JP3637136B2 - 一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明、電子写真複写機やレーザービームプリンタ等に用いられる一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一成分現像剤を使用すると現像装置や画像形成装置本体を小型化でき、また、これらの装置はメンテナンス性等の信頼性にも優れるという利点を有するので、低速の画像形成装置を中心に近年その採用が活発化している。
前記した装置では、これらの一成分現像剤を速やかに帯電させかつ現像剤の薄層を効率よく現像スリーブ上に形成させる目的で、現像スリーブに接触させた状態で層形状部材を設けることがよく行われている。また、静電潜像を保持する感光体としては、材料の選択等により種々の電気特性が得られること、材料としての安全性が高いこと、ドラム、シート、ベルトなどへの加工が容易であること等の理由から有機光導電体(OPC)が多く使用され、紙等への被転写材への現像像転写後の残存粒子のクリーニング方式としてはポリウレタン等のクリーニングブレードの採用が一般的である。さらに、被転写材上の現像剤は、熱ローラ方式等の熱的手段により定着される。
【0003】
一成分現像剤としては、現像剤中に磁性材料を含有せしめた磁性一成分現像剤と磁性材料を含有しない非磁性一成分現像剤とが知られている。これらの現像剤の製造方法としては、各構成材料を混合し、溶融混練し、粉砕し、分級してトナー粒子を得るいわゆる粉砕法が主流となっている。このトナー粒子に対して、その流動性を向上させ、現像スリーブでのトナー層形成を容易にするためにシリカ微粒子などの添加剤が外添によって加えられ、一成分現像剤として調製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在、以下の課題を総合的に解決するような提案が求められている。
第1に、一成分現像剤によって現像を行うときには、現像剤粒子の均一な薄層を現像スリーブ上に形成することによって現像剤に充分な帯電量を与えることが重要となるが、それをいかにして達成するかという課題がある。
第2に、OPC感光体はその表面は有機高分子材料で構成されており、その硬度は無機系感光体に比して小さいので、現像剤を介在するクリーニングブレードとの継続的な摺擦によって表面の磨耗及び研磨筋が発生し易い。場合によっては、その研磨筋に現像剤が擦り込まれて点状やフィルム状の欠陥が感光体上に発生する。また、クリーニング不良も発生しやすい。このような表面の劣化は、感光体の電気特性の著しい低下要因となるし、得られる画像に致命的な汚染が生じることも改良すべき課題であった。
第3に、近年の省エネルギー化の世界的潮流から、一成分現像剤を用いる画像形成装置においても低消費電力、具体的には低エネルギー定着への要望が強まっており、その課題の解決が必要である。
【0005】
まず、現像に関わる現像剤粒子の薄層形成による帯電性の課題について述べる。
一般に、現像スリーブ上に現像剤の均一な薄層が形成できないと、現像剤粒子の帯電が充分に行われないので、現像剤粒子の帯電量は低く、またその帯電量分布も逆極性成分の多いものになりやすい。従って、得られる画像としては画像濃度が低かったり、カブリが高い、またシャープネスが悪いなどの問題がある。さらに、連続実写や長期間の繰り返し使用では、現像剤帯電性の低下が起こるので、そういった問題が一層顕在化しやすい。
【0006】
均一な薄層形成を行って現像剤の帯電性を高めるには、現像スリーブに対して接触押圧させた層形成部材を設ける現像装置を用いれば現像剤を強制的に層規制することができるから、比較的容易に現像剤薄層が得られやすい。しかし、現像剤の流動性が悪化すると、現像剤の薄層は得られてもその表面にはムラがあって均一でないので、得られる画像も画像部にムラのある不鮮明なものしか得られない。このような問題は、近年の高画質化の市場要求に伴って現像剤粒子を小粒径化していくとますます顕在化しやすい。そこで、トナー粒子に、シリカ微粒子などの無機物微粒子を始めとする流動性向上剤を添加させて現像剤の流動性を向上させることによって、前記の問題を改善することがよく行われる。これらの流動性向上剤の添加により、薄層でしかも均一な現像剤層が得られ、現像剤の帯電性を高めることができるので、画像濃度が高く、カブリが低く、ムラの少ない画質が達成できる他、画像の文字部やライン部の中央部が欠落する画像中抜けも発生しにくいという利点を有するので効果的である。従って、トナー粒子に対して、流動性向上剤を積極的に添加することが望まれる。ただし、シリカ微粒子等の流動性向上剤は、繰り返し使用により現像剤から脱落し、飛散し、さらには現像剤粒子に埋没するなど刻々と現像剤粒子表面での存在量が変化し、そのような状況は、現像剤粒子の帯電性を変動させるので、安定した画質が得られにくい問題がある。
【0007】
次に、現像剤粒子によるOPC上の汚染の問題について述べる。
トナー粒子へのシリカ微粒子等の流動性向上剤の添加は、さらに以下の問題点も有している。すなわち、OPC感光体に対して、クリーニングブレードを接触押圧させて感光体のクリーニングを行うことはよく行われるが、そのような工程を含む画像形成方法においては、こうしたシリカ等の微粒子が感光体を傷つけ、そこを起点に現像剤の固着や融着が起こって画像の汚染を引き起こすことがある。従って、流動性向上剤をトナーに添加することは、前述の層形成性の向上のためには良い結果となるが、OPCの汚染の面からは不都合な結果となるので、このような相反する両方の性能を満足するような提案が求められている。
【0008】
次に、低エネルギー定着に関する課題について述べる。
定着工程での定着機の温度を下げること等によって装置としての低エネルギー化は可能となるが、現像剤はそのような低エネルギー定着に対応した特性を有している必要がある。例えば、通常定着方式として多用される熱ロール方式の場合、定着機温度の低下に伴って定着強度の不足による紙からのトナーの剥離や定着ローラへのトナーの付着汚染の現象が見られるから、そのような不具合が解消されるような現像剤が要求される。
【0009】
このように、一成分現像剤においてはいまだ改良すべき課題が残っており、各々の課題についてはそれぞれ個別に提案もなされているが、上記した課題を総合的に解決するような提案はなされていないのが現状である。
本発明は上記した現状に鑑み、その課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、繰り返し使用時においても画像濃度が高くてカブリが少ない一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、画像ムラが少なく、シャープネスがよく、画像中抜けが少ない等の優れた画質が得られる一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、クリーニング不良やOPC感光体への現像剤の固着や融着現象による画像汚染のない一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、定着での画像剥離や定着装置汚染がなく低エネルギー定着ができる一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、各種の温度及び湿度の組合せ環境条件下でも画質変化が少ない一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、長期あるいは連続使用時においても画像濃度や画質劣化が少なく耐久性、信頼性に優れた一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、少ないトナー消費量で充分な画質が得られる一成分現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の熱特性を有するトナー粒子に対して、外添剤として脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とが外添されており、その外添前後の現像剤の比表面積の関係が特定式で表される一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法により、上記目的が満足されることを見出し本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明の要旨は、少なくともバインダ樹脂と着色剤とを含んでなる体積50%径Dt50が5〜12μmでかつガラス転移温度が60℃以下であるトナー粒子と、外添剤とから構成され、外添剤は脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とからなるものであって、外添剤が添加される前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をA(m2 /g)とし、外添剤が添加された後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をB(m2 /g)としたとき、下記式(1)を満足し、かつ前記脂肪酸金属塩粒子が、その体積16%径、50%径及び84%径をそれぞれDs 16 、Ds 50 及びDs 84 とするとき、以下の式(2)及び(3)を満足することを特徴とする一成分現像剤に存する。
【0014】
【数5】
式(1) 1.5≦B/A≦3
【数6】
式(2) Ds 50 /Dt 50 ≦0.5
式(3) Ds 84 /Ds 16 ≦4
【0015】
また、現像剤を保持するための現像スリーブと現像スリーブに押圧された層形成部材とを具備し、層形成された現像剤を有機光導電体からなる感光体に現像し、前記感光体から被転写材に転写を行った後、クリーニングブレードで感光体のクリーニングを行い、被転写材上の現像剤を熱的に定着する工程を含む電子写真画像形成方法において、前記現像剤が、少なくともバインダ樹脂と着色剤とを含んでなる体積50%径Dt50が5〜12μmでかつガラス転移温度が60℃以下であるトナー粒子と、外添剤とから構成され、外添剤は脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とからなるものであって、外添剤が添加される前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をA(m2 /g)とし、外添剤が添加された後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をB(m2 /g)としたとき、下記式(1)を満足し、かつ前記脂肪酸金属塩粒子が、その体積16%径、50%径及び84%径をそれぞれDs 16 、Ds 50 及びDs 84 とするとき、以下の式(2)及び(3)を満足する一成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法に存する。
【0016】
【数7】
式(1) 1.5≦B/A≦3
【数8】
式(2) Ds 50 /Dt 50 ≦0.5
式(3) Ds 84 /Ds 16 ≦4
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるトナーは、熱可塑性バインダ樹脂、着色剤、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、その他の物質等を溶融混練し、粉砕し、分級した微粉末である。
【0018】
前記トナー構成成分のうち、バインダ樹脂としては、トナーに適した公知の種々のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン樹脂、低分子量ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等があり、それぞれ単独であるいは任意に併用して使用しうるが、本発明に用いるのに好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0019】
さらにまた、特公昭51−23354号公報、特開昭50−44836号公報に記載されている架橋系バインダ樹脂、あるいは特公昭55−6895号公報、特公昭63−32180号公報に記載されている非架橋系バインダ樹脂も使用できる。
【0020】
そして、本発明のトナーのガラス転移温度は60℃以下である必要があり、より好ましくは50〜58℃であるのがよいが、そのガラス転移温度を達成するためには、バインダ樹脂のガラス転移温度自体が、同等の範囲であるのが望ましい。トナーのガラス転移温度は、示差熱分析装置で測定したときの転移開始(変曲点)の温度を求めること等により測定できる。ガラス転移温度が前記範囲を超えて高い場合、低エネルギー定着のために定着温度を低めた熱定着装置を用いる際、定着強度の不足による紙からのトナーの剥離現象を招くので使用上問題がある。樹脂のガラス転移温度を前記範囲とするためには、樹脂製造時の使用モノマーの種類や配合割合を適宜選択すればよい。また、該トナー用バインダ樹脂の軟化点は、フローテスタ法で測定した値が100〜180℃であるのが好ましい。軟化点が100℃未満の場合、定着での汚れ(いわゆる「ホットオフセット」現象)が発生し易く、180℃を超える場合は、定着強度が悪化する傾向にあるので好ましくない。
【0021】
着色剤としては、従来から用いられるものであれば任意の適当な顔料や染料が使用できる。例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、紺青などの無機顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料などの有機顔料、アントラキノン染料、ローダミン染料等の染料などを相当するトナーの色に合わせて単独または適宜混合して用いる。着色剤の含有量は、非磁性一成分トナーの場合には、現像により可視像を形成することができるようトナーを定着するに充分な量であればよく、例えばバインダ樹脂100重量部に対して上記の着色剤3〜20重量部とするのが好ましい。なお、磁性一成分トナーの場合には、マグネタイト、γ一酸化鉄等に代表される磁性酸化鉄類などの磁性を有する着色剤を含有せしめるが、この場合、その添加量はバインダ樹脂100重量部に対して20〜200重量部とするのがよく、特には30〜120重量部とするのが望ましい。
【0022】
本トナーに用いられる帯電制御剤としては、使用するバインダ樹脂の組成制御や現像剤を担持する現像スリーブの組成制御等の方策も考えられるが、通常は正の帯電性を得るためには正の帯電制御剤を、負の帯電性を得るためには負の帯電制御剤を用いてもよい。これらは、各種公知のものの中から適宜選択すればよい。正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料及びその変性物、特公平1−54694号公報、特公平1−54695号公報、特公平1−54696号公報等に記載の4級アンモニウム化合物、特開昭51−455号公報、特公昭63−57787号公報、特公表平2−501506号公報等に記載のトリフェニルメタン化合物、特開平3−119364号公報、特開平3−202856号公報、特開平3−217851号公報等に記載のイミダゾール誘導体やイミダゾール類の金属錯体等が挙げられる。負の帯電制御剤としては、特公平3−37183号公報、特公平2−16916号公報等に記載の含金属アゾ染料や特公昭55−42752号公報等に記載のサリチル酸類金属錯体、特開昭63−163374号公報等に記載のサリチル酸類金属塩、特開平5−119535号公報等に記載の金属元素を含有しないカリックスアレン化合物などが挙げられる。上記した帯電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法とがある。内添する場合、これらの化合物の使用量は、前記バインダ樹脂100重量部に対して、通常0.05〜20重量部がよく、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲が望ましい。また、外添する場合には、樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。
【0023】
この他、熱特性や物理特性を改良する目的でトナー中に内添しうる助剤としては、公知のものが使用可能であるが、例えば、離型剤としてポリアルキレンワックス、パラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド等が挙げられる。その添加量は、バインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0024】
トナー粒子の製造方法としては、以下の方法で行う。
まず、トナーの構成材料であるバインダ樹脂、着色剤、帯電制御剤等を所定割合で配合して混合する。この際の装置としては、Vブレンダー、ボールミル等の重力落下式混合機やヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等の高速流動式混合機等が使用される。
【0025】
混合の後、混合物を溶融混練する。溶融混練工程で使用される装置としては、2本あるいは3本ロール、バンバリーミキサー、一軸あるいは二軸押し出し機等が挙げられる。この工程において、バインダ樹脂との相溶性を有する成分は樹脂と溶融し、また、バインダ樹脂との相溶性を有しない帯電制御剤等の成分は、溶融した樹脂に分散される。
【0026】
次に上記溶融混練物を冷却固化させた後、粗粉砕、微粉砕および分級の各工程を経てトナー粒子が製造される。粗粉砕にはハンマーミル、カッターミル等が、微粉砕には高速回転式微粉砕機等の機械式粉砕機や衝撃型ジェットミルや流動層式ジェットミル等のジェット粉砕機等が用いられ、分級には強制うず型遠心分級機や慣性分級機等が用いられる。
【0027】
本発明の一成分現像剤に関わるトナー粒子は、粉砕・分級後にその体積50%径Dt50が5〜12μmであれば、高画質の画像が得られるので好適である。5μm未満の場合、トナー飛散が激しく、得られる画像のカブリが悪化するので好ましくなく、また12μmを超える場合には得られる画像のシャープネスが低下する傾向を示すので好ましくない。
【0028】
粒子径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定システムHeros & Rodos(独SYMPATEC社製)で以下の条件で行うのがよいが、他にコールタカウンタ(米Coulter社製)を用いて行ってもよい。
分散方式:流動式分散ユニット
分散空気圧:2bar
レンズ焦点距離:100mm
測定時間:3秒
本発明の一成分現像剤は、これらのトナー粒子と脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とから成る。本発明において、脂肪酸金属塩粒子の粒子径は以下の式(2)及び(3)を満足するものである
【0029】
【数9】
式(2) Ds50/Dt50≦0.5
式(3) Ds84/Ds16≦4
ただし、式中、Dt50はトナー粒子の体積50%径を表し、Ds16、Ds50及びDs84はそれぞれ脂肪酸金属塩粒子の体積16%径、50%径及び84%径を表す。
【0030】
従来から、脂肪酸金属塩は電子写真プロセスにおける接触摺擦工程(感光体とクリーニングブレード等)において、その減摩作用により摺擦をスムーズにして粒子の摩擦熱等による付着の防止に効果のあることが知られていた。本発明者らは、上記式(2)及び(3)を満たす特別な粒度分布を有する脂肪酸金属塩粒子を採用すれば、特に一成分現像剤において、上記の作用の他にトナー粒子の帯電性を高め、帯電量分布の逆極性部分を減らし、しかも帯電性の長期安定性も改善する作用があることを知得した。
上記の粒子径及び粒度分布の測定は、前記した装置、条件で行うのが望ましい。
【0031】
本発明に関わる脂肪酸金属塩粒子は、上記式(2)及び(3)で示されるように、粒子径が小粒径でしかもその粒度分布の範囲が狭いことを特徴とする。式(2)において、Ds50/Dt50の値が0.5を超えて大きい場合には、脂肪酸金属塩粒子の粒径はトナー粒子の粒径に近づくか、それ以上に大きくなることを意味するので、こうした大粒子は現像剤中から脱落して系外に飛散しやすくなり装置を汚染するばかりか、画像上に大粒状のカブリとして検出されるようになるので好ましくない。また、式(3)において、粒子の粒度分布の幅を表すDs84/Ds16が4を超えて大きい場合には、粒子の粒度が不揃いなので現像剤の帯電性を長期にわたって安定に保つことが困難となり、画質の変動を抑制できない。なお、脂肪酸金属塩粒子の粒度分布は一山分布であるのが望ましい。
【0032】
本発明に用いられる脂肪酸金属塩粒子の脂肪酸としては、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びモンタン酸等の一価の飽和脂肪酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸等の多価の飽和脂肪酸、クロトン酸及びオレイン酸等の一価の不飽和脂肪酸、並びにマレイン酸及びシトラコン酸等の多価の不飽和脂肪酸を挙げることができ、本発明には8〜35個の炭素元素を有する飽和または不飽和の脂肪酸の金属塩が好ましく使用できるが、特にステアリン酸が望ましい。金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、銅、ルビニウム、銀、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケルの塩及びその混合物を含むがこれらには制限されない。上記した中でも、脂肪酸としてはステアリン酸がより望ましく、金属としては亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムの中から選ばれるものがより望ましい。その中でも、特にステアリン酸亜鉛を用いるのが最適である。
【0033】
流動性向上剤としては、公知の各種のものが使用可能である。例えば、乾式製法または湿式製法によるシリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物が挙げられる。中でもその平均一次粒子径が約5〜50nmであるものが好ましい。また、その表面が疎水化処理されているものが望ましい。疎水化処理剤の具体例としてはヘキサメチルジシラザン、シリコンオイルが挙げられるものの中から選ばれる少なくとも一種の物質で疎水化処理されたシリカ微粒子であるのが好適である。このような微粒子は、凝集物による感光体傷の発生が極めて少なく、従ってそれに付随して起こる各種の画像欠陥が出にくい利点を有する。一方、疎水化処理剤としてジメチルジクロルシランで処理されている場合、得られる流動性向上剤は、粗大な凝集物が残存しやすい傾向にあり、感光体傷が発生する要因となるので好ましくない。
【0034】
トナー粒子への脂肪酸金属塩粒子及び流動性向上剤の添加の方法は、高速流動式混合機等を用いて外添するのが好ましい。また、必要に応じてこれらの添加剤を事前に個別あるいは混合して解砕して、粗大凝集物を除去してトナー粒子に外添してもよい。本発明では、外添剤が添加される前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をA(m2 /g)とし、外添剤が添加された後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積を(m2 /g)としたとき、前記の式(1)を満足することが必要である。
【0035】
【数10】
式(1) 1.5≦B/A≦3
【0036】
一般に、外添剤が添加される前のトナー粒子の比表面積より外添剤が添加された後のトナー粒子の比表面積の方が数値的には大きくなるので、式(1)のB/Aが1以上の数値を取りうることは想定されうる。しかし、本発明者らは、層形成部材が接触・押圧された現像スリーブ上での層形成に着目したところ、式(1)を満足すれば、特に均一な薄層形成が容易にできることを確認した。なお、式(1)のB/Aが前記範囲より小さい場合は、均一な薄層が得られにくく、前記範囲より大きい場合は、定着性に悪影響を及ぼして現像剤の定着強度が低下するので好ましくない。窒素吸着法による比表面積の測定には、フローソーブ2300(島津製作所製)を用いた。
【0037】
従って、前記外添剤粒子の添加量は、前記の式(1)を満足するように、トナー粒子を加えればよいが、通常は、トナー粒子100重量部に対して、脂肪酸金属塩粒子を0.01〜3重量部の範囲からの適当量、流動性向上剤を0.5〜5重量部の範囲からの適当量を添加させるのがよい。
本発明に用いる一成分現像剤は磁性一成分方式または非磁性一成分方式のいずれであってもよい。また、カラー一成分現像剤として用いるにも好適である。
【0038】
以下、図1を例に本発明の画像形成方法を説明する。本図は非磁性一成分現像剤を用いる場合の例である。
本発明に用いられる現像スリーブ1は、通常、円柱状あるいは円筒状の形態の表面を現像剤を担持する表面として用いる。材質は弾性体、剛体どちらでもよいが、感光体と現像スリーブとが非磁性現像剤を介在して接触する、いわゆる接触現像方法においては弾性体を用いる方法が一般的である。また磁性現像剤を用いる場合は、マグネットを内包する金属製の剛体スリーブを用いるのが通例である。現像スリーブの表面は現像剤6の搬送性を上げる目的で適度な表面粗さを与えてもよい。またトナー粒子との適度な摩擦帯電が得られるような材質を考慮しなければならない。非磁性一成分接触型現像の場合、弾性体の現像スリーブの一般的な形態としては、導電性ゴムローラ(NBRゴム、シリコーンゴムなどに導電性粒子を分散含有させたものなど)を用いる。導電性ゴムの表面に誘電体層を設ける場合もある。
【0039】
本発明に用いられる現像層形成部材2は、角棒状の剛体、突起状の弾性体、板バネ状等のものの面や先端を利用するもの、ローラ、その他、あるいはそれらの複合型など各種が挙げられる。層形成部材2はそれ自身の弾性力あるいは現像スリーブ1の弾性力あるいは外部からの力あるいはそれらの複合力によって、現像スリーブ1に直線状に押圧されている。層形成部材2の電気特性については、絶縁性のもの、導電体のものに電圧を印加する場合、あるいは導電体ではあるが電気的にはどこにも接続されずにフロートになっているものなど各種であるが、絶縁体の場合や導電体でも電気的にフロートである場合、つまり層形成部材2と現像スリーブ1との間に電圧を印加しない場合には逆帯電トナーによるカブリが発生しやすく、そうした場合、本発明は顕著に効果を発揮する。現像スリーブ1をこの直線状の押圧に対して直角方向に摺るように相対移動させることにより現像剤粒子は押圧部を押し広げながら通過し、現像スリーブ1上に均一に塗布されて現像剤層を形成する。この押圧部の形態、圧力、組成、印加電圧によって、現像剤層厚、トナーの帯電量はコントロールされる。大局的には圧力が大きいほど塗布される現像剤層厚は薄く帯電量は高くなるが、形態、圧力、組成、印加電圧については複雑な物理、化学の現象となるので一概には議論できない。
【0040】
静電潜像を保持する感光体3は、その表面に静電荷分布による静電潜像パターンを形成する。本発明の画像形成方法では、感光体3としてOPCが用いられる。その一般的な形態はアルミなどの金属製の円筒または薄膜からなる導電性基材表面にポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等を含む有機感光材料を塗布して用いる。感光層の比誘電率は1〜5程度であり、層厚10〜50μm程度で使用されるのが一般的である。
【0041】
画像形成の工程は、一般に用いられているゼログラフィーの原理に従い、コロナチャージャーや接触型のローラ方式やブラシ方式等の感光体帯電部材7によって均一帯電され、ランプやレーザー光等による露光の手順などを経て感光体3上に静電荷分布の潜像を形成する。このときの感光体3上の最大電位が、導電性基材を基準に絶対値で100〜1200V程度、より好ましくは300〜900V程度になるようにコントロールされる。
【0042】
一方、現像スリーブ1には前述のごとく、現像剤層形成部材2によって現像剤6を塗布する。現像スリーブ1と層形成部材2との間には、特に電圧をかけない場合、短絡して同電位とする場合、500V以下程度の電圧をかける場合などがある。
【0043】
また、現像スリーブ1の相対的移動方向の現像剤層形成部材2より上流側に接触部材4を設けてもよい。接触部材4としては、現像剤6が自重と流動性によって現像スリーブ1に付着する力に加え積極的に現像剤6が現像スリーブ1に向かうものを用いる。例えば、スポンジ状やブラシ状の部材に現像剤6を含ませて現像スリーブ1に摺り付ける方法が用いられる。このときの摩擦を利用して現像剤6の摩擦帯電を促進してもよい。この接触部材4に導電性の材料を用いて、現像剤6が現像スリーブ1へ向かう静電気力を与えるように現像スリーブとの間に電圧をかけてもよい。また一般的にはローラ状のエンドレスな現像スリーブ1が用いられるので、感光体3への現像を終えた残りの現像剤が付着した現像スリーブ1がこの接触部材4の部分に戻ってくるので清掃手段を兼ねさせることもできる。その効果を積極的に利用したい場合には、逆に現像剤6が現像スリーブ1から離れる方向に力が加わるように電圧をかけてもよい。また、清掃と供給を兼ねる場合は現像剤6の帯電を上げる目的で交番電界を印加してもよい。
【0044】
しかしながら、装置の低価格化を図る上では、現像スリーブ1と接触部材4との間に電圧を印加しない方法が好ましく、さらには接触部材4自体を使用しない方が好ましい。この場合には、トナー粒子の摩擦や電荷注入による帯電の機会が減少するため、画像中抜けやカブリなどの悪しき現象が発生しやすい。こうした場合に本発明は顕著な効果を発揮する。
【0045】
また、図1〜2のような形態の現像器を用いる場合、現像スリーブ1の下方間隙より現像剤6が漏れる恐れがあるため、現像剤漏れシール部材5を付けることが一般的である。
以上の工程により、現像剤層を形成した現像スリーブ1と潜像を形成した感光体3とを対向させ、現像剤6中の少なくともトナー粒子を転移させ潜像を顕像化する。
この際、飛翔現像等の非接触現像においては、50〜500μmの間隙を形成させ静電気力で転移させる。接触現像の場合は、現像剤層を介して押圧され、潜像パターンに見合ったトナー粒子が静電気力で転移される。トナーを転移させたい潜像電位と白地としたい潜像電位との間の電位に現像スリーブ1の電位を保つ方法が一般的である。
【0046】
潜像パターンに転移したトナーは、通常の複写機やレーザープリンタの場合、転写部材8によって紙やフィルムなどの被転写材へさらに転写される。この転写工程においては、被転写材を感光体に接触させて、背面よりコロナ放電により電荷を与える方法や導電性の転写ローラを押圧し電圧を印加する方法などが一般的である。ローラ転写等の圧力を加える転写工程の場合、画像中抜けが発生しやすい。その場合、本発明は顕著に効果を発揮する。
【0047】
転写工程の後に、感光体上に残存する粒子の除去が感光体に当接するポリウレタン等のクリーニングブレード9での摺擦によって行われる。この際、OPC感光体を用いると、クリーニング不良や感光体表面の研磨傷、さらには感光体への粒子の付着・固着が起きやすく、そういった現象は画像上に致命的な欠陥として現れる。OPC感光体とブレードクリーニングを組み合わせて行った場合のこうした問題の発生機構としては以下のように推定される。すなわち、OPC感光体はその表面が高分子材料等を主体とするものである。このような高分子材料等は、第一にトナー粒子を介在するクリーニングブレードの押圧で弾性変形しやすい傾向にある。その場合はトナー粒子等のすり抜け現象を引き起こすのでクリーニング不良となって現れる。第二にその硬度が低いので粒子を介在するクリーニングブレードとの継続的な摺擦によって、その表面に擦り傷、研磨傷がでやすく、また、それらの傷状欠陥にトナー粒子等が摩擦熱で擦り込まれて点状やフィルム状の融着現象が発生するために画像上の汚れとして検出されるものと考えられる。本発明はこのような現象に対して顕著な改良効果を発揮する。
さらに、被転写材上の現像剤像は、熱ロール方式等の熱定着機10を通過することによって、被転写材上に熱融着して、固定化される。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を表す。
【0049】
実施例1
以下に示す配合比により非磁性一成分現像剤を得た。
ポリエステル樹脂 100部
(テレフタル酸とイソドデセニルコハク酸とトリメリト酸とビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物との縮合重合物、ガラス転移温度55℃)
帯電制御剤 クロム含有アゾ染料 2部
(ボントロンS−34、オリエント化学社製)
カーボンブラック 6部
(三菱カーボンブラックMA100、三菱化学社製)
低分子量ポリプロピレン 3部
(ビスコール550P、三洋化成社製)
【0050】
製造は、上記の原材料を高速流動式混合機で混合し、2軸押し出し機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、機械式粉砕機クリプトロン(川崎重工社製)で微粉砕した後、ジグザグ分級機(アルピネ社製)で分級した。トナー粒子の平均粒径(体積50%径と同義、以下同様)Dt50は8.5μmであり、ガラス転移温度は56℃であった。このトナー粒子100部に対して、平均粒径Ds50が2.9μm、Ds84/Ds16が2.8であるステアリン酸亜鉛粒子を0.3部とヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された平均一次粒子径約10nmのシリカ微粒子1.5部とを高速流動式混合機で外添して、一成分現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは1.7m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは4.3m2 /gであり、B/Aは2.5であった。
【0051】
実写評価装置として、市販の非磁性一成分現像方式を採用したプリンターを改造して用いた。このプリンターの感光体は、表面層にポリカーボネート樹脂が含有される直径24mmφのドラム状の積層型OPCであり、クリーニング部材としてウレタンゴムのクリーニングブレードが感光体に接触押圧されている。定着機は熱ロール方式で、上ローラ(現像剤接触面)の表面はフッ素系樹脂で被覆されており、下ローラはシリコンゴム製である。また、現像装置は導電剤が含有されたゴム性の現像スリーブに対して、金属製のブレード(現像剤層形成部材)が押し当てられている。約10000枚の印字が可能となるよう前記一成分現像剤をこの現像装置に一定量供給する。
【0052】
評価方法は、上記プリンターを温度25℃、相対湿度55%の常温常湿雰囲気に設置し、連続実写により行う。評価結果は優秀であり、10000枚の実写を通じて、画像中抜け、画像濃度、カブリ等の画質は優秀であった。また、OPC上でのクリーニング不良や現像剤粒子等の融着現象が見られず、耐久性も十分であった。定着後の画像の定着強度も充分高く、一定の圧力で画像ベタ部を折り曲げてもトナー像の剥離はほとんど見られなかった。
【0053】
一方、本現像剤及びプリンターを温度35℃、相対湿度85%の高温高湿条件に持ち込み、同様の連続実写を行ったが、常温常湿環境での結果とほぼ同等の結果を得た。
さらに、本現像剤及びプリンターを温度10℃、相対湿度20%の高温高湿条件に持ち込み、同様の連続実写を行ったが、常温常湿環境での結果とほぼ同等の結果を得た。
【0054】
実施例2
トナー粒子の平均粒径Dt50が6.9μmである以外は、実施例1全く同様の処方及び製造方法でトナー粒子を得た。
次に、実施例1で用いたのと同じステアリン酸亜鉛とシリカ微粒子とを同様に添加して一成分系現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは2.0m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは4.4m2 /gであり、B/Aは2.2であった。
以下、実写装置及び方法は実施例1と同様にして行った。
その結果、常温常湿環境、高温高湿環境及び低温低湿環境のいずれも実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0056】
実施例3
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、実施例1で用いたステアリン酸亜鉛粒子0.3部とシリコーンオイルで疎水化処理された平均一次粒子径約10nmのシリカ微粒子2.0部とを添加する以外は実施例1と全く同様にして一成分現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは1.7m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは4.8m2 /gであり、B/Aは2.8であった。以下、実写評価は実写装置及び方法とも実施例1と同様にして行った。その結果、常温常湿環境、高温高湿環境及び低温低湿環境のいずれも実施例1と同様に良好な結果を得た。
【0057】
比較例1
実施例1で用いたトナー粒子100部に対して、実施例1で用いたステアリン酸亜鉛粒子0.3部とシリカ微粒子0.4部とを添加する以外は実施例1と全く同様にして一成分現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは1.7m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは2.2m2 /gであり、B/Aは1.3であった。
以下、実写評価は実写装置及び方法とも実施例1と同様にして行った。
その結果、常温常湿環境下での実写で、初期からカブリが高くて画像中抜けが発生しており、また繰り返し実写では画像濃度の低下も認められるようになり、約2000枚以降で実用上使用に耐えなくなった。また、高温高湿環境下の実写で、これらの画質の問題が一層悪化することが観察された。
【0058】
比較例2
実施例1の処方において、樹脂を以下に示す樹脂に変更する以外は同一の処方で、また実施例1と全く同様の製造方法でトナーを作製した。
ポリエステル樹脂
(テレフタル酸とトリメリト酸とビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物との縮合重合物、ガラス転移温度65℃)
トナー粒子の平均粒径Dt50は8.5μmであり、ガラス転移温度は64℃であった。
次に、実施例1で用いたのと同じステアリン酸亜鉛とシリカ微粒子とを同様に添加して一成分系現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは1.8m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは4.3m2 /gであり、B/Aは2.4であった。
以下、実写評価は実写装置及び方法とも実施例1と同様にして行った。
その結果、定着後に得られる画像は、画像ベタ部を折り曲げると簡単に紙からトナーが剥離することから、定着強度が低くて実用に耐えないことが判明した。
【0059】
実施例4
以下に示す配合比により磁性一成分現像剤を得た。
スチレン系樹脂 100部
(モノマー重量比:スチレン/n−ブチルメタクリレート=75/25、ガラス転移温度55℃)
帯電制御剤 クロム含有アゾ染料 2部
(ボントロンS−34、オリエント化学社製)
マグネタイト磁性粉 60部
(EPT−500、戸田工業社製)
低分子量ポリプロピレン 3部
(ビスコール550P、三洋化成社製)
【0060】
製造は、上記の原材料を高速流動式混合機で混合し、2軸押し出し機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、機械式粉砕機クリプトロン(川崎重工社製)で微粉砕した後、ジグザグ分級機(アルピネ社製)で分級した。トナー粒子の平均粒径Dt50は8.0μmであり、ガラス転移温度は54℃であった。このトナー粒子100部に対して、平均粒径Ds50が2.9μm、Ds84/Ds16が2.8であるステアリン酸亜鉛粒子を0.3部とヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された平均一次粒子径約10nmのシリカ微粒子1.3部とを高速流動式混合機で外添して、一成分現像剤を作製した。外添する前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Aは2.0m2 /gであり、外添後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積Bは4.0m2 /gであり、B/Aは2.0であった。
【0061】
実写評価装置として、市販の磁性一成分現像方式を採用したプリンターを改造して用いた。このプリンターの感光体は、表面層にポリカーボネート樹脂が含有される直径30mmφのドラム状の積層型OPCであり、クリーニング部材としてウレタンゴムのクリーニングブレードが感光体に接触押圧されている。定着機は熱ロール方式で、上ローラ(現像剤接触面)の表面はフッ素系樹脂で被覆されており、下ローラはシリコンゴム製である。また、現像装置はマグネットが内包されたステンレス性の現像スリーブに対して、ウレタンゴム製のブレード(現像剤層形成部材)が押し当てられている。約7000枚の印字が可能となるよう前記一成分現像剤をこの現像装置に一定量供給する。
評価方法は、実施例1に準じて行う。
【0062】
その結果、常温常湿雰囲気下での評価結果は優秀であり、7000枚の実写を通じて、画像中抜け、画像濃度、カブリ等の画質は優秀であった。また、OPC上でのクリーニング不良や現像剤粒子等の融着現象が見られず、耐久性も十分であった。さらに、定着後の画像の定着強度も充分高く、一定の圧力で画像ベタ部を折り曲げてもトナー像の剥離はほとんど見られなかった。
また、高温高湿条件での実写においては、実使用上さほど問題のない程度の画像濃度の若干の低下が見られた他は、常温常湿環境での結果とほぼ同等の結果を得た。
さらに、高温高湿条件での実写においても、常温常湿環境での結果とほぼ同等の結果を得た。
【0063】
【発明の効果】
本発明の一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法により、以下の効果が得られるので、その工業的利用価値は高い。
(1)画像濃度が高くて、カブリが少ない良好な画質が得られる。
(2)画像ムラが少なく、シャープネスがよく、画像中抜けが少ない等の優れた画質が得られる。
(3)クリーニング不良やOPC感光体汚染に伴う画像欠陥がない。
(4)定着での画像剥離や定着装置汚染がなく、低エネルギー定着ができる。
(5)各種の温度及び湿度の組合せ環境条件下でも画質変化が少ない。
(6)長期あるいは連続使用時においても画像濃度や画質劣化が少なく耐久性、信頼性が高い。
(7)少ないトナー消費量で充分な画質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用できる画像形成方法の一例を示す図。
【図2】本発明に使用できる画像形成方法の他の一例を示す図。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 現像剤層形成部材
3 感光体
4 接触部材
5 現像剤漏れ防止シール部材
6 一成分現像剤
7 感光体帯電部材
8 転写部材
9 クリーニング部材
10 定着機

Claims (14)

  1. 少なくともバインダ樹脂と着色剤とを含んでなる体積50%径Dt50が5〜12μmでかつガラス転移温度が60℃以下であるトナー粒子と、外添剤とから構成され、外添剤は脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とからなるものであって、外添剤が添加される前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をA(m2 /g)とし、外添剤が添加された後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をB(m2 /g)としたとき、下記式(1)を満足し、かつ前記脂肪酸金属塩粒子が、その体積16%径、50%径及び84%径をそれぞれDs 16 、Ds 50 及びDs 84 とするとき、以下の式(2)及び(3)を満足することを特徴とする一成分現像剤。
    Figure 0003637136
    Figure 0003637136
  2. 前記バインダ樹脂のガラス転移温度が50〜58℃であることを特徴とする請求項1に記載の一成分現像剤。
  3. 前記脂肪酸金属塩粒子がステアリン酸亜鉛粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の一成分現像剤。
  4. 前記流動性向上剤の平均一次粒子径が約5〜50nmであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の一成分現像剤。
  5. 前記流動性向上剤がヘキサメチルジシラザン及びシリコンオイルの中から選ばれる少なくとも1種の物質で疎水化処理されたシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の一成分現像剤。
  6. 前記トナー粒子が磁性材料を含有しない非磁性の粒子であることを特徴とする請求項1ないし5に記載の一成分現像剤。
  7. 前記トナー粒子が磁性材料を含有する磁性を有する粒子であることを特徴とする請求項1ないし5に記載の一成分現像剤。
  8. 現像剤を保持するための現像スリーブと現像スリーブに押圧された層形成部材とを具備し、層形成された現像剤を有機光導電体からなる感光体に現像し、前記感光体から被転写材に転写を行った後、クリーニングブレードで感光体のクリーニングを行い、被転写材上の現像剤を熱的に定着する工程を含む電子写真画像形成方法において、前記現像剤が、少なくともバインダ樹脂と着色剤とを含んでなる体積50%径Dt50が5〜12μmでかつガラス転移温度が60℃以下であるトナー粒子と、外添剤とから構成され、外添剤は脂肪酸金属塩粒子と流動性向上剤とからなるものであって、外添剤が添加される前のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をA(m2 /g)とし、外添剤が添加された後のトナー粒子の窒素吸着法による比表面積をB(m2 /g)としたとき、下記式(1)を満足し、かつ前記脂肪酸金属塩粒子が、その体積16%径、50%径及び84%径をそれぞれDs 16 、Ds 50 及びDs 84 とするとき、以下の式(2)及び(3)を満足する一成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0003637136
    Figure 0003637136
  9. 前記バインダ樹脂のガラス転移温度が50〜58℃であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記脂肪酸金属塩粒子がステアリン酸亜鉛粒子であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成方法。
  11. 前記流動性向上剤の平均一次粒子径が約5〜50nmであることを特徴とする請求項8ないし10に記載の画像形成方法。
  12. 前記流動性向上剤がヘキサメチルジシラザン及びシリコンオイルの中から選ばれる少なくとも1種の物質で疎水化処理されたシリカ微粒子であることを特徴とする請求項8ないし11に記載の画像形成方法。
  13. 前記トナー粒子が磁性材料を含有しない非磁性の粒子であることを特徴とする請求項8ないし12に記載の画像形成方法。
  14. 前記トナー粒子が磁性材料を含有する磁性を有する粒子であることを特徴とする請求項8ないし12に記載の画像形成方法。
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