JP3636105B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤溶かし機構を有する洗濯機及び洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
撹拌モータと撹拌ブレードで構成される撹拌手段による洗剤溶かし機構を有する洗剤ケースを設けた洗濯機が特開平7−80187号公報に記載されている。同公報には、洗濯槽に洗濯水を給水する経路途中に仕切り板を設けた洗剤入れを設け、洗剤入れに所定量の洗剤と水を溜め、撹拌手段で溶解した後、給水とともに洗濯槽へ供給することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−80187号公報では、溶かした洗剤液の濃度調整手段についての開示が無く、給水初期に非常に高濃度の洗剤液が洗濯物にかかることにより色むらが発生することについては十分に配慮していない。また、洗剤入れには洗剤投入用の開口があるが、洗剤の溶解撹拌中に撹拌ブレードの回転によりこの開口から洗剤液が飛び出し、未溶解の洗剤が流出する可能性があることについては十分に配慮していない。さらに、洗剤入れ内の水を排出する手段がなく、洗剤入れ内に水が溜まった状態になり、特に冬場においては洗剤入れ内が凍結し、洗剤の投入や溶解に不具合を生じる可能性があることについては十分に配慮していない。また、水が入った洗剤入れに洗剤を投入するため、予約洗濯のように洗剤を入れてから給水を始めるまでに長い時間放置するような場合、洗剤が固まってしまう恐れがあることについては十分に配慮していない。
【0004】
本発明の目的は、洗剤溶解室内に未溶解の洗剤が残留するのを防止する手段を提案することにある。さらに本発明の他の目的は、洗剤溶解中に洗剤液が洗剤溶解室から溢れ出ないようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、貯留部と、前記貯留部の底部に配置された洗剤撹拌翼を有する洗剤溶解容器と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記貯留部に給水する給水手段とを備え、前記貯留部底部にサイフォン通水機構を設け、前記貯留部底部の前記サイフォン通水機構近傍に整流部材を設け、該整流部材は貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤液の流れ方向に対し前記サイフォン通水機構の上流側に設けた洗濯機とする。
好ましくは、前記整流部材は薄板状であり、前記洗剤の流れ方向に対し前記整流部材の幅方向が略直角になるように設ける。
さらに上記他の目的を達成するために、貯留部と、前記貯留部の底部に配置された洗剤撹拌翼を有する洗剤溶解容器と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記貯留部に給水する給水手段とを備え、前記貯留部上部には洗剤溶解液を溢水させる溢水縁を設け、前記貯留部底部に前記溢水縁よりも低い水位で導通するサイフォン通水機構を設け、前記貯留部の側壁面には縦方向に長い複数本のリブを設け、前記貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤溶解液の流れ方向に対し前記溢水縁の直前に配置した前記リブは他の部分に配置したリブより高さを高くし、前記貯留部底部の前記サイフォン通水機構近傍に整流部材を設け、前記整流部材は貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤溶解液の流れ方向に対し前記サイフォン通水機構の上流側に設けた洗濯機とする。
好ましくは、前記サイフォン通水機構は中心部に貫通穴を有する縦に長い円筒部材と、該円筒部材とすき間を持ち、該円筒部材を覆うように設けた底部が開口したキャップ状円筒部材とで構成され、前記キャップ状円筒部材は前記貯留部底部からの間隔が3〜4mmであり、前記円筒部材上部と前記キャップ状円筒部材上部とのすき間が20〜25mmである洗濯機とする。
更に好ましくは、前記貯水部底部は前記サイフォン通水機構設置部が最も低い傾斜面で形成されるようにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明は、洗濯機および洗濯乾燥機に関するものであるが、洗濯機は、洗濯乾燥機から乾燥機構を取り除いた構成で実施することができるので、以下に述べる実施の形態は、洗濯乾燥機について説明する。
【0007】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0008】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水および通風のための小穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に撹拌翼4を設置する。撹拌翼4は、通水および通風のための小穴4aを有する。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅部に係止した4本の防振支持装置8によって外槽5を四方から均等に吊り下げることにより該外枠1の中心部に懸垂するように支持する。
【0009】
駆動装置6は、駆動電動機と電動操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で撹拌翼4を回転させ(撹拌モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4をそれぞれ反対方向に回転させ(洗濯モード)、洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0010】
外側衣類投入口9aを形成したトップカバー9は、外枠1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって外枠1に取り付けられる。図2は、バックパネル2を取り外したトップカバーの平面図である。
【0011】
トップカバー9とフロントパネル10の間に形成される前部収納部であるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群14aおよび表示素子群14bを備えた操作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。これらは、制御装置を構成する。
【0012】
トップカバー9とバックパネル11の間に形成される後部収納部であるバックパネルボックス17には、後述する洗濯水給水手段と高濃度洗剤液生成・供給手段を横並びにして内蔵する。
【0013】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁弁20によって構成する。さらに、入水側をホース接続口82に接続し、出水側を注水口19に接続した風呂水ポンプ81によって構成される給水手段を設けてもよい。
【0014】
高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水電磁弁22から洗剤溶解容器21に洗剤溶解水を供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末合成洗剤を撹拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃度洗剤液を生成し、更なる給水により希釈しながら洗剤溶解容器21から溢水させて前記注水口19に供給するように構成する。洗剤溶解容器21には仕上げ剤投入室21dが付設されており、補助給水電磁弁22aから給水することによって、この仕上げ剤投入室21d内に投入されている柔軟仕上げ剤を仕上げ剤投入室21dから溢水させて前記注水口19に供給するように構成する。
【0015】
注水口19は、トップカバー9の底と外槽5の外槽上カバー28の後部を貫通して洗濯兼脱水槽2の上部開口内に向けて開口する。この注水口19は、洗剤溶解容器21と外槽上カバー28との間に接続した可撓管19a(図3参照)により構成する。
【0016】
なお、高濃度洗剤液生成・供給手段については、後で詳しく述べる。
【0017】
温風循環乾燥手段は、外槽5の下部の側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める除湿風路部である水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する水冷除湿手段である冷却散水部24と、洗濯工程における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路部である下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から吸い込み口に空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吹き出し口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路部である上昇風路ダクト27と、外槽5の上端部に取り付けた外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱する加熱手段であるヒータ(PTCヒータ)29を内蔵し、加熱した循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き込み口30を備える。
【0018】
循環風路を構成する前記水冷除湿ダクト23、下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べてその一部を該外槽5と一体成形して実装し、これらの外側を覆う裏側蓋1aは、外側に膨出する形状に構成してねじ止めする。
【0019】
また、下降風路ダクト25内下部には湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、吹き込み口30のヒータ29の下流側の間の風路内には第2温度センサ42を設置する。水冷除湿ダクト23内で水冷除湿された循環空気の湿度と温度を精度良く検出するためには、水冷除湿された循環空気が良く混合されて均一になった後に前記湿度センサ40と第1温度センサ41に触れさせるのが良く、従って、湿度センサ40と第1温度センサ4は、水冷除湿ダクト23から遠く離れた下降風路ダクト25の下部または循環ファン26の吸い込み口ケーシング26cに設置する。更に、湿度センサ40と第1温度センサ41は、保守作業に便利なように、裏側蓋1aを外したときに露出するような設置位置とする。
【0020】
また、図示説明を省略するが、水冷除湿ダクト23から下降風路ダクト25への折り返し部分には、糸屑捕集手段を備える。
【0021】
そして、この温風循環乾燥手段は、洗濯後に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回転させて脱水した後に低速回転させながら、循環ファン26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水によって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物に触れて該洗濯物を乾燥する。
【0022】
トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aは、2つ折り(山折り)に開くようにヒンジ31aによってトップカバー9に取り付けた外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽5の上端に取り付けた外槽上カバー28に形成した内側衣類投入口28aは、ヒンジ32aによって外槽上カバー28に取り付けた内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0023】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。外枠1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0024】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0025】
図3は、前述した洗濯乾燥機の具体的な構成を示す縦断面図である。図1の説明と重複する説明は一部省略する。
【0026】
回転駆動装置6は、可逆型の駆動電動機61と電動操作クラッチ機構62と太陽歯車減速機構63と撹拌翼4が結合される中心出力軸64と洗濯兼脱水槽2が結合される外側出力軸65を備える。太陽歯車減速機構63は、駆動電動機61に直結した太陽歯車と外側出力軸65に直結した内歯車と遊星歯車を支持して中心出力軸64に直結するキャリアを備える。そして、電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の内歯車(外側出力軸65と洗濯兼脱水槽2に連結)を静止させた状態で駆動電動機61の回転力を太陽歯車と遊星歯車とキャリアを介して減速して中心出力軸64に伝達して撹拌翼4を正逆回転させ、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の内歯車(外側出力軸65と洗濯兼脱水槽2に連結)を回転自由状態にして駆動電動機61の回転力を太陽歯車と遊星歯車とキャリアを介して減速して中心出力軸64に伝達することにより撹拌翼4を正逆回転させると共に内歯車に作用する反力を外側出力軸65に伝達して洗濯兼脱水槽2を撹拌翼4と反対の方向に回転させ、電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御することによって、太陽歯車減速機構63の太陽歯車と内歯車を駆動電動機61に直結して該駆動電動機61の回転力を中心出力軸64と外側出力軸65を介して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4に伝達してこれらを一体的に回転させる構成である。
【0027】
図4は、この洗濯乾燥機の電気系を示すブロック図である。
【0028】
電源スイッチ13を介して受電するコントロールユニット16は、マイクロコンピュータ16aを中心にして構成し、電源回路16bと、駆動装置6と主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22、22aと洗剤撹拌電動機39と風呂水ポンプ81、排水電磁弁33と循環ファン26とヒータ29と冷却散水電磁弁24aへの給電を制御するための半導体交流スイッチング素子(FLS)群を有する駆動回路16cとを備える。
【0029】
前記駆動装置6の駆動電動機61は、固定子巻線61aと回転センサ61bを有し、電動操作クラッチ機構62は、電動操作機62aと動作位置を検出する位置センサ62cを有する。
【0030】
そして、前記駆動回路16cは、駆動装置6における前記駆動電動機61の固定子巻線61aへの給電制御に関しては、正逆回転制御用に2つの半導体交流スイッチング素子(FLS)16c1、16c2を備える。FLS16c1は、正回転給電制御用の半導体スイッチング素子、FLS16c2は逆回転給電制御用の半導体交流スイッチング素子である。この実施の形態において、駆動電動機61の回転速度制御は、固定子巻線61aへの給電をFLS16c1、16c2によって位相制御することによって行うように構成しているが、インバータ駆動のブラシレス電動機を使用する構成においては、PWM制御やPAM制御によって行うように構成する。また、駆動装置6における電動操作クラッチ機構62の電動操作機62aへの給電を制御するためのFLS16c3を備える。
【0031】
また、駆動回路16cは、主給水電磁弁20、補助給水電磁弁22、22a、洗剤撹拌電動機39、風呂水ポンプ81、排水電磁弁33、循環ファン26、ヒータ29、冷却散水電磁弁24aへの給電を制御するFLS16c4〜16c12を備える。そして、この駆動回路16cは、マイクロコンピュータ16aからの指示に従ってFLS16c1〜FLS16c12の導通状態を制御して従属する負荷への給電制御を行う。
【0032】
マイクロコンピュータ16aは、更に、前記駆動電動機61の回転センサ61b、電動操作クラッチ機構62の位置センサ62c、外槽5内の洗濯水位を検出する水位センサ15、湿度センサ40、第1、第2温度センサ41、42、アンバランス検出センサ43、外蓋31の開閉を検知する蓋スイッチ44、操作パネル14に接続し、予め組み込まれた制御処理プログラムを実行することにより、操作パネル14の入力スイッチ群14aと水位センサ15と回転センサ61bと位置センサ62cからの信号を取り込み、駆動回路16cを制御することによって、布量検出、高濃度洗剤液生成、プレ給水、高濃度洗剤液供給(浸透)、洗い、濯ぎ、脱水および温風乾燥の各工程を実行し、操作パネル14の表示素子群14bを制御することによってその進行状況を表示する。ここで、アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38の分布のアンバランスによって、該洗濯兼脱水槽2(外槽5)が所定値以上に大きく触れるのを検出するセンサである。
【0033】
操作パネル14の入力スイッチ群14aは、洗濯コース(標準、強力、ソフト、ドライ、手造り、ふとんなど)を設定するスイッチ、乾燥コース(標準、ワイシャツ、仕上げ、ドライなど)を設定するスイッチ、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等洗濯条件を設定するスイッチ、洗濯から乾燥までを連続して行う場合の乾燥コース(標準、ワイシャツ、毛布など)を設定するスイッチなどを備える。
【0034】
次に、高濃度洗剤液生成・供給手段を図5から図12を参照して説明する。
図5は、洗剤溶解容器21の斜視図、図6は洗剤溶解容器21の上面図、図7は洗剤溶解容器21を図6のA−A線で切断した場合の縦断面図、図8は図7の洗剤撹拌翼部分の詳細断面図、図9は洗剤溶解容器21を図6のB−B線で切断した場合の縦断面図、図10は図9において洗剤投入容器73を引き出した場合の縦断面図、図11は外蓋31を開いて洗剤投入容器73を引き出した状態を示すトップカバーの斜視図、図12は同洗剤投入容器を押し込んだ状態を示すトップカバーの斜視図である。
【0035】
洗剤溶解容器21は、上方を開放した略四角形状の容器であり、前記洗剤撹拌翼50を設置する洗剤溶解室21cと、仕上げ剤投入室21dと、洗濯水給水流路21eと、溢水流路21fと混合室21vを備える。該混合室21vは、前記洗剤溶解室21c及び仕上げ剤投入室21dの下部にあり、前記洗濯水給水流路21eと溢水流路21fに連通する。洗剤溶解容器21の上方開口部とバックパネル11の間には洗剤投入容器73を進退自在に載置可能になっている。洗剤溶解容器21が略四角形状なのは、洗剤溶解室21cの容積を最大にできるからであり、また、バックパネルボックス17内の容積を無駄にせずに設置できるからである。
【0036】
略四角形状の洗剤溶解室21cの内側側壁21wには、洗剤溶解室21cに給水する給水手段(第1の給水手段)である補助給水電磁弁22から給水を受ける受水口21gと、受水口21gから入ってきた水と洗剤とを洗剤撹拌翼50によって撹拌して高濃度洗剤液を生成し、この高濃度洗剤液を第1の給水手段の補助給水電磁弁22からの更なる給水で希釈することによって増量したときに溢水流路21fに溢水させる溢水縁21hと、撹拌時に洗剤溶解水(高濃度洗剤液)の回動を抑制する上下方向に長い三角柱状あるいは半割れの円柱状のリブ21i、21uと、後述する洗剤投入容器73の進退を案内するガイドレール21kを備える。また、洗剤溶解室21cの底壁21aには、略中央部に回転可能に設けた洗剤撹拌翼50と、仕上げ剤投入室側の隅部に洗剤溶解室21c内の洗剤液あるいは水を混合室21vに流し出すサイフォン通水機構21jと、サイフォン通水機構21jに対して撹拌時の洗剤溶解水の流れ方向の上流側に薄板状の整流板21mを備える。本実施例では、洗剤撹拌翼50は矢印R(図5、図6参照)の方向に回転するので、洗剤溶解水は図中時計回りに流れる。
【0037】
洗剤溶解室21cの内側側壁21wの四隅は円弧面21w1で、底壁21aと内側側壁面21wとは円弧面21a2で結ばれ、洗剤の滞留が発生しないようになっている。また、底壁21aは、サイフォン通水機構21jが最も低くなるような傾斜面になっている。ただし、洗剤撹拌翼50に対向する部分は洗剤撹拌翼50と略平行の水平面21a4になっている。サイフォン通水機構21jは、洗剤溶解室21c内の残水を極力少なくするよう底壁21aの最底部より一段低い底面21a3に設けられている。底壁21aと底面21a3とは傾斜面21a1でスムーズに接続しサイフォン通水機構21j周辺の洗剤溶解水の流れをスムーズにし、洗剤の滞留を防ぐ。
【0038】
サイフォン通水機構21jは、サイフォンパイプ21j2とサイフォンパイプ21j2の周りにすき間を持って設置したサイフォンキャップ21j1とで構成される。サイフォンパイプ21j2の中心には孔21j3が設けられており、混合室21vに開口している。サイフォンパイプ21j2の高さはサイフォンが確実に導通するよう溢水縁21hより寸法E(2〜6mm程度)だけ低く設定している。サイフォンキャップ21j1は、底面21a3からすき間D、サイフォンパイプ21j2の上方にすき間C、サイフォンパイプ21j2の径方向にすき間Kを有するように設置する。具体的には、すき間Cは20〜25mm、すき間Dは3〜4mm、すき間Kは2〜3mmとする。この理由については、後で述べる。また、サイフォンキャップ21j1と洗剤溶解室21cの内側側壁21w2との間隔は、洗剤粒が滞留しないよう3mm以上にした方がよい。
【0039】
整流板21mは、薄板の厚さ方向が洗剤溶解水の流れ方向に略直交し、サイフォン通水機構21jのキャップ21j1と間隔F、洗剤溶解室21cの内周側壁面21wと間隔Gを有するように設けられている。具体的には、間隔Fは4〜8mm、間隔Gはサイフォン通水機構21jの中心と略一致するようにする。また、整流板の寸法は、幅Jが10〜20mm、高さHが30〜40mm、厚さは2〜3mm程度がよい。この理由については、後で述べる。
【0040】
洗濯水給水流路21eは、洗濯物38へ給水する給水手段(第2の給水手段)である主給水電磁弁20から給水を受ける受水口21tと、風呂水ポンプ81から給水を受ける受水口21rを備える。受水口21tは、風呂水ポンプへの呼び水用のチューブを接続する取水口21t1を備える。
【0041】
洗剤溶解室21cで生成された高濃度洗剤液は、第1の給水手段である補助給水電磁弁22からの給水で希釈増量され、溢水流路22f及びサイフォン通水機構21jから混合室21vへ流下する。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口21sから注水口19へ流れ出る。
【0042】
仕上げ剤投入室21dは、溢水流路21fに連なる溢水縁21nと、混合室21vに連なるサイフォン通水機構21pと、補助給水電磁弁22aからの受水口21qを備える。仕上げ剤投入室21d内の仕上げ剤(液体)は、受水口21qからの受水によって希釈、増量され溢水縁21nから溢水流路21fに溢水するとともに、サイフォン通水機構21pから混合室21vに流れ出る。ここで、第2の給水手段からの水と合流し、希釈されて流出口21sから注水口19へ流れ出る。
【0043】
洗剤溶解容器21は、バックパネルボックス17内に設置するためには極力小さい方が望ましい。一方、洗濯物38に散布し浸透するときの適正洗剤濃度は、5〜20倍である。ここで、洗剤濃度とは、洗剤メーカが推奨する洗剤濃度を1倍とした値である。例えば、洗濯容量8kgの洗濯乾燥機の定格洗い水量は、68L程度であるから、この洗い水量で使用する洗剤を水量3.4Lで溶解した場合、洗剤濃度は20倍となる。濃度20倍の洗剤液を一度に生成使用とすると最低でも容積3.4Lという大きな洗剤溶解室21cが必要となり、バックパネルボックス17内への設置は不可能である。そこで、より少ない水量で溶解した高濃度洗剤液を混合室21vで5〜20倍希釈し洗濯物38に散布し浸透するようにすることで洗剤溶解室21cの容積を小さくでき、洗剤溶解容器21も小さくできる。
【0044】
主給水電磁弁20及び補助給水電磁弁22からの給水流量は、水道水圧により変化する。洗濯機が使用される一般家庭の水道水圧は0.03〜0.8MPaの範囲にあり、主給水電磁弁20を流れる流量Q2は毎分5〜20L、補助給水電磁弁22を流れる流量Q1は毎分1〜2Lである。従って、溢水流路から流下する高濃度洗剤液の濃度をD0とすると混合室21vで希釈された後の濃度D1は、D0×Q1/(Q1+Q2)で計算できるから、水道水圧0.03MPaで約0.17D0、0.8MPaで約0.09D0となり、水道水圧が低い方が高濃度となる。また、濃度D0は洗剤量が多いほど高くなる。すなわち、上述の適正洗剤濃度を得るためには、D0は約118倍(=20/0.17)以下にする必要がある。以上から、洗剤溶解室21cの容積は0.58mL(=68L/118)程度は必要となる。なお、本計算は主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を連続的に開放した場合であり、補助給水電磁弁22を間欠的に開閉制御したり、より小さい流量の電磁弁にしたりすることでQ1を減少させると、洗剤溶解室21cの容積を更に小さくすることも可能である。
【0045】
このように、洗剤溶解室21cの容積は、主給水電磁弁20及び補助給水弁22の流量特性を考慮し、洗濯物38に散布する洗剤液の5〜20倍の濃度を生成するのに適した大きさに設定する。本実施例では、約600mLで溢水縁21hから水が溢れるよう溢水縁21hの高さを設定し、洗剤溶解容器21の大きさを約幅160mm、奥行140mm、高さ110mmとでき、バックパネルボックス17内に十分設置可能となる。
【0046】
次に、洗剤撹拌翼50の駆動機構について説明する。洗剤溶解容器21と洗剤撹拌電動機39は、金属ベース板49上に水平方向に横並びさせた状態に設置される。
【0047】
洗剤溶解容器21の底部に配設した洗剤撹拌翼50と結合した撹拌翼駆動軸51は、洗剤溶解容器21の底壁部21aおよび金属ベース板49を垂直状態に貫通させて該金属ベース板49の下側に導出し、導出部分にタイミングベルト従動プーリ52を嵌着する。洗剤撹拌電動機39は、回転出力軸39aが金属ベース板49を垂直状態に貫通して該金属ベース板49の下側に導出されるように該金属ベース板49に取り付け、導出部分にタイミングベルト駆動プーリ53を嵌着する。そして、従動プーリ52と駆動プーリ53は、タイミングベルト54によって連動させる。
【0048】
金属ベース板49には、前記撹拌翼駆動軸51を支持する軸受55を嵌着する軸受筒部49aを下向きに突出するように設け、その上側には同心状態に環状の洗剤溶解容器嵌合凸部49bを上向きに突出するように設ける。洗剤溶解容器21の底壁21a4には、前記洗剤溶解容器嵌合凸部49bの外周に嵌着させる筒状部21bを内側及び外側に突出するように設け、その周囲に金属製のスリーブ58を設ける。スリーブ58は、樹脂製の筒状部21bの変形防止用である。前記筒状部21bの外側の低壁21a4には、筒状部21bと同心状に別の筒状部21zを上向きに突出するように設ける。金属ベース板49は、洗剤溶解容器嵌合凸部49bの外周に前記筒状部21bを嵌合させて位置決めした状態で止めねじ56によって洗剤溶解容器21に固定される。
【0049】
前記軸受55で支持した撹拌翼駆動軸51は、前記筒状部21bを貫通して洗剤溶解容器21の内側に導出し、導出部分に洗剤撹拌翼50を嵌着する。筒状部21bの内側と撹拌翼駆動軸51の間には、軸シール部材57を収納する。軸シール部材57は、ゴム製でリング状のリップを撹拌翼駆動軸51に押しつけることでシール作用を発揮する。この軸シール部材57の上面は筒状部21bの上面と同じ高さになるようにする。こうすることで、洗剤撹拌翼50と軸シール部材57とのすき間50dに洗剤が侵入したとしても、洗剤撹拌翼50の回転による遠心力で洗剤が吹き飛ばされ、軸シール部材57の上面に洗剤が溜まり、軸シール部材57を劣化させることがない。
また、洗剤撹拌翼50や軸シール部材57を洗剤溶解容器21の底壁21a4より上に突出するように設けることで、撹拌翼駆動軸51の下側への突出寸法を小さくできるため、バックパネルボックス17の深さを浅くでき、機体の背丈の増加を抑制することができる。
【0050】
洗剤撹拌翼50は上側に凸の円盤状であり、上面のつば部分には放射状の羽根50aが、円筒面部分には上下方向の羽根50bが設けてあり、下面の中心には撹拌駆動軸51を嵌合する穴があり、この穴と同心に筒状部材50cが下向きに突出するよう設けてある。羽根50a、50bの形状は三角柱状である。羽根形状は、洗剤を溶かす効率から考えるとスクリュー形の方がよい。しかし、スクリュー形では、後述する軸シール部材57上部の空気溜まりを形成できないため、軸シール部材57の信頼性を保証できない。このためには、本実施例のように円盤形にすることで軸シール部材57の上部に空気溜まりを形成できる。この場合、円盤や羽根のサイズは大きい方が溶解効率は高い。しかし、サイズの大きい撹拌翼を駆動するためには洗剤撹拌電動機39の出力を大きくする必要があり、洗剤撹拌電動機39のサイズが大型化し、高濃度洗剤液生成手段のサイズも大きくなり、バックパネルボックス17内への収容が困難となる。更に、水はねやコスト上昇等の問題も生ずる。そこで、本実施例では羽根を羽根高さ2mm程度の三角柱状とした。また、羽根外径を50mm程度と小さくし、羽根枚数を6〜8枚とした。こうすることで、起立した板状の羽根に比べ表面の形状変化がスムーズで、撹拌中に洗剤液から受ける抵抗を小さくすることができ、水はねも小さくできる。更に、駆動プーリ53を従動プーリ52より小さくし、洗剤撹拌電動機39の回転を減速して洗剤撹拌翼50へ伝達することで、出力4〜5ワットの小さい洗剤撹拌電動機39を使用することができる。なお、洗剤撹拌翼50の回転数は、洗剤溶解性能や水はね、洗剤撹拌電動機39の出力を考慮すると毎分2000〜3000回転がよい。
【0051】
洗剤撹拌翼50の下面に設けた筒状部材50cは、前記スリーブ58の外周面と筒状部21zの内周面との半径方向のすき間に入るようにする。こうすることで、筒状部材50cと筒状部21b、21zとのすき間が迷路状となりラビリンスシール機構60を構成できる。軸シール部材57の上面は、底壁21a4より高く、かつ、底壁21a4にラビリンスシール機構60があるため、洗剤溶解室21cに溶解水を入れた場合、水は底面から貯まっていき、すき間50dの空気が抜けることがないので、すき間50dは空気溜まりとなり、すき間50dまで洗剤溶解水が侵入することがない。もちろん洗剤の粒が侵入することもない。また、洗剤撹拌翼50の回転中はラビリンス機構60の作用ですき間50dに溜まっている空気は排出されず、すき間50dに洗剤液が侵入することがない。
【0052】
洗剤液は、表面張力が小さいため軸シール部材57と撹拌翼駆動軸51との間に侵入しやすく、漏れの原因となる。また、本実施例のように非常に高濃度の洗剤液では、洗剤に含まれる水に不溶のゼオライトの濃度も非常に高い。ゼオライトは粒径が1〜3μmと非常に小さいため、洗剤液とともに軸シール部材57内に侵入する。侵入したゼオライトは軸シール部材57のリップを傷めたり、撹拌翼駆動軸51を摩耗させたりするため、洗剤液の漏れが発生する。しかし、ラビリンス機構60を設けることで、すき間50dは常に空気が満たされているため、軸シール部材57に高濃度の洗剤液が侵入することがないため、軸シール部材57や撹拌翼駆動軸51の損傷を防止するとともに、洗剤液の漏れを防止できる。
【0053】
金属ベース板49は、更に、洗剤撹拌電動機39の軸受筒39bの外周を嵌合させる嵌合穴49cを備える。洗剤撹拌電動機39の軸受筒39bに防振部材59を嵌着した状態で該軸受筒39bを嵌合穴49cに嵌合して洗剤撹拌電動機39の位置決めをする。洗剤撹拌電動機39の反対側の軸受筒39cに防振部材70を嵌着し、その周囲を包囲するように電動機カバー71を被せて金属ベース板49に止めねじ72で固定することにより、洗剤撹拌電動機39を防振部材59、70で挟持するように取り付ける。
【0054】
このように洗剤溶解容器21と洗剤撹拌駆動電動機39を横並びに設置する構成は、バックパネルボックス17の背丈を低くして機体の背丈の増加を抑制することができる。また、撹拌翼駆動軸51と洗剤撹拌電動機39の回転出力軸39aは、金属ベース板49に形成した軸受筒部49aと嵌合穴49cによって正確に位置決めされるので、タイミングベルト54による回転駆動力の伝達が円滑になって静粛な運転を可能にする。
【0055】
洗剤投入容器73は、前記洗剤溶解容器21上をガイドレール21kに沿って進退する偏平な四角形状で上方を開放した箱状体であり、洗剤投入部73aと仕上げ剤投入部73bと取っ手部73cを備える。洗剤等入部73aは、傾斜面73hと開口部73iとで構成される。
【0056】
洗剤投入部73aは、洗剤溶解容器21の洗剤溶解室21cの上方を進退するように位置し、開口部の手前側の領域を開閉するように進退する底板73dを備える。この底板73dは、左右方向をガイドレール73fによってスライド可能に支持され、前後方向の両端にはストッパ73d1、73d2を有している。洗剤投入容器73を奥に押し込んだ状態では、底板73dはトップカバー9の開口縁9bにストッパ73d1が当たることで前進が抑制されるとともに、傾斜面73hと取っ手部73cとの間の空間73g内に入り込み、洗剤投入部73aの開口部73iを全開する。洗剤投入容器73を手前に引き出すと、底板73dは洗剤投入容器73と一緒に手前に移動し、ストッパ73d2が開口縁9aに当たると底板73dは停止し、洗剤投入容器73のみが引き出され、開口部73iは底板73dで閉じられていく。洗剤投入容器73は、ストッパ73eがトップカバー11に当たるまで引き出すことができる。この状態では、開口部73iの手前側はトップカバー9に形成した外側衣類投入口9a上に位置し、奥側73i1は洗剤溶解室21cの上方に位置する。開口部73iの手前側は底板73dで閉じられている。
【0057】
仕上げ剤投入部73bは、洗剤溶解容器21の仕上げ剤投入室21dの上方を進退するように位置し、引き出した状態において仕上げ剤投入室21dの上に位置する奥底を開放する。
【0058】
取っ手部73cは、洗剤投入容器73の手前側の部分に位置し、トップカバー9に形成した外側衣類投入口9aの奥側の壁面に露出して進退操作するための把持部分として機能する。
【0059】
次に、このように構成された洗濯乾燥機の各工程の動作を説明する。図13は、コントロールユニット16内のマイクロコンピュータ16aが実行する各工程のフローチャートである。
【0060】
マイクロコンピュータ16aは、入力スイッチ群14aの洗濯開始ボタンスイッチが投入されると次のような制御処理を実行する。
【0061】
ステップ401
使用者が、洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル14の入力スイッチ群14aを操作して初期設定を行い、洗濯開始ボタンスイッチを押すと、マイクロコンピュータ16aは、各工程の自動運転制御処理をスタートする。
【0062】
前記初期設定では、洗濯物38に合わせた洗濯コース、必要に応じて、洗い時間や脱水時間、水量、すすぎ回数等を設定する。さらに、洗濯の後、乾燥まで行う場合は洗濯乾燥コースを設定する。
【0063】
ステップ402
洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この布量検出は、給水前の乾布状態において、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間通電して撹拌翼4を回転駆動し、回転増速時の加速特性もしくは、駆動電動機61への通電停止時の惰性回転における減速特性に基づいて検出する。この検出結果(洗濯物38の布量)に基づいて、洗い水量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗剤量を演算して決定し、この洗剤量を表示素子群14bによって表示する。使用者は、取っ手部73cを掴んで洗剤投入容器73を外側衣類投入口9a内に引き出す。引き出された洗剤投入容器73は、洗剤投入部73aの開口部73iの手前側部分を底板73dで底部を閉じられ外側衣類投入口9a内に上向きに開口し、奥側部分73i1を洗剤溶解容器21の洗剤溶解室21cの上方に開口させている。そこで、前記表示洗剤量を参考に所定量の粉末合成洗剤を洗剤投入部73aに投入すると、その一部は奥側開口部73i1から洗剤溶解室21cに落下し、一部は底板73d上や傾斜面73hに残る。また、必要であれば、仕上げ剤投入部73dに仕上げ剤を投入すると該仕上げ剤は仕上げ剤投入室21dに流下する。
【0064】
その後、洗剤投入容器73を押し込むと、洗剤投入部73aの底板73dはトップカバー9の開口縁9bにストッパ73d1が当たることで前進が抑制され、傾斜面73hと取っ手部73cとの間の空間73g内に入り込み、底板73dや傾斜面73hに残っていた洗剤は開口部73iから洗剤溶解室21cに落下し、洗剤投入部73aの開口部73iは全開し、底板73dは空間73g内に収納される。
【0065】
ステップ403
高濃度洗剤液の生成を行う。洗剤溶解室21cに粉末合成洗剤が投入されたことを検知すると、補助給水電磁弁22を開いて受水口21gから洗剤溶解室21c内に少量の水道水(洗剤溶解水)を供給する。そして、洗剤撹拌電動機39に通電し洗剤撹拌翼50を回転駆動し、洗剤溶解室21c内の粉末合成洗剤を撹拌しながら溶解することによって高濃度洗剤液を生成する。
【0066】
洗剤溶解水の量は、粉末合成洗剤を洗剤撹拌翼50によって撹拌しながら均一に効率良く溶解でき、しかも、撹拌中に溢水が発生しない水量とする。また、撹拌中の洗剤の発泡により洗剤液は見かけ上増量するため、それも考慮する必要がある。本実施例においては、洗剤溶解室21cの容量が600mLであり、洗剤溶解水の量を150〜200mLに設定する。洗剤溶解水量は、補助給水電磁弁22の開弁時間によって制御する。生成される高濃度洗剤液の濃度は、洗剤溶解容器21に投入された洗剤量(洗濯物38の量、洗い水量)により異なる。例えば、洗濯容量8kgの洗濯乾燥機の洗い水の量は、24〜68L程度であり、高濃度洗剤液は、洗い水の洗剤濃度の80〜500倍となる。
【0067】
撹拌を開始すると、洗剤撹拌翼50の回転により洗剤溶解室21cの洗剤液の水面は、図7中二点鎖線で示すように中央が低く側壁面21wで高いすり鉢状になる。さらに洗剤溶解室21cが四角状であるため角部において流れ方向が急激に変化するため、角部の水位が特に上昇する。このため、溢水縁21hから溢水しやすくなったり、サイフォンパイプ21j2の上面より水位が上昇するとサイフォン通水機構21jが導通し溶解中の洗剤液が抜けてしまったり、サイフォンキャップ21j1内に未溶解の洗剤粒が詰まったりする可能性がある。
【0068】
洗剤溶解室21cの側壁面21wに設けたリブ21i、21uは、撹拌中の洗剤液の水面がすり鉢状になりにくくするために設けてある。リブを設けると、洗剤液は側壁面21wに沿った流れと、リブに当たり若干盛り上がった後、側壁面21wから洗剤溶解室21cの中央部に向かう流れ(図7中矢印Sで示す)になる。リブ21iを側壁面21wに適当に配置することにより、水面は図7中一点鎖線のようになり、側壁面21wでの水位上昇を少なくできる。更に、洗剤溶解室21c内での洗剤液の流れが複雑化するため、洗剤の溶解効率が向上する利点もある。また、図6で示すように、撹拌中の洗剤液の流れ方向に対して、溢水縁21hの手前に設けたリブ21uは他のリブ21iより高さを高くしてある。こうすることで、サイフォン通水機構21j側から流れてくる洗剤液はリブ21uで流れ方向を大きく変えるため、溢水縁21h部の側壁面で方向変換する水量が減少し、水位上昇を更に小さくできるため、溢水縁21hからの溢水を防止できる。また、リブ21i、21uの形状は三角柱状あるいは半割れの円柱状がよい。このような形状のリブにすることで、洗剤溶解室21cの側壁面21wの形状が急激に変化しないため、洗剤がリブ周辺に滞留することがない。
【0069】
整流板21mは、洗剤溶解中にサイフォン通水機構21jの動作を防止するとともに、サイフォン通水機構21jの周囲に未溶解の洗剤が蓄積するのを防止する。整流板21mは、サイフォン通水機構21jに対して洗剤液の流れ方向の上流側に設けてある。このため、洗剤液は側壁面21w1と整流板21mとのすき間Gで絞られ、速度を増してサイフォン通水機構21jの周囲を流れる。このためファイフォン通水機構21j下部のすき間D部の圧力が下がる(洗剤撹拌翼50の静止中より回転中の方が圧力は低くい)。サイフォン通水機構21j内での水位上昇を抑制でき、水面がサイフォンパイプ21j2の上面まで上昇することがなく、洗剤液撹拌中にサイフォン通水機構21jが導通することがない。さらに、整流板21mを設けることで、整流板21mを通過した洗剤液は、流速を速めサイフォンキャップ21j1と側壁面21w2との間と、サイフォンキャップ21j1と整流板21jとの間を流れるように整流されるため、サイフォン通水機構21jの周囲の狭いすき間部分に未溶解の洗剤が滞留することがない。すき間D部の圧力やサイフォン通水機構21jの周囲の流れは、整流板21mの寸法、設置位置により変化する。例えば、整流板21mの幅Jが大きいほど圧力は小さくできるが、あまり大きいと整流板21mの背面に未溶解の洗剤が滞留しやすくなる。すき間部Dの圧力を下げ、かつ未溶解洗剤の滞留を防止するためには、整流板21mの寸法を幅Jが10〜20mm、高さHが30〜40mm、厚さは2〜3mm程度、整流板21mの設置位置をサイフォンキャップ21j1との間隔Fが4〜8mm、側壁面21w1との間隔Gは整流板21mの端面がサイフォン通水機構21jの中心と略一致するようにするとよい。なお、本実施例においては、整流板21mは薄板の厚さ方向が洗剤溶解水の流れ方向に略直交するように設けたが、整流板21mの長辺を中心に時計方向に回転させ斜めに設けてもよい(すき間G、Fはそのままとする)。回転角度は45°以下が好ましい。
【0070】
すき間Dは、洗剤溶解室21c内の残水を少なくするためには小さい方がよいが、あまり小さいと水の表面張力で空気が入らず、サイフォン通水機構21j内に水が残ったまま(導通したまま)となり、次回給水した場合にすぐにサイフォンが働き洗剤溶解室内に水を溜めることができない可能性がある。そこで、確実にサイフォン通水機構21j内の水が切れるようにするためには、すき間Dを3〜4mmとすればよい。
【0071】
サイフォンキャップ21j1とサイフォンパイプ21j2の上部すき間Cは、通常の水用サイフォンの2〜4mmに比べ大きくしてある。これは、洗剤溶解中にサイフォン通水機構21j内に侵入する泡により、サイフォンの動作が不確実になることを防ぐためである。洗剤溶解中に発生する泡は、洗剤の種類により大きさや粘度などが異なる。洗剤溶解中、泡がサイフォン機構21j内に入ってくるが、すき間Cが小さいと、泡はサイフォンキャップ21j1の上部に達した後、すき間Cを満たしサイフォンパイプ21j2の孔21j3内に入っていき、孔21j3内を満たしてしまう。泡の粘度が高い洗剤では、孔21j3内から泡が抜けにくくなり、サイフォン動作開始時の水位差(溢水縁21hと孔21j3最下部の高さの差)では、すぐにサイフォンが通じないという問題が発生する恐れがある。これに対して、すき間Cを20〜25mmと大きくすると、十分な空間があるため泡が孔21j3内に入りにくくなるため、泡の粘度によらず(洗剤の種類によらず)前記水位差で確実にサイフォンが動作するようになる。また、サイフォンパイプ21j2とサイフォンキャップ21j1の径方向のすき間Kは、未溶解洗剤や泡の溜まり難さ、サイフォンの導通し易さを考慮すると2〜3mmが好適である。
【0072】
洗剤の溶解時間は、2〜3分必要である。溶解時間は、粉末合成洗剤の種類により異なるが、溶けにくい洗剤でも2〜3分で溶解率が95〜100%となり、大部分の洗剤を溶かすことができるからである。
【0073】
ステップ404
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速回転させながら主給水電磁弁20を開いて水道水を注水口19に供給して該水道水を洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38上に散布するプレ給水を行う。プレ給水量は、少なくとも洗濯物38の最上面から布数枚程度の部分までが濡れる量(4〜10L)とする。プレ給水は、次に行う高濃度洗剤液の散布で、高濃度洗剤液の洗濯物38への浸透を促進するとともに、洗剤に含まれる蛍光増白剤による色むらを防止するために行う。なお、本プレ給水工程は、ステップ403の高濃度洗剤液生成工程と同時に行う。これは、上述のように、洗剤溶解に2〜3分必要で、この間にプレ給水工程を行うことで、洗濯時間を短縮できるからである。さらに、プレ給水終了後から洗剤溶解終了までの時間が据え置き時間となるため、水道水を洗濯物38内に十分に浸透させることができる。例えば、主給水電磁弁20からの給水流量が毎分15Lでプレ給水量が10Lとすると、プレ給水は40秒で終了する。洗剤溶解時間が2分とすると、1分20秒の据え置き時間がとれる。
【0074】
ステップ405
洗剤撹拌翼50を回転したままで、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解室21cに給水する。洗剤溶解室21c内の高濃度洗剤液は希釈増量され、水位が上昇し溢水縁21hから溢水し、溢水流路21fから混合室21vに流下する。補助給水電磁弁22と同時に、主給水電磁弁20を開いて水道水を洗濯水給水流路21eから混合室21vに供給する。混合室21vで高濃度洗剤液と水道水を混合し、好ましい濃度の高濃度洗剤液に希釈して、流出口21sから注水口19へ送り、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38に散布して浸透させる。この時、サイフォン通水機構21jは、上述の整流板21mの効果で導通しないが、導通してもかまわない。
【0075】
洗剤撹拌翼50を回転したままにしておくのは、溢水縁50hから溢水する高濃度洗剤液の濃度を一定にするためと、ステップ403の洗剤撹拌中に、洗剤溶解室21cの側壁面21wの喫水線付近に付着した洗剤粒を除去するためである。
【0076】
洗濯物38へ散布する高濃度洗剤液の濃度は、前述のように5〜20倍程度が好ましい。補助給水電磁弁22からの給水で、洗剤溶解容器21c内の洗剤液濃度は低下し、注水口19から散布される高濃度洗剤液の濃度も減少していく。例えば、水道水圧が低く、主給水電磁弁20からの給水流量が毎分5L,補助給水電磁弁22からの給水流量が毎分1Lとすると、本ステップを開始してから約50秒で注水口19から散布される高濃度洗剤液の濃度が約5倍となる。また、水道水圧が高く主給水電磁弁20から毎分15L、補助給水電磁弁22から毎分2Lの場合は約25秒で濃度が5倍となる。しかし、この時点で主電磁給水弁20と補助電磁給水弁22cを閉じ高濃度洗剤液の散布を停止すると、洗剤溶解容器21c内の洗剤液濃度はまだ30〜40倍程度である。この洗剤液は、サイフォン通水機構21jで洗剤溶解容器21cから排出され洗濯物38へ散布されるが、まだ濃度が高すぎる。そこで、本ステップは、90秒間程度行うようにする。こうすると、洗剤溶解容器21c内の洗剤液濃度は、水道水圧が低く補助給水電磁弁22からの流量が少ない場合でも5倍以下となる。
【0077】
洗濯物38には、高濃度洗剤液が浸透するため、高濃度洗剤液の化学的洗浄力(浸透乳化、分散などの作用)が洗濯物に付着している汚れに作用し、汚れは洗濯物から取れやすい状態となる。
【0078】
ステップ405a
90秒経過したら、まず、洗剤撹拌電動機39への通電を停止し、洗剤撹拌翼50の回転を止める。撹拌を止めると、洗剤溶解室21c内の水面はすり鉢状ではなくなり、水面が溢水縁21hより下になるため、溢水が一旦停止する。また、水面上には多量の泡が残留している。補助給水電磁弁22の給水はまだ続いているため、水位が上昇し溢水縁21hより上になり溢水を開始し、水面上の泡が流出する。そして、サイフォン通水機構21jが導通し、サイフォン通水機構21jからも洗剤溶解室21c内の水が抜け始める。サイフォン通水機構21jが働き始めてから、補助給水電磁弁22を閉じると、洗剤溶解室22c内の水は大部分排出できる。しかし、洗剤溶解室21c内に泡が残っていると、この泡がサイフォン通水機構21j内に入り、サイフォン通水機構21jが通じたままになり(サイフォン通水機構内に空気が入らない)、次に給水してもすぐに水が抜けてしまい、洗剤溶解室21cに水を溜めることができない。
【0079】
そこで、高濃度洗剤液の散布が終了後、洗剤溶解室21cから泡を排除するクリーニングを行う。泡の排除は、補助給水電磁弁22からの給水を続けると行える。もちろん、補助給水電磁弁22からの給水流量よりサイフォン通水機構21jからの排水流量が小さくし、溢水縁21hから確実に溢水するようにする必要がある。また、泡を効率よく排除するために、間欠的に洗剤撹拌翼50を短時間回転させるとよい。こうすることで、洗剤撹拌翼50の回転開始時に水面が上昇し、溢水縁50hから多量の泡を排出できるとともに、側壁面21wとのすき間が小さいサイフォン通水機構21jの周囲に残っている泡が動き洗剤溶解容器21cの中央に出てきて、溢水縁21hから排出される。具体的には、上記90秒経過後、補助給水電磁弁22からの給水を行ったままで、20〜30秒間に一度洗剤撹拌翼50を5秒程度回転するようにする。回転時間が長すぎると、泡を余計に立ててしまうため5秒程度が好適である。洗剤撹拌翼50を間欠的に回転する回数は2回行えば十分である。洗剤撹拌翼50を最後に回転した後、溢水縁21hから溢水するまでは(20〜30秒間)補助電磁給水弁22を開いたままで泡を排除し、その後補助給水電磁弁22を閉じる。洗剤溶解室21c内の水はサイフォン通水機構21jから排出される。
【0080】
ステップ406
高濃度洗剤液を降りかけて浸透させた洗濯物38を、所定時間据え置く。この据え置きは、洗濯物38に対する高濃度洗剤液の浸透と汚れ対する洗剤の化学的洗浄力の作用を一層促進させるための時間であって、必要に応じて省略する。
【0081】
ステップ407
主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水道水(洗い水)の給水を開始する。なお、この給水はステップ405aの泡排除のクリーニングと同時に行ってもよい。この洗い水の給水は、ステップ402において決定した水量まで行うが、給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値)、布質を検出するために中断する(この時点でステップ405aのクリーニングが終了していない場合は、主給水電磁弁20のみを閉じ、補助給水電磁弁22は開いたままで、クリーニングを継続する)。この中断水位は、マイクロコンピュータ16aに予め設定された湿布布量および布質検出に適した水位である。洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4は、ステップ405と同様低速度で回転させた方がよい。これは、水道水を給水すると洗濯物38に浸透していた約10倍濃度の洗剤液が徐々に希釈されていくが、洗濯兼脱水槽2を回転させ洗濯物38を回転させながら給水することで、洗濯物中の洗剤液が均一に希釈され、汚れ落ちのばらつきを小さくできるからである。中断水位まで給水すると、洗濯兼脱水槽2内の洗剤液濃度は約2倍となるため、これ以降、洗濯兼脱水槽2を回転させながら給水する必要はない。
【0082】
ステップ408
湿布布量と布質を検出して洗い水給水量の補正と洗濯工程(洗い工程と濯ぎ工程)の決定を行う。この布質検出は、所定の低水位で給水を中断して駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第1の減速特性(湿布布量)を検出し、次いで、給水を再開して所定の高水位まで洗い水を補給した後に給水を中断して駆動装置6の駆動電動機61を短時間付勢して撹拌翼4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第2の減速特性を検出し、この第1の減衰特性と第2の減衰特性の差に基づいて洗濯物38の布質を検出する。この布質検出制御は、初期設定により不要になったときには省略する。そして、布質に応じて、洗いおよび濯ぎ工程における時間と水流(機械的撹拌の強さ)を決定する。
【0083】
ステップ409
ステップ402で決定した水量(水位)まで水道水を給水する。この給水により、洗い水は、高濃度洗剤液を希釈して洗いに好ましい洗剤濃度(1倍)となる。これにより、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度(1倍)の洗い水に浸した状態となる。
【0084】
ステップ410
ステップ408において設定した洗い水流と洗い時間の洗い工程を行うように駆動装置6を制御する。この洗い工程においては、駆動装置6は、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御し、駆動電動機61の正逆運転を繰り返すことによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を反対向きに繰り返し正逆回転させる。この時、すでに汚れは取れやすい状態になっており、洗濯物に作用させる機械力を小さくしても、高い洗浄力が得られ、かつ布絡みや布傷みを抑えることができる。
【0085】
洗い工程を開始したら、洗剤溶解室21cのクリーニングを行う。クリーニングは、ステップ405aですでに行っており、通常洗剤溶解室21c内には洗剤は残っていない。本クリーニングは、万一残った場合でもそれを排除し、洗剤溶解室21c内に洗剤や泡を残さないようにするために行う。また、洗い工程が開始した後でクリーニングを行うのは、設定した水位によってステップ405aの後の給水工程時間が変化し(場合によってはほとんどない)、クリーニングの時間を確保できない場合があるからである。
【0086】
クリーニングは、まず補助給水電磁弁22を開き洗剤溶解室21c内に給水する。そして、溢水縁21hから溢水が始まるとともにサイフォン通水機構21jから排水が始まるまで20〜30秒待つ。その後、補助給水電磁弁22の給水をおこなったままで、洗剤撹拌電動機39に通電し、洗剤撹拌翼50を約5秒間運転し、20〜30秒停止するサイクルを2回繰り返し、補助給水電磁弁22を閉じる。洗剤溶解室21c内の水は、サイフォン通水機構21jで排除される。こうすることで、洗剤溶解室21c内はきれいな状態を維持できる。
【0087】
ステップ411
排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する
ステップ412
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水(水道水)を設定水量まで給水する。このとき(複数回の濯ぎを行うときには最終濯ぎのための給水時には)、必要に応じて、補助給水電磁弁22aも開いて柔軟仕上げ剤を投入する。
【0088】
ステップ413
駆動装置6を制御して濯ぎ工程を実行する。高濃度洗剤液浸透洗浄方式による洗い工程では、高濃度洗剤液中のゼオライトによる軟水化作用が働くため、洗濯物38への界面活性剤の吸着を増加させる金属石鹸の発生量が抑制される。このため、すすぎにおける界面活性剤の離脱が促進され、すすぎ性能が向上(希釈度が約20%低減、希釈度:洗い水中の界面活性剤量に対するすすぎ水中の界面活性剤量の比)し、少ない濯ぎ力(機械力)で所定の濯ぎを実行することができる。
【0089】
ステップ414
排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。
【0090】
ステップ415
排水電磁弁33を開いたままにして駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を高速運転することによって洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速度で回転させることにより洗濯物38の水分を遠心脱水する。この遠心脱水が終了した状態では、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2の側壁に押し付けられて付着した状態にある。
【0091】
ステップ416
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を低速度で回転させながら送風機26を運転して外槽5内の空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇する過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給する冷却水によって冷却除湿し、下降風路ダクト25を通して循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む循環空気を生成し、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物を乾燥する。
【0092】
遠心脱水されて洗濯兼脱水槽2の側壁に付着した状態のままの洗濯物38を温風乾燥すると該洗濯物38に皺が発生するために、乾燥時間中は、定期的に撹拌翼4を正逆回転させて洗濯物38を動かしながら乾燥させるようにする。この温風乾燥工程の制御は、湿度センサ40、第1温度センサ41、第2温度センサ42の検出信号を監視しながら実行し、所望の乾燥度が得られた時点で終了する。
【0093】
高濃度洗剤液浸透洗浄法では布絡みを小さくできるので、最終脱水終了後にそのまま温風乾燥しても乾燥むらや皺の発生を防止することができる。
【0094】
この実施の形態において、洗濯物に水を含ませるプレ給水工程における給水流量や、粉末合成洗剤を溶解して高濃度洗剤液を生成するための洗剤溶解給水流量や、高濃度洗剤液を希釈するための希釈給水流量と水量は、これらの給水を実行する主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22の通水流量(通水流路面積)と給水時間によって設定するが、実際の給水流量は水源(水道)の水圧によって変動する。従って、主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22の通水流量は、予想し得る最低水圧における通水流量を基準にして設定し、水位センサ15を監視して所定の水位まで給水するときの実際の給水時間を計測し、計測した給水時間に基づいた演算処理によって水源の水圧を求めて記憶しておき、前記プレ給水、洗剤溶解給水、希釈給水時には、主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を断続的に開閉して間欠給水することによってその平均値が所定の流量となるような流量制御を行う。
【0095】
以上に述べた実施の形態は、全自動の洗濯乾燥機であるが、乾燥機能をもたない洗濯機として実施する場合には、前述した実施の形態における温風循環乾燥手段およびその制御処理を省略することにより、同様にして、実施することができる。すなわち、前述した実施の形態において、温風循環乾燥手段を省略し、制御装置におけるコントロールユニット16が実行する乾燥制御処理ステップ416を省略することにより、乾燥機能をもたない全自動の洗濯機を実現することができる。
【0096】
また、本発明の洗濯機および洗濯乾燥機は、洗いおよび濯ぎに関しても、それぞれ、異なる方式を採用することができる。
【0097】
前述した実施の形態では、縦形の洗濯兼脱水槽2を例示したが、横形の洗濯兼脱水槽の一般的に呼称されているドラム式タイプとすることもできる。
【0098】
また、洗濯兼脱水槽の中央部に位置して洗濯物を正逆撹拌する撹拌翼4は、円盤上に羽根を付けたパルセータパイプと称する撹拌翼や、大きな羽根を360度以内で正逆回転させて洗濯するアジテータタイプと称する撹拌翼を使用することができる。また、洗濯兼脱水槽の底部に洗濯物を動かすパルセータ形状をした撹拌翼を該洗濯兼脱水槽と一体化して設けた構成とすることもできる。
【0099】
また、使用する粉末合成洗剤は、同様な洗剤成分の液体合成洗剤に変えることもできる。
【0100】
【発明の効果】
本発明は、洗剤溶解室のサイフォン通水機構の近傍に整流部材を設けたことにより、洗剤溶解中にサイフォン通水機構部の圧力上昇を抑制でき、サイフォンの導通を防止し、未溶解の洗剤が流出せず、確実に洗剤の溶解が行える。更に、整流板によりサイフォン通水機構周辺の流れがスムーズになるため、未溶解の洗剤が滞留することがない。
【0101】
さらに本発明は、洗剤溶解室の側壁面に複数本のリブを設けたので、撹拌中の洗剤溶解室における洗剤液の盛り上がりを抑制でき、洗剤溶解室上部に設けた溢水部からの洗剤液(未溶解の洗剤)の溢水を防止できる。
【0102】
また、本発明は、サイフォン通水機構は中心部に貫通穴を有する縦に長い円筒部材と、該円筒部材とすき間を持ち、該円筒部材を覆うように設けた底部が開口したキャップ状円筒部材とで構成し、前記円筒部材上部と前記キャップ状円筒部材上部とのすき間を20〜25mmと広くしたことにより、サイフォン通水機構内に泡が詰まることがなく、サイフォン通水機構が確実に動作する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる洗濯機の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明になる洗濯機の洗剤溶解容器と主給水電磁弁、補助給水電磁弁および風呂水ポンプを実装したトップカバーをバックパネルを開いて示す上面図である。
【図3】本発明になる洗濯機の具体的な構成を示す縦断側面図である。
【図4】図1に示した洗濯機の電気系を示すブロック図である。
【図5】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の斜視図である。
【図6】図2に示した洗濯機の洗剤溶解容器の上面図である。
【図7】図6に示した洗剤溶解容器のA−A線で切断した縦断側面図である。
【図8】図7に示した洗剤溶解容器の洗剤撹拌翼部の詳細縦断面図である。
【図9】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を押し込んだ状態の縦断面図である。
【図10】図6に示した洗剤溶解容器のB−B線で切断し洗剤投入容器を引き出した状態の縦断面図である。
【図11】図3に示した洗濯機の外蓋を開いて洗剤投入容器を引き出した状態を示すトップカバーの斜視図である。
【図12】図3に示した洗濯機の外蓋を開いて洗剤投入容器を押し込んだ状態を示すトップカバーの斜視図である。
【図13】図1および図3に示した洗濯機のコントロールユニットにおけるマイクロコンピュータが実行する各工程の制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…外枠、1a…裏側蓋、1b…補強部材、2…洗濯兼脱水、4…撹拌翼、5…外槽、5a…吸い出し口、6…駆動装置、8…防振支持装置、9…トップカバー、9a…外側衣類投入口、17…バックパネルボックス、19…注水口、20…主給水電磁弁、21…洗剤溶解容器、21b…筒状部、21c…洗剤溶解室、21h…溢水縁、21i、21u…リブ、21j…サイフォン通水機構、21m…整流板、22、22a…補助給水電磁弁、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、25…下降風路ダクト、26…循環ファン、27…上昇風路ダクト、28…外槽上カバー、28a…内側衣類投入口、29…ヒータ、30…吹き込み口、31…外蓋、32…内蓋、39…洗剤撹拌電動機、40…湿度センサ、41…第1温度センサ、42…第2温度センサ、49…金属ベース板、50…洗剤撹拌翼、50a、50b…羽根、50d…すき間(空気溜まり)、51…撹拌翼駆動軸、55…軸受、57…軸シール部材、60…ラビリンスシール機構、73…洗剤投入容器、73a…洗剤投入部、73d…底板。

Claims (5)

  1. 貯留部と、前記貯留部の底部に配置された洗剤撹拌翼を有する洗剤溶解容器と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記貯留部に給水する給水手段とを備え、前記貯留部底部にサイフォン通水機構を設け、前記貯留部底部の前記サイフォン通水機構近傍に整流部材を設け、該整流部材は貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤液の流れ方向に対し前記サイフォン通水機構の上流側に設けたことを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項に記載の洗濯機において、前記整流部材は薄板状であり、前記洗剤の流れ方向に対し前記整流部材の幅方向が略直角になるように設けたことを特徴とする洗濯機。
  3. 貯留部と、前記貯留部の底部に配置された洗剤撹拌翼を有する洗剤溶解容器と、前記洗剤撹拌翼を駆動する駆動手段と、前記貯留部に給水する給水手段とを備え、前記貯留部上部には洗剤溶解液を溢水させる溢水縁を設け、前記貯留部底部に前記溢水縁よりも低い水位で導通するサイフォン通水機構を設け、前記貯留部の側壁面には縦方向に長い複数本のリブを設け、前記貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤溶解液の流れ方向に対し前記溢水縁の直前に配置した前記リブは他の部分に配置したリブより高さを高くし、前記貯留部底部の前記サイフォン通水機構近傍に整流部材を設け、前記整流部材は貯留部内で洗剤と水を前記撹拌翼で撹拌して生成される洗剤溶解液の流れ方向に対し前記サイフォン通水機構の上流側に設けたことを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項またはに記載の洗濯機において、前記サイフォン通水機構は中心部に貫通穴を有する縦に長い円筒部材と、該円筒部材とすき間を持ち、該円筒部材を覆うように設けた底部が開口したキャップ状円筒部材とで構成され、前記キャップ状円筒部材は前記貯留部底部からの間隔が3〜4mmであり、前記円筒部材上部と前記キャップ状円筒部材上部とのすき間が20〜25mmであることを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項またはに記載の洗濯機において、前記貯水部底部は前記サイフォン通水機構設置部が最も低い傾斜面で形成されることを特徴とする洗濯機。
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