JP3636225B2 - ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法 - Google Patents
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、化成品の製造法に関する。更に詳しくはビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩は可逆性感熱記録材料の顕減色剤として重要な化合物である。
カルボン酸とアミンが塩を形成することは知られているが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の具体的製造方法については詳しい文献が無い。通常は有機溶媒にカルボン酸類とアミン類をそれぞれ溶解しておき、それらの有機溶媒溶液を混合する事によって塩が結晶として得られる事が知られている。特開平6−171224の実施例にはビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とステアリルアミンや、ラウリルアミンとから、有機溶媒中で塩を製造させる通常の方法が簡略的に記述されているが、このような有機溶媒のみを用いて反応させる方法はコストが高くなるばかりではなく、作業環境を悪化させることになり、工業的には非効率的な方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を工業的に安価に製造するためにはできるだけ仕込み濃度を高くし、安価な反応媒体を使用する事が必要であるが、上記の方法は有機溶媒のみを使用しており、反応時間も長時間を要するため、効率的な製造方法の確立が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安価に、効率よくビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する工業的な方法について鋭意検討した結果、驚くべき事に、水系媒体中で反応させる事により該塩を製造する事ができること、また、この方法では、反応時間を短縮でき、反応条件を選択することにより収率も高くなる事を見いだし、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とアルキルアミンを水系媒体中で反応させることを特徴とするビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
(2)アルキルアミンの炭素数が8〜18である前項(1)に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
(3)アルキルアミンがセチルアミンである前項(2)に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
に関する。
【0006】
前記特開平6−171224には有機酸の有機溶媒溶液とアミンの有機溶媒溶液を混合することによりその塩を形成せしめる方法が記載されているが、反応時の温度については記載がない。又反応溶媒としては有機溶媒のみを使用している。水系媒体中で両者を反応させる事により塩が生成することは全く予想外のことである。本発明の方法ではアルキルアミンの熱溶融液をそのまま用いることもできるので、アルキルアミンを溶媒に溶解する手間を省く事ができ、より効率的になった。
一般的に、塩は水に融け易いと考えられているが、意外にも本発明で目的とするビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩は水への溶解度が低く、且つ原料であるビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸は水への溶解性が十分であるため、本発明は極めて効率的にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造を可能にするものである。本発明の方法では、反応後水で結晶を洗浄することができるので、乾燥時の溶媒臭がなく安全性や作業環境が向上する効果も大きい。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において水系媒体とは水を含む媒体であればよく、水に相溶性のメタノール、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、水に非相溶性の酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類等の有機溶剤を含んでいてもよい。これらの有機溶剤はビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸又はアルキルアミンを溶解するのに使用することも出来る。
【0008】
本発明では、水系媒体にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とアルキルアミンを加えて反応させてもよいし、水系媒体中にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸をあらかじめ溶解あるいは分散させておき、つぎにアルキルアミンあるいはアルキルアミンを有機溶媒に溶かしたものを添加、反応させてもよい。又有機溶剤に溶解したアルキルアミンあるいは水系媒体に分散したアルキルアミンに、水、あるいは有機溶剤に溶かしたビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸を添加、反応させてもよい。
【0009】
混合後生成する塩の好ましい濃度は媒体に対して通常0.01〜1.5mol/l、好ましくは0.1〜0.8mol/lである。生成した塩が媒体に対して多すぎると撹拌しにくくなり、取り出しも煩雑になる。他方塩濃度が媒体に対して少なすぎると収率が低下して経済的ではない。
【0010】
本発明で用いるアルキルアミンは、直鎖状又は分岐状アルキルアミンのいずれであってもよいが、好ましいアルキルアミンは炭素数が8〜18であるモノアルキルアミンであり、使用しうるアルキルアミンの具体例としては、例えばオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられ、ラウリルアミン、セチルアミン、ステアリルアミンが特に好ましい。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0011】
アルキルアミンに対するビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の使用量は通常1.3〜0.7倍(モル比)、好ましくは1.1〜0.9倍、特に好ましくは1.05〜0.95倍である。
【0012】
反応温度は通常10℃〜120℃、好ましくは40℃〜80℃である。温度が低すぎるとビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸やアルキルアミンを低濃度で仕込まなければならず効率的ではない。
【0013】
反応時間は、特に限定しないが、通常1分〜20時間、好ましくは10分〜5時間、特に好ましくは30分〜3時間である。
【0014】
本発明においては界面活性剤を必要により用いることができる。界面活性剤の使用は特に反応媒体が水である場合に効果的であり、使用しうる界面活性剤の具体例としてはアルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体等の非イオン性界面活性剤等を挙げる事が出来る。その使用量は媒体に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%である。
【0015】
反応後は結晶を濾別し、次いで水道水やイオン交換水、蒸留水等で洗浄してから乾燥する。前記有機溶媒を併用した場合該溶媒が水に置換され、乾燥中の溶媒臭を防ぐことができる。乾燥温度は20℃〜60℃が好ましい。乾燥温度を高くしすぎると乾燥中に着色する。
このような方法により安価に効率よく、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する事ができる。
【0016】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
300mlのコルベンで、水道水100mlにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを50℃にて溶解した。ここにアミンPB(商品名、セチルアミン、日本油脂(株)製)0.03モルを溶解したエタノール溶液100mlを50℃で撹拌しながら、30分かけて少量づつ滴下した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後、水冷し、20℃で生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水300mlで洗浄した。これを60℃,2日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は95.4%。DSC測定による融点は221.0℃であった。乾燥中エタノ−ル臭は観察されなかった。
【0018】
参考例1
300mlのコルベンにアミンPB0.03モルと水道水150mlをいれ、65℃で撹拌しながら、アミンPBを溶融し分散させた。ここにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを、少量づつ添加した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水500mlで洗浄し、40℃、2日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は77.0%。DSC測定による融点は222.4℃であった。
【0019】
参考例2
300mlのコルベンで、水道水150mlにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを60℃にて溶解した。ここにスコアロール400(商品名、非イオン性界面活性剤、花王(株)製)0.2gを添加した。ついでアミンPB0.03モルを70℃にて溶解した熱溶融液を60℃で撹拌しながら、15分かけて少量づつ滴下した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水700mlで洗浄した。これを50℃,1日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は90.7%。DSC測定による融点は214.5℃であった。
【0020】
【発明の効果】
水系の反応媒体を用いる事により安価にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する事ができ、作業環境が向上し、効率が良くなる。
【産業上の利用分野】
本発明は、化成品の製造法に関する。更に詳しくはビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩は可逆性感熱記録材料の顕減色剤として重要な化合物である。
カルボン酸とアミンが塩を形成することは知られているが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の具体的製造方法については詳しい文献が無い。通常は有機溶媒にカルボン酸類とアミン類をそれぞれ溶解しておき、それらの有機溶媒溶液を混合する事によって塩が結晶として得られる事が知られている。特開平6−171224の実施例にはビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とステアリルアミンや、ラウリルアミンとから、有機溶媒中で塩を製造させる通常の方法が簡略的に記述されているが、このような有機溶媒のみを用いて反応させる方法はコストが高くなるばかりではなく、作業環境を悪化させることになり、工業的には非効率的な方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を工業的に安価に製造するためにはできるだけ仕込み濃度を高くし、安価な反応媒体を使用する事が必要であるが、上記の方法は有機溶媒のみを使用しており、反応時間も長時間を要するため、効率的な製造方法の確立が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安価に、効率よくビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する工業的な方法について鋭意検討した結果、驚くべき事に、水系媒体中で反応させる事により該塩を製造する事ができること、また、この方法では、反応時間を短縮でき、反応条件を選択することにより収率も高くなる事を見いだし、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とアルキルアミンを水系媒体中で反応させることを特徴とするビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
(2)アルキルアミンの炭素数が8〜18である前項(1)に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
(3)アルキルアミンがセチルアミンである前項(2)に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法
に関する。
【0006】
前記特開平6−171224には有機酸の有機溶媒溶液とアミンの有機溶媒溶液を混合することによりその塩を形成せしめる方法が記載されているが、反応時の温度については記載がない。又反応溶媒としては有機溶媒のみを使用している。水系媒体中で両者を反応させる事により塩が生成することは全く予想外のことである。本発明の方法ではアルキルアミンの熱溶融液をそのまま用いることもできるので、アルキルアミンを溶媒に溶解する手間を省く事ができ、より効率的になった。
一般的に、塩は水に融け易いと考えられているが、意外にも本発明で目的とするビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩は水への溶解度が低く、且つ原料であるビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸は水への溶解性が十分であるため、本発明は極めて効率的にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造を可能にするものである。本発明の方法では、反応後水で結晶を洗浄することができるので、乾燥時の溶媒臭がなく安全性や作業環境が向上する効果も大きい。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において水系媒体とは水を含む媒体であればよく、水に相溶性のメタノール、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、水に非相溶性の酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類等の有機溶剤を含んでいてもよい。これらの有機溶剤はビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸又はアルキルアミンを溶解するのに使用することも出来る。
【0008】
本発明では、水系媒体にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とアルキルアミンを加えて反応させてもよいし、水系媒体中にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸をあらかじめ溶解あるいは分散させておき、つぎにアルキルアミンあるいはアルキルアミンを有機溶媒に溶かしたものを添加、反応させてもよい。又有機溶剤に溶解したアルキルアミンあるいは水系媒体に分散したアルキルアミンに、水、あるいは有機溶剤に溶かしたビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸を添加、反応させてもよい。
【0009】
混合後生成する塩の好ましい濃度は媒体に対して通常0.01〜1.5mol/l、好ましくは0.1〜0.8mol/lである。生成した塩が媒体に対して多すぎると撹拌しにくくなり、取り出しも煩雑になる。他方塩濃度が媒体に対して少なすぎると収率が低下して経済的ではない。
【0010】
本発明で用いるアルキルアミンは、直鎖状又は分岐状アルキルアミンのいずれであってもよいが、好ましいアルキルアミンは炭素数が8〜18であるモノアルキルアミンであり、使用しうるアルキルアミンの具体例としては、例えばオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられ、ラウリルアミン、セチルアミン、ステアリルアミンが特に好ましい。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0011】
アルキルアミンに対するビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸の使用量は通常1.3〜0.7倍(モル比)、好ましくは1.1〜0.9倍、特に好ましくは1.05〜0.95倍である。
【0012】
反応温度は通常10℃〜120℃、好ましくは40℃〜80℃である。温度が低すぎるとビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸やアルキルアミンを低濃度で仕込まなければならず効率的ではない。
【0013】
反応時間は、特に限定しないが、通常1分〜20時間、好ましくは10分〜5時間、特に好ましくは30分〜3時間である。
【0014】
本発明においては界面活性剤を必要により用いることができる。界面活性剤の使用は特に反応媒体が水である場合に効果的であり、使用しうる界面活性剤の具体例としてはアルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体等の非イオン性界面活性剤等を挙げる事が出来る。その使用量は媒体に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%である。
【0015】
反応後は結晶を濾別し、次いで水道水やイオン交換水、蒸留水等で洗浄してから乾燥する。前記有機溶媒を併用した場合該溶媒が水に置換され、乾燥中の溶媒臭を防ぐことができる。乾燥温度は20℃〜60℃が好ましい。乾燥温度を高くしすぎると乾燥中に着色する。
このような方法により安価に効率よく、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する事ができる。
【0016】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0017】
実施例1
300mlのコルベンで、水道水100mlにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを50℃にて溶解した。ここにアミンPB(商品名、セチルアミン、日本油脂(株)製)0.03モルを溶解したエタノール溶液100mlを50℃で撹拌しながら、30分かけて少量づつ滴下した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後、水冷し、20℃で生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水300mlで洗浄した。これを60℃,2日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は95.4%。DSC測定による融点は221.0℃であった。乾燥中エタノ−ル臭は観察されなかった。
【0018】
参考例1
300mlのコルベンにアミンPB0.03モルと水道水150mlをいれ、65℃で撹拌しながら、アミンPBを溶融し分散させた。ここにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを、少量づつ添加した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水500mlで洗浄し、40℃、2日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は77.0%。DSC測定による融点は222.4℃であった。
【0019】
参考例2
300mlのコルベンで、水道水150mlにビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸0.03モルを60℃にて溶解した。ここにスコアロール400(商品名、非イオン性界面活性剤、花王(株)製)0.2gを添加した。ついでアミンPB0.03モルを70℃にて溶解した熱溶融液を60℃で撹拌しながら、15分かけて少量づつ滴下した。そのまま撹拌を続け、滴下終了から1時間後生成した結晶を濾過した。ケーキを水道水700mlで洗浄した。これを50℃,1日間乾燥させ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のセチルアミン塩を得た。収率は90.7%。DSC測定による融点は214.5℃であった。
【0020】
【発明の効果】
水系の反応媒体を用いる事により安価にビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩を製造する事ができ、作業環境が向上し、効率が良くなる。
Claims (3)
- ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸とアルキルアミンを、水及びアルコール類を含有する水系媒体中で反応させることを特徴とするビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法。
- アルキルアミンの炭素数が8〜18である請求項1に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法。
- アルキルアミンがセチルアミンである請求項2に記載のビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12456095A JP3636225B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12456095A JP3636225B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08295651A JPH08295651A (ja) | 1996-11-12 |
JP3636225B2 true JP3636225B2 (ja) | 2005-04-06 |
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JP12456095A Expired - Fee Related JP3636225B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のアルキルアミン塩の製造方法 |
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JP (1) | JP3636225B2 (ja) |
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1995
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JPH08295651A (ja) | 1996-11-12 |
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