JP3634313B2 - 寝具洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ふとんやマットレス等の寝具を洗浄する時にすすぎと脱水を行う寝具洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ふとんやマットレス等の広い平面を有する長方形状寝具(以下「被洗浄物」という)を洗浄する手段として、丸ごと水洗いする方法がある。この方法の一例として、受け入れられた被洗浄物のシミや汚れを受け入れ検査し、様々な溶剤を使用してこのシミや汚れ等の染み抜きを行い、洗剤を吹き付けて中まで浸透させて前処理を行い、水を吹き付けて洗剤を洗い落として脱水する洗浄・脱水を行い、内部の水分を乾燥させ、熱風によって被洗浄物の復元・仕上げを行い、検査して出荷するような方法がある。そして、これらの洗浄工程の機械化も進められている。
【0003】
この種の被洗浄物を機械的に洗浄する従来技術として、特許第2560115号公報記載の発明があり、この発明では、受け入れた被洗浄物を洗剤で洗浄し、すすぎ、脱水、乾燥と殺菌を行えるようにしている。この技術では、横型筒体の横方向から長手方向(軸方向)にマットレス等を収納し、この横型筒体を回転させながら中央から水を噴射して洗浄するものである(従来例1)。
【0004】
また、他の従来技術として、特公平7−61393号公報や特開平5−111592号公報記載の発明もあり、これらの発明では、横型のマットレス保持器内にマットレスを保持し、このマットレス保持器を洗浄タンク内で回転させることによってマットレスを洗浄している(従来例2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの従来技術では、被洗浄物の収納部を回転させながら中心の回転軸から被洗浄物に向って洗浄水(すすぎ水も含む)を散水する構成であるため、散水した水が被洗浄物に効果的に当たって、比較的少ない水量で洗浄を行うことができる。
【0006】
しかしながら、このように中央に設けた回転軸から洗浄水を供給する構成の場合、注水を停止したときにかなり多くの水量が回転軸内に残ってしまう。この回転軸中空部内に残った水は、注水停止後、脱水工程の高速回転による遠心力によってノズルから出ていくが、脱水工程での加速度が5G程度であるため、その流出速度は小さい。
【0007】
そのため、この回転軸内に残った水が、長時間に亘って細径のノズルを通じて滴下し、場合によっては、残水ゼロになるのが各種洗浄物の脱水工程の所要時間より長くなるケースが多いので、一連の脱水工程が終わっても、なお滴下が続くという不都合を起こしてしまう。したがって、脱水後の被洗浄物に水の滴下が続くこととなる。
【0008】
一方、被洗浄物がふとんのように柔軟な場合、洗浄時や脱水時に作用する遠心力によって偏りを生じる場合がある。このように遠心力で偏りを生じた場合、被洗浄物にシワを生じたり十分な洗浄ができなくなり、安定した洗浄作業を行うのが困難になる。そのため、前記水の滴下とともに、被洗浄物を効率良く洗浄することができない。
【0009】
そこで、本願発明は、回転軸から洗浄水を被洗浄物に噴射して洗浄する寝具洗浄装置において、速やかに残水の排出が終わって効率良く洗浄できるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願発明の寝具洗浄装置は、被洗浄物を収納する収納部を具備した内筒と、該内筒の中心部を支持する回転軸と、該回転軸で回転可能に支持した内筒を内部に設けた外筒とを設け、前記回転軸に、前記被洗浄物に向けて洗浄水を噴射する噴射ノズルを設けるとともに、該噴射ノズルから回転軸内の洗浄水を排出する排水機構を具備させ、該排水機構に、前記回転軸の噴射ノズルから排出気体を噴射して回転軸内から洗浄水を排水する気体供給機を設け、前記内筒の収納部に被洗浄物を収納した後、回転軸の水噴射口から被洗浄物に洗浄水を噴射するとともに被洗浄物をすすぎ回転数で回転させて所定時間の洗浄作業を行った後に洗浄水の噴射を停止し、該内筒を脱水回転数まで上昇させながら前記水噴射口から排水気体を所定時間噴射して回転している回転軸内から洗浄水を排水し、該内筒を脱水回転数まで上げて被洗浄物を所定時間回転させて脱水するように時間制御する制御装置を設けている。このように被洗浄物を収納した内筒の回転軸に、洗浄水を噴射する噴射ノズルと、この噴射ノズルから回転軸内の洗浄水を排出する排出機構とを具備させることにより、回転軸から洗浄水を噴射した後、排出機構で回転軸内に残った洗浄水を噴射ノズルから効果的に排出することができるので、被洗浄物の洗浄から脱水まで効率良く行うことができる。
【0011】
しかも、前記排水機構気体供給機によって、噴射ノズルから洗浄水を噴射した後に排出気体を噴射させるので、気体で効率良く短時間で回転軸内の洗浄水を排出することができる。
【0012】
その上、前記制御装置によって、被洗浄物を洗浄するための洗浄水の噴射と、回転軸から洗浄水を排出する動作のタイミングを連続して制御して効率良く洗浄水を処理することができる。このタイミングを、被洗浄物を回転させながら水噴射口から洗浄水を噴射して所定時間の洗浄作業を行った後に洗浄水の噴射を停止し、内筒を脱水回転数まで上昇させながら水噴射口から排水気体を所定時間噴射して回転している回転軸内から洗浄水を排水し、内筒を脱水回転数まで上げて被洗浄物を所定時間回転させて脱水するようにしているので、被洗浄物の回転が停止させられた後に洗浄水が被洗浄物に滴下することがないようにできる。
【0013】
さらに、前記内筒の収納部に収納した被洗浄物を前記回転軸側から半径方向に保持する被洗浄物保持機を設け、該被洗浄物保持機を、被洗浄物の厚みに応じて保持位置を被洗浄物厚み方向に調節できる平行リンク機構で構成し、該平行リンク機構を駆動する駆動機をエアーシリンダで構成し、該エアーシリンダを前記回転軸の側部に設けるとともに、該エアーシリンダに供給する駆動流体を前記回転軸から供給するように構成し、前記収納部に被洗浄物を収納したら回転軸側から被洗浄物を押え、回転させた被洗浄物が所定回転速度に達すると被洗浄物の押えを解除し、被洗浄物が所定回転速度以下になると被洗浄物を押えるように制御する機能を前記制御装置に具備させれば、被洗浄物へ洗浄水を供給する機能と、被洗浄物を半径方向に保持する機能を回転軸に集約するとともに、平行リンク機構によって被洗浄物を均等に保持することができる。
【0014】
た、被洗浄物を保持するためのエアーシリンダへの駆動源の供給も含めて多くの機能を回転軸に集約させることができる。しかも、制御装置によって、洗浄水を噴射して洗浄しながら回転させる被洗浄物を、安定した状態で保持して洗浄することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示す寝具洗浄装置を透視した斜視図であり、図2は同寝具洗浄装置の側面図、図3は同洗浄装置の正面図、図4は同洗浄装置の平面図、図5は同寝具洗浄装置における内筒を示す図面であり、(a) は平面図、(b) はA−A断面図、(c) はB−B断面図である。
【0018】
図1に示すように、洗浄装置Mは、装置本体の外郭を形成する横向きの外筒1とこの外筒1内で回転する横向きの内筒2とからなる2重の筒体を有している。内筒2は、中央に設けられた回転軸3によって支持されており、この回転軸3は、外筒1の両側面に設けられた軸受4によって支持されている。軸受4は、床面に設けられた架台5に支持されている。6は架台5に設けられた駆動用の電動機であり、この電動機6に設けられたプーリ6aにより、ベルト7を介して回転軸3に設けられたプーリ3aが駆動されている。このプーリ3aを介して内筒2の中心に設けられた回転軸3を電動機6で回転させることにより、内筒2が外筒1内で回転し、被洗浄物Wに含まれている水分を遠心力で除去する、いわゆる遠心脱水が行われる。
【0019】
図1,2に示すように、前記外筒1は横向きの略円筒体であり、内部で横向きの内筒2が回転可能な径で形成されている。そして、この外筒1の横方向(正面側)に、軸方向に連続して被洗浄物Wを長手方向Lから横方向Kに挿入できる開閉口8が設けられている(図3)。この開閉口8は、長方形状の被洗浄物Wを長手方向Lから横向きに出し入れ可能な大きさに形成されており、この開閉口8には、シリンダ9によって開閉させられる開閉蓋10が設けられている。この実施形態では、シリンダ9で外向きに傾倒させる開閉蓋10を用いているが、ラック&ピニオン等で上下動させる開閉蓋やシリンダで上下動させる開閉蓋(図2に二点鎖線で示す開閉蓋)であってもよい。また、このような開閉蓋を開閉駆動する手段も、電動、油圧、空圧、手動等、いずれであってもよい。
【0020】
前記内筒2は横向きの方形筒体であり、図示する状態の上下には、被洗浄物Wであるマットレスやふとんを広げた状態で収納できる収納部11が形成されている。この実施形態では、2枚の被洗浄物Wを同時に洗浄できるように、回転軸3を挟んで対向するように2個の収納部11が設けられており、回転軸3を中心にしてバランスするように配置されている。
【0021】
図2に示すように、この収納部11は、停止した状態の収納部11が下方に位置する時に、外筒1の開閉口8から被洗浄物Wを挿入できるように並設されており、この収納部11には、外筒1の開閉口8に連なるような被洗浄物挿入口12が設けられている。この挿入口12も、内筒2の軸方向に連続して被洗浄物Wを長手方向Lから横方向Kに挿入できる大きさで形成されている。このように構成したことにより、被洗浄物Wを長手方向から横向きに入れることができるので、挿入する長さが被洗浄物Wの短方向の長さとなり、収納部11内へ挿入する被洗浄物Wを作業者が目視で確認しながら容易に挿入することができる。しかも、挿入する被洗浄物Wの奥側まで目視で確認できるので、シワ等を生じさせることなく確実にセットすることができる。
【0022】
図5に示すように、この収納部11は、挿入口12以外の他の3側面が、ほぼ全面に水切り用貫通孔13(図では一部分のみ記載)を設けた多孔板で形成されており、脱水時の水切りが効果的にできるようになっている。図1に示すように、この箱状に形成された収納部11は、挿入口12のみが開放可能なように構成されており、この挿入口12には、シリンダ14で開閉される挿入蓋15が設けられている。シリンダ14は外筒1側に設けてもよい。この実施形態では、挿入蓋15を、内筒2と外筒1との間隙程度の高さで、軸方向に連続して一体的に開放する大きさで形成している。この挿入蓋15の高さとしては、被洗浄物Wを収納部11内に挿入した状態を保てる高さであればよい。また、この挿入蓋15は、内筒2側に設けられたシリンダ14によって開放又は閉鎖可能に構成されているが、手動で開閉して手でロックするような構成であってもよい。なお、内筒2に設けられた両収納部11は同一の構成であるため、他方の説明は省略する。
【0023】
従って、この内筒2によれば、外筒1の開閉口8から下方に位置する一方の収納部11に被洗浄物Wを挿入した後、内筒2を180°回転させてもう一方の収納部11を下方にして被洗浄物Wを収納することができる。
【0024】
また、内筒2の収納部11間には、内筒2を支持して回転させる回転軸3が軸方向に貫通するスペースが形成され、このスペースには、収納部11に収納した被洗浄物Wを厚みに応じて保持する被洗浄物保持機17を配置する中間フレーム16が設けられている。この中間フレーム16は、両収納部11を中間で連結する枠体であり、この中間フレーム16と2個の収納部11とによって、内筒2の横向き方形筒体が形成されている。
【0025】
図6は図1の寝具洗浄装置における被洗浄物保持機を示す正面図、図7は同被洗浄物保持機を示す平面図、図8は同被洗浄物保持機を示す側面図である。
【0026】
図6,7に示すように、内筒2を支持する回転軸3には、収納部11に収納した被洗浄物を、その厚みに応じて保持する被洗浄物保持機17が設けられている。この被洗浄物保持機17は、回転軸3の側部に設けられたエアーシリンダ18と、このエアーシリンダ18で揺動させるアーム部材19と、このアーム部材19の揺動に連動して一体的に回動する支持軸20と、この支持軸20の回動に連動してアーム21で移動するロッド22と、このロッド22の移動に連動してアーム23と一体的に回転する支持軸24と、この支持軸24の回動に連動して一体的に揺動するアーム部材25と、これらアーム部材19とアーム部材25(支持軸20の一方も含む)により4点支持されて、回転軸3から半径方向に移動可能な押え枠26とから構成されている。
【0027】
このアーム部材19,25と支持軸20,24とロッド22により、押え枠26が平行移動するように構成されており、図8にも示すように、1本のエアーシリンダ18を駆動すれば押え枠26全体が回転軸3と平行状態を保ちながら収納部11側に移動するように構成されている。このエアーシリンダ18の伸長量を制御することにより、被洗浄物の厚みに応じて収納部11における押え高さを調節することができる。また、押え枠26の被洗浄物側には、ナイロンネット27が張られており、被洗浄物を安定して押えることができるようにしている。
【0028】
なお、これらの図では内筒2の下方の被洗浄物保持機17のみを示しているが、内筒2の上方にも同様に被洗浄物保持機17(図6の二点鎖線)が設けられている。この上側の被洗浄物押え部材の詳細は省略する。
【0029】
図9は図1の寝具洗浄装置における回転軸を示す正面図であり、図10は同回転軸を示す平面図である。図示するように、内筒1を支持する回転軸3には、周囲に噴射ノズル28が設けられている。この噴射ノズル28は、収納部11に収納された被洗浄物Wへ洗浄水(すすぎ水)を効果的に噴射できるように配置されており、点線で示すように、洗浄水の噴射範囲29が広範囲となるように構成されている。なお、図10に示す噴射範囲29は、回転軸3の上部では厚い被洗浄物を洗浄する場合を示し、回転軸3の下部では薄い被洗浄物を洗浄する場合を示している。また、洗浄水の噴射範囲29は片面のみを示しているが、両面(図示する上下面)共同様である。
【0030】
図11は図9,10に示す回転軸における水とエアーの系統を示す系統図である。なお、以下の説明では、排出気体としてエアーを例に説明する。
【0031】
図示するように、回転軸3には、前記噴射ノズル28から噴射する洗浄水の水供給系統30と、回転軸3内に残った洗浄水を噴射ノズル28から圧縮エアーで排出するエアー供給系統31とが設けられている。このエアー供給系統31が排水機構である。この例では、エアー供給系統31により、前記被洗浄物保持機17のエアーシリンダ18へも圧縮エアーを供給している。
【0032】
図示する左側の水供給系統30は、供給口32から供給された洗浄水(すすぎ水)が、ストレーナー33と電磁弁34を介して管路35に供給され、この管路35から回転軸3の図示する左側に設けられたロータリージョイント36に供給されている。
【0033】
一方、図示する右側のエアー供給系統31は、供給口37から供給されたエアーが、エアーの安定供給を図るためのエアコンビネーション38を介して管路39に供給され、この管路39から分岐した管路40へ流れたエアーが電磁弁41を介して前記水供給系統30の管路35へ供給可能なように構成されている。また、前記管路39は電磁弁42とスピードコントローラ43とを介して、回転軸3の図示する右側に設けられたロータリージョイント44に接続されている。このロータリージョイント44から回転軸3に供給されたエアーは、管路45,46によって前記被洗浄物保持機17のエアーシリンダ18に駆動エアーとして供給される。このロータリージョイント44は二重構造となっており、エアーシリンダ18へエアーの供給/排出が可能なように構成されている。47は、エアー排出時に消音するためのサイレンサーである。
【0034】
このような構成によれば、前記回転軸3に設けられた噴射ノズル28からの洗浄水の噴射は、供給口32から供給された洗浄水が電磁弁34(図の右ポート)から管路35に供給され、ロータリージョイント36を介して回転軸3内に供給され、この回転軸3に設けられた噴射ノズル28から噴射される。この時、電磁弁41は閉鎖(図の右ポート)されており、エアー系統の管路40からエアーが供給されることはない。
【0035】
そして、電磁弁34を切換えて(図の左ポート)洗浄水の供給を停止した後、電磁弁41を切換える(図の左ポート)ことによりエアーの管路40を管路35に連通させ、ロータリージョイント36から回転軸3内にエアーを供給する。この回転軸3内に供給されたエアーは、噴射ノズル28から噴射される時に回転軸3内に残った洗浄水を排出する。このように洗浄水の停止後にエアーを噴射ノズル28から噴射させることにより、回転軸3内の残水は噴射されてなくなる。これにより、被洗浄物Wへの洗浄水噴射と回転軸3内の残水排出とを連続的に効率良く行って、効率的な洗浄作業を行うことができる。
【0036】
また、この噴射ノズル28から洗剤の入った水を噴射するように構成すれば、この洗浄装置M内で、洗剤の入った水による洗浄と水によるすすぎとその後の脱水を行うようにすることもでき、被洗浄物Wの洗浄作業を更に効率良く行うことができる。
【0037】
この洗浄水を供給して洗浄する工程から圧縮エアーを供給して残水を排出する工程を自動化することも容易に可能であり、図示しないコンピュータ等を用いた制御装置によって容易に行うことができる。なお、図11に示す構成は一例であり、他の構成によって水系統とエアー系統とを接続、又は遮断できるように構成してもよい。
【0038】
図12は図1の寝具洗浄装置において被洗浄物を洗浄する手順を示すフローチャートであり、図13は図12に示す被洗浄物を洗浄する手順のタイムチャートである。以下、これらの図に基いて寝具洗浄装置Mの動作を説明する。なお、以下の説明では、内筒2内に被洗浄物Wを収納した時からの動作を説明する。
【0039】
図12に示すように、脱水操作をスタートすると(a) 、内筒2の挿入蓋15が閉ロックされているかセンサー(例えば、光電スイッチ)によって確認される(b) 。この挿入蓋15が閉ロックされていれば、外筒1の開閉蓋10が閉じられ(c) 、同時に、被洗浄物の押え枠26により被洗浄物Wが押えられる(d) (図11の電磁弁42は右ポート)。
【0040】
外筒1の開閉蓋10が閉じられたことをセンサー(例えば、近接スイッチ)で確認したら(e) 、水噴射(図11の電磁弁34は右ポート)が開始され(f) 、同時に内筒2のすすぎ回転が開始される(g) 。
【0041】
水噴射は設定タイマー時間を経過後、ストップ(図11の電磁弁34は左ポート)させられる(h) 。
【0042】
水噴射ストップ後、内筒2の回転数が上げられて脱水開始へと移行されると共に(i) 、回転軸3からエアーが噴射(図11の電磁弁41は左ポート)される(j) 。このエアーの噴射は設定タイマー時間経過後、ストップ(図11の電磁弁41は右ポート)させられる(k) 。
【0043】
一方、脱水機の回転数は上げられて、この回転数が脱水回転数に達する前の所定回転数(回転速度)以上に達すると、押え枠26が引かれて(図11の電磁弁42は左ポート)、押え枠26による被洗浄物の保持が開放される(l) 。そして、定格速度で高速脱水が行われる。
【0044】
高速脱水が設定タイマー時間を経過して脱水が終了し、内筒2の回転数が所定の回転数(回転速度)以下になると、押え枠26によって被洗浄物Wが押される(図11の電磁弁42は右ポート)(m) 。
【0045】
内筒2が完全に停止したら(n) 、外筒1の開閉蓋10が開放され(o) 、同時に押え枠26が引かれて(図11の電磁弁42は左ポート)被洗浄物Wの押圧が開放される(p) 。このような一連の作業が、図示しない制御装置によって連続的に行われる。
【0046】
図13に示すように、このような流れにおける時間の流れと動作の関係は、被洗浄物Wの押え枠26による押えと外筒1の開閉蓋10の閉鎖動作が完了すると、内筒2をすすぎ回転数で回転させるとともに、洗浄水(すすぎ水)を噴射して所定時間、洗浄作業を行う。
【0047】
そして、所定時間の洗浄作業が終了すると、洗浄水の噴射を停止するとともに、エアーを回転軸3に供給して噴射する。この時、内筒2の回転数を高速の脱水回転数まで上昇させる。
【0048】
この内筒2の回転数が脱水回転数に達する前の所定回転数(所定回転速度)に達すると、遠心力によって被洗浄物Wは安定して収納部11内に保持された状態となるため、押え枠26による被洗浄物Wの押さえを解除する。
【0049】
また、内筒2が脱水回転数に達する前にエアーの噴射も停止される。このエアーによる回転軸3内の残水排出は、回転している回転軸3内の残水を周囲の噴射ノズル28へ導いて排出するものであるため、短時間で完了する。
【0050】
その後は、所定時間脱水され、内筒2が脱水回転数から所定回転数(所定回転速度)に低下したら、押え枠26によって被洗浄物Wを押え、内筒2が回転停止したら、外筒1の蓋10を開放した後、押え枠26による被洗浄物Wの保持状態が開放される。
【0051】
以上のように、洗浄水(すすぎ水)の供給を停止した後に回転軸3内に圧縮エアーを注入することにより、回転軸3内に残っている洗浄水を速やかに排出することができるので、脱水工程時間内の非常に短い時間で残水の排出を完了することができ、被洗浄物Wの洗浄作業を非常に効率良く行うことができる。これらの一連動作は、図示しない制御装置によって制御されている。
【0052】
また、脱水時における押え枠26の制御により、被洗浄物Wを痛めることなく洗浄/すすぎ/脱水を行うことができる。
【0053】
その上、上述した実施形態では、長手方向から収納部11へ被洗浄物Wを収容するように構成しているので、長方形状の被洗浄物Wであっても、被洗浄物Wを折り畳むことなく長手方向から横方向に収納部11へ収納することができ、ふとんのように柔軟な被洗浄物の場合でも、作業者が目視で確認しながら収納部内へ被洗浄物Wをセットする作業を容易に行える。
【0054】
なお、前記実施の形態では、回転軸3を挟んで2個の収納部11を設けた例であるが、回転軸3を中心にしてバランスするように、三角形状、四角形状、五角形状、その他多角形状に収納部11を放射状配置することによって複数の収納部11を形成し、それぞれの収納部11で複数の被洗浄物Wを同時に処理できるように構成してもよい。
【0055】
また、この寝具洗浄装置Mによれば、被洗浄物Wとしてマットレスやふとんだけでなく、形状の似た長方形の洗濯物も折り畳むことなく丸ごとすすぎと脱水をできるので、様々な被洗浄物Wの安定した洗浄作業を行うことができる。
【0056】
さらに、前記実施の形態では、残水を排出する気体にエアーを用いているが、他の気体であってもよく、エアーに限定されるものではない。
【0057】
また、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0058】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0059】
回転軸から洗浄水を噴射した後、回転軸内に残った洗浄水を噴射ノズルから効果的に排出することができるので、被洗浄物の洗浄から脱水まで効率良く行って被洗浄物の洗浄時間を短縮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示す寝具洗浄装置を透視した斜視図である。
【図2】図1に示す寝具洗浄装置の側面図である。
【図3】図1に示す寝具洗浄装置の正面図である。
【図4】図1に示す寝具洗浄装置の平面図である。
【図5】図1の寝具洗浄装置における内筒を示す図面であり、(a) は平面図、(b) はA−A断面図、(c) はB−B断面図である。
【図6】図1の寝具洗浄装置における被洗浄物保持機を示す正面図である。
【図7】図1の寝具洗浄装置における被洗浄物保持機を示す平面図である。
【図8】図1の寝具洗浄装置における被洗浄物保持機を示す側面図である。
【図9】図1の寝具洗浄装置における回転軸を示す正面図である。
【図10】図1の寝具洗浄装置における回転軸を示す平面図である。
【図11】図9に示す回転軸における水とエアーの系統を示す系統図である。
【図12】図1の寝具洗浄装置において被洗浄物を洗浄する手順を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す被洗浄物を洗浄する手順のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…外筒
2…内筒
3…回転軸
4…軸受
5…架台
6…電動機
7…ベルト
8…開閉口
9…シリンダ
10…開閉蓋
11…収納部
12…被洗浄物挿入口
13…水切り用貫通孔
14…シリンダ
15…挿入蓋
16…中間フレーム
17…被洗浄物保持機
18…エアーシリンダ
19,25…アーム部材
20,24…支持軸
21,23…アーム
22…ロッド
26…押え枠
27…ナイロンネット
28…噴射ノズル
29…噴射範囲
30…水供給系統
31…エアー供給系統
32…供給口
33…ストレーナー
34…電磁弁
35…管路
36…ロータリージョイント
37…供給口
38…エアーコンビネーション
39,40…管路
41,42…電磁弁
43…スピードコントローラ
44…ロータリージョイント
45,46…管路
47…サイレンサー
W…被洗浄物
L…長手方向
K…横方向
M…寝具洗浄装置

Claims (2)

  1. 被洗浄物を収納する収納部を具備した内筒と、該内筒の中心部を支持する回転軸と、該回転軸で回転可能に支持した内筒を内部に設けた外筒とを設け、前記回転軸に、前記被洗浄物に向けて洗浄水を噴射する噴射ノズルを設けるとともに、該噴射ノズルから回転軸内の洗浄水を排出する排水機構を具備させ、該排水機構に、前記回転軸の噴射ノズルから排出気体を噴射して回転軸内から洗浄水を排水する気体供給機を設け、前記内筒の収納部に被洗浄物を収納した後、回転軸の水噴射口から被洗浄物に洗浄水を噴射するとともに被洗浄物をすすぎ回転数で回転させて所定時間の洗浄作業を行った後に洗浄水の噴射を停止し、該内筒を脱水回転数まで上昇させながら前記水噴射口から排水気体を所定時間噴射して回転している回転軸内から洗浄水を排水し、該内筒を脱水回転数まで上げて被洗浄物を所定時間回転させて脱水するように時間制御する制御装置を設けた寝具洗浄装置。
  2. 前記内筒の収納部に収納した被洗浄物を前記回転軸側から半径方向に保持する被洗浄物保持機を設け、該被洗浄物保持機を、被洗浄物の厚みに応じて保持位置を被洗浄物厚み方向に調節できる平行リンク機構で構成し、該平行リンク機構を駆動する駆動機をエアーシリンダで構成し、該エアーシリンダを前記回転軸の側部に設けるとともに、該エアーシリンダに供給する駆動流体を前記回転軸から供給するように構成し、前記収納部に被洗浄物を収納したら回転軸側から被洗浄物を押え、回転させた被洗浄物が所定回転速度に達すると被洗浄物の押えを解除し、被洗浄物が所定回転速度以下になると被洗浄物を押えるように制御する機能を前記制御装置に具備させたことを特徴とする請求項1記載の寝具洗浄装置。
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