JP3634442B2 - カラーフィルタの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カラー液晶表示装置、その他のカラ−表示装置等に使用されるカラーフィルタの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置は、例えば、ガラス等の透明基板上にブラックマトリックス、カラーフィルタ、透明電極をこの順に形成したカラーフィルタ基板の透明電極上に配向膜を形成した基板と、TFT等のスイッチング素子と画素透明電極を配置した基板上に配向膜を形成して成る基板を、それぞれの配向膜面を対向させ、その間にスペーサーを介して貼り合わせたセル中に液晶を封入したものを2枚の偏光板にて挟んだ構造からなるものである。而して、上記のカラーフィルタは、透明基板上に、赤、緑、青等の着色画像をモザイク状またはスロット状しくはストライプ状等に配置した構造であり、必要に応じてブラックマトリックスや、ブラックマトリックス層やカラーフィルタ層を覆う透明保護層を有し、この上層に、ITO等の透明導電層を形成した構造となるものである。また、自動車の速度計や回転計等においては、黄色、シアン色、マゼンタ色、黒色等の多色画像が基板上に設けられた構造となるものである。従来、このような基板上に多色画像を形成するには、種々の方法が提案されている。例えば、カラー液晶表示装置用のカラーフィルタの製造方法について述べると、支持体としてはガラス基板等の透明基板を用い、(a)染色法、(b)印刷法、(c)電着法、(d)特開昭60−129707号公報等に記載されているように、着色した感光性樹脂の塗布、露光、現像の繰り返しによる着色感材法、(e)特開昭61−99102号公報等に記載されているように、着色したドライフィルム状感光性材料を用い、感光性着色層を基板上にラミネート、露光、現像を繰り返すドライフィルム法等が挙げられる。上記の(d)の着色感材法について更に詳しく説明すると、図1は、着色感材法の各工程における層構成を示す断面図であり、同図に示すように、ガラス基板100の上に着色感光性材料層101を形成し、次に、各矢印X、Y、Zで示すように、遮光膜102を有するフォトマスク103を介して紫外線104で上記の着色感光性材料層101をパタ−ン露光し、しかる後非露光部分の着色感光性材料層101を溶解する現像液にてウエット現像して、一色の着色パタ−ン105を形成し、而してこれを繰り返すことによって、例えば、赤色R、青色B、緑色Gの複数色からなる着色パタ−ン106を形成して、カラ−フィルタを製造することができるものである。上記の(d)の着色感材法は、物性の優れた顔料を着色剤として用いることができ、また精度、品質が満足でき、製造工程も比較的簡便なことから、現在、主流となるに至っているものである。上記の(d)の着色感材法の改良法として、上記の(e)のドライフィルム法か提案されており、この方法は、着色感光性樹脂液の塗布の代わりに、予め、フィルム上に塗布、乾燥しておいた着色感光性材料層を基板上に転写する方式であり、材料の利用効率、製造工程の速度、感光液排液処理の不要等の長所か挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基本的には、上記の(d)の着色感材法、(e)のドライフィルム法等は、いずれも着色感光性材料層の形成、露光、現像液による現像を繰り返す方式であり、また、現像時の着色残渣や、着色した現像排液の処理等の問題の他に、現像液によるウエット処理自体が、薬液を多量に用いること、また細かくは現像、リンス、乾燥の3工程が少なくとも必要であること、現像と一言でいうには複雑な処理である等の問題点を有しているものである。
また、これらの方法で用いられる感光性材料は、製造工程で現像用薬剤として有機溶剤を多用することを避けるため、水溶性もしくはアルカリ水溶液可溶性の材料が用いられる場合か多いが、一方でき上がった着色パターンにはアルカリに対する強い耐性か要求され、材料設計上の矛盾点となる問題点もある。
そこで本発明は、上記のようなウエットな現像処理に代わって、乾式で、なおかつ簡便な方法で現像の操作を行うことにより、感光性材料の選択の幅を広くし、また上記の(d)の着色感材法の利点である、物性の優れた顔料を着色剤として用いることができ、また精度、品質等を満足できる点をそのままにして、より簡便な製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、紫外線透過性のフィルム状の仮支持体上に少なくとも所定の色に着色された感光性材料が塗布されて、着色感光性材料層を有する感光性フィルムを、所定のカラーフィル夕を形成する為の基板の表面に着色感光性材料層面が該基板に面する様に、100℃以下、望ましくは50℃以下、更に望ましくは室温下にて仮接着し、着色感光性材料層を仮支持体を介してパターン露光し、しかる後、仮支持体を該基板より剥離すると同時に感光し、硬化した部分の着色感光性材料層も仮支持体と共に剥離し、他方、未感光部分の着色感光性材料層を基板上に転移させ、該基板上に転移した着色感光性材料層を硬化させて着色パターンを形成することからなる工程を、複数回繰り返して、複数色からなる着色パターンを基板上に形成することによって、上記の目的を達成し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、仮支持体上に、紫外線透過性を有する熱可塑性樹脂層を介して所定の色に着色された感光性材料を塗布、乾燥して着色感光性材料層を有する感光性フィルムを形成し、次に基板の表面に上記の感光性フィルムをその着色感光性材料層面を対向させて仮接着し、しかる後該感光性フィルムの仮支持体を介して該感光性フィルムの着色感光性材料層をパターン露光し、次いで感光性フィルムを露光して感光した部分の着色感光性材料層と共に該基板より剥離することにより、上記の感光性フィルムの未露光の部分の着色感光性材料層を該基板に転移し、次に該基板上に転移した着色感光性材料層を硬化させて着色パターンを形成することからなる工程を繰り返して、複数色からなる着色パターンを基板上に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造法に関するものである。
【0007】
【作用】
本発明は、基板の表面に乾式の感光性フィルムをその着色感光性材料層面を対向させて仮接着し、しかる後パターン露光、転移、剥離、硬化等の工程を繰り返して複数色からなる着色パターンを基板上に形成することができるものであり、湿式による現像工程が不要となり、工程が簡略化され、乾式の状態で操作することにより、カラ−フィルタを製造するものである。
【0008】
【本発明の詳細な説明】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかるカラ−フィルタの製造法について説明する。
図2ないし図4は、本発明にかかるカラ−フィルタの製造法の各工程における層構成を示す断面図である。
図2に示すように、まず、仮支持体1の上に所定の色に着色されている感光性材料を塗布、乾燥して着色感光性材料層2を形成して感光性フィルム3を製造する。
他方、基板4を用意してその表面を洗浄後、該基板4の上に、上記で製造した感光性フィルム3をその着色感光性材料層2の面が対向するように重ね合わせ二本のロ−ル5、5間を通してその両者を仮接着する。
次に、矢印Aで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3とを仮接着した後、遮光膜6を有するフォトマスク7を介して紫外線8で、上記の感光性フィルム3の仮支持体1を通して該感光性フィルム3の着色感光性材料層2をパタ−ン露光する。
次に、上記でパタ−ン露光後、矢印Bで示すように、仮接着状態にある基板4と感光性フィルム3とを加熱ロ−ル9、9間を通して加熱加圧して、その両者を密着させる。
しかる後、矢印Cで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3とを密接着させた後、感光性フィルム3を感光した部分の着色感光性材料層10と共に基板4より剥離し、他方、上記の感光性フィルム3の未露光の部分の着色感光性材料層11を基板4の上に転移する。
すなわち、露光した部分の着色感光性材料層10は、基板4に接着されることなく仮支持体1と共に剥離される。
次いで、矢印Dで示すように、上記で基板4の上に転移した着色感光性材料層11を加熱等によって該着色感光性材料層11を構成している樹脂等のビヒクルを硬化させて、基板4の上に第1色目の着色パタ−ン12を形成する。
【0009】
次に、本発明においては、図3に示すように、仮支持体1の上に、上記で使用した感光性フィルム3とは別の色に着色されている感光性材料を塗布、乾燥して着色感光性材料層2′を形成して感光性フィルム3′を製造する。
而して、上記で第1色目の着色パタ−ン12を形成した基板4の上に、上記で製造した感光性フィルム3′をその着色感光性材料層2′の面が対向するように重ね合わせ二本のロ−ル5、5間を通してその両者を仮接着する。
次に、矢印Eで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3′とを仮接着した後、遮光膜6を有するフォトマスク7を介して紫外線8で、上記の感光性フィルム3′の仮支持体1を通して該感光性フィルム3′の着色感光性材料層2′をパタ−ン露光する。
この露光に際しては、基板4の上に形成してある着色パタ−ン12に隣接する位置に相当する部分の着色感光性材料層2′が露光されず感光されないように露光する。
次に、上記でパタ−ン露光後、矢印Fで示すように、仮接着状態にある基板4と感光性フィルム3′とを加熱ロ−ル9、9間を通して加熱加圧して、その両者を密着させる。
しかる後、矢印Gで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3′とを密接着させた後、感光性フィルム3′を露光で感光した部分の着色感光性材料層10′と共に基板4より剥離し、他方、上記の感光性フィルム3′の未露光の部分の着色感光性材料層11′を基板4の上に転移する。
すなわち、露光した部分の着色感光性材料層10′は、基板4に接着されることなく仮支持体1と共に剥離される。
次いで、矢印Hで示すように、上記で基板4の上に転移した着色感光性材料層11′を加熱等によって該着色感光性材料層11′を構成している樹脂等のビヒクルを硬化させて、基板4の上に第1色目の着色パタ−ン12に隣接する位置に第2色目の着色パタ−ン12′を形成する。
【0010】
次に、本発明においては、図4に示すように、仮支持体1の上に、上記で使用した感光性フィルム3および3′とは別の色に着色されている感光性材料を塗布、乾燥して着色感光性材料層2″を形成して感光性フィルム3″を製造する。
而して、上記で第1色目と第2色目の着色パタ−ン12、12′を形成した基板4の上に、上記で製造した感光性フィルム3″をその着色感光性材料層2″の面が対向するように重ね合わせ二本のロ−ル5、5間を通してその両者を仮接着する。
次に、矢印Iで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3″とを仮接着した後、遮光膜6を有するフォトマスク7を介して紫外線8で、上記の感光性フィルム3″の仮支持体1を通して該感光性フィルム3″の着色感光性材料層2″をパタ−ン露光する。
この露光に際しては、基板4の上に既に形成してある着色パタ−ン12、12′に隣接する位置に相当する部分の着色感光性材料層2″が露光されず感光されないように露光する。
次に、上記でパタ−ン露光後、矢印Jで示すように、仮接着状態にある基板4と感光性フィルム3″とを加熱ロ−ル9、9間を通して加熱加圧して、その両者を密着させる。
しかる後、矢印Kで示すように、上記で基板4と感光性フィルム3″とを密接着させた後、感光性フィルム3″を感光した部分の着色感光性材料層10″と共に基板4より剥離し、他方、上記の感光性フィルム3″の未露光の部分の着色感光性材料層11″を基板4の上に転移する。
すなわち、露光した部分の着色感光性材料層10″は、基板4に接着されることなく仮支持体1と共に剥離される。
次いで、矢印Lで示すように、上記で基板4の上に転移した着色感光性材料層11″を加熱等によって該着色感光性材料層11″を構成している樹脂等のビヒクルを硬化させて、基板4の上に第1色目と第2色目の着色パタ−ン12、12′に隣接する位置に第3色目の着色パタ−ン12″を形成する。
而して、本発明においては、上記のように着色パタ−ンを形成する工程を繰り返すことによって、複数色からなる着色パタ−ンを基板上に形成してカラ−フィルタを製造することができるものである。
【0011】
図5は、本発明にかかるカラ−フィルタの層構成を示す断面図である。
本発明にかかるカラ−フィルタは、図5に示すように、上記で形成した着色パタ−ン12、12′、12″のそれぞれを赤色、青色、緑色とすれば、基板4の上に赤色の着色パタ−ンR、青色の着色パタ−ンB、緑色の着色パタ−ンGの三色が隣接した平滑状の着色パタ−ン13を設けた構成からなるものである。
【0012】
次に、本発明に使用する材料について詳細に説明する。本発明で使用する着色した感光性材料のための仮支持体としては、フレキシブルであり、紫外線に対しある程度以上の透過性を有し、加圧、加熱化で著しい変形、収縮、伸びを生じないことか必要である。このような支持体の例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフオンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムおよびそれらのアニール品や2軸延伸品があげられ、そのなかで2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムか優れている。仮支持体の厚さとしては2〜100μmが好ましく、また、基板の表面の凹凸への追従性を考慮すると30μm以下好ましい。
【0013】
該仮支持体上に、顔料等にて着色した感光性材料を直接もしくは、紫外線透過性を有する熱可塑性樹脂層を介して設ける。上記の熱可塑性樹脂層は、凹凸のある基板上へ感光性材料を密着よく貼り合わせる際の、下地の凹凸の吸収層として、また着色感光性材料層を基板に密着させた後に仮支持体を容易に剥離する為の剥離層として設ける。この場合、剥離層は仮支持体とは十分な接着性を有しており、着色感光性材料層との界面にて剥離可能であることが必要である。このような剥離層は、高分子材料溶液を仮支持体に塗布することにて形成できる。適当なポリマーとしては、軟化点が80℃以下であること好ましく、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体やエチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステルやそれらのケン化物が挙げられ、また、これらに可塑剤、界面活性剤や離型剤等を加えることも可能である。好ましい可塑剤の例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等を挙げることができる。離型剤としては、シリコーン化合物やフッ素化アルキル基含有化合物知られており、これらはいずれも有利に使用でき、また、アニオン、カチオン、またはノニオン系界面活性剤も使用できる。熱可塑性樹脂による剥離層の厚さとしては、5μm以上が下地の凹凸追従のために必要で、また100μmを越える厚さでは、剥離層の厚さ精度制御上の問題を有し、10ないし30μmが好ましい。
【0014】
次に、本発明において、着色感光性材料層に用いる感光性樹脂は、少なくとも150℃以下の温度にて軟化もしくは粘着性になること好ましく、熱可塑性であることが望ましい。また、光反応により、少なくとも100℃以下の温度にて軟化もしくは粘着性を発現しないものである必要がある。例えば、単官能、多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸との共重合物に光重合開始剤等を組み合わせる組成物に代表される公知の光重合性組成物を用いた層の大半はこの性質を有するが、公知材料の一部は、熱可塑性バインダーの添加、相溶性の可塑剤の添加により更に改質することが出来る。
【0015】
前記の単官能、多官能(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テロラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テロメチロールメタンテロラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリル酸のアルキルエスル、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2価アルコールと2価アルコルの(メタ)アクリル酸モノエステルとを反応させて得られるウレタンジアクリレート化合物などである。
(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸との共重合物の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体や(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体の他に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合しうるビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等か挙げられる。
また(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸と共重合し得るビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テロラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2.2.2−トリプルオロエチル(メタ)アクリレート、2.2.3.3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等か挙げられる。
さらにコポリエステル、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸等のポリエステル、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エチルセルロース等も用いることができる。
【0016】
前記重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、N.N′−テトラメチルー4.4′−ジアミノペンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノペンゾフェノン、4.4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のペンゾインエル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(O−クロロフェニル)−4.5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(O−クロロフェニル)−4.5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(O−フルオロフェニル)−4.5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(O−メトキシフエニル)−4.5−ジフェニルイミダゾール2量体等の2.4.5−トリアリールイミダゾール2量体の他、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフェニル)−ブタノンや、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1.3−4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(P− シアノスチリル)−1.3.4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(P−メトキシスチリル)−1.3.4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール系化合物、2.4−ビス(トリクロロメチル)−6−P−メトキシスチリル−S−トリアジン、2.4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−P−ジメチルアミノフェニル−1.3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−P−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4.6−ピストリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4.6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4.6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物が挙げられる。
【0017】
感光性樹脂には、更に、顔料や染料を着色剤として添加する。
顔料を用いる場合は、その粒子径は0.4μm以下とすることが望ましい。
好ましい染料および顔料の例としては、以下か挙げられる。
ビクトリア・ピュアブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エロ−GT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターパームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスブラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファスト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン等をあげることができる。
さらに、カラーフィルタを形成するのに適当な顔料としては、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64等を挙げることが出来る。
また特開平5−119213号公報に記載の反応性染料をバインダーポリマーを反応させた系や特開平6−107663号公報に記載の含フッ素フクロシアニン化合物は、消偏等の光学特性の優れた系として挙げられる。
【0018】
本発明においては、上記のような感光性樹脂と着色剤と必要に応じて界面活性剤を添加して、更にはその他の添加剤を任意に添加して感光性組成物を調製し、而して、該組成物を仮支持体の上に、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、エアナイフコ−ト、ディップコ−ト、その他のコ−ティング法でコ−ティングして、着色感光性材料層を厚さ0.5ないし3.0μm程度に形成する。
【0019】
また、本発明においては、基板と感光性フィルムとを仮接着する際に、基板の表面、あるいは感光性フィルムの表面に、予め、粘着剤をコ−ティングして粘着剤層を形成しておくこともできる。かかる粘着剤としては、公知の樹脂をビヒクルとする粘着剤組成物を使用することができる。而して、本発明においては、粘着剤層としては、強い接着性を有しない弱粘着剤を基板側、あるいは着色感光性材料層の上面に予め塗布することが好ましく、仮接着用の弱粘着剤を塗布すると、仮接着が容易に行えるという利点がある。このような仮接着は着色感光性材料層が光硬化後、容易に基板より剥離できる程度の接着力である必要があり、このために、弱粘着性であることが好ましく、室温もしくは50℃以下の温度条件下にて着色感光性材料層の接着性が不足である場合に用いられる。また、弱粘着剤層は基板側表面に形成しても良い。ここで使用できる弱粘着剤としては、カルナバワックスやカルナバワックスとアクリル酸エステル系粘着剤の混合物が適当である。弱粘着層の厚みは、0.1ないし1.0μm程度が好ましい。また弱粘着剤は、着色感光性材料層と加熱時相溶性を有していること望ましい。
【0020】
また、着色感光性材料層もしくは着色感光性材料層の上の弱粘着層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するための薄い被覆シートを設けることが好ましい。
被覆シートは、仮支持体と同じかあるいは類似の材料にても良いが、着色感光性材料層もしくは弱粘着層より容易に剥離されなくてはならない。
被覆シート材料としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレンフィルムが適当であり、厚さは5ないし100μmであるのか好ましく、10ないし30μmが特に好ましい。
【0021】
次に、本発明において、基板としては、例えば、ソ−ダライムガラス基板、無アルカリガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板、石英ガラス基板、シリコン基板等を使用することができる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明について具体例を挙げて更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に、下記処方の着色感光性材料を塗布、乾燥し、乾燥膜厚か2μmの着色感光性材料層を得た。
Figure 0003634442
さらに、上記着色感光性材料層の上にポリプロピレン(12μm厚)の被覆シートを圧着して、赤色感光性フィルムを得た。
この感光性フィルムを用いて、以下の方法にて、ガラス基板上に赤色カラーフィルタパターンを得た。
赤色感光性フィルムの被覆シートを剥離し、透明ガラス基板上にラミネータを用いて、室温下、加圧(0.8Kg/cm)しながら仮接着し、続いて所定のフォトマスクを用いて露光し、次にラミネータを用いて加熱下(150℃)加圧(0.8Kg/cm)しながら感光性フィルムをガラス基板に密着させ、室温まで放冷した後、仮支持体を引き剥がすと同時に、露光された部分の赤色感光性材料層を仮支持体と共に基板より剥離した。
他方、未露光の部分の赤色感光性材料層を基板に転移した。
この後、赤着色パターンを200℃にて1時間加熱し、熱硬化させて、赤色カラーフィルタパターンを形成した。
【0024】
厚さ5μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に、下記処方の着色感光性材料を塗布、乾燥し、乾燥膜厚が2μmの着色感光性材料層を得た。
Figure 0003634442
さらに、上記着色感光性材料層の上にカルナバワックスエマルジョンを水/IPA=1/1の溶液にて希釈して塗布、乾燥し、カルナバワックスによる膜厚0.3μmの弱粘着層を形成した。
さらに、上記弱粘着層の上にポリプロピレン(12μm厚)の被覆シートを圧着して、緑色感光性フィルムを得た。
この感光性フィルムを用いて、以下の方法にて、実施例1にて形成したカラーフィルタに隣接して緑色カラーフィルタパターンを得た。
緑色感光性フィルムの被覆シートを剥離し、実施例1で作成した基板上にラミネータを用いて、室温下、加圧(0.8Kg/cm)しながら仮接着し、続いて所定のフォトマスク位置合わせして露光し、次にラミネータを用いて加熱下(150℃)加圧(0.8Kg/cm)しながら感光性フィルムをガラス基板に密着させ、室温まで放冷した後、仮支持体を引き剥がすと同時に、露光された部分の緑色感光性材料層を仮支持体と共に基板より剥離し、他方、未露光の部分の緑色感光性材料層を基板上に転移した。
この後、緑着色パターンを200℃にて1時間加熱し、熱硬化させて、緑色カラーフィルタパターンを形成した。
【0025】
厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に、下記処方の熱可塑性樹脂液を塗布乾燥し、膜厚20μmの熱可塑性樹脂層を得た。
Figure 0003634442
次に、上記の熱可塑性樹脂層上に下記処方の着色感光性材料を塗布、乾燥し、乾燥膜厚か2μmの着色感光性材料層を得た。
Figure 0003634442
さらに、上記着色感光性材料層の上にカルナバワックスエマルジョンを水/IPA=1/1の溶液にて希釈して塗布、乾燥し、カルナバワックスによる弱粘着層を形成した。
さらに、上記弱粘着層の上にポリプロピレン(12μm厚)の被覆シートを圧着して、青色感光性フィルムを得た。
この感光性フィルムを用いて、以下の方法にて、実施例2にて形成したカラーフィルタに隣接して青色カラーフィルタパターンを得た。
緑色感光性フィルムの被覆シートを剥離し、実施例2で作成した基板上にラミネータを用いて、室温下、加圧(0.8Kg/cm)しながら仮接着し、続いて所定のフォトマスクを位置合わせして露光し、次にラミネータを用いて加熱下(150℃)加圧(0.8Kg/cm)しながら感光性フィルムをガラス基板に密着させ、室温まで放冷した後、仮支持体を引き剥がすと同時に、露光された部分の青色感光性材料層を仮支持体と共に基板より剥離し、他方、未露光の部分の青色感光性材料層を基板上に転移した。
この後、青着色パターンを200℃にて1時間加熱し、熱硬化させて、青色カラーフィルタパターンを形成した。
以上のように作製した赤、緑、青の3色を有するカラーフィルタは、画素の欠落やムラもなく、また、良好な精度を有していた。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、紫外線透過性のフィルム状の仮支持体上に所定の色に着色された感光性材料を塗布して着色感光性材料層を有する感光性フィルムを形成し、これを所定のカラーフィルタを形成する為の基板の表面に着色感光性材料層面が対向するよに、室温下もしくは100℃以下にて仮接着し、次いで着色感光性材料層を仮支持体を介してパターン露光し、仮支持体を該基板より剥離すると同時に感光した部分の着色感光性材料層を仮支持体と共に基板より剥離し、他方、未露光の部分の着色感光性材料層を基板上に転移させ、該基板上に転移した着色感光性材料層を硬化させて着色パターンを形成することからなる工程を繰り返して、複数色からなる着色パターンを基板上に形成することによって、カラ−フィルタを製造するものである。
従って、本発明では、ウエットな現像処理に代わって、乾式で、なおかつ簡便な方法で現像の操作を行うことにより、感光性材料の選択の幅を広くし、また物性の優れた顔料を着色剤として用いることができ、また精度、品質等を満足できる、より簡便な製造法にかかるものである。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の(d)の着色感材法の各工程における層構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるカラ−フィルタの製造法の各工程における層構成を示す断面図である。
【図3】本発明にかかるカラ−フィルタの製造法の各工程における層構成を示す断面図である。
【図4】本発明にかかるカラ−フィルタの製造法の各工程における層構成を示す断面図である。
【図5】本発明にかかるカラ−フィルタの層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 仮支持体
2 着色感光性材料層
3 感光性フィルム
4 基板
12 着色パタ−ン
12′ 着色パタ−ン
12″ 着色パタ−ン
13 複数色からなる着色パタ−ン

Claims (4)

  1. 仮支持体上に、紫外線透過性を有する熱可塑性樹脂層を介して所定の色に着色された感光性材料を塗布、乾燥して着色感光性材料層を有する感光性フィルムを形成し、次に基板の表面に上記の感光性フィルムをその着色感光性材料層面を対向させて仮接着し、しかる後該感光性フィルムの仮支持体を介して該感光性フィルムの着色感光性材料層をパターン露光し、次いで感光性フィルムを感光した部分の着色感光性材料層と共に該基板より剥離することにより、上記の感光性フィルムの未露光部分の着色感光性材料層を該基板に転移し、次に該基板上に転移した着色感光性材料層を硬化させて着色パターンを形成することからなる工程を繰り返して、複数色からなる着色パターンを基板上に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造法。
  2. 基板上に、予め、粘着剤を塗布、乾燥してなることを特徴とする上記の請求項に記載するカラーフィルタの製造法。
  3. 感光性フィルムの着色感光性材料層の上に、予め、粘着剤を塗布、乾燥してなることを特徴とする上記の請求項に記載するカラーフィルタの製造法。
  4. パターン露光を行った後、基板と感光性フィルムとを加熱加圧することを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれかに記載するカラーフィルタの製造法。
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