JP3633769B2 - ダンパおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパおよびその製造方法に係り、更に詳しくは、内燃機関のクランクシャフト等の回転駆動系に生起される捩り振動を吸収するトーショナルダンパと、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハブおよび質量体をゴム状弾性材製の弾性体を介して連結したトーショナルダンパが知られており、またその一種として、図7に示すように、径方向に並べたハブ51および質量体52の間に軸方向一方からゴム状弾性材製の弾性体53を圧入する嵌合タイプのトーショナルダンパが知られている。
【0003】
従来、この種の嵌合タイプのトーショナルダンパは、以下のようにして製造されている。
【0004】
すなわち先ず、図8(A)(B)に示すように、ハブ51および質量体52をそれぞれ別の材料部品61,62から製品形状となるように切削加工し、次いでこの切削加工したハブ51および質量体52を径方向に並べて、その間に軸方向一方から弾性体53を圧入している。
【0005】
したがってこの従来の製造方法によると、ハブ51および質量体52をそれぞれ別の材料部品61,62から切削加工しているために、この切削加工に多くの手間と時間がかかる不都合がある。また材料部品61,62に削り代や抜き勾配等といった無駄となる部分が多いことから、材料コスト(原材料費)が嵩む不都合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、切削加工にかかる手間と時間を削減することが可能であり、コスト的にも有利なダンパの製造方法を提供することを目的とする。またこのような方法によって製造することによりコスト的に有利なダンパを提供することを目的とする。更にまた、上記製造方法の一過程で形成される連結部を有効に利用して、ダンパの作動時に弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合でも、質量体がハブから軸方向一方(フロント側)に脱落しない構造を備えたダンパを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパを製造する方法であって、前記ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作する工程と、前記工程で製作した一体のハブおよび質量体の間に弾性体を圧入し、そのとき加える荷重によって前記連結部を分断する工程とを有することを特徴とするダンパの製造方法を提供する。
【0008】
また本発明の請求項2に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパであって、上記請求項1記載の方法によって製造されたことを特徴とするダンパである。
【0009】
また本発明の請求項3に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパであって、上記請求項1記載の方法によって製造され、更に、上記圧入工程で分断された連結部が、弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合に質量体がハブから脱落しないためのストッパとして機能することを特徴するダンパである。
【0010】
上記工程を備えた本発明の請求項1に係る発明のように、ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作すれば、ハブおよび質量体についての切削加工が従来のように二度ではなく一度で済むために、この切削加工にかかる手間と時間を従来より削減することが可能となる。材料部品は一般に鋳物であり、一つの鋳物がハブおよび質量体を含むように、これを比較的大きめに鋳造することになるが、従来のハブおよび質量体それぞれのための二つの鋳物(図8参照)を個別に切削加工する場合と比較すれば、鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームを格段に減らすことができる。
【0011】
ハブおよび質量体は、ダンパの作動時に、弾性体の弾性変形限度内で相対回転し、これにより捩り振動を吸収するものである。したがって上記切削工程でハブおよび質量体を連結部を介して一体に繋った状態に製作した場合には、その後の工程で連結部を分断してハブおよび質量体を互いに分離する必要がある。切削工程の次の工程は、上記したように一般に弾性体の圧入工程であり、この弾性体圧入工程では、ハブおよび質量体の間に弾性体を圧入すべく、そのための荷重が加えられる。したがって、このとき加える荷重によって連結部を分断することにすれば、連結部を分断するために新たに一工程を付け足さなくても連結部を自動的に分断することができ、極めて効率が良い。したがって本発明では、上記切削工程で製作した一体のハブおよび質量体の間に弾性体を圧入し、そのとき加える荷重によって連結部を分断することにした。
【0012】
弾性体圧入工程で加える荷重によって連結部を自動的に分断するには、この連結部を比較的薄肉として容易に分断し得るように形成するのが望ましい。またその一方で連結部は、ハブおよび質量体の間に弾性体を圧入する際に邪魔になるものであってはならない。したがってこれらの観点から、径方向に並べたハブおよび質量体の間に軸方向一方から弾性体を圧入する場合に、連結部をハブおよび質量体の間の間隙にあってその軸方向他端部か、またはその近傍に、薄肉状のものとして設けるのが好適である。
【0013】
またダンパが自動車エンジン等のクランクシャフトの外周にハブをもって取り付けられた場合、作動中に万一、弾性体がハブおよび質量体の間から軸方向に滑り抜けるようなことがあると、質量体がハブに対してフリーとなるために、質量体が回転慣性力によってハブの外周から軸方向何れかに脱落することになる。
【0014】
軸方向何れかの一方はエンジン側であり、質量体がこの方向に脱落した場合には、クランクシャフトがエンジン本体によって先止りとされているために、質量体はエンジンにぶつかってクランクシャフトから外れることがない。
【0015】
これに対して、軸方向何れかの他方はクランクシャフトの先端側(フロント側)であって、こちらの方には、質量体がクランクシャフトから外れるのを阻止するようなものがない。したがって質量体がクランクシャフトから外れて周辺の機器を壊したり、酷いときには高速で回転しながら車外に飛び出すことさえある。
【0016】
したがって質量体がフロント側に脱落するのを確実に防止する必要があり、このため本発明では、上記製造方法の一過程で形成される連結部を、この質量体の脱落防止構造に利用することにした。そして、このように上記製造方法の一過程で形成される連結部によって質量体の脱落を防止する構造とすれば、この連結部が本来、ハブおよび質量体を一体化するために設けられるものであるために、質量体脱落防止専用の部品または部分を新たに設ける必要がなく、よって効率良く質量体の脱落を防止することができる。
【0017】
このような質量体脱落防止機能を連結部に持たせるため、連結部はこれを以下のように形成する。
【0018】
すなわち、上記した弾性体圧入工程で分断される連結部が、分断後にハブ側に残される場合には、連結部を少なくともその先端部が質量体のフロント側に位置するように形成し、かつこの連結部の外径寸法を質量体の内径寸法より大きくなるように設定する。このようにすれば、質量体がフロント側に脱落しようとしたときに、質量体がその内周部で、ハブに対して一体の連結部に対して軸方向に係合し、よって質量体がフロント側に脱落するのを防止することが可能となる。
【0019】
また反対に、上記した弾性体圧入工程で分断される連結部が、分断後に質量体側に残される場合には、連結部を少なくともその先端部がハブのエンジン側に位置するように形成し、かつこの連結部の内径寸法をハブの外径寸法より小さくなるように設定する。このようにすれば、質量体がフロント側に脱落しようとしたときに、質量体に対して一体の連結部がハブに対して軸方向に係合し、よって質量体がフロント側に脱落するのを防止することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0021】
図1(A)(B)および図2(C)(D)はそれぞれ、製造過程にあるトーショナルダンパを示しており、図2(D)が、弾性体圧入工程完了後のトーショナルダンパを示している。図3は、図1(B)または図2(C)におけるE部拡大図、図4は、図2(D)におけるF部拡大図である。
【0022】
図2(D)に示すように、当該実施形態に係るトーショナルダンパは先ず、自動車エンジン等のクランクシャフト(図示せず)の端部外周に取り付けられるハブ1を有しており、このハブ1の外周側に質量体(振動リングとも称する)2が同心的に配置されて、両部品1,2の間に間隙3が設定され、両部品1,2の間、すなわちこの間隙3に軸方向一方から弾性体(ゴムリングとも称する)4が圧入されており、この弾性体4を介してハブ1および質量体2が連結されている。
【0023】
ハブ1は、所定の金属によって環状に成形されており、クランクシャフトに取り付けられる内周側筒状部1aと、ディスク部1bと、外周側筒状部1cとを一体に備えており、この外周側筒状部1cの外周側に弾性体4を介して質量体2が連結されている。ディスク部1bには、孔状の肉盗み部1dが所要数、等配状(例えば三等配)に設けられている。質量体2は所定の金属によって環状に成形されている。弾性体4は所定のゴム状弾性材(加硫ゴム)によって環状に成形されている。各図断面図の右側がエンジン側、左側がフロント側である。
【0024】
図4に拡大して示すように、ハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部が質量体2および弾性体4の各フロント側端部よりフロント側に突出していて、このハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部に環状を呈するストッパ5’が径方向外方に向けて一体成形されており、このストッパ5’の外周端部が質量体2のフロント側に配置され、かつその外径寸法φxが質量体2の内径寸法φyより大きく設定されている。ストッパ5’と質量体2の間およびストッパ5’と弾性体4の間にはそれぞれ適当な大きさの軸方向間隙6,7が設けられていて、ストッパ5’は質量体2および弾性体4に対してそれぞれ常態において非接触とされており、これによりストッパ5’が弾性体4の弾性変形および質量体2のハブ1に対する回転方向の相対変位を阻害することがないようになっている。
【0025】
この図4の状態で、実機使用中に何らかの異変が生じて、弾性体4がハブ1および質量体2の間からエンジン側に滑り抜けるようなことがあると、質量体2がハブ1に対してフリーとなるために、矢印Gで示すように質量体2がフロント側に脱落しようとする場合があるが、この質量体2がその内周部で、ハブ1に対して一体のストッパ5’の外周端部に当接して軸方向に係合するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを未然に防止することができる。
【0026】
上記構成のトーショナルダンパは、これを以下のようにして製作する。
【0027】
すなわち先ず、図1(A)に示すように、ハブ1および質量体2を材料部品である鋳物21の段階で一体形状に荒加工し、次いで同図(B)に示すように、このハブ1および質量体2が連結部(結合部とも称する)5を介して一体に繋った形状となるように、これらを精密に機械加工する。連結部5は、後(のち)に上記したストッパ5’となるものであることから、これを以下のようなものに形成する。
【0028】
すなわち、図3に拡大して示すように先ず、ハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部を、質量体2のフロント側端部よりフロント側に突出するように形成し、このハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部に、環状を呈する連結部5を径方向外方に向けて一体成形し、この連結部5をその外周端部で、質量体2のフロント側端部であってその内周縁部に一体に接続した形状とする。連結部5の外径寸法φxは、これを質量体2の内径寸法φyより大きく設定する。
【0029】
また連結部5と質量体2の間に、後の弾性体圧入工程による連結部5の分断を容易にし、かつ分断箇所を特定するために、環状の凹部(切欠部とも称する)8を外周側に設けて、環状の薄肉部9を設けておく。
【0030】
また更に、弾性体圧入工程において、ハブ1および質量体2の間の間隙3内の空気が弾性体4の圧入に伴って自動的に外部に抜け出るように、排気孔10を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておく。この排気孔9は、図1(A)の鋳物21の段階で既に、この鋳物21に凹部22を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておき、切削工程の一部である間隙3の形成過程で、この凹部22と間隙3とを連通させることにより形成する。
【0031】
次いで、図2(C)に示すように、ハブ1および質量体2の間の間隙3にエンジン側から弾性体4を圧入し、このときハブ1にも軸方向荷重をかけると、ハブ1および質量体2の間の間隙3に弾性体4が圧入されるとともに、環状の連結部5が全周に亙って自動的に分断され、これにより同図(D)または図4に示したようなストッパ5’を備えたトーショナルダンパとなる。
【0032】
上記の製造方法は、以下の特徴を有している。
【0033】
すなわち先ず、ハブ1および質量体2が連結部5を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの鋳物21から一体に製作するようにしたために、ハブ1および質量体2についての切削加工が従来のように二度ではなく、一度で済む。また鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームないし鋳肌面の加工部のボリュームを従来より格段に減らすことができる。また弾性体4の圧入工程で連結部5が自動的に分断されるために、連結部5を分断するために新たに一工程を追加する必要もない。
【0034】
したがって、これらのことから、切削加工にかかる手間と時間を削減することができ、余分な手間と時間をかけずに連結部5を自動的に分断することができ、コスト的にも有利なトーショナルダンパの製造方法を提供することができる。またハブおよび質量体を個別に製作する場合と比較して、ハブ1および質量体2の同心精度を向上させることもできる。
【0035】
また上記製造方法によって製造されるトーショナルダンパとしては、以下の特徴を有している。
【0036】
すなわち、上記製造方法の一過程で形成される連結部5が、弾性体4がハブ1および質量体2の間から滑り抜けた場合に質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落しないためのストッパ5’として機能するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを確実に防止することができる。
【0037】
したがって、上記製造方法によって製作されることによりコスト的に有利であるとともに、安全性の高いトーショナルダンパを提供することができる。
【0038】
尚、ストッパ5’は分断後、ハブ1側ではなく、質量体2側に残されるようにしても良く、この場合には、ハブ1および質量体2を連結部5を介して一体に製作するときに、連結部5を以下のようなものに形成する。
【0039】
すなわち、図5に示すように、質量体2のエンジン側端部(図上右端部)をハブ1の外周側筒状部1cのエンジン側端部よりエンジン側(図上右側)に突出するように形成し、この質量体2のエンジン側端部に、環状を呈する連結部5を径方向内方に向けて一体成形し、この連結部5をその内周端部で、ハブ1の外周側筒状部1cのエンジン側端部であってその外周縁部に一体に接続した形状とする。連結部5の内径寸法は、これをハブ1の外周側筒状部1cの外径寸法より小さく設定する。また連結部5とハブ1の外周側筒状部1cの間に、後の弾性体圧入工程による連結部5の分断を容易にし、かつ分断箇所を特定するために、環状の凹部8を内周側に設けて、環状の薄肉部9を設けておく。また更に、弾性体圧入工程において、ハブ1および質量体2の間の間隙3内の空気が弾性体4の圧入に伴って自動的に外部に抜け出るように、排気孔(図示せず)を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておく。
【0040】
この図5の一体品に対して、そのフロント側(図上左側)から弾性体4を圧入し、このとき質量体2にも軸方向荷重をかけると、ハブ1および質量体2の間の間隙3に弾性体4が圧入されるとともに、環状の連結部5が全周に亙って自動的に分断され、これにより図6に示すような、質量体2側にストッパ5’を備えたトーショナルダンパとなる。
【0041】
そして、このトーショナルダンパにおいては、図6の状態で実機使用中に何らかの異変が生じて、弾性体4がハブ1および質量体2の間からフロント側に滑り抜けることがあると、質量体2がハブ1に対してフリーとなるために、質量体2がフロント側に脱落しようとする場合があるが、この質量体2に対して一体のストッパ5’がその内周端部でハブ1の外周側筒状部1cの外周部に当接して軸方向に係合するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを未然に防止することができることになる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0043】
すなわち先ず、上記工程を備えた本発明の請求項1によるダンパの製造方法においては、ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作するようにしたために、ハブおよび質量体についての切削加工が従来のように二度ではなく、一度で済む。また鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームないし鋳肌面の加工部のボリュームを従来より格段に減らすことができる。また弾性体圧入工程で連結部が自動的に分断されるために、連結部を分断するために新たに一工程を追加する必要がない。
【0044】
したがって、これらのことから、切削加工にかかる手間と時間を削減することができ、余分な手間と時間をかけずに連結部を自動的に分断することができ、コスト的にも有利なトーショナルダンパの製造方法を提供することができる。またハブおよび質量体を個別に製作する場合と比較して、ハブおよび質量体の同心精度を向上させることもできる。
【0045】
また請求項2または3のように、上記製造方法によって製造されるダンパとしては、以下の特徴を有している。
【0046】
すなわち、上記請求項1による製造方法の一過程で形成される連結部が、弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合に質量体が軸方向一方に脱落しないためのストッパとして機能するために、質量体が脱落するのを確実に防止することができる。したがって、上記製造方法によって製作されることによりコスト的に有利であるとともに、安全性の高いトーショナルダンパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)とも、本発明の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって、(A)は鋳物の断面図、(B)はハブおよび質量体一体品の半裁側面図および断面図
【図2】(C)および(D)とも、本発明の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって、(C)はハブおよび質量体一体品ならびに弾性体の断面図、(D)は圧入工程完了後のダンパの断面図
【図3】図1(B)または図2(C)におけるE部拡大図
【図4】図2(D)におけるF部拡大図
【図5】本発明の他の実施形態に係る製造方法の工程説明図であってハブおよび質量体一体品の要部断面図
【図6】本発明の他の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって圧入工程完了後のダンパの要部断面図
【図7】従来技術に係るダンパの断面図
【図8】(A)(B)とも、従来例に係る製造方法の工程説明図であって、(A)は質量体成形用鋳物の断面図、(B)はハブ成形用鋳物の断面図
【符号の説明】
1 ハブ
1a 内周側筒状部
1b ディスク部
1c 外周側筒状部
1d 肉盗み部
2 質量体
3,6,7 間隙
4 弾性体
5 連結部
5’ ストッパ
8,22 凹部
9 薄肉部
10 排気孔
21 鋳物(材料部品)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパおよびその製造方法に係り、更に詳しくは、内燃機関のクランクシャフト等の回転駆動系に生起される捩り振動を吸収するトーショナルダンパと、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハブおよび質量体をゴム状弾性材製の弾性体を介して連結したトーショナルダンパが知られており、またその一種として、図7に示すように、径方向に並べたハブ51および質量体52の間に軸方向一方からゴム状弾性材製の弾性体53を圧入する嵌合タイプのトーショナルダンパが知られている。
【0003】
従来、この種の嵌合タイプのトーショナルダンパは、以下のようにして製造されている。
【0004】
すなわち先ず、図8(A)(B)に示すように、ハブ51および質量体52をそれぞれ別の材料部品61,62から製品形状となるように切削加工し、次いでこの切削加工したハブ51および質量体52を径方向に並べて、その間に軸方向一方から弾性体53を圧入している。
【0005】
したがってこの従来の製造方法によると、ハブ51および質量体52をそれぞれ別の材料部品61,62から切削加工しているために、この切削加工に多くの手間と時間がかかる不都合がある。また材料部品61,62に削り代や抜き勾配等といった無駄となる部分が多いことから、材料コスト(原材料費)が嵩む不都合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、切削加工にかかる手間と時間を削減することが可能であり、コスト的にも有利なダンパの製造方法を提供することを目的とする。またこのような方法によって製造することによりコスト的に有利なダンパを提供することを目的とする。更にまた、上記製造方法の一過程で形成される連結部を有効に利用して、ダンパの作動時に弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合でも、質量体がハブから軸方向一方(フロント側)に脱落しない構造を備えたダンパを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパを製造する方法であって、前記ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作する工程と、前記工程で製作した一体のハブおよび質量体の間に弾性体を圧入し、そのとき加える荷重によって前記連結部を分断する工程とを有することを特徴とするダンパの製造方法を提供する。
【0008】
また本発明の請求項2に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパであって、上記請求項1記載の方法によって製造されたことを特徴とするダンパである。
【0009】
また本発明の請求項3に係る発明は、ハブおよび質量体の間にゴム状弾性材製の弾性体を圧入する嵌合タイプのダンパであって、上記請求項1記載の方法によって製造され、更に、上記圧入工程で分断された連結部が、弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合に質量体がハブから脱落しないためのストッパとして機能することを特徴するダンパである。
【0010】
上記工程を備えた本発明の請求項1に係る発明のように、ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作すれば、ハブおよび質量体についての切削加工が従来のように二度ではなく一度で済むために、この切削加工にかかる手間と時間を従来より削減することが可能となる。材料部品は一般に鋳物であり、一つの鋳物がハブおよび質量体を含むように、これを比較的大きめに鋳造することになるが、従来のハブおよび質量体それぞれのための二つの鋳物(図8参照)を個別に切削加工する場合と比較すれば、鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームを格段に減らすことができる。
【0011】
ハブおよび質量体は、ダンパの作動時に、弾性体の弾性変形限度内で相対回転し、これにより捩り振動を吸収するものである。したがって上記切削工程でハブおよび質量体を連結部を介して一体に繋った状態に製作した場合には、その後の工程で連結部を分断してハブおよび質量体を互いに分離する必要がある。切削工程の次の工程は、上記したように一般に弾性体の圧入工程であり、この弾性体圧入工程では、ハブおよび質量体の間に弾性体を圧入すべく、そのための荷重が加えられる。したがって、このとき加える荷重によって連結部を分断することにすれば、連結部を分断するために新たに一工程を付け足さなくても連結部を自動的に分断することができ、極めて効率が良い。したがって本発明では、上記切削工程で製作した一体のハブおよび質量体の間に弾性体を圧入し、そのとき加える荷重によって連結部を分断することにした。
【0012】
弾性体圧入工程で加える荷重によって連結部を自動的に分断するには、この連結部を比較的薄肉として容易に分断し得るように形成するのが望ましい。またその一方で連結部は、ハブおよび質量体の間に弾性体を圧入する際に邪魔になるものであってはならない。したがってこれらの観点から、径方向に並べたハブおよび質量体の間に軸方向一方から弾性体を圧入する場合に、連結部をハブおよび質量体の間の間隙にあってその軸方向他端部か、またはその近傍に、薄肉状のものとして設けるのが好適である。
【0013】
またダンパが自動車エンジン等のクランクシャフトの外周にハブをもって取り付けられた場合、作動中に万一、弾性体がハブおよび質量体の間から軸方向に滑り抜けるようなことがあると、質量体がハブに対してフリーとなるために、質量体が回転慣性力によってハブの外周から軸方向何れかに脱落することになる。
【0014】
軸方向何れかの一方はエンジン側であり、質量体がこの方向に脱落した場合には、クランクシャフトがエンジン本体によって先止りとされているために、質量体はエンジンにぶつかってクランクシャフトから外れることがない。
【0015】
これに対して、軸方向何れかの他方はクランクシャフトの先端側(フロント側)であって、こちらの方には、質量体がクランクシャフトから外れるのを阻止するようなものがない。したがって質量体がクランクシャフトから外れて周辺の機器を壊したり、酷いときには高速で回転しながら車外に飛び出すことさえある。
【0016】
したがって質量体がフロント側に脱落するのを確実に防止する必要があり、このため本発明では、上記製造方法の一過程で形成される連結部を、この質量体の脱落防止構造に利用することにした。そして、このように上記製造方法の一過程で形成される連結部によって質量体の脱落を防止する構造とすれば、この連結部が本来、ハブおよび質量体を一体化するために設けられるものであるために、質量体脱落防止専用の部品または部分を新たに設ける必要がなく、よって効率良く質量体の脱落を防止することができる。
【0017】
このような質量体脱落防止機能を連結部に持たせるため、連結部はこれを以下のように形成する。
【0018】
すなわち、上記した弾性体圧入工程で分断される連結部が、分断後にハブ側に残される場合には、連結部を少なくともその先端部が質量体のフロント側に位置するように形成し、かつこの連結部の外径寸法を質量体の内径寸法より大きくなるように設定する。このようにすれば、質量体がフロント側に脱落しようとしたときに、質量体がその内周部で、ハブに対して一体の連結部に対して軸方向に係合し、よって質量体がフロント側に脱落するのを防止することが可能となる。
【0019】
また反対に、上記した弾性体圧入工程で分断される連結部が、分断後に質量体側に残される場合には、連結部を少なくともその先端部がハブのエンジン側に位置するように形成し、かつこの連結部の内径寸法をハブの外径寸法より小さくなるように設定する。このようにすれば、質量体がフロント側に脱落しようとしたときに、質量体に対して一体の連結部がハブに対して軸方向に係合し、よって質量体がフロント側に脱落するのを防止することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0021】
図1(A)(B)および図2(C)(D)はそれぞれ、製造過程にあるトーショナルダンパを示しており、図2(D)が、弾性体圧入工程完了後のトーショナルダンパを示している。図3は、図1(B)または図2(C)におけるE部拡大図、図4は、図2(D)におけるF部拡大図である。
【0022】
図2(D)に示すように、当該実施形態に係るトーショナルダンパは先ず、自動車エンジン等のクランクシャフト(図示せず)の端部外周に取り付けられるハブ1を有しており、このハブ1の外周側に質量体(振動リングとも称する)2が同心的に配置されて、両部品1,2の間に間隙3が設定され、両部品1,2の間、すなわちこの間隙3に軸方向一方から弾性体(ゴムリングとも称する)4が圧入されており、この弾性体4を介してハブ1および質量体2が連結されている。
【0023】
ハブ1は、所定の金属によって環状に成形されており、クランクシャフトに取り付けられる内周側筒状部1aと、ディスク部1bと、外周側筒状部1cとを一体に備えており、この外周側筒状部1cの外周側に弾性体4を介して質量体2が連結されている。ディスク部1bには、孔状の肉盗み部1dが所要数、等配状(例えば三等配)に設けられている。質量体2は所定の金属によって環状に成形されている。弾性体4は所定のゴム状弾性材(加硫ゴム)によって環状に成形されている。各図断面図の右側がエンジン側、左側がフロント側である。
【0024】
図4に拡大して示すように、ハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部が質量体2および弾性体4の各フロント側端部よりフロント側に突出していて、このハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部に環状を呈するストッパ5’が径方向外方に向けて一体成形されており、このストッパ5’の外周端部が質量体2のフロント側に配置され、かつその外径寸法φxが質量体2の内径寸法φyより大きく設定されている。ストッパ5’と質量体2の間およびストッパ5’と弾性体4の間にはそれぞれ適当な大きさの軸方向間隙6,7が設けられていて、ストッパ5’は質量体2および弾性体4に対してそれぞれ常態において非接触とされており、これによりストッパ5’が弾性体4の弾性変形および質量体2のハブ1に対する回転方向の相対変位を阻害することがないようになっている。
【0025】
この図4の状態で、実機使用中に何らかの異変が生じて、弾性体4がハブ1および質量体2の間からエンジン側に滑り抜けるようなことがあると、質量体2がハブ1に対してフリーとなるために、矢印Gで示すように質量体2がフロント側に脱落しようとする場合があるが、この質量体2がその内周部で、ハブ1に対して一体のストッパ5’の外周端部に当接して軸方向に係合するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを未然に防止することができる。
【0026】
上記構成のトーショナルダンパは、これを以下のようにして製作する。
【0027】
すなわち先ず、図1(A)に示すように、ハブ1および質量体2を材料部品である鋳物21の段階で一体形状に荒加工し、次いで同図(B)に示すように、このハブ1および質量体2が連結部(結合部とも称する)5を介して一体に繋った形状となるように、これらを精密に機械加工する。連結部5は、後(のち)に上記したストッパ5’となるものであることから、これを以下のようなものに形成する。
【0028】
すなわち、図3に拡大して示すように先ず、ハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部を、質量体2のフロント側端部よりフロント側に突出するように形成し、このハブ1の外周側筒状部1cのフロント側端部に、環状を呈する連結部5を径方向外方に向けて一体成形し、この連結部5をその外周端部で、質量体2のフロント側端部であってその内周縁部に一体に接続した形状とする。連結部5の外径寸法φxは、これを質量体2の内径寸法φyより大きく設定する。
【0029】
また連結部5と質量体2の間に、後の弾性体圧入工程による連結部5の分断を容易にし、かつ分断箇所を特定するために、環状の凹部(切欠部とも称する)8を外周側に設けて、環状の薄肉部9を設けておく。
【0030】
また更に、弾性体圧入工程において、ハブ1および質量体2の間の間隙3内の空気が弾性体4の圧入に伴って自動的に外部に抜け出るように、排気孔10を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておく。この排気孔9は、図1(A)の鋳物21の段階で既に、この鋳物21に凹部22を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておき、切削工程の一部である間隙3の形成過程で、この凹部22と間隙3とを連通させることにより形成する。
【0031】
次いで、図2(C)に示すように、ハブ1および質量体2の間の間隙3にエンジン側から弾性体4を圧入し、このときハブ1にも軸方向荷重をかけると、ハブ1および質量体2の間の間隙3に弾性体4が圧入されるとともに、環状の連結部5が全周に亙って自動的に分断され、これにより同図(D)または図4に示したようなストッパ5’を備えたトーショナルダンパとなる。
【0032】
上記の製造方法は、以下の特徴を有している。
【0033】
すなわち先ず、ハブ1および質量体2が連結部5を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの鋳物21から一体に製作するようにしたために、ハブ1および質量体2についての切削加工が従来のように二度ではなく、一度で済む。また鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームないし鋳肌面の加工部のボリュームを従来より格段に減らすことができる。また弾性体4の圧入工程で連結部5が自動的に分断されるために、連結部5を分断するために新たに一工程を追加する必要もない。
【0034】
したがって、これらのことから、切削加工にかかる手間と時間を削減することができ、余分な手間と時間をかけずに連結部5を自動的に分断することができ、コスト的にも有利なトーショナルダンパの製造方法を提供することができる。またハブおよび質量体を個別に製作する場合と比較して、ハブ1および質量体2の同心精度を向上させることもできる。
【0035】
また上記製造方法によって製造されるトーショナルダンパとしては、以下の特徴を有している。
【0036】
すなわち、上記製造方法の一過程で形成される連結部5が、弾性体4がハブ1および質量体2の間から滑り抜けた場合に質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落しないためのストッパ5’として機能するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを確実に防止することができる。
【0037】
したがって、上記製造方法によって製作されることによりコスト的に有利であるとともに、安全性の高いトーショナルダンパを提供することができる。
【0038】
尚、ストッパ5’は分断後、ハブ1側ではなく、質量体2側に残されるようにしても良く、この場合には、ハブ1および質量体2を連結部5を介して一体に製作するときに、連結部5を以下のようなものに形成する。
【0039】
すなわち、図5に示すように、質量体2のエンジン側端部(図上右端部)をハブ1の外周側筒状部1cのエンジン側端部よりエンジン側(図上右側)に突出するように形成し、この質量体2のエンジン側端部に、環状を呈する連結部5を径方向内方に向けて一体成形し、この連結部5をその内周端部で、ハブ1の外周側筒状部1cのエンジン側端部であってその外周縁部に一体に接続した形状とする。連結部5の内径寸法は、これをハブ1の外周側筒状部1cの外径寸法より小さく設定する。また連結部5とハブ1の外周側筒状部1cの間に、後の弾性体圧入工程による連結部5の分断を容易にし、かつ分断箇所を特定するために、環状の凹部8を内周側に設けて、環状の薄肉部9を設けておく。また更に、弾性体圧入工程において、ハブ1および質量体2の間の間隙3内の空気が弾性体4の圧入に伴って自動的に外部に抜け出るように、排気孔(図示せず)を所要数、等配状(例えば三等配)に設けておく。
【0040】
この図5の一体品に対して、そのフロント側(図上左側)から弾性体4を圧入し、このとき質量体2にも軸方向荷重をかけると、ハブ1および質量体2の間の間隙3に弾性体4が圧入されるとともに、環状の連結部5が全周に亙って自動的に分断され、これにより図6に示すような、質量体2側にストッパ5’を備えたトーショナルダンパとなる。
【0041】
そして、このトーショナルダンパにおいては、図6の状態で実機使用中に何らかの異変が生じて、弾性体4がハブ1および質量体2の間からフロント側に滑り抜けることがあると、質量体2がハブ1に対してフリーとなるために、質量体2がフロント側に脱落しようとする場合があるが、この質量体2に対して一体のストッパ5’がその内周端部でハブ1の外周側筒状部1cの外周部に当接して軸方向に係合するために、質量体2がハブ1の外周からフロント側に脱落するのを未然に防止することができることになる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0043】
すなわち先ず、上記工程を備えた本発明の請求項1によるダンパの製造方法においては、ハブおよび質量体が連結部を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品から一体に製作するようにしたために、ハブおよび質量体についての切削加工が従来のように二度ではなく、一度で済む。また鋳造後の削り代、抜き勾配等といった無駄な部分のボリュームないし鋳肌面の加工部のボリュームを従来より格段に減らすことができる。また弾性体圧入工程で連結部が自動的に分断されるために、連結部を分断するために新たに一工程を追加する必要がない。
【0044】
したがって、これらのことから、切削加工にかかる手間と時間を削減することができ、余分な手間と時間をかけずに連結部を自動的に分断することができ、コスト的にも有利なトーショナルダンパの製造方法を提供することができる。またハブおよび質量体を個別に製作する場合と比較して、ハブおよび質量体の同心精度を向上させることもできる。
【0045】
また請求項2または3のように、上記製造方法によって製造されるダンパとしては、以下の特徴を有している。
【0046】
すなわち、上記請求項1による製造方法の一過程で形成される連結部が、弾性体がハブおよび質量体の間から滑り抜けた場合に質量体が軸方向一方に脱落しないためのストッパとして機能するために、質量体が脱落するのを確実に防止することができる。したがって、上記製造方法によって製作されることによりコスト的に有利であるとともに、安全性の高いトーショナルダンパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)とも、本発明の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって、(A)は鋳物の断面図、(B)はハブおよび質量体一体品の半裁側面図および断面図
【図2】(C)および(D)とも、本発明の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって、(C)はハブおよび質量体一体品ならびに弾性体の断面図、(D)は圧入工程完了後のダンパの断面図
【図3】図1(B)または図2(C)におけるE部拡大図
【図4】図2(D)におけるF部拡大図
【図5】本発明の他の実施形態に係る製造方法の工程説明図であってハブおよび質量体一体品の要部断面図
【図6】本発明の他の実施形態に係る製造方法の工程説明図であって圧入工程完了後のダンパの要部断面図
【図7】従来技術に係るダンパの断面図
【図8】(A)(B)とも、従来例に係る製造方法の工程説明図であって、(A)は質量体成形用鋳物の断面図、(B)はハブ成形用鋳物の断面図
【符号の説明】
1 ハブ
1a 内周側筒状部
1b ディスク部
1c 外周側筒状部
1d 肉盗み部
2 質量体
3,6,7 間隙
4 弾性体
5 連結部
5’ ストッパ
8,22 凹部
9 薄肉部
10 排気孔
21 鋳物(材料部品)
Claims (3)
- ハブ(1)および質量体(2)の間にゴム状弾性材製の弾性体(4)を圧入する嵌合タイプのダンパを製造する方法であって、
前記ハブ(1)および質量体(2)が連結部(5)を介して一体に繋った状態となるように、これらを一つの材料部品(21)から一体に製作する工程と、
前記工程で製作した一体のハブ(1)および質量体(2)の間に弾性体(4)を圧入し、そのとき加える荷重によって前記連結部(5)を分断する工程とを有することを特徴とするダンパの製造方法。 - ハブ(1)および質量体(2)の間にゴム状弾性材製の弾性体(4)を圧入する嵌合タイプのダンパであって、
上記請求項1記載の方法によって製造されたことを特徴とするダンパ。 - ハブ(1)および質量体(2)の間にゴム状弾性材製の弾性体(4)を圧入する嵌合タイプのダンパであって、
上記請求項1記載の方法によって製造され、
更に、上記圧入工程で分断された連結部(5)が、弾性体(4)がハブ(1)および質量体(2)の間から滑り抜けた場合に質量体(2)がハブ(1)から軸方向一方に脱落しないためのストッパ(5’)として機能することを特徴とするダンパ。
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