録材料塗布手段60により基板2
1に対して記録材料を塗布し、加熱乾燥手段61にて加
熱乾燥して記録材料層22を形成した後、記録体表面の
温度が親液処理温度よりも高い間に、親液処理手段30
の接触材料を記録材料層22の表面に接触させて親液処
理し、その後画像形成手段へ搬送する構成例を示し、図
30(B)は記録材料塗布手段60により基板21に対
して記録材料を塗布し、加熱乾燥手段61にて加熱乾燥
して記録材料層22を形成した後、親液処理手段30で
記録体表面に接触材料を接触させた状態で加熱手段30
bにより加熱して親液処理した後、画像形成手段へ搬送
する構成例を示すものである。
【0138】本実施形態のごとく、装置内で記録体20
を作製することにより、記録体表面に傷がつくことがな
いため、かすれの無い画像を得ることが可能となる。な
お、本実施形態に用いる基板21は、基本的に請求項2
0の発明の実施形態のものと同一であるが、予め記録材
料層22を形成した記録体を用いても良く、その場合は
使用済みの記録体や、低価格の厚みの薄いフィルム等を
用いることができる。図30(A)のように、記録材料
乾燥のための加熱と、親液処理のための加熱を加熱乾燥
手段61にて兼ねることにより、装置の消費エネルギー
を抑えることが可能となる。また、図30(B)の構成
とすると、記録材料層塗布手段60及び加熱乾燥手段6
1から親液処理手段30までの間隔を離すことができる
ため、装置構成の自由度を増すことが可能となる。ま
た、加熱乾燥手段61は、請求項20の発明の実施形態
のものと同一とする。
【0139】 (実施例22) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現像 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録材料層形成手段:記録材料(含フッ素アクリレート系材料(LS317 [旭硝子]))約1〜3μm厚塗布手段と、キセノンランプ(塗布層 の乾燥手段) ・親液処理手段:記録材料層形成手段での加熱乾燥直後に、表面温度が80℃ 以上の記録体表面にAF−6号ソルベントを接触する。 …図30(A) ・親液処理手段:記録材料層形成手段での加熱乾燥直後に、記録体裏側からキ セノンランプ内蔵の加熱ローラを接触するとともに、記録体表面にポ リエチレングリコール#600を接触する。…図30(B) 上記条件のもと、図30の構成で記録材料層を形成した
後、画像形成、印刷を行った結果、記録体表面の傷によ
るかすれのない高品質な画像が得られることを確認でき
た。
【0140】[請求項23の発明の説明]図31は、請
求項23の発明による画像形成装置を説明するための図
で、図31(A)は記録体20の表面に加熱ローラ40
aを接触させて加熱した後、熱光線照射源40bにより
熱光線を照射して記録体20を非接触で加熱し、記録体
表面の傷修復を行う装置構成の例を示し、図31(B)
は傷検知手段42より得られる記録材料層22の傷の情
報に基づき、サーマルヘッド40cによる傷修復と、加
熱ローラ40aによる傷修復を使い分ける装置の例を示
すものである。
【0141】図31(A)のように、高温の加熱ローラ
40aを記録材料層22の表面に直接接触させると、記
録材料層22が瞬時にかつ確実に加熱されて傷の修復が
なされるが、記録体20と加熱ローラ40aが離れる際
に、記録材料層22の表面の平滑性が劣化する可能性が
あるため、更に熱光線照射源40bにより非接触で記録
体20を加熱し、表面を平滑にして画像形成手段に搬送
する。
【0142】図31(B)の場合は、記録材料層22の
傷の状態がわずかな状態ではサーマルヘッド40cによ
って傷修復を行い、傷が広い領域に存在する時は加熱ロ
ーラ40aで傷修復を行う方法や、傷が深い領域のみサ
ーマルヘッド40cと加熱ローラ40aによって傷修復
を行い、傷が浅い領域は加熱ローラ40aで傷修復を行
う方法を使い分けることが可能となる。以上のように、
複数の傷修復機能を使うことによって、より確実で、効
率的に傷の修復を行うことが可能となる。
【0143】 (実施例23) ・記録体:・材料:含フッ素アクリレート系材料(LS317[旭硝子]) ・基板:ダイレクトマットPETフィルムロール (350mm×10m、100μm厚) ・インク:表1参照 ・画像形成手段:600dpiサーマルヘッド(東芝)/(抵抗値:3000Ω、 パルス幅:0.5ms、印加電圧:15V) ・現像手段:ニトリルゴム(硬度30)のインクローラによる現象 ・記録紙:上質紙、微コート紙、コート紙、アート紙、合成紙、普通紙 ・記録体表面状態検知手段:反射式濃度測定手段…図31(B) ・傷修復処理手段:キセノンランプ内蔵加熱ローラ+キセノンランプ …図31(A) ・傷修復処理手段:200dpiサーマルヘッド+キセノンランプ内蔵加熱ロー ラ…図31(B) ・親液処理手段:セラミックヒータ内蔵加熱ローラを記録体裏側に接触し、8 0℃のポリエチレングリコール#600を記録体表面に接触して、液 が冷えた後水拭き処理。
【0144】上記条件のもと、図31(A)の構成で最
初に加熱ローラを接触して傷修復を行った後、キセノン
ランプにて記録体表面の凹凸をより平滑になるよう処理
した結果、記録体表面の傷が大幅に減少し、記録体表面
の傷によるかすれのない高品質な印刷画像を得ることが
できた。また、図31(B)の構成で、画像サイズや使
用する紙サイズなどの情報をもとに加熱範囲を求め、面
積に応じてサーマルヘッドと加熱ローラを使い分けて傷
修復を行うことにより、より信頼性が高く効率的な傷修
復を行うことができるようになった。
【0145】
【発明の効果】請求項1の発明は、画像形成手段に対
し、表面に傷のない記録体を供給可能としたことによ
り、印刷画像品質を安定させることができる。請求項2
の発明は、記録体の傷を修復する傷修復手段を備えたこ
とにより、記録体をより有効に利用でき、画質を向上さ
せることができる。請求項3の発明は、傷修復機能と親
液処理機能とを兼ね備えた傷修復/親液処理手段を備え
たことにより、シンプルな構成で消費エネルギーを低減
させることができる。請求項4の発明は、親液処理に際
して記録体に接触させる接触材料として画像形成に用い
るインクが含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いるこ
とにより、プロセスがシンプルになり、画質を向上させ
ることができる。請求項5の発明は、接触材料として光
吸収材料を含有する材料を用いることにより、傷修復の
信頼性が増し、画質を向上させることができる。
【0146】請求項6の発明は、接触材料として光吸収
材料含有インクを用いることにより、プロセスがよりシ
ンプルになり、画質を上向させることができる。請求項
7の発明は、接触材料としてシリコーン樹脂を用いるこ
とにより、プロセスがよりシンプルになり、ランニング
コストを低減させることができる。請求項8の発明は、
画像形成装置内において記録体の記録材料層を塗布する
ことにより、傷が原因で発生する印刷結果のかすれを減
少させることができる。請求項9の発明は、記録体の傷
を検知する傷検知手段を備えたことにより、傷修復を効
率的に行うことが可能になる。請求項10の発明は、傷
検知手段の検知結果に応じて傷修復処理領域を変えるこ
とにより、記録体の状態によって傷修復の工程を省くこ
とが可能になる。
【0147】請求項11の発明は、画像を印刷する紙サ
イズに応じて傷検知を行うことにより、傷修復の負荷を
低減することが可能になる。請求項12の発明は、形成
する画像サイズに応じて傷検知を行うことにより、傷修
復の負荷を低減することが可能になる。請求項13の発
明は、サーマルヘッドを用いて傷修復を行うことによ
り、傷修復を低消費エネルギーで行うことが可能とな
る。請求項14の発明は、光吸収材料を記録体及び/又
は接触材料に含有させて、レーザ光を照射して発熱させ
ることにより、傷が原因で発生する印刷結果のかすれを
減少させることができる。請求項15の発明は、記録体
に予め接触材料を保持させておくことにより、画質が安
定し、かすれた画像を減少させることができる。
【0148】請求項16の発明は、記録体に保持させて
おく接触材料として画像形成に用いるインクが含有する
溶剤及び/又はビヒクルを用いることにより、プロセス
がシンプルになり、画質を向上させることができる。請
求項17の発明は、記録体に保持させておく接触材料と
して光吸収材料を含有する材料を用いることにより、傷
が原因で発生する印刷結果のかすれを減少させることが
できる。請求項18の発明は、記録体に保持させておく
接触材料として、光吸収材料含有インクを用いることに
より、プロセスがシンプルになり、画質を向上させるこ
とができる。請求項19の発明は、記録体に保持させて
おく接触材料として加熱により除去される材料を用い、
画像形成手段にて必要領域を加熱することにより、プロ
セスをシンプルにすることができる。
【0149】請求項20の発明は、装置内で記録体に記
録材料層を形成し、さらにその上に保護層を形成するこ
とにより、使用する記録体の製造コストを低減すること
ができる。請求項21の発明は、所定の測定点における
環境温度に応じて傷修復及び/又は親液処理の加熱温度
を変えることにより、画質の安定かつ向上を図ることが
できる。請求項22の発明は、記録体の記録材料層を形
成する手段を有することにより、記録体を有効に使用で
き、要求される画質・コストに応じた記録体を使うこと
が容易になる。請求項23の発明は、複数の傷修正部を
有することにより、画質が向上し、傷が原因で発生する
印刷結果のかすれをより減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明による画像形成装置の一例を
説明するための図である。
【図2】 請求項1の発明による画像形成装置の他の例
を説明するための図である。
【図3】 請求項1の発明による画像形成装置の更に他
の例を説明するための図である。
【図4】 請求項2の発明による画像形成装置の一例を
説明するための図である。
【図5】 請求項2の発明による画像形成装置の他の例
を説明するための図である。
【図6】 請求項2の発明による画像形成装置のさらに
他の例を説明するための図である。
【図7】 請求項2の発明による画像形成装置のさらに
他の例を説明するための図である。
【図8】 請求項2の発明による画像形成装置のさらに
他の例を説明するための図である。
【図9】 請求項3の発明による画像形成装置の一例を
説明するための図である。
【図10】 請求項3の発明による画像形成装置の他の
例を説明するための図である。
【図11】 請求項3の発明による画像形成装置の他の
例を説明するための図である。
【図12】 請求項3の発明による画像形成装置の更に
他の例を説明するための図である。
【図13】 請求項5の発明による画像形成装置の一例
を説明するための図である。
【図14】 請求項5の発明による画像形成装置の他の
例を説明するための図である。
【図15】 請求項6の発明による画像形成装置を説明
するための図である。
【図16】 請求項7の発明による画像形成装置の一例
を説明するための図である。
【図17】 請求項8の発明による画像形成装置の一例
を説明するための図である。
【図18】 請求項9の発明による画像形成装置を説明
するための図である。
【図19】 請求項10の発明による画像形成装置の例
を説明するための図である。
【図20】 請求項11の発明による画像形成装置の例
を説明するための図である。
【図21】 請求項12の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図22】 請求項13の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図23】 請求項14の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図24】 請求項15の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図25】 請求項17の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図26】 請求項19の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図27】 請求項20の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図28】 請求項21の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図29】 請求項21の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図30】 請求項22の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図31】 請求項23の発明による画像形成装置を説
明するための図である。
【図32】 本発明者等が先に提案した記録体への画像
形成方法を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
10…画像形成装置、11…画像形成手段、11a…加
熱手段、12…記録体表面状態検知手段、13…加圧ロ
ーラ、14…中間転写体、15…記録体保持ドラム、1
6…印刷物搬送手段、17…使用済み記録体容器、18
…インキングローラ、19…記録紙、19′…印刷済記
録紙、20…記録体、20r…記録体20が巻回された
記録体ロール、21…基板、21a…光吸収材料含有基
板、22…記録材料層、22a…予め記録体に保持され
ている記録材料層、22b…新しい記録材料層、22c
…光吸収材料含有記録材料層、23…カーボン含有イン
ク層、24…インク担持フィルム、25…光吸収層、2
5a…液層、25b…ゲル状材料層、25c…油性液膜
層、25d…シリコーンゴム層、25e…光吸収材料含
有ゲル状材料層、25f…液体層、26…接触材料保持
層、26a…フィルム層、26b…光吸収材料含有樹脂
層、26c…透光性樹脂層、27…光吸収材料層、28
…保護層、30…親液処理手段、30a…光照射手段、
30b…加熱手段、30c…加熱ローラ、30d…面状
ヒータ加熱手段、31…拭き取りローラ、32…現像手
段、33…クリーニングローラ、34…転写ローラ、3
5…拭き取りローラ、40…傷修復手段、40a…加熱
ローラ、40b…熱光線照射源、40c…サーマルヘッ
ド、41…傷修正判断部、42…傷検知手段、43…紙
サイズ情報供給部、44…画像サイズ情報供給部、45
…画像サイズ/紙サイズ情報供給部、46…温度制御ユ
ニット、47…環境温度検知ユニット、50…傷修復/
親液処理手段、50a…光照射手段、50b…加熱手
段、50c…インクローラ、51…加圧手段、52…加
熱源を備えたインクローラ、53…加熱手段、54…イ
ンクローラ、55…光照射手段、56…加圧ローラ、5
7…加熱源を備えたシリコーンゴムローラ、58…シリ
コーンゴムローラ、60…記録材料塗布手段、60a…
ブレード、61…加熱乾燥手段、70…インク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 敬 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C061 AQ04 GG05 GG16 GG23 GG26 2H084 AA13 AA14 AA34 AA38 AE05 BB13 CC05 DD28 2H086 AA04 AA13 AA33 AA49 2H113 AA01 AA02 AA04 BA05 BA47 BC01 BC02 FA06 FA10 FA29 FA42

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱状態で液体及び/又は固体と接触さ
    せたときに後退接触角が低下して親液性状態が得られ、
    かつ液体又は固体と接触させることなく加熱したときに
    後退接触角が増大して撥液性状態が得られる記録材料層
    を有する記録体を用い、液体及び/又は固体から選ばれ
    る接触材料に前記記録材料層を接触させた状態で加熱す
    るか、若しくは前記記録材料層の表面が加熱された状態
    で該記録材料層に液体及び/又は固体から選ばれてなる
    接触材料を接触させることにより前記記録材料層の表面
    を前記親液性状態とする親液処理手段と、該親液処理手
    段により処理された前記記録材料層の必要領域を液体又
    は固体と接触させることなく加熱することにより前記記
    録材料層の前記必要領域を前記撥液性状態として画像を
    形成する画像形成手段とを有する画像形成装置におい
    て、前記画像形成手段に対し、前記記録材料層の表面に
    傷のない前記記録体を供給可能としたことを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記記録材料層の表面に傷のない前記記録体を供給
    する手段として、該記録材料層表面の傷を修復する傷修
    復手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の画像形成装置におい
    て、前記傷修復手段の機能と前記親液処理手段との機能
    とが同一の要素により実行されるようにしたことを特徴
    とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の画像形成装置に
    おいて、前記接触材料として画像形成に用いるインクが
    含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴と
    する画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3に記載の画像形成装置に
    おいて、前記接触材料として光吸収材料を含有する材料
    を用いることを特徴とする面像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像形成装置におい
    て、前記接触材料として光吸収材料含有インクを用いる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3に記載の画像形成装置に
    おいて、前記接触材料としてシリコーン樹脂を用いるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の画像形成装置におい
    て、前記記録体を構成する基板の表面に記録材料を塗布
    する塗布手段と、該塗布手段で塗布された記録材料の表
    面を加熱する加熱手段とを有し、該加熱手段による加熱
    処理を経た前記記録体を前記親液処理手段により処理す
    ることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至8のいずれか1に記載の画
    像形成装置において、前記記録体表面の傷を検知する傷
    検知手段を有し、該傷検知手段による検知結果に基づい
    て前記傷修復手段による傷修復を行うことを特徴とする
    画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の画像形成装置におい
    て、前記傷修復手段は、前記傷検知手段により検知され
    た傷の位置に応じて傷修復のための処理領域を変えるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項2乃至10のいずれか1に記載
    の画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前
    記親液処理手段は、形成した画像を印刷する紙のサイズ
    に応じて処理領域を変えることを特徴とする画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項2乃至11のいずれか1に記載
    の画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前
    記親液処理手段は、形成する画像サイズに応じて処理領
    域を変えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至12のいずれか1に記
    載の画像形成装置において、前記傷修復手段は、サーマ
    ルヘッドを用いて加熱することにより傷修復を行うこと
    を特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至12のいずれか1に記
    載の画像形成装置において、前記記録体及び/又は前記
    接触材料に光吸収材料を含有させ、前記傷修復手段は、
    レーザ光源を用いて、該光吸収材料を発熱させることに
    より傷修復を行うことを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記記録体として予め前記接触材料を保持する記録
    体を用い、前記親液処理手段は、前記記録体に予め保持
    された接触材料の作用により前記親液処理を行うことを
    特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の画像形成装置にお
    いて、前記接触材料として、画像形成に用いるインクが
    含有する溶剤及び/又はビヒクルを用いることを特徴と
    する画像形成装置。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16に記載の画像形成
    装置において、前記接触材料として、光吸収材料を含有
    する材料を用いることを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の画像形成装置にお
    いて、前記接触材料として、光吸収材料含有インクを用
    いることを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至18のいずれか1に記
    載の画像形成装置において、前記接触材料として、加熱
    により前記記録体から除去される材料を用い、前記画像
    形成手段は、前記記録体が保持した接触材料の必要領域
    を加熱して画像を形成することを特徴とする画像形成装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記記録体を構成する基板に記録材料を塗布して表
    面を加熱することにより該基板に記録材料層を形成する
    記録材料層形成手段と、該記録材料層形成手段にて加熱
    された前記記録材料層の表面温度が所定のレベル以上に
    ある状態で前記記録材料層の上に保護層を形成する保持
    層形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】 請求項2乃至18のいずれか1に記載
    の画像形成装置において、前記傷修復手段及び/又は前
    記親液処理手段は、所定の測定点における環境温度に応
    じて加熱温度を変えることを特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記記録体を構成する基板に記録材料を塗布して表
    面を加熱することにより該基板に記録材料層を形成する
    記録材料層形成手段を有することを特徴とする画像形成
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至22のいずれか1に記載
    の画像形成装置において、前記傷修復手段は、複数の異
    なる方式の傷修正部を選択的に前記記録材料層に作用さ
    せて傷を修正可能としたことを特徴とする画像形成装
    置。
JP33361998A 1998-11-25 1998-11-25 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3638454B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33361998A JP3638454B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33361998A JP3638454B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000158783A true JP2000158783A (ja) 2000-06-13
JP3638454B2 JP3638454B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=18268087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33361998A Expired - Fee Related JP3638454B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3638454B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094853A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Ricoh Co Ltd 記録体親液処理装置
JP7322516B2 (ja) 2019-05-31 2023-08-08 コニカミノルタ株式会社 インクジェット画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094853A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Ricoh Co Ltd 記録体親液処理装置
JP7322516B2 (ja) 2019-05-31 2023-08-08 コニカミノルタ株式会社 インクジェット画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3638454B2 (ja) 2005-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3877460B2 (ja) 画像記録体
US6108021A (en) Image forming method and apparatus, and image recording and indicating apparatus
CN1508020A (zh) 使用非接触型可重写感热式标签记录和擦除图象的方法
JP3638454B2 (ja) 画像形成装置
JP2010243595A (ja) 画像記録媒体の再利用装置、画像形成装置、及び画像記録媒体の再利用方法
JPH05221116A (ja) 記録方法
US8203583B2 (en) Writing erasable paper using thermal printhead and UV illumination
JP3066603B2 (ja) 記録装置
JP7407054B2 (ja) 基材上の画像上にオーバーコートを堆積させるための装置及び方法
JP3058488B2 (ja) 記録装置
JP7263868B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2006347179A (ja) 画像形成装置
JP3134887B2 (ja) 記録装置
JP2000103043A (ja) インクジェット記録方法
JP2005059335A (ja) 可逆性感熱記録媒体用記録消去装置及び可逆性感熱記録媒体用画像記録装置
JP4097407B2 (ja) 記録体及び記録装置
JP4169444B2 (ja) 画像形成装置
JP2782920B2 (ja) 記録方法および記録装置
JP3063777B2 (ja) 記録装置
JP3134892B2 (ja) 記録装置
JP2007001310A (ja) 画像記録体上の残存インクの除去方法
JP2013220651A (ja) 製版装置、画像形成装置及び製版方法
JP2004174877A (ja) 記録方法と製版装置と印刷用版及び印刷装置
JP2002036485A (ja) 印刷方法および該方法を用いた印刷装置
JPH05201122A (ja) 記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees