JP3634769B2 - 同軸ケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は同軸ケーブル、特に高周波同軸ケーブルの遮蔽層の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の同軸ケーブルBの一例を示す断面図で、11はケーブルコアで、該コア11は内部導体12上に絶縁層13が設けられている。14はコア11の外周に設けた遮蔽層で、該遮蔽層14は同軸ケーブルBを伝送する信号の漏洩量を低減するためにコア11の外周に金属テープ等を縦添えし、或いは横巻して設けられている。この遮蔽層14は同軸ケーブルBの使用目的によっては外部導体として使用される場合があり、この時には外部導体としての遮蔽層の上に更に金属線を編んだ編組16が設けられることもある。なお、図中17はケーブル保護層である。
【0003】
このような従来の同軸ケーブルBにおいて、1300MHzを越える高周波を伝送する高周波同軸ケーブルでは両面にアルミ箔を貼り付けたプラスチックテープを遮蔽層14としてコア11上に配置し、その上に編組16を設けた高周波同軸ケーブルが使用されている(JIS C3502)。
【0004】
ケーブルコア11に遮蔽層14を設ける方法としては横巻法と縦添え法とがある。横巻法で設ける方法は、ケーブルを曲げ易くし、ドラム巻や布設時の取り扱いを容易にするためであり、一方、縦添え法で設ける方法は、横巻と比較して曲げ易さは劣るが製造速度が早く生産性に優れ、遮蔽層材料を節減できて経済的であるためである。
【0005】
同軸ケーブルBを構成する遮蔽層14は電気特性や同軸ケーブルの機械特性の向上を目的として様々な方法が提案されている。例えば、
1.横巻した金属テープから遮蔽層の側面を傾斜させ、電圧定在波比等の電気特性を向上させる方法(実開平6−68236)、
2.縦添えした金属テープ(遮蔽層)の重ね合わせ部を接着することにより金属テープの使用量を削減し、経済的に伝送信号の漏洩量を低減し電気特性を向上させる方法(特開昭47−35885)、
【0006】
3.横巻した金属テープの表面に潤滑剤を塗布して同軸ケーブルの屈曲時に皺の発生を防止し機械特性を向上させる方法(特開昭61−118911)、
4.縦添えした金属テープにプラスチックテープを張り合わせたラミネートテープをコアに接着することにより防湿、屈曲、シースの収縮を改善する方法(特開昭49−7778)、
5.高電圧絶縁に複数の金属テープを横巻或いは縦添えしてコアの体積変化による金属テープの一部破断に対処し、放電による絶縁破壊を防ぐ方法(特開2000−90748)
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、コア上に遮蔽層を設ける方法は種々提案されているが、これらは何れも同軸ケーブルを屈曲した時の伝送信号の漏洩量に対しての配慮、特に高周波での伝送信号の漏洩量に関する配慮がなされておらず、何れの方法も同軸ケーブルを厳しく屈曲させた時に伝送信号の漏洩量が大きく増加する問題点を無視してなされている。
【0008】
例えば、前記2又は4で提案されている金属テープを縦添えする方法では、ケーブルのコアと比較して遮蔽層の伸びが少なく、同軸ケーブルの屈曲時に金属テープが破断し、或いは接着部が剥離し、テープ間の重ね合わせ部が少ないと屈曲時に該重ね合わせ部が開いて誘電体が露出し伝送信号の漏洩量の増大により減衰量を悪化させる欠陥が発生する恐れがある。
【0009】
また、金属テープを横巻する方法は、同軸ケーブルの屈曲に対しては充分に配慮されているが、屈曲時の歪を補うためにテープ間の重ね合わせ部の幅を可能な限り多く取る必要があるため金属テープの使用量が増え、極めて不経済であり、加えて出来上がった遮蔽層14に皺が発生し易くなり、重ね合わせ部の幅を大きくすることは技術的にも困難である。このため、前記3のように重ね合わせ部の幅を小さくし潤滑剤を塗布する工夫が提案されているが製造工程が複雑化し、潤滑剤を必要とするため非経済的である等の欠点がある。
【0010】
同軸ケーブルを伝送する信号が高周波になると伝送信号の波長は短くなるため、横巻遮蔽層の金属テープの重ね合わせ部の幅の増加は電圧定在波比等に悪影響をあたえる。従って、金属テープの重ね合わせ部を改良する前記1のように重なり部に傾斜を設ける提案がなされているが、屈曲部ではこの傾斜が対となる重なり部分の形状と整合が取れなくなり、空隙等が生じ易くなり、伝送信号の漏洩量が増大し、電圧定在波比等も劣化し易くなる。
【0011】
近年、使用される周波数が数GHzと大きくなり、同軸ケーブル内の伝送信号の波長も周波数の増大に従い小さくなり、従来の屈曲時の電気特性を考慮していない同軸ケーブルでは対応が困難になってきている。
本発明は上述したような従来の問題点を解決し、屈曲時の電気特性、特に高周波での伝送信号の漏洩量を小さくした同軸ケーブルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、内部導体上に絶縁層を設けてなるコアの外周に遮蔽層を設けてなる同軸ケーブルにおいて、前記遮蔽層を、前記コア外周の1.3倍以上の幅を有し、引張伸びが2%以上の金属テープを縦添えして構成したことを特徴とする同軸ケーブルである。
【0013】
本発明において、前記遮蔽層は前記コア外周に接着させない方が好ましい。
また、前記遮蔽層は引張伸びが2%以上の金属テープの片面又は両面にプラスチックテープを張り合わせたラミネートテープで構成するとよい
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明同軸ケーブルの一実施形態を図示した実施例に基づいて説明する。 本発明の同軸ケーブルAは、内部導体2、絶縁層3からなるコア1と、該コア1の外周に設けた遮蔽層4とからなっている。図中6は遮蔽層4を外部導体として使用するときに遮蔽層4の上に更に金属線を編んで設ける編組、7はケーブル保護層である。
【0015】
遮蔽層4は縦添え方法で構成し、遮蔽層4を構成する金属テープの幅はコア1の外周の1.3倍以上とする。
遮蔽層4を構成する金属テープの幅をコア1外周の1.3倍以上とするのは、金属テープの幅をコア1外周の1.3倍が同軸ケーブルを小さい径で屈曲させたときに遮蔽層4の重ね合わせ部分5が開かないための必要最小限の幅であり、1.3倍未満では同軸ケーブルを小さい径で屈曲させたときに遮蔽層4の重ね合わせ部5が開く危険性が大きいためである。
【0016】
金属テープの幅を広くし、同軸ケーブルAを小さい径で屈曲させたときに遮蔽層4の重ね合わせ部5が開かないようにすれば同軸ケーブルAを厳しく屈曲させた時に伝送信号の漏洩量が増加する問題点は解決できるが、広すぎると金属テープの消費量が多くなって不経済であり、また、出来あがった同軸ケーブルAが大きくなり、場合によっては屈曲したときに遮蔽層4に皺が発生する危険性もある。従って、遮蔽層4を構成する金属テープの幅はコアの外周の1.3倍以上で、それより広くなり過ぎないようにすることが好ましい。
【0017】
遮蔽層4を構成する金属テープとしては引張伸びが2%以上の金属テープを使用する。同軸ケーブルを屈曲すると、遮蔽層4には伸縮伸びが作用する。この伸縮に対して遮蔽層4が追随できないと遮蔽層4が破断し、伝送信号の漏洩量が増加する。このため、遮蔽層4を縦添えさせた場合には遮蔽層4を構成する金属テープの引張伸びでケーブル屈曲時の伸縮に追従する必要がある。
上述したように、金属テープの引張伸びが小さいとケーブルの伸縮に追随できずに破断するため、本発明では破断を食い止めるために引張伸びが2%以上の金属テープを使用する。金属テープの引張伸び率が2%以上であればケーブルの屈曲に対応して伸縮し、破断することがないため、引張伸び率は2%以上であればよい。
【0018】
本発明の遮蔽層4はコア1に接着させない方が好ましい。遮蔽層4をコア1に接着させると、ケーブルを屈曲させたときに遮蔽層4を構成する金属テープの屈曲部分のみに伸縮伸びが集中し、その部分の金属テープの伸びのみでは屈曲伸縮量を吸収できなくなり、破断する恐れがあるためである。コア1と遮蔽層4とが接着していなければ屈曲点近傍の金属テープ全体で収縮伸びが吸収されるため破断に至る危険性がないことから、コア1と遮蔽層4とは接着しないことが好ましい。
【0019】
遮蔽層を薄い金属テープ、特に箔で構成するときには、薄い金属テープをプラスチックテープと張り合わせたラミネートテープとするとよい。張り合わせるプラスチックテープは片面でもよく、両面でもよい。使用条件、製造条件に合わせて適宜選択することができる。
本発明で遮蔽層4を縦添えで構成するのは、前記金属テープの幅、引張伸び率との関係を満足することにより製造コストを横巻方法に比べて大幅に削減出来るためである。
【0020】
次ぎに具体的実施例により、本発明を説明する。
実施例1
直径1mmの内部導体2上に高密度ポリエチレン(ポリエチレン100重量部に対してADCAを1重量部配合)を同心円状に押出被覆して、絶縁外径2.7mmのコア1を製造した。このコア1上に厚さ約10μmの銅テープ(伸縮伸び2%)に厚さ約10μmのポリエステルを張り合わせた幅11mm(コア1の外周の1.3倍に相当)のラミネートテープを1枚、コア1に接着しないように遮蔽層4として縦添え被覆した。次いで、遮蔽層4の上に錫メッキ軟銅線を編んで構成した編組6、保護層7を設けて同軸ケーブルAを製作した。
この同軸ケーブルAを直径4mmの円筒に沿わせて180度屈曲させ、減衰量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0021】
実施例2
遮蔽層4を構成するラミネートテープの幅を12mm(コア径の1.4倍に相当)とした以外は実施例1と同様にして同軸ケーブルを作成し、同一測定を行った。結果を表1に併記する。
【0022】
比較例1
遮蔽層4を構成するラミネートテープの幅を10mm(コア径の1.18倍に相当)とした以外は実施例1と同様にして同軸ケーブルを作成し、同一測定を行った。結果を表1に併記する。
【0023】
【表1】
【0024】
表1から明らかなように、遮蔽層4を構成する金属テープの幅がコア径の1.3倍以上である実施例1,2は屈曲時の減衰量が変化しなっかたのに比較して、テープ幅が1.3倍より小さいテープでは屈曲時の減衰量が10〜15%増加した。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上述したように、屈曲時の電気特性、特に高周波での伝送信号の漏洩量を小さくした同軸ケーブルを、遮蔽層を縦添えすることで安価に製造でき、自動車等、布設場所が狭く、使用環境の悪いところでの配線に優れた同軸ケーブルを安価に提供することができる秀でた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】従来の同軸ケーブルを示す断面図である。
【符号の説明】
A 同軸ケーブル
1 コア
2 内部導体
3 絶縁層
4 遮蔽層
5 遮蔽層の重ね合わせ部
Claims (3)
- 内部導体上に絶縁層を設けてなるコアの外周に遮蔽層を設けてなる同軸ケーブルにおいて、前記遮蔽層を、前記コア外周の1.3倍以上の幅を有し、引張伸びが2%以上の金属テープを縦添えして構成したことを特徴とする同軸ケーブル。
- 前記遮蔽層は前記コア外周に接着していないことを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル。
- 前記遮蔽層は引張伸びが2%以上の金属テープの片面又は両面にプラスチックテープを張り合わせたラミネートテープからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の同軸ケーブル。
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