JP3633168B2 - 粒度分布データの比較方法、および粒度分布測定装置 - Google Patents

粒度分布データの比較方法、および粒度分布測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粒度分布データの比較をおこなう方法、および粒度分布測定装置に係り、特に粒度分布データ同士の比較が定量的におこなえるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来のレーザ回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置は、測定光であるレーザ光が照射された分散粒子群(液体,気体、固体などの媒体中に分散させられた粒子群)からの回折/散乱光を複数の光検出素子で検出することにより得られる光強度分布データを、所定の演算アルゴリズムにより粒度分布データに換算する構成になっている。なお、この粒度分布データは、粒度分布範囲を複数の区間に分割し、各区間ごとに粒子量が求められたものである。
【0003】
このレーザ回折・散乱法による粒度分布測定方式は、測定可能な粒度分布範囲が非常に広く、測定時間も短い上、再現性にも優れることなどから、粉体(粒子群)を原料や製品とする食料品・医薬品など各種分野において、新規開発品や製品の評価に使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の粒度分布測定装置で得られた二つの粒度分布データを比較評価することは、容易であるとは言いがたい。粒度分布データの評価は、普通、予め測定記憶した基準サンプルの粒度分布データと、評価対象のサンプルから得た粒度分布データとを比べることにより行われるが、定量的な比較が難しいのである。例えば、二つの粒度分布データのメディアン径(積算粒子量が50%となるときの粒子径)や平均粒子径が同一であっても、これらの粒度分布データが一致しているとは限らない。また、粒度分布データをその平均粒子径と標準偏差とで代表させて比較することもあるが、粒度分布測定装置で得られる粒度分布データは、正規分布のような一定の分布状態になることが決まっているわけでなく、様々な分布態様をとるので、上記のような比較手法も必ずしも妥当であるとは言いがたい。
【0005】
そこで、二つの粒度分布データのグラフを重ね書きして、目視観察することで両粒度分布データを比較することになる。しかし、この目視観察によるグラフのパターン比較は、主観に頼った定性的な比較にすぎないことから、客観性の乏しい曖昧な結果しか得られず、問題の解決には至らない。
【0006】
この発明は、上記問題点に鑑み、二つの粒度分布データ同士の定量的な比較をおこなうことのできる粒度分布データの比較方法、および粒度分布測定装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、発明者は、様々な角度から検討し、二つの粒度分布データをベクトルとして取り扱ったときの特性と、粒度分布データのグラフパターンの関係に注目した。そして、グラフパターン同士の差が両ベクトル同士のどういう差として捉えられるのかをさらに追求し、グラフパターン同士の差はベクトルのなす交角として捉えられるのではないかという推論を得た。例えば、粒度分布データが頻度分布%の場合、グラフパターンが全く同一で差がなければ、ベクトルの交角は0となり、グラフパターンが全く一致しなければ交角は90°となる。
【0008】
この推論が正しいとすると、二つのベクトルのなす交角に対応する交角指標(例えば、両ベクトルの交角の余弦)を算出すれば、この算出された値が両粒度分布データの定量的な比較結果を示してくれる筈である。
【0009】
続いて、発明者は上の推論の妥当性を調べるために、先ず、図2に示すように、パターン自体の形状は似ているがパターンの中心位置がかなり左右にズレている(すなわち、標準偏差は同一で平均粒子径が異なる)4つの粒度分布データA〜Dについて、以下のチェックをおこなった。粒度分布データAと粒度分布データA〜D各々を上の推論に従って比較してみたのである。ここでは、交角指標として、交角θの余弦(cosθ)を用いた。具体的な算出手法については実施例の項で説明するが、算出結果は、以下のとおりである。
粒度分布データAから離れたものほど、cosθが小さくなり(θが大きくなり)、パターンの差と対応した結果であることが分かる。
【0010】
▲1▼ 粒度分布データの組み合わせ:A,A、cosθ:1
▲2▼ 粒度分布データの組み合わせ:A,B、cosθ:0.878255
▲3▼ 粒度分布データの組み合わせ:A,C、cosθ:0.420644
▲4▼ 粒度分布データの組み合わせ:A,D、cosθ:0.150428
【0011】
さらに、図3に示すように、パターンの中心位置は一致しているがパターン自体の形状が異なる(すなわち、平均粒子径が同一で標準偏差の異なる)五つの粒度分布データa〜eについて、チェックをおこなった。ここでも、交角指標として、交角θの余弦(cosθ)を用いた。算出結果は、以下のとおりである。
粒度分布データaから離れるほど、cosθが小さくなり(θが大きくなり)、パターンの差と対応した結果となっている。余りパターンの差のないような粒度分布データc〜eに対しても、僅かな違いが数値の差にあらわれており、cosθは粒度分布データ同士の定量的比較結果であることが分かる。
【0012】
▲1▼ 粒度分布データの組み合わせ:a,a、cosθ:1
▲2▼ 粒度分布データの組み合わせ:a,b、cosθ:0.912256
▲3▼ 粒度分布データの組み合わせ:a,c、cosθ:0.799601
▲4▼ 粒度分布データの組み合わせ:a,d、cosθ:0.712020
▲5▼ 粒度分布データの組み合わせ:a,e、cosθ:0.645402
【0013】
以上のことにより、発明者の上記の推論は正しいことが裏付けられ、両粒度分布データのベクトルの交角に対応する交角指標を算出すれば、算出で求めた値が二つの粒度分布データの定量的比較結果となるという知見が得られたのである。このような知見に基づいてなされたこの発明は、次のような構成を採る。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明は、粒度分布範囲を複数の区間に分割し、各区間ごとの粒子量データを成分とする二つの粒度分布データの比較をおこなう方法において、前記二つの粒度分布データを、各々の粒子量データを成分とするベクトルとして扱い、これらの二つの粒度分布データ(ベクトル)のなす交角に関連した交角指標を算出する過程と、前記過程で求めた交角指標に基づいて前記二つの粒度分布データの差異の程度を判定する過程とを含む。
【0015】
また、請求項2に記載の粒度分布測定装置は、粒度分布範囲を複数の区間に分割し、各区間ごとの粒子量データを成分とする粒度分布データを測定する粒度分布測定手段と、前記測定手段によって測定された、評価しようとするサンプル粒子群の粒度分布データを記憶する粒度分布記憶手段と、前記測定手段によって測定された、基準となる粒子群の粒度分布データを記憶する基準粒度分布記憶手段と、前記各記憶手段に記憶された二つの粒度分布データを、各々の粒子量データを成分とするベクトルとして扱い、これらの二つの粒度分布データのなす交角に関連した交角指標を算出する交角指標算出手段と、前記交角指標に基づいて前記二つの粒度分布データの差異の程度を判定する判定手段とを備えたものである。
【0016】
〔作用〕
次に、この発明により二つの粒度分布データの比較をおこなう際の作用について説明する。
請求項1の粒度分布データの比較方法では、二つの粒度分布データのベクトルの交角に対応する交角指標を算出する。得られた交角指標の数値でもって二つの粒度分布データの差異の程度を判定することができる。例えば、粒度分布データが頻度分布%であって、交角指標が両ベクトルの交角のcosθである場合、両粒度分布データが完全に一致していれば、cosθ=1となり、両粒度分布データが全く一致していなければ、cosθ=0となり(cosθは負となることはない)、cosθが大きいほど両粒度分布データの一致度が高いことになる。
【0017】
請求項2の粒度分布測定装置では、まず、評価しようとするサンプル粒子群の粒度分布データを粒度分布測定手段によって測定して、これを粒度分布記憶手段に記憶する。一方、同じ粒度分布測定手段により、基準となる(例えば、良品の)粒子群の粒度分布データを測定しておき、これを基準粒度分布記憶手段に記憶しておく。そして、交角指標算出手段は、前記二つの粒度分布データの交角指標(例えば、cos θ)を算出する。判定手段は、この交角指標の大きさを、予め決められた所定値と比較することによって、両粒度分布データの差異の程度(例えば、サンプル粒子群の良品)を判定する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例を、図面を参照しながら詳しく説明する。図1は実施例の粒度分布測定装置の全体構成をあらわすブロック図である。
【0019】
実施例の粒度分布測定装置では、図1に示すように、透明材料製の試料セル1の中の分散粒子群2に対して、コリメータ3を介して平行レーザ光を照射するレーザ光源4と、分散粒子群2からの回折/散乱光を検出するよう空間配置された光センサ5a〜5cとが設けられている。光センサ5aはリングディテクタタイプの前方散乱・回折光検出用センサであり、検出面が集光レンズ6でリング状に結象する回折/散乱光象に対応してリング状ないし半リング状に分割されており、各分割区画が一つの光検出素子となる。また、光センサ5bは側方散乱光検出用センサであり、光センサ5cは、後方散乱光検出用センサである。さらに、実施例装置では、媒液と粒子群を攪拌して粒子群を媒液に分散させる攪拌器7付き分散槽8が設けられている。試料セル1と分散槽8とは、ポンプ9を介設した流路によって接続されていて、媒液と粒子群の混合物が試料セル1と分散槽8の間を循環する構成となっている。
【0020】
この実施例装置は、光センサ5a〜5cの検出信号を増幅するプリアンプ11および増幅された検出信号をディジタル信号に変換するA/D変換部12を備える。A/D変換部12からの出力信号は、各検出光量データを成分とした光強度分布データとして光強度分布メモリ13に記憶される。また、CPU14は、実測された光強度分布データを粒子の屈折率に関係する係数行列を使った演算アルゴリズムにより粒度分布データに換算する演算や、二つの粒度分布データの交角に関連した交角指標を算出する演算や、その交角指標に基づいてサンプル分散粒子群の良否の判定なとを行う。すなわち、このCPU14は、この発明における粒度分布測定手段の一部に相当するとともに、交角指標算出手段、および判定手段としての機能も備える。
【0021】
また、実施例装置は、操作部16から入力された屈折率に基づいてCPU14が算出した、演算アルゴリズムで使われる係数行列を保持する係数保持部15を備える。さらに、実施例装置は、評価対象であるサンプル分散粒子群の粒度分布データを記憶する粒度分布メモリ17a、基準となる良品の分散粒子群の粒度分布データを記憶する基準粒度分布メモリ17b、求められた粒度分布データや交角指標を表示する出力部18を備えている。出力部18としては、TVモニタや液晶パネルなどの映像表示機器ないしプリンタなどの印刷機器が例示される。
【0022】
次に実施例装置おいて実行される光強度分布データと粒度分布データの間の変換用の演算アルゴリズムや交角指標を求出する演算アルゴリズムについて説明する。
図1に示すように、分散粒子群2にレーザ光を照射すると、空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生ずる。この光強度分布パターンは、粒子の大きさによって変化する。実際の試料では大きさの異なる粒子が混在しているため、光強度分布パターンはそれぞれの粒子からの回折/散乱光の重ね合わせとなる結果、光強度分布データ(ベクトル)sは、m個の光検出素子の検出光量データ(入射光量)をベクトル成分(要素)s(i=1,2,・・・,m)とする下記の(1)式で示すs(ベクトル)としてあらわせる。
【0023】
一方、粒度分布データ(ベクトル)qは、粒度分布範囲(最大粒子径x,最小粒子径xn+1 )をn分割の粒子径区間〔x,xj+1 〕(j=1,2,・・・,n)に区分けした時に各粒子径区間〔x,xj+1 〕の粒子量データをベクトル成分(要素)q(j=1,2,・・・,n)とする下記の(2)式で示すqとしてあらわせる。粒度分布が頻度分布%の場合、各粒子量データは、その粒子径区間の粒子径を有する粒子の合計量データであり、(q+q+…+q+…+q)=1(100%)となるよう正規化(ノルマライズ)をおこなっている。粒度分布がフルイ上積算分布%の場合、各粒子量データは、粒子径x以上の大きさの粒子が全体(100%)に占める割合(%)データである。また、粒度分布がフルイ下積算分布%の場合、各粒子量データは、粒子径x以下の大きさの粒子が全体(100%)に占める割合(%)データである。粒子量データの基準(次元)としては、体積、個数、面積、長さなどを用いることができる。
【0024】
【数1】
Figure 0003633168
【0025】
そして、光強度分布データ(ベクトル)sと粒度分布データ(ベクトル)qは、粒子の屈折率と関連する係数行列A(マトリクス)を媒介として、下記の(3)式に示すように関連づけられる。
【0026】
s=A・q ……(3)
【0027】
係数行列Aは、下記の(4)式で示すように、マトリクスである。Aの成分(要素)aij(i=1,2,・・・,m,j=1,2,・・・,n)の物理的意味は、粒子径区間〔x,xj+1 〕に属する単位粒子量の粒子群によって回折/散乱した光のi番目の光検出素子に入射する光量である。aijの数値は予め理論的に計算することができる。これには、粒子径が照射するレーザ光の波長に比べて十分に大きい場合はFraunhofer回折理論が適用される。しかし、粒子径が照射するレーザ光の波長と同程度かサブミクロンの領域では、Mie 散乱理論を適用する必要がある。Fraunhofer回折理論はMie 散乱理論の特定の場合の近似、すなわち、前方微小角散乱において、粒子径が照射するレーザ光の波長に比べて十分大きな場合に有効な近似と考えられる。
【0028】
【数2】
Figure 0003633168
【0029】
上記の理論に従って、係数行列Aのaijを求めるには、粒子および、それを分散させるための媒体の屈折率を操作部16から入力(セット)する。この場合、セットされる屈折率は一般的に複素数であらわされる。実施例装置では、操作部16から入力された屈折率(具体的には、相対屈折率)に基づいて、それに対応した係数行列AをCPU14が算出する構成になっている。つまり、屈折率を変更すると、異なる係数行列Aが求められる(演算条件としての係数行列Aが変更される)のである。
【0030】
一方、上記の(3)式に基づいて、最小自乗法で求められた粒度分布データ(ベクトル)qの解は下記の(5)式のとおりである。この(5)式は、光強度分布データ(ベクトル)sを粒度分布データ(ベクトル)qに変換する演算アルゴリズムである。勿論、演算アルゴリズムは、ここに例示したものは一例であり、様々なバリエーションが可能である。
【0031】
q=(A・A)−1・A・s ……(5)
但し、AはAの転置行列であり、( )−1は逆行列であることを示す。
【0032】
本実施例では、操作部16からセットされた屈折率に対応する係数行列Aを用いて、(5)式より光強度分布データ(ベクトル)sから粒度分布データ(ベクトル)qを求めている。
【0033】
続いて、上述のようにして得られた二つの粒度分布データの交角指標の算出過程について説明する。この実施例では、交角指標は交角の余弦である。
二つの粒度分布データを下記の(6),(7)式に示すように、一方をベクトルp、他方をベクトルqとする。そうすると、粒度分布データp,qの交角指標としての余弦(cosθ)は下記の(8)式で示すとおりとなる。
【0034】
【数3】
Figure 0003633168
【0035】
(8)式において、(p,q)は、p,qの内積である。
Figure 0003633168
である。また、|p|、|q|はそれぞれベクトルp,ベクトルqの大きさである。すなわち、|p|=√((p,p))
|q|=√((q,q))
である。但し、(p,p)は、p,pの内積、
(q,q)は、q,qの内積である。
【0036】
次に、上述の構成を有する実施例の粒度分布測定装置による測定動作を図1、および図4に示したフローチャートを参照して説明する。
【0037】
ステップS1:サンプル粒子群の光強度分布データを測定し、光強度分布メモリ13に記憶する。操作部16からセットされた屈折率に応じた係数行列に基づき、上述した手法によって、前記光強度分布データから粒度分布データを換算し、粒度分布メモリ17aに記憶する。
【0038】
ステップS2:粒度分布メモリ17aに記憶したサンプル粒子群の粒度分布データと、基準粒度分布メモリ17bに予め記憶しておいた良品の粒子群の粒度分布データとの交角の余弦(cos θ)を算出する。
【0039】
ステップS3:交角指標としての余弦(cos θ)が、予め定められた所定値よりも大きいか否かを判定する。この所定値は、基準粒度分布メモリ17bに記憶された良品の粒子群の粒度分布データに対して、どれほど一致していた場合に、そのサンプル粒子群を良品とするかに応じて、予め実験的に求められた値である。
【0040】
ステップS4:サンプル粒子群の交角指標(cos θ)が所定値よりも大きい場合には、そのサンプル粒子群を良品と判定する。
【0041】
ステップS5:一方、サンプル粒子群の交角指標(cos θ)が所定値よりも小さい場合には、そのサンプル粒子群を不良品と判定する。
【0042】
例えば、評価しようとするサンプル粒子群▲1▼〜▲5▼の交角指標(cos θ)が以下のとおりであったとする。このとき、合否判定の所定値が『0.98000』であったとすると、評価サンプル▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲5▼は良品と判定され、評価サンプル▲4▼は不良品と判定されることになる。このようにすれば、各種の粉体を扱う製造工程における粒度分布管理を容易、かつ的確におこなうことができる。
【0043】
評価サンプル▲1▼ cosθ=0.98278
評価サンプル▲2▼ cosθ=0.99124
評価サンプル▲3▼ cosθ=0.98618
評価サンプル▲4▼ cosθ=0.97514
評価サンプル▲5▼ cosθ=0.98414
【0044】
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することができる。
(1)上記実施例では、粒度分布データは、レーザ回折/散乱光方式の粒度分布測定によって得られたものであったが、この発明は、粒度分布測定の手法に限定されず、例えば、沈降方式の粒度分布測定で得られた粒度分布データの比較にも適用することもできる。
【0045】
(2)実施例では、粒度分布データとして、頻度分布%が用いられていたが、フルイ上積算分布%やフルイ下積算分布%が用いられてもよい。なお、フルイ上積算分布%やフルイ下積算分布%の場合は、交角指標(cos θ)が完全に0となることはないが、二つの粒度分布データの差異が大きくなる程、cos θが0に近づくという傾向は同じである。
【0046】
(3)実施例では、二つの粒度分布データの交角に対応する交角指標が、交角の余弦であったが、交角指標は、交角の正弦、あるいは交角そのものであってもよい。正弦の場合は、0の時が両粒度分布データが完全一致となり、1の時が両粒度分布データが全く不一致となるという結果になる。交角そのものの場合は、0°の時が両粒度分布データが完全一致となり、90°の時が両粒度分布データが全く不一致となる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1の粒度分布データの比較方法によれば、二つの粒度分布のパターンの相違が、二つの粒度分布データを各々ベクトルとして取り扱った場合の、両ベクトルの交角に対応する交角指標というかたちで定量化されるので、粒度分布データの比較を容易かつ的確に行うことができ、粉体(粒子群)を原料や製品とする各種分野における粉体の品質管理などに有用である。
【0048】
請求項2の粒度分布測定装置によれば、請求項1の比較方法を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の粒度分布測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】分布パターンが異なる複数の粒度分布データを重ね書きした例を示すグラフである。
【図3】分布パターンが異なる複数の粒度分布データを重ね書きした他の例を示すグラフである。
【図4】粒度分布データの比較過程を示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 …分散粒子群
4 …レーザ光源
5a〜5c…光センサ
13 …光強度分布メモリ
14 …CPU
15 …係数保持部
17a …粒度分布メモリ
17b …基準粒度分布メモリ

Claims (2)

  1. 粒度分布範囲を複数の区間に分割し、各区間ごとの粒子量データを成分とする二つの粒度分布データの比較をおこなう方法において、前記二つの粒度分布データを、各々の粒子量データを成分とするベクトルとして扱い、これらの二つの粒度分布データのなす交角に関連した交角指標を算出する過程と、前記過程で求めた交角指標に基づいて前記二つの粒度分布データの差異の程度を判定する過程とを含むことを特徴とする粒度分布データの比較方法。
  2. 粒度分布範囲を複数の区間に分割し、各区間ごとの粒子量データを成分とする粒度分布データを測定する粒度分布測定手段と、前記測定手段によって測定された、評価しようとするサンプル粒子群の粒度分布データを記憶する粒度分布記憶手段と、前記測定手段によって測定された、基準となる粒子群の粒度分布データを記憶する基準粒度分布記憶手段と、前記各記憶手段に記憶された二つの粒度分布データを、各々の粒子量データを成分とするベクトルとして扱い、これらの二つの粒度分布データのなす交角に関連した交角指標を算出する交角指標算出手段と、前記交角指標に基づいて前記二つの粒度分布データの差異の程度を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする粒度分布測定装置。
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