JP3634351B2 - 電子写真用トナー及び静電潜像現像剤並びにこれらを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー及び静電潜像現像剤並びにこれらを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法において、静電潜像の現像のために使用する静電荷像現像用の現像剤とそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
電子写真法では、感光体に形成された静電荷像を結着樹脂、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写紙上に転写し、熱ロールで定着し画像を得る。そして、前記感光体は再び静電荷像を形成するためにクリーニングされる。このような電子写真法等で使用する乾式現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散したトナーそのものを用いる一成分現像剤と、該トナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別することができる。
【0003】
ところで、1980年代の後半から、電子写真の市場は装置の小型化、高機能の要求が強く、特にフルカラー画像の画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
【0004】
そのような高画質を達成する手段としてはデジタル化処理が不可欠であり、デジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。デジタル化処理では、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、それぞれの画像の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点でメリットが大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。
【0005】
そして、近年、このような技術の進展から軽印刷、特にDTP(デスクトップパブリッシング)に電子写真が採用されつつある。この場合の特徴はオンデマンドで印刷処理できることにある。
【0006】
しかし、このような画像処理技術の進展を現像剤の視点からみてみると、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしてはますます小粒径化が進み、現像、転写、定着特性における基本特性の改善が更に重要となっている。
【0007】
またDTPを考慮した場合に印刷物、特に製本された形での印刷物の長期保管あるいは輸送上における印字品質の安定性が非常に重要なものとなっている。
【0008】
従来、電子写真用トナーは熱可塑性樹脂が用いられており、低エネルギー定着と粉体ブロッキング性の両立をはかる必要からトナーに用いられる樹脂のレオロジー、およびガラス転移点(以下、「Tg」という)の最適化制御が行われている。
【0009】
しかし、この技術により作成されたトナーを用いた画像は、Tg近傍あるいはそれ以上の熱が加わった場合、画像形成部分の樹脂成分が溶融し印字物の裏面あるいは他の印字物に付着し、画像の欠損が起こることが課題とされている。
【0010】
また、特開平4−186368号公報には、熱硬化性樹脂をトナーに外部添加し、ポリエステル結着樹脂と硬化反応を発生させ、定着時のオフセットと低温定着性、OHP透過性の両立を狙った技術が報告されている。
【0011】
この技術は、転写紙への定着時にポリエステル樹脂が溶解し、溶解したポリエステルがエポキシ樹脂やメラミン樹脂等の微粒子と架橋反応を起こし、トナー層の内部凝集力が増大して定着時のオフセットを防止することができるというものである。確かに、この技術によれば、樹脂の一部分の架橋によるトナー層の内部凝集力の増大により定着時のオフセットは防止できるものの、印字物の長期保管、印字物の輸送の観点で充分な印字品質を得ることはできなかった。
【0012】
また同様に、熱硬化性樹脂微粒子を用いることから、トナーの結着樹脂と反応することなく熱硬化性樹脂微粒子同士で独自に架橋し、印字画像のパイルハイトを部分的に増加させ、凹凸のある画像を呈してしまう欠点がある。また、印字物の長期保管により、架橋した熱硬化性樹脂微粒子が画像表面から脱離し、画像欠損を引き起こす等の課題からDTPには適していない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の技術の実情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、熱保管性が良く、定着時に充分な耐オフセット性を示し、且つ低エネルギー定着を達成する一方、印字画像のパイルハイトをある程度制御し、かつ、印字物の保管及び輸送の観点からみて、熱、荷重に対して長期に渡り画像を安定に維持することの可能な新規なトナーを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記目的を達成することを見いだした。
【0015】
すなわち、本発明では、結着樹脂及び着色剤を必須成分として含有するトナーに対して、100℃以上の融点を有するテルペン変性ノボラック樹脂をその内部に含有又は外部添加させることとした。前記トナーはそれ自体で一成分現像剤としても使用可能であり、また、キャリアを混合して二成分現像剤としても使用可能である。ここで、「外部添加」とは、トナー粒子の表面にテルペン変性ノボラック樹脂を微粒子の状態で付着乃至密着させることをいう。テルペン変性ノボラック樹脂のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、該表面にゆるく固着されていてもよい。そして、テルペン変性ノボラック樹脂微粒子はトナー粒子の全表面を被覆しても、一部を被覆してもよい。また、前記微粒子はその一部が凝集体となった状態でトナー粒子表面に被覆されていてもよいが、一次粒子の状態でトナー粒子表面に単層状態で被覆されているのが好ましい。
【0016】
一成分現像剤としてトナーを使用する場合は、前記テルペン変性ノボラック樹脂の含有量又は外部添加量は、結着樹脂100重量部に対してそれぞれ3〜50重量部又は20重量部以下の範囲とするのが好ましい。また、二成分現像剤として使用する場合は、前記テルペン変性ノボラック樹脂の含有量又は外部添加量は、結着樹脂100重量部に対してそれぞれ3〜50重量部又は5〜20重量部以下の範囲とするのが好ましい。なお、前記キャリアに樹脂被覆層を設けても良い。また、上記目的は、潜像保持体上に静電潜像を形成する工程、該静電潜像を現像剤持体上に持されたトナーを含む現像剤を用いて現像する工程、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を転写体上に転写する工程、該転写体上に該トナー像を熱定着する工程とを有する画像形成方法において、該トナーとしてテルペン変性ノボラック樹脂を含有してなる電子写真用トナーを用いることによっても達成される。前記熱定着の工程が熱ロールを用いている場合は、熱ロールの表面温度を150℃以上とすることが好ましい。
【0017】
本発明においては、トナーに含有または外部添加させたテルペン変性ノボラック樹脂は熱定着時に溶融し、定着画像部分の表面に移動し、該トナーからなる画像部分の表面を被覆する。一般にテルペン変性ノボラック樹脂はTgを有さず、100℃以上の高温域において融点を持つので、比較的高温の熱保管温度下で印字物を保管した場合であっても、テルペン変性ノボラック樹脂層が画像部分を保護することで、該画像部分の欠損を効果的に防止することができる。また、本発明においては、トナーの結着樹脂自体のTgを前記熱保管温度以上に制御する必要がないので、低いTgを有する結着樹脂を使用することが可能である。したがって、低エネルギー定着、耐オフセット性、トナーのブロッキング性を良好に保つと共に、長期にわたる画像保管性の改善の両立をはかることができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成方法によれば、印字画像のパイルハイトが大きく上がることがない一方、画像表面は非常に強固なものとされ、熱に対しても非常に安定な画像品質の発現が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の静電潜像現像剤は、一成分系の場合はトナー、二成分系の場合はトナー及びキャリアからなり、トナーは、結着樹脂及び着色剤を必須成分とし、テルペン変性ノボラック樹脂を該トナー内部に含有又は表面に外部添加されている。本発明において用いられるテルペン変性ノボラック樹脂とは、通常のノボラック樹脂をテルペン類で修飾・変性したものである。ノボラック樹脂としてはノボラックの2核体、3核体或いはそれ以上の多核体を含み、オルソ−オルソ結合あるいはその異性体も含み得る。具体的にはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0021】
テルペン類としてはヘミテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペン、トリテルペン、テトラテルペン類及びこれらから誘導される化合物(アルコール、アルデヒド、ケトン、オキシド、及びエステル等)が挙げられ、具体的な例としては、ピネン、ジペンテン、リモネン、パラメンタン、ピナン、テルペンダイマー、パラメンタジエン、ターペネオール、ジヒドロターピネオール、カンファー、ミルテノール、シネオール、ボルネオール、カルベオール、カルボンオキサイド、カルビルアセテート、シトロネラール、シトロネロール、サイメン、ジヒドロカルベオール、ジヒドロカルボン、ジヒドロカルビルアセテート、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、イソボニルアセテート、リナロール、メントール、ミルテノール、テルピネン、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。 定着した画像の強度の点からみて、環状構造を有するテルペン類を使用することが好ましい。テルペン変性ノボラック樹脂としては、微粉末、塊状、フレーク状、棒状、マーブル状のものを用いることができる。
【0022】
ここで、テルペン類としてアビエチン酸を用いた場合のテルペン変性ノボラック樹脂の生成機構を以下に示す。
【0023】
【化1】
Figure 0003634351
テルペン変性ノボラック樹脂は、単独では加熱により硬化することがないため、溶融混練におけるゲル化がない。したがって、従来の結着樹脂の特徴(低エネルギー定着と耐オフセット性、トナーブロッキング性、製造性)を阻害するものではない。一方、ノボラック樹脂に対して上記したテルペン類による修飾・変性を行わない場合は、印字物上の画像を安定に維持することができない。
【0024】
本発明において、トナーを一成分現像剤として使用する場合は、テルペン変性ノボラック樹脂を結着樹脂100重量部に対して3〜50重量部含有させることが好ましく、さらに、10〜50重量部の範囲で含有させることがより好ましい。テルペン変性ノボラック樹脂の含有量が3重量部未満の場合は、比較的低温で定着を行った場合に、画像表面を十分に被覆することができず、その効果の発現が不十分となる。一方、テルペン変性ノボラック樹脂の含有量が50重量部より大きい場合には定着性や耐オフセット性等の特性に悪影響を及ぼす。また、トナー表面にテルペン変性ノボラック樹脂を外部添加した場合の添加量は、結着樹脂に対して20重量部以下の範囲内に制御することが好ましい。テルペン変性ノボラック樹脂の添加量が20重量部より多いと定着性や耐オフセット性に悪影響を及ぼす。
【0025】
本発明において、トナー粒子は結着樹脂と着色剤とから構成されるが、結着樹脂及び着色剤の主要成分としては公知のものが使用される。前記結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のαーメチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、それら単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリルニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。この他に、さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
【0026】
また、前記着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0027】
本発明におけるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
【0028】
また、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のワックス類をオフセット防止剤として添加してもよい。本発明におけるトナー粒子は磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーの双方に用いることができる。
【0029】
本発明におけるトナーは従来の混練、粉砕、分級法、あるいは重合等により作成される。トナーの形状は特に限定されないが、球状を呈していてもよい。粒子の大きさは、一般に3〜10μmの平均粒径を有するものが好適に使用できる。本発明においてテルペン変性ノボラック樹脂の微粒子をトナー粒子に外部添加する場合、該テルペン変性ノボラック樹脂の平均粒径は0.01〜2μmの範囲とするのが好ましい。外部添加は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー等によって行うことができる。また、この際、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、シリカ、チタニアのような無機酸化物流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。なお、外部添加操作後に篩分プロセスを通過させても一向にかまわない。
【0030】
このようにテルペン変性ノボラック樹脂を表面に外部添加したトナーは、熱定着時にテルペン変性ノボラック樹脂がトナーから成る画像部分の表面に移行し易く、画像表面を十分被覆できるので、印字物の保存性をより向上させることが可能となると共に使用されるテルペン変性ノボラック樹脂の量を少なくできる。一方、テルペン変性ノボラック樹脂を内部に含有するトナーは、その表面強度が改善され、上記各種の添加剤の埋め込みが少なくなるので、トナー自身の流動性を長期にわたり保持することができる。また、電子写真技術における感光体のような静電潜像持体の表面の摩耗も少ない。
【0031】
上記のように製造されたトナーは、キャリアと共に二成分現像剤として使用することもできる。二成分現像剤として用いる場合には、混合されるキャリアの芯材として、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0032】
テルペン変性ノボラック樹脂を含有するトナーは、トナー自体の表面強度が改善されるので、キャリア表面に粘着(トナーインパクション)して該キャリアの帯電性を変化させることが少なくなり、現像剤の繰り返し使用に対して耐久性が向上する。なお、テルペン変性ノボラック樹脂が外部添加されている場合はこの効果が一層顕著となる。
【0033】
また、キャリアは帯電を付与するために樹脂等で被覆されていることが好ましい。キャリアの被覆用の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
キャリアの芯材表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、キャリア芯材を溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液中をキャリア芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆層形成溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法があげられる。このように樹脂被覆層を表面に設けたキャリアを用いた現像剤では、帯電特性の制御を良好に行うことができるので、帯電分布の狭い現像剤を得ることが可能となる。
【0035】
本発明におけるトナーを二成分系の現像剤として用いる場合は、テルペン変性ノボラック樹脂を結着樹脂100重量部に対して3〜50重量部含有させることが好ましく、さらに、10〜50重量部の範囲で含有させることがより好ましい。テルペン変性ノボラック樹脂の含有量が3重量部未満の場合は、比較的低温で定着を行った場合に、画像表面を十分に被覆することができず、その効果の発現が不十分となると共に、現像剤の耐久性の改善がみられなくなる。一方、テルペン変性ノボラック樹脂の含有量が50重量部より大きい場合には定着性や耐オフセット性等の特性に悪影響を及ぼす。また、トナー表面にテルペン変性ノボラック樹脂を外部添加した場合の添加量は、上記したのと同様の理由により、結着樹脂に対して5〜20重量部の範囲内に制御することが好ましい。
【0036】
本発明においては、上記一成分系または二成分系の静電潜像現像剤は、現像剤担持体上の現像剤層を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する画像形成方法に使用される。前記静電潜像担持体としては、電子写真感光体、誘電記録体等を使用することが可能であり、公知の方法により静電潜像が形成される。現像剤担持体としては、例えば、回転可能な非磁性スリーブ内に、マグネチックロールが固定設置されたものが挙げられ、該現像剤担持体は静電潜像担持体に対向するように配置される。そして、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像は、次いで転写体上に公知の工程により転写され、熱ロールにより定着される。
【0037】
本発明の画像形成方法に用いられる定着システムにはフッ素系樹脂をコーティングした熱ロールあるいはシリコーン系樹脂をコーティングした熱ロールを用いることができる。前記熱ロールのコーティングに熱伝導性の高いフィラーを含有させてもかまわない。前記熱ロールのコア材としてはFe、Al、Cu等を用いることができる。用紙等の転写体への定着工程において熱ロールを用いる場合には、熱と共に圧力がトナー像に作用するので、該トナー像の表面にテルペン変性ノボラック樹脂が移行し易くなる。
【0038】
上記定着の条件としては、ロール表面温度150℃以上、NIP圧1.0kgf/cm以上であることが好ましい。この条件での定着により、テルペン変性ノボラック樹脂がある程度融解して画像表面に移動することにより該表面を十分に被覆できる。したがって、画像の耐久性、特に長期にわたって印字物を保存した場合の耐久性が良好となる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは決してない。なお以下の説明において、特に断りのない限り、『部』はすべて『重量部』を意味する。
【0040】
実施例1
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重量平均分子量: 9.6×10,数平均分子量: 4.7×10, Tg: 65℃)
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 5部
テルペン変性ノボラック樹脂(PR−12603; 住友デュレズ社製) 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級することで平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化されたTiO 1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0041】
実施例2
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を3部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0042】
実施例3
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を5部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0043】
実施例4
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を20部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0044】
実施例5
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を30部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0045】
実施例6
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を50部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0046】
実施例7
実施例1においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を55部とした以外は、実施例1と同様にトナーを調製した。
【0047】
実施例8
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重量平均分子量: 9.6×10,数平均分子量: 4.7×10,Tg: 65℃)
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 5部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級することで平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部と0.5μmに粉砕したテルペン変性ノボラック樹脂微粒子0.5部及びアルキルシランで疎水化されたTiO 1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0048】
実施例9
実施例8においてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子添加量を5部とした以外は、実施例8と同様にトナーを調製した。
【0049】
実施例10
実施例8においてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子添加量を20部とした以外は、実施例8と同様にトナーを調製した。
【0050】
実施例11
実施例8においてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子添加量を25部とした以外は、実施例8と同様にトナーを調製した。
【0051】
実施例12
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
( St/nBA共重合樹脂。共重合比 80:20
< 低分子量成分: 重量平均分子量; 5.5×10、数平均分子量; 2.5×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量成分: 重量平均分子量; 6.0×10、数平均分子量; 3.0×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量/低分子量 = 30/70 >
< total: 重量平均分子量; 2.0×10、数平均分子量; 3.6×10 >)
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業社製) 5部
テルペン変性ノボラック樹脂(PR―12603; 住友デュレズ社製)20部
上記成分をバンバリーミキサーにて溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化されたTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0052】
実施例13
トナー粒子(Cyan)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重量平均分子量: 6.2×10,数平均分子量: 4.7×10, Tg: 58℃ )
C.I.ピグメント・ブルー15:3 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
サゾールワックス(H1−N6、 購入元:加藤洋行) 5部
テルペン変性ノボラック樹脂(PR−12603; 住友デュレズ社製)20部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級を行うことで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0053】
実施例14
磁性トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(St/nBA共重合樹脂。 共重合比 80:20
< 低分子量成分: 重量平均分子量; 5.5×10、数平均分子量; 2.5×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量成分: 重量平均分子量; 6.0×10、数平均分子量; 3.0×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量/低分子量 = 30/70 >
< total: 重量平均分子量;2.0×10、数平均分子量; 3.6×10 >)
マグネタイト(MTH009; 戸田工業社製) 100部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P; 三洋化成工業製) 2部
テルペン変性ノボラック樹脂(PR−12603; 住友デュレズ社製)2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機により分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
【0054】
実施例15
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を3部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0055】
実施例16
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を5部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0056】
実施例17
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を10部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0057】
実施例18
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を30部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0058】
実施例19
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を50部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0059】
実施例20
実施例14においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を55部とした以外は、実施例14と同様にトナーを調製した。
【0060】
実施例21
磁性トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(St/nBA共重合樹脂。共重合比 80:20
< 低分子量成分: 重量平均分子量; 5.5×10、数平均分子量; 2.5×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量成分: 重量平均分子量; 6.0×10、数平均分子量; 3.0×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量/低分子量 = 30/70 >
< total: 重量平均分子量; 2.0×10、数平均分子量; 3.6×10 >)
マグネタイト(MTH009; 戸田工業社製) 100部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P; 三洋化成工業製) 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機により分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部と0.5μm粉砕したテルペン変性ノボラック樹脂微粒子0.5部及びアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
【0061】
実施例22
実施例21においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を5部とした以外は、実施例21と同様にトナーを調製した。
【0062】
実施例23
実施例21においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を20部とした以外は、実施例21と同様にトナーを調製した。
【0063】
実施例24
実施例21においてテルペン変性ノボラック樹脂添加量を25部とした以外は、実施例21と同様にトナーを調製した。
【0064】
比較例1
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。 重量平均分子量: 9.6×10, 数平均分子量: 4.7×10, Tg: 65℃ )
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 5部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級することで平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化されたTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0065】
比較例2
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(St/nBA共重合樹脂。共重合比 80:20
< 低分子量成分/重量平均分子量: 5.5×10、数平均分子量: 2.5×10、Tg: 60℃ >
< 高分子量成分/重量平均分子量: 6.0×10、数平均分子量: 3.0×10、Tg: 60℃>
< 高分子量/低分子量 = 30/70 >
< total: 重量平均分子量: 2.0×10、数平均分子量: 3.6×10 >)
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 5部
上記成分をバンバリーミキサーにて溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化されたTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0066】
比較例3
トナー粒子(Cyan)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重量平均分子量: 6.2×10,数平均分子量: 4.7×10, Tg: 58℃)
C.I.ピグメント・ブルー15:3 5部
帯電制御剤(ボントロンE84;オリエント化学製) 2部
サゾールワックス(H1−N6 購入元: 加藤洋行) 5部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機にて分級を行うことで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO21.0部をヘンシェルミキサーにて混合しトナーを調製した。
【0067】
比較例4
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重合平均分子量: 9.6×10、数平均分子量: 4.7×10、Tg: 65℃)
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
フェノールノボラック樹脂(PR−HF−6; 住友デュレズ社製) 20部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機により分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
【0068】
比較例5
トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸を主成分とするビスフェノールタイプポリエステル樹脂。重合平均分子量: 9.6×10、数平均分子量: 4.7×10、Tg: 65℃ )
カーボンブラック(BPL; キャボット社製) 5部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
p−フェニルフェノールノボラック樹脂(PR−NTP−1; 住友デュレズ社製) 20部
低分子量ポリプロピレン(ビスコース660P; 三洋化成工業製) 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機により分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
【0069】
比較例6
磁性トナー粒子(Black)の製造
結着樹脂 100部
(St/nBA共重合樹脂。 共重合比 80:20
< 低分子量成分: 重量平均分子量; 5.5×10、数平均分子量; 2.5×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量成分: 重量平均分子量; 6.0×10、数平均分子量; 3.0×10、Tg; 60℃ >
< 高分子量/低分子量 = 30/70 >
< total: 重量平均分子量;2.0×10、数平均分子量; 3.6×10 >)
マグネタイト(MTH009; 戸田工業社製) 100部
帯電制御剤(ボントロンE84; オリエント化学製) 2部
低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P; 三洋化成工業製) 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に分級機により分級することで、平均粒径6μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部とアルキルシランで疎水化したTiO1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーを調製した。
【0070】
キャリアの調製
フェライト粒子(平均粒径: 50μm; パウダーテック社製) 100部
トルエン 14部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(三洋化成工業製) 1部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(三洋化成工業製) 1部
カーボンブラック(R330: キャボット社製) 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌、分散し、被覆液を調整し、更に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分撹拌した後、更に加温しながら減圧して脱気、乾燥によりキャリアAを得た。
【0071】
次に、このようにして得られたトナー又はキャリアを用いて二成分及び一成分現像剤を調製した。
【0072】
すなわち、実施例1〜13及び比較例1〜5においてそれぞれ得られたトナー5部と上記キャリア100部をV型ブレンダーを用い、40rpmで20分混合撹拌を行い各種の二成分現像剤を調製した。
【0073】
また、一成分現像剤については、実施例14〜24及び比較例6においてそれぞれ得られたトナーをそのまま用いた。
【0074】
そして、上記のように調整された各種現像剤を用いて、テスト1及びテスト2として下記の性能評価を行った。
【0075】
テスト1:
上記二成分現像剤を使用して富士ゼロックス社製A−COLOR635改造機(定着ヒートロールとしてコア材のアルミニウム(φ35)にSiC5%を含有させたPFA(パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)を40μmの厚みでコートしたもの、プレッシャーロールとしてコア材の鉄(φ35)にSR(シリコンゴム)を5mmの厚みでコートしたものをそれぞれ用い、NIP圧1.5kgf/cm、加熱温度120℃、150℃、180℃、200℃に制御できるように改造)により画像を採取した。
【0076】
次に、下記の性能試験を行った。
【0077】
(1)トナー熱保管性
50℃の温度条件下、包装容器中に開放状態でトナーを24時間保管した後、20gのトナーを45μm網上に載置し、90秒間振動を印加しつつ通過させた。該網上に残存したトナー量の全トナー量に対する百分率を測定した。
【0078】
(2)定着特性
定着速度160mm/secの条件下、120〜200℃の間で温度を段階的に上昇させながら定着を行い、オフセット発生温度と最低定着温度の差を定着特性における「温度領域」として、トナー画像の低温定着性及びオフセット性を評価した。オフセット発生温度とは定着時にヒートロールにトナーが粘着しはじめる温度であり、最低定着温度とは40mm×50mmのソリッドトナー定着画像を一定荷重のおもりを用いて折り曲げ、その部分の画像欠損の度合いを下記のように分類したときに、D2以下、すなわちD2又はD1となる最低温度である。
【0079】
D1:折り曲げ部分に画像の欠損は全くない。
【0080】
D2:折り曲げ部分にすじ状の跡は残るが、画像の欠落はなく問題のないレベル。
【0081】
D3:折り曲げ部分に所々白い線が入り画像が欠落する。
【0082】
D4:折り曲げ部分以外にも画像欠落が生じる。
【0083】
(3)画像維持性
2枚の用紙のそれぞれの表面上にSolid画像及びLine画像を区画して形成し、1.Solid画像×Solid画像、2.Solid画像×Line画像、3.Line画像×Line画像、4.Solid画像×Blank、5.Line画像×Blank の画像重ね合わせパターンとなるように、各用紙の画像形成面同士を重ね合わせて、65℃の温度下、100g/cm2の荷重をかけて1週間乃至1ヶ月保管した後の画像欠損状態を以下の基準で評価した。
【0084】
評価基準
G1:Solid画像、Line画像共に著しい欠損がみられる(X)
G2:特に、Solid画像に著しい欠損がみられる(X)
G3:Line画像の一部に欠損がみられる(△)
G4:画像同士の付着はあるが、画像欠損はない(○)
G5:画像同士の付着及び画像欠損がない(○)
テスト2:
上記一成分現像剤を用い富士ゼロックス社製Able3321機にて加熱温度120℃、150℃、180℃、200℃に制御できるように改造を行い画像を採取した。次に、上記したのと同様の性能試験を行った。
【0085】
結果を以下に示す。(表1,2)
【表1】
Figure 0003634351
表1の結果から明らかなように、テルペン変性ノボラック樹脂を含有または外部添加したトナーを用いた二成分現像剤は、テルペン変性ノボラック樹脂を含まないトナー或いは単なるノボラック樹脂を添加したトナーを用いた二成分現像剤に対して、トナー熱保管性に悪影響を与えることなく画像維持特性を著しく向上させることができる。特に長期間にわたって印字物を保管した場合の画像欠損の改善が顕著である。この効果は結着樹脂又は着色剤の種類に拘わらず認められる。なお、実施例1と実施例2並びに実施例6と実施例7を比較することにより、テルペン変性ノボラック樹脂をトナーに含有させた場合は、比較的低い温度で定着させたときの画像維持特性の改善の面からみると添加量は3部以上が好ましく、定着特性の面(通常、温度領域の幅は40℃以上が必要とされている)からみると50部以下が好ましいことが確認できる。
【0086】
また、実施例8と実施例9並びに実施例10と実施例11を比較することにより、テルペン変性ノボラック樹脂をトナーに外部添加した場合は、上記の場合と同様に比較的低い温度で定着させたときの画像維持特性及び定着特性の両面からみて外部添加量は5部以上20部以下の範囲が好ましいことが確認できる。
【0087】
ただし、用紙への定着温度を150℃以上とすれば、トナーに対するテルペン変性ノボラック樹脂の添加量に拘わらず画像維持特性を向上させることが可能となる。
【0088】
【表2】
Figure 0003634351
また、表2に示されるように、一成分現像剤を使用した場合においても二成分現像剤の場合と同様に、テルペン変性ノボラック樹脂を含有または外部添加した磁性トナーは、非添加のものに比べて、トナー熱保管性に悪影響を与えることなく、画像維持特性を長期にわたって著しく向上させることができる。
【0089】
そして、実施例14と実施例15並びに実施例19と実施例20を比較することにより、テルペン変性ノボラック樹脂を磁性トナーに含有させた場合は、画像維持特性の改善の面からみると添加量は3部以上が好ましく、定着特性の面(この場合においても通常、温度領域の幅は40℃以上が必要とされている)からみると50部以下が好ましいことが確認できる。
【0090】
また、実施例23と実施例24を比較することにより、テルペン変性ノボラック樹脂をトナーに外部添加した場合は、定着特性の両面からみて外部添加量は20部以下が好ましいことが確認できる。
【0091】
ただし、用紙への定着温度を150℃以上とすれば、トナーに対するテルペン変性ノボラック樹脂の添加量に拘わらず画像維持特性を向上させることが可能となる。
【0092】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することがでいる。前述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。
【0093】
【発明の効果】
請求項1〜12に係る発明によれば、熱保管性が良く、定着時に充分な耐オフセット性を示し、且つ低エネルギー定着を達成する一方、熱、荷重に対して長期に渡り画像を安定に維持することが可能となる。すなわち、トナーの熱保管性、定着特性を犠牲にすることなく、高温のストレス条件下でも高い画像維持性を得ることができる。

Claims (12)

  1. 結着樹脂及び着色剤を必須成分とするトナーにおいて、100℃以上の融点を有するテルペン変性ノボラック樹脂を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. テルペン変性ノボラック樹脂を前記結着樹脂100重量部に対して3〜50重量部含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. テルペン変性ノボラック樹脂がトナー粒子に対して外部添加されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  4. 前記結着樹脂100重量部に対するテルペン変性ノボラック樹脂の添加量が20重量部以下であることを特徴とする請求項3記載の電子写真用トナー。
  5. キャリアとトナーからなる静電潜像現像剤において、該トナーが結着樹脂及び着色剤を含有してなり、さらに100℃以上の融点を有するテルペン変性ノボラック樹脂を含有することを特徴とする静電潜像現像剤。
  6. テルペン変性ノボラック樹脂を前記結着樹脂100重量部に対して3〜50重量部含有することを特徴とする請求項5記載の静電潜像現像剤。
  7. テルペン変性ノボラック樹脂がトナー粒子に対して外部添加されていることを特徴とする請求項5記載の静電潜像現像剤。
  8. 前記結着樹脂100重量部に対するテルペン変性ノボラック樹脂の添加量が5〜20重量部であることを特徴とする請求項7記載の静電潜像現像剤。
  9. 前記キャリアが樹脂被覆層を有することを特徴とする請求項5記載の静電潜像現像剤。
  10. 潜像保持体上に静電潜像を形成する工程、該静電潜像を現像剤持体上に持されたトナーを含む現像剤を用いて現像する工程、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を転写体上に転写する工程、該転写体上に該トナー像を熱定着する工程とを有する画像形成方法において、該トナーが100℃以上の融点を有するテルペン変性ノボラック樹脂を含有してなる電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  11. 前記熱定着の工程が、熱ロールを用いることを特徴とする請求項10記載の画像形成方法。
  12. 前記熱ロールの表面温度が150℃以上であることを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。
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