JP3634397B2 - 可融性多孔質膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明は、電池、特にリチウム一次電池及びリチウム二次電池のセパレーターとして用いると極めて有用な可融性の多孔質膜に関するものである。より詳しくは、本発明は、支持相と可融性相とから構成される多孔質膜であって、特にリチウム電池用のセパレーターとして用いると、電池内の温度が所定の温度を超えて可融性相の融点以上に上昇した場合に、可融性相が溶融して孔を塞ぎその透過性を消失するが支持相は変形せずにその形状を保つという性質を有することを特徴とする多孔質膜に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
バッテリー、リチウム電池、電解コンデンサー等に使用されている電解液セパレーターは、古くはクラフト紙やマニラ麻等の電解紙が多く用いられていたが、最近では、より強度が高く、ショート(極間短絡)率が低い不織布や多孔質ポリオレフィン膜などが使用されるようになっている。また、特にリチウム電池の場合には、一般に高密度の電流を流すように設計されているため、電極間の短絡が起きた場合などには電池内の温度が急激に上昇する。これは、短絡によって過電流が流れるためと、かかる過電流によって陰極における化学反応が加速するためである。この電池内における急激な温度上昇は非常に危険であり、保護機構を有しない高速電池においては140℃を超える温度に迅速に到達し、電解液に使用されている有機溶媒の蒸気の排出による火災の危険や、電池の爆発といった危険性を引き起こす。かかる危険性を回避するために色々な対策が必要となっており、安全第一の原則からかかる対策に対する市場の要求が非常に高くなっている。
【0003】
かかる問題点を解決するための手段としては、セパレーターとしての強度を保ちつつ、その融点以上に加熱されると融着する多孔質材料をセパレーターとして用いることにより、異常加熱時にはセパレーター材料自体が融着することによりその微細孔が閉塞して膜のイオン透過性が失われて多孔質膜として機能しなくなり、これによりイオン、即ち電流の流路を閉ざして過電流が流れないようにするという方法が考えられている。かかる目的で用いられる材料としてはポリオレフィン類が考えられるが、ポリオレフィンは融点が低くなるとその機械的強度も低下するため、現実にセパレーター材料として用いることのできるものはポリプロピレンや高密度ポリエチレンなどの溶融温度が130℃以上のものである。一般のリチウム電池においては、かかる機能を有するセパレーター用材料としては90〜120℃の融点を有するものが望ましく、上記のような130℃以上の融点を有するものでは融点が高すぎるという欠点があった。また、ポリプロピレンや高密度ポリエチレンのような130℃以上の融点を有する材料を用いた場合には、電池内の温度が実際に130℃以上に到達した後もイオンの流路は完全には閉ざされておらず、電流は流れ続けている。これでは異常加熱による火災、爆発等の危険性が高く、とても実用に耐えるものではない。逆に、融点の低いポリオレフィンを膜材料として用いると、膜の強度が不十分である、膜が伸びやすい傾向を有する、電池を構成した場合に電極による圧縮によってセパレーターの孔がつぶれてしまう傾向があるなどといった問題が生じる。また、従来のポリオレフィンによる多孔質膜は、機械的強度の大きい物は空孔率が低く、逆に空孔率が高いものは機械的強度が小さいという欠点を有している。更には、これらの一層構造の多孔質膜をセパレーターとして用いた場合には、電池内の温度が昇温してポリオレフィンの融点に達すると孔がつぶれてイオンが透過できなくなるのであるが、この時点で電極に残っている残熱のために更に温度が上昇し、膜自体が破壊されてイオンが大量に透過し、このために更に温度上昇が続いて、発火、爆発へと至る可能性があった。これは、電池の安全性から考えると致命的な欠陥を潜在的に持っていると言わざるをえない。
【0004】
かかる一層構造のセパレーターのほかに、最近になって、不織布や、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンのような高い融点を有するポリマーの多孔質膜を支持層として用い、該支持層上に低い融点を有するポリマーの多孔質膜を積層して、該低融点ポリマーの融点以上の温度においては該低融点ポリマーが溶融して不透過性の層を形成するという多層構造のセパレーターが開発されている。かかる構造のセパレーターの例としては、特開昭62−10857号公報においてポリオレフィン系の多層化した多孔質膜によって構成されている電池用セパレーターが、また、特開平3−59947号公報においては架橋ポリエチレンフィルムと未架橋の可融性ポリエチレンフィルムとを積層した電池用セパレーターが開示されている。米国特許第4,741,979号においては、不織布上にワックスを被覆した電池用セパレーターが開示されている。また、特開平2−75152号公報においては、可融性の不織布とヘキストセラニーズ社のポリプロピレン多孔質膜(商品名セルガード2500)とを熱融着させて多層化した、可融性の多孔質膜をリチウム電池用のセパレーターとして使用することが開示されている。しかしながら、かかる多層化膜をセパレーターとして用いる方法においては、多層化したことによって膜厚が不均一になったり、セパレーターの強度を保つために膜厚が厚くなってしまうといった問題がある。
【0005】
即ち、リチウム電池等の小型電池においては市場の要求から、重量、体積当たりのエネルギー密度を高めるためにセパレーターの膜厚を薄くし、しかもその膜厚を均一にすることが求められるが、上記の多層構造のものにおいては、多層化したことによってこれらの要求を満足できなくなるという問題がある。また、これら多層構造のものにおいては、膜の貼り合わせ時に熱収縮率の違いにより多層化した膜が一方へ湾曲したり、膜同士が剥がれたりするといったトラブルが多かった。また、温度が上昇する際にも、膜の熱膨張率の違いにより膜にしわがよったり膜間の剥がれが生じる等、膜の状態に問題が生じることが多かった。更に、それぞれ溶融温度の異なる多孔質膜同士を張り合わせる際に、接着の際の加熱によって膜間にスキン層が生じて微孔が閉塞し、膜の多孔性が失われてしまうという事態が生じる場合もあった。更に、所定の膜厚を維持しつつセパレーターとしての強度を上げるためには、支持層として高分子量のポリオレフィンを使用しかつ支持層の膜厚を厚くすることが必要なため、結果として低溶融温度層の膜厚を極めて薄くする必要があるが、非常に薄い多孔質膜を均一に張り合わせるということは技術的に極めて困難であった。
【0006】
以上のような問題点を克服するために、本願発明者は、特開平5−247253号において、所定の溶融温度を有する第1のポリマーにより構成される多孔質ポリマー層、及び、該多孔質ポリマー層の微細孔内部に存在しており第1のポリマーの溶融温度よりも低い所定の溶融温度を有する第2のポリマーから構成されており、一定温度(第2のポリマーの融点)以上に加熱される前においては該第2のポリマーが該微細孔を閉塞せしめない状態で存在してイオンを透過せしめるが、一定の温度以上に加熱されると該第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞しイオンの透過を停止することを特徴とする、単一層構造の多孔質ポリマー膜を開示し、その実施例として第1のポリマーとしてポリプロピレン、第2のポリマーとして低密度ポリエチレンを用いたものを開示した。
【0007】
これにより、上述のような従来技術の問題点を解決した電池用セパレーターが提供されたのであるが、かかる出願において実施例として用いたポリプロピレンと低密度ポリエチレンとの組合せでは、実用において未だ問題点を有している。即ち、この2種類のポリマーをそれぞれ第1のポリマー及び第2のポリマーとして用いて可融性セパレーターを形成した場合、異常電流をポリエチレンの融点付近で遮断するのであるが、ポリプロピレン及び低密度ポリエチレンの融点がそれぞれ160〜170℃及び90〜120℃程度と比較的近接しているため、ポリエチレンが溶融して電流が遮断した後も電極等に残った残熱によって温度が上昇することによってポリプロピレンが軟化若しくは溶融してしまう可能性がある。また、例えば製造時における不注意な取扱いによりセパレーターに傷があったり、異物が混入していたりすることによって、異常電流の遮断機能が十分に発揮できなかった場合、電極間の短絡によって異常電流が流れ続けて支持層であるポリプロピレンの融点を超えて温度が上昇する。そして更に温度が上昇して金属リチウムの融点186℃を超えると、リチウムが溶融し、既に溶融若しくは軟化状態にあるポリプロピレン支持層がこの溶融リチウムによって破断されて内部短絡が爆発的に起こり、発火、電池の爆発などといった極めて危険な状態を引き起こすおそれがある。即ち、上記特開平5−247253号の実施例において開示されているポリプロピレンとポリエチレンとの組合せによる単一層構造の可融性多孔質膜を電池用セパレーターとして用いた場合には、製造時や取り扱いの際の不注意による何らかの欠陥があった場合には極めて重大な危険を招くおそれがある。これは、いままでに公表されている多層化可融性電池用セパレーターに関してもいえることである。したがって、製造時や取扱い時の不注意によって発生した欠陥に対しても潜在的に対応できる可融性電池用セパレーターが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特開平5−247253号の実施例において使用されたポリプロピレン支持相とポリエチレン可融性相との組合せに代えて、支持相としてポリメチルペンテンを、可融性相として130℃未満の融点を有する第2のポリマーを用いることによって、更に優れた電流遮断性と構造安定性を有し、製造時や取扱い時の不注意によって発生した欠陥に対しても潜在的に対応できる可融性電池用セパレーターが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、内部に微細孔を有するポリメチルペンテン多孔質支持相、及び、該多孔質支持相の微細孔内部に存在しており、130℃未満の融点を有する第2のポリマーからなる可融性相から構成されており、ポリメチルペンテンに対する第2のポリマーの相対量は、一定温度以上に加熱する前においては第2のポリマーが該微細孔を閉塞せしめない状態で存在するが、一定の温度以上に加熱されると第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞しその透過性を消失せしめるような量であることを特徴とする単一層構造の電池セパレーター用可融性多孔質膜に関するものである。
【0010】
図1に、本発明の単一層の可融性多孔質膜の断面の概略を示す。該図から明らかなように、本発明に係る可融性多孔質膜においては、該膜を構成するポリメチルペンテンによる多孔質ポリマー層の内部に存在する微細孔の壁部に、第2のポリマーの相が、該微細孔を閉塞せしめない程度の量付着せしめられている。通常の状態においては該微細孔を通してイオンが移動することができるが(図1−a)、温度が異常に上昇して第2のポリマー相の融点以上になると、第2のポリマー相が溶融して流動状態となって微細孔を閉塞し、該微細孔を通るイオンの移動が遮断される(図1−b)。
【0011】
本明細書において用いられる「ポリメチルペンテン」という用語は、4−メチルペンテン−1を重合することによって得られる分子量20,000〜1,000,000のメチルペンテンホモポリマー、並びに、4−メチルペンテン−1より誘導される単位を重量基準で50%より多く含む分子量20,000〜1,000,000のメチルペンテンコポリマーをいう。このようなメチルペンテンホモポリマー及びメチルペンテンコポリマーは、ポリエチレンやポリプロピレンのような一般的なポリオレフィンに比して高い融点を有するという特徴を有する。かかるポリマーの融点は、その分子量、メチルペンテンと共重合するコモノマーの種類やその共重合割合によって変化するが、一般に200℃以上であり、本発明においては220〜250℃の融点を有することが好ましい。ここで、メチルペンテンと共重合して本発明に係るメチルペンテンコポリマーを形成することのできる他のコモノマーとしては、エチレン、プロピレン、3−メチルブテン−1、n−ヘキサデセン−1、n−オクタデセン−1などが挙げられる。
【0012】
このようなポリメチルペンテンの例としては、三井石油化学工業(株)製の商品名TPX−RT18が挙げられる。このポリマーと、ポリプロピレンの例として三井石油化学工業(株)製のB200とに関して、それらの融点をセイコー電子工業(株)性の示差走査熱量計DSC220によって測定すると、TPX−RT18(ポリメチルペンテン)は230℃、B200(ポリプロピレン)は169℃であった(ピーク温度)。したがって、ポリメチルペンテンの融点とポリプロピレンの融点とを比較すると、ポリメチルペンテンの方が約50℃以上も高いことが分かる。また、これら2種類のポリマーの弾性率の温度分散を(株)レオロジー社製のDVE−V4 FTレオスペクトラーを用いて測定すると、ポリプロピレンでは150℃付近から急激に弾性率の低下が認められるのに対して、ポリメチルペンテンでは220℃付近から弾性率の低下が認められる。したがって、これらの物質により構成される多孔質膜を電池用セパレーターとして用いると、ポリプロピレンの場合には150℃付近からセパレーターとしての強度が低下してしまうのに対して、ポリメチルペンテンの場合には220℃までセパレーターとしての強度が保たれることが分かる。
【0013】
本発明に係る可融性多孔質膜において可融性相を形成する第2のポリマーは、130℃未満、好ましくは90〜120℃の融点を有するものであれば、該多孔質膜をセパレーターとして用いる電池の構成等によって幅広いものを用いることができる。また、融点の条件を満足することを前提に、各種組成の共重合体を用いることもできる。かかる第2のポリマーの例としては、ポリエチレン及びその共重合体、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、例えば、三菱化成(株)製の商品名三菱ポリエチ−LD、三井石油化学工業(株)製のミソラン、住友化学(株)製の商品名スミカセン、三井石油化学工業(株)製の商品名ウルトゼックス、住友精化(株)製の商品名フローセン、日本石油化学(株)製の商品名日石レクスロン等、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、例えば、住友化学(株)製の商品名スミカセン−L、出光石油化学(株)製の商品名出光ポリエチレン−L、日本石油化学(株)製の商品名リニレックス等、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−ペンタジエン共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−無水マレイン酸及びその他のモノマーとのターポリマー等が挙げられる。
【0014】
上記のようなポリメチルペンテンと第2のポリマーとの組合せを用いて本発明にかかる構造の可融性多孔質膜を形成すると、支持体相の融点が可融性相の融点よりも約70℃以上も高いものとなるので、上述の残熱による問題点が回避される。即ち、特開平5−247253号の実施例において開示されているようにポリプロピレンとポリエチレンとの組合せを用いて単一層可融性電池用セパレーターを形成した場合には、支持体相の融点と可融性相の融点とが比較的近接しているために、ポリエチレン相が溶融して異常電流を遮断した後も、電極等に残った残熱によって温度が上昇することによって支持体相が軟化若しくは溶融してしまい、最悪の場合にはセパレーターの破損を招くという問題があるが、本発明に係る多孔質膜により形成されたセパレーターにおいては、ポリプロピレンよりもはるかに高い融点を有するポリメチルペンテンを支持体相として用いるために、支持体相が可融性相の融点よりも十分に高い融点を有することとなり、異常電流の遮断後に電極内に蓄積されている残熱によってセパレーター本体の溶融が起こることを防ぐことができる。また、ポリメチルペンテンの融点は金属リチウムの融点よりも更に高いため、製造時の欠陥等の原因により、異常電流が流れ続けて負極に用いられている金属リチウムの溶融が起こるような場合であっても、セパレーター自体はその形状を保つ。これにより、セパレーターの破断により短絡が爆発的におこって、発火や電池爆発といった自体を招く危険性が回避される。
【0015】
更に、ポリメチルペンテンには官能基が含まれていないために、電解液との反応が常温及び高温において起こらない。これに対して、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネートなどの極性基を含むポリマーは、ポリメチルペンテンよりも更に高い融点を有しているが、かかる極性基と電解液とが反応してしまうため、電池用セパレーターとしては不適当である。
【0016】
また、ポリメチルペンテンは、ポリプロピレンやポリエチレンよりも比重が軽く(ポリメチルペンテン:0.83、ポリプロピレン:0.91、ポリエチレン:0.91以上)、電池にセパレーターとして組み込んだ場合に電池の重量を軽減するという効果ももたらす。
【0017】
本発明において用いられるポリメチルペンテンは、膜にした際に引張強度が高いものが有用である。そのため、本発明の目的から外れない限りにおいて、ポリメチルペンテンを架橋してその強度、剛性などを向上させることができる。電池用セパレーターにおける多孔質ポリマー相は、耐熱性を有しかつ強度が高いことが望ましいので、結晶性を高くしたり、分子量を高めたり、物理的架橋を導入したりすることは好ましいと考えられる。但し、分子量や架橋度をあまり高くすると、膜自体に柔軟性がなくなったり、製膜が困難になったりすることがあるので望ましくない。なお、架橋方法としては、公知の電子線や放射線による架橋のほかに、シランカップリング剤や過酸化物による架橋も有用である。
【0018】
本発明に係るポリメチルペンテン及び第2のポリマーには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の各種の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。また、電池用セパレーターとして用いる際に電解液との親和性を向上させるために、種々の表面処理を行うことも、本発明に何の影響も及ぼさない。例えば、電子線重合、紫外線重合、プラズマ重合によるカルボキシル基、水酸基、スルホン基、アミノ基等の親水性官能基の導入により表面処理を行うことができる。また、界面活性剤や親水性ポリマーでコーティングして多孔質膜の臨界表面張力を低下させることができる。
【0019】
本発明に係る単一層可融性多孔質ポリマー膜を構成するポリメチルペンテンと第2のポリマーとの量比は、通常の状態(温度)においてはポリメチルペンテンにより構成される多孔質膜の微細孔が第2のポリマーによって閉塞されないが、第2のポリマーの融点以上に加熱されて第2のポリマーが溶融すると該微細孔が閉塞されるような量であることが必要である。かかる望ましい比は、多孔質膜の厚さ、膜中の微細孔の寸法、形状等や、多孔質膜の製造方法、第2のポリマーを微細孔中に導入せしめる方法等によって変化するが、当業者であれば、実験等により最適な比を決定することができる。例えば、ポリメチルペンテン多孔質膜として空孔率50%、厚さ25μmのものを用いた場合には、ポリメチルペンテン対第2のポリマーの比は、41:59〜59:41(重量比)が望ましい。
【0020】
また、ポリメチルペンテンと第2のポリマーとの結着性を高めるために、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸を共重合したポリマー、例えば住友化学(株)製の商品名ボンダインや三菱油化(株)製の商品名ユカロン、ポリオレフィンのグラフト体である三井石油化学(株)製の商品名アドマーや住友化学(株)製の商品名スミファーム、旭化成工業(株)製の商品名ライネックス等の成分を結着剤として添加してもよい。
【0021】
上記のポリメチルペンテン及び第2のポリマーにより、本発明に係る単一層可融性多孔質膜を作製する方法は、当該技術において公知の種々の方法を用いることができる。以下に、本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造するための種々の方法の例を示すが、これらは代表例に過ぎず、これ以外にも本発明の単一層可融性多孔質膜を製造するために幅広い種々の方法を用いることができる。
【0022】
ポリメチルペンテンと第2のポリマーから本発明に係る電池セパレーター用可融性多孔質膜を製造する第1の方法は、第2のポリマーの溶液をポリメチルペンテンの多孔質膜に含浸させてから溶剤を除去し、単一層の多孔質膜を得る方法である。この方法によれば、まず、ポリメチルペンテンの多孔質膜を作製し、第2のポリマーをトルエン、キシレン等の溶剤に加熱溶解した溶液を、ポリメチルペンテン多孔質膜に含浸して、孔の内部に第2のポリマーの溶液を満たす。次に、孔の内部に第2のポリマーの溶液を満たしたポリメチルペンテン多孔質膜を、送風乾燥機で乾燥して孔内部の溶剤を除去し、更に膜表面の付着物を除去することによって単一層の多孔質膜が得られる。
【0023】
ポリメチルペンテンと第2のポリマーから本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第2の方法としては、無機充填剤の溶解除去による方法が挙げられる。この方法によれば、ポリメチルペンテンペレットと第2のポリマーのペレットとの混合物に、微細に粉砕した無機充填剤をよく混合し、ポリメチルペンテンの融点以上の温度で混合物を溶融混練し、製膜した後、酸、アルカリ等を用いて充填剤を除去することによって目的とする単一層の多孔質膜が得られる。かかる方法に用いることのできる無機充填剤としては、アルミナ、シリカ、酸化チタンなどの金属酸化物や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、カーボン、タルク、燐酸カルシウムなどが挙げられる。また、充填剤の除去に用いることのできる酸又はアルカリとしては、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0024】
ポリメチルペンテンと第2のポリマーから本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第3の方法としては、有機溶剤の抽出によって単一層多孔質膜を製造する方法が挙げられる。この方法によれば、まず、ポリメチルペンテンと第2のポリマーに対して良溶媒である高沸点有機溶剤にこれらのポリマーを溶解して溶液を調製する。次に、この溶液をTダイ法、インフレーション法、プレス法、キャスト法等の公知の方法で製膜する。続いて、フィルムに残留する有機溶剤をポリメチルペンテン及び第2のポリマーに対する低沸点の貧溶媒を用いて完全に抽出した後、乾燥して低沸点溶媒を除去することにより、本発明にかかる単一層多孔質膜が得られる。この方法において用いることのできる、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーに対して良溶媒である高沸点有機溶剤としては、流動パラフィン、キシレン、デカリン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フタル酸エステル、セバシン酸エステル、オレイン酸エステル、トリメリット酸エステルなどが挙げられる。また、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーに対する低沸点の貧溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル等のエステル類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系溶剤及び沸点100℃以下の直鎖及び脂環式炭化水素などを用いることができる。
【0025】
次にポリメチルペンテンと第2のポリマーから本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第4の方法としては、延伸による方法が挙げられる。この方法によれば、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーを溶融混練し、混合物をTダイ法、インフレーション法、プレス法、キャスト法等の公知の方法によって製膜する。次に、この膜を機械方向に一軸延伸することによって、機械方向に楕円の孔をもつ本発明に係る単一層の多孔質膜が得られる。
【0026】
ポリメチルペンテンと第2のポリマーから本発明に係る可融性多孔質膜を製造する第5の方法としては、ポリメチルペンテンと第2のポリマー、及び、更にこれらに相溶しない第3のポリマーとを溶融混合して膜を形成した後に第3のポリマーのみを抽出除去することによる方法が挙げられる。この方法によると、まず、ポリメチルペンテン、第2のポリマー、及び、これらのポリマーに相溶しない第3のポリマーを溶融混練し、これを公知の方法で製膜することにより、ポリマー同士が相互に絡み合った連続層をもつ熱可塑性IPN(interpenetrating
polymer network)構造を有するポリマー膜を得る。次に、第3のポリマーのみを溶解する溶剤を用いて第3のポリマーのみを抽出、除去することにより、本発明の構造に係る単一層多孔質膜を製造することができる。この方法によれば、極めて簡単に本発明に係る単一層多孔質ポリマー膜を得ることができる。なお、熱可塑性IPN構造に関しては、ポリマーアロイ第2版(東京化学同人出版、高分子学会編)第57頁に詳しく説明されている。参考までに、熱可塑性IPN構造の概念図を図2に示す。図2−aは2種類のポリマーが熱可塑性IPN構造を形成する場合の概念を示し、図2−bは熱可塑性IPN構造を形成しているポリマーの一つを抽出除去した後の構造の概念を示している。
【0027】
かかる方法に用いる第3のポリマー材料としては、本発明のセパレーターを形成する多孔質膜を構成する2種類のポリマーのいずれにも相溶せず、しかもこれらのポリマーと熱可塑性IPN構造を形成し、かつ、特定の溶剤によってそれのみを抽出除去することのできるポリマーであればいかなるものを用いることもできる。ここで、特定の溶剤とは、所定の温度、例えば50℃においてポリメチルペンテン及び第2のポリマーを溶解することなく第3のポリマーのみを溶解することのできる溶剤をいう。当業者であれば、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーの特定の組合せに対して用いることのできる第3のポリマー及び該組合せに用いることのできる溶剤を、実験的、経験的に決定することができる。ここで、第3のポリマーとして用いることのできるものの具体例としては、スチレン・水添ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、例えばシェル化学(株)製のクレイトンG(商品名)や、スチレン・水添イソプレン・スチレン及びスチレン・水添イソプレンブロック共重合体(SEPS)、例えばクラレ(株)製のセプトン(商品名)、スチレン・水添1,2結合イソプレン・スチレンブロック共重合体、例えばクラレ(株)製のハイブラーHVS−3(商品名)などが挙げられる。これらSEBS、SEPS、ハイブラーHVS−3は、ポリメチルペンテンやポリエチレンなどのポリオレフィンと溶融混練すると熱可塑性IPN構造を形成し、かかる混練物を用いて製膜した後に特定の溶剤でこれら第3のポリマーのみを抽出することにより、貫通孔を有する多孔質膜を作製することができる。該方法において第3のポリマーのみを抽出するのに用いることのできる特定の溶剤として、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、四塩化炭素、クロロホルムなどが挙げられる。更に、これらの溶剤の他に、溶解度パラメーターの値が7.2〜9.3の溶剤がおおよそこの目的に合致する溶剤と考えられる。
【0028】
上記のような方法によって得られる本発明に係る単一層多孔質膜の強度を向上させるために、製造工程において膜の延伸を行うこともできる。例えば、所定の製膜法によって製造したフィルムを、ポリメチルペンテンのガラス転移点以上でかつ融点よりも低い温度で延伸し、その後、必要に応じて延伸時の温度よりも高い温度でアニーリングすることによってフィルム内部の残留応力を緩和し、続いて溶剤を用いて第3のポリマーのみを抽出除去することにより強度の高い多孔質膜を形成させることができる。この際の延伸倍率は、1.1倍〜10倍、特に1.1倍〜3倍が望ましい。
【0029】
本発明の単一層可融性多孔質ポリマー膜の空孔率は、25〜80%が好ましく、40〜70%が特に好ましい。空孔率が25%以下では、電池用セパレーターとして用いた場合に電解液の保持性が低下してドライアップする可能性が大きくなり、また空孔率が80%をこえると膜の強度が急激に低下し、電池用セパレーターとして実際の使用に耐えなくなる。さらに、空孔率が80%を超えると、第2のポリマーの溶融によって多孔質層の微細孔を閉塞せしめるためには第2のポリマーの量を多くしなければならず、ポリメチルペンテン支持体相と第2のポリマーとの組成バランスが完全に崩れてしまい、大部分が第2のポリマーから構成されるようになってしまう。これでは多孔質膜の強度が得られず、負極に発生するデンドライトによる突き破りや押し付けによる電極間の短絡が発生し易くなる。
【0030】
多孔質膜の空孔率は、配合中の第3のポリマーの添加量で調節する。これは、第3のポリマーが膜形成後に抽出除去されてその後に空孔を形成するためである。ここで、第3のポリマーは、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーの合計量に対して0.5倍量から9倍量まで添加して多孔質膜を得ることが望ましい。第3のポリマーの量がポリメチルペンテン及び第2のポリマーの合計量に対して0.5倍量以下では空孔率が低くなって所望の空孔率が得られず、また第3のポリマーの量がポリメチルペンテン及び第2のポリマーの合計量に対して9倍量を超えると多孔質膜としての強度が保てず、実用的でない。
【0031】
また、ポリメチルペンテン、第2のポリマー及び第3のポリマーから構成される膜を第2のポリマーの溶融温度以下の温度でアニールすることによって、アニールしないものに比べて空孔率を上げることができる。これは、膜をアニールすることにより各々のポリマーの製膜時のストレスを緩和し、膜から第3のポリマーを抽出除去した後の厚み方向の収縮を減少させることができるからである。
【0032】
また、本発明に係る単一層多孔質膜の望ましい平均空孔径は、0.05μm〜10μmが好ましく、0.05μm〜3μmが更に好ましい。平均空孔径が0.05μmよりも小さいと、電池用セパレーターとして用いた場合に等価直列抵抗が大きくなり電池の性能を十分に発揮できなくなってしまい、また10μmより大きいとデンドライトの発生により電極間短絡の発生率が飛躍的に増大してしまう。該多孔質膜の空孔径は、溶融混練時にポリメチルペンテンと第2のポリマーの混合物に対して第3のポリマーがどの程度細かく分散されるかで決定される。則ち、各々のポリマーの分離相の構造周期を如何に小さくするかで空孔径が決定する。これは、第3のポリマーが膜形成後に抽出除去されてその後に空孔を形成するためである。したがって、多孔質膜の空孔径は、溶融混練時の温度及び剪断応力、ポリメチルペンテン、第2のポリマー及び第3のポリマーの溶融粘度を変化させることによって調整することができる。例えば、ポリメチルペンテン、第2のポリマー及び第3のポリマーをニーダーで溶融混練する際に、混練温度を下げて各ポリマーの溶融粘度が高い状態で溶融混練を行うことによって本発明の多孔質膜の空孔径を小さくすることができる。逆に溶融混練時の温度を上げると得られる多孔質膜の空孔径は大きくなる。また、溶融混練時の剪断応力を強くすると得られる多孔質膜の空孔径は小さくなり、逆に弱くすると得られる多孔質膜の空孔径は大きくなる。また、第3のポリマーとして分子量の高いものを使用して溶融粘度を上昇させると、空孔径の小さな多孔質膜が得られる。逆に第3のポリマーとして分子量の小さいポリマーを使用して溶融粘度を下げると空孔径の大きな多孔質膜が得られる。これらの事象を組み合わせることによって、得られる多孔質膜の空孔径を容易に変化させることができる。
【0033】
また、本発明に係る単一層多孔質膜の膜厚は、15〜300μmが好ましく、特に20μm〜250μmが好ましい。膜厚が15μmよりも薄いと、電池セパレーターとして用いた場合にセパレーターの強度が著しく低下してデンドライトの押し付けや突き破りによる電極間短絡のトラブルが発生し易くなり、また、膜厚が300μmよりも厚いと電池内部でのセパレーターの占有体積が大きくなり、小型化、高エネルギー密度化等の市場の要求に合致しなくなる。
【0034】
本発明の単一層多孔質膜を電池用セパレーターとして用いて各種の電池を製造することができる。特に、電池内部の温度が一定の温度以上に異常上昇した場合に電流の流路を遮断して火災や爆発の危険を防止することが求められている電池において本発明のセパレーターを用いると極めて有用である。
【0035】
この意味で、現在のところ、有機電解液を用いるリチウム電池において本発明に係る多孔質膜の有用性が最も効果的に発揮されると考えられる。かかるリチウム電池における、陽極材料、陰極材料及び電解液等の組合せは当該技術において周知のものであり、これら構成要素の任意の組合せに対して本発明のセパレーターを用いることができる。かかるリチウム電池において用いることのできる好ましい有機電解液としては、炭酸プロピレン及び1,2−ジメトキシエタンの混合液に過塩素酸リチウムを溶解したものが挙げられる。また、その他の溶媒と電解質の好ましい組合せとしては、溶媒としてブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジメトキシエタン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシプロパン又は通常リチウム負極を有する電池の形成に用いられているその他の任意の有機溶媒が、該溶媒中に溶解するリチウム塩としてリチウムトリフルオロメタスルホネート(CFSOLi)、LiAsF、LiBF、LiClOなどが例示される。また、有用な負極材料としては、金属リチウム、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−珪素合金、リチウム−ホウ素合金及び1A及び2A族の金属などが挙げられる。集電体及び支持体として用いることのできる金属としてはニッケル、ステンレス、アルミニウム及びチタン等が挙げられる。また、広範囲の各種陽極活性材料を用いることができ、例としてはMnO、TiS、FeS、FeS、MoS、CuO、V13、Bi及び各種形態のポリフルオロカーボン等が挙げられる。
【0036】
勿論、本発明のセパレーターを上記の構成のもの以外のリチウム電池や、リチウム電池以外の他の電池においても用いることができることは上記した通りである。
【0037】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
以下の実施例において用いた種々の試験の詳細を以下に示す。
【0039】
膜厚はダイヤルゲージで測定したものであり、平均孔径は走査型電子顕微鏡により得られた表面及び断面の写真から求めたものであり、また、空孔率は、20mm×20mmに切り取った多孔質ポリマー膜試料をn−ブチルアルコールを用いて含浸させた時の重量と該試料を絶対乾燥状態にしたときの重量をそれぞれ求め、以下の式により得られた値である。
【0040】
空孔率=(空孔容積/多孔質膜容積)×100
[ここで、
空孔容積= (含n−ブチルアルコール多孔質膜重量−絶対乾燥多孔質膜重量)/0.81
である]
また、第2のポリマーの溶融による多孔質膜の微細孔内部の閉塞の状態は、イオンの透過性によって調べた。則ち、得られた多孔質膜を、所定温度で所定時間加熱した後、図3に示す装置に配置してイオンの透過を調べた。図3に示す装置は、二つの容器の間に多孔質膜を配置できるようになっており、一方の容器には純水を、他方の容器には塩化ナトリウムの1%溶液に界面活性剤を添加して表面張力を多孔質膜の臨界表面張力より下げた溶液を、それぞれ50ccずつ入れた。二つの溶液間において濃度差があるために、多孔質膜を介してイオンが純水の方に移行していく。この純水中に移行するイオンの流れを導電率計で経時的に測定し、加熱前のイオン透過量と比較して、加熱後にイオンの透過が阻止されるかどうかによって、第2のポリマーが溶融し多孔質膜の微細孔内部が閉塞したかどうかを判断した。また、所定温度で所定時間の加熱の前後の多孔質膜の試料を液体窒素中で割り、その断面を走査型電子顕微鏡によって観察して、その形状の変化からポリマーが溶融しているかどうかを判断した。
【0041】
【実施例1】
融点240℃(カタログ値)のポリメチルペンテン(三井石油化学工業(株)製、商品名TPX−RT18)12g、融点109℃の低密度ポリエチレン(日本石油化学(株)製、商品名日石レクスロンL501)12g、スチレン・水添イソプレン(1,2結合)・スチレンブロックポリマー((株)クラレ製、商品名ハイブラーHVS−3)16gを、CSI−MAXミキシングエクストルーダーを用いて250〜260℃で十分に溶融混練し、紐状の溶融混合物を調製した。これを5mm幅に切断し、220℃、200kgf/cm2の条件で30秒間プレスしてフィルムを作製した。得られたフィルムをノルマルヘキサン中に浸漬して、スチレン・水添イソプレン・スチレンブロックポリマーを完全に抽出・除去し、更に新しいノルマルヘキサンでフィルムの表面を洗浄して、ポリメチルペンテンとポリエチレンとで構成される単一層の多孔質膜を得た。このフィルムは、抽出の前後での重量変化によって、スチレン・水添イソプレン・スチレンブロックポリマー相当分の重量減少を示した。得られた単一層の多孔質膜は、孔径0.7μm、膜厚250μm、空孔率38.9%であった。また、IR分析によっても、この多孔質膜にはスチレン・水添イソプレン・スチレンブロックポリマーが含まれておらず、ポリメチルペンテン及びポリエチレンで構成される単一層の多孔質膜が得られたことが分かった。この膜に関するイオン透過性試験の結果を表1に示す。表1の結果から、膜が120℃に加熱されるとイオン透過性が失われることが分かった。120℃で加熱した1時間後の導電率は、加熱前の3.7%しかなく、第2のポリマーが支持体相の孔内で溶融して孔を十分に閉塞していることが示された。
【0042】
また、加熱前と120℃で5分間加熱した後の多孔質膜の断面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図4−a及び図4−bに示す。これらの写真を比べると多孔質膜の孔が加熱後に閉塞していることが示される。
【0043】
【表1】
Figure 0003634397
【発明の効果】
上記に説明したように、本発明に係る単一層の多孔質膜は、常温におけるイオン透過性は良好であるが、所定の温度以上に加熱されると、その内部の微細孔が閉塞してイオン透過性を失い電流の流路を遮断するという性質を有しており、例えばリチウム二次電池用の対異状加熱安全性を有するセパレーターとして極めて有用である。また、従来この目的で用いられている多層構造の膜と比較しても、これら従来のものが包含する種々の問題点を解決するものであり、また、所定温度における電気抵抗値の上昇が極めてシャープであるので、極めて有用なものである。更に、特開平5−247253号の実施例において用いられているポリマーの組合せによる本発明と同様の構造の単一層多孔質膜と比較して、異常加熱時においてセパレーター本体の強度の低下を防ぎ、セパレーターの破断による急激な短絡を原因とする発火や電池爆発という事態を防ぐという点で、より安全性が高い。したがって、本発明に係る電池用セパレーターは、一定温度以上で電流を遮断することが所望される種々の電池、特にリチウム電池において極めて有用であり、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単一層可融性多孔質ポリマー膜の断面の構造の概略を示す図である。図1−aは所定温度に加熱する前の通常の状態を示すものであり、図1−bは所定温度に加熱した後の微細孔が閉塞した状態を示すものである。
【図2】熱可塑性IPN(interpenetrating polymer network)構造の概念を示す図である。図2−aは2種類のポリマーが熱可塑性IPN構造を形成する場合の概念を示し、図2−bは熱可塑性IPN構造を形成しているポリマーの一つを抽出除去した後の構造の概念を示している。
【図3】イオンの透過を測定し、多孔質膜が閉塞したかどうかを判断するための装置の概略図である。
【図4】実施例1において得られた本発明の単一層多孔質膜の形状を示す倍率5000倍及び2000倍の電子顕微鏡写真である。図4−aは当該多孔質膜を120℃に加熱する前、図4−bは当該多孔質膜を120℃に5分間加熱した後における膜の形状を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 内部に微細孔を有するポリメチルペンテン多孔質支持相、及び、該多孔質支持相の微細孔内部に存在しており、130℃未満の融点を有する第2のポリマーの可融性相から構成されており、ポリメチルペンテンに対する第2のポリマーの相対量は、一定温度以上に加熱する前においては第2のポリマーが該微細孔を閉塞せしめない状態で存在するが、一定の温度以上に加熱されると第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞しその透過性を消失せしめるような量であることを特徴とする単一層構造の電池セパレーター用多孔質膜。
  2. ポリメチルペンテンと第2のポリマーとの重量比が41:59〜59:41の範囲である請求項1に記載の電池セパレーター用多孔質膜。
  3. ポリメチルペンテン、130℃未満の融点を有する第2のポリマー、及びポリメチルペンテン及び第2のポリマーに相溶しない第3のポリマーを溶融混練して製膜することにより、ポリマー同士が相互に絡み合った熱可塑性IPN構造を有するポリマー膜を製造し、次に第3のポリマーのみを溶解する溶剤を用いて第3のポリマーのみを抽出・除去することを特徴とする請求項1に記載の電池セパレーター用多孔質膜の製造方法。
  4. 請求項1に記載の多孔質膜を電池セパレーターとして具備することを特徴とする電池。
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