JP2004119240A - フレキシブル高周波同軸ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心導体1の外周に順次絶縁体2、金属箔外部導体3、樹脂層4、編組外部導体5、ジャケット層6を被覆してなる高周波同軸ケーブルであって、絶縁体2の外径をX(mm) とした場合、内側外部導体3の金属箔として幅W(mm)と厚さT(mm)が下記▲1▼、▲2▼式を満足するテープ状金属箔を用い、また、螺旋巻き時の重なりを、該金属箔幅の27〜48%とし、一定巻き張力で均一に巻き回してフレキシブル高周波同軸ケーブル10とする。
幅W=1.2*ln(X)+1.6 (許容値±50%) −−▲1▼
厚さT=0.013*ln(X)+0.02(許容値±50%) −−▲2▼
但し、0.5<X<4.5
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は同軸ケーブルに関し、更に詳しくは65GHzを越える高周波帯域まで使用可能でフレキシブル性を有するフレキシブル高周波同軸ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信を含む情報通信機器類及び産業機器類の機内外配線材、機器リード線として用いられる同軸ケーブルは、これら機器類の性能及び機能の向上に伴って種々の特性が要求されている。特に高周波伝送技術の進展と共に同軸ケーブルの適用周波数は数GHzから数十GHzの帯域に及び、さらに広帯域化しつつあり、高周波同軸ケーブルの利用分野は急速に増えている。更に高周波同軸ケーブルにおいても、フレキシブル性を有するフレキシブル高周波同軸ケーブルが要求されている。
従来のフレキシブル高周波同軸ケーブルは、中心導体を軸心として順次絶縁体、金属箔の縦添え若しくは螺旋巻きと、この上を編組で覆い押さえる構造とした外部導体を設け、その外側にジャケット層を被覆した構造で、必要に応じて金属箔と編組との間には緩衝用の樹脂層を介在させている。前記外部導体の金属箔は、軟銅箔やプラスチックフィルムがラミネートされたアルミ箔または銅箔などが用いられている。前記、高周波同軸ケーブルにおいて、ケーブルのフレキシブル性を重視すると金属箔の螺旋巻きが良く、また金属箔と編組との間には緩衝用の樹脂層を介在すると良い。また金属箔の螺旋巻きは、厚さ0.1mm程度の比較的厚手のテープ状金属箔が、金属箔の幅の50%前後の重なりで強固に巻き回しているか、若しくはケーブルの細径化や製造時のラインスピードを上げる目的で、金属箔の幅の25%前後に重なりを減らして巻き回しているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記テープ状金属箔が、金属箔幅の50%前後の重なりで強固に巻き回されている従来のフレキシブル高周波同軸ケーブル(以下、金属箔50%重なり高周波同軸ケーブルと略記する)は、金属箔の螺旋巻が、金属箔幅の50%前後の重なりで強固に形成されているために、周期的な不連続ピッチによる影響が強く現れ、反射スパイクが顕著になる(反射特性が悪化する)という問題点があった。また金属箔50%重なり高周波同軸ケーブルは、曲げに対する自由度が小さいので、屈曲を繰り返すと、重なりがない一重部位で破断が生じやすいという問題点があった。なお、前記金属箔50%重なり高周波同軸ケーブルは、金属箔の重なり部位の面積は多いが、振動や衝撃等外的要因に対しては、逆に重なり部位の接触が不安定になり電気的特性が劣化するという問題点があった。さらには金属箔の巻き角度が大きいため減衰量は理論計算値よりも増大するという問題点があった。
一方、外部導体の金属箔の螺旋巻きが、金属箔幅の25%前後の重なりで形成されている従来のフレキシブル高周波同軸ケーブル(以下、金属箔25%重なり高周波同軸ケーブルと略記する)は、ケーブル屈曲時または振動や衝撃等外的要因に対して重なり部位の接触が不完全となる危険性があるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、広範な周波数帯域にて優れた反射特性や減衰特性、耐屈曲性、および耐振動性を有するフレキシブル高周波同軸ケーブルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の観点として本発明は、中心導体の外周に絶縁体、その外側に二層の外部導体、更にその外側にジャケット層を順次被覆してなる高周波同軸ケーブルであって、前記二層の外部導体のうち、内側の外部導体は金属箔の螺旋巻きにより形成し、外側の外部導体は編組により形成し、また必要に応じ金属箔と編組との間に緩衝用の樹脂層を介在させたフレキシブル高周波同軸ケーブルにおいて、
前記絶縁体の外径をX(mm) とした場合、前記内側外部導体の金属箔として幅W(mm)と厚さT(mm)が下記▲1▼、▲2▼式を満足するテープ状の金属箔を用い、また、該テープ状金属箔の螺旋巻き時の重なりが、該金属箔の幅の27〜48%で、一定の巻き張力で均一に巻き回されていることを特徴とするフレキシブル高周波同軸ケーブルにある。
幅W=1.2*ln(X)+1.6 (許容値±50%) −−▲1▼
厚さT=0.013*ln(X)+0.02(許容値±50%) −−▲2▼
但し、0.5<X<4.5
なお、上記▲1▼、▲2▼式は、前記内側外部導体のテープ状金属箔として、どのような幅と厚さのものが好ましいかを絶縁体外径毎に試作して検討し、その結果をグラフにプロットすることにより導出したものである。
上記▲1▼、▲2▼式において(許容値±50%)とした理由は、±50%までは特性上問題がなく許容できるためである。なお、金属箔の厚さや幅が上記▲1▼、▲2▼式の範囲を超えて大き過ぎると一定の巻き張力での均一な巻き回しが不可能になり、また金属箔の厚さや幅が上記▲1▼、▲2▼式の範囲を超えて小さ過ぎると機械的強度が得られないので好ましくない。また絶縁体外径X(mm)を0.5<X<4.5と限定した理由は、この範囲の絶縁体外径が通常の高周波同軸ケーブルの絶縁体外径として好ましいためである。
また前記テープ状金属箔の螺旋巻き時の重なりを、該金属箔の幅の27〜48%と限定した理由は、金属箔の重なりが27%未満では、ケーブル屈曲時または振動や衝撃等外的要因に対して重なり部位の接触が不完全となる危険性があり、また金属箔の重なりが48%を超えると、螺旋巻き外部導体が金属箔幅の48%を超えた重なりで強固に形成されてしまうために、周期的な不連続ピッチによる影響が強く現れ、反射スパイクが顕著になる(反射特性が悪化する)ので好ましくないためである。
上記第1観点の高周波同軸ケーブルでは、絶縁体外径をX(mm) とした場合、内側外部導体の金属箔の幅W(mm)と厚さT(mm)が上記▲1▼、▲2▼式を満足するテープ状の金属箔を用い、また該金属箔の螺旋巻き時の重なりを該金属箔の幅の27〜48%の範囲に限定したことで、一定張力による均一な巻き回しが可能になったものである。これにより、金属箔の螺旋巻きによる外部導体の内面の凹凸、すなわち絶縁体表面の凹凸は従来の50%重ね巻き時に比べ分散し且つ滑らかになるため、周期的な不連続ピッチが緩和され特定周波数の反射スパイクが低減できる。
とりわけ金属箔の螺旋巻きに起因する周期的な不連続ピッチが引き起こす特定周波数(周期的な不連続ピッチが伝送信号の半波長の倍数となる周波数で、ここでは特に1/4波長を対象にしている)の反射スパイクが低減でき、反射特性が良好になる。なお1/2波長による影響は、絶縁体外径 Xと金属箔幅Wと金属箔の重なりとの関係から利用帯域外に移動させることができる。また、1/8波長以下の影響はレベルが低く問題にならない。
【0006】
ここで金属箔の螺旋巻きによる内側外部導体3の内面の凹凸、すなわち絶縁体2表面の凹凸について図3を用いて説明する。
内側外部導体3内面の凹凸すなわち絶縁体2表面の凹凸は、第1に、絶縁体2に接触する金属箔側のエッヂ部位とこの上部に重なる金属箔による凹凸(以下、▲1▼金属箔エッヂ部位の凹凸という)の発生、また第2に、絶縁体に接触する金属箔を上部から締め付ける金属箔のエッヂ部位下部での凹凸(以下、▲2▼上部からの締め付けによる凹凸という)の発生がある。
【0007】
先ず、本発明の27〜48%重ね巻き時に発生する凹凸について図3(a)を用いて説明する。なお、金属箔の重なり3枚、3a,3b,3cの部分を例にして述べる。
絶縁体2に接触する金属箔3aの一方(図では右)のエッヂ部位i1と、このエッヂ部位i1の上部に重なる金属箔3bの内面で凹凸x1(上記▲1▼の凹凸)が発生する。また金属箔3bの上部に重なる金属箔3cの一方(図では左)のエッヂ部位i2によりこの下部の金属箔3bの下の部分の絶縁体2が押され凹凸x2(上記▲2▼の凹凸)が発生する。従って、金属箔の重なりによる凹凸▲1▼, ▲2▼は分散して小さくなり、且つ滑らかになる。
【0008】
次に、従来の50%重ね巻き時に発生する凹凸について図3(b)を用いて説明する。なお、金属箔の重なり3枚、3e,3f,3gの部分を例にして述べる。
絶縁体2に接触する金属箔3eの一方(図では右)のエッヂ部位j1と、このエッヂ部位j1の上部に重なる金属箔3fの内面で凹凸y(上記▲1▼の凹凸)が発生するとともに、金属箔3fの上部に重なる金属箔3gの一方(図では左)のエッヂ部位j2により金属箔3fの内面で、前記した凹凸yと同一箇所に凹凸(上記▲2▼の凹凸)が発生する。従って、金属箔の重なりによる凹凸▲1▼, ▲2▼が一致して大きくなり、絶縁体2の表面が粗くなる。
【0009】
また本発明の27〜48%重ね巻きと従来の50%重ね巻きを比較した場合、金属箔の重なり面積は50%重ね巻き時の方が多いが、重なり部位の接触は逆に27〜48%重ね巻き時の方が強く確実になり、振動や衝撃等外的要因に対し電気的特性は安定維持される。また屈曲時の自由度が増し、応力が重なり一重部位に集中せずに分散するため繰り返しの屈曲特性に優れる。さらには金属箔の巻き角度が小さくでき、減衰量を低く抑えることが可能になる。
【0010】
第2の観点として本発明は、前記金属箔と編組からなる二層の外部導体、及び必要に応じその間に介在させた緩衝用の樹脂層が、一括して端末処理されていることを特徴とするフレキシブル高周波同軸ケーブルにある。
上記第2観点の高周波同軸ケーブルでは、前記二層の外部導体、及び必要に応じその間に介在させた緩衝用樹脂層が一括して端末処理されているので同軸コネクタへの配線時好適となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の高周波同軸ケーブルの第1例を示す一部切り欠き正面図である。図2は、本発明の高周波同軸ケーブルの第2例を示す一部切り欠き正面図である。図3は、高周波同軸ケーブルにおいて、金属箔の螺旋巻きの重なりによる金属箔外部導体内面の凹凸、すなわち絶縁体表面の凹凸の発生を説明するための略図であり、同図(a)は本発明の高周波同軸ケーブルの絶縁体部と重なり27〜48%の金属箔の螺旋巻きによる外部導体部を示す縦断面図で、また同図(b)は従来の高周波同軸ケーブルの絶縁体部と重なり50%の金属箔の螺旋巻きによる外部導体部を示す縦断面図である。また図4は、本発明の高周波同軸ケーブルの伝送特性を示すチャート図であり、上図は反射特性、また下図は挿入損失特性である。
これらの図において、1は中心導体、2は絶縁体(絶縁層)、3は金属箔外部導体(内側外部導体)(金属箔)、3a,3b,3c,3e,3f,3gは重なり部金属箔、4は樹脂層(樹脂テープ)、5は編組外部導体(外側外部導体)、6はジャケット層、10,20はフレキシブル高周波同軸ケーブル、i1,i2,j1,j2はエッヂ部位、x1,x2,yは凹凸である。
【0012】
−第1の実施の形態−(実施例1)
外径0.510mmの銀メッキ銅被覆鋼線を中心導体1とし、中心導体1の外周に多孔質PTFE(四フッ化エチレン)樹脂の絶縁層2を厚さ0.48mmで形成した。次に内側外部導体3の製造条件を下記表1の条件に従い、前記絶縁層2の外側に幅2.0mm厚さ0.033mmの圧延銀メッキ銅箔を、定テンションテーピングマシンを用い、重なりおよそ37%にて一定の巻き張力で均一に螺旋巻きして内側外部導体3とした。次に前記内側外部導体3の外側に厚さ0.01mmの接着層付きPPS(ポリフェニレンスルフィド)テープを接着層内側、重なりおよそ50%で巻き回して樹脂層4とした。次に前記樹脂層4の外側を銀メッキ銅素線の編組で覆い押さえして外側外部導体5とした。更に前記外側外部導体5の外周にFEP(フッ化エチレンプロピレン)樹脂のジャケット層6を厚さ0.3mmで被覆してフレキシブル高周波同軸ケーブル10を得た。
【0013】
【表1】
【0014】
前記中心導体1には外径0.510mmの銀メッキ銅被覆鋼線を用いたが、他の外径サイズや構成、材質、メッキ品でも良い。また絶縁層2は多孔質PTFE樹脂以外の比誘電率や誘電正接が小さい電気的特性に優れた絶縁材料に変更可能で、適用方法は押し出し被覆の他テープ巻きでも良い(テープ巻き時は周期的な不連続ピッチに注意)。また内側外部導体3の金属箔はスリット品や他のメッキ品、金属蒸着品、無メッキ品、金属箔にプラスチックフィルムをラミネートした片面ないし両面導体プラスチックテープでも良い。また樹脂層4は他の材質や厚さの樹脂テープで良く、接着層無しも使用でき、その適用方法としては50%以外の重ね巻きが可能で、押し出しでも良い。また外側外部導体5は編組の素線として他の材質やメッキ品、無メッキ品が使用できる。更にジャケット層6も厚さや材質の変更が可能である。
そして、前記内側外部導体3と樹脂層4および外側外部導体5は端末加工の際、半田槽に浸漬し、一括して端末処理を行ったところ、樹脂層4は溶けて、両外部導体3、5が半田により一体化された。
【0015】
−第2の実施の形態−(実施例2)
第2実施形態として、図2に示すように上記実施例1の高周波同軸ケーブル10から樹脂層を省略した構成のフレキシブル高周波同軸ケーブル20としても実施例1の同軸ケーブル10と同等な優れた電気的特性を得ることができる。
【0016】
比較の形態
−比較の形態1(比較例1)−
比較例1として、内側外部導体3の製造条件を上記表1の条件に従って行い、その他は実施例1と同様にしてフレキシブル高周波同軸ケーブルを製造した。なお実施例1と異なる部分は、金属箔厚さ0.060mmの部分であり、厚さT(mm)が本発明の▲2▼式の(許容値±50%)から外れているものである。
【0017】
−比較の形態2(比較例2)−
比較例2として、内側外部導体3の製造条件を上記表1の条件に従って行い、その他は実施例1と同様にしてフレキシブル高周波同軸ケーブルを製造した。なお実施例1と異なる部分は、金属箔幅3.1mmの部分であり、幅W(mm)が本発明の▲1▼式の(許容値±50%)から外れているものである。
【0018】
−比較の形態3(従来型)−
従来型として、内側外部導体3の製造条件を上記表1の条件に従って行い、その他は実施例1と同様にして従来型のフレキシブル高周波同軸ケーブルを製造した。なお実施例1と異なる部分は、重なり50%の部分であり、テープ状金属箔の螺旋巻き時の重なりが、該金属箔の幅の27〜48%から外れているものである。
【0019】
―特性評価試験―
本発明実施例1の高周波同軸ケーブルと、内側外部導体の製造条件が異なる比較例1、2の同軸ケーブルおよび従来型の同軸ケーブルとの特性評価試験を行い下記表2にまとめた。なお評価項目としては、ベクトルネットワークアナライザによる挿入損失特性、VSWR(反射スパイクの有無)、耐振動性(減衰量変化)である。
【0020】
【表2】
【0021】
上記表2の結果から明らかなように、本発明の高周波同軸ケーブルにあっては、挿入損失が少なく、反射スパイクが生じず、振動に対する減衰量変化が小さく良好な伝送特性が得られた。(実施例1の高周波同軸ケーブルの挿入損失特性、反射特性については図4の伝送特性チャート参照)
一方、比較例1の高周波同軸ケーブルでは、厚手の金属箔を使用したことにより一定の巻き張力による均一な螺旋巻きが不可能で、そのため、ケーブルの特性インピーダンスが大きく変動して、挿入損失は計測不可であり、また反射スパイクも多数有り、更に耐振動性も計測不可であった。また比較例2の高周波同軸ケーブルでは、重なり部位の接触が安定し、挿入損失特性と耐振動性は良好であったが、幅広の金属箔を使用したため、螺旋巻きに起因する1/2波長の反射スパイクが利用周波数帯域内に生じてしまった。また従来型の高周波同軸ケーブルでは、周期的な不連続ピッチによる影響が強く現れ反射スパイクが生じた。また従来型は、金属箔の重なり面積は多いが、重なり部位の接触が弱く不安定で耐振動性は劣化した。更に従来型は、金属箔の巻き角度が大きいため挿入損失は増大した。
【0022】
【発明の効果】
本発明の高周波同軸ケーブルによれば、絶縁体の外径をX(mm) とした場合、前記内側外部導体の金属箔として幅W(mm)と厚さT(mm)が前記▲1▼、▲2▼式を満足するテープ状の金属箔を用い、また、該テープ状金属箔の螺旋巻き時の重なりが、該金属箔の幅の27〜48%で、一定の巻き張力で均一に巻き回されているので、内側外部導体の内面若しくは絶縁体表面が滑らかになり、周期的な不連続ピッチが緩和されて反射スパイクが低減できるようになった。また、金属箔の重なり部位の接触が安定するため、振動や衝撃等外的要因に強くなり、さらには屈曲時の自由度が増し、応力が重なり一重部位に集中せずに分散するため繰り返しの屈曲特性に優れたものとなった。そして金属箔の巻き角度は小さくなり減衰量を低く抑えることができるようになった。更に、二層の外部導体及びその間に設けられた緩衝用の樹脂テープは従来通り一括して端末処理が行えた。
以上により、本発明の高周波同軸ケーブルにあっては、優れた機械的特性およびフレキシブル性を維持しつつ、65GHzを越える高周波帯域まで良好な電気的特性が確保できるようになった。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波同軸ケーブルの第1例を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】本発明の高周波同軸ケーブルの第2例を示す一部切り欠き正面図である。
【図3】金属箔の螺旋巻きの重なりによる金属箔外部導体内面の凹凸、すなわち絶縁体表面の凹凸の発生を説明するための略図である。(a)は本発明の高周波同軸ケーブルの絶縁体部と重なり27〜48%の金属箔の螺旋巻きによる外部導体部を示す縦断面図である。(b)は従来の高周波同軸ケーブルの絶縁体部と重なり50%の金属箔の螺旋巻きによる外部導体部を示す縦断面図である。
【図4】本発明の高周波同軸ケーブルの伝送特性を示すチャート図であり、上図は反射特性、また下図は挿入損失特性である。
【符号の説明】
1 中心導体
2 絶縁体(絶縁層)
3 金属箔外部導体(内側外部導体)(金属箔)
3a,3b,3c,3e,3f,3g 重なり部金属箔
4 樹脂層(樹脂テープ)
5 編組外部導体(外側外部導体)
6 ジャケット層
10、20 フレキシブル高周波同軸ケーブル
i1,i2,j1,j2 エッヂ部位
x1,x2,y 凹凸
Claims (2)
- 中心導体の外周に絶縁体、その外側に二層の外部導体、更にその外側にジャケット層を順次被覆してなる高周波同軸ケーブルであって、前記二層の外部導体のうち、内側の外部導体は金属箔の螺旋巻きにより形成し、外側の外部導体は編組により形成し、また必要に応じ金属箔と編組との間に緩衝用の樹脂層を介在させたフレキシブル高周波同軸ケーブルにおいて、
前記絶縁体の外径をX(mm) とした場合、前記内側外部導体の金属箔として幅W(mm)と厚さT(mm)が下記▲1▼、▲2▼式を満足するテープ状の金属箔を用い、また、該テープ状金属箔の螺旋巻き時の重なりが、該金属箔の幅の27〜48%で、一定の巻き張力で均一に巻き回されていることを特徴とするフレキシブル高周波同軸ケーブル。
幅W=1.2*ln(X)+1.6 (許容値±50%) −−▲1▼
厚さT=0.013*ln(X)+0.02(許容値±50%) −−▲2▼
但し、0.5<X<4.5 - 前記金属箔と編組からなる二層の外部導体、及び必要に応じその間に介在させた緩衝用の樹脂層が、一括して端末処理されていることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル高周波同軸ケーブル。
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