JP3638329B2 - 不凝縮ガス抽出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は地熱発電プラントの復水器に付設される不凝縮ガス抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の地熱発電プラントの復水器に付設される不凝縮ガス抽出装置は図5に示すように第1段エゼクタ1を出た蒸気および不凝縮ガスはインタークーラー2内で凝縮水(ドレン)と不凝縮ガスとに分離され、このうち凝縮水は復水器(図示せず)へと回収される。また、不凝縮ガスは更に第2段エゼクタ3により吸引され、蒸気と共にアフタークーラー4に導かれる。この器内でも蒸気のみ凝縮水(ドレン)となり復水器へ回収される。不凝縮状態のまま残されたガスはベント配管により大気へ放出される。凝縮水がアフタークーラー4から復水器に回収される過程においては、通常アフタークーラー4内に水位を一定に保つための水位調節弁装置5が設けられ、常に凝縮水のみを復水器に回収させるために機能している。なお、図中、符号6はUシール装置を示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のアフタークーラー4から排出される凝縮水を地熱プラントの冷却水系統に回収するために、水位調節弁装置5を設置して復水器に排出している。しかし、この水位調節弁装置5を設置することは装置を増やすばかりでなく幾多の問題をも抱えている。まず水位調節弁装置5自体に地熱プラント特有のスケール付着という不具合が発生する。また水位調節弁装置5は可動部や摺動部があるため、信頼性が低くなる。さらには駆動するための電源や空気源等が必要になり、設備の増大はもとより、電源,空気源の信頼性も影響する。万一この水位調節弁装置5に不具合が発生した場合にはアフタークーラー4と復水器の圧力差が1気圧近くあるためアフタークーラー4内で分離した不凝縮ガスが復水器に流入し、真空度が低下してしまう。これに対し、配管だけで構成されるUシール装置は水柱による差圧調整機構としては水位調節弁装置5のような不具合はなく、駆動源が不要で運転コストの引下げにも効果がある、しかし、不凝縮ガス抽出装置のアフタークーラー4と復水器の間の配管上に水位調節弁装置5に代わるUシール装置を設けた場合には、運転中のプラントにおける両器内の圧力差の突変に対して配管だけで構成されるUシール装置の調節範囲の設定が難しいこと、更には、圧力差が、平衡を保てるはずの範囲に安定していたとしても、凝縮水の流動によるエネルギーでアフタークーラー4内の不凝縮ガスが随伴されてドレン配管内に気層を生成させ、ついにはシール破壊により復水器まで不凝縮ガスが流れ、復水器の真空度が低下する可能性がある。
【0004】
本発明の目的は上記の欠点を排除し、アフタークーラーの凝縮水を水位調節弁装置を設けずに、冷却水系統に確実に回収することのできる不凝縮ガス抽出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、復水器の不凝縮ガスを排出するための多段式蒸気エゼクタと、これら作動蒸気を凝縮させるためのインタークーラーおよびアフタクーラーを直列に備えたものにおいて、前記アフタークーラーから復水器にかけての経路に汽水分離タンクを設け、該汽水分離タンク中の残留不凝縮ガスを排出させるためのベント配管を前記アフタークーラーに接続したことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に係る発明は汽水分離タンク中の残留不凝縮ガスを排出させるためのベント配管をアフタークーラーから不凝縮ガスを大気へ排出するベント配管に直接接続したことを特徴とするものである。
【0007】
さらに、請求項3に係る発明は、復水器の不凝縮ガスを排出するための多段式蒸気エゼクタと、これら作動蒸気を凝縮させるためのインタークーラーおよびアフタクーラーを直列に備えたものにおいて、凝縮水を復水器へ回収する代わりに近傍に設置される冷却塔ピットに回収させるように構成し、凝縮水と共に随伴される不凝縮ガスを当該冷却塔ピット内にて分離するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、凝縮水を復水器へ回収する代わりに近傍に設置される冷却塔ピットに回収させるように構成し、当該冷却塔ピットまでの間にUシール装置を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
請求項1及び請求項2に係る発明は汽水分離タンクによって凝縮水だけを復水器に回収し、不凝縮ガスをベント配管を通してアフタークーラーまたは大気放出経路に導くことができる。
また、請求項3及び請求項4に係る発明は凝縮水を冷却塔ピットに回収し、不凝縮ガスをピット内にて分離して処理することができる。
【0010】
【実施例】
図1において、アフタークーラー4と復水器(図示せず)とを結ぶ経路に汽水分離タンク7を設ける。汽水分離タンク7の気相部はベント配管8を介してアフタークーラー4に接続されている。
【0011】
上記のように構成したものにおいてはアフタークーラー4で生じたドレンが汽水分離タンク7に回収され、そこで凝縮水と不凝縮ガスとに分離される。凝縮水は、この後復水器に排出され、一方不凝縮ガスはベント配管8を通ったアフタークーラー4に回収される。
【0012】
このように本実施例によれば、凝縮水だけを確実に冷却水系統に戻すことができ、複雑な水位調節弁装置を使用しないので、安価な不凝縮ガス抽出装置として構成することが可能になる。
【0013】
次に、他の実施例を図2を参照して説明する。
上記実施例の不凝縮ガス抽出用のベント配管8はアフタークーラー4に接続したが、本実施例ではベント配管8をアフタークーラー4の大気放出経路に接続している。
【0014】
このようにベント配管8を接続しても、汽水分離タンク7で抽出される不凝縮ガスはアフタークーラー4からの不凝縮ガスと合流し、その後大気中に拡散して行く。
【0015】
さらに、他の実施例を説明する。
図3において、アフタークーラー4の凝縮水溜めと冷却塔ピット9とをドレン配管10を介して連絡している。冷却塔ピット9の一部は暗きょ11として構成されており、ドレン配管10の出口がこの暗きょ11に接続されている。なお、符号12はベント配管である。
【0016】
凝縮水は冷却塔ピット9に排出され、冷却水と合流することができる。このとき随伴される不凝縮ガスは暗きょ11で封じられ、その後ベント配管12を通って大気中に拡散して行く。
【0017】
また、図4において、冷却塔ピット9が凝縮水の排出のために用いられる上記実施例と同様である。凝縮水排出経路はUシール装置13で構成されており、不凝縮ガスの流入を防ぐためにアフタークーラー4内に凝縮水の水位を維持する。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、アフタークーラーの凝縮水を複雑な水位調節弁装置を用いずに、簡単な手段を用いて確実に冷却水系に戻すことができ、部品の故障等が少なくなり、不凝縮ガス抽出装置の信頼性を高め、併せてプラントの運転を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による不凝縮抽出装置の一実施例を示す系統図。
【図2】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図3】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図4】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図5】従来技術による不凝縮ガス抽出装置を示す系統図。
【符号の説明】
2 インタークーラー
4 アフタークーラー
7 汽水分離タンク
9 冷却塔ピット
11 暗きょ
Claims (4)
- 復水器の不凝縮ガスを排出するための多段式蒸気エゼクタと、これら作動蒸気を凝縮させるためのインタークーラーおよびアフタークーラーを直列に備えたものにおいて、
前記アフタークーラーから復水器にかけての経路に汽水分離タンクを設け、該汽水分離タンク中の残留不凝縮ガスを排出させるためのベント配管を前記アフタークーラーに接続したことを特徴とする不凝縮ガス抽出装置。 - 請求項1記載の不凝縮ガス抽出装置において、
汽水分離タンク中の残留不凝縮ガスを排出させるためのベント配管を前記アフタークーラーから不凝縮ガスを大気へ排出するベント配管に直接接続したことを特徴とする不凝縮ガス抽出装置。 - 復水器の不凝縮ガスを排出するための多段式蒸気エゼクタと、これら作動蒸気を凝縮させるためのインタークーラーおよびアフタクーラーを直列に備えたものにおいて、
凝縮水を復水器へ回収する代わりに近傍に設置される冷却塔ピットに回収させるように構成し、
凝縮水と共に随伴される不凝縮ガスを当該冷却塔ピット内にて分離するようにしたことを特徴とする不凝縮ガス抽出装置。 - 請求項3記載の不凝縮ガス抽出装置において、凝縮水を復水器へ回収する代わりに近傍に設置される冷却塔ピットに回収させるように構成し、当該冷却塔ピットまでの間にUシール装置を設けたことを特徴とする不凝縮ガス抽出装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH08193791A JPH08193791A (ja) | 1996-07-30 |
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JP00455295A Expired - Fee Related JP3638329B2 (ja) | 1995-01-17 | 1995-01-17 | 不凝縮ガス抽出装置 |
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JP2012167909A (ja) * | 2011-02-17 | 2012-09-06 | Tlv Co Ltd | 廃蒸気回収装置 |
-
1995
- 1995-01-17 JP JP00455295A patent/JP3638329B2/ja not_active Expired - Fee Related
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