JP3635551B2 - 高酸性飲料缶詰の製造方法 - Google Patents

高酸性飲料缶詰の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填・密封直後の缶詰に対して80〜95℃程度の低温殺菌処理を施すような、高酸性飲料缶詰の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
果汁飲料や乳酸飲料のようなPH4.6以下の高酸性飲料では、飲料自体が高酸性であることにより高温菌の発育が抑えられるため、そのような高酸性飲料の缶詰を製造する場合には、低温菌(黴,酵母等)の殺菌を行うことで充分であり、また、内容物を高温に曝すことによる味や香りや色の劣化をできるだけ避けるためにも、充填・密封直後の缶詰に対して、通常、130℃程度の温度によるレトルト処理のような高温殺菌処理を施さずに、65〜95℃程度の温度による低温殺菌処理(パストリゼーション)を施している。
【0003】
上記のような従来の低温殺菌処理について、表1は、PH4.0未満の飲料において最低限必要とされる殺菌温度と殺菌時間の関係を示すものである。
この表1から、65℃で10分間の殺菌と同等の殺菌をするには、殺菌温度が80℃の場合は、0.01分間の殺菌で良いことになる。
【0004】
【表1】
Figure 0003635551
【0005】
また、表2は、PH4.0〜4.6の飲料において最低限必要とされる殺菌温度と殺菌時間の関係を示すものである。
この表2から、85℃で30分間の殺菌と同等の殺菌を行うためには、殺菌温度が95℃の場合は、1.69分間の殺菌で良いことになる。
【0006】
【表2】
Figure 0003635551
【0007】
そのような低温殺菌処理の具体的な方法としては、高酸性飲料を充填・密封して缶詰とした直後に、該缶詰の温度を65〜95℃の殺菌温度にまで上げるために、図に示すように、缶詰製造のラインを縦置きの状態(正立状態)で連続的に搬送されている缶詰に対して、その上方から熱湯や蒸気のシャワーを浴びせて加熱するということが従来から行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来の低温殺菌処理法では、熱湯や蒸気等の散布により、殺菌処理装置の周囲に蒸気が立ちこめて見通しが悪くなったり、高温・高湿度となって、作業環境が不快なものとなり、更には、作業者が火傷をしたりする危険性をも伴うと共に、殺菌処理される缶詰自体についても、缶詰の上側から加熱されることになるため、上部側ほどその温度が高くなるような温度差を生じ、内容物の自己対流が働き難く、全体が所定の温度となるまでに長時間を要することとなって、内容物の上部が高温下に長時間曝されることによる味や香りや色の劣化を招く可能性もある。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするもので、高酸性飲料の缶詰を製造する場合に、低温殺菌処理のための方法を変えることにより、作業環境を安全で快適なものにすると共に、短時間で缶詰全体を所定の殺菌温度に到達させることを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、高酸性飲料缶詰の製造工程において、PH4.6以下の高酸性飲料を充填・密封した直後の缶詰に対して、缶詰の搬送路の下側の所定範囲内に誘導加熱コイルを配置し、缶詰を搬送方向と直交する方向に横倒しにした状態で、缶詰を転がして搬送方向に移動させながら、搬送路の下側に配置した誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱法により、缶詰の温度を80〜95℃とする低温殺菌処理を施すことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高酸性飲料缶詰の製造方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
果汁飲料や乳酸飲料のようなPH4.6以下の高酸性飲料を缶詰とする場合に適用される本実施形態の製造方法は、各缶体を連続的に搬送しながら各工程での処理を連続的に行うような製造ラインにより実施されるものであって、飲料を充填・密封した直後で缶詰に施される低温殺菌処理(パストリゼーション)に関する点を除いては、従来から一般的に行われている高酸性飲料の製造方法と格別に相違するものではない。
【0013】
すなわち、本実施形態では、図示していないが、送給されてくる飲料を分配して充填する飲料充填機により、連続的に送り込まれてくる洗浄済みの空缶に、高酸性飲料を連続的に各空缶毎に分配して充填してから、この飲料充填済みの缶体を、搬送コンベアを介して連続的に缶蓋巻締機に送り込んで、缶蓋供給装置から連続的に缶蓋が供給されている缶蓋巻締機により、飲料充填済みの各缶体に缶蓋を巻き締めて、密封状態の飲料缶詰として連続的に缶蓋巻締機から送り出す。
【0014】
そして、缶蓋巻締機から連続的に送り出した飲料缶詰を、缶蓋巻締機に続く搬送経路に配置された低温殺菌装置(パストライザー)により、搬送しながら所定の殺菌温度(80〜95℃)となるまで加熱して、所定時間その温度を維持して殺菌した後、該殺菌済みの飲料缶詰を、水中に入れて搬送するか又は搬送中に水を散布することで室温近くまで冷却してから、箱詰め工程に送り込み、最終的には、所定数毎に段ボールケースに箱詰めした状態で製造ラインから搬出する。
【0015】
そのような高酸性飲料缶詰の製造方法において、缶蓋巻締機から連続的に送り出されてくる飲料缶詰を、所定の殺菌温度(80〜95℃)となるまで加熱するために、従来は、図に示すように、缶詰の上方から熱湯や蒸気をシャワーで浴びせるという方法が採られているが、本実施形態では、そのような熱湯や蒸気のシャワーによる加熱殺菌方法に変えて、缶詰の搬送経路に沿った誘導加熱コイルを配設することにより、該誘導加熱コイルの近傍を通過する各缶詰を、高周波誘導加熱法によって加熱殺菌している。
【0016】
誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱については、それ自体は従来から一般的に知られた加熱方法であって、本実施形態において飲料缶詰の低温加熱殺菌に適用した場合、誘導加熱コイルに電流を流すことで、誘導加熱コイルの近傍を通過する缶詰を、金属素材の缶容器に生じる誘導電流(渦電流)に基づくジュール熱によって該缶容器を加熱し、該缶容器を介して中身の飲料を加熱して、缶詰全体を短時間で所定の殺菌温度(80〜95℃)にまで昇温させることができる。
【0017】
なお、高周波誘導加熱法により缶詰を加熱殺菌するための誘導加熱コイルの具体的な配置について、本実施形態では、図1に示すように、搬送方向と直交する方向に横置き(横倒し)にされた状態で転がされて搬送される缶詰1に対して、搬送路の下側に誘導加熱コイル2を配設している。
【0018】
上記のように、缶詰全体を所定の殺菌温度(80〜95℃)とするために、誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱法を採用した本実施形態の高酸性飲料缶詰の製造方法によれば、従来の熱湯や蒸気等のシャワーにより缶詰を加熱殺菌する方法と比べて、熱湯や蒸気等を作業環境内に散布する必要がないため、作業環境を安全で快適なものにすることができる。
【0019】
また、従来の方法では、缶詰が上側から一方的に加熱されるため、缶詰の内部で内容物の飲料に上部側ほど温度が高くなるような温度差を生じ、内容物の自己対流が働き難く、缶詰全体が所定の温度となるまでに時間を要していたのに対して、本実施形態の方法では、缶体を通して缶詰全体を効率的に加熱することができるため、図に示すように、従来の方法と比べて、短時間で缶詰全体を所定の殺菌温度(80〜95℃)に到達させることができる。
【0020】
そのため、従来の方法では、缶詰全体が所定の殺菌温度に到達するまでに、内容物の上部のみが長時間にわたって高温(熱湯や蒸気の温度)に曝されることとなり、その結果、内容物の味や香りや色の劣化を増大させていたが、本実施形態の方法では、内容物を全体的に加熱して短時間で所定の殺菌温度に到達させることができるため、上記の表1および表1に示すような内容物を殺菌温度に維持しておく時間を含む内容物が高温に曝される時間が短くなって、内容物の味や香りや色の劣化を低減させることができる。
【0021】
また、従来の方法では、缶詰の上側、すなわち、ヘッドスペース(缶詰内上部の内容物のない空間部分)の側から加熱されるため、缶内圧を決定するヘッドスペースの圧力が加熱によって高くなるのに対して、本実施形態の方法では、特にヘッドスペースの側から加熱するようなことなく、加熱時にヘッドスペースの圧力を低く抑えることができるため、缶内圧の変化による缶体の変形を抑えるのに最小限必要な厚さにまで缶壁厚を薄くすることができる。
【0022】
また、缶詰をどの程度加熱するかということについては、缶詰の種類によって、上記の表1および表に示すように、(80〜95℃の範囲内で)殺菌温度が異なったり、内容物の充填時の温度が異なったりするため、缶詰の種類に応じて適宜変更することも必要であるが、本実施形態の方法によれば、誘導加熱コイルに流す電流の大きさを変えるだけで、または、誘導加熱コイルを複数個設ける場合には、電流を流す誘導加熱コイルの数を変えるだけで、そのような加熱程度の変更をきわめて容易に行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の高酸性飲料缶詰の製造方法によれば、低温殺菌処理に高周波誘導加熱法を採用することによって、作業環境を安全で快適なものとすることができると共に、缶詰全体を短時間で所定の殺菌温度に到達させることができて、内容物を高温下に長時間曝すことに起因する味や香りや色の劣化を低減することができ、また、加熱殺菌時にヘッドスペースの圧力を低く抑えることができるので、缶内圧の変化による缶体の変形を抑えるのに最小限必要な缶壁厚を薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高酸性飲料缶詰の製造方法において高周波誘導加熱法による低温殺菌処理を施するための誘導加熱コイルの配置例を示す(A)側面説明図、および(B)正面説明図。
【図】 本発明と従来例の低温殺菌方法について、殺菌温度に到達する時間の差を示すグラフ。
【図】 従来の高酸性飲料缶詰の製造方法における缶詰の低温殺菌方法を示す側面説明図。
【符号の説明】
1 缶詰
2 誘導加熱コイル

Claims (1)

  1. 高酸性飲料缶詰の製造工程において、PH4.6以下の高酸性飲料を充填・密封した直後の缶詰に対して、缶詰の搬送路の下側の所定範囲内に誘導加熱コイルを配置し、缶詰を搬送方向と直交する方向に横倒しにした状態で、缶詰を転がして搬送方向に移動させながら、搬送路の下側に配置した誘導加熱コイルによる高周波誘導加熱法により、缶詰の温度を80〜95℃とする低温殺菌処理を施すことを特徴とする高酸性飲料缶詰の製造方法。
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